重量物用パレット
【課題】 コイル等の円筒形状の重量物を安定的に且つ容易に固定でき、搭載作業が効率的に行え、更に構成がシンプルな重量物用パレットを提供する。
【解決手段】 ハンガーパレット5aは、水平部材7と、各々の一方端部が水平部材7の両端に接続され、同一方向に延びる一対の垂直部材8a及び8bと、垂直部材8a及び8bの各々の他方端部から外方側へと延びる一対の支持部材6a及び6bから構成されている。このハンガーパレット5aをフレーム部材12a及び12b上に取付けた後、ハンガーパレット5aのU字形部分にコイル2を搭載するだけで、コイル2は固定された状態となる。また、ハンガーパレット5aは、それ自身に加わる重量を支持部材6a及び6bの下面を介してのみ外方に伝達することが可能である。したがって、重量を伝達する位置とコイル2の重心との垂直距離が小さくなり、ハンガーパレット5aの転倒が抑制される。
【解決手段】 ハンガーパレット5aは、水平部材7と、各々の一方端部が水平部材7の両端に接続され、同一方向に延びる一対の垂直部材8a及び8bと、垂直部材8a及び8bの各々の他方端部から外方側へと延びる一対の支持部材6a及び6bから構成されている。このハンガーパレット5aをフレーム部材12a及び12b上に取付けた後、ハンガーパレット5aのU字形部分にコイル2を搭載するだけで、コイル2は固定された状態となる。また、ハンガーパレット5aは、それ自身に加わる重量を支持部材6a及び6bの下面を介してのみ外方に伝達することが可能である。したがって、重量を伝達する位置とコイル2の重心との垂直距離が小さくなり、ハンガーパレット5aの転倒が抑制される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、重量物用パレットに関し、特にコイル等の円筒形状の重量物を搭載するための重量物用パレットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図9は、従来より行われているコイルのシャーシへの搭載方法を示した概略図であり、図10は、図9で示したX−Xラインから見た拡大図である。
【0003】
これらの図を参照して、シャーシ1の上にはコイル2a及び2bが搭載されている。これらのコイル2a及び2bは、例えば鋼板が巻回されたものであって、1つ当たり10トンの重量を有するものである。
【0004】
コイル2aをシャーシ1に搭載する際には、まず、コイル2aの損傷を防止するために、平坦なシャーシ1の上に敷板50を敷設する。次に、コイル2aをその軸中心の向きがシャーシ1の前後方向となるように、クレーンやフォークリフト等によって敷板50の上面に設置する。その後、コイル2aの外周側壁と敷板50との間に、コイル2aの転がりを防止するための歯止めとして、断面が例えば台形や三角形等に形成された木材51a及び51bを配置する。更に、ワイヤー52a及び52bを用いてコイル2aをシャーシ1に結束して、コイル2aの搭載作業が完了する。他方のコイル2bもまた、同様にしてシャーシ1上に搭載される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来のコイル2aの搭載方法では、平坦なシャーシ1上にコイル2aを設置するため、木材51a及び51bによる歯止め作業が不可欠である。この木材51a及び51bは人力によって設置するため、木材51a及び51bの大きさは人力で移動可能な大きさ、すなわち、比較的小さな形状のものに限定されてしまう。すると、木材51a及び51bによる歯止めのみでは、コイル2aの設置状態が不安定なものとなるので、ワイヤー52a及び52bによる結束作業もまた不可欠となる。歯止め及び結束のいずれについても人手を要する作業であり、コイル2aの搭載作業全体としては、必ずしも効率的な方法であるとは言えない。
【0006】
そこで、コイル等の円筒形重量物をより効率的に搭載するための専用パレットが考えられている。
【0007】
図11は、従来のコイル専用パレットの概略構成を示した斜視図である。
【0008】
図を参照して、ここではコイル専用パレットの一例として、タンクコンテナ専用セミトレーラーのコンテナシャーシ1に搭載することができるコイル用パレット55を示している。コイル用パレット55は、その四隅の位置においてコンテナシャーシ1上に固定された状態で使用される。尚、幌装置54は、コイル2a及び2bを保護するために必要に応じてコイル用パレット55の上方に取付けられるものである。
【0009】
コイル用パレット55は、平行に配置された一対の支持部材57a及び57bと、支持部材57a及び57bの両端部を支持する外枠部材56a及び56bとから主に構成されている。支持部材57a及び57bの上面には、互いに近づく方向が下降するような傾斜面が形成されており、長手方向の断面形状はいわゆる船底形に形成されている。
【0010】
コイル用パレット55の使用時には、コイル2aをクレーンやフォークリフト等で持ち上げて支持部材57a及び57bの船底形状の上面に設置する。支持部材57a及び57bの傾斜角度は、コイル2aの転がりを防止するのに十分な大きさに設定されているため、設置するだけでコイル2aの転がり方向の固定が完了する。ただし、実際の輸送時等にはコイル2aの固定状態をより一層確実にするために、コイル2aは更にワイヤー52a及び52bを用いてコイル用パレット55に結束されている。他方のコイル2bについても同様にしてコイル用パレット55上に搭載されている。
【0011】
上記のような専用のコイル用パレット55を使用すれば、少なくとも歯止め作業が不要となるため、先の図9及び図10で示した搭載方法と比べて、コイル状重量物の搭載をより効率的に行うことが可能となる。
【0012】
しかし、コイル用パレット55には、コイル状重量物を任意の位置に搭載することができるように、一対の支持部材57a及び57bにより、長手方向のほぼ全体に船底形状の部分が形成されている。支持部材57a及び57b全体をコイル2a及び2bの重量に十分に耐え得る強度を有するように構成しようとすると、コイル用パレット55を構成するためのコストが上昇してしまう。そのため、支持部材57a及び57bによる船底形の部分を長手方向の一部にのみ形成しておくことも考えられるが、これでは使用時にコイルの重量や個数等に応じて搭載位置を変更することができず、使い勝手の面で劣ってしまう。
【0013】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、コイル等の円筒形状の重量物を安定的に且つ容易に固定でき、搭載作業が効率的に行え、更に構成がシンプルな重量物用パレットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、コイル等の円筒形状の重量物をその中心軸を水平方向に維持した状態で搭載するための重量物用パレットであって、重量物の下端を支持することができる横部材と、横部材の一方端部側に接続されると共に上方に延び、重量物の外周側壁の一部を支持することができる第1の縦部材と、横部材の他方端部側に接続されると共に上方に延び、重量物の外周側壁の他の一部を支持することができる第2の縦部材と、第1の縦部材及び第2の縦部材の各々に接続され、重量物の下端より上方の位置においてのみ、横部材と第1の縦部材と第2の縦部材の重量または重量物の重量を外部に伝達することができる一対の支持部材とを備えたものである。
【0015】
このように構成すると、重量物の搭載時に重量物用パレットが重量を外部に伝達する位置と、重量物の重心位置との垂直距離が短くなる。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、横部材は水平に配置され、第1の縦部材及び第2の縦部材は、横部材の両端部から垂直に配置され、支持部材の各々は、第1の縦部材及び第2の縦部材の各々の上端部から外方側に延びるように接続されるものである。
【0017】
このように構成すると、横部材と第1の縦部材と第2の縦部材とで構成されるU字形内部へ取付けられる敷板等の材料の寸法の算出が容易となる。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明の構成において、各々の軸方向が横部材と直交する方向へと水平に延びるように配置され、各々の上面に支持部材の各々が固定される一対のフレーム部材を更に備えるものである。
【0019】
このように構成すると、横部材と第1の縦部材と第2の縦部材とは、支持部材を介してフレーム部材と一体化する。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明の構成において、各々の軸方向が横部材と直交する方向へと水平に延びるように配置され、各々の上面に支持部材の各々が脱着自在に設置される一対のフレーム部材を更に備えるものである。
【0021】
このように構成すると、横部材と第1の縦部材と第2の縦部材とは、フレーム部材に対して脱着自在に配置される。
【0022】
請求項5記載の発明は、請求項1または請求項2記載の横部材と、第1の縦部材と、第2の縦部材と、支持部材とからなるパレット本体を2以上用いた重量物用パレットであって、パレット本体は、各々の横部材と第1の縦部材と第2の縦部材とで形成される面が互いに平行となるように整列した状態で連結されており、各々の軸方向が横部材の各々と直交する方向へと水平に延びるように配置され、各々の上面にパレット本体の支持部材の各々が脱着自在に設置される一対のフレーム部材を更に備えるものである。
【0023】
このように構成すると、複数のパレット本体が一体化する。
【0024】
請求項6記載の発明は、請求項3から請求項5のいずれかに記載の発明の構成において、フレーム部材の各々を連結するように取付けられる補助部材を更に備えるものである。
【0025】
このように構成すると、フレーム部材の各々を引き離し又は引き寄せようとする力に対するフレーム部材の強度が増加する。
【0026】
請求項7記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、支持部材の各々の下面に設けられ、支持部材の延びる方向を軸中心として、横部材、第1の縦部材、第2の縦部材及び支持部材の各々を揺動自在に支持することができる一対の支持体を更に備えたものである。
【0027】
このように構成すると、重量物パレットは支持体を介して揺動状態に支持される。
【0028】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明の構成において、支持体の各々は、少なくともその下方が半円断面形状の棒体であり、その頂点が下方に位置すると共にその軸方向が軸中心と平行になるように支持部材に固定されるものである。
【0029】
このように構成すると、支持体の下面の最下点を中心に重量物パレットは揺動する。
【0030】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明の構成において、各々の軸方向が横部材と直交する方向へと水平に延びるように配置され、各々の上面に支持体の各々が脱着自在に設置される一対のフレーム部材を更に備えるものである。
【0031】
このように構成すると、横部材、第1の縦部材、第2の縦部材及び支持部材の各々は揺動自在に支持されると共にフレーム部材に対して摺動自在となる。
【0032】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明の構成において、上面の各々には、その間に支持体が少なくとも配置できる間隔をあけて配置され、支持体の移動を制限する少なくとも2つのストッパーが設けられるものである。
【0033】
このように構成すると、重量物パレットのフレーム部材に沿っての移動が所定の範囲に制限される。
【0034】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明の構成において、ストッパーは、少なくともその上方が半円断面の棒体形状を有しており、その頂点が上方に位置すると共に、その軸方向がフレーム部材の長手方向に直交するように上面に固定されるものである。
【0035】
このように構成すると、支持体がストッパーに当接した状態にあっても揺動機能が維持される。
【0036】
請求項12記載の発明は、請求項10記載の発明の構成において、ストッパーは、くさび形状を有しており、その傾斜面の高さがフレーム部材の長手方向に沿って変化するように上面に固定されるものである。
【0037】
このように構成すると、支持体は傾斜面に沿って移動可能であるが、垂直面に対しては移動が阻止される。
【発明の効果】
【0038】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、重量物の搭載時に重量物用パレットが重量を外部に伝達する位置と、重量物の重心位置との垂直距離が短くなるため、重量物を搭載した状態では、重量物用パレットの転倒が抑制され、重量物の設置状態が安定する。
