説明

重量測定式水分測定の測定器を試験するための方法および試料

試験チャンバ(30)と、測定位置にある試験チャンバ(30)内に配置された試料(62)の質量を測定するための試料保持具(60)を有する重量測定器(40)と、少なくとも1つの、試料保持具(60)上に設置されうる試料(62)を加熱するための手段(31)とを有する、重量測定式水分測定の測定器(10)を試験するための方法であって、試験試料(62)を試料保持具(60)上に設置するステップと、試験試料(62)の開始時の質量mを測定するステップと、試験チャンバ(30)を所定の温度プロフィールを使用して加熱するステップと、試験試料(62)が所定の温度プロフィールによって加熱された後に重量測定器(40)を使用して試験試料の質量n\を測定するステップと、測定された質量n\を質量の基準値mtと比較するステップと、比較結果に対応する信号を出力するステップとを含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重量測定式水分測定の測定器を試験するための方法、およびこの目的に適した試験試料に関する。この状況において、水分とは、水または他の液体など、熱で揮発する物質が、別の物質の中に存在することを意味するものと考えられる。
【背景技術】
【0002】
試料の水分含量を測定するために、試料が乾燥され、乾燥処理前後の試料の重量が測定される。
特定の状況下で、重量損失はまた、乾燥処理中に測定されてよい。この場合は、試料の重量値は、温度、乾燥時間、および試験チャンバ内の条件の関数として減少し、重量値は、試料の乾燥重量に漸近的に接近する重量−時間曲線を追従する。試料の水分が所定の公称値に等しいかどうかを試験するために、試料の重量−時間曲線が計算される。次いで、このようにして計算された重量−時間曲線が、比較実験において測定される比較曲線と比較される。比較曲線は、その水分が公称値に等しい試料を使用して得られている重量−時間曲線に基づく。計算された重量−時間曲線と比較曲線とが、所定の許容差の中で適合しないならば、試料の水分は、所定の許容差の値の中で公称値に等しい。
【0003】
重量測定式水分測定のために適切に装備された測定器は、試料の水分含量を、測定された曲線パラメータおよび乾燥時間に基づいて測定し、そのような値を、現存する電子的手段を使用して表示ユニット上に表示することができる。この方法によって、乾燥される材料は、完全に乾燥される必要はなく、重量−時間図表の中で2つの検出点の座標を測定するだけで十分である。
【0004】
乾燥される材料が完全には乾燥されない乾燥処理は、所定の一定の乾燥時間Δtの間に行われてよい。かわりに、乾燥処理は、単位時間当たりの質量の変化
【0005】
【数1】

