野菜収穫機
【課題】野菜収穫機で直接収穫袋に野菜を収容するとともに、収穫した野菜を収穫袋内に容易に収容できるようにする。
【解決手段】走行部14と、前記走行部14の上部に配置される野菜搬送部17と、前記野菜搬送部17から搬送される野菜を収容する野菜収容部18と、を備えて、前記走行部14を駆動して機体を進行させながら野菜を収穫する野菜収穫機1であって、前記野菜収容部18は、前記野菜搬送部17の後下方に配置して、搬送された野菜を収容する収穫袋55を載置する受台装置82と、前記受台装置82の上方に配置して、収穫袋55の上開口部を保持する開口保持装置85と、を備える。
【解決手段】走行部14と、前記走行部14の上部に配置される野菜搬送部17と、前記野菜搬送部17から搬送される野菜を収容する野菜収容部18と、を備えて、前記走行部14を駆動して機体を進行させながら野菜を収穫する野菜収穫機1であって、前記野菜収容部18は、前記野菜搬送部17の後下方に配置して、搬送された野菜を収容する収穫袋55を載置する受台装置82と、前記受台装置82の上方に配置して、収穫袋55の上開口部を保持する開口保持装置85と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体を走行させながら野菜を収穫する野菜収穫機に関する。詳しくは、圃場上の野菜を野菜収穫機の前部で掻き込んで、搬送装置により後方へ搬送し、当該搬送装置の後部で袋に野菜を収容するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、畝で生育した玉葱、馬鈴薯、甘藷等の野菜が畝から引きぬかれ、畝上に置かれた後、その畝上の野菜を野菜収穫機によって収穫することは知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に示す野菜収穫機は、機体最前部に掻き込み部が配設され、該掻き込み部の下方に野菜搬送部の前部が配置される。野菜搬送部は、前低後高に形設され収穫物(野菜)を斜め後方へ搬送する。その搬送部の最後部の下方に選別部が配設される。選別部の下方には、コンテナ搬送部が配設される。この構成において、野菜は、掻き込み部により掻き込まれて野菜搬送部に受け渡され、該野菜搬送部にて後方へ搬送される。さらに、野菜は、野菜搬送部の終端まで搬送された後、選別部に移送され、該選別部での選別後、コンテナ搬送部のコンテナ搬送台上にセットされるコンテナ中へ収容される。
【0004】
特許文献1における野菜収穫機では、コンテナに野菜を収容して、当該コンテナに野菜がいっぱいになると圃場に降ろし、後でコンテナを回収して持ち帰り、当該コンテナから袋や段ボール箱等に詰め替えて出荷していた。従って、出荷までの手間が多くかかるとともに、収穫量の多い圃場では、嵩高いコンテナを大量に必要としていた。さらに、野菜収穫機に備えるコンテナ台の大きさは限られるため、コンテナ台上に載せられるコンテナの数も限られ、広い圃場では、途中で収穫作業を中断して空コンテナを補充する必要があり、作業効率が悪くなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−61012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題は、野菜収穫機で直接収穫袋に野菜を収容するとともに、収穫した野菜を収穫袋内に容易に収容できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、走行部と、前記走行部の上部に配置される野菜搬送部と、前記野菜搬送部から搬送される野菜を収容する野菜収容部と、を備えて、前記走行部を駆動して機体を進行させながら野菜を収穫する野菜収穫機であって、前記野菜収容部は、前記野菜搬送部の後下方に配置して、搬送された野菜を収容する収穫袋を載置する受台装置と、前記受台装置の上方に配置して、収穫袋の上開口部を保持する開口保持装置と、を備えるものである。
【0009】
請求項2においては、前記開口保持装置は、収穫袋の開口部端を挟持または挟持作用を解除する挟持機構を備えるものである。
【0010】
請求項3においては、前記開口保持装置は、支持体を有し、当該支持体の他端は機体に対して、上下方向に回動可能に取り付けられるものである。
【0011】
請求項4においては、前記受台装置の野菜搬送部側に、収穫袋の側面を支持するガイド装置を備えるものである。
【0012】
請求項5においては、前記ガイド装置は、板状または棒状部材を折り曲げて形成されるガイドフレームを備え、当該ガイド装置は側面視で前記野菜搬送部側へと所定角度傾斜して構成させるものである。
【0013】
請求項6においては、前記野菜収容部は、左右方向または前後方向に複数組の開口保持装置を備え、当該複数組の開口保持装置は複数の収穫袋を保持するものである。
【0014】
請求項7においては、前記野菜搬送部から前記開口保持装置を左右二組配置し、左右の開口保持装置の間で且つその上方に、搬送される野菜を右または左に切換えて誘導する切換装置を備えるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
請求項1においては、野菜搬送部から搬送される野菜は、受台装置上に載置した収穫袋に順次収容され、いっぱいになると収穫袋のまま出荷できるようになり、出荷工数を低減できる。また、収穫袋は嵩低く畳むことができるため,野菜収穫機上に大量に載せることができ、収穫袋を補充することなく連続して大量の野菜を収穫することが可能となり、収穫作業を効率よく行うことができる。そして、コンテナをなくすことができるため、大量の空コンテナを保管する場所もなくすことができる。また、受台装置上方では、収穫袋の開口部は開口保持装置で保持されるので、作業者が収穫袋の開口部を保持することなく、野菜を収穫袋内に容易に収容できる。
【0017】
請求項2においては、挟持機構の操作により挟持部を解除操作して開き、収穫袋の開口端部を挿入し、把持部の開放で開口端部を挟持させることができ、容易に収穫袋を着脱することができる。
【0018】
請求項3においては、収穫袋内への野菜の収容途中で、収穫袋を保持した状態で上下方向に揺り動かすことができるので、隙間を少なくして野菜を収穫袋に詰め込むことができ、多くの野菜を収穫袋に収容することが可能となる。
収穫袋を開口保持装置に取り付けるときに、開口保持装置の可動範囲が広いため、容易に取り付けることができる。
【0019】
請求項4においては、収穫袋内に野菜が収容されたときに収穫袋をガイド装置にもたれさせることができ、野菜の荷重で開口保持装置から収穫袋が外れたり、落下したりすることがなく、収穫袋の起立性を保持することができ、収穫する野菜を収穫袋内に容易に収容できる。
【0020】
請求項5においては、収穫袋を斜めにガイド装置にもたれさせるので、安定した状態で起立させることができる。収穫袋が斜めになるので、折れ曲がることなく長い状態で受台装置上に載置でき、収穫袋いっぱいに詰め込むことができる。野菜搬送部の後端を低くすることができるため、前方視界を向上できる。収穫袋の開口部の高さを低くできるため、収穫袋内の視認性が向上し、収穫袋内の状況を容易に確認することができ、収穫した野菜を収穫袋内に容易に収容できる。
【0021】
請求項6においては、複数の収穫袋が野菜収容部に保持されるので、一つの収穫袋内に野菜がいっぱいになった場合でも、他の収穫袋に野菜を収容することができるため、開口保持装置から一つの収穫袋を外して他の収穫袋を保持するために作業を中断する必要がなく、連続的に作業ができる。
【0022】
請求項7においては、一つの収穫袋内がいっぱいになると、切換装置を操作して切換えることによって、他方の収穫袋に野菜を収容することができるため、一方の開口保持装置に一つの収穫袋内に野菜を収容している間に、他方の開口保持装置において、他の収穫袋に付け替えることができ、連続作業が容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る野菜収穫機の全体構成を示す右側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】同じく左側面図。
【図4】同じく背面図。
【図5】コンテナ掛およびその周辺を示す図、(a)右側のコンテナ掛およびコンテナを示す部分断面背面図、(b)右側のコンテナ掛およびその周辺を示す右側面図。
【図6】受台装置及びガイド装置の「使用位置」での状態を示す右側面図。
【図7】受台装置及びガイド装置の「収容位置」での状態を示す右側面図。
【図8】受台装置及びガイド装置の「使用位置」での状態を示す平面図。
【図9】同じく背面図。
【図10】(a)ガイド保持機構の右側面図、(b)右側のガイド保持機構の背面図。
【図11】切換装置の一部を取り除いた状態の野菜収容部を示す平面図。
【図12】最も右側の挟持機構を示す背面図。
【図13】同じく右側面図。
【図14】同じく平面図。
【図15】最も右側の挟持機構の挟持解除の方法を示す背面図。
【図16】切換装置を示す平面図。
【図17】ガイド保持機構が「使用位置」の状態から「収容位置」へ至るまでの経過を示す右側面図。
【図18】第一側部が第一当接部と第二当接部との間に挟持される状態を示す右側面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、図1を参照して、本発明の第一実施形態に係る野菜収容部18を備えた野菜収穫機1の全体的な構成について説明する。
尚、以下では本実施形態の野菜収穫機1によって収穫される野菜を甘藷として説明するが、本発明はこれに特に限定するものではなく、例えば、馬鈴薯、人参、または玉葱等の畝から引き抜かれて畝上に置かれている野菜であればよい。
以下の説明においては、図1に示した矢印Aの方向を野菜収穫機1の進行方向、つまり前方向として、前後左右方向を規定するものとする。
【0025】
野菜収穫機1は、畝上に置かれた甘藷を回収し、収穫袋55・55・・・に収容するために使用される収穫機である。
野菜収穫機1は、主として機体フレーム12、駆動部13、走行部14、操縦部15、野菜掻き込み部16、野菜搬送部17、野菜収容部18を具備する。
野菜掻き込み部16は、野菜収穫機1の最前部に配置され、野菜掻き込み部16の下方に野菜搬送部17の前部が連設される。そして、野菜搬送部17は、前低後高に形設され、その最後部の下方に野菜収容部18が連設される。
【0026】
畝から引き抜かれて畝上に置かれている甘藷は、野菜掻き込み部16により掻き込まれて野菜搬送部17に受け渡され、野菜搬送部17にて後方へ保持・搬送される。野菜搬送部17の終端まで搬送された甘藷は、野菜収容部18にセットされる収穫袋55中へ収容される。
【0027】
以下では、図1から図4を参照して、野菜収穫機1の各部の構成について説明する。
【0028】
機体フレーム12は、野菜収穫機1の主たる構造体となるものである。機体フレーム12は、長手方向を前後方向として、複数の板材により構成される略箱状の部材である。
【0029】
前記駆動部13は、エンジン131を有し、野菜収穫機1が駆動するための動力を発生する動力源である。エンジン131は、機体フレーム12の左後部に補助フレーム121を介して搭載される。
【0030】
走行部14は、左右一対のクローラ走行装置141・141によって構成される。クローラ走行装置141・141は、機体フレーム12を支持し、野菜収穫機1を走行可能とするものである。クローラ走行装置141・141は機体フレーム12の下部に配置され、前記エンジン131の動力により駆動される。ただし、走行部14をクローラで構成しているが、ホイール等で構成してもよい。
【0031】
操縦部15は、複数のレバー等を備え、オペレータによって野菜収穫機1の操縦が行われる部位である。図2及び図3に示すように、操縦部15は、前記駆動部13の上方で、機体フレーム12の最後部に後方へと突出するように配置される。操縦部15では、適宜のレバー操作等によって、クローラ走行装置141・141、野菜掻き込み部16、及び野菜搬送部17を別個に駆動できるように構成される。
【0032】
野菜掻き込み部16は、畝上に置かれている甘藷を掻き込んで野菜搬送部17に受け渡すための部位である。図1から図3に示すように、野菜掻き込み部16は、左右一対の支持アーム160・160、掻き込み駆動ケース161、掻き込み装置163等を具備する。
【0033】
支持アーム160・160は、掻き込み装置163を支持する部材である。支持アーム160・160は、その前端部で掻き込み装置163を挟み両側に左右一対に配置される。
支持アーム160の後端部は、回動支持部173にて、搬送駆動ケース171の後端部に枢支される。支持アーム160の前端部には、掻き込み装置163の駆動軸164が横架される。
【0034】
掻き込み駆動ケース161には、掻き込み装置163の動力伝達機構が内装され、当該動力伝達機構から動力を受けて駆動軸164が回転駆動されるようにしている。
【0035】
掻き込み装置163は、畝上の甘藷を搬送装置270上に案内するための装置である。掻き込み装置163は、支持アーム160・160の前端部に回転運動可能に支持される。掻き込み装置163は、主として駆動軸164、回転輪165・165、掻き込み体167・167・・・を具備する。
【0036】
回転輪165・165は駆動軸164に固定され、回転輪165・165の間に横架された支持軸168・168・・・には掻き込み体167・167・・・が回転可能に取り付けられる。支持軸168・168・・・に取り付けられた掻き込み体167・167・・・は、駆動軸164を中心として回転することができる。
【0037】
このような構成により、掻き込み装置163を畝に近づけた際に、野菜収穫機1の右側面から見て時計回りに掻き込み体167・167・・・を回転運動させることで、畝上に置かれた甘藷を掻き込み、連設される野菜搬送部17に案内することができる。
【0038】
野菜搬送部17は、野菜掻き込み部16から受け渡された甘藷を誘導装置86の上方まで搬送するための部位である。野菜搬送部17は主として左右一対の搬送駆動ケース171・171及び搬送装置270を備える。
【0039】
搬送駆動ケース171・171は、搬送装置270の動力伝達機構を内装するものである。搬送駆動ケース171・171は、搬送装置270の両側に左右一対に並設される。
