説明

金属基体の腐食防止用の方法及び組成物

【課題】アルミニウム又はアルミニウム合金の腐食防止、およびポリマー被覆の適用前の前処理として、クロム酸塩を用いない方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム、アルミニウム合金及びこれらの混合物からなる金属基体を用意し、この金属基体の表面に、部分的に加水分解されたアミノシラン及びフッ素含有無機化合物を含む前処理溶液を約150°Fで約2〜5分の間接触させて転化被膜を形成させ、60〜180°Fで乾燥させることによるアルミニウム又はアルミニウム合金の前処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属基体(substrate)の腐食を防止するための方法及び組成物に関する。より詳しくは、前記方法はアミノシラン及びフッ素含有無機化合物を含む溶液を金属基体に適用することを含む。前記方法は、特にアルミニウム又はアルミニウム合金を含む金属基体用の、腐食防止に、及びペンキ塗りに先立つ処理工程として有用である。
【背景技術】
【0002】
殆どの金属は腐食、特に大気腐食を受け易い。そのような腐食はそのような金属の品質、及びそれから製造される製品の品質に大きく影響する。この腐食はときには金属から剥がせるが、そのような工程はコスト高であり、最終製品の有用性を更に減らすことができる。更に、ペンキ、接着剤、又はゴムのようなポリマー被膜が前記金属に適用されるときは、ベースになる金属材料の腐食は、ポリマー被膜及びベース金属の間の接着の低下を引き起こしうる。ポリマー被膜とベース金属の間の接着の低下は、前記金属の腐食につながる。アルミニウム合金は特に、この金属の機械的性質を改善するのに使用される合金元素(例えば、マグネシウム及び亜鉛)が腐食抵抗性を低下させるので、腐食を受け易い。
【0003】
金属、特に金属シートの腐食抵抗を改善するための先行技術は、重クロム酸塩(heavy chromate)処理による表面の不働態化を含む。しかし、そのような処理方法は望ましくない。何故なら、前記クロムが非常に有毒であり、発癌性であり、環境に対して望ましくないからである。燐酸塩転化物(phosphate conversion)被膜をペンキの接着性を改善し、腐食保護を提供するために、クロム酸塩リンスと組み合わせて用いることも知られている。クロム酸塩リンスは燐酸塩被膜中の孔を覆い、それによって腐食抵抗及び接着性能を改善すると考えられる。しかしながら、再度、クロム酸塩の使用を完全に排除することが望ましい。残念ながら、この燐酸塩転化被膜は一般に、クロム酸塩リンスなしでは最適に有効ではなくなる。
【0004】
最近、クロム酸塩の使用を排除する種々の技術が提案されている。これらは、無機ケイ酸塩で金属を被覆した後、このケイ酸塩被膜を有機官能性シランで処理する(米国特許No.5108793)を含む。米国特許No.5292549は、一時的腐食保護を提供するために、有機官能性シラン及び架橋剤を含む溶液で金属シートをリンスすることを教えている。この架橋剤は有機官能性シランを架橋して、より緻密なシロキサンフィルムを形成する。しかしながら、この特許の1つの重要な欠点は、前記有機官能性シランは前記金属表面によく結合せず、従って、米国特許No.5292549の被膜は容易に洗い流されてしまうことである。金属シートの腐食を防ぐための種々の他の技術も提案されている。しかしながら、これらの提案された技術の多数は有効でないか、時間消費を要するか、エネルギー効率が悪いか、多工程プロセスである。
【0005】
従って、金属、特にアルミニウム又はアルミニウム合金の腐食を防ぐための簡単で低コストの技術、及びペンキ、接着剤、又はゴムのようなポリマー被膜を適用する前に金属基体を処理することに対する需要がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、先行技術の種々の問題を予防すること、特にクロム酸塩の使用及び廃棄にまつわる問題を予防することである。
本発明の他の目的は、金属の腐食を予防する改善された方法を提供することである。
本発明の更に他の目的は、有機ポリマー被膜、特にペンキ、接着剤及びゴムの適用に先立って金属表面を処理する改善された方法を提供することである。
【0007】
本発明の1つの態様によれば、金属基体を用意する工程及びこの金属基体の表面に処理溶液を適用する工程を含み、ここに前記処理溶液は部分的に加水分解されたアミノシラン及びフッ素含有無機化合物を含む、金属基体の処理方法が提供される。もし望むならば、その後にペンキ、接着剤、又はゴムのようなポリマー被膜が、前記処理溶液によって提供される転化被膜(conversion coating)の上に直接適用されてよい。
