説明

金属含有物用保存容器

【課題】 マイクロカプセルで内包するなどして金属含有物を変化させないでも、固体の金属含有物を外気と遮断して簡便に保存、移動することのできる金属含有物用保存容器。
【解決手段】 (1)〜(6)を具備し、全ての口を密閉することによって(6)の内部が密閉される金属含有物用保存容器。
(1)懸濁液供給口:(6)と接続し、金属含有物の懸濁液を供給し得る口
(2)フィルター:(6)の内部に位置し、(6)に供給された懸濁液から濾液を濾過するフィルター
(3)加圧口:懸濁液を濾過するための加圧用気体を供給し得る口
(4)濾液排出口:懸濁液をフィルターで濾過して得られる濾液の排出し得る口
(5)金属含有物供給口:(4)と反対側に位置で(6)に接続され、反応容器と連結可能であり、閉鎖、開放できる口
(6)保存部:外壁、(2)及び(5)で囲まれた金属含有物の保存部位

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気や水分などに不安定な金属化合物の保存や移動に好適な容器に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、白金、モリブデン、ナトリウムなどの金属単体;ホスファイト錯体、メタロセン化合物などの有機金属錯体;酸化銅などの金属酸化物;塩化アルミニウム、塩化チタンなどの金属ハロゲン化物;水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウムなどの金属水素化物などの金属含有物は、オレフィンの重合反応、オレフィンの環化反応、水素化反応、異性化反応、フリーデル・クラフツ反応などの各種有機合成反応の触媒や反応試剤として幅広く利用されている。例えば、非特許文献1には、ニッケルホスファイト錯体の製造方法及び該錯体を触媒としたジエン化合物の環化反応が非特許文献1に開示されている。
このような金属含有物は、空気中の酸素や水分などにより容易に失活して触媒作用も活性や反応試剤としての活性が低下してしまう場合がある。例えば、ビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル(0)(以下、Ni(COD)2という場合がある)の場合には黄色であると環化反応触媒として活性があるが、空気中の酸素や水分などと接触して黒褐色になると環化反応触媒として活性が低下することが非特許文献1に記載されている。
金属含有物と外気と遮断するために、第VIII族の金属含有物を高分子のマイクロカプセルで内包する方法が報告されている(特許文献1)。しかしながら、第VIII族以外の金属含有物などのようにマイクロカプセルで内包されると触媒作用の活性が低下したり、触媒反応においてマイクロカプセルに用いられた高分子が混入して、望ましくない副反応が進行する場合がある。
【0003】
【特許文献1】特開2002−253972号公報(請求項1)
【非特許文献1】新実験化学講座(日本化学会編)12「有機金属錯体」p.227〜228、p393。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、マイクロカプセルで内包するなどして金属含有物を変化させないでも、固体の金属含有物を外気と遮断して簡便に保存、移動する方法、外気と遮断された反応容器に固体の金属含有物を供給する方法、及びこれら方法に好適な金属含有物用保存容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下下記(1)〜(6)を具備し、(1)、(3)、(4)及び(5)の全ての口を密閉することによって(6)の内部が密閉される金属含有物用保存容器、
該保存容器に懸濁液を供給し、該保存容器にて濾過して金属含有物を得、該保存容器の全ての口を密閉する金属含有物の保存方法、並びに、
該保存容器及び反応容器を外気とは遮断された状態で連結し、金属含有物供給口(5)を開けて保存部(6)から金属含有物を反応容器に供給する金属含有物の供給方法である。
【0006】
(1)懸濁液供給口:保存部(6)と接続し、金属含有物の懸濁液を供給することのできる口であって、密閉可能な弁を有する口