搬送駆動ケース171の後端部は、回動支持部173に枢支される。回動支持部173は、機体フレーム12の支柱に連結される。また、搬送駆動ケース171と機体フレーム12との間には、油圧シリンダ172が枢結されており、油圧シリンダ172を動作させることによって、搬送駆動ケース171の機体フレーム12に対する相対高さを調整できる構成となっている。
【0040】
以下では、本実施形態に係る搬送装置270の構成について、図1から図4を参照して説明する。
図2に示すように、搬送装置270は、主として左右一対の駆動スプロケット271・271、駆動軸272、左右一対の従動ローラ273・273、無端帯として構成される左右一対の搬送チェーン275・275、該搬送チェーン275・275の間に横架される搬送部材(第一搬送部材276、第二搬送部材277)、及び搬送ガイド278・278によって構成される。
【0041】
駆動スプロケット271・271、従動ローラ273・273、及び搬送チェーン275・275は、搬送駆動ケース171・171に内装される。駆動スプロケット271・271は搬送駆動ケース171・171の後端部に左右一対に配置され、従動ローラ273・273は搬送駆動ケース171・171の前端部に左右一対に配置される。
【0042】
搬送駆動ケース171・171の後端部間には駆動軸272が軸受(不図示)を介して横架され、駆動軸272の左右両端部には駆動スプロケット271・271が固設される。
【0043】
従動ローラ273・273は、搬送駆動ケース171・171の前端部に、軸受(図示省略)を介して回動可能に支持される。
【0044】
搬送チェーン275・275は、駆動スプロケット271・271と従動ローラ273・273に巻き掛けられ、左右一対に配置される。このように構成することより、駆動スプロケット271・271が駆動装置(不図示)により回転駆動されると、これにともなって搬送チェーン275・275が回転駆動される。
【0045】
第一搬送部材276は略直線棒状の部材である。第一搬送部材276・276・・・は、搬送チェーン275・275の間に横架して、前後方向に所定間隔をあけて平行に並べることで簾状の搬送面を形成するように構成される。
【0046】
第二搬送部材277は、略直線棒状の部材を左右方向略中央部側が外周側に突出するように形成されたものである。第二搬送部材277は、所定本数をあけて第一搬送部材276の外周側に配置される。
つまり、搬送面上部の第二搬送部材277・277及び第一搬送部材276・276・・・によって側面視で凹部が形成され、甘藷が凹部内に入るように構成される。
【0047】
こうして、駆動スプロケット271・271を回転駆動することにより搬送チェーン275・275が回転駆動され、第一搬送部材276・276・・・及び第二搬送部材277・277・・・を搬送方向に向かって移動させる。
そして甘藷は、前記凹部に収容されて移動されることで野菜収容部18へと搬送することができる。
また、前記凹部よりも小さな甘藷(野菜)は、第一搬送部材276・276間で挟み込むことで野菜収容部18へと搬送することもできる。
【0048】
図1から図3に示すように、第一搬送部材276と第二搬送部材277とによって形成される無端帯の前記野菜搬送面の上方には、当該野菜搬送面の傾きに沿わせるようにして、搬送ガイド278・278が配置される。搬送装置270の下部において左右方向に幅広く載置された甘藷は、上方に搬送されるにしたがって搬送ガイド278・278によってガイドされ、搬送装置270の終端部においては、前記野菜搬送面の右側に集められる。
【0049】
作業部19は、搬送装置270の搬送面上の葉、ツルまたは傷物等の不要物を搬送装置270から取り除くための部位である。
作業部19は、主としてステップ191、座席192、安全フレーム193を備える。
【0050】
ステップ191は、作業者が座席192に乗り入れるための部位である。ステップ191は、前後方向を長手とする板上の部材であって、機体フレーム12の側部に支持部材を介して取り付けられる。
【0051】
座席192は、ステップ191の上面の前部、前後中央部、および後部の任意の位置に配置され、不要物の除去作業者が着座するためのものである。
【0052】
安全フレーム193は、座席192に着座した作業者が搬送装置270内に入り込まないようにガードするものである。
【0053】
また、作業者は、座席192・192に着座しながら、安全フレーム193を握ることで体を支えて、または、安全フレーム193・193にもたれることで、搬送装置270の搬送面を搬送される不良の甘藷や根や茎等の不要物の除去作業が容易に行えるようにしている。
【0054】
次に、図1から図5を用いて、本実施形態における野菜収容部18の構成について説明する。
【0055】
野菜収容部18は、搬送装置270から搬送される甘藷を収穫袋55に収容するための部位である。
野菜収容部18は、主として、コンテナ掛81、受台装置82、ガイド装置83、受台保持装置84、開口保持装置85、誘導装置86、切換装置87によって構成される。
【0056】
コンテナ掛81は、コンテナ50を保持し、当該コンテナ50内に空の収穫袋55・55・・・を収容して待機させるためのものである。コンテナ掛81は、機体後部の左右にそれぞれ配置される。
【0057】
コンテナ掛81は、図2に示すように、パイプなどの棒材を、平面視において機体外方に突出するように、側面視で略逆凹状に折り曲げ、さらに図5の(a)に示す後面視において、その左右中途部から機体外方側を上方に向かって垂直となるように、つまり、前面視または後面視において略L字状に折り曲げ、水平部81aと垂直部81bとを形成する。
図5に示すように、右側のコンテナ掛81の両端は、機体フレーム12の右後部の支柱123の上部側面に固定される。図4に示すように左側のコンテナ掛81の両端は、操縦部15の基板部151の左側面に固定される。
【0058】
よって、図5の(a)に示すように、コンテナ50は、その両側上部に指を挿入して容易に持てるようにするための開口部50aが形成され、該開口部50aの上部を水平部81aに当接させ、開口部50aの上方内側を垂直部81bに当接させ、さらに、コンテナ50の下外側を機体フレーム12の右側面または操縦部15の基板部151の左側面(図4参照)に当接させることで、コンテナ50を機体に容易に取り付けることができるように構成している。そして、機体に取り付けられたコンテナ50内に空の収穫袋55を収容するようにしている。但し、コンテナ掛81を設ける代わりに、空の収穫袋55を収容するためのケースを機体フレーム12の両側に取り付けたり、空の収穫袋55を載せるための載置台を設けたりすることも可能である。該ケースまたは載置台は着脱または折り畳み収容可能に構成する。
【0059】
次に、図6から図10を用いて受台装置82及びガイド装置83について説明する。
本実施形態の受台装置82及びガイド装置83の位置は、「使用位置」と「収容位置」とに切換可能に構成されている。
前者の「使用位置」とは、図6に示すように、受台装置82上に収穫袋55が載置可能な位置を意味する。
また、後者の「収容位置」とは、図7に示すように、受台装置82が、機体内側方へと回動し、占有空間を小さくした位置を意味する。例えば、野菜収穫機1を路上走行させたり、倉庫等に収容したりするときの状態である。
以下において、断りがない限り、構成部材の説明の際には「使用位置」での様態で説明する。
【0060】
受台装置82は、図6に示すように、甘藷を収容する収穫袋55を載置するための装置である。受台装置82は、機体フレーム12の右側後方に配置され(図1参照)、主として、受台フレーム21、受台板22、及び、受台取付機構23によって構成される。
【0061】
受台フレーム21は、パイプ等の棒材によって構成され、図8に示すように平面視において、後方に突出するように凹状に屈曲される。また、受台フレーム21は、図6に示すように、側面視において前部が前高後低となるように、前後中途部から後部にかけて略水平となるように屈曲されることで形成される。
【0062】
受台板22は、板状の部材を前記受台フレーム21の下部にその形状に沿うように折り曲げて、溶接等で固設されることで配置される。つまり、受台板22は、前部を略板体が前高後低の傾斜部22aと、中途部から後端にかけての水平部22bとなるように形成される。
【0063】
図8に示すように水平部22bには、複数の開口部22cが設けられており、受台板22に土等が附着してもその開口部22cから下方へと落とすことができる。
【0064】
受台取付機構23は、図6から図9に示すように、受台装置82全体を機体に取り付けるためのものであって、第一ステー23a、第二ステー23b、及び受台回動軸23cによって構成される。
【0065】
第一ステー23a・23aは、側面視において略三角形の板状の部材であり、受台板22の傾斜部22aの上部に左右一対となるように所定間隔をあけ、かつ、受台板22の板面に対して垂直に取り付けられる。第一ステー23aには、左右方向に開孔された第一受台挿通孔23dが形成される。
【0066】
第二ステー23b・23bは、略三角形の板状の部材であり、機体フレーム12の後部に前記第一ステー23a・23a間よりも若干短い間隔をあけ、かつ、機体フレーム12に対して垂直に取り付けられる。第二ステー23bには、左右方向に開孔された第二受台挿通孔23eが形成される。第二受台挿通孔23eは、受台装置82を機体に設置したときに、第一受台挿通孔23dと側面視で一致する位置に形成される。
【0067】
第一ステー23aと第二ステー23bとは、互いに重ね合わされて、受台回動軸23cによって回動自在に軸支される。つまり、受台回動軸23cは、第一ステー23aを貫通するとともに螺挿すること等によって、受台装置82が機体フレーム12に回動自在に固定される。
【0068】
さらに、受台装置82は、「使用位置」から前記受台回動軸23cを中心に、第一ステー23aが図6の矢印Bの方向に回動されることで、受台板22及び受台フレーム21を「収容位置」とすることができる。つまり、受台板22の水平部22bが略垂直となり、傾斜部22aが略水平方向となる。
【0069】
ガイド装置83は、受台装置82に載置(セット)された収穫袋55の前側面をもたれさせてガイドし、収穫袋55を前方へ傾けた斜めの状態で載置できるようにするためのものである。該収穫袋55を傾斜させて受台装置82に載置することで、野菜収容状態を安定させることができるとともに、収穫袋55の上開口部の高さを低くして、収穫袋55を長く伸ばした状態として収容量を多くすることができる。
ガイド装置83は、主として、ガイドフレーム31、ガイド保持機構32によって構成される。
【0070】
ガイドフレーム31は、パイプ等の棒材を適宜折り曲げることにより形成され、梁部31a及び柱部31b・31bを有する。
梁部31aは、左右方向を長手とし、受台板22の水平部22bに対して略水平に配置される。
柱部31b・31bは、梁部31aの左右両端辺を変化点として下方に折り曲げられることによって延設される部分である。柱部31b・31bの下端部は、それぞれガイド保持機構32を介して受台装置82の受台フレーム21の前後中途部に回動可能に支持される。
【0071】
従って、ガイドフレーム31は、背面視において、梁部31a及び柱部31b・31bによって、全体として略門状に形成される。
【0072】
さらに、ガイドフレーム31の柱部31b・31b間には、補強枠31c・31cが上下方向に所定間隔をあけて横設される。従って、ガイドフレーム31全体は、補強枠31c・31cによって、左右方向の外部圧力に対しての強化がなされる。但し、補強枠31c・31cの代わりに板材を横架しても構わない。
【0073】
ガイド保持機構32は、前記ガイドフレーム31全体を受台装置82に対して回動可能に支持するための機構である。ガイド保持機構32は、主として、ブラケット321、支持板322、ガイド回動軸323、第一規制部材324、第二規制部材325によって構成される。
【0074】
ブラケット321は、板状の部材を適宜折り曲げることにより形成され、第一側部321aと、第二側部321bとを有する。
図10に示すように、第一側部321aは、上下方向を長手とし、柱部31bの後部に溶接等によって固設される。
第二側部321bは、第一側部321aの一端辺から前方に折り曲げて延設される部分である。第二側部321bの上下略中央部には、左右方向に開孔され上下方向を長手とする長孔321cが形成される。
【0075】
従って、ブラケット321は、ガイドフレーム31の柱部31bの軸心方向から見て、全体として略L字状に形成される。
【0076】
支持板322は、板状の部材を適宜折り曲げることで、支持部322a及び取付部322bを有し、受台フレーム21の前後略中央に左右一対となるように配置される。
支持部322aは、側面視において上部が山型に形成され、受台板22の水平部22bに対して略垂直となるように受台フレーム21の前後略中央の上方に配置される。支持部322aには、前記長孔321cに対応するように左右方向に開孔された係止孔322cが形成される。
【0077】
取付部322bは、支持部322aの下端辺から略垂直に野菜収容部18の外方へと折り曲げられることによって延設される。
【0078】
ブラケット321と前記支持板322は、前記長孔321cと係止孔322cとが一致し、かつブラケット321の第二側部321bが支持板322の支持部322aの内側と重なるように、ガイド回動軸323で貫装され、さらにその両端をナット等で締結される。
【0079】
従って、ガイドフレーム31は、ブラケット321を介して、支持板322に対し、ガイド回動軸323を中心として回動自在に支持される。
【0080】
第一規制部材324は、「使用位置」においてガイドフレーム31の起立状態を保持するとともに、「収容位置」においてガイドフレーム31が受台装置82に対して略平行な状態を保持するための部材である。
【0081】
第一規制部材324は、板状の部材を適宜折り曲げることで形成され、水平部324a及び傾斜部324bを有する。
水平部324aは、略長方形に形成され、支持板322の近傍で、かつ、その底面を受台板22の水平部22bの上面に溶接等で固設される。
傾斜部324bは、水平部324aの前端辺から所定角度Cとなるように上方に折り曲げて延設される部分である。所定角度Cは、収穫袋55が前方へ倒れてもたれるように鈍角としている。