【0008】
本発明の他の態様によれば、金属基体を用意する工程;この金属基体を洗浄する工程;この金属基体の表面に、部分的に加水分解されたアミノシラン及びフッ素含有無機化合物を含む処理溶液を適用して転化被膜を形成する工程;並びにこの金属基体を乾燥する工程を含む、金属基体を被覆する方法が提供される。
【0009】
本発明の他の態様によれば、金属基体を提供する工程;この金属基体を洗浄する工程;この金属基体を水でリンスする工程;この金属基体の表面にアミノシラン及びフッ素含有無機化合物を含む処理溶液を適用して、転化被膜を形成する工程;任意にこの金属基体を水でリンスし、その後この金属基体を乾燥する工程、を含む金属基体を被覆する方法が提供される。
【0010】
本発明の更に他の態様によれば、部分的に加水分解されたアミノシラン及びフッ素含有無機化合物を含む処理溶液が提供される。
【0011】
本発明の他の態様によれば、ポリマー被膜を適用する前に、金属基体を用意する工程及びこの金属基体の表面に処理溶液を適用する工程を含み、ここに前記処理溶液は部分的に加水分解されたアミノシラン及びフッ素含有無機化合物を含む、金属基体を処理する方法が提供される。
【0012】
アミノシラン及びフッ素含有無機化合物を含む処理溶液は、良好な腐食保護を提供するだけでなく、良好なポリマー接着を提供する。本発明方法は、酸化物を除くために前記基体を酸性溶液で脱酸する工程を必要とせず、従って水資源を保存する。更に、本発明の処理溶液は有機溶剤を必要としない。この処理溶液は、諸成分のレベルが好ましい範囲より下がったことを、滴定の結果が示したとき、追加の成分の補充によって「更新され」うる。
【0013】
これらの追加の目的及び利点は以下の詳細な説明を見ればより明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0014】
金属、特にアルミニウム及びアルミニウム合金の腐食が、アミノシラン及びフッ素含有無機化合物を含む処理溶液を金属の表面に適用することによって防ぐことができることが見出された。
【0015】
本発明の処理方法は、アルミニウム(シート形状の、押し出し及び鋳造)アルミニウム合金(シート形状の、押し出し及び鋳造)を含む種々の金属のいずれにも使用することができる。好ましくは、この金属基体はアルミニウム、アルミニウム合金及びこれらの混合物からなる群から選ばれる。より好ましくは、この基体は殆ど又は全く銅を含まないアルミニウム合金である。用語「金属シート」は連続的コイル及び切断された長さ(lengths)の両方を含むことに注意すべきである。
【0016】
前記処理溶液は、少なくとも部分的に加水分解された1又はそれ以上のアミノシラン、及び1又はそれ以上のフッ素含有無機化合物を含む。好ましくは、前記アミノシランはアミノアルキルアルコキシシランである。有用なアミノアルキルアルコキシシランは、式[アミノアルキル][アルコキシ]シラン(ここに、xは1又はそれ以上であり、yは0〜3であり、好ましくは2〜3である)で表されるものである。この[アミノアルキル][アルコキシ]シランのアミノアルキル基は、同じであっても異なってもよく、アミノプロピル基及びアミノエチル基を含んでいてもよい。適当なアルコキシ基は、トリエトキシ基及びトリメトキシ基を含む。適当なアミノシランは、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、アミノエチルアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、及びこれらの混合物を包含する。好ましいアミノシランは、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(γ−APS)である。
【0017】
好ましくは、前記フッ素含有無機化合物は、フッ化チタン、フルオロチタン酸(HTiF)、フルオロジルコニウム酸(HZrF)、フルオロハフニウム酸(HHfF)、及びこれらの混合物からなる群から選ばれる。より好ましくは、前記フッ素含有無機化合物はフッ素含有無機酸であり、より好ましくは、前記フッ素含有無機酸は、フルオロチタン酸、フルオロジルコニウム酸、フルオロハフニウム酸及びこれらの混合物である。
【0018】
好ましくは、前記処理溶液は実質的にクロム酸塩がなく、より好ましくはクロム酸が完全にない。
【0019】