【0006】
が、乾燥処理の間に所定の閾値aより下に減少するまで継続されてよく、乾燥時間Δtは、必ずしも一定である必要はない。
導入部に述べられていたように、乾燥処理の間の試料の重量の変化は、本質的に、温度、乾燥時間、および試験チャンバにおける条件に応じて決まる。試料を堆積または除去できるように開放可能であり、かつ測定器の筐体で囲まれるチャンバが、試験チャンバとして機能する。また、試料を保持するための仕組みおよび試料を加熱するための手段が、試験チャンバ内に配置される。試料保持具が、重量測定式測定器に接続される。
【0007】
通常は、試料の薄膜が、平らな試料保持具、例えば試料皿の上に堆積される。皿は、試料が均一に加熱されうるように、好ましくは、その表面領域が試料を加熱するための手段の表面領域に水平でかつ平行になるように、重量測定式水分測定器の中に配置される。
【0008】
輻射ヒータ、セラミックヒータ、ハロゲン灯および石英灯など、種々の放射源が、加熱手段として使用される。放射熱源としてマイクロ波発振器を使用することさえも、可能である。
【0009】
説明された種類の重量測定式水分測定の測定器は、例えば、欧州特許第0611956B1号によって知られる。この機器では、試料保持具は、重量測定式水分測定の測定器の外に載置される。これを実行するために、重量測定器は、引き出しの形をした取り出し機器上の試料保持具と共に、測定器の筐体から取り出される。環状のハロゲン灯が放射源として使用され、動作時に、試料保持具の上に配置される。
【0010】
別の測定器が、欧州特許第1850110A1号によって知られる。この機器では、2つの放射源が使用され、測定位置において、試料保持具が、第1および第2の放射源の間に配列される。
【0011】
重量測定式水分測定の測定器が正確に機能していることを確実にするために、測定器は定期的に試験され、必要に応じて調整または較正されなければならない。1つの選択肢は、重量測定器と放射源とを、互いに分離して試験することである。重量測定器を試験するために、知られている基準質量が、質量センサ上に設置されてよい。測定器で表示される質量が、基準質量と大幅に異なるならば、質量センサは、再調整されなければならない。放射源を試験するために、基準温度センサが、試料の代わりに測定器に挿入されてよい。次いで、測定器が、所定の基準温度に加熱される。測定器で表示される温度が、基準温度と大幅に異なるならば、放射源は再調整されなければならない。基準温度センサは、例えばドイツ特許第10024015C2号によって知られる。
【0012】
放射源を試験することは、可能な限り最良の正確さを得るために、基準温度センサが低温の測定器に挿入されなければならないので、とりわけ時間がかかる。この状況において、測定器は、約20℃の室温であるならば、低温であるものとみなされる。また、機器が定常状態に到達し、基準温度センサが温度変動を表示しなくなるまで待つ必要があり、このことにも、多大の時間がかかる。放射源が完全に信頼できることを確実にするために、2つ以上の基準温度に対してこの試験を遂行することが、さらに推奨される。結果として、試験は、かなりの努力を必要とし、それゆえ、多くの場合、ユーザによって非定期的に実施され、そのことが同様に、一時的に、測定の正確さに関して不確実性をもたらす可能性がある。
【0013】
測定結果の再現性の試験が、米国特許公開第2002/063128A1号に記載されている。この試験に対して、異なる製造会社5社のミルク粉末が使用された。各製造会社からミルク粉末の試料が2つずつ採取され、これらの試料のそれぞれの中の水分含量が測定された。2つの対応する試料の測定結果が、比較されうる。測定結果の再現性に関する結論が、これらの測定に基づいて引き出されうる。しかし、処置の絶対的な正確さに関する結論は、何も引き出されえない。測定機器が不正確な値を示すとすれば、そのことが、系統誤差(systematic error)をもたらすであろう。不完全な測定機器で記録された測定値も、同じであろう。
【0014】
しかし、同様に冗長な別の解析方法では、検体(test substance)の水分が、カールフィッシャー滴定法(Karl Fischer titration procedure)を使用して測定される。次いで、比較試料が検体から採取され、比較試料の水分が測定器を使用して測定される。測定器が、許容誤差のパラメータ内で十分に正確な結果を返すならば、測定器は、再度、調整または較正される必要はない。しかし、結果が許容誤差の外であれば、測定器は、調整および/または較正されなければならない。
【0015】
