重量計
【課題】正確な体重測定が可能な重量計を提供する。
【解決手段】重量計すなわち体重計1は、ベース2と、被験者が載るプラットフォーム14と、ベース2に支持されており、プラットフォーム14に与えられた荷重を測定するロードセルユニット27a,27bと、ロードセルユニット27a,27bと電気的に接続されており、外部の操作ユニット13に電気的に接続されるケーブル21に電気的に接続される基板33およびコネクターユニット24と、基板33およびコネクターユニット24を支持しており、ベース2に支持されるホルダー32とを備える。
【解決手段】重量計すなわち体重計1は、ベース2と、被験者が載るプラットフォーム14と、ベース2に支持されており、プラットフォーム14に与えられた荷重を測定するロードセルユニット27a,27bと、ロードセルユニット27a,27bと電気的に接続されており、外部の操作ユニット13に電気的に接続されるケーブル21に電気的に接続される基板33およびコネクターユニット24と、基板33およびコネクターユニット24を支持しており、ベース2に支持されるホルダー32とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は重量計に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば非特許文献1に開示された車椅子用体重計には、ケーブルを介して操作ユニットが接続されている。操作ユニットには、操作パネルおよびディスプレイパネルが組み込まれている。操作パネルの操作に応じて、この体重計は動作を開始する。ディスプレイパネルのスクリーンには、例えば体重値が表示される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】株式会社タニタ,「タニタ総合カタログ2009」,(日本国),株式会社タニタ,2009,p84
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この体重計は、被験者が搭乗した車椅子が載るプラットフォームを備えており、プラットフォームの表面には一対のサイドカバーが固定されている。サイドカバー同士の間に車椅子の通り道が区画されている。サイドカバーには、上記の操作ユニットと体重計を電気的に接続するケーブルの一端が受け止められており、ケーブルの荷重がサイドカバーからプラットフォームに伝達されてしまう。従って、ケーブルの揺れに起因して、測定される体重値が変動してしまう。
【0005】
そこで、本発明は、正確な体重測定が可能な重量計を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、ベースと、被験者が載るプラットフォームと、前記ベースに支持されており、前記プラットフォームに与えられた荷重を測定する荷重測定器と、前記荷重測定器と電気的に接続されており、外部の操作ユニットに電気的に接続されるケーブルに電気的に接続される電気部品と、前記電気部品を支持しており、前記ベースに支持される取付部材とを備える重量計が提供される。
この重量計では、ケーブルに電気的に接続される電気部品が取付部材に支持されており、取付部材はベースに支持されている。このため、ケーブルの荷重はプラットフォームには伝達されない。従って、ケーブルに揺れが生じても、プラットフォームに与えられる荷重には影響せず、正確な体重測定が可能である。
【0007】
重量計は、前記プラットフォームに支持されて、前記電気部品に覆い被さるカバーをさらに備え、前記カバーには、前記ケーブルが通過する開口が形成されていてもよい。
カバーが電気部品を覆い隠すため、重量計の美観が確保される。カバーはプラットフォームに支持されるが、カバーにはケーブルが通過する開口が形成されているため、ケーブルの荷重がプラットフォームには伝達されない。
【0008】
前記取付部材には、前記ケーブルの一端が連結されるコネクターと、前記ケーブルが前記開口を通過することを確保するための前記ケーブルの揺れ止めが支持されていてもよい。
ケーブルの揺れ止めがあることにより、コネクターから延びるケーブルはカバーの開口を確実に通る。換言すれば、ケーブルとカバーとの接触が確実に回避される。従って、ケーブルの荷重がプラットフォームには伝達されない。
【0009】
前記プラットフォームは、重量計の使用時に床面とほぼ水平に配置される平坦部と、前記平坦部に連なるスロープとを備え、前記スロープは、重量計の使用時に前記平坦部から床面にかけて傾斜するように形成されており、前記カバーは、前記プラットフォームの前記スロープが掛けられるフック片を備えてもよい。
この構成では、プラットフォームの平坦部に載ったり、平坦部から降りたりする際に、プラットフォームのスロープ上に車椅子または車椅子に搭乗していない被験者の荷重が与えられる。カバーに設けられたフック片にプラットフォームのスロープが掛けられることによって、スロープに与えられた荷重がカバーに分担される。従って、スロープおよびその付近の材料の疲労が軽減され、プラットフォームの寿命を向上させることができる。
【0010】
前記ベースは、一対の側壁を有する矩形のフレームを備え、前記荷重測定器は、前記矩形の内部に配置されており、前記プラットフォームは、前記フレームの前記一対の側壁の間の空間に配置され、重量計の使用時に床面とほぼ水平に配置される平坦部と、前記平坦部に形成されており前記荷重測定器が内部に配置される切欠と、前記切欠の上に配置され前記平坦部に連結されており、前記荷重測定器によって支持される取付板とを備えてもよい。
この構成では、プラットフォームの平坦部は、ベースのフレームの一対の側壁の間の空間に配置される。また、平坦部に形成された切欠の内部に荷重測定器が配置される。従って、重量計の全体の厚さを小さくすることができる。プラットフォームの平坦部に与えられた荷重は、取付板を介して荷重測定器に伝達される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る重量計すなわち体重計を示す斜視図である。
【図2】前記体重計の分解斜視図である。
【図3】前記体重計の他の分解斜視図である。
【図4】サイドカバーが外された体重計の平面図である。
【図5】図4のV−V線に沿った拡大断面図である。
【図6】前記体重計の一部の下面図である。
【図7】図4のVII−VII線に沿った拡大断面図である。
【図8】前記体重計の第1のサイドカバーの拡大部分平面図であってコネクターユニットを示す図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿った前記コネクターユニットの拡大断面図である。
