説明

野菜収穫機

【課題】収穫作業時の作業性を向上させることができる野菜収穫機を提供することを課題とする。
【解決手段】前進しながら、甘藷を収穫する野菜収穫機であって、甘藷を機体の前方から後方へ搬送する搬送部と、甘藷を掻き込みながら搬送部の搬送始端部に送る掻込部と、搬送部から前方へ突出されて、甘藷を搬送部の搬送始端部に向かって移動させるデバイダ100と、を備え、デバイダ100は、先端から後方へ向かって略水平に延びる水平部100aを上部に備え、先端から後方へ向かって下方に傾斜する傾斜部100bを下部に備えて、側面視で先端に向かって先細る形状を有するものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体を走行させながら野菜を収穫する野菜収穫機に関する。詳しくは、本発明は、収穫時に畝から引き抜かれて畝上に置かれている野菜を収集するために用いるデバイダの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、畝から引き抜かれて、又は掘り起こされて畝上に置かれた甘藷、玉葱、馬鈴薯等の野菜を収穫する野菜収穫機は公知となっている。例えば、特許文献1の野菜収穫機は、機体最前部に掻込部を配設して、掻込部の後方に搬送部を配置し、掻込部の左右両側方であって搬送部の前部に図9(b)に示すようなデバイダ200を連設している。そして、この野菜収穫機は、収穫時に機体を走行させる際、デバイダ200によって茎葉、特につるを分草しながら畝上に置かれた野菜を掻込部に案内し、掻込部によって掻き込んだ野菜を搬送部に引き渡し、搬送部によって野菜を搬送するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−61010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1のような野菜収穫機においては、図9(b)に示すように、デバイダ200が側面視台形状に形成されていた。そして、デバイダ200の前部(前辺)200bが後傾状(後ろ上がりの傾斜状)に形成され、下部が棒状に形成されていた。そして、デバイダ200の上部部材は、上後部が機体後方へ向かって徐々に幅が広がる形状に形成されていた。
【0005】
また、この野菜収穫機による収穫作業の前に、野菜は圃場で畝から引き抜かれる、又は掘り起こされる。そして、つるは予め野菜から切断されて、そのまま畝間付近に放置されていた。
【0006】
そのため、野菜収穫機の収穫作業中に、畝間付近に放置されたつるが、デバイダ200の前部200bによって押されて、図9(b)における黒塗り矢印のように持ち上げられ、デバイダ200の前方に溜まって、収穫作業を行うことができなくなる場合があった。したがって、収穫作業を継続するためには、つるを溜まるたびに除去しなければならず、作業性が良くなかった。
【0007】
そこで、本発明は係る課題に鑑み、収穫作業時の作業性を向上させることができる野菜収穫機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、前進しながら、野菜を収穫する野菜収穫機であって、野菜を機体の前方から後方へ搬送する搬送部と、野菜を掻き込みながら前記搬送部の搬送始端部に送る掻込部と、前記搬送部から前方へ突出されて、野菜を前記搬送部の搬送始端部に向かって移動させるデバイダと、を備え、前記デバイダは、先端から後方へ向かって略水平に延びる水平部を上部に備え、前記先端から後方へ向かって下方に傾斜する傾斜部を下部に備えて、側面視で先端に向かって先細る形状を有するものである。
【0010】
請求項2においては、前記デバイダは、平面視で先端に向かって先細る形状を有するそり部を底部に備えるものである。
【0011】
請求項3においては、前記デバイダは、野菜を前記搬送部の搬送始端部側へ案内する案内部を前記前進方向に対して直交する直交方向において機体内側に備え、前記搬送部の前記直交方向の機体外側に配置されるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0013】
請求項1においては、野菜収穫機が圃場で前進しながら野菜を収穫する場合に、野菜がデバイダに案内されて搬送部の搬送始端部に向かって移動すると同時に、予め野菜から切断されている茎葉、特につるがデバイダの下方へ案内され、つづいてデバイダ自体の後方へ流されることになる。したがって、野菜の収穫作業時につるがデバイダの前部付近に溜まるのを抑制して、作業性を向上させることができる。
【0014】
請求項2においては、デバイダの傾斜部がそり部を含めて構成されることになる。そのため、つるがデバイダにより後方へ案内される際に、そり部により前方から後方へ円滑に案内されることになる。したがって、つるがデバイダの前部付近に溜まるのを確実に抑制して、作業性を向上させることができる。
【0015】
請求項3においては、野菜がデバイダの案内部により搬送部の搬送始端部側に案内されて、搬送部の搬送始端部に向かって移動しやすくなる。したがって、甘藷をより効率よく収穫することができ、ひいては収穫作業時の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る野菜収穫機の全体構成を示す左側面図。