ここで用いられているように、パーセンテージ及び比は、特に断らない限り、重量基準である。アミノシランの重量%は、特に断らない限りこの溶液に加えられた加水分解されていないアミノシラン重量に基づく。
【0020】
前記アミノシランは、一般的にこの溶液に加えられた全未加水分解アミノシランの約90重量%〜100重量%である。フッ素含有無機化合物、例えばフルオロチタン酸、フルオロジルコニウム酸、フルオロハフニウム酸及びこれらの混合物は、一般に約50重量%〜約60重量%の水溶液として入手可能である。本発明の処理溶液は、好ましくはアミノシラン溶液の約0.2重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約1重量%であり、フッ素含有無機化合物溶液の約0.1重量%〜約2重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約0.5重量%である。この処理溶液の残りは、水(好ましくは脱イオン水)である。この処理溶液の1つの好ましい具体例は、約5.25g/Lの約90重量%のγ−APS(約5.0g/Lのγ−APS)、及び約2.5g/Lの約60重量%のフルオロチタン酸の約60重量%水溶液(約1.5g/Lのフルオロチタン酸を含む)。この溶液の残りは水(好ましくは脱イオン水)である。
【0021】
フッ素含有無機化合物に対するアミノシランの比は、好ましくは約0.5:1〜約2:1であり、より好ましくは約2:1である。この溶液のpHは、好ましくは約6以下、より好ましくは約5以下、最も好ましくは約5未満である。
【0022】
前記処理溶液はビス(トリエトキシシリル)エタンシラン(BTSE)、又はビス(トリメトキシシリル)エタンシラン(TMSE)のような架橋剤の使用を必要としない。好ましくは、この組成物はシラン架橋剤がない。
【0023】
前記処理溶液は、少量の水(好ましくは脱イオン水)をアミノシラン溶液(約90重量%〜100重量%のアミノシラン)を加え、混合し、そしてこの混合物を透明になるまで一夜放置することによって調製される。このアミノシラン溶液に加えられる水の量は、一般に、水及びアミノシラン溶液の全体積の約4%〜約5%の範囲である。これは、アミノシランの少なくとも部分的加水分解をもたらす。次いで、この得られたアミノシラン混合物はフッ素含有無機化合物溶液及び残りの水(好ましくは脱イオン水)と組み合わされる。有機溶剤を加えても良いが、それらは一般に必要でない。相溶性のある有機溶媒は、グリコールエーテル類及びメタノール、エタノール及びイソプロパノールのような水溶性有機溶剤である。好ましくは、前記処理溶液は、実質的に、より好ましくは完全に有機溶剤を含まない。
【0024】
この処理溶液の浴寿命は、少なくとも約2日までである。しかしながら、この処理溶液の浴寿命は、この処理溶液に、追加のアミノシラン及びフッ素含有無機化合物をこれら成分のレベルを好ましいレベルに戻すために、補充することによって延長することができる。これら成分のレベルは、当技術分野において公知の方法によって滴定することができ、当業者は加えるべき成分の量を計算することができる。
【0025】
この処理溶液は、金属基体の表面に適用される。適用はスプレー、浸漬、ロール被覆又は「リンスなし」適用又は当業者に周知の他の手段によって達成することができる。1つの具体例において、前記金属基体は処理溶液を含む浴中に浸漬される。好ましくは、前記金属基体は浴中に、約2秒〜約5分、より好ましくは約15秒〜約2分、最も好ましくは約1分〜約2分、浸漬される。処理溶液の温度は周囲温度から約150°F(66℃)、好ましくは約100°F(38℃)〜約120°F(49℃)、最も好ましくは約120°F(49℃)の範囲に維持することができる。一般に、周囲温度は、約60°F(16℃)〜約75°F(24℃)、好ましくは約65°F(18℃)〜約70°F(21℃)の範囲に維持できる。金属基体を予備加熱することは必要でなく、プロセス効率を改善するために省かれる。
【0026】
好ましい具体例においては、金属基体を洗浄(例えばアルカリ洗浄)し;水を用いた金属基体を水でリンスし;処理溶液を金属基体の表面に適用し;任意にこの金属基体を水でリンスし;そしてこの金属基体を乾燥することを含む方法によって、金属基体は腐食から保護され、又は有機被膜の適用に先立って処理される。この金属基体はこの基体を乾燥するに充分な時間、一般に約2分〜約30分、炉中で乾燥することができる。好ましい乾燥温度範囲は、周囲温度〜約180°F(82℃)、より好ましくは周囲温度〜約150°F(65℃)、最も好ましくは周囲温度〜150°F(65℃)未満である。乾燥後、本発明の処理溶液によって提供される転化被膜は、一般に、この金属基体上に、約10mg/sq.ft.〜約14mg/sq.ft.の重量存在するであろう。