この解析方法の欠点もまた、カールフィッシャー滴定によって検体の水分を測定するステップが冗長なプロセスであり、結果として、多くの場合、ユーザによって散発的に遂行されるのみであり、ここでもまた、そのことが、測定の正確さに関して不確実性をもたらす可能性がある。
【0016】
国際公開第99/61878A号および米国特許公開第2002/063128A1号は、やはり時間のかかる他の解析方法を開示する。これらの方法では、検体の水分は、標準的な対流式オーブンを使用して測定される。この目的のために、液体を含む検体の試料が最初に計重され、次いで、対流式オーブンの中で乾燥される。乾燥後、試料は、再び計重される。検体の水分含量は、乾燥される前後の試料の重量差によって測定されうる。この解析方法も同様に、検体の水分を測定するステップは時間がかかり、それゆえ、多くの場合、ユーザによって定期的に遂行されないという欠点の影響を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
それゆえ、本発明の目的は、重量測定式水分測定の測定器を試験する方法、および、それゆえ、できるだけ簡単かつ正確に測定器が試験されることを可能にする、適切な試験試料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
それゆえ、この目的は、独立クレームで説明される特徴を有する方法および適切な試験試料によって解決される。他の有利な実施形態は、従属クレームによって識別されうる。
試験チャンバと、測定位置にあるときに試験チャンバ内に配置された試料の質量を測定するための試料保持具を有する重量測定器と、少なくとも1つの、試料保持具上に設置されうる試料を加熱するための手段とを有する、重量測定式水分測定の測定器を試験するための、本発明による方法は、
・試験試料を試料保持具上に設置するステップと、
・試験試料の開始時の質量mを測定するステップと、
・試験チャンバを所定の温度プロフィールを使用して加熱するステップと、
・試験試料が所定の温度プロフィールによって加熱された後に重量測定器を使用して試験試料の質量mを測定するステップと、
・測定された質量mを質量の基準値mと比較するステップと、
・比較結果に対応する信号を出力するステップと
からなる。
【0019】
この状況において、試験試料の開始時の質量mおよび試験チャンバが所定の温度プロフィールによって加熱された後の質量mが、測定器の重量測定器によって測定されうる。かわりに、開始時の質量mは、いくつかの他の方法でも測定されうる。例えば、開始時の質量mは、水分を測定するための測定器の外の秤を使用して測定されてよく、この方法で測定された質量は、測定器に電子的に伝送されてよく、またはユーザによって入力されてよい。
【0020】
試験試料の目的は、測定器を試験することにある。このことが可能であるためには、試験試料は、知られている特性を持たなければならない。これらの知られている特性は、例えば、知られている開始時の質量mおよび/または温度プロフィールに応じて決まる質量m(t,T)を含んでよい。これらの知られている特性から、測定器を試験するために使用されうる基準値を導くことができる。1つの可能性のある基準値は、試験試料が所定の温度プロフィールによって加熱された後に存在する質量mである。
【0021】
例えば、質量mの基準値を測定するために、知られている開始時の質量mを有する所与の物質の試料が重量測定式水分測定の測定器の中に設置されてよく、そこで、所定の温度プロフィールによって加熱される。加熱後に残留する質量が、基準質量mに相当する。基準質量を測定する前に、使用される測定器の機能が正確であることが、確実にされなければならない。試料が、測定器を試験するために使用されてよい。基準質量mが、各試験の前に測定される必要はない。理想的には、物質は長期間安定であり、言い換えれば、所定の温度プロフィールによって試料を加熱するステップが、たとえ物質が貯蔵場所に保持されていた後でも、常に同じ基準質量mをもたらすべきである。
【0022】
1つの可能性のある使用では、たとえ、試験試料が長期間貯蔵されていた後で、続いて、測定器を試験するために本発明による方法を被験するとしても、試験試料が再現可能な基準質量mを返すような方式で、試験試料が包装される。
【0023】
また、質量のパーセント変化が、絶対質量m、mおよびmの代わりに考慮されてよい。この目的のために、例えば、考慮されている質量が、開始時の質量mで正規化されてよい。別の可能なパラメータは、水分Xの相対的変化であり、それは、質量の変化から直接導かれうる。所定の温度プロフィールは、試験チャンバを所定の目標温度Tに加熱するステップと、所定の時間間隔Δtの間か、または単位時間当たりの質量の変化
【0024】
【数2】