当該傾斜部324bは、その外側を支持板322の支持部322aの後側面(後部)に固設される。
従って、傾斜部324bと第一側部321aの下部とが当接することで、所定角度Cに傾斜したガイドフレーム31の起立状態が保持される。
【0082】
第二規制部材325は、第一側部321aを挟むように挿入して、ガイドフレーム31の「収容位置」を保持するための部材である。
【0083】
第二規制部材325は、支持部材325a及び押部材325dによって構成される。
支持部材325aは、板状部材を適宜折り曲げることにより形成され、第一当接部325b及び第一柱部325c・325cを有する。支持部材325aは、ブラケット321の前方の水平部22b上に配置される。
【0084】
第一当接部325bは、長方形に形成され受台板22の水平部22bに対して所定間隔をあけて略水平に配置される。
第一柱部325c・325cは、第一当接部325bの前後両端辺を変化点として下方に折り曲げられることによって延設される部分である。第一柱部325c・325cの下端部は、支持板322の前方で受台板22の水平部22bの上面に溶接等によって固設される。
【0085】
従って、支持部材325aは、側面視において略門状に形成される。
【0086】
一方、押部材325dは、板状部材を適宜折り曲げることにより形成され、第二当接部325e及び第二柱部325fを有する。押部材325dは、ブラケット321の前方の水平部22b上に配置される。
【0087】
第二当接部325eは、長方形に形成され第一当接部325bに対して略水平で上下方向に所定間隔をあけて配置される。
第二柱部325fは、第二当接部325eの前端辺を変化点として下方に折り曲げられることによって延設される部分である。第二柱部325fの下端部は、第一柱部325cの前方で受台板22の水平部22bの上面に溶接等によって固設される。
【0088】
従って、第二規制部材325は、側面視において第一当接部325bと第二当接部325eとの間に上下方向の隙間が形成され、当該隙間に第一側部321aを挿入できるようにしている。
【0089】
図6から図10に示すように、受台保持装置84は、受台装置82を「収容位置」に保持するための装置である。受台保持装置84は、主として、係止部材41、取付部材42、開口保持装置材43、保持回動軸44、及び受部材45によって構成される。
【0090】
係止部材41は、鉄棒等の棒材を側面視において略L字状に折り曲げることで所定の長さとなるように形成される。係止部材41の一端は、板状部材に挿通孔が形成された取付部材42が取り付けられる。
係止部材41の他端は、開放されており、受台装置82を「収容位置」とする際に、後述する受部材45と係合する。
【0091】
開口保持装置材43は、機体フレーム12に前記係止部材41を取り付けるための板状の部材である。開口保持装置材43は、その前端部を機体フレーム12の後側部に溶接等で固設される。
開口保持装置材43の後端部には、前記取付部材42の連通孔と一致するように同形の連通孔が形成される。
【0092】
保持回動軸44は、取付部材42と開口保持装置材43とをそれぞれの連通孔が一致するように、かつ、開口保持装置材43の右外側に取付部材42が重ね合わせられ状態で、連通孔に貫装され、さらにナット等で締結される。
【0093】
従って、係止部材41は、機体フレーム12に対して、保持回動軸44を中心として、回動可能に取り付けられる。
【0094】
受部材45は、板状の部材であって、受台フレーム21の右前側の上下中途部に機体外方へと突出すように取り付けられる。受部材45は、前記係止部材41の開放端が嵌装可能となる連通孔45aが形成される。
【0095】
従って、受台装置82は、受台回動軸23cを中心として前方に回動することで、「収容位置」とし、その位置状態を係止部材41の開放端が受部材45の連通孔45aに嵌挿されることで保持される。但し、受台保持装置84の構造は前記構成に限定するものではなく、機体フレーム12と受台装置82の何れか一方にフック等の係止部材、他方にリング等の被係止部材を設ける構成であればよい。
【0096】
以下に、図1から図4及び図11を用いて、開口保持装置85について説明する。
開口保持装置85は、受台装置82に載置された収穫袋55の上開口部側の上端を挟持して収穫袋55が開口した状態を保持するための装置である。開口保持装置85は、主として、支持体51、蝶番52、挟持機構53、形状保持手段54によって構成される。
【0097】
開口保持装置85の内、支持体51と蝶番52、挟持機構53をひとつのセットとして扱う。このセットは、一つの収穫袋55に対して左右に所定間隔をあけて一対となるように配置される。本実施形態においては、受台装置82に対して二つの収穫袋55・55を載置するため、前記セットが四つ配置される。
【0098】
支持体51・51・51・51は、前後方向を長手とする板状の部材であり、側面視において、略水平となるように配置される。その前端部は、左右方向を長手とする回動軸を有する蝶番52を介して、搬送装置270の後下方の機体フレーム12に所定間隔をあけて取り付けられる。
詳しくは、最も右に配置される支持体51と右から二番目の支持体51との間隔は、最も左に配置される支持体51と左から二番目との間隔と略同じであり、収穫袋55の幅よりも短く設定される。中央の二つ支持体51・51の間隔は、できるだけ短くして収穫袋55を左右に併置できるように配置される。
支持体51の後端部には、挟持機構53が取り付けられる。詳しくは、支持体51の後端部の下面に、それぞれ挟持機構53の上部が固設される。
【0099】
従って、挟持機構53は、蝶番52の回動軸を中心に支持体51を介して、上下方向に回動可能に支持される。
【0100】
形状保持手段54は、軟質ポリエチレンシート等の板材を適宜折り曲げることによって形成される。形状保持手段54の上部は、一対の支持体51・51の内側面に固設され、全体として、後部が開放された漏斗状に形成される。
【0101】
挟持機構53は、図12から図15に示すように、主として、受部材531、補助部材532、押部材533、緩衝材534、支持部材535、挟持回動軸536、付勢部材537によって構成される。
【0102】
受部材531は、板状の部材を適宜折り曲げることにより形成され、上部531a、当接部531b、支持部531cを有する。
上部531aは、平面視において略長方形の板状で支持体51に取り付けられる部分であり、受台板22の水平部22bに対して略水平に配置される。
当接部531bは、上部531aの一端辺を変化点として下方に折り曲げられることによって延設される部分である。当接部531bの下部は、上下中途部を変化点として、その外方へと折り曲げられる。
支持部531cは、上部531aの他端辺を変化点として下方に折り曲げられることによって延設される部分である。
【0103】
さらに、受部材531の上部531aの左右略中央部から支持部531cの上下中途部にかけて、後述する押部材533の一端が挿入可能な開口部531dが形成される。
【0104】
補助部材532は、板状の部材を適宜折り曲げることによって形成され、接着部532aと軸受部532b・532bとを有する。
接着部532aは、略長方形の板状の部材であり、その内面を前記受部材531の支持部531cの外面と当接させて溶接等で固設される。
軸受部532b・532bは、接着部532aの前後端辺を変化点として内方に折り曲げられることによって延設される部分である。軸受部532bは、前後方向に開孔された第一挟持挿通孔532cが形成される。
【0105】
押部材533は、上下方向を長手方向とする板状の部材を適宜折り曲げることで形成され、操作部533a、第一当接部533b、第二当接部533c、支持部533dを有する。
【0106】
操作部533aは、押部材533の上部を成し、前記受部材531の開口部531dに嵌挿可能となるように、側面視において開口部531dの前後幅よりも若干短い長さの前後幅となるように形成される。
第一当接部533bは、操作部533aの下端辺を変化点として受部材531の当接部531b側に折り曲げられることによって延設される部分である。第一当接部533bの上部の前後幅は、前記操作部533aの前後幅と同じとし、下部は、前記受部材531の前後幅よりも若干短く、全体として凸状となるように形成される。
第二当接部533cは、第一当接部533bの下端辺を変化点として下方に折り曲げられることによって延設される部分である。
支持部533dは、第二当接部533cの下端辺を変化点として補助部材532側に折り曲げられることによって延設される部材である。
【0107】
緩衝材534は、ゴム板等の弾性板材によって構成され、受部材531と押部材533によって収穫袋55を挟持するときの当接による衝撃を緩衝したり、その摩擦力によって収穫袋55を抜け難くしたりするための部材である。
緩衝材534は、前記押部材533の第一当接部533bの上下中途部から第二当接部533cの後端部にかけて、受部材531の当接部531b側に固設される。
【0108】
支持部材535は、前記押部材533を支持するための部材であって、板状の部材を適宜折り曲げることで形成され、軸受部535a・535aと底部535bとを有する。
【0109】
軸受部535a・535aは、後面視において長方形の板状の部材であって、軸受部532b・532bの外側面に沿うように所定間隔をおいて配置される。
軸受部535aには、前後方向に開孔された第二挟持挿通孔535c・535cが形成される。第二挟持挿通孔535cは、前記第一挟持挿通孔532cと背面視で一致する位置に形成される。
【0110】
底部535bは、前記軸受部535a・535aの後端間を横設して、補助部材532の下方に配置される部分である。
底部535bは、接着部532a側を切り欠くように形成されている。つまり、底部535bの左右幅は、軸受部535aの左右幅よりも短くなるように形成される。
さらに、底部535bの上面と押部材533である支持部533dの他端の下面とはボルトや溶接等によって固定される。
【0111】
そして、補助部材532と支持部材535とは、第一挟持挿通孔532cと第二挟持挿通孔535cとが一致するように、かつ補助部材532が支持部材535の内側となるように重ね合わせられた状態で、後述する付勢部材537が外嵌された挟持回動軸536が貫装される。さらに挟持回動軸536の両端はナット等で締結される。
【0112】
付勢部材537は、捩りバネによって構成され、挟持回動軸536に外嵌される。付勢部材537の一端は、受部材531の支持部531cに当接される。付勢部材537の他端は、押部材533の支持部533dに当接される。
従って、押部材533の第一当接部533bと第二当接部533cとの境界付近が、受部材531の当接部531b側へ回動するように付勢され、緩衝材534と当接部531bとの間に収穫袋55の開口部の一部が挟持可能となるように構成される。但し、挟持機構53の構成は前記機構に限定するものではなく、容易に挟持を解除でき収穫袋55の開口部の一部を挟持できる構成であればよい。
【0113】
以下に、図1から図4、図11および図16を用いて、誘導装置86および切換装置87について説明する。
誘導装置86は、搬送装置270から搬送される甘藷が収穫袋55内に落下し易くするためのものである。
誘導装置86は、主として、落下シュート61、及び袋シュート62によって構成される。
【0114】
落下シュート61は、搬送装置270の後端から落下する甘藷を受けて、その落下による衝撃を吸収するための部材である。落下シュート61は、ゴム板等の弾性部材を左右方向が長手となるように形成され、搬送装置270の最後端の下方の機体フレーム12に配置される。さらに落下シュート61の前部には左右方向に所定間隔をあけて複数の切れ目が形成される。当該切り目は、落下シュートの中途部から前端にかけて施されており、それによって、機体フレーム12の形状に無理なく配置することができる。
【0115】
袋シュート62は、搬送装置270の後端から落下する甘藷、または落下シュート61を経た甘藷を受けて、その衝撃を吸収するとともに、収穫袋55内に誘導するための部材である。
袋シュート62・62は、前後方向を長手とするゴム板等の弾性部材によって構成される。袋シュート62は、一つの収穫袋55に対して、一つ配置されるため、本実施形態においては、袋シュート62は、合計二つ配置される。袋シュート62・62の前端は、それぞれ落下シュート61の下方の機体フレーム12に所定間隔をあけて固設される。袋シュート62の前後中途部から後端にかけては、前記形状保持手段54の上部を覆うように配置される。
つまり、落下シュート61の前後長さは、前記形状保持手段54の開放端部よりも長くなるように形成される。
【0116】
従って、搬送装置270より搬送された甘藷が搬送装置270の後端部より前記落下シュート61へと落下する。落下シュート61によって、甘藷は落下時の衝撃を吸収されるとともに、後部の袋シュート62へと誘導される。さらに甘藷は、袋シュート62上面を転がることで、収穫袋55内へと誘導され、収穫袋55内へ収容される。
【0117】
切換装置87は、受台装置82にセットされた収穫袋55・55の内、甘藷を収容したい側の収穫袋55へ誘導するための装置である。切換装置87は、主として、切換回動部71、傾斜板72、緩衝板73、挟持部74、及び支持板75によって構成される。
【0118】
切換回動部71は、切換装置87を回動可能とするものである。切換回動部71は、軸受パイプ711及び切換回動軸712によって構成される。
軸受パイプ711は、前後方向を長手とする筒状の部材であって、前記袋シュート62・62の間で、搬送装置270の下方の機体フレーム12から後方に突出するように配置される。
切換回動軸712は、前記軸受パイプ711よりも長く軸受パイプ711の内径よりも若干小さな外径を有する棒状の部材である。切換回動軸712は、前記軸受パイプ711の軸心と同じ軸心となるように軸受パイプ711に内挿される。
切換回動軸712の前端は、軸受パイプ711の前端よりも突出するように配置され、軸受パイプ711の外径よりも若干大きな直径を有する抜け止めが形成される。切換回動軸712の後部は、軸受パイプ711よりも突出するように配置され、後述する傾斜板72の一端が溶接等によって固設される。
【0119】