【図10】車椅子が搭乗した前記体重計の正面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態に係る重量計すなわち体重計を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は本発明の実施の形態に係る体重計1を示す。体重計1は、図2および図3に示すベース2、ベース2に支持された一対の第1ロードセルユニット27aおよび一対の第2ロードセルユニット27b、ベース2の上方に配置されてロードセルユニット27a,27bに支持されたプラットフォーム14、プラットフォーム14に支持された第1のサイドカバー15および第2のサイドカバー16を備える。
【0014】
図2に示すように、体重計1はベース2を備える。ベース2は、鋼製の矩形のフレーム3と、フレーム3の四隅に固定された鋼製のコーナー板4を備える。矩形のフレーム3は、一対の側壁3a,3bと、これらを連結する一対の連結板3c,3dを備える。連結板3c,3dは、側壁3a,3bよりも長尺であり、側壁3a,3bよりも小さい厚さを有する。
【0015】
フレーム3の四隅には、調整可能脚6がそれぞれ取り付けられている。調整可能脚6は、フレーム3にねじ込まれるねじと床面に接する台座を有しており、ねじの回転によって台座とフレーム3との距離が調整可能である。
【0016】
フレーム3の四隅にはロードセルユニット27a,27b(荷重測定器)が配置されている。一対の第1ロードセルユニット27aは第1ロードセルユニット群を構成する。第1ロードセルユニット27aから左右方向に隔てられて一対の第2ロードセルユニット27bが配置される。二つの第2ロードセルユニット27bは第2ロードセルユニット群を構成する。詳細な図示は省略するが、ロードセルユニット27a,27bの各々は、ロードセルと、後述する取付板29から与えられる荷重をロードセルに伝達する荷重伝達部材を備える。ロードセルは、与えられた荷重に応じて変形する起歪体と、起歪体に貼り付けられて起歪体の変形に応じた量の電気信号を出力する1つ以上の歪みゲージを有する。
ロードセルユニット27a,27bはベース2に支持されている。具体的には、ロードセルユニット27a,27bの各々はコーナー板4に取り付けられている。
【0017】
ベース2にはプラットフォーム14が被さる。プラットフォーム14は例えば薄い鋼板から成形される。プラットフォーム14は、体重計1の使用時すなわち重量測定時に床面と平行に配置される平坦部14aを備える。平坦部14aには、第1ロードセルユニット27aおよび第2ロードセルユニット27bの位置に対応する位置に切欠28が形成される。切欠28上には、折り曲げられた取付板29が配置されている。取付板29は、平坦な上壁と上壁の前後の端壁を備える。取付板29の前後の両方の端壁は平坦部14aに固定されている。取付板29の上壁は、プラットフォーム14の平坦部14aよりも上方にあって、プラットフォーム14の平坦部14aに平行に広がる。
【0018】
プラットフォーム14がベース2に被せられる時、第1ロードセルユニット27aおよび第2ロードセルユニット27bの各々は、プラットフォーム14の切欠28内に配置され、プラットフォーム14の各取付板29の上壁は、第1ロードセルユニット27aまたは第2ロードセルユニット27bの上記の荷重伝達部材に覆い被さり、ロードセルユニット27aまたは27bに支持される。従って、プラットフォーム14の荷重およびプラットフォーム14に与えられた荷重は、ロードセルユニット27a,27bのロードセルに伝達される。ロードセルユニット27a,27bは、プラットフォーム14に与えられた重量、例えば被験者の重量を測定する。
【0019】
プラットフォーム14の平坦部14aには、被験者が搭乗した車椅子または車椅子に搭乗していない被験者が載る。体重計1は、被験者と車椅子の総重量を測定することもできるし、車椅子に搭乗していない被験者の重量を測定することもできる。プラットフォーム14のうち、第1ロードセルユニット群と第2ロードセルユニット群との間の部分が、車椅子の通り道17である。
【0020】
プラットフォーム14は、平坦部14aに加えて、平坦部14aに連なったスロープ14b,14cを備える。スロープ14b,14cの各々は、体重計1の使用時に平坦部14aから前後方向に遠ざかるにつれて床面に近づくように形成されている。すなわち、スロープ14b,14cは、体重計1の使用時に平坦部14aから床面にかけて傾斜するように形成されている。車椅子に搭乗した被験者の重量測定にあたって、被験者は車椅子に搭乗したまま平坦部14a上に上がる。スロープ14b,14cの働きで車椅子はスムースに床面と平坦部14aとの間で移動することができる。車椅子の走行方向が「前後方向」に相当する。
【0021】
プラットフォーム14がベース2に被せられる時、図3に示すように、平坦部14aはフレーム3の一対の側壁3a,3bの間の空間に配置される。また、プラットフォーム14のスロープ14b,14cが連結板3c,3dに接触しないように、フレーム3の連結板3c,3dは小さい厚さを持つ。従って、プラットフォーム14の荷重は、ベース2には直接伝達されることはなく、ロードセルユニット27a,27bを介してベース2に伝達される。
【0022】
このように、体重計1では、プラットフォーム14の平坦部14aは、ベース2のフレーム3の一対の側壁3a,3bの間の空間に配置される。また、平坦部14aに形成された切欠28の内部に荷重測定器としてのロードセルユニット27a,27bが配置される。従って、体重計1の全体の厚さを小さくすることができる。プラットフォーム14の平坦部14aに与えられた荷重は、取付板29を介してロードセルユニット27a,27bに伝達される。
【0023】
金属の薄板製の第1のサイドカバー15および第2のサイドカバー16がプラットフォーム14の平坦部14aの上に取り付けられ、プラットフォーム14に支持されている。第1のサイドカバー15は、第1ロードセルユニット27aを覆う取付板29を覆う。他方、第2のサイドカバー16は、第2ロードセルユニット27bを覆う取付板29を覆う。第1のサイドカバー15と第2のサイドカバー16とは左右方向に間隔をおいている。第1のサイドカバー15および第2のサイドカバー16の間でプラットフォーム14には車椅子の通り道17が区画される。換言すれば、車椅子の通り道17は、プラットフォーム14のうち第1のサイドカバー15と第2のサイドカバー16で覆われていない部分である。
【0024】
