説明

金属有機電解液から金属及び/又は金属合金を沈積する装置及び/又は方法

本発明は、金属有機電解液から金属及び/又は金属合金を分離し及びこれを製品(7)上に沈積する装置(1)に関連し、該装置は、製品(7)を被覆する少なくとも1つの被覆部(3)、少なくとも1つの他の処理部(2、4)及び概ね酸素及び/又は水分の浸透なく製品(7)を装置(1)へ導入及び排出する少なくとも1つの固定チャンバ(20、40)を含む。本発明による装置には、被覆部(3)からの装置の他の部分(2、4)のガスに関連した分離を行い又は被覆部(3)に対して該他の部分(2、4)を密閉する分離要素(53、54)を含む少なくとも1つのサイフォンすすぎ装置(60、61)、並びに不活性ガスで満たすことができ、及び被覆部(3)、少なくとも1つのサイフォンすすぎ装置(60、61)及び少なくとも1つの他の処理部(2、4)を概ね気密に囲繞する少なくとも1つのフード部(5)が設けられている。本発明はまた、溶媒の損失が概ねなく、該製品は概ね気密の態様で少なくとも1つの被覆部(3)に配送され、次に被覆され及び概ね気密な態様で少なくとも1つの出力部(4)へと配送され、及び最終製品(7)が排出されるように、製品(7)が装置に導入される対応する方法にも関連する。不活性ガス雰囲気の蓋が本発明の装置の部分(50、51、52)すべての上方に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機金属電解液から金属及び/又は金属合金、特に有機溶媒中の金属有機錯塩を製品上に沈積し、並びに製品を被覆する少なくとも1つの被覆部、少なくとも1つの追加的な処理部及び概ね酸素及び/又は水分の浸透なく製品を装置から水路を通して搬出入する少なくとも1つのスルースチャンバを有する装置及び方法に関する。
【0002】
伝統的なガルバノ技術ではよくあるように、アルミニウム、マグネシウム及びこれらの水溶液系からの合金の電気沈積はこれら元素の非常に低い電位が原因で可能ではない。過去数十年間アルミニウム、マグネシウム及びこれらの非水溶液系からの合金の沈積に多数のアプローチがあったものの、アルミニウムアルキル又はマグネシウムアルキルを含有する錯体からの沈積のみが工業規模で成功した。ここでは対応する適切な工程管理及び分析性を備えた電解液の変形体(electroryte variant)が様々な適用のほとんどに対して多少の成功を収めてきた。いくつかの事例ではこれらを用いた大規模な工業用途の適用も可能になった。
【0003】
各電解液の変形体の生成に使用されるアルキル金属類は周知のとおり酸素及び水と非常に激しく反応して、例えばアルコキシ化合物類又はアルミニウムオキサン類といった反応生成物を形成する。これら反応生成物はもはや、この電解液の処方に使用されるアルカリ金属類又はハロゲン化アルカリ類と追加的な錯体を形成することはできない。可溶性不純物として電解液中に残存し、及びその際電気伝導性を低下させる。同様にこれら反応生成物の濃度の上昇に伴い最大使用可能電流密度は増加し、これによってこの被覆方法工程は費用対効果、及び場合によっては良好な品質も喪失する。
【0004】
上述の一連の問題は1987年11月には既にニュレンベルグのグオルグ・シオン・オーム技術研究所で検討され、電解液の長い使用寿命及び最適な層品質を保証するためには、アルキル系金属有機電解液が存在する被覆系への酸素及び/又は水分の浸透を概ね回避するべきであるとの結果を得た。被覆系への酸素及び水の浸透を原因とする化学的又は電気化学的な欠点とは別に、被覆系への酸素及び/又は水の浸透を回避することもまたこのような系の信頼性高く及び安全な動作、とりわけ加工における信頼性及び製造における安全性に関して及び環境に関して非常に重要である。
【0005】
種々の最先端技術の被覆系が周知であり、被覆系各部への酸素及び/又は水分の浸透を回避するアプローチも部分的に含まれている。このような系では、水又は酸素を含有しない非プロトン性電解液からの金属又は合金を含有する継ぎ目のない金属又は非金属製品の電解被覆が連続工程において提供されており、独国特許第197 16 493 C2号に記載されている。この目的のためにすすぎ及び乾燥工程が加えられ、これは水溶液の残留物を除去することを意図している。これに加えて、被覆された継ぎ目のない製品をシステムからスルースシステムを介して排出することが提供されている。スルースチャンバは、封入液を含有し、外側のチャンバに含有される空気に対して障壁の働きをする中央チャンバを含む。第3のチャンバは不活性ガスを含有する。これに加えて、工程で使用されるすべての液体が、調製、洗浄及び再循環される再生回路が設けられている。
【0006】
独国特許第30 23 827 C2号によると、外部とは密閉された管状セルであり、これを介して処理対象であり及び陰極と接触する材料が陽極に沿って軸方向に特に連続的に移動できるセルが周知である。管状セルからの電解液の好ましくない排出を防止するとともにセルへの空気雰囲気の浸透を防止するために、管状セルを保護ガスで加圧することができる。この公報によると、数個のチャンバから構成されるスルース構造も提供されており、ここへは各チャンバを互いに密閉するために不活性ガス及び/又は不活性液体を導入することができる。
【0007】
独国特許第199 32 524 C1号によると、電気化学処理の目的、特に導電性又は導電性にされた部品の電気化学被覆の目的で、これら部品は、電解質溶液で充填された容器、又は処理中回転し及びしたがって部品全面を被覆する回転バスケットへと持ち込まれる。容器は気密にされている。バスケット内での部品の処理は全く再投入なしに行われる。各液体又は溶液は単に一度容器へと汲み入れられ、及び再度そこから汲み出される。容器は乾燥目的でその都度遠心分離され、及びその際電解質溶液の残留物はバスケットを推し進めることによって遠心分離される。このシステムはその設計を理由に金属有機電解液の沈積には適していない。
