説明

野菜飲料組成物

【課題】加熱殺菌処理後の加熱臭がなく、かつ旨みや喉越しに優れ長期飲用ができる野菜飲料組成物を提供する。
【解決手段】野菜の固形物量が0.001〜0.09質量%、組成物のpHが3〜5であり、次の成分(A)及び(B)を含有する加熱殺菌処理を施した野菜飲料組成物。
(A)酸性多糖系水溶性食物繊維、中性多糖系水溶性食物繊維及び難消化性オリゴ糖からなる群より選ばれる1種又は2種以上 0.1〜15質量%、
(B)水 65質量%以上。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜飲料組成物及び野菜飲料組成物の加熱殺菌処理により生じる加熱臭の抑制方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生活環境の変化により、現代日本人の食生活は乱れがちとなっている。特に、欠食率の増加や個食化、加工食品への過度の依存を原因とするエネルギーの過剰摂取、食物繊維やミネラルの摂取不足といった栄養素の偏りは深刻である。このような栄養素の偏りは生活習慣病のリスクファクターの1つであり、適性化することは健康な生活を送るために重要である。野菜や果物の充分な摂取は栄養素摂取の偏りを是正するために有用であることが明らかとなっており、我が国では「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」において、野菜の摂取量350g(基準値292g;平成9年国民栄養調査)以上が目標値として設定されている。また、アメリカ合衆国では、生活習慣病予防を目的に1日あたり5種類以上の野菜と3種類以上果物を摂取することを推奨している(5+3運動)。このような背景から、野菜を摂取しやすく加工することは、国民の健康を増進するために極めて意義深いことと考えられる。
【0003】
野菜をジュース状に加工することは摂取し易くする上で有効な手段である。そして、現在数多くの野菜ジュースが市場に流通しているが、これら市販のジュースは微生物学的安定性のため加熱殺菌処理を施すことが必須となる。しかし、野菜ジュースに殺菌処理を施すと加熱臭が生じるため、健康に良いとは理解されるにもかかわらず敬遠される要因となっている。また、食物繊維が含まれている野菜ジュースでは喉越しがよくないため、ジュースの喉越しを改良し、飲み易くするため野菜を微細化後食物繊維を精密濾過などによって除去するのがよいことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−135038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、加熱殺菌処理後の加熱臭がなく、かつ旨みや喉越しに優れ、長期飲用ができる野菜飲料組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、野菜汁を配合した飲料を調製し、加熱殺菌処理後の加熱臭、旨み及び喉越しについて種々検討したところ、野菜の固形物含量を一定の範囲に調整すれば加熱殺菌処理後の加熱臭が低減し、さらに酸性多糖系水溶性食物繊維、中性多糖系水溶性食物繊維、難消化性オリゴ糖を配合することにより優れた旨みや喉越しが得られるとともに野菜飲料に期待される生理作用(整腸効果等)も保持し得ることを見出した。
【0006】
本発明は、野菜の固形物量が0.001〜0.09質量%、組成物のpHが3〜5であり、次の成分(A)及び(B)を含有する加熱殺菌処理を施した野菜飲料組成物である。
(A)酸性多糖系水溶性食物繊維、中性多糖系水溶性食物繊維及び難消化性オリゴ糖からなる群より選ばれる1種又は2種以上 0.1〜15質量%、
(B)水 65質量%以上。
また、本発明は、野菜の固形物量を0.001〜0.09質量%にすることを特徴とする野菜飲料組成物の加熱臭抑制方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の野菜飲料組成物は、加熱殺菌処理後の加熱臭がなく、また、旨みや喉越しも優れるため、長期間の飲用が可能である。また、本発明の野菜飲料組成物は摂取カロリーに影響を与えにくい。また、野菜由来の水不溶性食物繊維を除去したが、さらに水溶性食物繊維等を添加するため、整腸効果や便通改善効果にも優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の野菜飲料組成物には、一般的な野菜飲料が含まれ、野菜の搾汁が一定量含まれるもの、即ち野菜の搾汁を主成分とするものが好ましい。例えば、最新・ソフトドリンクス(最新・ソフトドリンクス編集委員会編纂、光琳社、p12〜13、平成15年9月30日発行)に記載されているような野菜飲料が好ましい。より具体的に、例えば、トマトジュース、トマトミックスジュース、にんじんジュース、にんじんミックスジュース、野菜ジュース、野菜果汁ジュースが挙げられる。