【0025】
が所定の値aより下に減少するまで、言い換えれば、
【0026】
【数3】

【0027】
になるまで、この目標温度Tを維持するステップとを含むことが好ましい。
しかし、試験チャンバを加熱するために異なる温度プロフィールを使用することもできる。また、目標温度Tは、かなり大きい質量の変化を生み出すのに十分なだけ高くなければならない。目標温度は、通常、100℃を超えるように選択される。
【0028】
比較結果に対応する信号の出力は、例えば、質量の基準値mと測定された質量mとの間の差が所定の許容差より大きい場合に出力される警報信号であってよい。そのような警報信号は、例えば、視覚表示、紙上への印刷、音響信号、または別の装置に電送される電子信号であるものとみなされる。
【0029】
また、警報信号を出力する代わりに、測定された質量mがユーザによって読み取られ、基準値mと比較されてよい。しかし、この手動比較の欠点は、手動比較が、より多くの努力をユーザの側に要求し、誤りをより起こしやすくなることにある。
【0030】
好ましい実施形態では、情報担体が試験試料に割り当てられてよく、そのような担体に記憶されたデータが、測定器に伝送可能であってよい。記憶されたデータは、例えば、開始時の質量mおよび/またはmなどの質量の基準値を含んでよい。また、このデータは、温度プロフィールによって測定されるので、質量プロフィールm(t,T)を含んでよい。この状況において、バーコード、マトリックスコード、マイクロチップ、無線自動識別(radio frequency identification)(RFID)タグ、他が、情報担体として使用されてよい。
【0031】
本発明による方法の利点は、質量センサと加熱する手段とが、同時に試験されることを可能にすることだけではないことにある。試験のセットアップ全体の正確さに関する結論を引き出すことができる。例えば、試験チャンバ内の空気循環など、試験チャンバ内の小さな変化でさえも、測定結果に著しい影響を与える可能性があることを、実験が示している。測定された質量mと質量の基準値mとの間に差違が生じるそのような変化が、同様に、本発明による方法によって記録される。
【0032】
本発明による方法は、質量の絶対値が比較されるという利点を有する。この方法では、試験される測定器の相対的正確さのみでなく、測定器の絶対的正確さも試験される。
理想的には、本発明による方法において、知られている開始時の質量mを有する試験試料が使用される。例えば、通常、その物質に対して重量測定式水分測定の測定器が、いずれにしても使用されるであろう物質が、検体として使用されてよい。この場合の1つの問題は、測定器が、主として、貯蔵中の時間と温度変動とによって変化を受ける物質中の水分を測定するために使用されることである。典型的な用途は、食品、例えばミルク粉末、コーヒー、チョコレート、コーンスターチ、または小麦粉の中の水分測定である。この物質は、時間および環境の影響の結果としての変化を受けやすい。それゆえ、そのような物質から比較試料を生成し、比較試料を長期間貯蔵し、次いで、測定器を試験するために比較試料を使用することはできない。たとえこれらの困難が克服されるとしても、温度プロフィールを適用された結果としてそのような物質が受ける質量の変化は非常に小さく、それゆえ、測定器の正確さに関して十分に正確な結論が引き出されることは不可能であるという、そのような物質のさらなる不利な点が存在する。
【0033】
検体を貯蔵することができるように、検体は、通常の条件下で長期間貯蔵されるときに、化学的および物理的に安定であることが好ましい。測定器を試験するために使用され、推奨される検体は、熱の影響下で分離される結合された結晶水を有する塩である酒石酸ナトリウム二水和物である。結晶水の分離は、約150℃の温度閾値Tにおいて完了する。したがって、この温度閾値Tより高い目標温度は、実質的に変化しない質量をもたらす。それゆえ、酒石酸ナトリウム二水和物は、温度閾値Tより上で測定器の精密な試験を実施するためには適切でない。また、酒石酸ナトリウム二水和物は、温度閾値Tより下で使用するためには不適切である。というのは、この範囲では、質量−温度曲線を十分な正確さで再現することはできないから、言い換えれば、曲線は、各試料に対して異なるからである。それゆえ、酒石酸ナトリウム二水和物は、温度閾値Tより下で測定器の精密な試験を実施するためにも不適切である。
【0034】
この問題は、試験試料に含まれる検体が、目標温度T周りの温度において、再現可能な温度−質量曲線を有することを確実にすることによって回避されうる。ミルク粉末、コーヒー、チョコレート、コーンスターチ、または小麦粉などの天然物質は、再現可能な温度−質量曲線を持たないため、適切でない。
【0035】
さらに、本発明による試験試料の材料は、関連する質量の基準値m(T)が目標温度Tに対して曖昧さを残さずに特定されることを可能にするために、目標温度Tによって影響されたことによる質量の変化が十分に大きくなるように選択される。このことを保証することができるように、目標温度T周りの温度範囲において、目標温度T後の質量基準値m(T)から誘導された値dm(T)/dTは、重量測定器の質量許容差Gと目標温度Tの温度許容差Gとの商より大きい。ミルク粉末、コーヒー、チョコレート、コーンスターチ、または小麦粉などの天然物質は、これらの特性を持たない。通常、これらの物質に対して、水などの揮発性物質が蒸発するため、比較的急な質量の減少が、加熱の早い段階で発生する。この質量の減少の勾配は、温度の上昇に比較して大きな質量の変化を明示し、言い換えれば、dm(T)/dTは、十分に大きい。しかし、この質量の減少は、十分正確に再現可能であるものではなく、したがって、測定器を試験するためには適切でない。揮発性物質の大半が蒸発した後は、たとえ温度が上昇しても、質量は極めてわずかしか変化せず、そのことが、小さい勾配dm(T)/dTをもたらす。その結果、広い温度範囲に対してほとんど同じ質量が特定され、それにより、測定器の正確さについてなんらかの結論を引き出すことはできない。揮発性物質の大半が蒸発した後、さらに温度が上昇するならば、質量は、分解プロセスの結果として、再びより大幅に変化する。しかし、分解プロセスによる質量の変化は、十分正確に再現されえず、それゆえ、測定器の試験に使用するためには適切でない。
【0036】
これらの理由のため、目標温度周りの質量の変化dm(T)/dTが十分に大きいこと、および同様にこの質量の変化、したがって同様に目標温度における最終の質量m(T)が十分正確に再現可能であることを確実にすることが、測定器を試験するために有利である。基準質量m(T)の絶対値の代わりに、基準質量の相対的変化X(T)または測定動作後の質量の相対的変化X(T)もまた、考慮されてよい。基準質量の相対的変化X(T)は、開始時の質量mおよび質量の基準値m(T)に基づいて定義される。
【0037】
【数4】