【0008】
また独国特許第41 18 416 A1号によると部品、好ましくは相対的に肉薄のものを被覆する装置が周知であり、この装置において被覆は、互いに隣接するよう配置された容器内に部品を持ち込むことによって行われる。その際、容器又は槽は不活性ガス雰囲気中にある。これに加えて、すすぎ槽、エッチング槽及び沈積槽が設けられている。共通の容器内に種々の槽を配置する際に、仕切として形成され、処理対象の部品が浸透できるスルースが設けられる。この目的で、この浸透可能な仕切は浸透領域内において、弾性材料から成り、軸周りに回転し、密閉が形成されるような態様で互いに移動し及び密閉が形成されるような態様で容器の境界壁に面して摺動する一対のローラによって形成される。
【0009】
これら上記の公報によると、装置は各装置の一部領域において、装置への酸素又は水分のすべての浸透を回避しようと試みることになる。この目的のため装置の一部のみに例えばすすぎ及び乾燥装置又は3部スルースチャンバ等が設けられている。
【0010】
このように本発明の目的は、金属有機電解液から金属及び/又は金属合金を沈積する装置及び方法であって、安全に関連する問題が何ら発生せず、並びに、装置からの溶媒のすべての排出及び特に使用される電解液系の装置の周囲雰囲気からの酸素及び水分とのすべての反応を概ね完全に回避することができる装置及び方法を提供することである。
【0011】
この目的は請求項1の序文に記載の装置において、被覆部からの装置の他の部分のガスと関連した分離又は被覆部に対するこれら他の部分の密閉のための分離装置を備えた少なくとも1つのサイフォンすすぎ装置、並びに、不活性ガスで満たすことができ及び被覆部、少なくとも1つのサイフォンすすぎ装置及び少なくとも1つの追加的な被覆部を概ね密閉する少なくとも1つのフード構成材が設けられることによって実現される。請求項17の序文に記載の方法に関して目的は、製品の概ね溶媒損失のない水路を通した搬出入が少なくとも1つのスルースチャンバを介して金属及び/又は金属合金の沈積装置へと提供されていること、製品がガスを概ね排除して少なくとも1つの被覆部へと移送されること、製品が少なくとも1つの被覆部で被覆されること、被覆された製品は被覆部から少なくとも1つのサイフォンすすぎ装置を介して少なくとも1つの出力部へとガスを概ね排除して移送されること、及び完成製品が少なくとも1つの追加的なスルースチャンバを介して水路を通して搬出され、ここでは不活性ガス雰囲気ベルが装置の全部分の上方に保持されていることによって実現される。本発明の拡張は、従属請求項に定義(define)されている。
【0012】
これによって、酸素及び水又は水分とともに他の不純物の被覆電解液へのキャリーオーバーをできる限り低減することが可能な金属及び/又は金属合金を沈積する装置及び方法が提供される。これによって、被覆電解液の長い使用寿命を保証することができる。溶媒排出物といった好ましくない反応生成物の形成は、非常に急激に抑えるか又は概ね完全に防止することができる。ガス雰囲気を装置各部へと分離し、装置のこれら各部を互いに密閉する分離装置を備えたサイフォンすすぎ装置を設けることによって、装置各部間で酸素及び水分の拡散障壁が精密に設けられている。装置各部を囲繞している概ね密閉されたフード構成材中のガス雰囲気は、装置各部において最適となるよう設定することができる。これによって、ガス雰囲気を介した電解液領域への溶媒の移動をすべて防止することも可能である。被覆電解液の洗浄液又は他の溶媒との化学的不適合が高頻度に発生するため、装置各部のガス雰囲気の分離自体に特に利点があることが証明された。これによって安全な及び信頼性の高い作動が可能である。1つには、概ね密閉されたフード構成材を設けることによって、装置内の全雰囲気の封入、及びこれによる装置周囲の外部雰囲気からの分離が可能である。これによって、蒸発している溶媒は装置から排出される前に回収され、システムの対応する部分へと再循環される。こうして、装置周囲の周囲雰囲気の混入も概ね排除することができる。もう1つには、フード構成材内で、一定圧であるが、同時に周囲雰囲気中の圧力に対応する圧力とは異なる圧力に維持することが可能である。好ましくは、フード構成材各部の少なくとも一部において、装置周囲の雰囲気と比較して僅かな超過圧力が維持され及び監視される。好ましくは、フード構成材中での一定圧力、及び/又はフード構成材中で外部及び/又は周囲雰囲気と比較して僅かな超過圧力を維持する少なくとも1つの圧力維持装置が設けられている。したがって、装置への外部雰囲気の意図しない浸透、及びしたがって装置内のガス雰囲気の混入をこうして概ね回避することができる。
【0013】
概ね一定の圧力をフード構成材中特に各フード部中で、したがって特に装置の外部雰囲気と比較して僅かに超過圧力を維持できるようにするために、好ましくは少なくとも1つのガス緩衝装置が設けられ、及び各部、特に最初及び/又は最後の部分に接続され、又は接続することができる。したがってこの種のガス緩衝装置は、製品の水路を通った搬出入を原因とした圧力のばらつきが起こりうるため、好ましくは装置の入口及び出口に設けられる。ガス緩衝装置は、フード構成材中に事前選択可能な公差の範囲外にある超過圧力が発生する場合に充填され、フード構成材中に事前選択可能な公差の範囲外にある不足圧力が発生する場合、例えばスルースチャンバを不活性ガスで満たすためにガス雰囲気が各フード構成材から除去される場合に、空にされる。
【0014】