【0039】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、横部材と第1の縦部材と第2の縦部材とで構成されるU字形内部へ取付けられる敷板等の材料の寸法の算出が容易となるため、重量物の直径に応じてのU字形内部の空間の大きさを、重量物の支持に最適な寸法へと調整することが可能となる。また、重量物用パレットの構成がシンプルになるため、製造が容易となる。
【0040】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明の効果に加えて、横部材と第1の縦部材と第2の縦部材とは、支持部材を介してフレーム部材と一体化するため、即座に重量物を搭載することができ、搭載作業が効率的となる。
【0041】
請求項4記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明の効果に加えて、横部材と第1の縦部材と第2の縦部材とは、フレーム部材に対して脱着自在に配置されるため、重量物の搭載位置を必要に応じてフレーム部材の所望の位置に設定することができ、使い勝手が良い。
【0042】
請求項5記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明の効果に加えて、複数のパレット本体が一体化するため、パレット本体のフレームへの設置状態が安定し、重量物の搭載がしやすくなる。また、パレット本体を連結する数や間隔を予め重量物の軸方向の寸法に合わせて設定しておけば、パレット本体の各々の位置関係が常に一定となるため、パレット本体のフレーム部材への設置を容易に行うことが可能となる。
【0043】
請求項6記載の発明は、請求項3から請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、フレーム部材の各々を引き離し又は引き寄せようとする力に対するフレーム部材の強度が増加するため、重量物の搭載時の信頼性が向上する。更に、補助部材をフレーム部材に固定すれば、コイル等の円筒形状重量物の軸方向の移動を阻止することが可能となる。
【0044】
請求項7記載の発明は、請求項2記載の発明に加えて、重量物パレットは支持体を介して揺動状態に支持されるため、重量物の中心軸方向に過大に力が加わったとき、重量物パレットの揺動によってその力が分散される。
【0045】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明の効果に加えて、支持体の下面の最下点の線上を中心に重量物パレットは揺動するため、重量物パレットの支持状態が安定する。
【0046】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明の効果に加えて、横部材、第1の縦部材、第2の縦部材及び支持部材の各々は揺動自在に支持されると共にフレーム部材に対して摺動自在となるため、重量物に加わる中心軸方向への力は重量物パレットの摺動及び揺動によって分散されるため搭載時の信頼性が向上する。
【0047】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明の効果に加えて、重量物パレットのフレーム部材に沿っての移動が所定の範囲に制限されるため、不用意な重量物パレットの移動が防止されるので搭載時の安全性が向上する。
【0048】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明の効果に加えて、支持体がストッパーに当接した状態にあっても揺動機能が維持されるため、重量物パレットの揺動による力の分散が確実に確保される。
【0049】
請求項12記載の発明は、請求項10記載の発明の効果に加えて、支持体は傾斜面に沿って移動可能であるが、垂直面に対しては移動が阻止される。そのため、傾斜面を上昇する方向に力がかかりすぎると、支持体は傾斜面を乗り越えた後フレーム部材の上面に落下して音を生じる。この音によって搭載状態を判断するようにすれば、搭載時の安全性がより高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
図1は、この発明の第1の実施の形態による重量物用パレットの使用状態を示した概略図であって、その(1)は正面図であり、その(2)は右側面図である。
【0051】
図を参照して、シャーシ1の上面にハンガーフレーム11が設置され、ハンガーフレーム11に取付けられた4本のハンガーパレット5a〜5dを介して、コイル2がその軸中心を水平方向に維持した状態で搭載されている。また、コイル2より直径の大きなコイル3についても同様にハンガーパレット5e〜5hを用いて積載されている。こららのハンガーパレット5a〜5hの各々は全て同一に構成されているため、以下ではハンガーパレット5aを中心に説明する。
【0052】
尚、コイル2及び3は、従来例で示したものと同様に、鋼板等が巻回されたものである。一例として、コイル2の直径は1.2mであり、コイル3の直径は1.5mであり、共に10t近くの重量を有している。
【0053】
ここでまず、ハンガーパレット5a及びハンガーフレーム11のそれぞれの構成について説明する。
【0054】
図2は、図1で示したハンガーパレットの概略構成を示した正面図であり、図3は、図1で示したハンガーパレットの概略構成を示した側面図である。
【0055】
これらの図を参照して、ハンガーパレット5aは、例えば複数のH形鋼を互いに溶接することにより、全体がほぼU字形となるように形成されている。ハンガーパレット5aは、コイル等の円筒形重量物をその中心軸が水平方向となるように維持した状態で、重量物の下方部分を支持することができる水平部材7と、各々の一方端部が水平部材7の両端に接続され、水平部材7と直交する方向であって上方に平行に延びる一対の垂直部材8a及び8bと、垂直部材8a及び8bの各々の他方端部に接続され、外方側に延びる支持部材6a及び6bとからなり、これらの各部材はほぼ同一面内に含まれるように接続されている。
【0056】
図4は、図1で示したハンガーフレームの概略構成を示した平面図であり、図5は、図1で示したハンガーフレームの概略構成を示した正面図である。
【0057】
これらの図を参照して、ハンガーフレーム11は、例えばH形鋼よりなり平行に配置された一対のフレーム部材12a及び12bと、例えば角鋼管よりなり、フレーム部材12a及び12bの下方において平行に配置された一対のスキッド13a及び13bとが溶接等により井桁状に接続されて構成されている。一対のフレーム部材12a及び12bの内面側の間隔は、図2で示したハンガーパレット5aの垂直部材8a及び8bの外方面同志の間隔より僅かに大きく設定されている。また、スキッド13a及び13bの下面からフレーム部材12a及び12bの上面までの垂直距離Aは、図2のハンガーパレット5aの垂直部材8a及び8bの下端から支持部材6a及び6bの下面までの垂直距離Bより大きくなるように設定されている。尚、ハンガーフレーム11の長手方向の大きさ、すなわちフレーム部材12a及び12bの長さは、搭載されるシャーシやコンテナ等の輸送の形態に応じて任意に設定することが可能である。
【0058】
更に、この実施の形態におけるハンガーフレーム11は、フレーム部材12a及び12bをこれらと直交する方向に架け渡すように補助部材15aが着脱自在に取付けられている。補助部材15aは、例えばH形鋼や角鋼管等の鋼材を溶接等で接合することにより逆U字形状に形成されており、そのU字形内部の幅方向の寸法はフレーム部材12a及び12bの上面の外方端同志の間隔より僅かに大きく設定されている。したがって、図5に示すように、逆U字形内部にフレーム部材12a及び12bの上面部分を嵌合させるようにして、補助部材15aを着脱自在に取付けることが可能となっている。この補助部材15aは、図1に示したようにコイルをその軸方向の前後から挟む位置に複数取付けられるものであって、重量物の搭載時にフレーム部材12a及び12b同志を引き離そうとする力に対する強度を増加させるものである。
【0059】
尚、スキッド13a及び13bの下面には、図示しない締結装置等が設けられている。これにより、例えば図1で示したような標準コンテナシャーシに搭載したときに、ハンガーフレーム11をシャーシに固定することが可能である。
【0060】
次に、上記のように構成されたハンガーパレット及びハンガーフレームを用いてコイル等の重量物を搭載する方法について説明する。
【0061】
図6は、この発明の第1の実施の形態による重量物用パレットにコイルを搭載する過程を示した図である。
【0062】
図6の(1)を参照して、まず、シャーシ等の平面17にスキッド13aの下面が接するようにハンガーフレーム11を平面17上に設置する。尚、コンテナシャーシに搭載する際は、この工程で図示しない締結装置等によってハンガーフレーム11を平面17に固定する。
【0063】
次に、ハンガーパレット5aをフレーム部材12a及び12bの間隔に上方から嵌め込むように挿入する。上述したように、スキッド13aの下面からフレーム部材12a及び12bの上面までの垂直距離は、ハンガーパレット5aの垂直部材8a及び8bの下端から支持部材6a及び6bの下面までの垂直距離より大きくなるように設定されているため、ハンガーパレット5aをフレーム部材12a及び12bの間隔に挿入してゆくと、図6の(2)に示したように、支持部材6a及び6bの下面においてのみハンガーフレーム11に接した状態となる。すなわち、ハンガーパレット5a自体の重量とこれに加わる重量は全て、支持部材6a及び6bを介してのみ、外部のフレーム部材12a及び12bへと伝達することができる。尚、この実施の形態においては、図1に示したように、1つのコイル2に対してその軸方向に4つのハンガーパレット5a〜5dを一組として用いて外周側壁を支持するため、図1の他のハンガーパレット5b〜5dについても同様の手順でハンガーフレーム11上に設置する。
【0064】
この実施の形態においては、ハンガーパレット5aはフレーム部材12a及び12b上に対して着脱自在に構成されているため、ハンガーパレット5aは所望の位置に取付けることが可能である。したがって、使用時に必要に応じて、重量物の搭載位置をフレーム部材12a及び12bの所望の位置に設定することが可能となり、使い勝手が良い。
【0065】
次に、図6の(3)を参照して、ハンガーパレット5aで構成されるU字形内部に、搭載する重量物の外周壁の損傷を防止するために、垂直部材8a及び8bの各々の内方面に木材18a及び18bの各々を取付けると共に、水平部材7の内方面(上面)に木材18cを取付ける。ここでは、保護材として木材18a〜18cを使用しているが、必ずしも木材に限らず、重量物の性質に応じて適切な保護材を使用すれば良い。尚、図1で示した他のハンガーパレット5b〜5dについても同様に、一対の垂直部材と水平部材との内方面に木材を取付ける。この際、ハンガーパレット5a〜5dの各々に木材を取付ける代わりに、ハンガーパレット5a〜5dの各々の垂直部材の内方面または各々の水平部材の内方面を架け渡すように木材を取付けても良い。
【0066】
そして、図6の(4)に示すように、コイル2をクレーンやフォークリフト等で持ち上げて、木材18a〜18cを敷設したハンガーパレット5a上に搭載する。木材18a〜18cの各々の厚みは、ハンガーパレット5aの寸法と、搭載するコイル2の直径とを加味して予め所定の大きさに設定されており、コイル2を設置した際には、木材18a〜18cの各々の内方面とコイル2の外周側壁とが接触する。すなわち、水平部材7によってコイル2の下端部分が支持された状態となり、一方の垂直部材8aによってコイル2の外周側壁の一部が支持された状態となり、他方の垂直部材8bによってコイル2の外周側壁の他の一部が支持された状態となり、コイル2の重量はハンガーパレット5aへと伝達される。
【0067】
ハンガーパレット5aは、支持部材6a及び6bの下面においてのみフレーム部材12a及び12bの上面と当接しているため、コイル2を搭載した状態において、ハンガーパレット5aと木材18a〜18cとコイル2との重量の和が、支持部材6a及び6bを介してのみフレーム部材12a及び12bへと伝達されている。
【0068】
ここで、コイル2の搭載状態をコイル2の転倒防止の観点から検討する。まず、コイル2の外周側壁はハンガーパレット5aのU字形内部において、木材18a〜18cを介して3箇所で接触しているため、コイル2を搭載しただけで歯止めがされた状態となっている。したがって、ハンガーパレット5aの大きさをコイル2の直径に応じて適切な大きさに設定しておけば、コイル2が単独でハンガーパレット5aから転がり出ることは防止されている。
【0069】
そこで、コイル2が搭載されたハンガーパレット5a自体の転倒の可能性についてみると、ハンガーパレット5aは支持部材6a及び6bの下面の位置においてのみ、ハンガーパレット5aに加わる重量を外部へと伝達する。この状態において、ハンガーパレット5aの転倒の支点となり得る位置、すなわち、ハンガーパレット5aが重量を伝達する支持部材6aまたは6bの下面位置は、図6の(4)に示されているように、コイル2の下端より上方に位置しているため、転倒の支点とコイル2の重心位置との垂直距離は、平面17に直接ハンガーパレット5aが接触している場合と比べると小さくなる。その結果として、ハンガーパレット5aの転倒が起こりにくくなり、コイル2の搭載状態が安定する。