傾斜板72は、金属板などの板状の部材であって、一対の支持体51・51の左右長さよりも、傾斜板72の左右長さが長くなるように形成される。
傾斜板72の一端は、前述のように溶接等によって前記切換回動軸712の後部に固設される。
【0120】
緩衝板73は、ゴム板など弾性部材を、前記傾斜板72の上下面に上下一対となるように配置される。緩衝板73は、傾斜板72の前端よりも突出するように形成され、さらに傾斜板72の両端よりも突出するように形成される。緩衝板73の切換回動軸712近傍側の一端は、切換回動軸712及び他方の支持体51の上部を覆い突出するように形成される。緩衝板73の後端は、傾斜部の後端部が見えるように配置される。切換回動軸712の近傍の傾斜板72には、その前部を左右に分断する切れ目が形成される。なお、緩衝板73・73と傾斜板72は所定箇所に留め具などで固定される。
【0121】
挟持部74は、作業者が手で握って切換装置87を左右回動することで切換操作を行ったり、甘藷が機体後方へと落下することを防止したりするための部材である。挟持部74は、ポール等の棒材を適宜折り曲げることによって形成され、第一挟持部741及び第二挟持部742・742を有する。
第一挟持部741は、左右方向を長手とし、傾斜板72の後端部対して所定間隔をあけて略水平に配置される。
第二挟持部742・742は、第一挟持部741の左右両端部を変化点として下方に折り曲げられることによって延設される部分である。第二挟持部742・742の下端部は傾斜板72の後端部に固設される。挟持部74は、背面視において傾斜板72を境に対称となるように、傾斜板72の上下面に配置される。
【0122】
支持板75は、緩衝板73を含む傾斜板72の他端を支持するための部材である。
支持板75の上端は、前記切換回動部71の上端よりも高くなるように、取付フレーム(不図示)を介して、操縦部15及び支柱123近傍の機体フレーム12に左右一対となるように配置される。
【0123】
従って、切換装置87は、一方の収穫袋55の開口部をその上方で閉塞可能とし、切換回動軸712を中心として左右方向に回動することで他方の収穫袋55の開口部の上方を閉塞可能とする。さらに、切換回動軸712と支持板75の上端の高低差によって、閉塞側の収穫袋55に落下しようとする甘藷を受けて、非閉塞側の収穫袋55へと落下させることが可能である。
【0124】
野菜収容部18の前記構成を踏まえて、以下に、本実施形態にかかる野菜収穫機1による収穫袋55への甘藷の収穫方法を図1から図4、図11及び図15を用いて説明する。
【0125】
収穫作業前に、作業者は、収穫袋55・55を受台装置82の受台板22上に左右に並べて載置する。そのとき、収穫袋55・55の前側部は、ガイド装置83のガイドフレーム31の傾斜角度Cに沿うように配置される。さらに、収穫袋55の前開口部は、その内側面に形状保持手段54が配置され、甘藷が収容し易い形状とされる。収穫袋55の開口部端は、開口保持装置85の挟持機構53によって挟持される。詳しくは、図15に示すように、作業者が、押部材533の操作部533aを図示右側に回動させることで、緩衝材534と当接部531bとの間に隙間を形成させる。そして、その隙間に収穫袋55の開口部端を配置させる。その後、作業者が押部材533から手を離すことで、付勢部材537によって、緩衝材534と当接部531bが再び元の位置に戻り、収穫袋55の開口部端が緩衝材534と当接部531bによって挟持される。その動作を配置された各挟持機構53・53・53・53において、行うことで、収穫袋55・55は、野菜収容部18にセットされる。
【0126】
野菜収容部18収穫袋55・55がセットされた後、野菜収穫機1は走行しながら甘藷を搬送装置270によってその後方へと搬送する。搬送装置270の後端から落下する甘藷は、落下シュート61介して、袋シュート62または切換装置87の緩衝板73に受け継がれることで収穫袋55内に収容される。
収穫袋55への甘藷の収容が続く中で、作業者が、適宜に蝶番52を中心として支持体51及び挟持機構53を上下方向に回動させる。つまり、収穫袋55を上下に揺することで、収穫袋55が上下に移動され、収穫袋55内の甘藷間の隙間が小さくなり収容量が増加する。つまり、隙間なく詰め込むことができる。
【0127】
一方の収穫袋55内に作業者の所望量(いっぱい)の甘藷が収容できれば、次に、作業者は、挟持部74を持ち、切換回動部71を中心として傾斜板72及び緩衝板73・73を他方の収穫袋55の上方から一方の収穫袋55上方に回動させる。よって、一方の収穫袋55には、切換装置87によって甘藷が誘導されず、他方の収穫袋55へと甘藷が誘導される。
【0128】
作業者は、再び、一方の甘藷が収容された収穫袋55を挟持する二箇所の挟持機構53の緩衝材534と当接部531bの挟持作用を解除させて、収穫袋55の開口部端を開放する。そして、収穫袋55の開口部を閉じて、受台板22から圃場へと甘藷が収容された収穫袋55を降ろす。
作業者は、コンテナ50から新たな収穫袋55を取り出して、再び、野菜収容部18に設置する。
【0129】
前記の作業を繰り返すことで、収穫作業を停止することなく、連続して甘藷の収容作業を行うことができる。
なお、本実施形態の収穫袋55は紙袋(米袋)を用いているが、布袋や合成樹脂製袋等を用いることも可能である。また、収穫袋55は左右に二組設けているが三組以上設けて収容を切換える構成とすることも可能である。また、収穫袋55は左右方向に保持する構成としているが、前後方向に保持する構成とすることも可能である。また、コンバインで使用する籾袋を用いる場合には、挟持機構53を用いる代わりに、籾袋の開口側の両側に設けた挿通孔に通すための左右一対の棒材を後方へ二組突出し、その間に切換装置87を配置する構成とする。
【0130】
次に、図6、図7、及び図17、図18を用いて受台装置82及びガイド装置83を「使用位置」から「収容位置」にする方法を説明する。
【0131】
ガイド装置83が受台装置82に対して伏せる状態とするために、以下の手順を行う。
先ず、図6に示す「使用位置」の状態から、図17の(a)に示すように、長孔321cにガイド回動軸323が沿うように、ガイドフレーム31を上方へと引き上げる(図中の太矢印参照)。そして、図17の(b)に示すように、ガイド回動軸323を中心として、ガイドフレーム31を後方へと回動させ(図中の太矢印参照)、ブラケット321の第一側部321aを、第一規制部材324の傾斜部324bの上端と当接させる。つまり、第一側部321aは、水平部324aと略水平となるように、傾斜部324bの上端に載せた状態とする。
さらに、図18に示すように、長孔321cにガイド回動軸323が沿うように、ガイドフレームを前方へと押すことで(図中の太矢印参照)、ブラケット321の第一側部321aが、第二規制部材325の第一当接部325bと第二当接部325eとの間に挿入される。
【0132】
ガイド装置83が受台装置82に対して伏せる状態となった後、図7の太矢印に示すように、受台装置82及びガイド装置83が、受台回動軸23cを中心として、回動されることによって、「収容位置」の状態となる。
さらに、その「収容位置」の状態を係止部材41の開放端が受部材45の連通孔に嵌挿されることで保持される。
【0133】
以上の如く、本実施形態の野菜収穫機1は、走行部14と、前記走行部14の上部に配置される野菜搬送部17と、前記野菜搬送部17から搬送される野菜を収容する野菜収容部18と、を備えて、前記走行部14を駆動して機体を進行させながら野菜を収穫する野菜収穫機1であって、前記野菜収容部18は、前記野菜搬送部17の後下方に配置して、搬送された野菜を収容する収穫袋55を載置する受台装置82と、前記受台装置82の上方に配置して、収穫袋55の上開口部を保持する開口保持装置85と、を備えるものである。
このように構成することにより、野菜搬送部17から搬送される野菜は、受台装置82上に載置した収穫袋55に順次収容され、いっぱいになると収穫袋55のまま出荷できるようになり、出荷工数を低減できる。また、収穫袋55は嵩低く畳むことができるため,野菜収穫機1上に大量に載せることができ、収穫袋55を補充することなく連続して大量の野菜を収穫することが可能となり、収穫作業を効率よく行うことができる。そして、コンテナ50をなくすことができるため、大量の空コンテナ50を保管する場所もなくすことができる。また、受台装置82上方では、収穫袋55の開口部は開口保持装置85で保持されるので、作業者が収穫袋55の開口部を保持することなく、野菜を収穫袋55内に容易に収容できる。
【0134】
本実施形態の野菜収穫機1において、前記開口保持装置85は、収穫袋55の開口部端を挟持または挟持作用を解除する挟持機構53を備えるものである。
このように構成することにより、挟持機構53の操作により挟持部を解除操作して開き、収穫袋55の開口端部を挿入し、挟持機構53の開放で開口端部を挟持させることができ、容易に収穫袋55を着脱することができる。
【0135】
本実施形態の野菜収穫機1においては、前記開口保持装置85は、支持体51を有し、当該支持体51の他端は機体に対して、上下方向に回動可能に取り付けられるものである。
このように構成することにより、収穫袋55内への野菜の収容途中で、収穫袋55を保持した状態で上下方向に揺り動かすことができるので、隙間を少なくして野菜を収穫袋55に詰め込むことができ、多くの野菜を収穫袋55に収容することが可能となる。収穫袋55を開口保持装置85に取り付けるときに、開口保持装置85の可動範囲が広いため、容易に取り付けることができる。
【0136】
本実施形態の野菜収穫機1においては、前記受台装置82の野菜搬送部17側に、収穫袋55の側面を支持するガイド装置83を備えるものである。
このように構成することにより、収穫袋55内に野菜が収容されたときに収穫袋55をガイド装置83にもたれさせることができ、野菜の荷重で開口保持装置85から収穫袋55が外れたり、落下したりすることがなく、収穫袋55の起立性を保持することができ、収穫する野菜を収穫袋55内に容易に収容できる。
【0137】
本実施形態の野菜収穫機1においては、前記ガイド装置83は、板状または棒状部材を折り曲げて形成されるガイドフレーム31を備え、当該ガイド装置83は側面視で前記野菜搬送部17側へと所定角度C傾斜して構成させるものである。
このように構成することにより、収穫袋55を斜めにガイド装置83にもたれさせるので、安定した状態で起立させることができる。収穫袋55が斜めになるので、折れ曲がることなく長い状態で受台装置82上に載置でき、収穫袋55いっぱいに詰め込むことができる。野菜搬送部17の後端を低くすることができるため、前方視界を向上できる。収穫袋55の開口部の高さを低くできるため、収穫袋55内の視認性が向上し、収穫袋55内の状況を容易に確認することができる。
【0138】
本実施形態の野菜収穫機1においては、前記野菜収容部18は、左右方向または前後方向に複数組の開口保持装置85・85・85・85を備え、当該複数組の開口保持装置85・85・85・85は複数の収穫袋55・55を保持するものである。
このように構成することにより、複数の収穫袋55・55が野菜収容部18に保持されるので、一つの収穫袋55内に野菜がいっぱいになった場合でも、他の収穫袋55に野菜を収容することができるため、開口保持装置85から一つの収穫袋55を外して他の収穫袋55を保持するために作業を中断する必要がなく、連続的に作業ができる。
【0139】
本実施形態の野菜収穫機1においては、前記野菜搬送部17から前記開口保持装置85・85を左右二組配置し、左右の開口保持装置85・85・85・85の間で且つその上方に、搬送される野菜を右または左に切換えて誘導する切換装置87を備えるものである。
このように構成することにより、一つの収穫袋55内がいっぱいになると、切換装置87を操作して切換えることによって、他方の収穫袋55に野菜を収容することができるため、一方の開口保持装置85に一つの収穫袋55内に野菜を収容している間に、他方の開口保持装置85・85において、他の収穫袋に付け替えることができ、連続作業が容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0140】
14 走行部
17 野菜搬送部
18 野菜収容部
31 ガイドフレーム
50 コンテナ
51 支持体
53 挟持機構
55 収穫袋
82 受台装置
83 ガイド装置
85 開口保持装置
87 切換装置
C 角度
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体を走行させながら野菜を収穫する野菜収穫機に関する。詳しくは、圃場上の野菜を野菜収穫機の前部で掻き込んで、搬送装置により後方へ搬送し、当該搬送装置の後部で袋に野菜を収容するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、畝で生育した玉葱、馬鈴薯、甘藷等の野菜が畝から引きぬかれ、畝上に置かれた後、その畝上の野菜を野菜収穫機によって収穫することは知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に示す野菜収穫機は、機体最前部に掻き込み部が配設され、該掻き込み部の下方に野菜搬送部の前部が配置される。野菜搬送部は、前低後高に形設され収穫物(野菜)を斜め後方へ搬送する。その搬送部の最後部の下方に選別部が配設される。選別部の下方には、コンテナ搬送部が配設される。この構成において、野菜は、掻き込み部により掻き込まれて野菜搬送部に受け渡され、該野菜搬送部にて後方へ搬送される。さらに、野菜は、野菜搬送部の終端まで搬送された後、選別部に移送され、該選別部での選別後、コンテナ搬送部のコンテナ搬送台上にセットされるコンテナ中へ収容される。
【0004】