好ましくは、少なくとも1つの酸素監視装置が、少なくとも1つのスルースチャンバ及び/又はフード構成材の部分に設けられている。好ましくは、溶媒濃度を監視する少なくとも1つの装置もスルースチャンバに設けられている。これによって、装置各部中にあるガス雰囲気中の酸素及び/又は溶媒含有量を絶えず監視することが可能である。スルースチャンバは、装置への空気又は酸素の導入を防止する役割を果たすため、スルースチャンバ雰囲気の酸素含有量は、製品の水路を通った搬入、その際に製品と一緒に導入された空気の排出及び例えば不活性ガスによるチャンバのすすぎの後に、定期的に監視される。スルースチャンバがフード構成材に対して開放されている場合、フード構成材及び装置の他の部分への酸素の浸透を回避することができるよう、チャンバ内の酸素含有量はできる限りゼロに近づくべきである。装置からの溶媒の排出も、できる限りゼロに近づくよう低下させるべきである。装置の外部雰囲気への接続を示すスルースチャンバ中の溶媒含有量を監視できるようにするために、スルースチャンバには溶媒濃度を監視する装置も設けられている。酸素及び/又は溶媒含有量が、事前決定及び/又は設定が可能、又は設定されている閾値を超える限り、ガスのスルースチャンバからの導出入にポンピング回数を適合させること、及び/又は少なくとも1つのスルースチャンバでの酸素含有量を低下させるための不活性ガスによるポンピングサイクル中の追加的なすすぎ段階を誘発することが可能である。例えば、混入されたガス雰囲気を汲み出すには長いポンピングサイクルが提供される。また、酸素含有量に関して不活性ガス雰囲気ベルを監視することができ、酸素含有量はできる限りゼロに近づけるべきである。これら手段によって、装置の不活性ガス雰囲気ベルへの酸素の混入がほとんどない、又は全くないことを最適な態様で保証することができ、この場合、最適な被覆成果並びに製品処理中の非常に高い安全性及び信頼性を達成することができる。
【0015】
好ましくは、製品表面を洗浄及び/又は前処理する洗浄及び/又は活性化部、及び/又は装置から製品を水路を通って搬出する少なくとも1つの出力部が設けられている。好ましくは、少なくとも1つの洗浄及び/又は活性化部は、被覆対象製品を洗浄する洗浄液及び/又は表面を活性化し又は接着促進剤層を生成する活性化液を含む1つ又は複数の密閉可能な処理槽を含む。このような洗浄及び/又は活性化部では、原製品の洗浄が有利に可能であり、酸素の存在しない製品のブランク面を製造することができる。これによって後続する被覆に対して最適な接着強度を保証することが可能である。接着強度をさらに向上させるために、装置のこの部分で製品表面に接着促進剤層を有利に塗布することができる。密閉可能な処理槽を設けることによって、各製品が各処理槽に挿入されることが予定されている場合これらを選択的に開放することが可能である。こうして、フード雰囲気への処理液の好ましくない蒸発はさらに抑制することができる。
【0016】
好ましくは、少なくとも1つの洗浄及び/又は活性化部は、少なくとも1つの処理槽の後方に配置され、事前処理された製品をすすぎ及び洗浄及び/又は活性化部からの化学品のキャリーオーバーをすべて防止する少なくとも1つのすすぎ装置を含む。厳密には、洗浄及び/又は活性化部の次にしたがって被覆部の前にサイフォンすすぎ装置を設ける際には、洗浄及び/又は活性化部からサイフォンすすぎ装置へ、及び後続の被覆電解質への化学物質のキャリーオーバーをすべて防止するためには、事前処理された製品のこのようなすすぎを提供することは理にかなっているのではない。好ましくは、溶媒調製及び/又は再生装置が設けられ、及びこのようなすすぎ装置に接続されている。洗浄された溶媒は、再度サイフォンすすぎ装置に再度再循環され、一方、この段階の前に配置された洗浄された洗浄液又は活性化液、又は処理槽中の他の流体をこれら処理槽中に再循環することができる。洗浄のために、洗浄された溶媒の蒸留及び引き続き保存が提供される。
【0017】
好ましくは、洗浄及び/又は活性化部のための少なくとも1つの溶媒調製及び/又は再生装置が、その迂回路に設けられる。これによって、被覆中、又は前洗浄時の溶媒、並びに電解液又は他の洗浄液及び浸漬液、及び後続する処理部の恒常的な洗浄が可能である。
【0018】
好ましくは少なくとも1つのスルースチャンバは、溶媒分離及び再循環装置及び/又はガス振動システムにも接続され、又は接続することができる。好ましくは少なくとも1つのスルースチャンバが洗浄及び/又は活性化部の入口に設けられ、及び/又は少なくとも1つのスルースチャンバが出力部の出口に設けられる。好ましくは水路を通った搬入段階では、製品は少なくとも1つのスルースチャンバへと導入される。その際スルースチャンバは外部雰囲気で充填され、密閉され、及び引き続き排気され、したがって外部雰囲気はチャンバ外部から運送され及び引き続き不活性ガスで満たされる。その後水路を通った搬出段階において製品は装置の第1の処理部へと導入される。装置からの水路を通った搬出段階では製品はフード雰囲気からスルースチャンバへと持ち込まれ、チャンバはフード雰囲気からスルースチャンバへと取り出され、密閉され、及びフード雰囲気がそこから汲み出され及びフード部へと再循環される。スルースチャンバは引き続き開放し、及び製品を取り出すことが可能である。その後スルースチャンバは再び密閉され、浸透しつつある外部雰囲気は排出され、及びチャンバは不活性ガスで満たされる。特に好ましくは汲み出されたスルース雰囲気が調製され、乾燥した不活性ガス及び洗浄された溶媒が工程に、特に乾燥した不活性ガスは不活性ガス雰囲気ベルに、及び洗浄された溶媒は処理槽に再循環される。したがってガス振動システムは、スルースチャンバからスルースチャンバの雰囲気の汲出後、乾燥した不活性ガスをフード雰囲気へと汲み出すことを含んでいる。
【0019】