【0038】
測定動作後の相対的変化X(T)は、開始時の質量mおよび測定動作後の質量mに基づいて定義される。
【0039】
【数5】

【0040】
(T)が各目標温度Tに対して一意的に特定されうることを確実にすることができるように、目標温度T後の基準質量の相対的変化X(T)からの微分係数の値は、重量測定器の相対的質量許容差Gと目標温度Tの温度許容差Gとの商より大きい。
【0041】
絶対値または相対値の使用は、試験試料の材料に対する必要条件に、何ら影響を与えない。
=3℃の温度許容差およびG=0.1%の相対的質量許容差を有する測定器に対して、目標温度T後の基準質量の相対的変化X(T)の微分係数の量は、
【0042】
【数6】

【0043】
より大きくなければならないことになる。この条件は、少なくとも目標温度T周りの温度範囲において満たされなければならない。この条件が、目標温度Tの値周りの±10℃の間隔に対して満足されるならば、通常は十分である。
【0044】
理想的には、測定器は、測定器が動作される温度にできるだけ近い目標温度Tで試験される。上述の種類の測定器は、通常は、80℃から200℃までの目標温度範囲内で動作される。それゆえ、この目標温度範囲全体に対して同様に適切に機能する試験試料を使用することが有利である。それゆえ、基準質量の相対的変化X(T)の微分係数の量が、重量測定器の相対的質量許容差Gと80℃より高く200℃より低いすべての温度に対する目標温度の温度許容差Gとの商より大きいならば、有利である。したがって、G=3℃の温度許容差およびG=0.1%の相対的質量許容差を有する測定器に対して、目標温度T後の基準質量の相対的変化X(T)の微分係数の量が、80℃から200℃までの温度範囲において、
【0045】
【数7】