一方のサイドカバーすなわち第1のサイドカバー15にはハンドル18が固定されている。他方のサイドカバーすなわち第2のサイドカバー16には3個の車輪19が取り付けられる。車輪19の各々は、プラットフォーム14の平坦部14aに直交する回転軸を有する。車輪19は体重計1の輪郭よりも外側にはみ出す。ハンドル18と車輪19の用途は後述する。
【0025】
図1に示すように、体重計1はコネクターユニット24(電気部品)を備えており、コネクターユニット24には操作ユニット13に接続されたケーブル21が切り離し可能に接続されうる。操作ユニット13には例えば操作パネル22およびディスプレイパネル23が組み込まれている。操作パネル22は、操作ユニット13の表面で露出する操作ボタン(図示せず)を有する。ディスプレイパネル23は、操作ユニット13の表面で露出するスクリーン(図示せず)を有する。操作ボタンの操作に応じて体重計1は重量測定動作を開始する。操作パネル22の内部には重量計算装置(図示せず)が配置されており、重量計算装置はロードセルユニット27a,27bからの信号に基づいて、プラットフォーム14に与えられた重量値を算出する重量測定動作を実行する。ディスプレイパネル23のスクリーンには、例えば重量値が表示される。
【0026】
第1のサイドカバー15には開口25が形成されており、ケーブル21は開口25を通過する。また、コネクターユニット24は開口25によって露出しており、必要に応じて、人がケーブル21をコネクターユニット24から切り離したり接続したりすることが可能である。
【0027】
体重計1を使用しない時、ケーブル21をコネクターユニット24から切り離した状態で、図示しないが、人がハンドル18を掴んで体重計1を直立姿勢に立ち上げることができる。直立姿勢の体重計1は車輪19で床面に支持される。車輪19によって体重計1はスムースに床面上を運搬することができる。この運搬の際に、体重計1を運搬する人はハンドル18を掴んでもよい。
【0028】
図2および図3に示すように、コネクターユニット24は、例えば金属製のホルダー32(取付部材)に取り付けられて支持されている。コネクターユニット24は基板33上の回路に電気的に接続されており、基板33(電気部品)もホルダー32に取り付けられて支持されている。
【0029】
ホルダー32は、ベース2のフレーム3の側壁3aに取り付けられてベース2に支持されている。図3に示すように、プラットフォーム14がベース2に被せられる時、ホルダー32がプラットフォーム14上に位置するように、ホルダー32はフレーム3に取り付けられている。ホルダー32がフレーム3に取り付けられているので、基板33およびコネクターユニット24の荷重はフレーム3に支持され、プラットフォーム14には支持されない。ロードセルユニット27a,27bの各々と基板33はケーブル34で接続されている。それらのケーブル34とともに基板33は、第1のサイドカバー15で覆われる。ロードセルユニット27a,27bからの信号は、ケーブル34から基板33上の回路に供給され、さらにコネクターユニット24とケーブル21を経て操作ユニット13に供給される。
【0030】
図4に示すように、仮想線で示す第1のサイドカバー15の縁には、四つのフック片35が形成されており、同様に図4で仮想線で示す第2のサイドカバー16の縁にも四つのフック片35が形成されている。これらのフック片35は、サイドカバーの長手方向にほぼ沿って並べられている。プラットフォーム14には、個々のフック片35に対応して微小な矩形孔36が形成されている。個々のフック片35は対応する矩形孔36に差し込まれる。
【0031】
このようにして、図5に示すように、第1のサイドカバー15のフック片35には、プラットフォーム14が引っ掛けられている。第2のサイドカバー16のフック片35にも、プラットフォーム14が引っ掛けられている。フック片35および矩形孔36の働きで、サイドカバー15,16は、プラットフォーム14に対して位置決めされる。
【0032】
図4に示すように、第1のサイドカバー15の四つのフック片35のうち一つのフック片35には、プラットフォーム14のスロープ14bが掛けられている。この状態を下面図の図6に示す。第2のサイドカバー16の四つのフック片35のうち一つのフック片35にも、プラットフォーム14のスロープ14bが掛けられている。従って、プラットフォーム14のスロープ14bの荷重の一部は、左右に配置されたフック片35ひいてはサイドカバー15,16に支持されている。
【0033】
また、第1のサイドカバー15の一つのフック片35には、プラットフォーム14のスロープ14cが掛けられている。第2のサイドカバー16の一つのフック片35にも、プラットフォーム14のスロープ14cが掛けられている。従って、プラットフォーム14のスロープ14cの荷重の一部は、左右に配置されたフック片35ひいてはサイドカバー15,16に支持されている。
【0034】
図5に示すように、第1のサイドカバー15の内面にはブラケット37が固定されている。ブラケット37はプラットフォーム14の平坦部14aに接しており、第1のサイドカバー15に与えられた荷重は、ブラケット37を介して平坦部14aに伝達される。ブラケット37は、ねじ38によって平坦部14aに固定されている。このようにして、第1のサイドカバー15はプラットフォーム14に固定されている。
【0035】
図示しないが、第2のサイドカバー16の内面にも同様のブラケットが固定されており、第2のサイドカバー16に与えられた荷重は、そのブラケットを介して平坦部14aに伝達される。また、そのブラケットがねじで平坦部14aに固定されることで、第2のサイドカバー16はプラットフォーム14に固定されている。
【0036】
この体重計1では、ケーブル21に電気的に接続される電気部品であるコネクターユニット24および基板33が、取付部材であるホルダー32に支持されており、ホルダー32はベース2に支持されている。このため、ケーブル21の荷重はプラットフォーム14には伝達されない。従って、ケーブル21に揺れが生じても、プラットフォーム14に与えられる荷重には影響せず、正確な体重測定が可能である。
【0037】
図7に示すように、ホルダー32とプラットフォーム14の平坦部14aの表面との間には間隔dが確保されている。間隔dは、たとえプラットフォーム14が変形しても、プラットフォーム14とホルダー32との接触が回避される程度の大きさに設定されている。
【0038】