本発明の野菜飲料組成物に用いる野菜としては、トマト、ニンジン、ホウレン草、キャベツ、ピーマン、ブロッコリー、セロリ、ケール、パセリ、レモン等が挙げられる。また、野菜の固形物とは、水溶液中に分散する833μm以下の大きさの固形物質であって、固形物量は以下の方法により測定することができる。
即ち、25℃に恒温したサンプルを良く撹拌し均一な状態にし、Tyler標準篩(20メッシュ)を通過させたものをビーカー内に50g計りとり(精秤値:M0)、これに塩化ナトリウム12gを加え均一攪拌後2時間放置する(試料溶液)。パイレックス(登録商標)製の耐熱性るつぼ形ガラスろ過器G−2をよく洗浄し、525±5℃で加熱後、けいそう土(セライトNo535)約3gを入れる。水20mLで3回以上、更に78質量%エタノール水溶液20mLで3回以上洗浄して風乾後、130±5℃で1時間加熱する。これをデシケーター中で室温にまで冷却した後、小数点以下4桁の精度で精秤する(M1)(食品の栄養表示基準制度(財)日本健康・栄養食品協会 46〜51頁)。約19%の塩化ナトリウム水溶液によって、ろ過速度のばらつきを防ぐためるつぼ形ガラスろ過器中のけいそう土の表面を均一にし、吸引しながら試料溶液をろ過器内に流し込む。ビーカー及びガラスろ過器を約19%の塩化ナトリウム水溶液20mLで3回、60質量%エタノール水溶液20mLで3回以上洗浄する。これを105℃で2時間加熱し、デシケーター中で室温にまで冷却した後、小数点以下4桁の精度で精秤する(M2)。固形物量は差分質量(M2−M1)とし、百分率では100×(M2−M1)/M0で示される。
【0009】
本発明の野菜飲料組成物における固形物量は、乾燥質量として0.001〜0.09質量%、更に0.002〜0.08質量%、更に0.003〜0.07質量%、特に0.004〜0.06質量%が好ましい。固形物量の調整は、野菜の搾汁中に固形物が多量含まれる場合は、ろ過や遠心分離により固形物を除去する操作によって行うことができる。
【0010】
本発明に用いられる成分(A)の酸性多糖系水溶性食物繊維とは、酸性多糖系食物繊維のうち水溶性のものを指す。酸性多糖系食物繊維とは、カルボキシル基、スルホニル基、硫酸残基等の酸性基を多く有する食物繊維である。本発明に用いられる酸性多糖系水溶性食物繊維の1質量%水溶液1mLに0.02mol/Lの硫酸ナトリウム水溶液1mLと1質量%のセチルトリメチルアンモニウムクロリド水溶液1mLを添加すると白色沈殿が認められる。
【0011】
本発明に用いられる成分(A)の酸性多糖系水溶性食物繊維は、AOAC公定法の食物繊維測定法(プロスキー法)にて定量される(日本食物繊維研究会誌 Vol.6、No.1、1〜7頁 2002年)。すなわち、所定の条件下で一連の酵素処理後、約80質量%のエタノール中で沈殿する残渣質量から非消化性タンパクと灰分を差し引いて測定される質量部である。
【0012】
本発明に用いられる成分(A)の酸性多糖系水溶性食物繊維は、植物、海藻又は菌体から抽出、分解、精製工程を経て得られる。具体的には、低分子化アルギン酸、アルギン酸、カラギーナン、フコイダン、ポルフィラン、アガロペクチン、低分子ペクチン、アラビアガム、カラヤガム、ジェランガム、キサンタンガム及びこれらの塩類が挙げられる。塩類としてはアルカリ金属塩が好ましく、特にナトリウム塩が好ましい。当該酸性多糖系水溶性食物繊維は、青臭みを有する野菜の搾汁の入った飲料の青臭みを低減する性質を有している。
【0013】
また、酸性多糖系水溶性食物繊維の水溶液の粘度は特に規定はないが、例えば低濃度でゲル化又は高粘度を有する場合は、摂取しにくくなる。したがって、飲料組成物を摂取しやすい形態とするために、当該酸性多糖系水溶性食物繊維は1質量%の水溶液が室温で流動性を有するものが好ましい。また、その1質量%水溶液の粘度は200mPa・s以下、特に50mPa・s以下が好ましい。なお、粘度はB型粘度計を用い、回転子(ローターNo.2)に1分間あたり60回の回転速度を加えて測定される値をいう。
【0014】
本発明に用いられる成分(A)の中性多糖系水溶性食物繊維は、植物、海藻又は菌体から抽出、分解、精製工程を経て得られる。具体的には、難消化性デキストリン、グアーガム、グアーガム分解物、プルラン、水溶性コーンファイバー、ヘミセルロース、低分子ヘミセルロース、大豆食物繊維、ローカストビーンガム、コンニャクマンナン、ガードラン、ポリデキストロース、寒天等が挙げられる。
【0015】
本発明に用いられる成分(A)の中性多糖系水溶性食物繊維は、AOAC公定法の食物繊維測定法(プロスキー法)にて定量される(日本食物繊維研究会誌 Vol.6、No.1、1〜7頁 2002年)。すなわち、所定の条件下で一連の酵素処理後、約80質量%のエタノール中で沈殿する残渣質量から非消化性タンパクと灰分を差し引いて測定される質量部である。