したがって、被覆前には、好ましくは装置出口に設けられたスルースチャンバへの水路を通った搬出中に外部雰囲気が被覆対象製品と一緒に持ち込まれるため、及び、被覆後に製品は、装置端部に設けられたスルースチャンバの開放及びスルースチャンバへの外部雰囲気の浸透によって再び外部雰囲気へと持ち出されるため、スルースチャンバの領域内に溶媒分離及び再循環装置を設けることがそれ自体有利であることが証明された。そこでは厳密には、製品の水路を通った搬出入の間、酸素とともに水分が装置に浸透することができ、蒸発した溶媒は装置から出ることができる。好ましく設けられた冷却装置を介して、スルースチャンバから汲み出され及び溶媒が混入した雰囲気をこうして冷却し、及び溶媒は分離、収集、及び再循環することができる。溶媒分離工程において、汲み出されたガスは乾燥され、及び引き続き再びフード雰囲気へと再循環することができる。水路を通った搬出領域における溶媒分離を介して、製品から付着した溶媒残量物を除去することができ、溶媒排出が概ね全く発生しないよう装置を概ね完全に乾燥させておくことができる。また製品の水路を通った搬出領域では、汲出工程中に排出された溶媒残留物が再凝縮、収集され、及び引き続き工程特に最後のサイフォンすすぎ装置へと再循環される。
【0020】
好ましくは、特に不活性ガス雰囲気を凝縮し、及び凝縮された溶媒部を各回路特に処理槽に再循環することによって、不活性ガス雰囲気ベルも洗浄される。好ましくは凝縮液分離装置を備えた冷却装置が、キャリーオーバー及び/又は蒸発した溶媒残留物を回収するために、特にフード構成材及び/又は被覆部に設けられ、及び/又は少なくとも1つのスルースチャンバに接続されている。特に好ましくは、フード部及び/又はフード構成材中の1つ又は複数の冷却装置は、溶媒を処理槽及び/又は被覆槽へと再循環する溶媒再循環装置及び/又は少なくとも1つのサイフォンすすぎ装置を含む。これによって、フード構成材中のガス雰囲気から溶媒混入物を再び除去することも可能である。溶媒のうち冷却装置へと凝縮された部分は、引き続き各フード部の対応する処理槽へと再循環することができる。蒸発している液体は通常フード部ごとに異なりガス雰囲気中の異物が常に異なるため、好ましくは各冷却装置は通常各フード部に設けられている。こうして、再循環が各フード部内で有利に行われる。
【0021】
好ましくは少なくとも1つの被覆部は、フード構成材への溶媒の制御されない蒸発を防止するために密閉可能な少なくとも1つの被覆槽を含んでいる。特に蒸発された溶媒を凝縮する少なくとも1つの冷却装置及び凝縮された溶媒を収集する少なくとも1つの集水装置も、少なくとも1つの被覆槽のガス空間に設けられている。これに加えて少なくとも1つの被覆部は、少なくとも1つの出力すすぎ装置を含むことができる。被覆工程の後、付着している電解液残留物を除去するために、製品は出力すすぎ装置に設けられたすすぎ槽へと入れられる。すすぎ槽を洗浄するために、溶媒分離及び/又は再生装置からの洗浄された溶媒の再循環が特に提供される。
【0022】
サイフォンすすぎ装置は、装置の各部、したがって特に洗浄及び/又は活性化部、処理部及び出力部を分離するために設けられているため、これら過渡領域において略非反応性溶媒を提供することがそれ自体有利であることが証明済である。このように少なくとも1つのサイフォンすすぎ装置には好ましくは不活性溶媒が充填されている。これによって装置各部からの互いに適合性のない好ましくない化学反応を概ね回避することができる。好ましくは少なくとも1つのサイフォンすすぎ装置は、上方にあるフード部が区分けされるよう配置され、取り付けされた仕切を備えた密閉可能な二重すすぎ装置を含む。サイフォン装置のすすぎ槽に浸漬するこのような仕切を設けることによって、装置の異なるフード部を気密に分離することが提供できる。サイフォンすすぎ装置を介した製品の輸送を可能にするために、具体的にはフード部内に設けられた特に好適な輸送装置は仕切を浸透することができないため、特に、製品を仕切の下方で横移動させる少なくとも1つの輸送装置が二重すすぎ装置中に配置され又は配置することができ、これによって二重すすぎ装置に洗浄液を充填している時に輸送装置が液面より下に位置するようになる。これによって、洗浄液への製品の完全な浸漬が保証されることによって、装置の前工程部から後工程部への化学品及び/又はガス雰囲気のキャリーオーバーを防止するために、製品の全面を洗浄し及び好ましくは不活性すすぎ液で洗浄することができる。
【0023】
好ましくはこれに加えて、少なくとも1つの電解液/溶媒分離装置が被覆部領域に設けられる。特に、電解液/溶媒分離装置は、少なくとも1つの被覆槽から排出された電解液/溶媒浸漬液からの溶媒を蒸留する蒸留装置を含む。これに加えて、結果として生じる洗浄された溶媒を出力すすぎ槽へと再循環する装置及び/又は電解液を電解液回路へと再循環する装置が設けられる。
【0024】
被覆溶液したがって電解質溶液の洗浄は、このように被覆部の迂回路にて行うことができる。この洗浄装置は特に被覆槽の後方に続き、ここでは特に洗浄された溶媒が被覆槽の後に配置された出力すすぎ槽に、特に電解液が被覆槽に再循環される。
【0025】
電解質溶液及び/又は溶媒は好ましくは閉回路内で行われる。これによって、装置の他の槽の混入は概ね回避される。有利には、化学物質のキャリーオーバーを防止するために、電解液及び/又は溶媒及び/又はすすぎ液の洗浄又は調製が行われる。製品及び/又は洗浄液及び/又は活性化液に付着する電解液のキャリーオーバーを防止するために、好ましくはこれに加えて種々のすすぎ装置におけるすすぎが提供されている。これらすすぎ装置は、装置及び被覆工程の種々の地点で、特に装置各部の出力領域に設けることができる。
【0026】
とりわけ、任意の形態の製品が本発明に記載の装置を用いて被覆することができ、したがって溶媒が堆積しうる背部の切欠のある製品も可能である。現在の技術水準では、このような堆積を除去することができず、この理由のため溶媒の被覆を信頼性高く除去することができない。本発明に記載の方法及び本発明に記載の装置によって、任意の形態の製品の溶媒残留物の除去が信頼性高い態様で可能である。
【0027】
本発明をより詳細に説明するため、実施例を図面を用いてさらに詳細に説明する。図面は、本発明に記載の金属沈積装置の包括図を示す。
【0028】
実施例:
図は、金属及び/又は金属合金を沈積する装置1の包括図としての概略図を示す。装置は洗浄及び/又は活性化部2、被覆部3及び出力部4を含む。これに加えて、これら上記3個の部品すべてを略密閉的に囲繞するフード構成材5を含む。フード構成材は、3つの部分50、51、52へとさらに区分される。この3つのフード部は、各仕切53、54によって互いに分離されている。
【0029】
洗浄及び/又は活性化部2は、第1のスルースチャンバ20、第1の処理槽21、第2の処理槽22及びすすぎ槽23を含む。これに加えて洗浄及び/又は活性化部は、第1のサイフォンすすぎ装置60の一部を含む。サイフォンすすぎ装置60は、仕切53によって2つの部分へと分けられることにより二重すすぎ装置を形成し、これは部分2及び部分3から到達できるが、それ以外は拡散障壁を形成する。すべての槽又は洗浄装置は各カバー24、25、26、27、62によって密閉することができる。スルースチャンバ20は、製品のスルースチャンバへの移動を可能にするスルースドア28を含む。好ましくはこのような製品は図示しない輸送台車を介してスルースチャンバへと移動する。
【0030】
スルースチャンバ20は、溶媒を回収する装置70及びガス振動システム80へと接続される。溶媒の回収装置は、冷却トラップ71、弁72、凝縮液分離装置73とともに、弁72とスルースチャンバ20との間の管路74、冷却トラップ71と凝縮液分離装置73との間の管路75及び凝縮液分離装置73と第1の処理槽21との間の再循環回路76を有する。
【0031】
ガス振動システム80は、真空ポンプ81、3個の弁82、83,84及びスルースチャンバ20と第1のバルブ82との間の管路85、弁82と真空ポンプ81との間の追加的な管路86、真空ポンプ81とフード構成材への再循環管路にある弁83との間の管路87とともに弁83とフード構成材50との間の追加的な管路88を含む。管路87は弁84にもつながり、そこから追加的な管路89は外部雰囲気へと外部につながる。これを介して、空気を装置から吹き出すことができる。
【0032】
これに加えて、溶媒調製及び/又は再生装置90は洗浄及び/又は活性化部2に接続されている。溶媒調製及び/又は再生装置は、蒸留装置91及び凝縮液集水タンク92を含む。蒸留装置は、すすぎ槽23からの管路93を介して供給を受ける。蒸留装置91と凝縮液集水タンク92との間に管路94も設けられている。蒸留装置91内で洗浄された洗浄液は、管路95、ポンプ96及び追加的な管路97を介して第2の処理槽22へと再循環される。蒸留装置によって蒸留された清浄な溶媒は、凝縮液集水タンク92から管路98、ポンプ99及び管路100を介してすすぎ槽23に汲み戻すことができる。
【0033】
これに加えて必要に応じて、すすぎ槽23と第2の処理槽22との間には、過剰量の溶媒が再循環された場合のすすぎ槽の溢れを回避するために、オーバーフロー管路29が設けられている。
【0034】
次に過剰溶媒は、オーバーフロー管路29を介して第2の処理槽22に再循環される。
【0035】
これに加えて洗浄及び/又は活性化部2のフード部50は、各処理、すすぎ及び他の槽との間で製品7を横断させる輸送装置55を含む。このために輸送装置は、被覆対象の製品7を吊り下げるフック57を本実施例では設けた輸送台車56を含む。ここでフック57は、輸送台車56上に固定されて横移動することができるため、フック上の製品を各槽までゆっくりと低下し、そこから吊り上げることができる。
【0036】
これに加えてフード部50は冷却装置58を含む。図では冷却コイルの形態で示されている。この冷却コイルを介して、蒸発した溶媒を凝縮し、同じくフード部50に設けられた集水装置59に収集することができる。図では、集水装置は集水トラフの形態で示されている。集水トラフ又は集水装置59に収集された溶媒は、ドレン管路101を介して第1の被覆槽21へと再循環することができる。このように、溶媒の第1及び第2の被覆槽が存在しうる。原則として、さらに多くの被覆槽も設けることができるが、本図では可能な一実施形態を再生しているにすぎない。いくつかのすすぎ槽を設けることも可能である。同様に原則的には、二つ以上のスルースチャンバを設けることも可能であろう。
【0037】
フード部50中で均一な圧力を維持できるようにするために、このフード部内にあるガスの洗浄にもかかわらず及び洗浄されたガスの再循環にもかかわらず、ガス緩衝剤容器120がフード構成材5の外側に設けられている。
【0038】
ガス緩衝剤容器120は、管路121を介してフード部50の内部へと接続される。この管路121を介して、ガス緩衝剤容器とフード部50との間でガスの二者交換が行われる。これによって、事前に設定された超過圧力、及びとりわけフード部内の一定圧力を維持することが可能である。
【0039】
洗浄及び/又は活性化部2中の酸素及び溶媒含有量を確認するために、フード部50領域内の第1の酸素センサ122とともに、スルースチャンバ20における第2の酸素センサ123及び溶媒濃度センサ124を設ける。設定された閾値の行き過ぎを監視し及び必要に応じてスルースチャンバの汲上サイクル及びガス交換を選択的に適合させるために、すべてのセンサは監視及び制御装置(図示せず)に接続することができる。
【0040】
被覆部3は、上述のように二重すすぎ装置として形成されているサイフォンすすぎ装置60の第2の部分を含む。カバー62を介してサイフォンすすぎ装置60に持ち込まれた製品の輸送のために、サイフォンすすぎ装置60には、図示するように特に輸送台車を備えることができる輸送装置66が設けられる。サイフォンすすぎ装置を介した輸送の後、サイフォンすすぎ装置60のカバー63を介した被覆部3側で製品を取り出すことができる。被覆部3は、2個の被覆槽30、31とともに出力すすぎ槽32及び追加的なサイフォンすすぎ装置61の第1の部分を含む。これら槽にはそれぞれ、カバー33、34、35が設けられている一方、サイフォンすすぎ装置は被覆部側にカバー64を設けている。2つの被覆槽30、31のカバー33、34の下方にあるガス空間には、電解液から蒸発する溶媒を被覆中及び特に被覆槽の後に凝縮し及びすすぎ槽32へと導くために、冷却コイル38、39及び集水トラフ38、39がそれぞれ設けられている。