【図2】本発明の一実施形態に係る野菜収穫機の全体構成を示す右側面図。
【図3】本発明の一実施形態に係る野菜収穫機の全体構成を示す平面図。
【図4】本発明の一実施形態に係るデバイダの構成を示す斜視図。
【図5】本発明の一実施形態に係るデバイダの構成を示す左側面図。
【図6】本発明の一実施形態に係るデバイダの構成を示す右側面図。
【図7】本発明の一実施形態に係るデバイダの構成を示す平面図。
【図8】本発明の一実施形態に係るデバイダの構成を示す底面図。
【図9】(a)本発明の一実施形態に係るデバイダに対するつるの流れを示す図。(b)従来のデバイダに対するつるの流れを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、本発明の第一実施形態に係る野菜収穫機1の全体的な構成について説明する。
なお、図1から図3に示した矢印Aの方向を野菜収穫機1の前方向とする。
【0018】
以下では、野菜収穫機1が収穫する野菜は、本実施形態においては甘藷としているが、これに限定するものではなく、収穫前に畝から引き抜かれて畝上に置かれる、馬鈴薯、人参、玉葱等の野菜(根菜)であってもよい。
【0019】
図1から図3に示すように、野菜収穫機1は、前進しながら、畝上に置かれた甘藷を収穫するものである。野菜収穫機1は、機体フレーム2、駆動部3、走行部4、操縦部5、掻込部6、搬送部7、デバイダ100、収容部8及び作業部9を備える。
【0020】
機体フレーム2は、複数の板材により構成される略箱状に構成される。機体フレーム2は、長手方向を前後方向として配置される。
【0021】
駆動部3は、エンジン31を有する。エンジン31は、機体フレーム2の左後部に補助フレーム32を介して搭載される。
【0022】
走行部4は、野菜収穫機1を走行可能とするものである。走行部4は、左右一対のクローラ走行装置41・41を有する。左右のクローラ走行装置41・41は、それぞれ機体フレーム2の左または右側に設けられて、機体フレーム2を支持する。
【0023】
左右のクローラ走行装置41・41は、エンジン31の動力により駆動する。左右のクローラ走行装置41・41が駆動することにより、野菜収穫機1が走行して、前進することが可能となる。なお、走行部4はホイール等を用いて構成してもよい。
【0024】
操縦部5は、野菜収穫機1を操縦可能とするものである。操縦部5は、複数のレバー等を有する。操縦部5は、駆動部3の上方に配置されて、機体フレーム2の最後部に後方へ突出するように設けられる。操縦部5は、レバー等が操作されることにより、その操作に応じてクローラ走行装置41・41、掻込部6、及び搬送部7を駆動させることができるように構成される。
【0025】
掻込部6は、収穫作業時に畝上に置かれている甘藷を掻き込みながら搬送部7の搬送始端部に送るものである。掻込部6は、機体の前部であって、走行部4の前上方に配置される。掻込部6は、掻込装置63を有する。掻込装置63は、左右一対の支持アーム60・60に支持されるとともに、掻込駆動ケース61に連結される。
【0026】
左右の支持アーム60・60は、掻込装置63を支持する部材である。左右の支持アーム60・60は、それぞれ前後方向に延設される。左右の支持アーム60・60は、それぞれ走行部4の左又は右のクローラ走行装置41・41の上方付近であって、搬送部7の搬送駆動ケース71の左又は右側方に配置される。
【0027】
左右の支持アーム60・60の前端部は、それぞれ掻込装置63の左又は右側方に配置されて、掻込装置63を左右両側から挟むように支持する。左右の支持アーム60・60の後端部は、それぞれ搬送駆動ケース71の後端部の左又は右側方に配置されて、搬送駆動ケース71の後端部に回動支持部62により枢支される。支持アーム60の前端部には、掻込装置63の駆動軸64が左右方向に横架される。
【0028】
掻込駆動ケース61は、前後方向に延設され、左の支持アーム60の左側方に配置される。掻込駆動ケース61には、掻込装置63の動力伝達機構が内装される。この動力伝達機構は、動力を駆動軸64に伝達して、この駆動軸64を回転駆動することができるように構成される。
【0029】
掻込装置63は、畝上の甘藷を掻き込んで、搬送装置170に案内する装置である。掻込装置63は、デバイダ100とともに野菜収穫機1の前部に配置される。掻込装置63は、左右の支持アーム60・60の前端部間で左右方向に延設されて、これらの前端部に回転運動可能に支持される。掻込装置63は、駆動軸64、回転輪65・65、掻込体66・66・・・、支持軸67・67・・・を具備する。
【0030】
回転輪65・65は、左右方向に延在する駆動軸64に周方向に所定間隔ごとに固定される。回転輪65・65の間に横架された支持軸67・67・・・には、掻込体66・66・・・が回転可能に取り付けられる。支持軸67・67・・・に取り付けられた掻込体66・66・・・は、駆動軸64を中心として回転可能となる。
【0031】
このような構成により、掻込部6が駆動して、掻込装置63の掻込体66・66・・・が野菜収穫機1の右側面から見て時計回りに回転運動している場合に、掻込装置63が畝に近づくと、畝上に置かれた甘藷が掻き込まれて、搬送部7の搬送始端部に案内されながら送られることになる。