特許文献1における野菜収穫機では、コンテナに野菜を収容して、当該コンテナに野菜がいっぱいになると圃場に降ろし、後でコンテナを回収して持ち帰り、当該コンテナから袋や段ボール箱等に詰め替えて出荷していた。従って、出荷までの手間が多くかかるとともに、収穫量の多い圃場では、嵩高いコンテナを大量に必要としていた。さらに、野菜収穫機に備えるコンテナ台の大きさは限られるため、コンテナ台上に載せられるコンテナの数も限られ、広い圃場では、途中で収穫作業を中断して空コンテナを補充する必要があり、作業効率が悪くなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−61012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題は、野菜収穫機で直接収穫袋に野菜を収容するとともに、収穫した野菜を収穫袋内に容易に収容できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、走行部と、前記走行部の上部に配置される野菜搬送部と、前記野菜搬送部から搬送される野菜を収容する野菜収容部と、を備えて、前記走行部を駆動して機体を進行させながら野菜を収穫する野菜収穫機であって、前記野菜収容部は、前記野菜搬送部の後下方に配置して、搬送された野菜を収容する収穫袋を載置する受台装置と、前記受台装置の上方に配置して、収穫袋の上開口部を保持する開口保持装置と、を備えるものである。
【0009】
請求項2においては、前記開口保持装置は、収穫袋の開口部端を挟持または挟持作用を解除する挟持機構を備えるものである。
【0010】
請求項3においては、前記開口保持装置は、支持体を有し、当該支持体の他端は機体に対して、上下方向に回動可能に取り付けられるものである。
【0011】
請求項4においては、前記受台装置の野菜搬送部側に、収穫袋の側面を支持するガイド装置を備えるものである。
【0012】
請求項5においては、前記ガイド装置は、板状または棒状部材を折り曲げて形成されるガイドフレームを備え、当該ガイド装置は側面視で前記野菜搬送部側へと所定角度傾斜して構成させるものである。
【0013】
請求項6においては、前記野菜収容部は、左右方向または前後方向に複数組の開口保持装置を備え、当該複数組の開口保持装置は複数の収穫袋を保持するものである。
【0014】
請求項7においては、前記野菜搬送部から前記開口保持装置を左右二組配置し、左右の開口保持装置の間で且つその上方に、搬送される野菜を右または左に切換えて誘導する切換装置を備えるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
請求項1においては、野菜搬送部から搬送される野菜は、受台装置上に載置した収穫袋に順次収容され、いっぱいになると収穫袋のまま出荷できるようになり、出荷工数を低減できる。また、収穫袋は嵩低く畳むことができるため,野菜収穫機上に大量に載せることができ、収穫袋を補充することなく連続して大量の野菜を収穫することが可能となり、収穫作業を効率よく行うことができる。そして、コンテナをなくすことができるため、大量の空コンテナを保管する場所もなくすことができる。また、受台装置上方では、収穫袋の開口部は開口保持装置で保持されるので、作業者が収穫袋の開口部を保持することなく、野菜を収穫袋内に容易に収容できる。
【0017】
請求項2においては、挟持機構の操作により挟持部を解除操作して開き、収穫袋の開口端部を挿入し、把持部の開放で開口端部を挟持させることができ、容易に収穫袋を着脱することができる。
【0018】
請求項3においては、収穫袋内への野菜の収容途中で、収穫袋を保持した状態で上下方向に揺り動かすことができるので、隙間を少なくして野菜を収穫袋に詰め込むことができ、多くの野菜を収穫袋に収容することが可能となる。
収穫袋を開口保持装置に取り付けるときに、開口保持装置の可動範囲が広いため、容易に取り付けることができる。
【0019】
請求項4においては、収穫袋内に野菜が収容されたときに収穫袋をガイド装置にもたれさせることができ、野菜の荷重で開口保持装置から収穫袋が外れたり、落下したりすることがなく、収穫袋の起立性を保持することができ、収穫する野菜を収穫袋内に容易に収容できる。
【0020】
請求項5においては、収穫袋を斜めにガイド装置にもたれさせるので、安定した状態で起立させることができる。収穫袋が斜めになるので、折れ曲がることなく長い状態で受台装置上に載置でき、収穫袋いっぱいに詰め込むことができる。野菜搬送部の後端を低くすることができるため、前方視界を向上できる。収穫袋の開口部の高さを低くできるため、収穫袋内の視認性が向上し、収穫袋内の状況を容易に確認することができ、収穫した野菜を収穫袋内に容易に収容できる。
【0021】
請求項6においては、複数の収穫袋が野菜収容部に保持されるので、一つの収穫袋内に野菜がいっぱいになった場合でも、他の収穫袋に野菜を収容することができるため、開口保持装置から一つの収穫袋を外して他の収穫袋を保持するために作業を中断する必要がなく、連続的に作業ができる。
【0022】
請求項7においては、一つの収穫袋内がいっぱいになると、切換装置を操作して切換えることによって、他方の収穫袋に野菜を収容することができるため、一方の開口保持装置に一つの収穫袋内に野菜を収容している間に、他方の開口保持装置において、他の収穫袋に付け替えることができ、連続作業が容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る野菜収穫機の全体構成を示す右側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】同じく左側面図。
【図4】同じく背面図。
【図5】コンテナ掛およびその周辺を示す図、(a)右側のコンテナ掛およびコンテナを示す部分断面背面図、(b)右側のコンテナ掛およびその周辺を示す右側面図。
【図6】受台装置及びガイド装置の「使用位置」での状態を示す右側面図。
【図7】受台装置及びガイド装置の「収容位置」での状態を示す右側面図。
【図8】受台装置及びガイド装置の「使用位置」での状態を示す平面図。
【図9】同じく背面図。
【図10】(a)ガイド保持機構の右側面図、(b)右側のガイド保持機構の背面図。
【図11】切換装置の一部を取り除いた状態の野菜収容部を示す平面図。
【図12】最も右側の挟持機構を示す背面図。
【図13】同じく右側面図。
【図14】同じく平面図。
【図15】最も右側の挟持機構の挟持解除の方法を示す背面図。
【図16】切換装置を示す平面図。
【図17】ガイド保持機構が「使用位置」の状態から「収容位置」へ至るまでの経過を示す右側面図。
【図18】第一側部が第一当接部と第二当接部との間に挟持される状態を示す右側面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、図1を参照して、本発明の第一実施形態に係る野菜収容部18を備えた野菜収穫機1の全体的な構成について説明する。
尚、以下では本実施形態の野菜収穫機1によって収穫される野菜を甘藷として説明するが、本発明はこれに特に限定するものではなく、例えば、馬鈴薯、人参、または玉葱等の畝から引き抜かれて畝上に置かれている野菜であればよい。
以下の説明においては、図1に示した矢印Aの方向を野菜収穫機1の進行方向、つまり前方向として、前後左右方向を規定するものとする。
【0025】
野菜収穫機1は、畝上に置かれた甘藷を回収し、収穫袋55・55・・・に収容するために使用される収穫機である。
野菜収穫機1は、主として機体フレーム12、駆動部13、走行部14、操縦部15、野菜掻き込み部16、野菜搬送部17、野菜収容部18を具備する。
野菜掻き込み部16は、野菜収穫機1の最前部に配置され、野菜掻き込み部16の下方に野菜搬送部17の前部が連設される。そして、野菜搬送部17は、前低後高に形設され、その最後部の下方に野菜収容部18が連設される。
【0026】
畝から引き抜かれて畝上に置かれている甘藷は、野菜掻き込み部16により掻き込まれて野菜搬送部17に受け渡され、野菜搬送部17にて後方へ保持・搬送される。野菜搬送部17の終端まで搬送された甘藷は、野菜収容部18にセットされる収穫袋55中へ収容される。
【0027】
以下では、図1から図4を参照して、野菜収穫機1の各部の構成について説明する。
【0028】
機体フレーム12は、野菜収穫機1の主たる構造体となるものである。機体フレーム12は、長手方向を前後方向として、複数の板材により構成される略箱状の部材である。
【0029】
前記駆動部13は、エンジン131を有し、野菜収穫機1が駆動するための動力を発生する動力源である。エンジン131は、機体フレーム12の左後部に補助フレーム121を介して搭載される。
【0030】
走行部14は、左右一対のクローラ走行装置141・141によって構成される。クローラ走行装置141・141は、機体フレーム12を支持し、野菜収穫機1を走行可能とするものである。クローラ走行装置141・141は機体フレーム12の下部に配置され、前記エンジン131の動力により駆動される。ただし、走行部14をクローラで構成しているが、ホイール等で構成してもよい。
【0031】
操縦部15は、複数のレバー等を備え、オペレータによって野菜収穫機1の操縦が行われる部位である。図2及び図3に示すように、操縦部15は、前記駆動部13の上方で、機体フレーム12の最後部に後方へと突出するように配置される。操縦部15では、適宜のレバー操作等によって、クローラ走行装置141・141、野菜掻き込み部16、及び野菜搬送部17を別個に駆動できるように構成される。
【0032】
野菜掻き込み部16は、畝上に置かれている甘藷を掻き込んで野菜搬送部17に受け渡すための部位である。図1から図3に示すように、野菜掻き込み部16は、左右一対の支持アーム160・160、掻き込み駆動ケース161、掻き込み装置163等を具備する。
【0033】
支持アーム160・160は、掻き込み装置163を支持する部材である。支持アーム160・160は、その前端部で掻き込み装置163を挟み両側に左右一対に配置される。
支持アーム160の後端部は、回動支持部173にて、搬送駆動ケース171の後端部に枢支される。支持アーム160の前端部には、掻き込み装置163の駆動軸164が横架される。
【0034】
掻き込み駆動ケース161には、掻き込み装置163の動力伝達機構が内装され、当該動力伝達機構から動力を受けて駆動軸164が回転駆動されるようにしている。
【0035】
掻き込み装置163は、畝上の甘藷を搬送装置270上に案内するための装置である。掻き込み装置163は、支持アーム160・160の前端部に回転運動可能に支持される。掻き込み装置163は、主として駆動軸164、回転輪165・165、掻き込み体167・167・・・を具備する。
【0036】
回転輪165・165は駆動軸164に固定され、回転輪165・165の間に横架された支持軸168・168・・・には掻き込み体167・167・・・が回転可能に取り付けられる。支持軸168・168・・・に取り付けられた掻き込み体167・167・・・は、駆動軸164を中心として回転することができる。
【0037】
このような構成により、掻き込み装置163を畝に近づけた際に、野菜収穫機1の右側面から見て時計回りに掻き込み体167・167・・・を回転運動させることで、畝上に置かれた甘藷を掻き込み、連設される野菜搬送部17に案内することができる。
【0038】
野菜搬送部17は、野菜掻き込み部16から受け渡された甘藷を誘導装置86の上方まで搬送するための部位である。野菜搬送部17は主として左右一対の搬送駆動ケース171・171及び搬送装置270を備える。
【0039】
搬送駆動ケース171・171は、搬送装置270の動力伝達機構を内装するものである。搬送駆動ケース171・171は、搬送装置270の両側に左右一対に並設される。
搬送駆動ケース171の後端部は、回動支持部173に枢支される。回動支持部173は、機体フレーム12の支柱に連結される。また、搬送駆動ケース171と機体フレーム12との間には、油圧シリンダ172が枢結されており、油圧シリンダ172を動作させることによって、搬送駆動ケース171の機体フレーム12に対する相対高さを調整できる構成となっている。
【0040】
以下では、本実施形態に係る搬送装置270の構成について、図1から図4を参照して説明する。
図2に示すように、搬送装置270は、主として左右一対の駆動スプロケット271・271、駆動軸272、左右一対の従動ローラ273・273、無端帯として構成される左右一対の搬送チェーン275・275、該搬送チェーン275・275の間に横架される搬送部材(第一搬送部材276、第二搬送部材277)、及び搬送ガイド278・278によって構成される。
【0041】
駆動スプロケット271・271、従動ローラ273・273、及び搬送チェーン275・275は、搬送駆動ケース171・171に内装される。駆動スプロケット271・271は搬送駆動ケース171・171の後端部に左右一対に配置され、従動ローラ273・273は搬送駆動ケース171・171の前端部に左右一対に配置される。
【0042】
搬送駆動ケース171・171の後端部間には駆動軸272が軸受(不図示)を介して横架され、駆動軸272の左右両端部には駆動スプロケット271・271が固設される。
【0043】
従動ローラ273・273は、搬送駆動ケース171・171の前端部に、軸受(図示省略)を介して回動可能に支持される。
【0044】
搬送チェーン275・275は、駆動スプロケット271・271と従動ローラ273・273に巻き掛けられ、左右一対に配置される。このように構成することより、駆動スプロケット271・271が駆動装置(不図示)により回転駆動されると、これにともなって搬送チェーン275・275が回転駆動される。
【0045】
第一搬送部材276は略直線棒状の部材である。第一搬送部材276・276・・・は、搬送チェーン275・275の間に横架して、前後方向に所定間隔をあけて平行に並べることで簾状の搬送面を形成するように構成される。
【0046】
第二搬送部材277は、略直線棒状の部材を左右方向略中央部側が外周側に突出するように形成されたものである。第二搬送部材277は、所定本数をあけて第一搬送部材276の外周側に配置される。
つまり、搬送面上部の第二搬送部材277・277及び第一搬送部材276・276・・・によって側面視で凹部が形成され、甘藷が凹部内に入るように構成される。
【0047】
こうして、駆動スプロケット271・271を回転駆動することにより搬送チェーン275・275が回転駆動され、第一搬送部材276・276・・・及び第二搬送部材277・277・・・を搬送方向に向かって移動させる。
そして甘藷は、前記凹部に収容されて移動されることで野菜収容部18へと搬送することができる。
また、前記凹部よりも小さな甘藷(野菜)は、第一搬送部材276・276間で挟み込むことで野菜収容部18へと搬送することもできる。
