説明

金型クランプ装置及びプレス装置

【課題】型替え作業を自動化することができる金型クランプ装置及びプレス装置を提供する。
【解決手段】フランジ付金型4、6、7が支持プレート11、15、18上にそのフランジ20を当接した状態に支持されるとともに、該フランジの複数箇所を押圧する複数のクランプ部材21が、前記フランジを押圧状態に保持し又はその押圧状態を解除する締結手段34によって前記支持プレートに支持されてなり、前記クランプ部材は、前記押圧状態が解除されたときに前記フランジの表面から退避するまで前記支持プレート上をスライド可能に支持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末成形等に用いられる金型クランプ装置及びこの金型クランプ装置を備えたプレス装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
粉末成形等に用いられるプレス装置の金型クランプ装置として、支持プレート上に、パンチやダイ等のフランジ付金型をそのフランジが当接した状態で支持するとともに、そのフランジの上にクランプリングを取り付け、該クランプリングを支持プレートに複数本のボルトによって固定した構造とされ、これらボルトを締め付けることにより金型を支持プレートに固定し、緩めることにより固定状態を解除する構成とされている。
この場合、金型の着脱のために、各金型につき複数本のボルトを1本ずつ取り付け、又は取り外す必要があるので、これら複数本のボルトを一括して取り扱えるようにしたクランプ装置も提供されている(特許文献1参照)。
【0003】
この金型クランプ装置は、クランプリングを固定する各ボルトの先端を支持プレートの金型取り付け面とは反対側で固定リングにより一体に連結状態とし、該固定リングと支持プレートとの間に皿バネを介在させ、該皿バネによってクランプリングを付勢して金型を固定状態とし、一方、固定リングを後方から押圧してクランプリングによる固定状態を解除する構成とされている。
【特許文献1】特開2003−290993号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、粉末成形等においては、大量生産に伴い、いわゆる無人運転がなされるようになってきているが、金型交換においては作業員の人手を介して作業を行う必要がある。その場合、特許文献1記載のクランプ装置であると、締結、解除の作業を迅速に行うことができて作業性がある程度高まるが、金型交換作業自体を完全自動化するものではないため、無人運転では一種類の製品しか連続生産することができず、型替え作業の都度、時間がかかる人手作業を余儀なくされていた。
本発明は型替え作業も自動化することができる金型クランプ装置及びプレス装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の金型クランプ装置は、フランジ付金型が支持プレート上にそのフランジを当接した状態に支持されるとともに、該フランジの複数箇所を押圧する複数のクランプ部材が、前記フランジを押圧状態に保持し又はその押圧状態を解除する締結手段によって前記支持プレートに支持されてなり、前記クランプ部材は、前記押圧状態が解除されたときに前記フランジの表面から退避するまで前記支持プレート上をスライド可能に支持されていることを特徴とする。
このような構成の金型クランプ装置では、締結手段によってクランプ部材によるフランジへの押圧状態を解除することにより、支持プレート上をスライドさせながらクランプ部材をフランジ表面から退避させることができ、金型の取り外しが可能になる。
【0006】
また、前記クランプ部材には、前記フランジ表面を押さえる爪部が形成され、該爪部をフランジ表面に当接した位置と該フランジ表面から退避した位置との間で移動させるクランプ部材進退機構が接続されている構成としてもよく、このような構成とすることにより、締結手段で押圧状態を解除した後、クランプ部材進退機構によってクランプ部材を移動させてフランジ表面から退避させることができる。
【0007】
このような金型クランプ装置において、前記締結手段は、各クランプ部材をその拡径頭部で押さえた状態として該クランプ部材及び前記支持プレートを貫通する連結ロッドと、該連結ロッドの先端部を支持プレートの背面側で一体に固定する固定リングと、該固定リングと支持プレートとの間に介在された弾性部材と、固定リングを弾性部材の付勢方向に沿って前後移動させるねじ推進機構とを備えていることを特徴とする。