【0070】
これに加えて、この実施の形態においては、フレーム部材12a及び12bの内方面同志の間隔は、ハンガーパレット5aの垂直部材8a及び8bの外方面同志の間隔より僅かに大きく設定されている。したがって、ハンガーパレット5aが支持部材6aまたは6bの下面を支点として転倒しようとしても、垂直部材8aまたは8bがフレーム部材12aまたは12bの内方側の部分に当接するため、ハンガーパレット5aの転倒はより確実に防止される。
【0071】
尚、上述した補助部材(図4及び図5)は、図6の(1)から(4)のいずれの工程においても取付けが可能である。コイル2の搭載による左右への転動によってフレーム部材12a及び12b同志を引き離そうとする力が加わるが、図1で示したように、補助部材15a〜15cをコイル2及びコイル3の前後を挟む位置に取付けると、当該引き離そうとする力に対する強度が増加するため、コイル2等の重量物の搭載時の信頼性が向上する。
【0072】
また、補助部材15a〜15bを取付けたときに、これらをフレーム部材12a及び12bに固定できるように構成しても良い。このように構成すれば、補助部材15a〜15bによってコイル2等の重量物の軸方向の移動を阻止することも可能となる。
【0073】
図7は、この発明の第1の実施の形態による重量物用パレットに、図6で示したコイルより大きい直径のコイルを搭載した状態を示した図である。
【0074】
図を参照して、コイル3は、先の図6の(4)で示したコイル2より直径Dが大きいため、図6の(4)の状態のハンガーパレット5aにそのままコイル3を搭載すると、コイル3の下端と水平部材7上の木材18cとの間に隙間を生じてしまう。そこで、このコイル3を搭載する際には、図7のように、水平部材7の上面に敷設する木材18cの厚みTをより大きくして、コイル3の下面と木材18cとを接触させることにより、水平部材7でコイル3の下端を支持することができるようになる。その結果、より直径の小さいコイル2の場合(図6の(4)の場合)と同様に、コイル3の外周側壁をハンガーパレット5eによって安定して支持することが可能となる。
【0075】
この実施の形態のように、ハンガーパレット5a等を、水平部材7と垂直部材8a及び8bとでU字形状に構成すれば、重量物の大きさに応じて必要な木材18a〜18c等の材料の寸法の算出が容易となる。そのため、重量物の直径に応じてハンガーパレット5aのU字形内部の空間の大きさを、重量物の支持に最適な寸法へと容易に調整することが可能である。
【0076】
図8は、この発明の第2の実施の形態による重量物用パレットの概略構成を示した斜視図である。
【0077】
図を参照して、この実施の形態においては、パレット本体であるハンガーパレット5a及び5bは、基本的に先の第1の実施の形態と同様に構成されている。ただし、ハンガーパレット5a及び5b同志が、例えばH形鋼や角鋼管等の鋼材よりなる連結部材21a〜21cによって相互に連結されている点が、第1の実施の形態とは大きく異なっている。
【0078】
ハンガーパレット5a及び5bは、各々の水平部材と垂直部材と支持部材とで構成される面同志が平行になるように配置され、支持部材6a及び6c同志が連結部材21aで連結され、支持部材6b及び6d同志が連結部材21bで連結され、水平部材7a及び7b同志が連結部材21cで連結されている。尚、連結されたハンガーパレット5a及び5bは、フレーム部材12a及び12bに着脱自在に取付けられている。
【0079】
このように、2つのハンガーパレット5a及び5bが、連結部材21a〜21cによって一体化されているため、ハンガーパレット5a及び5bの各々は、ハンガーフレーム11上への設置状態が安定し、重量物の搭載を容易に行うことができる。
【0080】
また、この実施の形態においては、2つのハンガーパレット5a及び5bを連結しているが、2以上の任意の数のハンガーパレットを連結しても良い。このとき、連結する数や間隔を予め重量物の軸方向の寸法に合わせて設定しておけば、パレット本体の各々の位置関係が常に一定となる。よって、使用時にはパレット本体のフレーム部材への設置を容易に行うことが可能となる。
【0081】
尚、上記の各実施の形態では、重量物用パレットは、ハンガーパレット及びハンガーフレームの両方を備えているが、必ずしもハンガーフレームは必要なものではなく、なくても良い。ハンガーフレームがない場合でも、ハンガーパレットの支持部材のみで、ハンガーパレット及びこれに加わる重量を外部に伝達することができるように用いれば、同様に重量物を安定して搭載することが可能である。この場合、ハンガーパレットを上方から吊して保持するように構成しても良い。
【0082】
また、上記の各実施の形態では、横部材として、水平方向に配置した水平部材を用いているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、横部材は水平方向に配置されていなくても、重量物の下端部分を支持することができるものであれば良い。また同様に、第1の縦部材及び第2の縦部材として、垂直に配置した一対の垂直部材を用いているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、第1の縦部材及び第2の縦部材は垂直方向に配置されていなくても、それぞれ重量物の外周側壁の一部と他の一部とを支持することが可能なものであれば良い。
【0083】
更に、上記の各実施の形態では、H形鋼を垂直部材の上端から外方に延びるように接続して支持部材を構成しているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、横部材を構成する水平部材と、第1の縦部材及び第2の縦部材を構成する一対の垂直部材の重量、及び、これらに加わる重量物の重量を外方へと伝達することができるものであれば、他の形状としても良い。
【0084】
更に、上記の各実施の形態では、重量物を保護するために木材等の保護材を敷設しているが、このような保護材は必ずしも必要なものではなく、ハンガーパレットと重量物の外周側壁とが直接接触するように重量物を搭載することも可能である。
【0085】
更に、上記の各実施の形態では、ハンガーパレット及びハンガーフレームを左右対称に構成しているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、これらを非対称に形成しても良い。例えば、支持部材の位置が左右で異なっても、同様の効果を発揮する。
【0086】
更に、上記の各実施の形態では、一対のフレーム部材の下面に一対のスキッドが取付けられているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、例えば、フレーム部材同志を別の方法で接続したり、フォークリフトで移動自在とするための部材を取付けても良い。また、スキッドの部分はなくても良い。
【0087】
更に、上記の各実施の形態では、一対のフレーム部材をH形鋼により形成しているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、他の鋼材等を用いて形成したり、他の構造物の一部として構成しても良い。
【0088】
更に、上記の各実施の形態では、一対のフレーム部材の内方面同志の間隔は、ハンガーパレットの垂直部材の外方面同志の幅より僅かに大きくなるように設定しているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、より大きな間隔に設定しても良い。
【0089】
更に、上記の各実施の形態では、特にコンテナシャーシに重量物を搭載するための重量物用パレットを構成しているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、ドライコンテナやオープントップコンテナ、フラットラックコンテナ等の他のコンテナや、他の輸送車両等に使用する重量物用パレットに適用しても良い。
【0090】
更に、上記の各実施の形態では、ハンガーパレットをハンガーフレームから脱着自在となるように構成しているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、ハンガーパレットをフレーム部材に予め固定しておいても良い。このように構成した場合でも、コイルの搭載位置を所望の位置に決定することが可能となる。また、予めパレット全体を船底形に形成しておく場合と比べると、構成がシンプルになり、コスト面でも有利である。更に、ハンガーパレットのフレーム部材への取付け作業が不要となり、即座に重量物を搭載することができるため、搭載作業が効率的となる。
【0091】
更に、上記の各実施の形態では、ハンガーパレット及びフレーム部材をH形鋼を用いて構成しているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、I形鋼や角鋼管等の他の鋼材を用いても良い。また、ハンガーパレットの厚み(ハンガーパレットが構成する面と直交する方向の寸法)は、適宜に設定することが可能である。
【0092】
更に、上記の第1の実施の形態では、補助部材はフレーム部材の各々を引き離そうとする力に対抗することができるように逆U字形に構成されているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、フレーム部材の各々を引き寄せようとする力に対抗することができるように構成しても良い。例えば、図5に示した補助部材において、垂直方向に配置されている部材を、取付け時にフレーム部材の各々の内方面に沿うことができる位置に更に一対設けても良い。このようにすれば、フレーム部材の各々を引き寄せようとする力に対するフレーム部材の強度を増加させることが可能となる。
【0093】
更に、上記の第1の実施の形態では、ハンガーフレームは補助部材を備えているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、補助部材はなくても良い。
【0094】
更に、上記の第1の実施の形態では、補助部材をフレーム部材に対して着脱自在な構成としているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、予めフレーム部材の所定位置に溶接等で固定しておいても良い。例えば、複数の補助部材を予め間欠的に固定しておけば、ある程度大まかに重量物の搭載位置が規定されるため、重量物の搭載時に重量のバランスを取りやすくなるが、大まかな搭載位置の範囲内で重量物の位置を調整することも可能となり使い勝手が良い。
【0095】
更に、上記の第2の実施の形態では、補助部材を使用していないが、第1の実施の形態と同様に補助部材を用いてフレーム部材を補強しても良い。
【0096】
図12はこの発明の第3の実施の形態によるハンガーパレットの概略構成を示した正面図であって先の第1の実施の形態による図2に対応した図であり、図13は図12で示したXIII−XIIIラインの拡大断面図である。
【0097】
これらの図を参照して、ハンガーパレットの基本的な形状は第1の実施の形態によるものと同一であるので、ここではその相違点について主に説明する。
【0098】
この実施の形態にあっては、支持部材6a及び6bの下面にその延びる方向に支持体23a及び支持体23bが取り付けられている。支持体23は半円断面形状の棒体よりなり、その頂点が下方に位置するように固定されている。そのため、支持体23a及び支持体23bを介して図4に示すハンガーフレーム11のフレーム部材12の上面にハンガーパレット5を設置すると、ハンガーパレット5は、支持部材6a及び6bの延びる方向を軸中心としてハンガーフレーム11に揺動自在に支持されることになる。
【0099】
図14は図12で示したハンガーパレットを用いてコイルを搭載した状態を示した側面図である。
【0100】
図を参照して、ハンガーパレット5a〜5dが、所定間隔をもってハンガープレートの一対のフレーム部材12a及びフレーム部材12b(図示せず)に支持部材6の各々を掛け渡すように脱着自在に取り付けられている。尚、ハンガーパレット5a〜5dにはコイル2が搭載されているが、この搭載方法は先の第1の実施の形態によるものと同一である。このように取り付けられると、ハンガーパレット5a〜5dは各々の支持体23を介してフレーム部材12aの上面25に当接状態となる。ハンガーパレット5a〜5dの各々は、支持体23の最下点の線上でのみ支持されていることになるため、図における横方向の力に対して揺動自在となる。
【0101】
図15は図14の状態からコイルの中心軸方向に水平方向の力が加わったときの状態を示した図である。
【0102】