(2)フィルター:保存部(6)の内部に位置し、保存部(6)に供給された懸濁液から濾液を濾過することのできるフィルター
(3)加圧口:保存部(6)に供給された懸濁液を濾過するための加圧用気体を供給することのできる口であって、密閉可能な弁を有する口
(4)濾液排出口:保存部(6)に供給された懸濁液をフィルター(2)で濾過して得られる濾液の排出することができる口であって、密閉可能な弁を有する口
(5)金属含有物供給口:濾液排出口(4)と反対側の位置で保存部(6)に接続されており、外気と遮断された状態で金属含有物を用いる反応容器と連接可能であり、該反応容器と連接した際には金属含有物を該反応容器に供給することができる口であって、密閉可能な状態で閉鎖したり金属含有物を該反応容器に供給できるように開放できる口
(6)保存部:外壁、フィルター(2)、金属含有物供給部(5)で囲まれた金属含有物の保存部位
【発明の効果】
【0007】
本発明の金属含有物用保存容器は、マイクロカプセルで内包するなどして金属含有物を変化させないでも、固体の金属含有物を外気と遮断して簡便に保存、移動することができる。また、外気と遮断された反応容器に金属含有物を供給することができる。
また、本保存容器の大きさを適宜、変更することにより、数グラムの少量か数百キログラムの大量の固体の金属含有物を保存、移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に本発明について説明する。
本発明で用いられる金属含有物は、水や有機溶媒などの溶媒と懸濁し得る、固体の金属含有物であり、具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、白金などの第VIII族金属や、モリブデン、ナトリウムなどの金属単体;非特許文献1に記載のNi(COD)2;特開2001−342162号公報や特開2001−342164号公報に例示されているような第VIII族金属とホスファイト化合物とを含むホスファイト錯体;特開平9−87313公報に例示されているような4族遷移金属とジシクロペンタジエン化合物とを含むメタロセン化合物;酸化銅、酸化チタンなどの金属酸化物;塩化チタン、塩化アルミニウムなどの金属ハロゲン化物;水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウムなどの金属水素化物などが挙げられる。
【0009】
懸濁液は、金属含有物を溶媒で懸濁させてもよいが、通常、金属含有物を調製する最終工程の懸濁液がそのまま用いられる。具体的には、例えば、メタロセン化合物は、ジシクロペンタジエン化合物にn−ブチルリチウムなどを反応させて脱水素化反応したのち、四塩化チタンなどの遷移金属ハロゲン化物を加え、得られた反応生成物に貧溶媒を加えてメタロセン化合物を析出させて濾過してメタロセン化合物を得るが、貧溶媒を加えてメタロセン化合物が懸濁した状態の液をそのまま懸濁液として用いればよい。
また、例えば、Ni(COD)2の場合、無水ビス(アセチルアセトナト)ニッケルをトルエン、1,5-シクロオクタジエン存在下でトリエチルアルミニウムと反応させた後、その反応により得られた懸濁液をそのまま用いればよい。
また、懸濁液に用いられる溶媒は、上記の貧溶媒や反応溶媒などのように、通常、金属含有化合物の調製の過程で用いられる溶媒をそのまま用いればよい。
【0010】
懸濁液供給口(1)は、後述する保存部(6)と接続し、金属含有物の懸濁液を供給することのできる口であって、密閉可能な弁を有する口である。懸濁液供給口(1)は、通常、保存部(6)の上方に位置し、懸濁液が逆流しないように設置されている。
懸濁液供給口(1)は、通常、懸濁液供給ラインと、フランジ接続などにより、着脱可能な形で接続されている。着脱可能にすることにより、本発明の保存容器は移動可能になる。着脱可能な部位から保存容器側の部分には、懸濁液供給後、本保存容器を密閉するために密閉可能な弁を有する。具体的には、玉形弁、仕切弁、バタフライ弁などの弁などが例示されている。中でもバタフライ弁が密閉性に優れることから好ましい。
【0011】