【0041】
また被覆部3には電解液/溶媒分離装置110の迂回路中にある電解液を洗浄するために、被覆部に接続された洗浄装置が設けられている。これによって、顕著な量の電解液のキャリーオーバーがないことが保証され、これによって概ね閉じた材料回路を生成することができる。電解液を洗浄するために、流体は2つの被覆槽30、31から管路111を介して蒸留装置112へと導かれる。これに加えて、凝縮液集水タンク113が設けられ、管路114を介して蒸留装置112へと接続される。洗浄された電解液は、管路115、117及びポンプ116を介して被覆槽30へと再循環される。電解液/溶媒混合物から蒸留された溶媒は凝縮液集水タンク113に収集され、管路118、ポンプ119及び再循環管路102を介して出力すすぎ槽32内にあるすすぎ槽に再循環される。こうして、出力すすぎ槽32内のすすぎ槽には常に洗浄された溶媒が供給される。出力すすぎ槽の水位が上昇しすぎた場合、オーバーフロー管路103が出力すすぎ槽と第2の被覆槽31との間に設けられている。このオーバーフロー管路を介して、過剰のすすぎ液特にしたがって溶媒が第2の被覆槽に戻る。
【0042】
洗浄及び/又は活性化部2と同様に被覆部3も、被覆対象の製品7を被覆部の各槽間で輸送できるようにするために、輸送台車56及びフック57を備えた輸送装置55を含む。これに加えて、冷却コイルの形態の冷却装置58とともに凝縮された溶媒用の集水装置59としての集水トラフが設けられている。ドレン管路104を介して、収集された凝縮済の溶媒が第1の被覆槽30に再循環される。
【0043】
出口部4はサイフォンすすぎ装置61の第2の部分を含む。これには、輸送装置60と同様輸送装置67も設けられている。これを介してカバー64を介してサイフォンすすぎ装置に持ち込まれた製品は、仕切54の他の側にあり及びサイフォンすすぎ装置61のカバー65を有する部分へと輸送される。サイフォンすすぎ装置60内と同じように、輸送はサイフォンすすぎ装置中のすすぎ液の液面より下方で行われる。これによって被覆部から出力部への製品の輸送中に、概ね完全なガスの排除が可能となる。
【0044】
これに加えて、出力部は被覆された製品を装置から水路を通って搬出する第2のスルースチャンバ40を含む。スルースチャンバには、カバー41が設けられている。これに加えて、スルースドア42を含む。スルースチャンバ20と同様にスルースチャンバ40にも、溶媒を回収する装置130及びガス振動システム140が設けられている。溶媒を回収する装置にも、冷却トラップ131、スルースチャンバ40と冷却トラップ131との間の弁132、凝縮液分離装置133、弁132とスルースチャンバ40との間の管路134、凝縮液分離装置133と冷却トラップ131との間の管路135及び凝縮液分離装置133とサイフォンすすぎ装置61との間の溶媒再循環管路136が設けられている。
【0045】
ガス振動システム140は、真空ポンプ141、3個の弁142、143及び144とともに間に配置された数本の管路を含む。第1の管路145はスルースチャンバ40から第1の弁142へとつながり、第2の管路146は弁142からポンプ141へとつながる。それには、冷却トラップ71と真空ポンプ81との間の装置70と同じように、冷却トラップ131からの管路もつながっている。ポンプ141からは管路147が弁143へとつながり、そこから再循環管路148がフード部52につながる。また管路147は真空ポンプから弁144にもつながり、これを介して特にスルースチャンバ40からの空気が管路149を介して外側に吹き出すことができる。
【0046】
フード部52は、製品7を捕捉し及び各槽よりも下げることができるためのフック57を含む輸送台車56を備えた輸送装置55も含む。同様に冷却コイル58が冷却装置として設けられ、及び集水トラフ59が、集水トラフから流れ込み管路105を介してサイフォンすすぎ装置61へと再循環されることができる凝縮済の溶媒用に提供される。
【0047】
出力部4には、ガス緩衝剤容器125及びフード部52内部とガス緩衝剤容器125との間の管路126も設けられている。これによって、出力部においてできる限り一定のガス圧力が維持されることが保証される。もっとも、ちょうど、スルースチャンバ40からの完成製品の水路を通った搬出工程後の外部雰囲気からの汲出後に、出力部からのフード雰囲気がスルースチャンバ40に水路を通って搬入される間の過小圧力と同じように、例えば乾燥した不活性ガスを管路145を介して再循環することによって出力部のフード部において超過圧力が発生しうる。
【0048】
具体的には完成製品を水路を通って搬出し、浄化されたガスを再循環するための出力部の恒常的な開閉を理由として、できる限り継続的な態様で出力部中の酸素及び溶媒含有量を決定し、及び必要に応じて是正すべく介入し、及びこうしてスルースチャンバからの好ましくない溶媒排出をできる限り回避するために、及び溶媒の損失及び装置からの有害な排出ガスをできる限り低く保つために、第1及び第2の酸素センサ127、128及び溶媒濃度センサ129が設けられている。第1の酸素センサ127が上部フード部52に設けられ、一方第2の酸素センサ128及び溶媒濃度センサ129がスルースチャンバ40に設けられている。また被覆部3上方のフード部51にはこのような酸素センサ150が設けられている。
【0049】
電解液、洗浄液、溶媒及びガス雰囲気の各再生工程での被覆の過程をさらに詳細に以下に記載する。
【0050】