【0046】
より大きいならば有利である。
このことが、間隔T∈[80℃、200℃]からの任意の目標温度を試験するために、同じ試験試料が使用されうるという利点を提供する。
【0047】
αの値が大きいほど、試験の処置はより正確になる。それゆえ、システムの構成部品、とりわけ試験試料の材料は、80℃から200℃までの温度範囲において、α>0.1または好ましくはα>0.3になるように選択されるならば有利である。
【0048】
質量の相対的変化X、したがって同様に、最終質量の相対的変化Xは、十分正確に再現可能でなければならない。再現性を評価するために、多数の測定が実施される。測定は、同等の条件下で遂行される。算術平均
【0049】
【数8】

【0050】
が、最終質量の相対的変化Xから測定されうる。この状況において、nは、実施された測定の数を表す。結果としてもたらされた標準偏差は、
【0051】
【数9】

【0052】
によって計算される。
が小さいほど、方法は、より正確に、したがってより再現可能になる。温度Tが、95.4%の確率で、T−ΔT〜T+ΔTの間隔内にあることを確実にするために、以下の関係
【0053】
【数10】

【0054】
が満たされなければならない。
測定器を試験するための方法の再現性は、
【0055】
【数11】

【0056】
であるならば良好である。
方法は、
【0057】
【数12】

【0058】
であるならば、依然として使用可能である。しかし、方法は、
【0059】
【数13】

【0060】
であるならば、十分正確に再現されえず、測定器を試験するために使用することはできない。試験試料の材料は、検体を含む。種々の物質および物質の混合物は、加熱に応じて制御された質量の変化を受けるならば、検体としての使用に適する。そのような質量の変化は、例えば、検体が分解する、転化される、その集合状態を変える、あるいは別のバウンド(bound)または結晶水、気体含有物、もしくは吸収された溶媒などの含有物質をリリースする、化学的または物理的反応の結果として発生する可能性がある。当然ながら、揮発性物質が、質量を失うことなく貯蔵されうることを確実にするために、例えば室温より少なくとも20℃高い沸点を有するならば、同様に使用されてよい。試験試料の開始時の質量mおよび目標温度Tは、所定の時間間隔Δt後に検体の残留量が残存するように選択されることが好ましい。時間間隔Δtが経過する前に検体が完全に転化されるかまたは消費されるとすれば、それ以上の質量の減少は発生することはできず、それゆえ、測定器の正確さに関してなんらかの結論を引き出すことはできないであろう。
【0061】
当然ながら、個々の物質に加えて、そのような物質の混合物を検体として使用することができる。
検体は、担体材料と組み合わされてよい。担体材料の基本的な必要条件は、40℃から230℃までの温度範囲内で一定の質量を持たなければならないことである。この担体材料は、有利には、耐熱であり、上記の温度範囲内でいかなる変化も受けない。
【0062】
担体材料の他の有利な特性は、試験台上に検体が均一に分散することであり、このことは、加熱に応じた再現可能な質量変化に対して好ましい効果を有する。
検体を吸収し、少なくとも一時的に結合することができる構造が、担体材料として使用するためにとりわけ適切である。そのような物質は、固体、ゲル、粉末または粒状体を含んでよい。多孔質の吸収体か、またはセラミックもしくは布地の複合物で作製された吸収体が、とりわけ適切である。とりわけ、不織布または超極細繊維製品が、そのような布地の複合物として使用するために極めて良好に働く。他の可能性のある担体材料は、数ある中でも、ゼオライト、活性炭、ポリマー、シリカゲル、例えば砂などの石英化合物、または、それらの混合物を含む。
【0063】
ゼオライトは、それらの微小孔構造が、例えば水などの適切な検体を吸収するための高い能力をゼオライトに与えるので、とりわけ有利である。ゼオライトの細孔径は、細孔径の分散が小さくなるように、その結晶構造によって定義される。ゼオライトは、水を可逆的に結合することができ、その水は、温度の上昇につれて連続的にリリースされることが知られている。ゼオライトによる水のリリースは、温度に対して極めて敏感であり、量に比較して大きい、質量による質量の微分係数dm/dTをもたらす。ゼオライトの他の利点は、ゼオライトが、化学的にも物理的にも非常に安定であり、同様に、対象とする温度範囲内で分解しないことにある。最も好ましい担体材料の形体は、使用温度範囲内で変化しない。しかし、その構造または形体は変化を受けるが質量は変化を受けず、例えば目標温度に達する前に、温度に応じて検体をリリースする担体材料を使用することも考えられる。1つの可能性のある変形では、例えば、温度感受性の検体が、可溶性ワックスの中に含まれる。この方法では、検体は、試験試料が貯蔵されている間、ワックスの中に含まれ、変化または揮発することはできない。測定器の試験中に試験試料が加熱されると、ワックスが溶解し、検体がリリースされる。この変形は、試験試料の貯蔵に対する利点を提供する。というのは、温度感受性の検体は、測定器を試験するために使用されるまでリリースされず、貯蔵されている間にはリリースされないからである。
【0064】
液体または溶液が、温度感受性の検体として使用されてよく、検体は、例えば、共沸混合物、水、食塩水、有機溶媒、溶媒混合液、および/またはそれらの混合物を含んでよい。温度感受性の物質は、明確に定義された沸点範囲を有する。温度感受性の検体は、その沸点および試験される温度もしくは温度範囲を考慮して選択されるべきである。沸点は、検体と異なる沸点を有する物質の混合物を使用することによって変更されてよい。また、検体の沸点は、他の物質を加えることによって変更されてよい。80℃〜200℃の範囲内で重量損失に関する化学的または物理的変化を受ける物質が、検体としてとりわけ適切である。
【0065】
測定器を試験するために、可能な限り最短の時間を使用することが有利である。しかし、その一方で、試験試料の質量は、十分に正確な結果を得るのに十分なだけ大きくなければならない。Δt=300s〜Δt=900sの範囲内の所定の時間間隔が、約1g〜20gの開始時の質量に対して十分であることを、実験が示している。
【0066】
試験試料の開始時の質量mは、検体の質量mtestおよび担体材料の質量mCarrierから構成される。
=mtest+mCarrier
測定が開始される前の最初の状態では、試験試料は、知られている初期状態を有する。この最初の状態が保存されることを確実にするために、試験試料のパッケージングは、この知られている最初の状態が、測定器の試験が遂行されるまで、十分に安定であり続けるように選択されなければならない。普通は、試験試料は、1つの試験のためだけに使用される。通常、試験試料を再使用することはできない。