【0032】
搬送部7は、収穫作業時に掻込部6から送られてくる甘藷を前端部、即ち搬送始端部で受け継ぎ、機体の前方から後方へ搬送するためのものである。搬送部7は、搬送始端部が掻込部6の下方に位置するように前低後高の傾斜状に配置され、機体の略全幅にわたって前後方向に延設される。
搬送部7は、左右一対の搬送駆動ケース71・71及び搬送装置170を備える。
【0033】
搬送駆動ケース71・71は、搬送装置170の動力伝達機構を内装するものである。搬送駆動ケース71・71は、搬送装置170の両側に左右一対に並置される。
搬送駆動ケース71の後端部は、回動支持部73に枢支される。回動支持部73は、機体フレーム2の支柱21に連結される。
また、搬送駆動ケース71と機体フレーム2との間には、油圧シリンダ72が介設される。この油圧シリンダ72が伸縮動作することによって、搬送駆動ケース71の機体フレーム2に対する相対高さが調整可能となっている。
【0034】
搬送装置170は、左右一対の駆動スプロケット171・171、駆動軸172、左右一対の従動ローラ173・173、左右一対の無端帯状の搬送チェーン174・174、該搬送チェーン174・174の間に横架される搬送部材(第一搬送部材175、第二搬送部材176)、及び搬送ガイド177・177から構成される。
【0035】
駆動スプロケット171・171、従動ローラ173・173、及び搬送チェーン174・174は、搬送駆動ケース71・71に内装される。駆動スプロケット171・171は搬送駆動ケース71・71の後端部に左右一対に配置され、従動ローラ173・173は搬送駆動ケース71・71の前端部に左右一対に配置される。
【0036】
駆動スプロケット171・171は、搬送駆動ケース71・71の後端部に、軸受(不図示)を介して回動可能に支持される。
【0037】
駆動軸172は、搬送駆動ケース71・71の後端部間に、軸受(不図示)を介して横架される。駆動軸172の左右両端部には、駆動スプロケット171・171が固設される。
【0038】
従動ローラ173・173は、搬送駆動ケース71・71の前端部に、軸受(不図示)を介して回動可能に支持される。
【0039】
搬送チェーン174・174は、駆動スプロケット171・171と従動ローラ173・173に巻き掛けられ、左右一対に配置される。このような構成により、駆動スプロケット171・171が駆動装置(不図示)により回転駆動されると、これにともなって搬送チェーン174・174が回転駆動する。
【0040】
第一搬送部材175は、略直線棒状の部材である。第一搬送部材175・175・・・は、搬送チェーン174・174の間に横架されて、前後方向に所定間隔をあけて平行に並べられる。これらの第一搬送部材175・175・・・により、搬送部7の甘藷に対して作用する搬送面が簾状に形成される。
【0041】
第二搬送部材176は、略直線棒状の部材を左右方向略中央部側が外周側に突出するように形成されたものである。第二搬送部材176は、所定本数をあけて第一搬送部材175の外周側に配置される。
つまり、搬送面上部の第二搬送部材176・176及び第一搬送部材175・175・・・によって側面視で凹部が形成され、掻込部6から送られてきた甘藷が凹部内に入るように構成される。
【0042】
このような構成により、搬送部7が駆動して、駆動スプロケット171・171が回転駆動することによって、搬送チェーン174・174が回転駆動する。この回転駆動にともなって、第一搬送部材175・175・・・及び第二搬送部材176・176・・・が移動し、搬送部7の搬送面が搬送方向終端部に向かって移動する。その結果、甘藷が前記凹部に収納された状態で搬送部7の搬送始端部から後方の収容部8へ搬送されることになる。また、前記凹部よりも小さな甘藷は、第一搬送部材175・175間に挟み込まれた状態で収容部8へ搬送されることになる。
【0043】
搬送ガイド177・177は、甘藷の搬送方向を案内する部材である。搬送ガイド177・177は、第一搬送部材175と第二搬送部材176とによって形成される無端帯の前記搬送面の上方に、当該搬送面の傾きに沿わせるようにして配置される。搬送装置170の下部において左右方向に幅広く載置された甘藷は、搬送方向下流側(上方)に搬送されるに従って搬送ガイド177・177によりガイドされ、搬送装置170の搬送終端部においては、前記搬送面の右側に寄せられる。
【0044】
デバイダ100は、畝上に置かれた甘藷の一部を案内して搬送部7の搬送始端部に向かって移動させる部材である。デバイダ100は、機体の前進方向に対して直交する直交方向、即ち左右方向に一対備えられる。左右のデバイダ100は、それぞれ搬送部7の左右方向における機体外側であって、クローラ走行装置41・41の前方付近に配置される。
【0045】
また、左右のデバイダ100は、それぞれ掻込部6の掻込装置63の下方であって、掻込装置63よりも左右外側に配置される。各デバイダ100は、前端(先端)が掻込装置63の前端部よりも前方に位置するように、搬送部7の前部から前方へ突出される。こうして、左右のデバイダ100は、野菜収穫機1の最前部に備えられる。
【0046】
収容部8は、搬送装置170から搬送される甘藷を収穫袋85に収容するためのものである。収容部8は、搬送部7の搬送終端部の下方に配置される。