被覆対象の製品は、スルースドア28を介して第1のスルースチャンバ20へと持ち込まれる。これは特に輸送台車を介して行われるが、図示されていない。通路を通った搬入工程の途中でスルースチャンバには必然的に外部雰囲気(空気)が充填され及び引き続き密閉される。その後スルースチャンバは真空ポンプ81並びに管路85及び86を介して排気される。この目的のため弁82が開放される。その後は、混入されていない唯一の空気はスルースチャンバ内に存在するため、管路89及び開放された弁84を介して外部に直接排出することができる。引き続きスルースチャンバはフード部50からの不活性ガスで満たされる。その後直ちにスルースチャンバとフード部50との間に配置された内部カバー24を開くことができ、及び製品を不活性ガス雰囲気内に持ち込むことができる。スルースチャンバは1ないし2mbar未満まで最終的に排気することができるため、第1のフード部50に浸透できる酸素の量は非常に少なく、及びさらに不活性ガス特に窒素及び酸素で中間すすぎを行うことも可能である。
【0051】
流入に必要であり、フード部50から取り出されているガスの量によって、ガス緩衝剤容器が設けられていなければ圧力の下降をおそらくきたすであろう。これを回避し及び例えば窒素といった新しい不活性ガス、恒常的にフード部に持ち込まれる必要がありそのためフード部で微量の酸素及び水の痕跡が見出されることを防止するために、ガス緩衝剤容器120はフード部50に接続され、体積が変化する可能性があるためフード部50内圧力を概ね一定に維持している。
【0052】
フード部内の雰囲気の監視は酸素センサによって恒常的に実施することができる。溶媒濃度は溶媒濃度センサ124を介して監視される。システムへの酸素の分散を確認することは、特に電解液の使用寿命及び被覆性質に関して理にかなったことであるが、処理の全般的な信頼性及びシステム全体の作動安全性に関しても理にかなっている。
【0053】
製品がカバー24を介してフード部50に持ち込まれた後、カバー24が再び閉じ、スルース雰囲気を汲み出すことができ、ここで不活性ガス/溶媒混合物がスルース雰囲気中に存在し及び汲み出される。これは弁72を管路74を介して開放した後行われることによって不活性ガス/溶媒混合物が冷却トラップ71を介して導かれる。凝縮後、得られた乾燥した不活性ガスは、真空ポンプ81、管路87、次に開放弁83及び管路88を介してフード部50へと再循環される。不活性ガスは洗浄されたガスとして、再びフード部50中の雰囲気に利用可能とすることができる。ガス緩衝剤容器120中の体積の増加によって、過剰なガス体積が収集されることによって、フード部50内圧力を概ね一定に抑えることができる。
【0054】
堆積する凝縮済の溶媒は管路75を介して凝縮液分離装置73へと導入され、及び特に定期的に再発生する態様で溶媒再循環管路76を介して第1処理槽21へと再循環することができる。引き続き、排気されたスルースチャンバには再び新鮮な不活性ガスが流入し、及び新しい製品を装置に持ち込むために外部雰囲気へのドアすなわちスルースドア28を再び開放することができる。
【0055】
輸送装置55を介して、製品を特に洗浄液を含む処理槽21、22へと持ち込むことができ、及びそこで前洗浄することができ、及び後続する被覆において最適な接着強度を保証するために、特にブランクの酸素を含まない表面を製造することができる。これに加えて接着促進剤層を槽内でその上に塗布することができる。溶媒の蒸発を概ね回避するためにカバー25、26が設けられている。同様に、好ましくは商品又は製品が持ち込まれ又は持ち出される場合のみそれぞれ開放されるすすぎ槽の上に、カバー27が設けられている。この後に配置されたすすぎ槽23は、処理槽21、22からサイフォンすすぎ装置60への化学品のキャリーオーバーを回避する目的の働きをし、ここでは被覆部中の槽内の被覆電解液へのキャリーオーバーも回避されるべきである。すすぎ槽23の液は洗浄及び/又は活性化部への迂回路に接続されている溶媒調製及び/又は再生装置90を介して定期的に調製されている。
【0056】
前処理した製品をすすいだ後、カバー62を介してサイフォンすすぎ装置62へと入れる。仕切53が設けられているため、その上方に存在する2個のフード部50及び51は気密な態様で互いに分離されるが、依然としてサイフォンすすぎ装置60の二重すすぎ装置によって互いに接続され、これを介して製品が通過できる。好ましくはサイフォンすすぎ装置内の液は、被覆電解液中に使用されている溶媒と同一である。洗浄液及び/又は被覆電解液との反応をできる限り回避するために、好ましくは不活性溶媒が使用される。活性化部2及び被覆部3との間にサイフォンすすぎ装置を提供することによって、この利点により、洗浄及び活性化部において、ガス雰囲気を介した電解液領域への溶媒の移動がすべて防止されているため、被覆電解液との適合性が良好でない溶媒も使用することができる。特に被覆対象の製品に伴う溶媒のキャリーオーバーは、蒸留装置91を介したすすぎ槽23中の液の調製によって最も実質的に防止することができる。
【0057】
製品をサイフォンすすぎ装置60のカバー63を介して上昇させた後、製品は被覆部3に到達し及びその中で被覆槽30、31へと上昇させることができる。槽内に示されている2つの被覆槽のほか、追加的な出力すすぎ槽32と同じく多数の追加的な槽を設けることができるが、図ではそれらのうち1つだけが示されている。上方にあるフード部51内における制御されていない溶媒の蒸発を回避するために、カバー63、33、34、35及び64は正常な作動では閉鎖されている。好ましくはカバーは、製品を各槽に移動させ又は各槽から取り出すためにのみ開放される。
【0058】