フィルター(2)は、保存部(6)の内部に位置し、保存部(6)に供給された懸濁液から濾液を濾過することのできるフィルターである。好ましくは、保存部(6)の容量が大きくなるように後述する濾液排出口(4)近傍に設置される。
フィルターの材質は、懸濁液によって腐食や反応しないように、適宜、選定される。具体的には、綿布、濾紙などの天然繊維濾布、ポリエステル布、フッ素樹脂布などの合成繊維濾布、ガラス繊維濾布、セラミックの有孔底、金属製網などが挙げられ、これらの積層物であってもよい。
【0012】
加圧口(3)は保存部(6)に供給された懸濁液を濾過するための加圧用気体を供給することのできる口であって、密閉可能な弁を有する口である。懸濁液と接触しないように、保存部(6)の上部に通常、接続される。また、懸濁液供給口(1)に接続して、加圧用気体を接続するようにしてもよい。
加圧用気体としては、懸濁液に不活性な気体であり、ヘリウム、窒素、アルゴンなどが例示され、中でも窒素が汎用される。
加圧口(3)は、通常、加圧用気体供給ラインと、フランジ接続などにより、着脱可能な形で接続されている。着脱可能にすることにより、本発明の保存容器は移動可能になる。着脱可能な部位から保存容器側の部分には、加圧終了後、本保存容器を密閉するために、密閉可能な弁を有する。弁としては懸濁液供給口(1)で例示された弁が挙げられる。
【0013】
濾液排出口(4)とは、保存部(6)に供給された懸濁液をフィルター(2)で濾過して得られる濾液の排出することができる口であって、密閉可能な弁を有する口であり、通常、フィルター(2)を介して保存部(6)の反対側に設置される。通常、図1の如く、フィルター(2)を上部とする漏斗のような形状を有する。濾液排出部(4)は、保存部(6)を構成する外壁と一体となっていてもよい。
フィルター(2)と反対部分の濾液排出側は、通常、図1の如く、濾液排出ラインとフランジ接続などにより、着脱可能な形で接続されている。着脱可能にすることにより、本発明の保存容器は移動可能になる。
着脱可能な部位から保存容器側の部分には、濾過終了後、本保存容器を密閉するために、密閉可能な弁を有する。弁としては懸濁液供給口(1)で例示された弁が挙げられる。
【0014】
金属含有物供給口(5)は、濾液排出口(4)と反対側の位置で保存部(6)に接続されており、外気と遮断された状態で金属含有物を用いる反応容器と連接可能であり、該反応容器と連接した際には金属含有物を該反応容器に供給することができる口であって、密閉可能な状態で閉鎖したり金属含有物を該反応容器に供給できるように開放できる口である。
金属含有物供給口(5)は、通常、バルブなどの形状によって保存部(6)を開閉することのできる口になっている。懸濁液を濾過したり、金属含有物を保存するときには、密閉されて外気と遮断されており、金属含有物を用いる反応容器には密閉状態で連接したのち金属含有物供給口(5)を開放すれば、金属含有物は外気と接触することなく反応容器に供給することができる。
金属含有物供給口(5)の材質は、例えば、ステンレス、チタン鋼など金属、ガラス繊維やタルクなどの充填材とポリエステル、エポキシ樹脂などの合成樹脂との複合材料などが挙げられる。
金属含有物供給口(5)と保存部(6)とはパッキンで密閉できるようになっていてもよい。
【0015】
金属含有物を反応容器に供給する際は、通常、図2の如く、金属含有物供給口(5)が下になるように反応容器と連接し、金属含有物供給口(5)を開放して、重力によって金属含有物が供給される。あるいは、同様に連接し、金属含有物供給口(5)を開放したのち、濾液排出部(4)などから加圧用気体などを供給して加圧することにより、金属含有物を反応容器に供給することができる。
反応容器との連接は、例えば、パッキン、弁シール、接着剤などを使用してもよいが、好ましくは、メタルタッチシールを使用する。メタルタッチシールを使用することにより、反応容器と金属含有物供給口(5)との空間を小さくすることができ、該空間に存在する空気中の酸素や水分と金属含有物との接触が抑制される傾向がある。
【0016】