図を参照して、コイル2に図において左方向の力Fが加わる場合を想定する。このような力Fはトレーラー等による移送途中における停止や発信時に生じる加速度によるものである。力Fが、ハンガーパレット5a〜5dの支持体23を介してのフレーム部材12aの上面25に対する摩擦抵抗力より小さい場合は、ハンガーパレット5a〜5dは移動することなく、その位置で各々の支持体23の下端を中心として図のように傾斜する。この場合、ハンガーパレット5a〜5dに搭載されているコイル2は、若干持ち上がりその位置エネルギーが増加する。これによって力Fによる運動エネルギーがハンガーパレット5a〜5dの揺動効果によって吸収されることになる。
【0103】
加速度が消滅して力Fが消滅すると、コイル2に生じる重力によりハンガーパレット5a〜5dの傾斜状態が解除され、図14に示す状態に復帰する。
【0104】
一方、力Fが、ハンガーパレット5a〜5dの支持体23を介してのフレーム部材12aの上面25に対する摩擦抵抗力より大きい場合は、ハンガーパレット5a〜5dは図15のように若干傾斜しながらフレーム部材12aの上面25を滑っていくことになる。この場合、力Fによる運動エネルギーの一部が、上面25と支持体23との間に生じる摩擦抵抗によって吸収されることになる。したがって、運動エネルギーが吸収された時点でハンガーパレット5a〜5dの移動が停止する。
【0105】
この実施の形態にあっては、ハンガーパレット5a〜5dを揺動できる構成とすることにより、上述のように輸送時のコイルに加わる運動エネルギーの一部を吸収することができる。先の実施の形態によるハンガーパレットにあっては、フレーム部材に固定するように使用すると、コイルに生じた運動エネルギーがハンガーパレットを介してフレーム部材に直接的に加わることになる。そのためその衝撃に備えてハンガーパレットやハンガーフレーム等の強度を十分に上げる必要がある。一方、この実施の形態によるハンガーパレットであれば、コイルの位置エネルギーへの変換を利用して運動エネルギーの一部を吸収するため衝撃が加わる虞が少なくなり、ハンガーパレットやハンガーフレーム等の強度設計上有利となると共に、移送時の安全性が向上する。
【0106】
図16はこの発明の第4の実施の形態による重量物パレットを用いてコイルを搭載した状態を示した側面図であり、第3の実施の形態による図14に対応した図であり、図17は図16で示したXVII−XVIIラインの断面図である。
【0107】
これらの図を参照して、ハンガーパレット5a〜5dの構造は先の第3の実施の形態によるものと同一であるが、ハンガーフレーム12aの上面25の構造が異なっている。即ち、上面25には各々の間に支持体23が配置できる間隔で配置され、支持体23のフレーム部材25aの長手方向に沿っての移動を阻止する複数のストッパー27が形成されている。
【0108】
ストッパー27は半円断面の棒体形状を有しており、その頂点が上方に位置すると共に、その軸方向がフレーム部材25aの長手方向に直交するように上面25に固定されている。尚、ストッパー27の半径は支持体23の半径より小さくなるように設定されている。これは、支持体23の摺動時に支持部材6の下面がストッパー27に接触しないようにするためである。このように構成すると、ハンガーパレット5a〜5dの各々は、その支持体23の摺動範囲、即ちその両側に形成されているストッパー27同志の間で基本的に規制されることになる。又、支持体23が上面25を摺動して隣接するストッパー27の一方に当接状態になっても、これらは線接触となるためハンガーパレット5a〜5dの揺動機能を阻害する虞がない。
【0109】
又、ストッパー27を上面25に所定間隔で連続的に形成しておくと、上述の効果のみならずハンガーパレット5a〜5dの位置決め効果も奏する。これによって、コイル2の搭載位置に合わせて適切な位置にハンガーパレット5a〜5dを確実に設置できるため、より使い勝手が向上する。
【0110】
図18はこの発明の第5の実施の形態による重量物パレットを用いてコイルを搭載した状態を示した側面図であり、第3の実施の形態による図14に対応した図であり、図19は図18で示したXIX−XIXラインの断面図である。
【0111】
これらの図を参照して、ハンガーパレット5a〜5dの構造は先の第3の実施の形態によるものと同一であるが、ハンガーフレーム12aの上面25の構造が異なっている。即ち、上面25には各々の間に支持体23が配置できる間隔で配置され、支持体23のフレーム部材25aの長手方向に沿っての移動を規制する複数のストッパー27が形成されている。
【0112】
ストッパー27はくさび形状を有しており、その傾斜面30がフレーム部材12aの長手方向に沿って変化するように上面25に固定されている。尚、ストッパー27の垂直面29の高さは支持体23の半径より小さくなるように設定されている。これは、支持体23の摺動時に支持部材6の下面がストッパー27に接触しないようにするためである。このように構成すると、ハンガーパレット5a〜5dの各々は、その支持体23の摺動範囲、即ちその両側に形成されているストッパー27同志の間でまず規制されることになる。そして、支持体23に図において右方向の力が加わり、支持体23が上面25を摺動して図における右側に隣接するストッパー27の垂直面29に当接状態になると、それ以上の支持体23の移動は完全に停止するが、ハンガーパレット5a〜5dの揺動は可能である。
【0113】
一方、支持体23に図において左方向の力が加わり、支持体23が上面25を摺動して図における左側に隣接するストッパー27側に移動すると、支持体23に加わる力に応じて支持体23はその傾斜面30を上昇しようとする。傾斜面30を支持体23が上昇すると、コイル2もその位置が当初の状態より高くなるため位置エネルギーが上昇することになる。その結果、ストッパー27は支持体23の移動に対する大きなブレーキ効果を奏することになる。
【0114】
そして、支持体23が更に移動して傾斜面30を乗り越えてしまうと、支持体23はフレーム部材12aの上面25に落下する。このとき、落下音が生じるため運転手等はこれによってコイル2に加わる力、即ち加速度の程度を知ることができるので、搭載、輸送時の安全性がより向上する。
【0115】
尚、上記の第3から第5の実施の形態では、支持体は半円断面形状の棒体を用いているが、円断面形状の棒体でも良く、少なくとも下方が半円断面形状の棒体であれば良い。又、これに代えて、幅の狭いフラットバーを支持部材に取り付けても良い。更に、半球体又は球体をその頂点を下方にするように支持部材に取り付けても良く、あるいは径の小さな円板を取り付けても良い。
【0116】
又、上記の第3の実施の形態では、ハンガーフレームの上面を平滑面としているが、この上面を例えばハンガーフレームの長手方向に凹凸となる波型形状等として摩擦係数を高めるように構成しても良い。この場合、支持体の移動に対する抵抗が増大するため、コイルに加わる運動エネルギーを効率的に吸収することができる。
【0117】
更に、上記の第4及び第5の実施の形態では、支持体がハンガーフレームの上面に対して摺動できるように隣接するストッパーの間隔が確保されているが、この間隔は少なく共支持体が設置できるものであれば良く、支持体は必ずしも上面に対して摺動できなくても良い。
【0118】
更に、上記の第4の実施の形態では、ストッパーは半円断面の棒体形状を有しているが、円形断面の棒体形状でも良く、少なくとも上方が半円断面の棒形状であれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】この発明の第1の実施の形態による重量物用パレットの使用状態を示した概略図であって、その(1)は正面図であり、その(2)は右側面図である。
【図2】図1で示したハンガーパレットの概略構成を示した正面図である。
【図3】図1で示したハンガーパレットの概略構成を示した側面図である。
【図4】図1で示したハンガーフレーム部材の概略構成を示した平面図である。
【図5】図1で示したハンガーフレーム部材の概略構成を示した正面図である。
【図6】この発明の第1の実施の形態による重量物用パレットにコイルを搭載する過程を示した図である。
【図7】この発明の第1の実施の形態による重量物用パレットに、図6で示したコイルより大きい直径のコイルを搭載した状態を示した図である。
【図8】この発明の第2の実施の形態による重量物用パレットの概略構成を示した斜視図である。
【図9】従来より行われているコイルの搭載方法を示した概略図である。
【図10】図9で示したX−Xラインの拡大図である。
【図11】従来のコイル専用パレットの概略構成を示した斜視図である。
【図12】この発明の第3の実施の形態によるハンガーパレットの概略構成を示した正面図であって第1の実施の形態による図2に対応した図である。
【図13】図12で示したXIII−XIIIラインの拡大断面図である。
【図14】図12で示したハンガーパレットを用いてコイルを搭載した状態を示した側面図である。
【図15】図14の状態からコイルに水平方向の力が加わったときの状態を示した図である。
【図16】この発明の第4の実施の形態による重量物パレットを用いてコイルを搭載した状態を示した側面図であり、第3の実施の形態による図14に対応した図である。
【図17】図16で示したXVII−XVIIラインの断面図である。
【図18】この発明の第5の実施の形態による重量物パレットを用いてコイルを搭載した状態を示した側面図であり、第3の実施の形態による図14に対応した図である。
【図19】図18で示したXIX−XIXラインの断面図である。
【符号の説明】
【0120】
2、3…コイル
5…ハンガーパレット
6…支持部材
7…水平部材
8…垂直部材
12…フレーム部材
15…補助部材
21…連結部材
23…支持体
25…上面
27…ストッパー
30…傾斜面
尚、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【技術分野】
【0001】
この発明は、重量物用パレットに関し、特にコイル等の円筒形状の重量物を搭載するための重量物用パレットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図9は、従来より行われているコイルのシャーシへの搭載方法を示した概略図であり、図10は、図9で示したX−Xラインから見た拡大図である。
【0003】
これらの図を参照して、シャーシ1の上にはコイル2a及び2bが搭載されている。これらのコイル2a及び2bは、例えば鋼板が巻回されたものであって、1つ当たり10トンの重量を有するものである。
【0004】
コイル2aをシャーシ1に搭載する際には、まず、コイル2aの損傷を防止するために、平坦なシャーシ1の上に敷板50を敷設する。次に、コイル2aをその軸中心の向きがシャーシ1の前後方向となるように、クレーンやフォークリフト等によって敷板50の上面に設置する。その後、コイル2aの外周側壁と敷板50との間に、コイル2aの転がりを防止するための歯止めとして、断面が例えば台形や三角形等に形成された木材51a及び51bを配置する。更に、ワイヤー52a及び52bを用いてコイル2aをシャーシ1に結束して、コイル2aの搭載作業が完了する。他方のコイル2bもまた、同様にしてシャーシ1上に搭載される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来のコイル2aの搭載方法では、平坦なシャーシ1上にコイル2aを設置するため、木材51a及び51bによる歯止め作業が不可欠である。この木材51a及び51bは人力によって設置するため、木材51a及び51bの大きさは人力で移動可能な大きさ、すなわち、比較的小さな形状のものに限定されてしまう。すると、木材51a及び51bによる歯止めのみでは、コイル2aの設置状態が不安定なものとなるので、ワイヤー52a及び52bによる結束作業もまた不可欠となる。歯止め及び結束のいずれについても人手を要する作業であり、コイル2aの搭載作業全体としては、必ずしも効率的な方法であるとは言えない。
【0006】
そこで、コイル等の円筒形重量物をより効率的に搭載するための専用パレットが考えられている。
【0007】
図11は、従来のコイル専用パレットの概略構成を示した斜視図である。
【0008】
図を参照して、ここではコイル専用パレットの一例として、タンクコンテナ専用セミトレーラーのコンテナシャーシ1に搭載することができるコイル用パレット55を示している。コイル用パレット55は、その四隅の位置においてコンテナシャーシ1上に固定された状態で使用される。尚、幌装置54は、コイル2a及び2bを保護するために必要に応じてコイル用パレット55の上方に取付けられるものである。
【0009】
コイル用パレット55は、平行に配置された一対の支持部材57a及び57bと、支持部材57a及び57bの両端部を支持する外枠部材56a及び56bとから主に構成されている。支持部材57a及び57bの上面には、互いに近づく方向が下降するような傾斜面が形成されており、長手方向の断面形状はいわゆる船底形に形成されている。
【0010】