電気部品であるコネクターユニット24および基板33は第1のサイドカバー15で覆い隠されるため、体重計1の美観が確保される。第1のサイドカバー15はプラットフォーム14に支持されるが、第1のサイドカバー15にはケーブル21が通過する開口25が形成されているため、ケーブル21の荷重がプラットフォーム14には伝達されない。
【0039】
図7から図9に示すように、コネクターユニット24は、平板42とコネクターケース43と揺れ止め45を有する。平板42とコネクターケース43と揺れ止め45は、例えば樹脂で一体に形成されている。コネクターユニット24の平板42は、前記のホルダー32に固定されている。
【0040】
コネクターケース43には、ケーブル21の一端にあるコネクター44が差し込まれる。図9に示すように、コネクターケース43の内部には、コネクター44と機械的かつ電気的に接続されるコネクター46が配置されている。コネクター46は前記の基板33上の回路に電気的に接続されている。コネクター44とコネクター46は、互いに機械的かつ電気的に接続される形式であれば、いかなるタイプであってもよい。例えば、コネクター44,46の一方がプラグ(雄)で他方がソケット(雌)であってもよい。
【0041】
コネクターユニット24の揺れ止め45はコネクターケース43から離れた位置に配置されている。コネクターユニット24は、環状であって、ここにはケーブル21が通過させられている。コネクター44がコネクター46に装着されると、揺れ止め45はケーブル21の移動範囲を区画する。揺れ止め45は、ケーブル21が第1のサイドカバー15に形成された開口25を通過することを確保するために設けられている。ケーブル21の揺れ止め45があることにより、コネクター44から延びるケーブル21は第1のサイドカバー15の開口25を確実に通る。換言すれば、ケーブル21と第1のサイドカバー15との接触が確実に回避される。従って、ケーブル21の荷重がプラットフォーム14には伝達されない。
【0042】
図10に示すように、プラットフォーム14の平坦部14aには、被験者が搭乗した車椅子48が載ることができる。平坦部14aに載ったり平坦部14aから降りたりする際、車椅子48は少なくともスロープ14b,14cのいずれかを通過する。プラットフォーム14の平坦部14aには、車椅子に搭乗していない被験者が載ることもできる。平坦部14aに載ったり平坦部14aから降りたりする際、被験者がスロープ14b,14cのいずれかを踏むこともありうる。従って、スロープ14b,14cにはかなりの荷重がかかる。
【0043】
上述したように、サイドカバー15,16は、プラットフォーム14のスロープ14b,14cが掛けられるフック片35を備える。プラットフォーム14のスロープ14bの荷重の一部は、左右に配置されたフック片35ひいてはサイドカバー15,16に支持されている。また、プラットフォーム14のスロープ14cの荷重の一部は、左右に配置されたフック片35ひいてはサイドカバー15,16に支持されている。スロープ14b,14cに与えられた荷重がサイドカバー15,16に分担されることにより、スロープ14b,14cおよびその付近の材料の疲労が軽減され、プラットフォーム14の寿命を向上させることができる。
【0044】
図11に示すように、第2のサイドカバー16には手摺り部材50を連結してもよい。被験者が車椅子48に搭乗してプラットフォーム14の平坦部14a上に載った際に、被験者は手摺り部材50を把持することができる。被験者が身体が震える症状を持つ身体障害者であったとしても、被験者は手摺り部材50の把持によって身体の震えを収まらせることができる場合がある。身体の震えを抑制することで、測定される重量値が安定する。
【0045】
車椅子に搭乗していない被験者も、手摺り部材50を掴むことができる。この被験者が身体が震える症状を持つ身体障害者であったとしても、被験者は手摺り部材50の把持によって身体の震えを収まらせることができる場合がある。身体の震えを抑制することで、測定される重量値が安定する。また、被験者が脚が不自由な場合でも、被験者は手摺り部材50の把持によってプラットフォーム14上に立つことができる。
【0046】
以上、実施の形態に係る体重計を説明したが、本発明は、体重計に限定されず、被験者の体重以外の他の被測定物の重量を測定する重量計を包含する。
【符号の説明】
【0047】
1 体重計(重量計)、2 ベース、3 フレーム、3a,3b 側壁、13 操作ユニット、14 プラットフォーム、14a 平坦部、14b,14c スロープ、15 第1のサイドカバー、16 第2のサイドカバー(カバー)、21 ケーブル、24 コネクターユニット(電気部品)、25 開口、27a,27b ロードセルユニット(荷重測定器)、28 切欠、29 取付板、32 ホルダー(取付部材)、33 基板(電気部品)、35 フック片、36 矩形孔、43 コネクターケース、44 コネクター、45 揺れ止め、46 コネクター。
【技術分野】
【0001】
本発明は重量計に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば非特許文献1に開示された車椅子用体重計には、ケーブルを介して操作ユニットが接続されている。操作ユニットには、操作パネルおよびディスプレイパネルが組み込まれている。操作パネルの操作に応じて、この体重計は動作を開始する。ディスプレイパネルのスクリーンには、例えば体重値が表示される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】株式会社タニタ,「タニタ総合カタログ2009」,(日本国),株式会社タニタ,2009,p84
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この体重計は、被験者が搭乗した車椅子が載るプラットフォームを備えており、プラットフォームの表面には一対のサイドカバーが固定されている。サイドカバー同士の間に車椅子の通り道が区画されている。サイドカバーには、上記の操作ユニットと体重計を電気的に接続するケーブルの一端が受け止められており、ケーブルの荷重がサイドカバーからプラットフォームに伝達されてしまう。従って、ケーブルの揺れに起因して、測定される体重値が変動してしまう。
【0005】
そこで、本発明は、正確な体重測定が可能な重量計を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、ベースと、被験者が載るプラットフォームと、前記ベースに支持されており、前記プラットフォームに与えられた荷重を測定する荷重測定器と、前記荷重測定器と電気的に接続されており、外部の操作ユニットに電気的に接続されるケーブルに電気的に接続される電気部品と、前記電気部品を支持しており、前記ベースに支持される取付部材とを備える重量計が提供される。