このような構成とすることにより、各クランプ部材の押圧状態の保持及び解除をねじ推進機構により一括して操作することができる。
【0008】
この場合、前記ねじ推進機構は、前記支持プレートに固定状態のおねじ部と、該おねじ部に螺合して前記固定リングに当接するめねじ部と、該めねじ部を回転駆動する回転駆動機構とを備えている構成とすれば、クランプ部材の押圧状態の保持及び解除の作業も自動化することができる。
そして、本発明のプレス装置は、このような金型クランプ装置を備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の金型クランプ装置及びプレス装置によれば、締結手段によって、クランプ部材による金型への押圧状態を解除して、該クランプ部材をスライド可能とし得るので、金型の着脱作業を容易にすることができる。また、クランプ部材進退機構を備える構成とすれば、フランジ表面からクランプ部材を移動させる作業を自動化することができ、さらに、締結手段のねじ推進機構を自動操作することにより、クランプ部材の押圧状態の保持及び解除の作業も自動化し得て、金型の運搬等のためのロボット等を併せ使用すれば、いわゆる無人運転を可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に示す本発明の実施の形態について説明する。
図1から図4は、本発明による粉末成形プレス装置の金型クランプ装置の一実施の形態を示しており、図1は、粉末成形プレス装置のダイセットの全体を示し、図2、図3及び図4は、そのうち、上パンチのクランプ装置を示している。
【0011】
このダイセット1は、図1に示すように、上型2と下型3とから構成され、上型2には上パンチ4とダイ5とが組み込まれ、下型3には下パンチ6とコア7とが組み込まれている。
上型2は、上パンチプレート11の下面にベース板12が固定されるとともに、該ベース板12の下面に筒状の前記上パンチ4が固定されており、また、上パンチプレート11をスライド自在に貫通する複数本のガイドポスト13の下端に前記上パンチプレート11と平行にダイプレート14が固定され、該ダイプレート14の上に前記ダイ5が固定され、このダイ5と上パンチ4とが同一軸線上に配置されて対向している。
【0012】
一方、下型3は、下パンチプレート15の上にベース板16を介して筒状の前記下パンチ6が固定され、この下パンチ6内に挿通するコア7の下端に継ロッド17が連結され、該継ロッド17の下端が、下パンチプレート15と平行な押出しプレート18上のベース板19に固定された構成とされている。
【0013】
この場合、最も下方に配置される押出しプレート18は、ダイプレート14に複数本のタイロッド(図示略)を介して固定状態とされ、このタイロッドの途中位置に下パンチプレート15が上下スライド自在に支持されている。また、前記上パンチ4、下パンチ6、ダイ5、コア7は同一軸線上に配置され、ダイ5とコア7との間に形成されるリング状キャビティに上パンチ4と下パンチ6とで粉末を圧縮成形した後、下パンチ6をダイ5に対して相対的に上昇させて、キャビティから圧縮成形体を押し上げ排出する構成とされている。
【0014】
そして、前記上パンチ4、下パンチ6、コア7は、いずれも共通する機構によってこれらの支持プレートである上パンチプレート11、下パンチプレート15、押出しプレート18にそれぞれ支持されている。
【0015】
そのうちの上パンチ4を図2から図4に例示して詳細に説明すると、上パンチ4は、その基端部にフランジ20が一体に形成されており、そのフランジ20の端面が上パンチプレート11上のベース板12に当接され、そのフランジ20を押さえるように一対のクランプ部材21が周方向に180°離間して配置されている。そして、これらクランプ部材21に、該クランプ部材21及びベース板12、上パンチプレート11を貫通する連結ロッド22が設けられている。この連結ロッド22は、ボルトによって構成され、そのボルトの拡径頭部22aをクランプ部材21の上面に当接させ、ボルトの軸部22bがクランプ部材21からベース板12、上パンチプレート11を貫通し、該軸部22bの先端に雄ねじ部22cが形成され、該雄ねじ部22cに両クランプ部材21における連結ロッド22を連結状態とするように上パンチプレート11と平行な固定リング23が一体に設けられている。
【0016】