【0067】
重量測定式水分測定のための機器および典型的な温度−質量プロフィールの例が、以下の図面に示される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】重量測定式水分測定の測定器を示す断面図である。
【図2a】従来技術ですでに知られている検体である酒石酸ナトリウム二水和物に対する典型的な温度−質量プロフィールを示すグラフである。
【図2b】本発明による2つの検体に対する温度−質量プロフィールを示すグラフである。
【図3】酒石酸ナトリウム二水和物と共に、水を充填されたゼオライトに対する温度−質量プロフィールを示すグラフである。
【図4】水を充填されたゼオライトを含む試験試料に対して、本発明による方法を適用した後に測定された質量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図1は、試料保持具60および試料を収容するための試料皿61を有する、典型的な重量測定式水分測定の測定器10の断面を示す。試料保持具60は、接続部材50を介して重量測定器40に接続される。重量測定器40は、試料の質量を測定するために使用される。
【0070】
試料保持具60は、少なくとも第1の放射源31で加熱されうる試験チャンバ30の中に配置される。任意選択で、試料はまた、第2の放射源32を使用して加熱されてよい。理想的には、第1の放射源31が試料の上に配置され、第2の放射源32が試料の下に配置される。試料が2つの放射源31、32の間に配置されると、このことが、試料が均一に加熱されることを確実にする。放射源31、32として使用されうる機器の例は、加熱板、加熱箔、および輻射ヒータ、セラミックヒータ、誘導コイル、ハロゲン灯または石英灯である。
【0071】
測定器10は、筐体20の中に収容される。筐体20は、固定筐体部21および可動筐体部22からなる。可動筐体部22は、案内レール23上に設置されてよい。滑動式可動筐体部22は、試料62が試料保持具60上に設置されうるように、または試料保持具60から取り出せるように、試験チャンバ30を開放させる。図2aおよび図2bは、温度−質量プロフィールを示す。この状況において、目標温度Tが水平軸に沿ってプロットされ、所定の一定時間間隔Δtの後に目標温度Tからもたらされる予測基準質量m(T)が、垂直軸上にプロットされる。理論的には、目標温度Tが高いほど、より大きな質量損失、したがってより小さい基準質量m(T)をもたらす。
【0072】
図2aは、酒石酸ナトリウム二水和物に対する典型的な温度−質量プロフィールの概略的表示である。酒石酸ナトリウム二水和物は、従来技術によって知られている検体である。
【0073】
グラフは、温度閾値Tより高い温度において、わずかな増加を示す。温度許容差Gよりずっと離れた目標温度でさえも、重量測定器(40)に対する質量許容差G内に入る質量をもたらす。したがって、測定器の正確さに関していかなる結論も引き出されえない。
【0074】
また、酒石酸ナトリウム二水和物は、温度閾値Tより下で使用するには適当でない。なぜなら、導入部で説明されるように、この範囲内では質量−温度プロフィールを十分正確に再現することができず、それにより、酒石酸ナトリウム二水和物は、測定器の精密な試験のためにも適当でない。
【0075】
図2bは、本発明による2つの異なる検体に対する、異なる例示的温度−質量プロフィールのグラフのそれぞれを示す。2つのグラフは、温度−質量プロフィールの斜度が異なる。温度−質量プロフィールの傾斜は、温度後の質量の微分係数dm/dTに反映される。2つのグラフ1および2は、温度後の質量の微分係数が、温度許容差Gと質量許容差Gとの商より、量に照らして大きいならば、言い換えれば、dm/dT>G/Gであるならば、質量の基準値ma、1およびmb、1は、互いに少なくとも温度許容差Gだけ異なる2つの異なる目標温度TおよびTのそれぞれに特定されてよい。この状況において、質量ma、1およびmb、1の両方は、質量許容差Gより広く離れている。このことが、2つの質量ma、1およびmb、1が、質量許容差G内に配置されないことを確実にし、したがって、測定器に関して正確な結論を引き出すことが可能になる。
【0076】
勾配dm/dTがより急峻であるほど、方法は、より正確になる。このことは、グラフ1と2とを比較することによって視覚的に実証される。グラフ2は、グラフ1より急な勾配を有する。したがって、質量の基準値ma、2およびmb、2は、2つの異なる目標温度TaおよびTbに対して、量に照らしてより大きい勾配dm/dTに対して、より広く離れている。その結果、測定器の正確さに関する結論は、より正確に引き出されうる。
【0077】
図3は、酒石酸ナトリウム二水和物および水を充填されたゼオライトに対する温度−質量プロフィールを示す。20℃〜160℃の温度間隔が考慮される。タイプ3Aゼオライトが使用される。このゼオライトは、小さな細孔径を有する。このゼオライトによる測定結果の正確さおよび再現性に関して、良好な結果を得ることができたことを、実験が示している。
【0078】
ゼオライトか酒石酸ナトリウム二水和物のいずれかを有する試料が、水分測定器の中に設置され、次いで加熱される。ゼオライトまたは酒石酸ナトリウム二水和物を有する各試料の質量は、方法の開始時点で8グラムである。次いで、試料は、所定の温度プロフィールにしたがって加熱される。試料の加熱が、試料の重量の幾分かを失わせる。示される温度−質量プロフィールは、酒石酸ナトリウム二水和物の質量が、20℃と100℃との間で鋭く減少することを表す。温度100℃より上では、酒石酸ナトリウム二水和物の質量は、まったく変化しない。このようにわずかな質量の変化では、温度と質量とが曖昧さを残さず互いに関係づけられることは不可能である。したがって、本発明による方法において、水分測定器を試験するために、酒石酸ナトリウム二水和物は使用されえない。
【0079】
対照的に、ゼオライトの場合は、質量は、考慮される温度間隔全体にわたって、温度に応じて変化する。したがって、温度と質量とを、曖昧さを残さず互いに関係づけられることが可能である。
【0080】
図4は、20の試験試料に対して、本発明による方法を適用した後の最終の質量の相対的変化Xを示す。使用された試験試料は、水を充填されたゼオライト3Aを含む。開始時に、試験試料は8グラムの重さがあり、T=100℃またはT=160℃まで加熱される。次いで、T=100℃またはT=160℃の温度が、10分間維持される。その後、最終の質量の相対的変化Xが、秤を用いて測定される。方法は、T=100℃およびT=160℃の両方に対して20回繰り返された。最終の質量の相対的変化Xが、図4に示される。20のXから、T=100℃に対する平均
【0081】
【数14】