この重量計では、ケーブルに電気的に接続される電気部品が取付部材に支持されており、取付部材はベースに支持されている。このため、ケーブルの荷重はプラットフォームには伝達されない。従って、ケーブルに揺れが生じても、プラットフォームに与えられる荷重には影響せず、正確な体重測定が可能である。
【0007】
重量計は、前記プラットフォームに支持されて、前記電気部品に覆い被さるカバーをさらに備え、前記カバーには、前記ケーブルが通過する開口が形成されていてもよい。
カバーが電気部品を覆い隠すため、重量計の美観が確保される。カバーはプラットフォームに支持されるが、カバーにはケーブルが通過する開口が形成されているため、ケーブルの荷重がプラットフォームには伝達されない。
【0008】
前記取付部材には、前記ケーブルの一端が連結されるコネクターと、前記ケーブルが前記開口を通過することを確保するための前記ケーブルの揺れ止めが支持されていてもよい。
ケーブルの揺れ止めがあることにより、コネクターから延びるケーブルはカバーの開口を確実に通る。換言すれば、ケーブルとカバーとの接触が確実に回避される。従って、ケーブルの荷重がプラットフォームには伝達されない。
【0009】
前記プラットフォームは、重量計の使用時に床面とほぼ水平に配置される平坦部と、前記平坦部に連なるスロープとを備え、前記スロープは、重量計の使用時に前記平坦部から床面にかけて傾斜するように形成されており、前記カバーは、前記プラットフォームの前記スロープが掛けられるフック片を備えてもよい。
この構成では、プラットフォームの平坦部に載ったり、平坦部から降りたりする際に、プラットフォームのスロープ上に車椅子または車椅子に搭乗していない被験者の荷重が与えられる。カバーに設けられたフック片にプラットフォームのスロープが掛けられることによって、スロープに与えられた荷重がカバーに分担される。従って、スロープおよびその付近の材料の疲労が軽減され、プラットフォームの寿命を向上させることができる。
【0010】
前記ベースは、一対の側壁を有する矩形のフレームを備え、前記荷重測定器は、前記矩形の内部に配置されており、前記プラットフォームは、前記フレームの前記一対の側壁の間の空間に配置され、重量計の使用時に床面とほぼ水平に配置される平坦部と、前記平坦部に形成されており前記荷重測定器が内部に配置される切欠と、前記切欠の上に配置され前記平坦部に連結されており、前記荷重測定器によって支持される取付板とを備えてもよい。
この構成では、プラットフォームの平坦部は、ベースのフレームの一対の側壁の間の空間に配置される。また、平坦部に形成された切欠の内部に荷重測定器が配置される。従って、重量計の全体の厚さを小さくすることができる。プラットフォームの平坦部に与えられた荷重は、取付板を介して荷重測定器に伝達される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る重量計すなわち体重計を示す斜視図である。
【図2】前記体重計の分解斜視図である。
【図3】前記体重計の他の分解斜視図である。
【図4】サイドカバーが外された体重計の平面図である。
【図5】図4のV−V線に沿った拡大断面図である。
【図6】前記体重計の一部の下面図である。
【図7】図4のVII−VII線に沿った拡大断面図である。
【図8】前記体重計の第1のサイドカバーの拡大部分平面図であってコネクターユニットを示す図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿った前記コネクターユニットの拡大断面図である。
【図10】車椅子が搭乗した前記体重計の正面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態に係る重量計すなわち体重計を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は本発明の実施の形態に係る体重計1を示す。体重計1は、図2および図3に示すベース2、ベース2に支持された一対の第1ロードセルユニット27aおよび一対の第2ロードセルユニット27b、ベース2の上方に配置されてロードセルユニット27a,27bに支持されたプラットフォーム14、プラットフォーム14に支持された第1のサイドカバー15および第2のサイドカバー16を備える。
【0014】
図2に示すように、体重計1はベース2を備える。ベース2は、鋼製の矩形のフレーム3と、フレーム3の四隅に固定された鋼製のコーナー板4を備える。矩形のフレーム3は、一対の側壁3a,3bと、これらを連結する一対の連結板3c,3dを備える。連結板3c,3dは、側壁3a,3bよりも長尺であり、側壁3a,3bよりも小さい厚さを有する。
【0015】
フレーム3の四隅には、調整可能脚6がそれぞれ取り付けられている。調整可能脚6は、フレーム3にねじ込まれるねじと床面に接する台座を有しており、ねじの回転によって台座とフレーム3との距離が調整可能である。
【0016】
フレーム3の四隅にはロードセルユニット27a,27b(荷重測定器)が配置されている。一対の第1ロードセルユニット27aは第1ロードセルユニット群を構成する。第1ロードセルユニット27aから左右方向に隔てられて一対の第2ロードセルユニット27bが配置される。二つの第2ロードセルユニット27bは第2ロードセルユニット群を構成する。詳細な図示は省略するが、ロードセルユニット27a,27bの各々は、ロードセルと、後述する取付板29から与えられる荷重をロードセルに伝達する荷重伝達部材を備える。ロードセルは、与えられた荷重に応じて変形する起歪体と、起歪体に貼り付けられて起歪体の変形に応じた量の電気信号を出力する1つ以上の歪みゲージを有する。
ロードセルユニット27a,27bはベース2に支持されている。具体的には、ロードセルユニット27a,27bの各々はコーナー板4に取り付けられている。
【0017】
ベース2にはプラットフォーム14が被さる。プラットフォーム14は例えば薄い鋼板から成形される。プラットフォーム14は、体重計1の使用時すなわち重量測定時に床面と平行に配置される平坦部14aを備える。平坦部14aには、第1ロードセルユニット27aおよび第2ロードセルユニット27bの位置に対応する位置に切欠28が形成される。切欠28上には、折り曲げられた取付板29が配置されている。取付板29は、平坦な上壁と上壁の前後の端壁を備える。取付板29の前後の両方の端壁は平坦部14aに固定されている。取付板29の上壁は、プラットフォーム14の平坦部14aよりも上方にあって、プラットフォーム14の平坦部14aに平行に広がる。