【0016】
また、中性多糖系水溶性食物繊維の水溶液の粘度は特に規定はないが、例えば、低濃度でゲル化又は高粘度を有する場合は、摂取しにくくなる。したがって、組成物を摂取しやすい形態とするために、中性多糖系水溶性食物繊維は1質量%の水溶液が25℃で流動性を有するものが好ましい。また、その1質量%水溶液の粘度は200mPa・s以下、特に50mPa・s以下が好ましい。なお、粘度はB型粘度計を用い、回転子(ローターNo.2)に1分間あたり60回の回転速度を加えて測定される値をいう。
【0017】
本発明の成分(A)の難消化性オリゴ糖は、AOAC公定法の食物繊維測定法(プロスキー法)において、一連の酵素処理後約80質量%のエタノール中で沈殿しない3糖以上の分子量を有する糖質である。このような難消化性オリゴ糖としては、ラフィノース系オリゴ糖、ガラクトース系オリゴ糖、レジスタントスターチ由来オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、乳果オリゴ糖、大豆オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖等が挙げられる。難消化性オリゴ糖は腸内で速やかに発酵され、腸内有用菌の増殖を助け、腸内環境を整える。また、特に大腸の上部において、オリゴ糖は腸内細菌によるオリゴ糖の発酵生成物である短鎖脂肪酸を介して大腸運動を促進し、便通を促す機能を有している。
【0018】
成分(A)としては、酸性多糖系水溶性食物繊維、中性多糖系水溶性食物繊維が好ましく、具体的には、特に低分子化アルギン酸ナトリウム塩、難消化性デキストリン、グアーガム分解物、ポリデキストロースが好ましい。
【0019】
本発明の野菜飲料組成物中の成分(A)の含有量は、青臭み低減効果、旨み及び飲み易さ向上効果の点から、0.1〜15質量%、更に0.5〜12質量%、更に1.0〜10質量%、更に2〜8質量%、特に3〜6質量%が好ましい。
【0020】
また、本発明の野菜飲料組成物には、飲み易さの点から成分(B)の水を含有する必要があり、その含有量は65質量%以上であるが、更に75質量%以上、更に80質量%以上、更に81〜99質量%、特に84〜96質量%が好ましい。また野菜汁に加えて果汁を配合してもよい。ここで野菜飲料組成物中の水の含有量には、野菜飲料組成物中に配合する野菜搾汁に由来する水のほか、適宜加えられるミネラル水、天然水、イオン交換水、精製水、水道水等の水、更に果汁等の任意成分に由来する水も含まれる。
【0021】
本発明の野菜飲料組成物は、糖度が5〜15%、更に5〜12%、更に6〜11.5%、特に6〜10%であるのが、更に飲用し易く、嗜好性の点で好ましい。この糖度の調整は、水やショ糖等の糖質を添加して行ってもよい。
【0022】
本発明の野菜飲料組成物のpHは、野菜飲料の保存安定性及び飲み易さの点から、pH3〜5であるが、更にpH3.5〜4.8、特に4〜4.5が好ましい。pH5を超えると異臭が生じることから好ましくなく、pH3未満になると味の点で満足するものが得られない。
【0023】
また、本発明の野菜飲料組成物は、飲み易さの点からTyler標準篩の20メッシュ(篩目開き833μm)を通過するもの、すなわち含有する固形物が833μm以下の大きさであることが好ましい。
【0024】
本発明の野菜飲料組成物には、前記成分以外に、果汁、糖類(例えばデンプン、デキストリン等)、タンパク質(カゼイン、大豆タンパク質、卵白等)、ミネラル類(炭酸カルシウム、乳酸鉄等)、ビタミン類(ビタミンA、B1、B2、B12、C等)、食用油等を適宜単独又は組み合わせて配合することができる。
また、本発明の野菜飲用組成物には、野菜や前記由来の成分にあわせて、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤を単独、あるいは併用して配合しても良い。無機酸類、無機酸塩類としてはリン酸、リン酸二ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0025】
本発明の容器詰飲料に使用される容器は、一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の形態のものが使用できる。ここでいう容器詰飲料とは希釈せずに飲用できるものをいう。
【0026】
また本発明の野菜飲料組成物は、例えば、金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で製造される。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器等で高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用される。また、本発明の野菜飲料組成物を充填した容器に、無菌下で別の成分を配合充填しても良い。