【0082】
およびT=160℃に対する平均
【0083】
【数15】

【0084】
が測定された。
この状況において、n=20は、実施された測定の数を表す。これによってもたらされた標準偏差は、T=100℃に対して
【0085】
【数16】

【0086】
およびT=160℃に対して
【0087】
【数17】

【0088】
によって得られる。
測定は、
【0089】
【数18】

【0090】
であることを示した。したがって、T=100℃に対して
【0091】
【数19】

【0092】
であり、T=160℃に対して
【0093】
【数20】

【0094】
である。したがって、T=100℃およびT=160℃の両方に対して
【0095】
【数21】

【0096】
が成り立つ。
このように、水分測定器を試験するための本発明による方法は、容易に再現可能な値を返すことを示すことができた。
【0097】
本発明は、特定の実施形態を参照して説明されたが、本実施形態について多くの他の変形形態が、本発明の教示に基づいて、例えば、個々の実施形態を特徴づける特性を互いに組み合わせることによって、および/または個々の機能単位を置き換えることによって生み出されうることは明白である。
【0098】
とりわけ、本発明による方法は、説明された測定器の使用に限定されるものではない。本発明による方法は、水分含量を重量測定法で測定するように設計された、多くの市販の機器と共に使用されてよい。
【符号の説明】
【0099】
10 測定器
19 案内レール
20 筐体
21 固定筐体部
22 可動筐体部
23 案内レール
30 試験チャンバ
31 第1の放射源
32 第2の放射源
40 重量測定器
50 接続部材
60 試料保持具
61 試料皿
62 試験試料
a 単位時間当たりの質量の変化の、所定の閾値[kg/s]
質量許容差[kg]
温度許容差[℃]
相対的質量許容差[−]
m 質量[kg]
pruf 検体の質量[kg]
Trager 担体材料の質量[kg]
質量の基準値[kg]
開始時の質量[kg]
試験チャンバが所定の温度プロフィールによって加熱された後の質量[kg]
s 相対的標準偏差[−]
Δt 所定の時間間隔[s]
T 温度[℃]
開始時の温度[℃]
目標温度[℃]
温度の閾値[℃]
=(m−m)/m 基準質量の相対的変化[−]
X=(m−m)/m 質量の相対的変化[−]
α 目標温度T後の相対的質量損失Xの微分係数
【0100】
【数22】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験チャンバ(30)と、測定位置にある前記試験チャンバ(30)内に配置された試料(62)の質量を測定するための試料保持具(60)を有する重量測定器(40)と、少なくとも1つの、前記試料保持具(60)上に設置されうる前記試料(62)を加熱するための手段(31)とを有する、重量測定式水分測定の測定器(10)を試験するための方法であって、
− 試験試料(62)を前記試料保持具(60)上に設置するステップと、
− 前記試験試料(62)の開始時の質量mを測定するステップと、
− 試験チャンバ(30)を所定の温度プロフィールを使用して加熱するステップと、
− 前記試験試料(62)が前記所定の温度プロフィールによって加熱された後に前記重量測定器(40)を使用して前記試験試料の質量mを測定するステップと、
− 測定された質量mを質量の基準値mと比較するステップと、
− 比較結果に対応する信号を出力するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記所定の温度プロフィールが、所定の目標温度Tに加熱するステップと、所定の時間間隔Δtの間か、または単位時間当たりの質量の変化が所定の値より下に減少するまで、言い換えれば、
【数1】

になるまで、この目標温度Tを維持するステップとを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
加熱されるときに再現可能な方式で質量が変化を受ける検体を、前記試験試料が含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記試験試料が材料を含み、前記目標温度T周りの温度範囲内で、前記質量基準値m(T)の微分係数dm(T)/dTの量が、前記目標温度T後に、前記重量測定器の質量許容差Gと前記目標温度Tの温度許容差Gとの商より大きくなるように、前記試験試料の前記材料が選択されることを特徴とする、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記目標温度T後の前記基準質量の相対的変化X(T)の前記微分係数の前記量が、前記重量測定器の相対的質量許容差Gと前記目標温度Tの前記温度許容差Gとの商より大きくなるように、前記材料が選択されることを特徴とする、請求項2または3に記載の方法。
【請求項6】
前記所定の時間間隔Δtの後かまたは質量の前記変化が単位時間当たりの質量の前記変化より下に減少した後の前記質量の前記基準値m(T)が、前記目標温度T周りの温度範囲T±10℃の中で、前記目標温度T後の前記相対的質量損失X(T)=(m−m(T))/mの前記微分係数の前記量がα=0.033%/℃より大きくなるような方式で、前記目標温度Tに応じて決まるように、前記試験試料(62)の前記材料が選択されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記目標温度T後の前記相対的質量損失の前記基準値X(T)=(m−m(T))/mの前記微分係数が、T=80℃から200℃までの温度範囲内で、α=0.1%/℃より大きく、とりわけ、前記目標温度T後の前記相対的質量損失の前記基準値X(T)=(m−m(T))/mの前記微分係数の前記量が、T=80℃から200℃までの温度範囲内で、α=0.3%/℃より大きいことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記試験試料が、80℃から200℃の範囲内で、重量損失に関連する化学的または物理的変化を受ける物質または物質の混合物を有する検体を含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記試験試料が、液体または溶液である検体を含み、前記検体が、とりわけ、水、有機溶媒、有機溶媒混合物、および/またはそれらの混合物を含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記試験試料が、温度に応じて少なくとも1つの化学反応の結果として質量が変化する検体を含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記試験試料が、ワックス、固体、ゲル、粉末および/または粒状体の形体を有する担体材料を含み、および/または、前記担体材料が、形体または構造に変化を受けるが、その質量は、温度に応じて不変のままであることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記担体材料が、40℃から230℃までの温度範囲内で、化学的および物理的に安定であることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記担体材料が、ゼオライト、活性炭、ポリマー、および/またはシリカゲルを含むことを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記対応する信号が、前記質量の前記基準値mと前記測定された質量mとの間の差に基づいて放出されることを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載の方法で、測定器(10)を試験するための試験試料。
【請求項16】
請求項1から14のいずれか1項に記載の方法によって、水分を重量測定法で測定するための機器を試験するために、請求項15に記載の試験試料を使用すること。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−524251(P2012−524251A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505171(P2012−505171)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054985
【国際公開番号】WO2010/119107
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(599082218)メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフト (130)
【住所又は居所原語表記】Im Langacher, 8606 Greifensee, Switzerland