【0018】
プラットフォーム14がベース2に被せられる時、第1ロードセルユニット27aおよび第2ロードセルユニット27bの各々は、プラットフォーム14の切欠28内に配置され、プラットフォーム14の各取付板29の上壁は、第1ロードセルユニット27aまたは第2ロードセルユニット27bの上記の荷重伝達部材に覆い被さり、ロードセルユニット27aまたは27bに支持される。従って、プラットフォーム14の荷重およびプラットフォーム14に与えられた荷重は、ロードセルユニット27a,27bのロードセルに伝達される。ロードセルユニット27a,27bは、プラットフォーム14に与えられた重量、例えば被験者の重量を測定する。
【0019】
プラットフォーム14の平坦部14aには、被験者が搭乗した車椅子または車椅子に搭乗していない被験者が載る。体重計1は、被験者と車椅子の総重量を測定することもできるし、車椅子に搭乗していない被験者の重量を測定することもできる。プラットフォーム14のうち、第1ロードセルユニット群と第2ロードセルユニット群との間の部分が、車椅子の通り道17である。
【0020】
プラットフォーム14は、平坦部14aに加えて、平坦部14aに連なったスロープ14b,14cを備える。スロープ14b,14cの各々は、体重計1の使用時に平坦部14aから前後方向に遠ざかるにつれて床面に近づくように形成されている。すなわち、スロープ14b,14cは、体重計1の使用時に平坦部14aから床面にかけて傾斜するように形成されている。車椅子に搭乗した被験者の重量測定にあたって、被験者は車椅子に搭乗したまま平坦部14a上に上がる。スロープ14b,14cの働きで車椅子はスムースに床面と平坦部14aとの間で移動することができる。車椅子の走行方向が「前後方向」に相当する。
【0021】
プラットフォーム14がベース2に被せられる時、図3に示すように、平坦部14aはフレーム3の一対の側壁3a,3bの間の空間に配置される。また、プラットフォーム14のスロープ14b,14cが連結板3c,3dに接触しないように、フレーム3の連結板3c,3dは小さい厚さを持つ。従って、プラットフォーム14の荷重は、ベース2には直接伝達されることはなく、ロードセルユニット27a,27bを介してベース2に伝達される。
【0022】
このように、体重計1では、プラットフォーム14の平坦部14aは、ベース2のフレーム3の一対の側壁3a,3bの間の空間に配置される。また、平坦部14aに形成された切欠28の内部に荷重測定器としてのロードセルユニット27a,27bが配置される。従って、体重計1の全体の厚さを小さくすることができる。プラットフォーム14の平坦部14aに与えられた荷重は、取付板29を介してロードセルユニット27a,27bに伝達される。
【0023】
金属の薄板製の第1のサイドカバー15および第2のサイドカバー16がプラットフォーム14の平坦部14aの上に取り付けられ、プラットフォーム14に支持されている。第1のサイドカバー15は、第1ロードセルユニット27aを覆う取付板29を覆う。他方、第2のサイドカバー16は、第2ロードセルユニット27bを覆う取付板29を覆う。第1のサイドカバー15と第2のサイドカバー16とは左右方向に間隔をおいている。第1のサイドカバー15および第2のサイドカバー16の間でプラットフォーム14には車椅子の通り道17が区画される。換言すれば、車椅子の通り道17は、プラットフォーム14のうち第1のサイドカバー15と第2のサイドカバー16で覆われていない部分である。
【0024】
一方のサイドカバーすなわち第1のサイドカバー15にはハンドル18が固定されている。他方のサイドカバーすなわち第2のサイドカバー16には3個の車輪19が取り付けられる。車輪19の各々は、プラットフォーム14の平坦部14aに直交する回転軸を有する。車輪19は体重計1の輪郭よりも外側にはみ出す。ハンドル18と車輪19の用途は後述する。
【0025】
図1に示すように、体重計1はコネクターユニット24(電気部品)を備えており、コネクターユニット24には操作ユニット13に接続されたケーブル21が切り離し可能に接続されうる。操作ユニット13には例えば操作パネル22およびディスプレイパネル23が組み込まれている。操作パネル22は、操作ユニット13の表面で露出する操作ボタン(図示せず)を有する。ディスプレイパネル23は、操作ユニット13の表面で露出するスクリーン(図示せず)を有する。操作ボタンの操作に応じて体重計1は重量測定動作を開始する。操作パネル22の内部には重量計算装置(図示せず)が配置されており、重量計算装置はロードセルユニット27a,27bからの信号に基づいて、プラットフォーム14に与えられた重量値を算出する重量測定動作を実行する。ディスプレイパネル23のスクリーンには、例えば重量値が表示される。
【0026】
第1のサイドカバー15には開口25が形成されており、ケーブル21は開口25を通過する。また、コネクターユニット24は開口25によって露出しており、必要に応じて、人がケーブル21をコネクターユニット24から切り離したり接続したりすることが可能である。
【0027】
体重計1を使用しない時、ケーブル21をコネクターユニット24から切り離した状態で、図示しないが、人がハンドル18を掴んで体重計1を直立姿勢に立ち上げることができる。直立姿勢の体重計1は車輪19で床面に支持される。車輪19によって体重計1はスムースに床面上を運搬することができる。この運搬の際に、体重計1を運搬する人はハンドル18を掴んでもよい。
【0028】
図2および図3に示すように、コネクターユニット24は、例えば金属製のホルダー32(取付部材)に取り付けられて支持されている。コネクターユニット24は基板33上の回路に電気的に接続されており、基板33(電気部品)もホルダー32に取り付けられて支持されている。
【0029】
ホルダー32は、ベース2のフレーム3の側壁3aに取り付けられてベース2に支持されている。図3に示すように、プラットフォーム14がベース2に被せられる時、ホルダー32がプラットフォーム14上に位置するように、ホルダー32はフレーム3に取り付けられている。ホルダー32がフレーム3に取り付けられているので、基板33およびコネクターユニット24の荷重はフレーム3に支持され、プラットフォーム14には支持されない。ロードセルユニット27a,27bの各々と基板33はケーブル34で接続されている。それらのケーブル34とともに基板33は、第1のサイドカバー15で覆われる。ロードセルユニット27a,27bからの信号は、ケーブル34から基板33上の回路に供給され、さらにコネクターユニット24とケーブル21を経て操作ユニット13に供給される。