【0027】
金属のクロム酸塩処理は、一般に次のことを必要とする:この金属基体のアルカリ洗浄;水によるこの金属基体のリンス;エッチング;水によるこの金属基体のリンス;表面酸化物を除去するための酸性組成物を用いるこの金属基体の脱酸;水によるこの金属基体のリンス;金属基体の表面へのクロム酸塩処理溶液の適用;水による金属基体のリンス;この金属基体のシールリンス及び乾燥。従って、伝統的なクロム酸塩処理は4回の水リンス、即ち、クロム酸処理工程に加えてアルカリ洗浄、シールリンス、及び酸性脱酸工程が必要である。対照的に、本発明方法は只の2回の水リンス及び処理工程に加えて洗浄工程を含むことができ、脱酸工程を必要としない。本発明方法は、エッチング、脱酸及びシールリンスを含むことができるが、好ましくはこの方法はエッチング、脱酸及びシールリンスを含まない。エッチング、脱酸及びシールリンス工程がないことは、より早い、よりコスト−効率的なプロセスをもたらし、流出物の取り扱いの減少をもたらす。
【0028】
この処理溶液及び本発明方法は、また、その上にペンキ及び他のポリマーが直接に適用され得る転化被膜を提供する。
【0029】
腐食及びペンキの剥離は、しばしば露出した金属の小さな領域(即ち、ペンキ塗りされた表面中の掻き傷)から時間の経過に伴って拡がるであろう(「クリーページ(creepage) 」又は「クリープバック(creepback)」と呼ばれる)。本発明によって処理された金属基体は、刻みつけ(裸の金属の領域の露出)に付しても、良好なペンキ接着及び良好な腐食抵抗の両方を示す。
【0030】
本発明の転化被膜を、本発明の教えに従って6061アルミニウム合金のパネルに適用された。それによって透明な被膜が提供され、目に見えるマークは存在しなかった。次いで、これらパネルの一部を標準の電着塗装(「E−コート」)又は標準の粉体塗装で被覆された。次いでパネルを、United States Military Specification MIL−E−5541E(ここに引用してその内容をこの明細書に含める)に記載された試験を含む腐食及び接着試験に供した。転化被膜のみ(E−コートも粉体塗装もなし)を有するパネルは、336時間の露出(ASTM B117 Salt Spray Test、ここに引用してその内容をこの明細書に含める)の後何らのピット(pit)も示さなかった。最初のピットは1344〜1416時間の後に見えた。粉体塗装パネルについて、約68μmのフィルム厚さが観察された。504〜528時間の後、粉体塗装されたパネル上にクリーページが最初に観察され、3096時間の後に接着破壊(adhesion failure)は何ら観察されなかった。1680〜1752時間の後、クリーページが最初に観察され、2256〜2382時間の範囲の時間の後、何らの接着破壊も観察されなかった。
【0031】
腐食抵抗性は、刻み付け試験を用いても証明された。E−コートパネルについて、フィルム厚さは約12μmであり、やはり接着破壊は観察されなかった。E−コートパネルの腐食抵抗性は、刻み付け試験を用いても証明された。これらの試験は本発明の処理溶液によって提供された転化被膜は優れた腐食抵抗性を提供し、転化被膜とその上に適用されたポリマーコートの間の接着性の喪失はないことを証明している。
【0032】
本発明の好ましい具体例を記載したので、ここに記載された方法及び組成物の更なる適合は、本発明の範囲から離れることなく当業者によって適当な修正を加えて、達成することができる。多数の代替物及び変形をここに記載したので、他のものは当業者に明らかであろう。従って、本発明の範囲は特許請求の範囲によって考慮されるべきで、発明の詳細な説明に示され、記載された方法及び組成物の詳細に限定されるべきではないものと理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の工程を含む金属基体の被覆方法:
(a)金属基体を用意する工程:及び
(b)前記金属基体の表面に処理溶液を適用する工程、但しここに前記処理溶液は部分的に加水分解されたアミノシラン及びフッ素含有無機化合物を含む。
【請求項2】
前記金属基体がアルミニウム、アルミニウム合金及びこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金属基体の表面に処理溶液を適用する工程が、前記金属基体を前記処理溶液で約2秒〜約5分の期間接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記処理溶液の温度が約大気温度から約150°Fである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