また、連結ロッド22が貫通している上パンチプレート11の背面部には、連結ロッド22の周囲を座ぐってなる凹部24が形成されており、該凹部24内に、連結ロッド22を囲む皿ばね等の弾性部材25が収納されている。この場合、固定リング23は弾性部材25により上パンチプレート11の表面から浮かされた状態とされており、該弾性部材25が前記固定リング23と凹部24の底面との間に介在して両者を離間させる方向、言い換えれば連結ロッド22の拡径頭部22bによって上パンチ4のフランジ20を押圧する方向に付勢力を付与している。
【0017】
また、固定リング23の半径方向の内側には、上パンチプレート11に固定状態のセンターねじ軸26が嵌合している。該センターねじ軸26は、固定リング23の厚さよりも大きい厚さに設定され、固定リング23を軸方向に沿ってスライド自在に嵌合しており、固定リング23から突出した端部外周には、おねじ部26aが形成されている。そして、このセンターねじ軸26のおねじ部26aにリングギヤ27が螺合している。このリングギヤ27は、固定リング23に対向するリング状の天板部27aと、該天板部27aの外周に一体に連設された周壁部27bとから構成され、天板部27aの内周部にセンターねじ軸26のおねじ部26aに螺合するめねじ部27cが形成され、周壁部27bの外周面にギヤ部27dが形成されている。また、固定リング23に対向している天板部27aの表面(図2の下面)には、リング板状の滑り部材28が固定されている。
【0018】
そして、リングギヤ27の半径方向の外側には、該リングギヤ27のギヤ部27dに噛み合うウォームギヤ31が取り付けられている。このウォームギヤ31は、リングギヤ27の接線方向に延びる軸部31aが上パンチプレート11の表面に軸受け部32を介して回転自在に支持されており、該軸部31aの先端にリングギヤ27に噛み合うギヤ部31bが形成され、基端部31cに、これを回転させるためのモータ等の回転駆動機構33が連結されている。
【0019】
つまり、この回転駆動機構33によってリングギヤ27を回転させることにより、該リングギヤ27を介して固定リング23を弾性部材25の付勢力に抗して図2の場合は押し下げたり、逆に弾性部材25の付勢力で引き上げたりする構成である。固定リング23を引き上げると、該固定リング23に一体の連結ロッド22の拡径頭部22aが上パンチ4のフランジ20表面を押圧した状態とし、固定リング23を押し下げると、連結ロッド22の拡径頭部22aが上パンチ4のフランジ20から浮かせられて押圧状態が解除される。この連結ロッド22及び、該連結ロッド22による上パンチ4への押圧状態を保持したり解除したりするためのウォームギヤ31、リングギヤ27、センターねじ軸26、定リング23、弾性部材25によって本件発明の締結手段34を構成しており、そのうち、センターねじ軸26のおねじ部26aとリングギヤ27のめねじ部27cとにより、固定リング23を弾性部材25の付勢方向に沿って前後移動させるねじ推進機構35が構成されている。
【0020】
また、前記クランプ部材21は、図3に示すように、その先端部が、上パンチ4の外周面に当接する半円状凹部21aに形成されるとともに、該先端部にフランジ部20表面を押さえる爪部21bが一体に形成されている。また、前記連結ロッド22の軸部22bを貫通させている部分が半円状凹部21aまで切り欠かれた溝21cに形成されており、連結ロッド22による押圧状態を解除した後、連結ロッド22を上パンチプレート11に固定したままクランプ部材22のみを溝21cに沿ってスライドさせることができるようになっている。この場合、上パンチ4の周方向に180°離れて2個のクランプ部材21が設けられ、これらクランプ部材21の溝21cは180°対向して上パンチ4の径方向に配置されていることにより、両クランプ部材21は上パンチ4から半径方向に離れるようにスライドさせられる構成となっている。
【0021】
そして、各クランプ部材21にロッド36を介して流体圧シリンダ等の往復駆動機構からなるクランプ部材進退機構37が接続されている。
このクランプ部材21を往復移動させるためのクランプ部材進退機構37及び前記リングギヤ27を回転させるための回転駆動機構33は、上パンチプレート11から離れたプレス機本体の固定部分(図示略)に支持される。
【0022】
一方、下パンチ6及びコア7も上パンチ4と同様な構成で下パンチプレート15、押出しプレート18に支持されている。以下、これら下パンチ6、コア7の支持構造に関して、上パンチ4に対する支持構造と同一構成部分には同一符号を付しておく。
【0023】