【0030】
図4に示すように、仮想線で示す第1のサイドカバー15の縁には、四つのフック片35が形成されており、同様に図4で仮想線で示す第2のサイドカバー16の縁にも四つのフック片35が形成されている。これらのフック片35は、サイドカバーの長手方向にほぼ沿って並べられている。プラットフォーム14には、個々のフック片35に対応して微小な矩形孔36が形成されている。個々のフック片35は対応する矩形孔36に差し込まれる。
【0031】
このようにして、図5に示すように、第1のサイドカバー15のフック片35には、プラットフォーム14が引っ掛けられている。第2のサイドカバー16のフック片35にも、プラットフォーム14が引っ掛けられている。フック片35および矩形孔36の働きで、サイドカバー15,16は、プラットフォーム14に対して位置決めされる。
【0032】
図4に示すように、第1のサイドカバー15の四つのフック片35のうち一つのフック片35には、プラットフォーム14のスロープ14bが掛けられている。この状態を下面図の図6に示す。第2のサイドカバー16の四つのフック片35のうち一つのフック片35にも、プラットフォーム14のスロープ14bが掛けられている。従って、プラットフォーム14のスロープ14bの荷重の一部は、左右に配置されたフック片35ひいてはサイドカバー15,16に支持されている。
【0033】
また、第1のサイドカバー15の一つのフック片35には、プラットフォーム14のスロープ14cが掛けられている。第2のサイドカバー16の一つのフック片35にも、プラットフォーム14のスロープ14cが掛けられている。従って、プラットフォーム14のスロープ14cの荷重の一部は、左右に配置されたフック片35ひいてはサイドカバー15,16に支持されている。
【0034】
図5に示すように、第1のサイドカバー15の内面にはブラケット37が固定されている。ブラケット37はプラットフォーム14の平坦部14aに接しており、第1のサイドカバー15に与えられた荷重は、ブラケット37を介して平坦部14aに伝達される。ブラケット37は、ねじ38によって平坦部14aに固定されている。このようにして、第1のサイドカバー15はプラットフォーム14に固定されている。
【0035】
図示しないが、第2のサイドカバー16の内面にも同様のブラケットが固定されており、第2のサイドカバー16に与えられた荷重は、そのブラケットを介して平坦部14aに伝達される。また、そのブラケットがねじで平坦部14aに固定されることで、第2のサイドカバー16はプラットフォーム14に固定されている。
【0036】
この体重計1では、ケーブル21に電気的に接続される電気部品であるコネクターユニット24および基板33が、取付部材であるホルダー32に支持されており、ホルダー32はベース2に支持されている。このため、ケーブル21の荷重はプラットフォーム14には伝達されない。従って、ケーブル21に揺れが生じても、プラットフォーム14に与えられる荷重には影響せず、正確な体重測定が可能である。
【0037】
図7に示すように、ホルダー32とプラットフォーム14の平坦部14aの表面との間には間隔dが確保されている。間隔dは、たとえプラットフォーム14が変形しても、プラットフォーム14とホルダー32との接触が回避される程度の大きさに設定されている。
【0038】
電気部品であるコネクターユニット24および基板33は第1のサイドカバー15で覆い隠されるため、体重計1の美観が確保される。第1のサイドカバー15はプラットフォーム14に支持されるが、第1のサイドカバー15にはケーブル21が通過する開口25が形成されているため、ケーブル21の荷重がプラットフォーム14には伝達されない。
【0039】
図7から図9に示すように、コネクターユニット24は、平板42とコネクターケース43と揺れ止め45を有する。平板42とコネクターケース43と揺れ止め45は、例えば樹脂で一体に形成されている。コネクターユニット24の平板42は、前記のホルダー32に固定されている。
【0040】
コネクターケース43には、ケーブル21の一端にあるコネクター44が差し込まれる。図9に示すように、コネクターケース43の内部には、コネクター44と機械的かつ電気的に接続されるコネクター46が配置されている。コネクター46は前記の基板33上の回路に電気的に接続されている。コネクター44とコネクター46は、互いに機械的かつ電気的に接続される形式であれば、いかなるタイプであってもよい。例えば、コネクター44,46の一方がプラグ(雄)で他方がソケット(雌)であってもよい。
【0041】
コネクターユニット24の揺れ止め45はコネクターケース43から離れた位置に配置されている。コネクターユニット24は、環状であって、ここにはケーブル21が通過させられている。コネクター44がコネクター46に装着されると、揺れ止め45はケーブル21の移動範囲を区画する。揺れ止め45は、ケーブル21が第1のサイドカバー15に形成された開口25を通過することを確保するために設けられている。ケーブル21の揺れ止め45があることにより、コネクター44から延びるケーブル21は第1のサイドカバー15の開口25を確実に通る。換言すれば、ケーブル21と第1のサイドカバー15との接触が確実に回避される。従って、ケーブル21の荷重がプラットフォーム14には伝達されない。
【0042】
図10に示すように、プラットフォーム14の平坦部14aには、被験者が搭乗した車椅子48が載ることができる。平坦部14aに載ったり平坦部14aから降りたりする際、車椅子48は少なくともスロープ14b,14cのいずれかを通過する。プラットフォーム14の平坦部14aには、車椅子に搭乗していない被験者が載ることもできる。平坦部14aに載ったり平坦部14aから降りたりする際、被験者がスロープ14b,14cのいずれかを踏むこともありうる。従って、スロープ14b,14cにはかなりの荷重がかかる。
【0043】
上述したように、サイドカバー15,16は、プラットフォーム14のスロープ14b,14cが掛けられるフック片35を備える。プラットフォーム14のスロープ14bの荷重の一部は、左右に配置されたフック片35ひいてはサイドカバー15,16に支持されている。また、プラットフォーム14のスロープ14cの荷重の一部は、左右に配置されたフック片35ひいてはサイドカバー15,16に支持されている。スロープ14b,14cに与えられた荷重がサイドカバー15,16に分担されることにより、スロープ14b,14cおよびその付近の材料の疲労が軽減され、プラットフォーム14の寿命を向上させることができる。