コイル用パレット55の使用時には、コイル2aをクレーンやフォークリフト等で持ち上げて支持部材57a及び57bの船底形状の上面に設置する。支持部材57a及び57bの傾斜角度は、コイル2aの転がりを防止するのに十分な大きさに設定されているため、設置するだけでコイル2aの転がり方向の固定が完了する。ただし、実際の輸送時等にはコイル2aの固定状態をより一層確実にするために、コイル2aは更にワイヤー52a及び52bを用いてコイル用パレット55に結束されている。他方のコイル2bについても同様にしてコイル用パレット55上に搭載されている。
【0011】
上記のような専用のコイル用パレット55を使用すれば、少なくとも歯止め作業が不要となるため、先の図9及び図10で示した搭載方法と比べて、コイル状重量物の搭載をより効率的に行うことが可能となる。
【0012】
しかし、コイル用パレット55には、コイル状重量物を任意の位置に搭載することができるように、一対の支持部材57a及び57bにより、長手方向のほぼ全体に船底形状の部分が形成されている。支持部材57a及び57b全体をコイル2a及び2bの重量に十分に耐え得る強度を有するように構成しようとすると、コイル用パレット55を構成するためのコストが上昇してしまう。そのため、支持部材57a及び57bによる船底形の部分を長手方向の一部にのみ形成しておくことも考えられるが、これでは使用時にコイルの重量や個数等に応じて搭載位置を変更することができず、使い勝手の面で劣ってしまう。
【0013】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、コイル等の円筒形状の重量物を安定的に且つ容易に固定でき、搭載作業が効率的に行え、更に構成がシンプルな重量物用パレットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、コイル等の円筒形状の重量物をその中心軸を水平方向に維持した状態で搭載するための重量物用パレットであって、重量物の下端を支持することができる横部材と、横部材の一方端部側に接続されると共に上方に延び、重量物の外周側壁の一部を支持することができる第1の縦部材と、横部材の他方端部側に接続されると共に上方に延び、重量物の外周側壁の他の一部を支持することができる第2の縦部材と、第1の縦部材及び第2の縦部材の各々に接続され、重量物の下端より上方の位置においてのみ、横部材と第1の縦部材と第2の縦部材の重量または重量物の重量を外部に伝達することができる一対の支持部材とを備えたものである。
【0015】
このように構成すると、重量物の搭載時に重量物用パレットが重量を外部に伝達する位置と、重量物の重心位置との垂直距離が短くなる。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、横部材は水平に配置され、第1の縦部材及び第2の縦部材は、横部材の両端部から垂直に配置され、支持部材の各々は、第1の縦部材及び第2の縦部材の各々の上端部から外方側に延びるように接続されるものである。
【0017】
このように構成すると、横部材と第1の縦部材と第2の縦部材とで構成されるU字形内部へ取付けられる敷板等の材料の寸法の算出が容易となる。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明の構成において、各々の軸方向が横部材と直交する方向へと水平に延びるように配置され、各々の上面に支持部材の各々が固定される一対のフレーム部材を更に備えるものである。
【0019】
このように構成すると、横部材と第1の縦部材と第2の縦部材とは、支持部材を介してフレーム部材と一体化する。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明の構成において、各々の軸方向が横部材と直交する方向へと水平に延びるように配置され、各々の上面に支持部材の各々が脱着自在に設置される一対のフレーム部材を更に備えるものである。
【0021】
このように構成すると、横部材と第1の縦部材と第2の縦部材とは、フレーム部材に対して脱着自在に配置される。
【0022】
請求項5記載の発明は、請求項1または請求項2記載の横部材と、第1の縦部材と、第2の縦部材と、支持部材とからなるパレット本体を2以上用いた重量物用パレットであって、パレット本体は、各々の横部材と第1の縦部材と第2の縦部材とで形成される面が互いに平行となるように整列した状態で連結されており、各々の軸方向が横部材の各々と直交する方向へと水平に延びるように配置され、各々の上面にパレット本体の支持部材の各々が脱着自在に設置される一対のフレーム部材を更に備えるものである。
【0023】
このように構成すると、複数のパレット本体が一体化する。
【0024】
請求項6記載の発明は、請求項3から請求項5のいずれかに記載の発明の構成において、フレーム部材の各々を連結するように取付けられる補助部材を更に備えるものである。
【0025】
このように構成すると、フレーム部材の各々を引き離し又は引き寄せようとする力に対するフレーム部材の強度が増加する。
【0026】
請求項7記載の発明は、請求項2記載の発明の構成において、支持部材の各々の下面に設けられ、支持部材の延びる方向を軸中心として、横部材、第1の縦部材、第2の縦部材及び支持部材の各々を揺動自在に支持することができる一対の支持体を更に備えたものである。
【0027】
このように構成すると、重量物パレットは支持体を介して揺動状態に支持される。
【0028】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明の構成において、支持体の各々は、少なくともその下方が半円断面形状の棒体であり、その頂点が下方に位置すると共にその軸方向が軸中心と平行になるように支持部材に固定されるものである。
【0029】
このように構成すると、支持体の下面の最下点を中心に重量物パレットは揺動する。
【0030】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明の構成において、各々の軸方向が横部材と直交する方向へと水平に延びるように配置され、各々の上面に支持体の各々が脱着自在に設置される一対のフレーム部材を更に備えるものである。
【0031】
このように構成すると、横部材、第1の縦部材、第2の縦部材及び支持部材の各々は揺動自在に支持されると共にフレーム部材に対して摺動自在となる。
【0032】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明の構成において、上面の各々には、その間に支持体が少なくとも配置できる間隔をあけて配置され、支持体の移動を制限する少なくとも2つのストッパーが設けられるものである。
【0033】
このように構成すると、重量物パレットのフレーム部材に沿っての移動が所定の範囲に制限される。
【0034】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明の構成において、ストッパーは、少なくともその上方が半円断面の棒体形状を有しており、その頂点が上方に位置すると共に、その軸方向がフレーム部材の長手方向に直交するように上面に固定されるものである。
【0035】
このように構成すると、支持体がストッパーに当接した状態にあっても揺動機能が維持される。
【0036】
請求項12記載の発明は、請求項10記載の発明の構成において、ストッパーは、くさび形状を有しており、その傾斜面の高さがフレーム部材の長手方向に沿って変化するように上面に固定されるものである。
【0037】
このように構成すると、支持体は傾斜面に沿って移動可能であるが、垂直面に対しては移動が阻止される。
【発明の効果】
【0038】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、重量物の搭載時に重量物用パレットが重量を外部に伝達する位置と、重量物の重心位置との垂直距離が短くなるため、重量物を搭載した状態では、重量物用パレットの転倒が抑制され、重量物の設置状態が安定する。
【0039】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、横部材と第1の縦部材と第2の縦部材とで構成されるU字形内部へ取付けられる敷板等の材料の寸法の算出が容易となるため、重量物の直径に応じてのU字形内部の空間の大きさを、重量物の支持に最適な寸法へと調整することが可能となる。また、重量物用パレットの構成がシンプルになるため、製造が容易となる。
【0040】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明の効果に加えて、横部材と第1の縦部材と第2の縦部材とは、支持部材を介してフレーム部材と一体化するため、即座に重量物を搭載することができ、搭載作業が効率的となる。
【0041】
請求項4記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明の効果に加えて、横部材と第1の縦部材と第2の縦部材とは、フレーム部材に対して脱着自在に配置されるため、重量物の搭載位置を必要に応じてフレーム部材の所望の位置に設定することができ、使い勝手が良い。
【0042】
請求項5記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明の効果に加えて、複数のパレット本体が一体化するため、パレット本体のフレームへの設置状態が安定し、重量物の搭載がしやすくなる。また、パレット本体を連結する数や間隔を予め重量物の軸方向の寸法に合わせて設定しておけば、パレット本体の各々の位置関係が常に一定となるため、パレット本体のフレーム部材への設置を容易に行うことが可能となる。
【0043】
請求項6記載の発明は、請求項3から請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、フレーム部材の各々を引き離し又は引き寄せようとする力に対するフレーム部材の強度が増加するため、重量物の搭載時の信頼性が向上する。更に、補助部材をフレーム部材に固定すれば、コイル等の円筒形状重量物の軸方向の移動を阻止することが可能となる。
【0044】
請求項7記載の発明は、請求項2記載の発明に加えて、重量物パレットは支持体を介して揺動状態に支持されるため、重量物の中心軸方向に過大に力が加わったとき、重量物パレットの揺動によってその力が分散される。
【0045】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明の効果に加えて、支持体の下面の最下点の線上を中心に重量物パレットは揺動するため、重量物パレットの支持状態が安定する。
【0046】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明の効果に加えて、横部材、第1の縦部材、第2の縦部材及び支持部材の各々は揺動自在に支持されると共にフレーム部材に対して摺動自在となるため、重量物に加わる中心軸方向への力は重量物パレットの摺動及び揺動によって分散されるため搭載時の信頼性が向上する。
【0047】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明の効果に加えて、重量物パレットのフレーム部材に沿っての移動が所定の範囲に制限されるため、不用意な重量物パレットの移動が防止されるので搭載時の安全性が向上する。
【0048】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明の効果に加えて、支持体がストッパーに当接した状態にあっても揺動機能が維持されるため、重量物パレットの揺動による力の分散が確実に確保される。
【0049】
請求項12記載の発明は、請求項10記載の発明の効果に加えて、支持体は傾斜面に沿って移動可能であるが、垂直面に対しては移動が阻止される。そのため、傾斜面を上昇する方向に力がかかりすぎると、支持体は傾斜面を乗り越えた後フレーム部材の上面に落下して音を生じる。この音によって搭載状態を判断するようにすれば、搭載時の安全性がより高まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
図1は、この発明の第1の実施の形態による重量物用パレットの使用状態を示した概略図であって、その(1)は正面図であり、その(2)は右側面図である。
【0051】
図を参照して、シャーシ1の上面にハンガーフレーム11が設置され、ハンガーフレーム11に取付けられた4本のハンガーパレット5a〜5dを介して、コイル2がその軸中心を水平方向に維持した状態で搭載されている。また、コイル2より直径の大きなコイル3についても同様にハンガーパレット5e〜5hを用いて積載されている。こららのハンガーパレット5a〜5hの各々は全て同一に構成されているため、以下ではハンガーパレット5aを中心に説明する。
【0052】
尚、コイル2及び3は、従来例で示したものと同様に、鋼板等が巻回されたものである。一例として、コイル2の直径は1.2mであり、コイル3の直径は1.5mであり、共に10t近くの重量を有している。
【0053】