【0048】
図1から図3に示すように、第一搬送部材276と第二搬送部材277とによって形成される無端帯の前記野菜搬送面の上方には、当該野菜搬送面の傾きに沿わせるようにして、搬送ガイド278・278が配置される。搬送装置270の下部において左右方向に幅広く載置された甘藷は、上方に搬送されるにしたがって搬送ガイド278・278によってガイドされ、搬送装置270の終端部においては、前記野菜搬送面の右側に集められる。
【0049】
作業部19は、搬送装置270の搬送面上の葉、ツルまたは傷物等の不要物を搬送装置270から取り除くための部位である。
作業部19は、主としてステップ191、座席192、安全フレーム193を備える。
【0050】
ステップ191は、作業者が座席192に乗り入れるための部位である。ステップ191は、前後方向を長手とする板上の部材であって、機体フレーム12の側部に支持部材を介して取り付けられる。
【0051】
座席192は、ステップ191の上面の前部、前後中央部、および後部の任意の位置に配置され、不要物の除去作業者が着座するためのものである。
【0052】
安全フレーム193は、座席192に着座した作業者が搬送装置270内に入り込まないようにガードするものである。
【0053】
また、作業者は、座席192・192に着座しながら、安全フレーム193を握ることで体を支えて、または、安全フレーム193・193にもたれることで、搬送装置270の搬送面を搬送される不良の甘藷や根や茎等の不要物の除去作業が容易に行えるようにしている。
【0054】
次に、図1から図5を用いて、本実施形態における野菜収容部18の構成について説明する。
【0055】
野菜収容部18は、搬送装置270から搬送される甘藷を収穫袋55に収容するための部位である。
野菜収容部18は、主として、コンテナ掛81、受台装置82、ガイド装置83、受台保持装置84、開口保持装置85、誘導装置86、切換装置87によって構成される。
【0056】
コンテナ掛81は、コンテナ50を保持し、当該コンテナ50内に空の収穫袋55・55・・・を収容して待機させるためのものである。コンテナ掛81は、機体後部の左右にそれぞれ配置される。
【0057】
コンテナ掛81は、図2に示すように、パイプなどの棒材を、平面視において機体外方に突出するように、側面視で略逆凹状に折り曲げ、さらに図5の(a)に示す後面視において、その左右中途部から機体外方側を上方に向かって垂直となるように、つまり、前面視または後面視において略L字状に折り曲げ、水平部81aと垂直部81bとを形成する。
図5に示すように、右側のコンテナ掛81の両端は、機体フレーム12の右後部の支柱123の上部側面に固定される。図4に示すように左側のコンテナ掛81の両端は、操縦部15の基板部151の左側面に固定される。
【0058】
よって、図5の(a)に示すように、コンテナ50は、その両側上部に指を挿入して容易に持てるようにするための開口部50aが形成され、該開口部50aの上部を水平部81aに当接させ、開口部50aの上方内側を垂直部81bに当接させ、さらに、コンテナ50の下外側を機体フレーム12の右側面または操縦部15の基板部151の左側面(図4参照)に当接させることで、コンテナ50を機体に容易に取り付けることができるように構成している。そして、機体に取り付けられたコンテナ50内に空の収穫袋55を収容するようにしている。但し、コンテナ掛81を設ける代わりに、空の収穫袋55を収容するためのケースを機体フレーム12の両側に取り付けたり、空の収穫袋55を載せるための載置台を設けたりすることも可能である。該ケースまたは載置台は着脱または折り畳み収容可能に構成する。
【0059】
次に、図6から図10を用いて受台装置82及びガイド装置83について説明する。
本実施形態の受台装置82及びガイド装置83の位置は、「使用位置」と「収容位置」とに切換可能に構成されている。
前者の「使用位置」とは、図6に示すように、受台装置82上に収穫袋55が載置可能な位置を意味する。
また、後者の「収容位置」とは、図7に示すように、受台装置82が、機体内側方へと回動し、占有空間を小さくした位置を意味する。例えば、野菜収穫機1を路上走行させたり、倉庫等に収容したりするときの状態である。
以下において、断りがない限り、構成部材の説明の際には「使用位置」での様態で説明する。
【0060】
受台装置82は、図6に示すように、甘藷を収容する収穫袋55を載置するための装置である。受台装置82は、機体フレーム12の右側後方に配置され(図1参照)、主として、受台フレーム21、受台板22、及び、受台取付機構23によって構成される。
【0061】
受台フレーム21は、パイプ等の棒材によって構成され、図8に示すように平面視において、後方に突出するように凹状に屈曲される。また、受台フレーム21は、図6に示すように、側面視において前部が前高後低となるように、前後中途部から後部にかけて略水平となるように屈曲されることで形成される。
【0062】
受台板22は、板状の部材を前記受台フレーム21の下部にその形状に沿うように折り曲げて、溶接等で固設されることで配置される。つまり、受台板22は、前部を略板体が前高後低の傾斜部22aと、中途部から後端にかけての水平部22bとなるように形成される。
【0063】
図8に示すように水平部22bには、複数の開口部22cが設けられており、受台板22に土等が附着してもその開口部22cから下方へと落とすことができる。
【0064】
受台取付機構23は、図6から図9に示すように、受台装置82全体を機体に取り付けるためのものであって、第一ステー23a、第二ステー23b、及び受台回動軸23cによって構成される。
【0065】
第一ステー23a・23aは、側面視において略三角形の板状の部材であり、受台板22の傾斜部22aの上部に左右一対となるように所定間隔をあけ、かつ、受台板22の板面に対して垂直に取り付けられる。第一ステー23aには、左右方向に開孔された第一受台挿通孔23dが形成される。
【0066】
第二ステー23b・23bは、略三角形の板状の部材であり、機体フレーム12の後部に前記第一ステー23a・23a間よりも若干短い間隔をあけ、かつ、機体フレーム12に対して垂直に取り付けられる。第二ステー23bには、左右方向に開孔された第二受台挿通孔23eが形成される。第二受台挿通孔23eは、受台装置82を機体に設置したときに、第一受台挿通孔23dと側面視で一致する位置に形成される。
【0067】
第一ステー23aと第二ステー23bとは、互いに重ね合わされて、受台回動軸23cによって回動自在に軸支される。つまり、受台回動軸23cは、第一ステー23aを貫通するとともに螺挿すること等によって、受台装置82が機体フレーム12に回動自在に固定される。
【0068】
さらに、受台装置82は、「使用位置」から前記受台回動軸23cを中心に、第一ステー23aが図6の矢印Bの方向に回動されることで、受台板22及び受台フレーム21を「収容位置」とすることができる。つまり、受台板22の水平部22bが略垂直となり、傾斜部22aが略水平方向となる。
【0069】
ガイド装置83は、受台装置82に載置(セット)された収穫袋55の前側面をもたれさせてガイドし、収穫袋55を前方へ傾けた斜めの状態で載置できるようにするためのものである。該収穫袋55を傾斜させて受台装置82に載置することで、野菜収容状態を安定させることができるとともに、収穫袋55の上開口部の高さを低くして、収穫袋55を長く伸ばした状態として収容量を多くすることができる。
ガイド装置83は、主として、ガイドフレーム31、ガイド保持機構32によって構成される。
【0070】
ガイドフレーム31は、パイプ等の棒材を適宜折り曲げることにより形成され、梁部31a及び柱部31b・31bを有する。
梁部31aは、左右方向を長手とし、受台板22の水平部22bに対して略水平に配置される。
柱部31b・31bは、梁部31aの左右両端辺を変化点として下方に折り曲げられることによって延設される部分である。柱部31b・31bの下端部は、それぞれガイド保持機構32を介して受台装置82の受台フレーム21の前後中途部に回動可能に支持される。
【0071】
従って、ガイドフレーム31は、背面視において、梁部31a及び柱部31b・31bによって、全体として略門状に形成される。
【0072】
さらに、ガイドフレーム31の柱部31b・31b間には、補強枠31c・31cが上下方向に所定間隔をあけて横設される。従って、ガイドフレーム31全体は、補強枠31c・31cによって、左右方向の外部圧力に対しての強化がなされる。但し、補強枠31c・31cの代わりに板材を横架しても構わない。
【0073】
ガイド保持機構32は、前記ガイドフレーム31全体を受台装置82に対して回動可能に支持するための機構である。ガイド保持機構32は、主として、ブラケット321、支持板322、ガイド回動軸323、第一規制部材324、第二規制部材325によって構成される。
【0074】
ブラケット321は、板状の部材を適宜折り曲げることにより形成され、第一側部321aと、第二側部321bとを有する。
図10に示すように、第一側部321aは、上下方向を長手とし、柱部31bの後部に溶接等によって固設される。
第二側部321bは、第一側部321aの一端辺から前方に折り曲げて延設される部分である。第二側部321bの上下略中央部には、左右方向に開孔され上下方向を長手とする長孔321cが形成される。
【0075】
従って、ブラケット321は、ガイドフレーム31の柱部31bの軸心方向から見て、全体として略L字状に形成される。
【0076】
支持板322は、板状の部材を適宜折り曲げることで、支持部322a及び取付部322bを有し、受台フレーム21の前後略中央に左右一対となるように配置される。
支持部322aは、側面視において上部が山型に形成され、受台板22の水平部22bに対して略垂直となるように受台フレーム21の前後略中央の上方に配置される。支持部322aには、前記長孔321cに対応するように左右方向に開孔された係止孔322cが形成される。
【0077】
取付部322bは、支持部322aの下端辺から略垂直に野菜収容部18の外方へと折り曲げられることによって延設される。
【0078】
ブラケット321と前記支持板322は、前記長孔321cと係止孔322cとが一致し、かつブラケット321の第二側部321bが支持板322の支持部322aの内側と重なるように、ガイド回動軸323で貫装され、さらにその両端をナット等で締結される。
【0079】
従って、ガイドフレーム31は、ブラケット321を介して、支持板322に対し、ガイド回動軸323を中心として回動自在に支持される。
【0080】
第一規制部材324は、「使用位置」においてガイドフレーム31の起立状態を保持するとともに、「収容位置」においてガイドフレーム31が受台装置82に対して略平行な状態を保持するための部材である。
【0081】
第一規制部材324は、板状の部材を適宜折り曲げることで形成され、水平部324a及び傾斜部324bを有する。
水平部324aは、略長方形に形成され、支持板322の近傍で、かつ、その底面を受台板22の水平部22bの上面に溶接等で固設される。
傾斜部324bは、水平部324aの前端辺から所定角度Cとなるように上方に折り曲げて延設される部分である。所定角度Cは、収穫袋55が前方へ倒れてもたれるように鈍角としている。
当該傾斜部324bは、その外側を支持板322の支持部322aの後側面(後部)に固設される。
従って、傾斜部324bと第一側部321aの下部とが当接することで、所定角度Cに傾斜したガイドフレーム31の起立状態が保持される。
【0082】
第二規制部材325は、第一側部321aを挟むように挿入して、ガイドフレーム31の「収容位置」を保持するための部材である。
【0083】
第二規制部材325は、支持部材325a及び押部材325dによって構成される。
支持部材325aは、板状部材を適宜折り曲げることにより形成され、第一当接部325b及び第一柱部325c・325cを有する。支持部材325aは、ブラケット321の前方の水平部22b上に配置される。
【0084】
第一当接部325bは、長方形に形成され受台板22の水平部22bに対して所定間隔をあけて略水平に配置される。
第一柱部325c・325cは、第一当接部325bの前後両端辺を変化点として下方に折り曲げられることによって延設される部分である。第一柱部325c・325cの下端部は、支持板322の前方で受台板22の水平部22bの上面に溶接等によって固設される。
【0085】
従って、支持部材325aは、側面視において略門状に形成される。
【0086】
一方、押部材325dは、板状部材を適宜折り曲げることにより形成され、第二当接部325e及び第二柱部325fを有する。押部材325dは、ブラケット321の前方の水平部22b上に配置される。
【0087】
第二当接部325eは、長方形に形成され第一当接部325bに対して略水平で上下方向に所定間隔をあけて配置される。
第二柱部325fは、第二当接部325eの前端辺を変化点として下方に折り曲げられることによって延設される部分である。第二柱部325fの下端部は、第一柱部325cの前方で受台板22の水平部22bの上面に溶接等によって固設される。
【0088】
従って、第二規制部材325は、側面視において第一当接部325bと第二当接部325eとの間に上下方向の隙間が形成され、当該隙間に第一側部321aを挿入できるようにしている。
【0089】
図6から図10に示すように、受台保持装置84は、受台装置82を「収容位置」に保持するための装置である。受台保持装置84は、主として、係止部材41、取付部材42、開口保持装置材43、保持回動軸44、及び受部材45によって構成される。
【0090】
係止部材41は、鉄棒等の棒材を側面視において略L字状に折り曲げることで所定の長さとなるように形成される。係止部材41の一端は、板状部材に挿通孔が形成された取付部材42が取り付けられる。
係止部材41の他端は、開放されており、受台装置82を「収容位置」とする際に、後述する受部材45と係合する。
【0091】
開口保持装置材43は、機体フレーム12に前記係止部材41を取り付けるための板状の部材である。開口保持装置材43は、その前端部を機体フレーム12の後側部に溶接等で固設される。
開口保持装置材43の後端部には、前記取付部材42の連通孔と一致するように同形の連通孔が形成される。
【0092】