保存部(6)とは、外壁、フィルター(2)、金属含有物供給部(5)で囲まれた金属含有物の保存部位である。フィルター(2)を除く(1)〜(5)の全ての口が密閉されると、外気と遮断されて金属含有物を保存、移動させることができる。
外壁の材質は、例えば、ガラス繊維やタルクなどの充填材と、ポリエステルやエポキシ樹脂などの合成樹脂との複合材料;ステンレス、チタン鋼などの金属材料などが挙げられる。
外壁が金属材料であれば、図1の如く、外壁の周囲にさらにジャケット部を備えていてもよい。ジャケット部に冷媒あるいは熱媒を流通させることにより、金属含有物を濾過したり、乾燥する際に温度を制御することができる。
【0017】
本発明の保存方法は、前記保存容器の懸濁液供給口(1)から懸濁液を供給し、該保存容器のフィルター(2)にて濾過して金属含有物を得、該保存容器の全ての口を密閉することにより、金属含有物を保存する方法である。好ましくは、濾過終了後、懸濁液供給口(1)、加圧口(3)及び濾液排出口(4)を密閉したのち(金属含有物供給口(5)は濾過時に既に密閉されているので)、保存部(6)を、ヘリウム、窒素、アルゴンなどの不活性ガスで大気圧から10〜50kPa程度加圧したのち加圧口(3)を密閉して、保存容器は加圧した状態で保存すれば、外気の進入を抑制することができる。
また、例えば、加圧口(3)から不活性ガスを流入させ、例えば、濾液排出口(4)から排出させるなどの方法によって、通気条件下で保存してもよい。通気条件下において、ウェット状態の金属含有物を通気乾燥させることができる。
【0018】
金属含有物が水分によって活性が低下する場合には、本発明の保存容器の内部を乾燥有機溶媒で洗浄したり、乾燥気体を流通させるなどして保存容器の内部を乾燥させることが好ましい。
金属含有物が酸素によって活性が低下する場合には、本発明の保存容器の内部を不活性ガスで置換したり、内部を減圧にしたあと不活性ガスで置換したりするなどして、保存容器の内部から酸素を除去することが好ましい。
【0019】
本発明の供給方法とは、前記保存容器及び反応容器を外気とは遮断された状態で連結し、金属含有物供給口(5)を開けて保存部(6)から金属含有物を反応容器に供給する方法である。このことにより、外気と遮断されて保存された金属含有物が、外気と接触することなく、反応容器に供給される。
また、本発明の保存容器は移動できることから、金属含有化合物を調製する場所と、金属含有物が供給される反応容器の設置場所とが異なった場所であってもよい。
【実施例】
【0020】
以下、本発明を実施例等によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例により限定されるものではない。
(実施例1)
反応容器内で無水のビス(アセチルアセトナト)ニッケル 5.0kgを0.1kPa下、90℃で減圧乾燥を行い、1,5−シクロオクタジエン 4.4kgをトルエンに溶解し、−10℃以下に冷却した。続いて、ブタジエン 800gを加えた後、得られた冷却溶液にトリエチルアルミニウム 4.4kgを含むトルエン溶液を徐々に添加し反応させた。デカンテーションによってトルエンの大部分を除去したのち、ヘキサン/エタノール混合溶媒でさらにデカンテーションによって洗浄したのち減圧乾燥した。
次に、密閉、窒素置換された容器の中でトルエン約15.0kgと混合して約80℃まで昇温を行い、溶解したのち、−20℃まで冷却した。図1の保存容器を用いて、冷媒入ライン(15)から冷媒出ライン(16)に−20℃の冷媒を流しながら、得られた懸濁液を懸濁液供給口(1)から保存部(6)に供給した。次いで、フッ素樹脂製ろ布も用いて濾過して濾液を濾液排出口(4)を経由して濾液排出ライン(14)から濾液を除去し、黄色の結晶を得た。次いで、乾燥窒素で加圧口(3)から大気圧よりもやや加圧して溶媒の大部分を濾液排出ライン(14)から除去したのち、懸濁液供給ライン(11)の弁を密閉し、加圧ライン(13)から濾液排出ライン(14)からに乾燥窒素を流通させて24時間乾燥させ、黄色のビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル(0)(Ni(COD)2)結晶を約2.5kg、収率約50%で得た。