すなわち、下パンチ6にもフランジ20が一体形成され、該フランジ20を下パンチプレート15に一体のベース板16表面に当接させた状態でクランプ部材21により固定され、該クランプ部材21、ベース板16、下パンチプレート15を貫通する連結ロッド22の先端に下パンチプレート15と平行な固定リング23が一体に設けられ、該固定リング23と下パンチプレート15とが弾性部材25によって離間させられる方向に付勢されている。そして、固定リング23の内側のセンターねじ軸26におねじ部26aが形成され、該おねじ部26aに螺合するリングギヤ27にウォームギヤ31が噛み合っており、該ウォームギヤ31に回転駆動機構が接続されている。また、クランプ部材21には、これを下パンチ6のフランジ20表面から退避させるまで移動するクランプ部材進退機構37が接続されている。
【0024】
さらに、コア7も上パンチ4及び下パンチ6と同様にフランジ20が一体形成され、該フランジ20を押出しプレート18に一体のベース板19表面に当接させた状態でクランプ部材21により固定され、該クランプ部材21、ベース板19、押出しプレート18を貫通する連結ロッド22の先端に押出しプレート18と平行な固定リング23が一体に設けられ、該固定リング23と押出しプレート18とが弾性部材25によって離間させられる方向に付勢されている。そして、固定リング23の内側のセンターねじ軸26におねじ部が26a形成され、該おねじ部26aに螺合するリングギヤ27にウォームギヤ31が噛み合っており、該ウォームギヤ31に回転駆動機構が接続されている。また、クランプ部材21には、これをコア7のフランジ20表面から退避させるまで移動するクランプ部材進退機構37が接続されている。
【0025】
なお、図中符号41は、このダイセット1の上パンチプレート11をプレス機本体のラム(図示略)に固定するためのコマを示しており、ラムに一体の断面T字状部材が係合する一対の対向フック状に形成されている。また、符号42は押出しプレート18をプレス機本体に固定するためのコマを示している。
【0026】
このように構成されたプレス装置において、通常使用時は、例えば図2に示すように、リングギヤ27の滑り部材28と固定リング23との間にわずかに隙間が形成された状態とされることにより、弾性部材25の付勢力によってクランプ部材21が図の場合は上パンチ4のフランジ20を押さえつけた状態に保持している。
【0027】
この状態から金型を交換する場合について図2から図4の上パンチ4を例にとって説明する。
回転駆動機構33によってウォームギヤ31を駆動することにより、リングギヤ27を図2の場合は下方に移動させるように回転させ、滑り部材28が固定リング23の表面を摺動しながら弾性部材25の付勢力に抗して該固定リング23を押し下げ、この固定リング23に取り付けられている連結ロッド22の拡径頭部22aをクランプ部材21の表面から浮かせた状態にする。この状態で、クランプ部材21による上パンチ4のフランジ20への押圧状態が解除される。
【0028】
そして、クランプ部材21に接続されているクランプ部材進退機構37を作動して、両クランプ部材21を上パンチ4の半径方向外方に引き離し、各クランプ部材21の爪部21bを上パンチ4のフランジ20表面から退避させると、両クランプ部材21の間に上パンチ4を下方に移動させるための空間が確保され、該上パンチ4を取り外すことが可能になる。この押圧状態の解除操作時にロボット等により上パンチ4を支持しておき、押圧状態を解除した後、上パンチ4を下方に移動させながらダイセット1から取り外すことができる。
【0029】
下パンチ6、コア7も上パンチ4の場合と同様にしてウォームギヤ31を駆動してリングギヤ27を回転させることにより弾性部材25の付勢力に抗して連結ロッド22の拡径頭部22aをクランプ部材21表面から浮かした後、クランプ部材進退機構37によってクランプ部材21の爪部21bを下パンチ6やコア7のフランジ20表面から退避させれば、これら下パンチ6、コア7を取り外すことが可能になる。
【0030】
上パンチ4、下パンチ6、コア7を取り付ける場合は、取り外す場合とは逆順に、クランプ部材21を上パンチ4等の取り付け位置から退避させた状態としておき、両クランプ部材21の間から上パンチ4等のフランジ20を上パンチプレート11等のベース板12、16、19上に当接させ、その後、クランプ部材進退機構37によって両クランプ部材21を接近させて、その爪部21bを上パンチ4等のフランジ20表面に配置する。そして、回転駆動機構33によってウォームギヤ31を駆動してリングギヤ27を回転させながら弾性部材25を復元させることにより、連結ロッド22先端の固定リング23を上パンチプレート11等から離間させ、該連結ロッド22の拡径頭部22aによってクランプ部材21を上パンチ4等のフランジ20に押し付けた状態に固定するのである。