保持回動軸44は、取付部材42と開口保持装置材43とをそれぞれの連通孔が一致するように、かつ、開口保持装置材43の右外側に取付部材42が重ね合わせられ状態で、連通孔に貫装され、さらにナット等で締結される。
【0093】
従って、係止部材41は、機体フレーム12に対して、保持回動軸44を中心として、回動可能に取り付けられる。
【0094】
受部材45は、板状の部材であって、受台フレーム21の右前側の上下中途部に機体外方へと突出すように取り付けられる。受部材45は、前記係止部材41の開放端が嵌装可能となる連通孔45aが形成される。
【0095】
従って、受台装置82は、受台回動軸23cを中心として前方に回動することで、「収容位置」とし、その位置状態を係止部材41の開放端が受部材45の連通孔45aに嵌挿されることで保持される。但し、受台保持装置84の構造は前記構成に限定するものではなく、機体フレーム12と受台装置82の何れか一方にフック等の係止部材、他方にリング等の被係止部材を設ける構成であればよい。
【0096】
以下に、図1から図4及び図11を用いて、開口保持装置85について説明する。
開口保持装置85は、受台装置82に載置された収穫袋55の上開口部側の上端を挟持して収穫袋55が開口した状態を保持するための装置である。開口保持装置85は、主として、支持体51、蝶番52、挟持機構53、形状保持手段54によって構成される。
【0097】
開口保持装置85の内、支持体51と蝶番52、挟持機構53をひとつのセットとして扱う。このセットは、一つの収穫袋55に対して左右に所定間隔をあけて一対となるように配置される。本実施形態においては、受台装置82に対して二つの収穫袋55・55を載置するため、前記セットが四つ配置される。
【0098】
支持体51・51・51・51は、前後方向を長手とする板状の部材であり、側面視において、略水平となるように配置される。その前端部は、左右方向を長手とする回動軸を有する蝶番52を介して、搬送装置270の後下方の機体フレーム12に所定間隔をあけて取り付けられる。
詳しくは、最も右に配置される支持体51と右から二番目の支持体51との間隔は、最も左に配置される支持体51と左から二番目との間隔と略同じであり、収穫袋55の幅よりも短く設定される。中央の二つ支持体51・51の間隔は、できるだけ短くして収穫袋55を左右に併置できるように配置される。
支持体51の後端部には、挟持機構53が取り付けられる。詳しくは、支持体51の後端部の下面に、それぞれ挟持機構53の上部が固設される。
【0099】
従って、挟持機構53は、蝶番52の回動軸を中心に支持体51を介して、上下方向に回動可能に支持される。
【0100】
形状保持手段54は、軟質ポリエチレンシート等の板材を適宜折り曲げることによって形成される。形状保持手段54の上部は、一対の支持体51・51の内側面に固設され、全体として、後部が開放された漏斗状に形成される。
【0101】
挟持機構53は、図12から図15に示すように、主として、受部材531、補助部材532、押部材533、緩衝材534、支持部材535、挟持回動軸536、付勢部材537によって構成される。
【0102】
受部材531は、板状の部材を適宜折り曲げることにより形成され、上部531a、当接部531b、支持部531cを有する。
上部531aは、平面視において略長方形の板状で支持体51に取り付けられる部分であり、受台板22の水平部22bに対して略水平に配置される。
当接部531bは、上部531aの一端辺を変化点として下方に折り曲げられることによって延設される部分である。当接部531bの下部は、上下中途部を変化点として、その外方へと折り曲げられる。
支持部531cは、上部531aの他端辺を変化点として下方に折り曲げられることによって延設される部分である。
【0103】
さらに、受部材531の上部531aの左右略中央部から支持部531cの上下中途部にかけて、後述する押部材533の一端が挿入可能な開口部531dが形成される。
【0104】
補助部材532は、板状の部材を適宜折り曲げることによって形成され、接着部532aと軸受部532b・532bとを有する。
接着部532aは、略長方形の板状の部材であり、その内面を前記受部材531の支持部531cの外面と当接させて溶接等で固設される。
軸受部532b・532bは、接着部532aの前後端辺を変化点として内方に折り曲げられることによって延設される部分である。軸受部532bは、前後方向に開孔された第一挟持挿通孔532cが形成される。
【0105】
押部材533は、上下方向を長手方向とする板状の部材を適宜折り曲げることで形成され、操作部533a、第一当接部533b、第二当接部533c、支持部533dを有する。
【0106】
操作部533aは、押部材533の上部を成し、前記受部材531の開口部531dに嵌挿可能となるように、側面視において開口部531dの前後幅よりも若干短い長さの前後幅となるように形成される。
第一当接部533bは、操作部533aの下端辺を変化点として受部材531の当接部531b側に折り曲げられることによって延設される部分である。第一当接部533bの上部の前後幅は、前記操作部533aの前後幅と同じとし、下部は、前記受部材531の前後幅よりも若干短く、全体として凸状となるように形成される。
第二当接部533cは、第一当接部533bの下端辺を変化点として下方に折り曲げられることによって延設される部分である。
支持部533dは、第二当接部533cの下端辺を変化点として補助部材532側に折り曲げられることによって延設される部材である。
【0107】
緩衝材534は、ゴム板等の弾性板材によって構成され、受部材531と押部材533によって収穫袋55を挟持するときの当接による衝撃を緩衝したり、その摩擦力によって収穫袋55を抜け難くしたりするための部材である。
緩衝材534は、前記押部材533の第一当接部533bの上下中途部から第二当接部533cの後端部にかけて、受部材531の当接部531b側に固設される。
【0108】
支持部材535は、前記押部材533を支持するための部材であって、板状の部材を適宜折り曲げることで形成され、軸受部535a・535aと底部535bとを有する。
【0109】
軸受部535a・535aは、後面視において長方形の板状の部材であって、軸受部532b・532bの外側面に沿うように所定間隔をおいて配置される。
軸受部535aには、前後方向に開孔された第二挟持挿通孔535c・535cが形成される。第二挟持挿通孔535cは、前記第一挟持挿通孔532cと背面視で一致する位置に形成される。
【0110】
底部535bは、前記軸受部535a・535aの後端間を横設して、補助部材532の下方に配置される部分である。
底部535bは、接着部532a側を切り欠くように形成されている。つまり、底部535bの左右幅は、軸受部535aの左右幅よりも短くなるように形成される。
さらに、底部535bの上面と押部材533である支持部533dの他端の下面とはボルトや溶接等によって固定される。
【0111】
そして、補助部材532と支持部材535とは、第一挟持挿通孔532cと第二挟持挿通孔535cとが一致するように、かつ補助部材532が支持部材535の内側となるように重ね合わせられた状態で、後述する付勢部材537が外嵌された挟持回動軸536が貫装される。さらに挟持回動軸536の両端はナット等で締結される。
【0112】
付勢部材537は、捩りバネによって構成され、挟持回動軸536に外嵌される。付勢部材537の一端は、受部材531の支持部531cに当接される。付勢部材537の他端は、押部材533の支持部533dに当接される。
従って、押部材533の第一当接部533bと第二当接部533cとの境界付近が、受部材531の当接部531b側へ回動するように付勢され、緩衝材534と当接部531bとの間に収穫袋55の開口部の一部が挟持可能となるように構成される。但し、挟持機構53の構成は前記機構に限定するものではなく、容易に挟持を解除でき収穫袋55の開口部の一部を挟持できる構成であればよい。
【0113】
以下に、図1から図4、図11および図16を用いて、誘導装置86および切換装置87について説明する。
誘導装置86は、搬送装置270から搬送される甘藷が収穫袋55内に落下し易くするためのものである。
誘導装置86は、主として、落下シュート61、及び袋シュート62によって構成される。
【0114】
落下シュート61は、搬送装置270の後端から落下する甘藷を受けて、その落下による衝撃を吸収するための部材である。落下シュート61は、ゴム板等の弾性部材を左右方向が長手となるように形成され、搬送装置270の最後端の下方の機体フレーム12に配置される。さらに落下シュート61の前部には左右方向に所定間隔をあけて複数の切れ目が形成される。当該切り目は、落下シュートの中途部から前端にかけて施されており、それによって、機体フレーム12の形状に無理なく配置することができる。
【0115】
袋シュート62は、搬送装置270の後端から落下する甘藷、または落下シュート61を経た甘藷を受けて、その衝撃を吸収するとともに、収穫袋55内に誘導するための部材である。
袋シュート62・62は、前後方向を長手とするゴム板等の弾性部材によって構成される。袋シュート62は、一つの収穫袋55に対して、一つ配置されるため、本実施形態においては、袋シュート62は、合計二つ配置される。袋シュート62・62の前端は、それぞれ落下シュート61の下方の機体フレーム12に所定間隔をあけて固設される。袋シュート62の前後中途部から後端にかけては、前記形状保持手段54の上部を覆うように配置される。
つまり、落下シュート61の前後長さは、前記形状保持手段54の開放端部よりも長くなるように形成される。
【0116】
従って、搬送装置270より搬送された甘藷が搬送装置270の後端部より前記落下シュート61へと落下する。落下シュート61によって、甘藷は落下時の衝撃を吸収されるとともに、後部の袋シュート62へと誘導される。さらに甘藷は、袋シュート62上面を転がることで、収穫袋55内へと誘導され、収穫袋55内へ収容される。
【0117】
切換装置87は、受台装置82にセットされた収穫袋55・55の内、甘藷を収容したい側の収穫袋55へ誘導するための装置である。切換装置87は、主として、切換回動部71、傾斜板72、緩衝板73、挟持部74、及び支持板75によって構成される。
【0118】
切換回動部71は、切換装置87を回動可能とするものである。切換回動部71は、軸受パイプ711及び切換回動軸712によって構成される。
軸受パイプ711は、前後方向を長手とする筒状の部材であって、前記袋シュート62・62の間で、搬送装置270の下方の機体フレーム12から後方に突出するように配置される。
切換回動軸712は、前記軸受パイプ711よりも長く軸受パイプ711の内径よりも若干小さな外径を有する棒状の部材である。切換回動軸712は、前記軸受パイプ711の軸心と同じ軸心となるように軸受パイプ711に内挿される。
切換回動軸712の前端は、軸受パイプ711の前端よりも突出するように配置され、軸受パイプ711の外径よりも若干大きな直径を有する抜け止めが形成される。切換回動軸712の後部は、軸受パイプ711よりも突出するように配置され、後述する傾斜板72の一端が溶接等によって固設される。
【0119】
傾斜板72は、金属板などの板状の部材であって、一対の支持体51・51の左右長さよりも、傾斜板72の左右長さが長くなるように形成される。
傾斜板72の一端は、前述のように溶接等によって前記切換回動軸712の後部に固設される。
【0120】
緩衝板73は、ゴム板など弾性部材を、前記傾斜板72の上下面に上下一対となるように配置される。緩衝板73は、傾斜板72の前端よりも突出するように形成され、さらに傾斜板72の両端よりも突出するように形成される。緩衝板73の切換回動軸712近傍側の一端は、切換回動軸712及び他方の支持体51の上部を覆い突出するように形成される。緩衝板73の後端は、傾斜部の後端部が見えるように配置される。切換回動軸712の近傍の傾斜板72には、その前部を左右に分断する切れ目が形成される。なお、緩衝板73・73と傾斜板72は所定箇所に留め具などで固定される。
【0121】
挟持部74は、作業者が手で握って切換装置87を左右回動することで切換操作を行ったり、甘藷が機体後方へと落下することを防止したりするための部材である。挟持部74は、ポール等の棒材を適宜折り曲げることによって形成され、第一挟持部741及び第二挟持部742・742を有する。
第一挟持部741は、左右方向を長手とし、傾斜板72の後端部対して所定間隔をあけて略水平に配置される。
第二挟持部742・742は、第一挟持部741の左右両端部を変化点として下方に折り曲げられることによって延設される部分である。第二挟持部742・742の下端部は傾斜板72の後端部に固設される。挟持部74は、背面視において傾斜板72を境に対称となるように、傾斜板72の上下面に配置される。
【0122】
支持板75は、緩衝板73を含む傾斜板72の他端を支持するための部材である。
支持板75の上端は、前記切換回動部71の上端よりも高くなるように、取付フレーム(不図示)を介して、操縦部15及び支柱123近傍の機体フレーム12に左右一対となるように配置される。
【0123】
従って、切換装置87は、一方の収穫袋55の開口部をその上方で閉塞可能とし、切換回動軸712を中心として左右方向に回動することで他方の収穫袋55の開口部の上方を閉塞可能とする。さらに、切換回動軸712と支持板75の上端の高低差によって、閉塞側の収穫袋55に落下しようとする甘藷を受けて、非閉塞側の収穫袋55へと落下させることが可能である。
【0124】
野菜収容部18の前記構成を踏まえて、以下に、本実施形態にかかる野菜収穫機1による収穫袋55への甘藷の収穫方法を図1から図4、図11及び図15を用いて説明する。
【0125】
収穫作業前に、作業者は、収穫袋55・55を受台装置82の受台板22上に左右に並べて載置する。そのとき、収穫袋55・55の前側部は、ガイド装置83のガイドフレーム31の傾斜角度Cに沿うように配置される。さらに、収穫袋55の前開口部は、その内側面に形状保持手段54が配置され、甘藷が収容し易い形状とされる。収穫袋55の開口部端は、開口保持装置85の挟持機構53によって挟持される。詳しくは、図15に示すように、作業者が、押部材533の操作部533aを図示右側に回動させることで、緩衝材534と当接部531bとの間に隙間を形成させる。そして、その隙間に収穫袋55の開口部端を配置させる。その後、作業者が押部材533から手を離すことで、付勢部材537によって、緩衝材534と当接部531bが再び元の位置に戻り、収穫袋55の開口部端が緩衝材534と当接部531bによって挟持される。その動作を配置された各挟持機構53・53・53・53において、行うことで、収穫袋55・55は、野菜収容部18にセットされる。