収容部8は、コンテナ掛81、受台装置82、ガイド装置83を有する。
【0047】
コンテナ掛81は、コンテナ86を保持し、当該コンテナ86内に空の収穫袋85・85・・・を収容して待機させるためのものである。コンテナ掛81は、機体後部の左右にそれぞれ配置される。
【0048】
受台装置82は、甘藷を収容する収穫袋85を載置するための装置である。受台装置82は、機体フレーム12の右側後方に配置される。受台装置82は、パイプ等の棒材によって構成され、平面視において、後方に突出するように凹状に屈曲される。また、受台装置82は、側面視において前部が前高後低の傾斜状となり、前後中途部から後部にかけて略水平となるように形成される。
【0049】
ガイド装置83は、受台装置82に載置(セット)された収穫袋85の前側面をもたれさせてガイドし、収穫袋85を前方へ傾けた斜めの状態で載置できるようにするためのものである。ガイド装置83は、収穫袋85を傾斜させて受台装置82に載置することで、甘藷収納状態で安定させることができるとともに、上開口部の高さを低くして、収穫袋85を長く伸ばした状態として収納量を多くすることができるように構成される。
【0050】
作業部9は、搬送装置170の搬送面上の葉、蔓または傷物等の不要物を搬送装置170から取り除くためのものである。
作業部9は、主としてステップ91、座席92、支持フレーム93を備える。
【0051】
ステップ91は、選別作業者が座席92に乗り入れるためのものである。ステップ91は、前後方向を長手とする板状の部材であって、機体フレーム2の側部に支持部材を介して取り付けられる。
【0052】
座席92は、ステップ91上で前後取付位置を変更可能としてステップ91上に固定され、不要物を除去する選別作業者が着座するためのものである。
【0053】
支持フレーム93は、座席92に着座した選別作業者が搬送装置170内に入り込まないようにガードするものである。
【0054】
作業部9において、選別作業者は、座席92・92に着座しながら、支持フレーム93を握ることで体を支えて、または、支持フレーム93・93にもたれることで、搬送装置170の搬送面を搬送される前記不要物の除去作業を容易に行うことができるようになっている。
【0055】
次に、左右のデバイダ100・100の構成について詳細に説明する。ただし、左右のデバイダ100・100は左右対称であるので、以下では左のデバイダ100についてのみ説明する。
【0056】
図4から図8に示すように、左のデバイダ100は、支持部101と、上補強部102と、下補強部103と、そり部106と、案内部110とを備える。左のデバイダ100においては、その機体外側が左側となり、搬送部7や掻込部6がある機体内側が右側となる。
【0057】
支持部101は、平板状の部材から構成される。支持部101は、その板面を左右方向に向けて配置され、前後方向に延設される。図9(a)に示すように、支持部101は、その長手方向一端部、即ち後端部で搬送部7の搬送駆動ケース71の前部にボルトにより固定されて、この搬送駆動ケース71に前方へ突出する突出姿勢で保持される。
【0058】
なお、支持部101は、前記ボルトを挿通させる孔として図示しない長孔を有し、この長孔により搬送駆動ケース71に上下又は前後位置を微調節可能に保持される。この微調節は、例えば圃場の状態に応じて行われる。
【0059】
支持部101は、デバイダ100の側面視において、前端側の上下幅が短く、後端側の上下幅が前端側の上下幅よりも長くなるように、幅広状の後端から前端(先端)に向かって先細状に形成される。その上で、支持部101は、その上部が前後方向に略水平状態に延び、その下部が前端から後方へ向かうに従って下方に漸次傾斜し、その後に略水平に後方へ向かって延びるように形成される。
【0060】
つまり、支持部101は、簡単に言えば、デバイダ100の側面視において、二つの隣辺がそれぞれ略垂直に上下方向と略水平に前後方向に延在して直角に交わり、これらの二辺を結ぶ斜辺が前下方を向く略直角三角形状に形成される。加えて、支持部101は、突出部分が前記直角三角形の後下部から後方へ突出するように形成される。
【0061】
上補強部102は、支持部101を収穫作業時に左右方向に曲がらないように補強するものである。上補強部102は、帯鋼等から構成される。上補強部102は、支持部101の上部の略全幅にわたって前後方向に延設され、この上部の機体外側、即ち左側側面に溶接等により固定される。
【0062】
下補強部103は、支持部101を収穫作業時に左右方向に曲がらないように補強するものである。下補強部103は、帯鋼等から構成される。下補強部103は、支持部101の下部の略全幅にわたって前後方向に延設され、この下部の左側側面に溶接等により固定される。
【0063】
下補強部103は、上補強部102の下方において、この上補強部102と平行に配置される。ここで、下補強部103は、支持部101の形状にあわせて、前端が上補強部102の前端に対して後方へずれ、後端が上補強部102の後端に対して後方へずれるように設けられる。
【0064】