【0044】
図11に示すように、第2のサイドカバー16には手摺り部材50を連結してもよい。被験者が車椅子48に搭乗してプラットフォーム14の平坦部14a上に載った際に、被験者は手摺り部材50を把持することができる。被験者が身体が震える症状を持つ身体障害者であったとしても、被験者は手摺り部材50の把持によって身体の震えを収まらせることができる場合がある。身体の震えを抑制することで、測定される重量値が安定する。
【0045】
車椅子に搭乗していない被験者も、手摺り部材50を掴むことができる。この被験者が身体が震える症状を持つ身体障害者であったとしても、被験者は手摺り部材50の把持によって身体の震えを収まらせることができる場合がある。身体の震えを抑制することで、測定される重量値が安定する。また、被験者が脚が不自由な場合でも、被験者は手摺り部材50の把持によってプラットフォーム14上に立つことができる。
【0046】
以上、実施の形態に係る体重計を説明したが、本発明は、体重計に限定されず、被験者の体重以外の他の被測定物の重量を測定する重量計を包含する。
【符号の説明】
【0047】
1 体重計(重量計)、2 ベース、3 フレーム、3a,3b 側壁、13 操作ユニット、14 プラットフォーム、14a 平坦部、14b,14c スロープ、15 第1のサイドカバー、16 第2のサイドカバー(カバー)、21 ケーブル、24 コネクターユニット(電気部品)、25 開口、27a,27b ロードセルユニット(荷重測定器)、28 切欠、29 取付板、32 ホルダー(取付部材)、33 基板(電気部品)、35 フック片、36 矩形孔、43 コネクターケース、44 コネクター、45 揺れ止め、46 コネクター。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
被験者が載るプラットフォームと、
前記ベースに支持されており、前記プラットフォームに与えられた荷重を測定する荷重測定器と、
前記荷重測定器と電気的に接続されており、外部の操作ユニットに電気的に接続されるケーブルに電気的に接続される電気部品と、
前記電気部品を支持しており、前記ベースに支持される取付部材と
を備えることを特徴とする重量計。
【請求項2】
前記プラットフォームに支持されて、前記電気部品に覆い被さるカバーをさらに備え、
前記カバーには、前記ケーブルが通過する開口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の重量計。
【請求項3】
前記取付部材には、
前記ケーブルの一端が連結されるコネクターと、
前記ケーブルが前記開口を通過することを確保するための前記ケーブルの揺れ止めが支持されている
ことを特徴とする請求項2に記載の重量計。
【請求項4】
前記プラットフォームは、
重量計の使用時に床面とほぼ水平に配置される平坦部と、
前記平坦部に連なるスロープとを備え、前記スロープは、重量計の使用時に前記平坦部から床面にかけて傾斜するように形成されており、
前記カバーは、前記プラットフォームの前記スロープが掛けられるフック片を備える
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の重量計。
【請求項5】
前記ベースは、一対の側壁を有する矩形のフレームを備え、
前記荷重測定器は、前記矩形の内部に配置されており、
前記プラットフォームは、
前記フレームの前記一対の側壁の間の空間に配置され、重量計の使用時に床面とほぼ水平に配置される平坦部と、
前記平坦部に形成されており前記荷重測定器が内部に配置される切欠と、
前記切欠の上に配置され前記平坦部に連結されており、前記荷重測定器によって支持される取付板とを備える
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の重量計。
【請求項1】
ベースと、
被験者が載るプラットフォームと、
前記ベースに支持されており、前記プラットフォームに与えられた荷重を測定する荷重測定器と、
前記荷重測定器と電気的に接続されており、外部の操作ユニットに電気的に接続されるケーブルに電気的に接続される電気部品と、
前記電気部品を支持しており、前記ベースに支持される取付部材と
を備えることを特徴とする重量計。
【請求項2】
前記プラットフォームに支持されて、前記電気部品に覆い被さるカバーをさらに備え、
前記カバーには、前記ケーブルが通過する開口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の重量計。
【請求項3】
前記取付部材には、
前記ケーブルの一端が連結されるコネクターと、
前記ケーブルが前記開口を通過することを確保するための前記ケーブルの揺れ止めが支持されている
ことを特徴とする請求項2に記載の重量計。
【請求項4】
前記プラットフォームは、
重量計の使用時に床面とほぼ水平に配置される平坦部と、
前記平坦部に連なるスロープとを備え、前記スロープは、重量計の使用時に前記平坦部から床面にかけて傾斜するように形成されており、
前記カバーは、前記プラットフォームの前記スロープが掛けられるフック片を備える
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の重量計。
【請求項5】
前記ベースは、一対の側壁を有する矩形のフレームを備え、
前記荷重測定器は、前記矩形の内部に配置されており、
前記プラットフォームは、
前記フレームの前記一対の側壁の間の空間に配置され、重量計の使用時に床面とほぼ水平に配置される平坦部と、
前記平坦部に形成されており前記荷重測定器が内部に配置される切欠と、
前記切欠の上に配置され前記平坦部に連結されており、前記荷重測定器によって支持される取付板とを備える
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の重量計。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−226803(P2011−226803A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−94121(P2010−94121)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(000133179)株式会社タニタ (303)
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