【0126】
野菜収容部18収穫袋55・55がセットされた後、野菜収穫機1は走行しながら甘藷を搬送装置270によってその後方へと搬送する。搬送装置270の後端から落下する甘藷は、落下シュート61介して、袋シュート62または切換装置87の緩衝板73に受け継がれることで収穫袋55内に収容される。
収穫袋55への甘藷の収容が続く中で、作業者が、適宜に蝶番52を中心として支持体51及び挟持機構53を上下方向に回動させる。つまり、収穫袋55を上下に揺することで、収穫袋55が上下に移動され、収穫袋55内の甘藷間の隙間が小さくなり収容量が増加する。つまり、隙間なく詰め込むことができる。
【0127】
一方の収穫袋55内に作業者の所望量(いっぱい)の甘藷が収容できれば、次に、作業者は、挟持部74を持ち、切換回動部71を中心として傾斜板72及び緩衝板73・73を他方の収穫袋55の上方から一方の収穫袋55上方に回動させる。よって、一方の収穫袋55には、切換装置87によって甘藷が誘導されず、他方の収穫袋55へと甘藷が誘導される。
【0128】
作業者は、再び、一方の甘藷が収容された収穫袋55を挟持する二箇所の挟持機構53の緩衝材534と当接部531bの挟持作用を解除させて、収穫袋55の開口部端を開放する。そして、収穫袋55の開口部を閉じて、受台板22から圃場へと甘藷が収容された収穫袋55を降ろす。
作業者は、コンテナ50から新たな収穫袋55を取り出して、再び、野菜収容部18に設置する。
【0129】
前記の作業を繰り返すことで、収穫作業を停止することなく、連続して甘藷の収容作業を行うことができる。
なお、本実施形態の収穫袋55は紙袋(米袋)を用いているが、布袋や合成樹脂製袋等を用いることも可能である。また、収穫袋55は左右に二組設けているが三組以上設けて収容を切換える構成とすることも可能である。また、収穫袋55は左右方向に保持する構成としているが、前後方向に保持する構成とすることも可能である。また、コンバインで使用する籾袋を用いる場合には、挟持機構53を用いる代わりに、籾袋の開口側の両側に設けた挿通孔に通すための左右一対の棒材を後方へ二組突出し、その間に切換装置87を配置する構成とする。
【0130】
次に、図6、図7、及び図17、図18を用いて受台装置82及びガイド装置83を「使用位置」から「収容位置」にする方法を説明する。
【0131】
ガイド装置83が受台装置82に対して伏せる状態とするために、以下の手順を行う。
先ず、図6に示す「使用位置」の状態から、図17の(a)に示すように、長孔321cにガイド回動軸323が沿うように、ガイドフレーム31を上方へと引き上げる(図中の太矢印参照)。そして、図17の(b)に示すように、ガイド回動軸323を中心として、ガイドフレーム31を後方へと回動させ(図中の太矢印参照)、ブラケット321の第一側部321aを、第一規制部材324の傾斜部324bの上端と当接させる。つまり、第一側部321aは、水平部324aと略水平となるように、傾斜部324bの上端に載せた状態とする。
さらに、図18に示すように、長孔321cにガイド回動軸323が沿うように、ガイドフレームを前方へと押すことで(図中の太矢印参照)、ブラケット321の第一側部321aが、第二規制部材325の第一当接部325bと第二当接部325eとの間に挿入される。
【0132】
ガイド装置83が受台装置82に対して伏せる状態となった後、図7の太矢印に示すように、受台装置82及びガイド装置83が、受台回動軸23cを中心として、回動されることによって、「収容位置」の状態となる。
さらに、その「収容位置」の状態を係止部材41の開放端が受部材45の連通孔に嵌挿されることで保持される。
【0133】
以上の如く、本実施形態の野菜収穫機1は、走行部14と、前記走行部14の上部に配置される野菜搬送部17と、前記野菜搬送部17から搬送される野菜を収容する野菜収容部18と、を備えて、前記走行部14を駆動して機体を進行させながら野菜を収穫する野菜収穫機1であって、前記野菜収容部18は、前記野菜搬送部17の後下方に配置して、搬送された野菜を収容する収穫袋55を載置する受台装置82と、前記受台装置82の上方に配置して、収穫袋55の上開口部を保持する開口保持装置85と、を備えるものである。
このように構成することにより、野菜搬送部17から搬送される野菜は、受台装置82上に載置した収穫袋55に順次収容され、いっぱいになると収穫袋55のまま出荷できるようになり、出荷工数を低減できる。また、収穫袋55は嵩低く畳むことができるため,野菜収穫機1上に大量に載せることができ、収穫袋55を補充することなく連続して大量の野菜を収穫することが可能となり、収穫作業を効率よく行うことができる。そして、コンテナ50をなくすことができるため、大量の空コンテナ50を保管する場所もなくすことができる。また、受台装置82上方では、収穫袋55の開口部は開口保持装置85で保持されるので、作業者が収穫袋55の開口部を保持することなく、野菜を収穫袋55内に容易に収容できる。
【0134】
本実施形態の野菜収穫機1において、前記開口保持装置85は、収穫袋55の開口部端を挟持または挟持作用を解除する挟持機構53を備えるものである。
このように構成することにより、挟持機構53の操作により挟持部を解除操作して開き、収穫袋55の開口端部を挿入し、挟持機構53の開放で開口端部を挟持させることができ、容易に収穫袋55を着脱することができる。
【0135】
本実施形態の野菜収穫機1においては、前記開口保持装置85は、支持体51を有し、当該支持体51の他端は機体に対して、上下方向に回動可能に取り付けられるものである。
このように構成することにより、収穫袋55内への野菜の収容途中で、収穫袋55を保持した状態で上下方向に揺り動かすことができるので、隙間を少なくして野菜を収穫袋55に詰め込むことができ、多くの野菜を収穫袋55に収容することが可能となる。収穫袋55を開口保持装置85に取り付けるときに、開口保持装置85の可動範囲が広いため、容易に取り付けることができる。
【0136】
本実施形態の野菜収穫機1においては、前記受台装置82の野菜搬送部17側に、収穫袋55の側面を支持するガイド装置83を備えるものである。
このように構成することにより、収穫袋55内に野菜が収容されたときに収穫袋55をガイド装置83にもたれさせることができ、野菜の荷重で開口保持装置85から収穫袋55が外れたり、落下したりすることがなく、収穫袋55の起立性を保持することができ、収穫する野菜を収穫袋55内に容易に収容できる。
【0137】
本実施形態の野菜収穫機1においては、前記ガイド装置83は、板状または棒状部材を折り曲げて形成されるガイドフレーム31を備え、当該ガイド装置83は側面視で前記野菜搬送部17側へと所定角度C傾斜して構成させるものである。
このように構成することにより、収穫袋55を斜めにガイド装置83にもたれさせるので、安定した状態で起立させることができる。収穫袋55が斜めになるので、折れ曲がることなく長い状態で受台装置82上に載置でき、収穫袋55いっぱいに詰め込むことができる。野菜搬送部17の後端を低くすることができるため、前方視界を向上できる。収穫袋55の開口部の高さを低くできるため、収穫袋55内の視認性が向上し、収穫袋55内の状況を容易に確認することができる。
【0138】
本実施形態の野菜収穫機1においては、前記野菜収容部18は、左右方向または前後方向に複数組の開口保持装置85・85・85・85を備え、当該複数組の開口保持装置85・85・85・85は複数の収穫袋55・55を保持するものである。
このように構成することにより、複数の収穫袋55・55が野菜収容部18に保持されるので、一つの収穫袋55内に野菜がいっぱいになった場合でも、他の収穫袋55に野菜を収容することができるため、開口保持装置85から一つの収穫袋55を外して他の収穫袋55を保持するために作業を中断する必要がなく、連続的に作業ができる。
【0139】
本実施形態の野菜収穫機1においては、前記野菜搬送部17から前記開口保持装置85・85を左右二組配置し、左右の開口保持装置85・85・85・85の間で且つその上方に、搬送される野菜を右または左に切換えて誘導する切換装置87を備えるものである。
このように構成することにより、一つの収穫袋55内がいっぱいになると、切換装置87を操作して切換えることによって、他方の収穫袋55に野菜を収容することができるため、一方の開口保持装置85に一つの収穫袋55内に野菜を収容している間に、他方の開口保持装置85・85において、他の収穫袋に付け替えることができ、連続作業が容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0140】
14 走行部
17 野菜搬送部
18 野菜収容部
31 ガイドフレーム
50 コンテナ
51 支持体
53 挟持機構
55 収穫袋
82 受台装置
83 ガイド装置
85 開口保持装置
87 切換装置
C 角度
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行部と、前記走行部の上部に配置される野菜搬送部と、前記野菜搬送部から搬送される野菜を収容する野菜収容部と、を備えて、前記走行部を駆動して機体を進行させながら野菜を収穫する野菜収穫機であって、
前記野菜収容部は、
前記野菜搬送部の後下方に配置して、搬送された野菜を収容する収穫袋を載置する受台装置と、
前記受台装置の上方に配置して、収穫袋の上開口部を保持する開口保持装置と、を備えることを特徴とする野菜収穫機。
【請求項2】
前記開口保持装置は、収穫袋の開口部端を挟持または挟持作用を解除する挟持機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の野菜収穫機。
【請求項3】
前記開口保持装置は、支持体を有し、
当該支持体の他端は機体に対して、上下方向に回動可能に取り付けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の野菜収穫機。
【請求項4】
前記受台装置の野菜搬送部側に、収穫袋の側面を支持するガイド装置を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の野菜収穫機。
【請求項5】
前記ガイド装置は、板状または棒状部材を折り曲げて形成されるガイドフレームを備え、
当該ガイド装置は側面視で前記野菜搬送部側へと所定角度傾斜して構成させることを特徴とする請求項4に記載の野菜収穫機。
【請求項6】
前記野菜収容部は、左右方向または前後方向に複数組の開口保持装置を備え、
当該複数組の開口保持装置は複数の収穫袋を保持することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の野菜収穫機。
【請求項7】
前記野菜搬送部から前記開口保持装置を左右二組配置し、左右の開口保持装置の間で且つその上方に、搬送される野菜を右または左に切換えて誘導する切換装置を備える、ことを特徴とする請求項6に記載の野菜収穫機。
【請求項1】
走行部と、前記走行部の上部に配置される野菜搬送部と、前記野菜搬送部から搬送される野菜を収容する野菜収容部と、を備えて、前記走行部を駆動して機体を進行させながら野菜を収穫する野菜収穫機であって、
前記野菜収容部は、
前記野菜搬送部の後下方に配置して、搬送された野菜を収容する収穫袋を載置する受台装置と、
前記受台装置の上方に配置して、収穫袋の上開口部を保持する開口保持装置と、を備えることを特徴とする野菜収穫機。
【請求項2】
前記開口保持装置は、収穫袋の開口部端を挟持または挟持作用を解除する挟持機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の野菜収穫機。
【請求項3】
前記開口保持装置は、支持体を有し、
当該支持体の他端は機体に対して、上下方向に回動可能に取り付けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の野菜収穫機。
【請求項4】
前記受台装置の野菜搬送部側に、収穫袋の側面を支持するガイド装置を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の野菜収穫機。
【請求項5】
前記ガイド装置は、板状または棒状部材を折り曲げて形成されるガイドフレームを備え、
当該ガイド装置は側面視で前記野菜搬送部側へと所定角度傾斜して構成させることを特徴とする請求項4に記載の野菜収穫機。
【請求項6】
前記野菜収容部は、左右方向または前後方向に複数組の開口保持装置を備え、
当該複数組の開口保持装置は複数の収穫袋を保持することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の野菜収穫機。
【請求項7】
前記野菜搬送部から前記開口保持装置を左右二組配置し、左右の開口保持装置の間で且つその上方に、搬送される野菜を右または左に切換えて誘導する切換装置を備える、ことを特徴とする請求項6に記載の野菜収穫機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−160701(P2011−160701A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−25587(P2010−25587)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(391025914)八鹿鉄工株式会社 (131)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(391025914)八鹿鉄工株式会社 (131)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
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