ここでまず、ハンガーパレット5a及びハンガーフレーム11のそれぞれの構成について説明する。
【0054】
図2は、図1で示したハンガーパレットの概略構成を示した正面図であり、図3は、図1で示したハンガーパレットの概略構成を示した側面図である。
【0055】
これらの図を参照して、ハンガーパレット5aは、例えば複数のH形鋼を互いに溶接することにより、全体がほぼU字形となるように形成されている。ハンガーパレット5aは、コイル等の円筒形重量物をその中心軸が水平方向となるように維持した状態で、重量物の下方部分を支持することができる水平部材7と、各々の一方端部が水平部材7の両端に接続され、水平部材7と直交する方向であって上方に平行に延びる一対の垂直部材8a及び8bと、垂直部材8a及び8bの各々の他方端部に接続され、外方側に延びる支持部材6a及び6bとからなり、これらの各部材はほぼ同一面内に含まれるように接続されている。
【0056】
図4は、図1で示したハンガーフレームの概略構成を示した平面図であり、図5は、図1で示したハンガーフレームの概略構成を示した正面図である。
【0057】
これらの図を参照して、ハンガーフレーム11は、例えばH形鋼よりなり平行に配置された一対のフレーム部材12a及び12bと、例えば角鋼管よりなり、フレーム部材12a及び12bの下方において平行に配置された一対のスキッド13a及び13bとが溶接等により井桁状に接続されて構成されている。一対のフレーム部材12a及び12bの内面側の間隔は、図2で示したハンガーパレット5aの垂直部材8a及び8bの外方面同志の間隔より僅かに大きく設定されている。また、スキッド13a及び13bの下面からフレーム部材12a及び12bの上面までの垂直距離Aは、図2のハンガーパレット5aの垂直部材8a及び8bの下端から支持部材6a及び6bの下面までの垂直距離Bより大きくなるように設定されている。尚、ハンガーフレーム11の長手方向の大きさ、すなわちフレーム部材12a及び12bの長さは、搭載されるシャーシやコンテナ等の輸送の形態に応じて任意に設定することが可能である。
【0058】
更に、この実施の形態におけるハンガーフレーム11は、フレーム部材12a及び12bをこれらと直交する方向に架け渡すように補助部材15aが着脱自在に取付けられている。補助部材15aは、例えばH形鋼や角鋼管等の鋼材を溶接等で接合することにより逆U字形状に形成されており、そのU字形内部の幅方向の寸法はフレーム部材12a及び12bの上面の外方端同志の間隔より僅かに大きく設定されている。したがって、図5に示すように、逆U字形内部にフレーム部材12a及び12bの上面部分を嵌合させるようにして、補助部材15aを着脱自在に取付けることが可能となっている。この補助部材15aは、図1に示したようにコイルをその軸方向の前後から挟む位置に複数取付けられるものであって、重量物の搭載時にフレーム部材12a及び12b同志を引き離そうとする力に対する強度を増加させるものである。
【0059】
尚、スキッド13a及び13bの下面には、図示しない締結装置等が設けられている。これにより、例えば図1で示したような標準コンテナシャーシに搭載したときに、ハンガーフレーム11をシャーシに固定することが可能である。
【0060】
次に、上記のように構成されたハンガーパレット及びハンガーフレームを用いてコイル等の重量物を搭載する方法について説明する。
【0061】
図6は、この発明の第1の実施の形態による重量物用パレットにコイルを搭載する過程を示した図である。
【0062】
図6の(1)を参照して、まず、シャーシ等の平面17にスキッド13aの下面が接するようにハンガーフレーム11を平面17上に設置する。尚、コンテナシャーシに搭載する際は、この工程で図示しない締結装置等によってハンガーフレーム11を平面17に固定する。
【0063】
次に、ハンガーパレット5aをフレーム部材12a及び12bの間隔に上方から嵌め込むように挿入する。上述したように、スキッド13aの下面からフレーム部材12a及び12bの上面までの垂直距離は、ハンガーパレット5aの垂直部材8a及び8bの下端から支持部材6a及び6bの下面までの垂直距離より大きくなるように設定されているため、ハンガーパレット5aをフレーム部材12a及び12bの間隔に挿入してゆくと、図6の(2)に示したように、支持部材6a及び6bの下面においてのみハンガーフレーム11に接した状態となる。すなわち、ハンガーパレット5a自体の重量とこれに加わる重量は全て、支持部材6a及び6bを介してのみ、外部のフレーム部材12a及び12bへと伝達することができる。尚、この実施の形態においては、図1に示したように、1つのコイル2に対してその軸方向に4つのハンガーパレット5a〜5dを一組として用いて外周側壁を支持するため、図1の他のハンガーパレット5b〜5dについても同様の手順でハンガーフレーム11上に設置する。
【0064】
この実施の形態においては、ハンガーパレット5aはフレーム部材12a及び12b上に対して着脱自在に構成されているため、ハンガーパレット5aは所望の位置に取付けることが可能である。したがって、使用時に必要に応じて、重量物の搭載位置をフレーム部材12a及び12bの所望の位置に設定することが可能となり、使い勝手が良い。
【0065】
次に、図6の(3)を参照して、ハンガーパレット5aで構成されるU字形内部に、搭載する重量物の外周壁の損傷を防止するために、垂直部材8a及び8bの各々の内方面に木材18a及び18bの各々を取付けると共に、水平部材7の内方面(上面)に木材18cを取付ける。ここでは、保護材として木材18a〜18cを使用しているが、必ずしも木材に限らず、重量物の性質に応じて適切な保護材を使用すれば良い。尚、図1で示した他のハンガーパレット5b〜5dについても同様に、一対の垂直部材と水平部材との内方面に木材を取付ける。この際、ハンガーパレット5a〜5dの各々に木材を取付ける代わりに、ハンガーパレット5a〜5dの各々の垂直部材の内方面または各々の水平部材の内方面を架け渡すように木材を取付けても良い。
【0066】
そして、図6の(4)に示すように、コイル2をクレーンやフォークリフト等で持ち上げて、木材18a〜18cを敷設したハンガーパレット5a上に搭載する。木材18a〜18cの各々の厚みは、ハンガーパレット5aの寸法と、搭載するコイル2の直径とを加味して予め所定の大きさに設定されており、コイル2を設置した際には、木材18a〜18cの各々の内方面とコイル2の外周側壁とが接触する。すなわち、水平部材7によってコイル2の下端部分が支持された状態となり、一方の垂直部材8aによってコイル2の外周側壁の一部が支持された状態となり、他方の垂直部材8bによってコイル2の外周側壁の他の一部が支持された状態となり、コイル2の重量はハンガーパレット5aへと伝達される。
【0067】
ハンガーパレット5aは、支持部材6a及び6bの下面においてのみフレーム部材12a及び12bの上面と当接しているため、コイル2を搭載した状態において、ハンガーパレット5aと木材18a〜18cとコイル2との重量の和が、支持部材6a及び6bを介してのみフレーム部材12a及び12bへと伝達されている。
【0068】
ここで、コイル2の搭載状態をコイル2の転倒防止の観点から検討する。まず、コイル2の外周側壁はハンガーパレット5aのU字形内部において、木材18a〜18cを介して3箇所で接触しているため、コイル2を搭載しただけで歯止めがされた状態となっている。したがって、ハンガーパレット5aの大きさをコイル2の直径に応じて適切な大きさに設定しておけば、コイル2が単独でハンガーパレット5aから転がり出ることは防止されている。
【0069】
そこで、コイル2が搭載されたハンガーパレット5a自体の転倒の可能性についてみると、ハンガーパレット5aは支持部材6a及び6bの下面の位置においてのみ、ハンガーパレット5aに加わる重量を外部へと伝達する。この状態において、ハンガーパレット5aの転倒の支点となり得る位置、すなわち、ハンガーパレット5aが重量を伝達する支持部材6aまたは6bの下面位置は、図6の(4)に示されているように、コイル2の下端より上方に位置しているため、転倒の支点とコイル2の重心位置との垂直距離は、平面17に直接ハンガーパレット5aが接触している場合と比べると小さくなる。その結果として、ハンガーパレット5aの転倒が起こりにくくなり、コイル2の搭載状態が安定する。
【0070】
これに加えて、この実施の形態においては、フレーム部材12a及び12bの内方面同志の間隔は、ハンガーパレット5aの垂直部材8a及び8bの外方面同志の間隔より僅かに大きく設定されている。したがって、ハンガーパレット5aが支持部材6aまたは6bの下面を支点として転倒しようとしても、垂直部材8aまたは8bがフレーム部材12aまたは12bの内方側の部分に当接するため、ハンガーパレット5aの転倒はより確実に防止される。
【0071】
尚、上述した補助部材(図4及び図5)は、図6の(1)から(4)のいずれの工程においても取付けが可能である。コイル2の搭載による左右への転動によってフレーム部材12a及び12b同志を引き離そうとする力が加わるが、図1で示したように、補助部材15a〜15cをコイル2及びコイル3の前後を挟む位置に取付けると、当該引き離そうとする力に対する強度が増加するため、コイル2等の重量物の搭載時の信頼性が向上する。
【0072】
また、補助部材15a〜15bを取付けたときに、これらをフレーム部材12a及び12bに固定できるように構成しても良い。このように構成すれば、補助部材15a〜15bによってコイル2等の重量物の軸方向の移動を阻止することも可能となる。
【0073】
図7は、この発明の第1の実施の形態による重量物用パレットに、図6で示したコイルより大きい直径のコイルを搭載した状態を示した図である。
【0074】
図を参照して、コイル3は、先の図6の(4)で示したコイル2より直径Dが大きいため、図6の(4)の状態のハンガーパレット5aにそのままコイル3を搭載すると、コイル3の下端と水平部材7上の木材18cとの間に隙間を生じてしまう。そこで、このコイル3を搭載する際には、図7のように、水平部材7の上面に敷設する木材18cの厚みTをより大きくして、コイル3の下面と木材18cとを接触させることにより、水平部材7でコイル3の下端を支持することができるようになる。その結果、より直径の小さいコイル2の場合(図6の(4)の場合)と同様に、コイル3の外周側壁をハンガーパレット5eによって安定して支持することが可能となる。
【0075】
この実施の形態のように、ハンガーパレット5a等を、水平部材7と垂直部材8a及び8bとでU字形状に構成すれば、重量物の大きさに応じて必要な木材18a〜18c等の材料の寸法の算出が容易となる。そのため、重量物の直径に応じてハンガーパレット5aのU字形内部の空間の大きさを、重量物の支持に最適な寸法へと容易に調整することが可能である。
【0076】
図8は、この発明の第2の実施の形態による重量物用パレットの概略構成を示した斜視図である。
【0077】
図を参照して、この実施の形態においては、パレット本体であるハンガーパレット5a及び5bは、基本的に先の第1の実施の形態と同様に構成されている。ただし、ハンガーパレット5a及び5b同志が、例えばH形鋼や角鋼管等の鋼材よりなる連結部材21a〜21cによって相互に連結されている点が、第1の実施の形態とは大きく異なっている。
【0078】
ハンガーパレット5a及び5bは、各々の水平部材と垂直部材と支持部材とで構成される面同志が平行になるように配置され、支持部材6a及び6c同志が連結部材21aで連結され、支持部材6b及び6d同志が連結部材21bで連結され、水平部材7a及び7b同志が連結部材21cで連結されている。尚、連結されたハンガーパレット5a及び5bは、フレーム部材12a及び12bに着脱自在に取付けられている。
【0079】
このように、2つのハンガーパレット5a及び5bが、連結部材21a〜21cによって一体化されているため、ハンガーパレット5a及び5bの各々は、ハンガーフレーム11上への設置状態が安定し、重量物の搭載を容易に行うことができる。
【0080】
また、この実施の形態においては、2つのハンガーパレット5a及び5bを連結しているが、2以上の任意の数のハンガーパレットを連結しても良い。このとき、連結する数や間隔を予め重量物の軸方向の寸法に合わせて設定しておけば、パレット本体の各々の位置関係が常に一定となる。よって、使用時にはパレット本体のフレーム部材への設置を容易に行うことが可能となる。
【0081】
尚、上記の各実施の形態では、重量物用パレットは、ハンガーパレット及びハンガーフレームの両方を備えているが、必ずしもハンガーフレームは必要なものではなく、なくても良い。ハンガーフレームがない場合でも、ハンガーパレットの支持部材のみで、ハンガーパレット及びこれに加わる重量を外部に伝達することができるように用いれば、同様に重量物を安定して搭載することが可能である。この場合、ハンガーパレットを上方から吊して保持するように構成しても良い。
【0082】