続いて、濾液排出ライン(14)を密閉したのち、加圧ライン(13)の弁を密閉し、懸濁液供給ライン(11)、加圧ライン(13)、濾液排出ライン(14)、冷媒入ライン(15)及び冷媒出ライン(16)のフランジ接続部(図示せず)を切り離して、移動可能な常態で1ヶ月間保存した。
1ヶ月後の結晶は黄色のままだった。
【0021】
1ヶ月保存したNi(COD)2 2.8g にトリス(o-フェニルフェニル)ホスファイト5.4g, 2-フェニル-1,3-ブタジエン40gおよびトルエン150mlを加えて、ブタジエンを導入して80℃に加熱し、その反応混合物を減圧蒸留することにより1-フェニル-1,5-シクロオクタジエンを単離収率約70%で得た。
【0022】
(比較例1)
実施例1において、乾燥して得られたNi(COD)2 をスクリュー型サンプル瓶中に1ヶ月、空気中にて放置したところ、合成直後は黄色であったが、黒色に変色した。実施例1と同様に1-フェニル-1,5-シクロオクタジエンの合成を試みたが、全く反応は全く進行しなかった。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の保存容器は空気や水分などに不安定な金属含有物の保存したり、移動するための容器として好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の保存容器の概略を示す模式図である。
【図2】本発明の保存容器を反応容器に連接させた際の模式図である。
【符号の説明】
【0025】
1 懸濁液供給口
2 フィルター
3 加圧口
4 濾液排出口
5 金属含有物供給口(バルブ)
6 保存部
7 (保存部の)外壁
8 ジャケット部
9 弁
10 金属含有物
11 懸濁液送液ライン
13 加圧ライン
14 濾液排出ライン
15 冷媒入ライン
16 冷媒出ライン
20 (金属含有物が供給される)反応容器
21 保存容器と反応容器の連接部
22 金属含有物供給ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(1)〜(6)を具備し、(1)、(3)、(4)及び(5)の全ての口を密閉することによって(6)の内部が密閉される金属含有物用保存容器。
(1)懸濁液供給口:保存部(6)と接続し、金属含有物の懸濁液を供給することのできる口であって、密閉可能な弁を有する口
(2)フィルター:保存部(6)の内部に位置し、保存部(6)に供給された懸濁液から濾液を濾過することのできるフィルター
(3)加圧口:保存部(6)に供給された懸濁液を濾過するための加圧用気体を供給することのできる口であって、密閉可能な弁を有する口
(4)濾液排出口:保存部(6)に供給された懸濁液をフィルター(2)で濾過して得られる濾液の排出することができる口であって、密閉可能な弁を有する口
(5)金属含有物供給口:濾液排出口(4)と反対側の位置で保存部(6)に接続されており、外気と遮断された状態で金属含有物を用いる反応容器と連接可能であり、該反応容器と連接した際には金属含有物を該反応容器に供給することができる口であって、密閉可能な状態で閉鎖したり金属含有物を該反応容器に供給できるように開放できる口
(6)保存部:外壁、フィルター(2)、金属含有物供給部(5)で囲まれた金属含有物の保存部位
【請求項2】
請求項1に記載の保存容器の懸濁液供給口(1)から懸濁液を供給し、該保存容器のフィルター(2)にて濾過して金属含有物を得、該保存容器の全ての口を密閉する金属含有物の保存方法。
【請求項3】
請求項1に記載の保存容器及び反応容器を外気とは遮断された状態で連結し、金属含有物供給口(5)を開けて保存部(6)から金属含有物を反応容器に供給する金属含有物の供給方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−264714(P2006−264714A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−83210(P2005−83210)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】