そり部106は、圃場で予め甘藷から切断されているつる(茎葉)がデバイダ100により案内される際に、デバイダ100がつるを上から地面側に押さえ込みながら後方へ円滑に案内可能とするものである。そり部106は、平板状の部材から構成される。そり部106は、その板面を上下方向に向けて支持部101の下方に配置され、前後方向に延設される。そして、そり部106は、支持部101に溶接等により固定される。
【0065】
そり部106は、支持部101に対して前後方向にずれるように、具体的には、前端(先端)が支持部101の前端に対して後方へずれ、後端が支持部101の後端に対して後方へずれるように設けられる。その上で、そり部106は、デバイダ100の側面視において、その上に立設された支持部101の下部の形状に沿って設けられる。
【0066】
そり部106は、デバイダ100の側面視において、前端から後方へ向かうに従って下方に漸次傾斜し、その後に略水平に後方へ向かって延びるように形成される。ただし、そり部106は、支持部101の後端よりも後方において、後方へ向かうに従って上方に漸次傾斜するように形成される。つまり、そり部106は、後ろ上がりの傾斜部106bを後端部に備えられる。
【0067】
そり部106は、デバイダ100の平面視において、前端側の左右幅が短く、後端側の左右幅が前端側の左右幅よりも長くなるように、幅広状の後端側から前端に向かって先細状に形成される。簡単に言えば、そり部106は、前部が前端側が尖り後端側が広がる略三角形状になり、後部が前部に連続する略矩形状になるように形成される。
【0068】
詳しくは、そり部106の前部は、前側の左右幅が支持部101の左右幅よりも若干大きな略一定幅になり、後側の左右幅が後方へ向かうに従って長くなるように形成される。そり部106の後部は、その左右幅が前部の最大左右幅と同一の一定幅になるように形成される。そして、そり部106の前部と後部の互いの前後幅が同程度になるように形成される。
【0069】
そり部106は、デバイダ100の平面視において、その左側形状が前後方向に延びる直線状となり、右側形状が右方へ膨出する凸状となって、前部の左右幅が変化する際に右側に広がるように形成される。つまり、そり部106は、支持部101に対して前端から後方へ向かうに従って右側へ膨出するように形成される。
【0070】
なお、本実施形態においては、そり部106は、その後部の右後側を切り欠かれる。こうして、そり部106は、後ろ上がりの傾斜部106bを含む後部の後側の左右幅が前側の左右幅に比べて切欠き106eの分だけ短くなるように形成される。この切欠き106eは、搬送部7の前端(先端)が土に挿入されることから、土を抜くための切欠きとして利用される。
【0071】
案内部110は、収穫作業時に甘藷の一部を右側へ寄せて搬送部7の搬送始端部側へ円滑に案内可能とする部材である。案内部110は、主に支持部101の右方に配置され、支持部101及びそり部106に固定される。
【0072】
案内部110は、第一案内部111と、第二案内部112と、第三案内部113とを備える。これらの第二案内部112と、第一案内部111と、第三案内部113とは、この順に上から連続して配置され、一体的に構成される。
【0073】
第一案内部111は、甘藷を機体内側へ寄せて掻込部6で掻込可能な位置まで案内するものである。第一案内部111は、平板状の部材から構成される。第一案内部111は、その板面を左右方向に向けて配置され、前後方向に延設される。第一案内部111は、その前端が支持部101の前後中途部付近に位置し、後端が支持部101の後端付近に位置するように、支持部101の右方であってそり部106の右端上方に配置される。第一案内部111は、支持部101に所定間隔をおいて固定されるとともに、第三案内部113に固定される。
【0074】
第一案内部111は、デバイダ100の側面視において、支持部101の後部と略重複する形状に形成される。第一案内部111は、デバイダ100の平面視において、そり部106の右側形状に沿って折り曲げられて、前部が後方へ向かうに従って右方へ傾斜し、後部が後方へ向かって直線状に延びるように形成される。こうして、第一案内部111は、前部の右側面が右前方に臨み、後部の内側面が右方に臨むように設けられる。
【0075】
第二案内部112は、大量の甘藷が各デバイダ100に寄せられたときに、甘藷を各デバイダ100から機体外側へはみ出してこぼれ落ちないように案内するものである。第二案内部112は、平板状の板材から構成される。第二案内部112は、その板面を左右方向に向けて配置され、第一案内部111の略全幅にわたって前後方向に延設される。第二案内部112は、第一案内部111の上方であって支持部101の後部の右方から上方にわたって配置される。第二案内部112は、その下部をデバイダ100の側面視において第一案内部111の上部に重複させた状態で、第一案内部111に固定される。
【0076】
第二案内部112は、上下中途部で折り曲げられて、上部が左方へ向かうに従って上方に漸次傾斜するように形成される。ここで、第二案内部112は、支持部101の上方でその後部を超えて左方へ延びて、つるが支持部101の後部と第一案内部111との間隙に侵入しないように、この間隙を上方から覆うように形成される。こうして、第二案内部112は、上部の右側面が右上方に臨むように設けられる。
【0077】
