説明

酸素指数測定装置

【課題】 室温における酸素指数測定装置において、ガラスカラムの上部を外すことなく、また、高温における酸素指数測定装置において、試験片が規定の時間又は長さが燃焼した場合に、試験片の燃焼を消火することを可能にすることを目的とする。
【課題手段】 ガラスカラム1への酸素流路4と窒素流路5を含む装置本体2と、試験片を収めて燃焼させるガラスカラム1と、PC操作画面を有するディスプレイ3とからなり、上記ディスプレイ3上に消火ボタン11を設け、この消火ボタン11の操作により酸素流路4の流量コントローラ8に出力0%の制御信号を送り試験片の燃焼を消火することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、規定の条件下で、垂直の小試験片が燃焼を維持する、酸素と窒素の混合ガス中の最小酸素濃度を測定する酸素指数測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
23℃±2℃の環境下での室温における酸素指数測定装置及び25℃〜150℃の高温における酸素指数測定装置は従来技術として公知である。
これら酸素指数測定装置は、制御装置と、試験片を収めて燃焼させるガラスカラムと、PC操作画面を有するディスプレイとからなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
公知の室温における酸素指数測定装置は、上記ガラスカラムを上下分離可能なものを使用し、試験片が規定以上の時間又は長さが燃焼した場合、従来ではガラスカラムの上部を外し、人が息を吹きかけて消火していた。
しかし、試験中の酸素濃度が空気中より低い場合、上部のガラスカラムを外すと、逆に激しく燃焼してしまい危険であるという課題があった。
【0004】
一方、高温における酸素指数測定装置では、ガラスカラムにヒータ線が巻き付けてあるため、上下分離や簡単に取り外すことは構造上及び安全上不可能である。従って、試験片が燃え尽きるまで待つしかなく、無駄にガスを消費してしまい不経済であるという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、室温における酸素指数測定装置において、ガラスカラムの上部を外すことなく、また、高温における酸素指数測定装置において、経済的に試験片の燃焼を消火することを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明の室温における酸素指数測定装置は、ガラスカラムへの酸素流路と窒素流路を含む制御装置と、試験片を収めて燃焼させるガラスカラムと、PC操作画面を有するディスプレイとからなり、上記ディスプレイ上に消火ボタンを設け、この消火ボタンの操作により酸素流路の流量コントローラに出力0%の制御信号を送り試験片の燃焼を消火することを特徴とする。
【0007】
一方、本発明の高温における酸素指数測定装置は、ガラスカラムへの酸素流路と窒素流路と空気流路を含む制御装置と、試験片を収めて燃焼させるガラスカラムと、PC操作画面を有するディスプレイとからなり、上記ディスプレイ上に消火ボタンを設け、この消火ボタンの操作により、空気の流量コントローラに酸素流路の流量コントローラと同じ出力の制御信号を送ると同時に、酸素の流量コントローラに出力0%の制御信号を送ることで、空気と窒素を混合してガラスカラム内の総流量を維持し、それにより温度変化なく試験片の燃焼を消火することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
室温における酸素指数測定装置にあっては、ガラスカラムの上部を外す必要もなく、また、空気中より低い酸素濃度での試験でも安全な消火ができる効果がある。
また、高温における酸素濃度測定装置では、試験片が燃え尽きるまで待つ必要なく、ガスを無駄に消費してしまう不経済をなくすことができ、しかもガラスカラム内の温度変化なく試験片を消火できるので、次の試験がスムースに行える効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】酸素指数測定装置の外観図である。
【図2】本発明の室温における酸素指数測定装置のブロック図である。
【図3】本発明の高温における酸素指数測定装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に本発明の酸素指数測定装置の外観図を示してあり、図中符号1が試験片を燃焼するガラスカラムであり、符号2がガラスカラム1への酸素流路及び窒素流路を含む制御装置であり、符号3がPC操作画面を有するディスプレイである。
【実施例1】
【0011】
図2に本発明の室温における酸素指数測定装置の実施例を示してある。ガラスカラム1への酸素流路4と窒素流路5が設けられ、これら酸素流路4と窒素流路5が合流してガラスカラム1へ接続してある。これら酸素流路4と窒素流路5には共に開閉弁6、フィルタ7、流量コントローラ8及び電磁弁9が設けてある。一方ディスプレイ3は変換器10を介して酸素流路4と窒素流路5のそれぞれの流量コントローラ8に接続してある。
本発明では、上記ディスプレイ3上に消火ボタン11を設けてあり、この消火ボタン11の操作により酸素流路4の流量コントローラ8に出力0%の制御信号を送り、ガラスカラム1への酸素の供給を停止しガラスカラム1内の試験片の燃焼を消火するようにしてある。
【実施例2】
【0012】
図3に本発明の高温における酸素指数測定装置の実施例を示してある。従前装置と同様、ガラスカラム1にカラムヒータ12と予熱ヒータ13が設けてあり、室温における酸素指数測定装置に空気流路16が加えられ、酸素流路4及び窒素流路5と合流してガラスカラム1へ接続してある。この空気流路16にフィルタ7、流量コントローラ8及び電磁弁9を設けてあり、この空気流路16の流量コントローラ8を変換器10に接続してある。
この実施例でもディスプレイ3上に消火ボタン11を設けてあり、この消火ボタン11の操作により空気流路16の流量コントローラ8に酸素流路4の流量コントローラ8と同じ出力の制御信号を送ると同時に、酸素流路4の流量コントローラ8に出力0%の制御信号を送ることで、空気と窒素を混合してガラスカラム1内の総流量を維持し、それにより温度変化なく試験片の燃焼を消火するようにしてある。
【0013】
これら室温における酸素指数測定装置及び高温における酸素指数測定装置においては、ガラスカラム1内に図示しない試験片保持具を置き、この試験片保持具に試験片を垂直に保持して試験片に着火し試験を行う。この試験で試験片が規定以上の時間又は長さが燃焼した場合、本発明ではディスプレイ3上の消火ボタンを操作し、試験片の燃焼を消火する。
【符号の説明】
【0014】
1 ガラスカラム
2 装置本体
3 ディスプレイ
4 酸素流路
5 窒素流路
6 開閉弁
7 フィルタ
8 流量コントローラ
9 電磁弁
10 変換器
11 消火ボタン
12 カラムヒータ
13 予熱ヒータ
16 空気流路



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスカラムへの酸素流路と窒素流路を含む制御装置と、試験片を収めて燃焼させるガラスカラムと、PC操作画面を有するディスプレイとからなり、上記ディスプレイ上に消火ボタンを設け、この消火ボタンの操作により酸素流路の流量コントローラに出力0%の制御信号を送り試験片の燃焼を消火することを特徴とする酸素指数測定装置。
【請求項2】
ガラスカラムへの酸素流路、窒素流路及び空気流路を含む制御装置と、試験片を収めて燃焼させるガラスカラムと、PC操作画面を有するディスプレイとからなり、上記ディスプレイ上に消火ボタンを設け、この消火ボタンの操作により、空気の流量コントローラに酸素の流量コントローラと同じ出力の制御信号を送ると同時に、酸素の流量コントローラに出力0%の制御信号を送ることで、空気と窒素を混合してガラスカラム内の総流量を維持し、それにより温度変化なく試験片の燃焼を消火することを特徴とする酸素指数測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−257253(P2011−257253A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131575(P2010−131575)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(000151852)株式会社東洋精機製作所 (26)
【Fターム(参考)】