【実施例】
【0027】
固形物量測定法
25℃に恒温したサンプルを良く撹拌し均一な状態にし、Tyler標準篩(20メッシュ)を通過させたものをビーカー内に50g計りとり(精秤値:M0)、これに塩化ナトリウム12gを加え均一攪拌後2時間放置した(試料溶液)。パイレックス(登録商標)製の耐熱性るつぼ形ガラスろ過器G−2をよく洗浄し、525±5℃で加熱後、けいそう土(セライトNo535)約3gを入れた。水20mLで4回、更に78質量%エタノール水溶液20mLで3回洗浄して風乾後、130±5℃で1時間加熱した。これをデシケーター中で室温にまで冷却した後、小数点以下4桁の精度で精秤した(M1)。約19%の塩化ナトリウム水溶液によって、るつぼ形ガラスろ過器中のけいそう土の表面を均一にし、吸引しながら試料溶液をろ過器内に流し込んだ。ビーカー及びガラスろ過器を約19%の塩化ナトリウム水溶液20mLで3回、60質量%エタノール水溶液20mLで6回洗浄した。これを105℃で2時間加熱し、デシケーター中で室温にまで冷却した後、小数点以下4桁の精度で精秤した(M2)。固形物量は差分質量(M2−M1)とし、百分率は100×(M2−M1)/M0で求めた。
【0028】
実施例1〜4及び比較例1〜5
トマト汁を用いて表1の配合処方の野菜飲料組成物を調製し、加熱殺菌した後PETボトルに充填して容器詰野菜含有飲料を製造した。固形物量の調整は、固形物を豊富に含むトマト汁から遠心分離又はろ過によって固形物を除去することより行った。pHをクエン酸とクエン酸三ナトリウムを用いて調整した後、殺菌条件124℃、30秒でUHT殺菌処理をした。なお、固形物量(質量%)は、トマト汁中の固形物量を測定し、容器詰野菜含有飲料中に換算して求めた値である。また、糖度はデジタル屈折率計(ATAGO RX−500)を用い、ショ糖換算で示した。
【0029】
【表1】

【0030】
パネル3名が、野菜飲料組成物を順不同で摂取し、加熱臭、粘度感、喉越し(粘性)、旨み(深み)について、比較例1を基準野菜飲料組成物として評価を行った。結果を表1に示す。
【0031】
表1から明らかなように、本発明の野菜飲料組成物は、加熱臭が抑制され、旨みや喉越しに優れていた。これに対して固形物量が多い(比較例1)と原料由来の加熱臭が発生し、pHが3〜5の範囲を超える(比較例2、3)と異味・異臭が生じ、食物繊維を加えず単に野菜搾汁由来の固形物量を減じたもの(比較例4)は旨みの点で劣っていた。また、食物繊維を多量に含有すると(比較例5)粘性感が高く、喉越しが悪く劣っていた。
【0032】
実施例5〜6
青汁を用いて実施例1〜4と同様に野菜含有飲料を調製した。
【0033】
【表2】

【0034】
実施例7
野菜搾汁として、ニンジンとホウレン草とパセリとレモンの混合汁(ニンジン及びホウレン草汁が遠心分離前の固形物量換算で全体の90重量%の原料を使用)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で容器詰野菜含有飲料を製造した。
(固形物量0.08質量%、水分80%以上、糖度10.91%、pH4.23)。
その結果、加熱臭、粘度感は低く、喉越しが良好であり、異味・異臭がなく、総合評価も良いと判定された。
【0035】
本発明の野菜飲料組成物は、いずれも加熱臭が抑制され、異味・異臭がなく、旨みや喉越しに優れていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
野菜の固形物量が0.001〜0.09質量%、組成物のpHが3〜5であり、次の成分(A)及び(B)を含有する加熱殺菌処理を施した野菜飲料組成物。
(A)酸性多糖系水溶性食物繊維、中性多糖系水溶性食物繊維及び難消化性オリゴ糖からなる群より選ばれる1種又は2種以上 0.1〜15質量%、
(B)水 65質量%以上
【請求項2】
酸性多糖系水溶性食物繊維が低分子化アルギン酸又はその塩類である請求項1記載の野菜飲料組成物。
【請求項3】
中性多糖系水溶性食物繊維が難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム分解物及びこれらの塩類から選ばれる1種以上からなる請求項1記載の野菜飲料組成物。
【請求項4】
糖度が5〜15%である請求項1〜3のいずれか1項記載の野菜飲料組成物。
【請求項5】
野菜汁に成分(A)を配合したものである請求項1〜4のいずれか一項記載の野菜飲料組成物。
【請求項6】
野菜の固形物量を0.001〜0.09質量%に調整した後に加熱殺菌処理を施すことを特徴とする野菜飲料組成物の製造方法。
【請求項7】
野菜の固形物量を0.001〜0.09質量%にすることを特徴とする野菜飲料組成物の加熱臭抑制方法。