また、上記の各実施の形態では、横部材として、水平方向に配置した水平部材を用いているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、横部材は水平方向に配置されていなくても、重量物の下端部分を支持することができるものであれば良い。また同様に、第1の縦部材及び第2の縦部材として、垂直に配置した一対の垂直部材を用いているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、第1の縦部材及び第2の縦部材は垂直方向に配置されていなくても、それぞれ重量物の外周側壁の一部と他の一部とを支持することが可能なものであれば良い。
【0083】
更に、上記の各実施の形態では、H形鋼を垂直部材の上端から外方に延びるように接続して支持部材を構成しているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、横部材を構成する水平部材と、第1の縦部材及び第2の縦部材を構成する一対の垂直部材の重量、及び、これらに加わる重量物の重量を外方へと伝達することができるものであれば、他の形状としても良い。
【0084】
更に、上記の各実施の形態では、重量物を保護するために木材等の保護材を敷設しているが、このような保護材は必ずしも必要なものではなく、ハンガーパレットと重量物の外周側壁とが直接接触するように重量物を搭載することも可能である。
【0085】
更に、上記の各実施の形態では、ハンガーパレット及びハンガーフレームを左右対称に構成しているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、これらを非対称に形成しても良い。例えば、支持部材の位置が左右で異なっても、同様の効果を発揮する。
【0086】
更に、上記の各実施の形態では、一対のフレーム部材の下面に一対のスキッドが取付けられているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、例えば、フレーム部材同志を別の方法で接続したり、フォークリフトで移動自在とするための部材を取付けても良い。また、スキッドの部分はなくても良い。
【0087】
更に、上記の各実施の形態では、一対のフレーム部材をH形鋼により形成しているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、他の鋼材等を用いて形成したり、他の構造物の一部として構成しても良い。
【0088】
更に、上記の各実施の形態では、一対のフレーム部材の内方面同志の間隔は、ハンガーパレットの垂直部材の外方面同志の幅より僅かに大きくなるように設定しているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、より大きな間隔に設定しても良い。
【0089】
更に、上記の各実施の形態では、特にコンテナシャーシに重量物を搭載するための重量物用パレットを構成しているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、ドライコンテナやオープントップコンテナ、フラットラックコンテナ等の他のコンテナや、他の輸送車両等に使用する重量物用パレットに適用しても良い。
【0090】
更に、上記の各実施の形態では、ハンガーパレットをハンガーフレームから脱着自在となるように構成しているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、ハンガーパレットをフレーム部材に予め固定しておいても良い。このように構成した場合でも、コイルの搭載位置を所望の位置に決定することが可能となる。また、予めパレット全体を船底形に形成しておく場合と比べると、構成がシンプルになり、コスト面でも有利である。更に、ハンガーパレットのフレーム部材への取付け作業が不要となり、即座に重量物を搭載することができるため、搭載作業が効率的となる。
【0091】
更に、上記の各実施の形態では、ハンガーパレット及びフレーム部材をH形鋼を用いて構成しているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、I形鋼や角鋼管等の他の鋼材を用いても良い。また、ハンガーパレットの厚み(ハンガーパレットが構成する面と直交する方向の寸法)は、適宜に設定することが可能である。
【0092】
更に、上記の第1の実施の形態では、補助部材はフレーム部材の各々を引き離そうとする力に対抗することができるように逆U字形に構成されているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、フレーム部材の各々を引き寄せようとする力に対抗することができるように構成しても良い。例えば、図5に示した補助部材において、垂直方向に配置されている部材を、取付け時にフレーム部材の各々の内方面に沿うことができる位置に更に一対設けても良い。このようにすれば、フレーム部材の各々を引き寄せようとする力に対するフレーム部材の強度を増加させることが可能となる。
【0093】
更に、上記の第1の実施の形態では、ハンガーフレームは補助部材を備えているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、補助部材はなくても良い。
【0094】
更に、上記の第1の実施の形態では、補助部材をフレーム部材に対して着脱自在な構成としているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、予めフレーム部材の所定位置に溶接等で固定しておいても良い。例えば、複数の補助部材を予め間欠的に固定しておけば、ある程度大まかに重量物の搭載位置が規定されるため、重量物の搭載時に重量のバランスを取りやすくなるが、大まかな搭載位置の範囲内で重量物の位置を調整することも可能となり使い勝手が良い。
【0095】
更に、上記の第2の実施の形態では、補助部材を使用していないが、第1の実施の形態と同様に補助部材を用いてフレーム部材を補強しても良い。
【0096】
図12はこの発明の第3の実施の形態によるハンガーパレットの概略構成を示した正面図であって先の第1の実施の形態による図2に対応した図であり、図13は図12で示したXIII−XIIIラインの拡大断面図である。
【0097】
これらの図を参照して、ハンガーパレットの基本的な形状は第1の実施の形態によるものと同一であるので、ここではその相違点について主に説明する。
【0098】
この実施の形態にあっては、支持部材6a及び6bの下面にその延びる方向に支持体23a及び支持体23bが取り付けられている。支持体23は半円断面形状の棒体よりなり、その頂点が下方に位置するように固定されている。そのため、支持体23a及び支持体23bを介して図4に示すハンガーフレーム11のフレーム部材12の上面にハンガーパレット5を設置すると、ハンガーパレット5は、支持部材6a及び6bの延びる方向を軸中心としてハンガーフレーム11に揺動自在に支持されることになる。
【0099】
図14は図12で示したハンガーパレットを用いてコイルを搭載した状態を示した側面図である。
【0100】
図を参照して、ハンガーパレット5a〜5dが、所定間隔をもってハンガープレートの一対のフレーム部材12a及びフレーム部材12b(図示せず)に支持部材6の各々を掛け渡すように脱着自在に取り付けられている。尚、ハンガーパレット5a〜5dにはコイル2が搭載されているが、この搭載方法は先の第1の実施の形態によるものと同一である。このように取り付けられると、ハンガーパレット5a〜5dは各々の支持体23を介してフレーム部材12aの上面25に当接状態となる。ハンガーパレット5a〜5dの各々は、支持体23の最下点の線上でのみ支持されていることになるため、図における横方向の力に対して揺動自在となる。
【0101】
図15は図14の状態からコイルの中心軸方向に水平方向の力が加わったときの状態を示した図である。
【0102】
図を参照して、コイル2に図において左方向の力Fが加わる場合を想定する。このような力Fはトレーラー等による移送途中における停止や発信時に生じる加速度によるものである。力Fが、ハンガーパレット5a〜5dの支持体23を介してのフレーム部材12aの上面25に対する摩擦抵抗力より小さい場合は、ハンガーパレット5a〜5dは移動することなく、その位置で各々の支持体23の下端を中心として図のように傾斜する。この場合、ハンガーパレット5a〜5dに搭載されているコイル2は、若干持ち上がりその位置エネルギーが増加する。これによって力Fによる運動エネルギーがハンガーパレット5a〜5dの揺動効果によって吸収されることになる。
【0103】
加速度が消滅して力Fが消滅すると、コイル2に生じる重力によりハンガーパレット5a〜5dの傾斜状態が解除され、図14に示す状態に復帰する。
【0104】
一方、力Fが、ハンガーパレット5a〜5dの支持体23を介してのフレーム部材12aの上面25に対する摩擦抵抗力より大きい場合は、ハンガーパレット5a〜5dは図15のように若干傾斜しながらフレーム部材12aの上面25を滑っていくことになる。この場合、力Fによる運動エネルギーの一部が、上面25と支持体23との間に生じる摩擦抵抗によって吸収されることになる。したがって、運動エネルギーが吸収された時点でハンガーパレット5a〜5dの移動が停止する。
【0105】
この実施の形態にあっては、ハンガーパレット5a〜5dを揺動できる構成とすることにより、上述のように輸送時のコイルに加わる運動エネルギーの一部を吸収することができる。先の実施の形態によるハンガーパレットにあっては、フレーム部材に固定するように使用すると、コイルに生じた運動エネルギーがハンガーパレットを介してフレーム部材に直接的に加わることになる。そのためその衝撃に備えてハンガーパレットやハンガーフレーム等の強度を十分に上げる必要がある。一方、この実施の形態によるハンガーパレットであれば、コイルの位置エネルギーへの変換を利用して運動エネルギーの一部を吸収するため衝撃が加わる虞が少なくなり、ハンガーパレットやハンガーフレーム等の強度設計上有利となると共に、移送時の安全性が向上する。
【0106】
図16はこの発明の第4の実施の形態による重量物パレットを用いてコイルを搭載した状態を示した側面図であり、第3の実施の形態による図14に対応した図であり、図17は図16で示したXVII−XVIIラインの断面図である。
【0107】
これらの図を参照して、ハンガーパレット5a〜5dの構造は先の第3の実施の形態によるものと同一であるが、ハンガーフレーム12aの上面25の構造が異なっている。即ち、上面25には各々の間に支持体23が配置できる間隔で配置され、支持体23のフレーム部材25aの長手方向に沿っての移動を阻止する複数のストッパー27が形成されている。
【0108】
ストッパー27は半円断面の棒体形状を有しており、その頂点が上方に位置すると共に、その軸方向がフレーム部材25aの長手方向に直交するように上面25に固定されている。尚、ストッパー27の半径は支持体23の半径より小さくなるように設定されている。これは、支持体23の摺動時に支持部材6の下面がストッパー27に接触しないようにするためである。このように構成すると、ハンガーパレット5a〜5dの各々は、その支持体23の摺動範囲、即ちその両側に形成されているストッパー27同志の間で基本的に規制されることになる。又、支持体23が上面25を摺動して隣接するストッパー27の一方に当接状態になっても、これらは線接触となるためハンガーパレット5a〜5dの揺動機能を阻害する虞がない。
【0109】
又、ストッパー27を上面25に所定間隔で連続的に形成しておくと、上述の効果のみならずハンガーパレット5a〜5dの位置決め効果も奏する。これによって、コイル2の搭載位置に合わせて適切な位置にハンガーパレット5a〜5dを確実に設置できるため、より使い勝手が向上する。
【0110】
図18はこの発明の第5の実施の形態による重量物パレットを用いてコイルを搭載した状態を示した側面図であり、第3の実施の形態による図14に対応した図であり、図19は図18で示したXIX−XIXラインの断面図である。
【0111】
これらの図を参照して、ハンガーパレット5a〜5dの構造は先の第3の実施の形態によるものと同一であるが、ハンガーフレーム12aの上面25の構造が異なっている。即ち、上面25には各々の間に支持体23が配置できる間隔で配置され、支持体23のフレーム部材25aの長手方向に沿っての移動を規制する複数のストッパー27が形成されている。
【0112】
ストッパー27はくさび形状を有しており、その傾斜面30がフレーム部材12aの長手方向に沿って変化するように上面25に固定されている。尚、ストッパー27の垂直面29の高さは支持体23の半径より小さくなるように設定されている。これは、支持体23の摺動時に支持部材6の下面がストッパー27に接触しないようにするためである。このように構成すると、ハンガーパレット5a〜5dの各々は、その支持体23の摺動範囲、即ちその両側に形成されているストッパー27同志の間でまず規制されることになる。そして、支持体23に図において右方向の力が加わり、支持体23が上面25を摺動して図における右側に隣接するストッパー27の垂直面29に当接状態になると、それ以上の支持体23の移動は完全に停止するが、ハンガーパレット5a〜5dの揺動は可能である。