その上で、第二案内部112は、上部の前後中途部で折り曲げられて、前側が前方へ向かうに従って下方へ若干傾斜するように傾斜される。こうして、第二案内部112は、上部の前側の右側面が右前上方に臨み、上部の後側の右側面が右上方に臨むように設けられる。
【0078】
第二案内部112は、デバイダ100の平面視において、前端(先端)側の左右幅が短く、後端側の左右幅が前端側の左右幅よりも長くなるように、幅広状の後端側から前端に向かって先細状に形成される。簡単に言えば、第二案内部112は、前部が前端側が尖り後端側が広がる略三角形状になり、後部が前部に連続する略矩形状になるように形成される。
【0079】
ここで、第二案内部112は、デバイダ100の平面視において、その左側形状が前後方向に延びる直線状となり、右側形状が右方へ膨出する凸状となって、前部の左右幅が変化する際に右側に広がるように形成される。つまり、第二案内部112は、支持部101に対して前端から後方へ向かうに従って右側へ膨出するように形成される。
【0080】
第三案内部113は、甘藷がデバイダ100に寄せられたときに、甘藷をデバイダ100が有するエッジで傷つけないように、機体内側へ寄せて掻込部6で掻込可能な位置まで案内するものである。第三案内部113は、丸棒状の部材から構成される。第三案内部113は、前後方向に延設される。第三案内部113は、支持部101の前部の前方及び下方に配置されるとともに、そり部106の右端上方及び第一案内部111の下方に配置される。第三案内部113は、支持部101に固定されるとともに、そり部106及び第一案内部111に固定される。こうして、第三案内部113は、その前部の一部を補強部113aとして、支持部101の前部を補強するようになっている。
【0081】
第三案内部113は、デバイダ100の側面視において、まず支持部101の前側形状に沿って下方へ延び、つづいて後方へ向かうに従って下方に漸次傾斜し、その後に略水平に後方へ向かってそり部106の切欠き106eまで延びるように形成される。ただし、第三案内部113は、切欠き106e付近において、後端部が後方へ向かうに従って上方に漸次傾斜するように形成される。つまり、第三案内部113は、後ろ上がりの傾斜部113bを後端部に備えられる。
【0082】
第三案内部113は、デバイダ100の平面視において、前部が支持部101に沿って後方へ向かって直線状に延びるように形成される。そして、第三案内部113は、前後中途部で折り曲げられて、後部がまず後方へ向かうに従って右方へ傾斜し、その後に後方へ向かって直線状に延びるように、そり部106の右側形状に沿って形成される。第三案内部113は、そり部106よりも後方へ延出される。
【0083】
なお、第三案内部113と、そり部106の後端部との間(そり部106の切欠き106e付近)には、所定の左右幅を有する空間140が形成される。デバイダ100が搬送部7に取り付けられる際、搬送駆動ケース71が当該空間140に挿入されて、前述のように支持部101と固定されることになる。
【0084】
こうして、左のデバイダ100は、支持部101を基体として構成され、この支持部101の側面視における形状が、概ねデバイダ100全体の側面視における形状となる。つまり、デバイダ100は、前端(先端)から後方へ向かって略水平に延びる水平部100aを上部に備え、前端から後方へ向かって下方に傾斜する傾斜部100bを下部に備えて、側面視で前端に向かって先細る形状を有することになる。しかも、デバイダ100は、傾斜部100bの後端から後方へ向かって略水平に延びる押込部100cを下部に備えることになる。
【0085】
左のデバイダ100は、平面視で前端(先端)に向かって先細る形状を有するそり部106を底部に備えることになる。本実施形態においては、そり部106の側面視における形状が支持部101の側面視における形状に沿った形状であることから、傾斜部100b及び押込部100cは支持部101の下部及びそり部106から構成されることになる。これにより、図5及び図6に示すように、デバイダ100が水平面131上に載置された場合に、デバイダ100(そり部106)の前部下方に、空間130が前方から後方へ向かうに従って上下幅が徐々に小さくなるように形成されることになる。
【0086】
ここでは、図5に示すように、デバイダ100の側面視において、第三案内部113(厳密に言えば、第三案内部113の前部に位置する傾斜部分)及びそり部106(厳密に言えば、そり部106の前部に位置する傾斜部分)と水平面131とがなす角度θを20度以下に設定し、かつ第三案内部113の最前端(厳密に言えば、第三案内部113の前部に位置する傾斜部分の最前端(補強部113aの下端))と水平面131との最短距離Lを100mm以上に設定することが好ましい。後述のように、つる(茎葉)が空間130に移動してデバイダ100の案内部110により案内される際、角度θが20度よりも大きいと、つるが空間130に溜まりやすくなり、最短距離Lが100mmよりも小さいと、つるがデバイダ100の前端にひっかかりやすくなって、つるの流れが阻害される傾向がある。しかし、角度θが20度以下、かつ最短距離Lが100mm以上であれば、つるがより円滑に流れことになる。
【0087】