【0031】
このように、上パンチ4等の着脱が回転駆動機構33とクランプ部材進退機構37とを作動させるだけで可能になるので、上パンチ4等をロボット等により支持しながらダイセット1から容易に着脱することができる。したがって、従来人手を介して行っていた金型交換作業を完全自動化し得て、無人運転を達成することができる。
【0032】
なお、前記締結手段による上パンチ等への押圧状態の保持及びその解除作業のみを自動化し、上パンチ等の最終的な取り外しや取り付け作業は人手によって行うようにしてもよく、その場合でも、金型への固定及びその解除作業が自動化されるため、型替えに要する作業時間を大幅な短縮が可能である。
なお、クランプ部材に連結ロッドを通過させる溝を端面まで開口するように形成したが、クランプ部材の爪部が金型のフランジ表面位置と退避位置との間で往復移動し得るのであれば、長穴としてもよい。また、クランプ部材の進退方向は金型の半径方向に限らず、連結ロッドを中心にした旋回方向に沿うものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の粉末成形プレス装置の一実施形態におけるダイセットを示す概略断面図である。
【図2】図1に示す上パンチの金型クランプ装置の拡大断面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う矢視図である。
【図4】図2のB−B線に沿う矢視図である。
【符号の説明】
【0034】
1 ダイセット、2 上型、3 下型、4 上パンチ(フランジ付金型)、4a フランジ、5 ダイ、6 下パンチ(フランジ付金型)、7 コア(フランジ付金型)、11 上パンチプレート(支持プレート)、15 下パンチプレート(支持プレート)、18 押出しプレート(支持プレート)、21 クランプ部材、22 連結ロッド、22a 拡径頭部、22b 軸部、22c 雄ねじ部、23 固定リング、25 弾性部材、26 センターねじ軸、26a おねじ部、27 リングギヤ、27c めねじ部、31 ウォームギヤ、33 回転駆動機構、34 締結手段、35 ねじ推進機構、36 クランプ部材進退機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジ付金型が支持プレート上にそのフランジを当接した状態に支持されるとともに、該フランジの複数箇所を押圧する複数のクランプ部材が、前記フランジを押圧状態に保持し又はその押圧状態を解除する締結手段によって前記支持プレートに支持されてなり、
前記クランプ部材は、前記押圧状態が解除されたときに前記フランジの表面から退避するまで前記支持プレート上をスライド可能に支持されていることを特徴とする金型クランプ装置。
【請求項2】
前記クランプ部材には、前記フランジ表面を押さえる爪部が形成され、該爪部をフランジ表面に当接した位置と該フランジ表面から退避した位置との間で移動させるクランプ部材進退機構が接続されていることを特徴とする請求項1記載の金型クランプ装置。
【請求項3】
前記締結手段は、各クランプ部材をその拡径頭部で押さえた状態として該クランプ部材及び前記支持プレートを貫通する連結ロッドと、該連結ロッドの先端部を支持プレートの背面側で一体に固定する固定リングと、該固定リングと支持プレートとの間に介在された弾性部材と、固定リングを弾性部材の付勢方向に沿って前後移動させるねじ推進機構とを備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の金型クランプ装置。
【請求項4】
前記ねじ推進機構は、前記支持プレートに固定状態のおねじ部と、該おねじ部に螺合して前記固定リングに当接するめねじ部と、該めねじ部を回転駆動する回転駆動機構とを備えていることを特徴とする請求項3記載の金型クランプ装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の金型クランプ装置を備えるプレス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−73700(P2008−73700A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−252674(P2006−252674)
【出願日】平成18年9月19日(2006.9.19)
【出願人】(390004879)三菱マテリアルテクノ株式会社 (201)