【0113】
一方、支持体23に図において左方向の力が加わり、支持体23が上面25を摺動して図における左側に隣接するストッパー27側に移動すると、支持体23に加わる力に応じて支持体23はその傾斜面30を上昇しようとする。傾斜面30を支持体23が上昇すると、コイル2もその位置が当初の状態より高くなるため位置エネルギーが上昇することになる。その結果、ストッパー27は支持体23の移動に対する大きなブレーキ効果を奏することになる。
【0114】
そして、支持体23が更に移動して傾斜面30を乗り越えてしまうと、支持体23はフレーム部材12aの上面25に落下する。このとき、落下音が生じるため運転手等はこれによってコイル2に加わる力、即ち加速度の程度を知ることができるので、搭載、輸送時の安全性がより向上する。
【0115】
尚、上記の第3から第5の実施の形態では、支持体は半円断面形状の棒体を用いているが、円断面形状の棒体でも良く、少なくとも下方が半円断面形状の棒体であれば良い。又、これに代えて、幅の狭いフラットバーを支持部材に取り付けても良い。更に、半球体又は球体をその頂点を下方にするように支持部材に取り付けても良く、あるいは径の小さな円板を取り付けても良い。
【0116】
又、上記の第3の実施の形態では、ハンガーフレームの上面を平滑面としているが、この上面を例えばハンガーフレームの長手方向に凹凸となる波型形状等として摩擦係数を高めるように構成しても良い。この場合、支持体の移動に対する抵抗が増大するため、コイルに加わる運動エネルギーを効率的に吸収することができる。
【0117】
更に、上記の第4及び第5の実施の形態では、支持体がハンガーフレームの上面に対して摺動できるように隣接するストッパーの間隔が確保されているが、この間隔は少なく共支持体が設置できるものであれば良く、支持体は必ずしも上面に対して摺動できなくても良い。
【0118】
更に、上記の第4の実施の形態では、ストッパーは半円断面の棒体形状を有しているが、円形断面の棒体形状でも良く、少なくとも上方が半円断面の棒形状であれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】この発明の第1の実施の形態による重量物用パレットの使用状態を示した概略図であって、その(1)は正面図であり、その(2)は右側面図である。
【図2】図1で示したハンガーパレットの概略構成を示した正面図である。
【図3】図1で示したハンガーパレットの概略構成を示した側面図である。
【図4】図1で示したハンガーフレーム部材の概略構成を示した平面図である。
【図5】図1で示したハンガーフレーム部材の概略構成を示した正面図である。
【図6】この発明の第1の実施の形態による重量物用パレットにコイルを搭載する過程を示した図である。
【図7】この発明の第1の実施の形態による重量物用パレットに、図6で示したコイルより大きい直径のコイルを搭載した状態を示した図である。
【図8】この発明の第2の実施の形態による重量物用パレットの概略構成を示した斜視図である。
【図9】従来より行われているコイルの搭載方法を示した概略図である。
【図10】図9で示したX−Xラインの拡大図である。
【図11】従来のコイル専用パレットの概略構成を示した斜視図である。
【図12】この発明の第3の実施の形態によるハンガーパレットの概略構成を示した正面図であって第1の実施の形態による図2に対応した図である。
【図13】図12で示したXIII−XIIIラインの拡大断面図である。
【図14】図12で示したハンガーパレットを用いてコイルを搭載した状態を示した側面図である。
【図15】図14の状態からコイルに水平方向の力が加わったときの状態を示した図である。
【図16】この発明の第4の実施の形態による重量物パレットを用いてコイルを搭載した状態を示した側面図であり、第3の実施の形態による図14に対応した図である。
【図17】図16で示したXVII−XVIIラインの断面図である。
【図18】この発明の第5の実施の形態による重量物パレットを用いてコイルを搭載した状態を示した側面図であり、第3の実施の形態による図14に対応した図である。
【図19】図18で示したXIX−XIXラインの断面図である。
【符号の説明】
【0120】
2、3…コイル
5…ハンガーパレット
6…支持部材
7…水平部材
8…垂直部材
12…フレーム部材
15…補助部材
21…連結部材
23…支持体
25…上面
27…ストッパー
30…傾斜面
尚、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル等の円筒形状の重量物をその中心軸を水平方向に維持した状態で搭載するための重量物用パレットであって、
前記重量物の下端を支持することができる横部材と、
前記横部材の一方端部側に接続されると共に上方に延び、前記重量物の外周側壁の一部を支持することができる第1の縦部材と、
前記横部材の他方端部側に接続されると共に上方に延び、前記重量物の外周側壁の他の一部を支持することができる第2の縦部材と、
前記第1の縦部材及び前記第2の縦部材の各々に接続され、前記重量物の前記下端より上方の位置においてのみ、前記横部材と前記第1の縦部材と前記第2の縦部材の重量または前記重量物の重量を外部に伝達することができる一対の支持部材とを備えた、重量物用パレット。
【請求項2】
前記横部材は水平に配置され、
前記第1の縦部材及び前記第2の縦部材は、前記横部材の両端部から垂直に配置され、
前記支持部材の各々は、前記第1の縦部材及び前記第2の縦部材の各々の上端部から外方側に延びるように接続される、請求項1記載の重量物用パレット。
【請求項3】
各々の軸方向が前記横部材と直交する方向へと水平に延びるように配置され、各々の上面に前記支持部材の各々が固定される一対のフレーム部材を更に備える、請求項1または請求項2記載の重量物用パレット。
【請求項4】
各々の軸方向が前記横部材と直交する方向へと水平に延びるように配置され、各々の上面に前記支持部材の各々が脱着自在に設置される一対のフレーム部材を更に備える、請求項1または請求項2記載の重量物用パレット。
【請求項5】
請求項1または請求項2記載の前記横部材と、前記第1の縦部材と、前記第2の縦部材と、前記支持部材とからなるパレット本体を2以上用いた重量物用パレットであって、
前記パレット本体は、各々の前記横部材と前記第1の縦部材と前記第2の縦部材とで形成される面が互いに平行となるように整列した状態で連結されており、
各々の軸方向が前記横部材の各々と直交する方向へと水平に延びるように配置され、各々の上面に前記パレット本体の支持部材の各々が脱着自在に設置される一対のフレーム部材を更に備える、重量物用パレット。
【請求項6】
前記フレーム部材の各々を連結するように取付けられる補助部材を更に備える、請求項3から請求項5のいずれかに記載の重量物用パレット。
【請求項7】
前記支持部材の各々の下面に設けられ、前記支持部材の延びる方向を軸中心として、前記横部材、前記第1の縦部材、前記第2の縦部材及び前記支持部材の各々を揺動自在に支持することができる一対の支持体を更に備えた、請求項2記載の重量物パレット。
【請求項8】
前記支持体の各々は、少なくともその下方が半円断面形状の棒体であり、その頂点が下方に位置すると共にその軸方向が前記軸中心と平行になるように前記支持部材に固定される、請求項7記載の重量物パレット。
【請求項9】
各々の軸方向が前記横部材と直交する方向へと水平に延びるように配置され、各々の上面に前記支持体の各々が脱着自在に設置される一対のフレーム部材を更に備える、請求項8記載の重量物パレット。
【請求項10】
前記上面の各々には、その間に前記支持体が少なくとも配置できる間隔をあけて配置され、前記支持体の移動を制限する少なくとも2つのストッパーが設けられる、請求項9記載の重量物パレット。
【請求項11】
前記ストッパーは、少なくともその上方が半円断面の棒体形状を有しており、その頂点が上方に位置すると共に、その軸方向が前記フレーム部材の長手方向に直交するように前記上面に固定される、請求項10記載の重量物パレット。
【請求項12】
前記ストッパーは、くさび形状を有しており、その傾斜面の高さが前記フレーム部材の長手方向に沿って変化するように前記上面に固定される、請求項10記載の重量物パレット。
【請求項1】
コイル等の円筒形状の重量物をその中心軸を水平方向に維持した状態で搭載するための重量物用パレットであって、
前記重量物の下端を支持することができる横部材と、
前記横部材の一方端部側に接続されると共に上方に延び、前記重量物の外周側壁の一部を支持することができる第1の縦部材と、
前記横部材の他方端部側に接続されると共に上方に延び、前記重量物の外周側壁の他の一部を支持することができる第2の縦部材と、
前記第1の縦部材及び前記第2の縦部材の各々に接続され、前記重量物の前記下端より上方の位置においてのみ、前記横部材と前記第1の縦部材と前記第2の縦部材の重量または前記重量物の重量を外部に伝達することができる一対の支持部材とを備えた、重量物用パレット。
【請求項2】
前記横部材は水平に配置され、
前記第1の縦部材及び前記第2の縦部材は、前記横部材の両端部から垂直に配置され、
前記支持部材の各々は、前記第1の縦部材及び前記第2の縦部材の各々の上端部から外方側に延びるように接続される、請求項1記載の重量物用パレット。
【請求項3】
各々の軸方向が前記横部材と直交する方向へと水平に延びるように配置され、各々の上面に前記支持部材の各々が固定される一対のフレーム部材を更に備える、請求項1または請求項2記載の重量物用パレット。
【請求項4】
各々の軸方向が前記横部材と直交する方向へと水平に延びるように配置され、各々の上面に前記支持部材の各々が脱着自在に設置される一対のフレーム部材を更に備える、請求項1または請求項2記載の重量物用パレット。
【請求項5】
請求項1または請求項2記載の前記横部材と、前記第1の縦部材と、前記第2の縦部材と、前記支持部材とからなるパレット本体を2以上用いた重量物用パレットであって、
前記パレット本体は、各々の前記横部材と前記第1の縦部材と前記第2の縦部材とで形成される面が互いに平行となるように整列した状態で連結されており、
各々の軸方向が前記横部材の各々と直交する方向へと水平に延びるように配置され、各々の上面に前記パレット本体の支持部材の各々が脱着自在に設置される一対のフレーム部材を更に備える、重量物用パレット。
【請求項6】
前記フレーム部材の各々を連結するように取付けられる補助部材を更に備える、請求項3から請求項5のいずれかに記載の重量物用パレット。
【請求項7】
前記支持部材の各々の下面に設けられ、前記支持部材の延びる方向を軸中心として、前記横部材、前記第1の縦部材、前記第2の縦部材及び前記支持部材の各々を揺動自在に支持することができる一対の支持体を更に備えた、請求項2記載の重量物パレット。
【請求項8】
前記支持体の各々は、少なくともその下方が半円断面形状の棒体であり、その頂点が下方に位置すると共にその軸方向が前記軸中心と平行になるように前記支持部材に固定される、請求項7記載の重量物パレット。
【請求項9】
各々の軸方向が前記横部材と直交する方向へと水平に延びるように配置され、各々の上面に前記支持体の各々が脱着自在に設置される一対のフレーム部材を更に備える、請求項8記載の重量物パレット。
【請求項10】
前記上面の各々には、その間に前記支持体が少なくとも配置できる間隔をあけて配置され、前記支持体の移動を制限する少なくとも2つのストッパーが設けられる、請求項9記載の重量物パレット。
【請求項11】
前記ストッパーは、少なくともその上方が半円断面の棒体形状を有しており、その頂点が上方に位置すると共に、その軸方向が前記フレーム部材の長手方向に直交するように前記上面に固定される、請求項10記載の重量物パレット。
【請求項12】
前記ストッパーは、くさび形状を有しており、その傾斜面の高さが前記フレーム部材の長手方向に沿って変化するように前記上面に固定される、請求項10記載の重量物パレット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2006−44795(P2006−44795A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−189258(P2005−189258)
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【出願人】(501404804)住友金属物流株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【出願人】(501404804)住友金属物流株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
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