また、左のデバイダ100は、搬送部7の左側に配置された上で、甘藷を搬送部7の搬送始端部側へ案内する案内部110を、支持部101の右側に設けて、当該デバイダ100の右側に備えることになる。この案内部110は、デバイダ100の平面視において、そり部106の右端部上で第一案内部111と第三案内部113の一部とを重複させるとともに、第二案内部112の右端を第一案内部111及び第三案内部113の一部に一致させるように配置して構成される。これにより、図7及び図8に示すように、デバイダ100は、案内部110が前方から後方に向かうに従って右側へ膨出するように構成されることになる。
【0088】
このように左右のデバイダ100・100が構成されることにより、野菜収穫機1が圃場で機体を畝に跨らせた状態で前進しながら畝上に置かれた甘藷を収穫するときに、各デバイダ100が当該畝と隣り合う畝との間付近を前方へ移動する。この収穫作業時、左右のデバイダ100・100間において、畝上の甘藷のうち、機体内側寄りにある甘藷は、掻込部6により掻き込まれながら搬送部7の搬送始端部に送られる。一方、機体外側寄りにある甘藷は、各デバイダ100に直接又はつるを介して間接的に接触することにより機体内側後方へ向かって、即ち搬送部7の搬送始端部に向かって移動し、掻込部6により掻き込まれながら搬送部7の搬送始端部に送られる。
【0089】
ここで、本実施形態においては、案内部110が各デバイダ100の機体内側に備えられていることから、機体外側寄りにある甘藷は、各デバイダ100に直接又はつるを介して間接的に接触する際、まず各デバイダ100の前端部、詳しくは第三案内部113の補強部113aや支持部101に接触し、その後に案内部110の第一案内部111と第二案内部112と第三案内部113との少なくとも一つと接触しながら、機体内側後方へ円滑に案内される。具体的には、甘藷は、第三案内部113及び第一案内部111により機体内側へ寄せられて、掻込部6で掻込可能な位置まで案内される。大量の甘藷が各デバイダ100に寄せられたときには、甘藷は第二案内部112により各デバイダ100から機体外側へはみ出してこぼれ落ちないように案内される。そのため、甘藷は、搬送部7の搬送始端部に向かって移動しやすくなって、掻込部6により良好に掻き込まれながら搬送部7の搬送始端部に送られることになる。
【0090】
なお、甘藷が各デバイダ100の前端部に接触する際、丸棒状の第三案内部113の補強部113aが配置されているため、甘藷が各デバイダ100の前端部のエッジとの接触により傷つくことはない。また、甘藷が各デバイダ100の案内部110により案内される際、丸棒状の第三案内部113が甘藷と接触しやすい各デバイダ100の最内側端部に配置されているため、甘藷が各デバイダ100のエッジとの接触により傷つくことはない。そのうえ、甘藷が各デバイダ100の案内部110により案内される際には、第二案内部112が支持部101の後部と第一案内部111との間隙を上方から覆うように配置されているため、甘藷がこの間隙に入り込むことはない。
【0091】
一方、圃場で予め甘藷から切断されているつるは、各デバイダ100が前方へ移動する際、図9(a)における黒塗り矢印のように、まず畝間付近で各デバイダ100の前端(先端)に案内されて、デバイダ100の前部下方の空間130に移動する。次に、つるは、デバイダ100の後ろ下がりの傾斜部100bに沿って後下方へ案内され、つづいて押込部100cにより上から地面側に押さえ込まれながら後方へ案内されて、デバイダ100の後方へ流される。この際、つるは、デバイダ100の押込部100cにより上から地面側に押さえ込まれることから、たとえ甘藷に絡まるなどしていても、甘藷ととも掻込部6よりに掻き込まれずに、後方へ案内されることになる。
【0092】
ここで、本実施形態においては、そり部106が各デバイダ100の底部に備えられていることから、つるは、デバイダ100の前部下方の空間へ移動した後、各デバイダ100の傾斜部100b、即ちそり部106に沿って後下方へ案内され、つづいて押込部100c、即ちそり部106により上から地面側に押さえ込まれながら後方へ案内されて、最後にそり部106の後ろ上がりの傾斜部106bにより後方へ案内されながら、傾斜部106bを介してデバイダ100の後方へ流される。そのため、つるは、デバイダ100により前方から後方へ円滑に案内されるとともに、その途中に押込部100cにより上側から地面側にしっかりと押さえ込まれることになる。しかも、つるは、デバイダ100の後方へ傾斜部106bにより円滑に流されることになる。
【0093】
以上のように、野菜収穫機1は、前進しながら、甘藷を収穫するものであって、甘藷を機体の前方から後方へ搬送する搬送部7と、甘藷を掻き込みながら搬送部7の搬送始端部に送る掻込部6と、搬送部7から前方へ突出されて、甘藷を搬送部7の搬送始端部に向かって移動させるデバイダ100と、を備え、デバイダ100は、先端から後方へ向かって略水平に延びる水平部100aを上部に備え、先端から後方へ向かって下方に傾斜する傾斜部100bを下部に備えて、側面視で先端に向かって先細る形状を有するものである。
【0094】