次の工程を含む、金属基体を腐食から保護する方法:
(a)金属基体を用意する工程:
(b)前記金属基体を洗浄する工程:
(c)前記金属基体の表面に、部分的に加水分解されたアミノシラン及びフッ素含有無機化合物を含む処理溶液を適用して転化被膜(conversion
coating)を形成する工程;及び
(d)前記金属基体を乾燥する工程。
【請求項6】
前記金属基体を乾燥する工程の間、乾燥温度が60°F〜180°Fである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記金属基体の乾燥の工程の後、前記処理溶液によって提供される転化被膜が前記金属基体上に、約10mg/sq.ft.〜約14mg/sq.ft.の重量存在する、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記アミノシランが、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、アミノエチルアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン及びこれらの混合物から選ばれ、前記フッ素含有無機化合物がフッ化チタン、フルオロチタン酸、フルオロジルコニウム酸、フルオロハフニウム酸及びこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記金属基体が、アルミニウム、アルミニウム合金及びこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記金属基体を水でリンスする工程を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
部分的に加水分解されたアミノシラン及びフッ素含有無機化合物を含む、処理溶液。
【請求項12】
前記フッ素含有無機化合物がフッ化チタン、フルオロチタン酸、フルオロジルコニウム酸、フルオロハフニウム酸及びこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項11に記載の処理溶液。
【請求項13】
前記アミノシランが、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、アミノエチルアミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン及びこれらの混合物から選ばれる、請求項11に記載の処理溶液。
【請求項14】
前記アミノシランがγ−アミノプロピルトリエトキシシランであり、前記フッ素含有無機化合物がフルオロチタン酸である、請求項13に記載の処理溶液。
【請求項15】
前記処理溶液が実質的にクロム酸塩を含まない、請求項11に記載の処理溶液。
【請求項16】
前記フッ素含有無機化合物に対するアミノシランの重量比が、約0.5:1〜約2:1である、請求項11に記載の処理溶液。
【請求項17】
前記溶液のpHが約6以下である、請求項11に記載の処理溶液。
【請求項18】
前記処理溶液がシラン架橋剤を含まない、請求項11に記載の処理溶液。
【請求項19】
次の工程を含む、ポリマー被膜の適用の前に金属基体を処理する方法:
(a)金属基体を用意する工程;
(b)前記金属基体の表面に処理溶液を適用する工程;及び
(c)ポリマー被膜を適用する工程;
但し、ここに前記処理溶液は部分的に加水分解されたアミノシラン及びフッ素含有無機化合物を含む。
【請求項20】
前記ポリマー被膜が、ペンキ、接着剤、ゴム及びこれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項19に記載の方法。

【公開番号】特開2010−156055(P2010−156055A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−44335(P2010−44335)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【分割の表示】特願2007−127937(P2007−127937)の分割
【原出願日】平成10年9月16日(1998.9.16)
【出願人】(500118458)チェメタル パブリック リミティド カンパニー (4)
【Fターム(参考)】