これにより、野菜収穫機1が圃場で前進しながら甘藷を収穫する場合に、畝上に置かれた甘藷が掻込部6により搬送部7の搬送始端部に送られるとき、甘藷の一部がデバイダ100に案内されて搬送部7の搬送始端部に向かって移動することになる。同時に、予め甘藷から切断されているつるが畝間付近でデバイダ100の下方(空間130)へ案内され、つづいてデバイダ自体の後方へ流されることになる。そのため、つる(茎葉)が野菜収穫機1の前進にともなってデバイダ100に押されて、デバイダ100の前部周辺に溜まることがなくなる。つまり、つるがデバイダ100の前部付近に溜まるのを抑制することが可能となる。したがって、甘藷の収穫作業時に作業を中断してつるをデバイダ100から除去しなくても済み、作業性を向上させることができる。
【0095】
また、野菜収穫機1は、デバイダ100が傾斜部100bの後端から後方へ向かって略水平に延びる押込部100cを下部に備えるものである。
【0096】
これにより、予め甘藷から切断されているつるがデバイダ100の傾斜部100bに畝間付近で下方へ案内された後、押込部100cにより上から地面側に押さえ込まれながら後方へ案内されて、最後にデバイダ100の後方へ流されることになる。そのため、デバイダ100による案内の途中につるが甘藷とともに掻込部6により掻き込まれたり、掻込部6に絡み付いたりするのを抑制することが可能となる。したがって、甘藷を効率よく収穫することができ、ひいては収穫作業時の作業性を向上させることができる。
【0097】
また、野菜収穫機1は、デバイダ100が平面視で先端に向かって先細る形状を有するそり部106を底部に備えるものである。
【0098】
これにより、デバイダ100の傾斜部100bがそり部106を含めて構成されることになり、つるがデバイダ100により後方へ案内される際に、そり部106により前方から後方へ円滑に案内されることになる。しかも、つるがデバイダ100の後方へ傾斜部106bにより円滑に流されることになる。したがって、前述の傾斜部100bによる作用効果を一層高めることができる。つまり、つるがデバイダ100の前部付近に溜まるのを確実に抑制して、作業性を向上させることができる。また、デバイダ100の押込部100cがそり部106を含めて構成されることになり、つるがデバイダ100の押込部100cにより上から地面側にしっかりと押さえ込まれことになる。したがって、前述の押込部100cによる作用効果を一層高めることができる。
【0099】
また、野菜収穫機1は、デバイダ100が甘藷を搬送部7の搬送始端部側へ案内する案内部110、即ち第一案内部111と第二案内部112と第三案内部113とを前進方向に対して直交する直交方向(左右方向)において機体内側に備え、搬送部7の前記直交方向の機体外側に配置されるものである。つまり、野菜収穫機1は、左のデバイダ100が案内部110を当該デバイダ100の右側に備え、搬送部7の左側に配置される一方、右のデバイダ100が案内部110を当該デバイダ100の左側に備え、搬送部7の右側側に配置されるものである。
【0100】
このように構成することにより、甘藷がデバイダ100の案内部110により搬送部7の搬送始端部側に案内されて、搬送部7の搬送始端部に向かって移動しやすくなる。そのため、甘藷が掻込部6により良好に掻き込まれながら搬送部7の搬送始端部に送られることになる。したがって、甘藷をより効率よく収穫することができ、ひいては収穫作業時の作業性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0101】
1 野菜収穫機
4 走行部
6 掻込部
7 搬送部
100 デバイダ
100a 水平部
100b 傾斜部
100c 押込部
106 そり部
110 案内部
111 第一案内部
112 第二案内部
113 第三案内部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前進しながら、野菜を収穫する野菜収穫機であって、
野菜を機体の前方から後方へ搬送する搬送部と、
野菜を掻き込みながら前記搬送部の搬送始端部に送る掻込部と、
前記搬送部から前方へ突出されて、野菜を前記搬送部の搬送始端部に向かって移動させるデバイダと、を備え、
前記デバイダは、先端から後方へ向かって略水平に延びる水平部を上部に備え、前記先端から後方へ向かって下方に傾斜する傾斜部を下部に備えて、側面視で先端に向かって先細る形状を有する、野菜収穫機。
【請求項2】
前記デバイダは、平面視で先端に向かって先細る形状を有するそり部を底部に備える、請求項1に記載の野菜収穫機。
【請求項3】
前記デバイダは、野菜を前記搬送部の搬送始端部側へ案内する案内部を前記前進方向に対して直交する直交方向において機体内側に備え、前記搬送部の前記直交方向の機体外側に配置される、請求項1又は請求項2に記載の野菜収穫機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−217613(P2011−217613A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−86569(P2010−86569)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(391025914)八鹿鉄工株式会社 (131)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】