2つの被覆槽30、31では、冷却コイル36、37及び集水トラフ38、39はそれぞれ槽の液面とカバーとの間のガス空間に位置している。ここで被覆中に電解液から蒸発した溶媒が凝縮され、及び出力すすぎ槽32中のすすぎ槽へと導かれる。電解液回路に設けられた蒸留装置を介して、比較的大量の電解液が定期的に反応に供せられ、間に設けられた管路及びポンプ116を介して槽30に汲み戻される。電解液から蒸留された溶媒は集水タンク113中に収集され、及び管路及びポンプ119を介して出力すすぎ槽32又はその内部のすすぎ槽へともう一度再循環される。出力すすぎ槽32のオーバーフローを回避するために、過剰な溶媒がオーバーフロー管路103を介して回路又は槽31へと再循環される。これによって、顕著な量の電解液が追加的に配置されたサイフォンすすぎ装置61にキャリーオーバーされないことが保証され、この時点であっても既に概ね閉鎖された材料回路を製造することができる。
【0059】
被覆部及び出力部の間を接続するサイフォンすすぎ装置61は、構造及び機能においてサイフォンすすぎ装置60と匹敵している。その中に完全に浸漬された製品は、出力部4側のカバー65を介して再び取り出される。新鮮な溶媒が含有されている出力すすぎ槽32内での以前のすすぎによって、被覆部3から以前より付着している電解液残留物が収集され、及び出力部4にはキャリーオーバーされない。これに加えて、各出力すすぎ槽も被覆工程中に発生する過剰な加工熱を有効に利用し及びシステムから除去する働きをする。
【0060】
出力部4には第2のスルースチャンバも設けられ、被覆された製品が持ち込まれる。これはカバー41を介して行われる。スルースチャンバに最終的に被覆された製品を蓄えた後、汲み出し工程もまた開始される。これは、被覆された製品に依然として付着している溶媒残留物を回収する働きをする。これによって、完全に被覆された製品が乾燥した状態で装置から離れることが可能であり、及び溶媒の排出が概ね発生しえない。汲出工程中に蒸発し、冷却トラップ131中で再凝縮され及び凝縮液分離装置133中に収集される溶媒はすべて管路136を介してサイフォンすすぎ装置61へと再循環される。そうでなければ通路を通った搬出工程は、スルース雰囲気及び不活性ガスの汲入及び汲出に関して通路を通った搬入工程と同じように作動する。通路を通った搬出の目的でスルースドア42が開放されている。
【0061】
各フード部50、51及び52は不活性ガスで満たされ、及び少なくとも本実施例では自動圧力維持システムを介して周囲雰囲気よりも僅かに超過圧力に一定に保持されている。これによってフード構成材への空気の浸透はすべて回避される。酸素センサ122、123、127、128及び159は各ガス雰囲気中の酸素含有量を恒常的に指示している。事前に定義された閾値の超過が検出されると、ポンプ81、141に関してポンプ時間の適合が実施され、又はスルースチャンバ20、40内での汲出サイクル中の不活性ガスによって追加的なすすぎが開始される。
【0062】
またサイフォンすすぎ装置をバリア液特に不活性溶媒で充填することによって、特にカバー62、63及び64、65の組み合わせにおいて、この領域における追加的な障壁効果が提供されることによって、被覆部3への酸素及び水分の拡散の追加的な低減が可能になる。スルースチャンバ、真空システム、ガス振動システム及びサイフォンすすぎ装置の組み合わせによって、例えばアルコキシ化合物又はアルミニウムオキサンといった好ましくない反応生成物の形成を有効に抑え又は概ね防止することができるため、金属有機被覆電解液の非常に長い使用寿命及び均一な被覆品質を提供する。
【0063】
洗浄及び/又は活性化部2用の溶媒調製を提供することによって、酸素及び水分とともに他の化学物質のキャリーオーバー、特に場合によっては所定の被覆電解液と適合性のない洗浄液中に使用される溶媒のキャリーオーバーによる被覆電解液への混入を効果的に防止することができる。溶媒調製及び/又は再生装置90を設けることによって、対応する回路への洗浄液及び溶媒の直接的な再循環が可能になる。これによってすすぎ槽23における混入は非常に低いレベルに維持される。
【0064】
フード部50、51、52内のフード雰囲気を凝縮することによって、フード部はできる限り乾燥し及び純粋に保つことができる。また、輸送時間中に蒸発する製品、特に製品がまだ温かい時に、製品上に見い出される溶媒残留物は、制御された態様で凝縮し、再びドレン管路を介して各材料へと再循環することができる。
【0065】
上記に記載し及び図面に示した実施例のほかに、他の多数も形成することができ、そのそれぞれにおいて、装置からの溶媒の排出をできる限り低く抑え、及び酸素及び水分とともに他の混入物の被覆電解液へのキャリーオーバーのできる限り大きな低減を達成し、及びこうして好ましくない反応生成物の形成を回避しながら被覆電解液の使用寿命を長くすることが可能である。特に1個のみ又は2個を上回る処理層、被覆槽、サイフォンすすぎ装置及びすすぎ槽を設けることもできる。また追加的な部分、特に追加的な被覆部を設けることができる。またサイフォンすすぎ装置は対応する作用を持つ別の装置によって置き換えることができ、ここでは装置の各部間のガスに関連した分離も可能となる。原則として洗浄及び/又は活性化部をより小さく構成すること又は場合によっては完全に省略してしまうことも可能である。いずれの場合も装置は被覆装置の各ステーションの上方に概ね密閉されたベルを形成し、同時に、雰囲気とともに処理槽又は被覆槽及びすすぎ槽の恒常的な洗浄が存在する。これは迂回路中の洗浄部を各加工部又は処理部へと導くことによって特に単純な態様で達成することができる。代替的にはより複雑な洗浄手順又は回路も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】金属及び/又は金属合金を沈積する装置1の包括図としての概略図を示す。
【符号の説明】
【0067】
1 装置
2 洗浄及び活性化部
3 被覆部
4 出力部
5 フード構成材
7 製品
20 第1のスルースチャンバ
21 第1の処理槽
22 第2の処理槽
23 すすぎ槽
24 カバー
25 カバー
26 カバー
27 カバー
28 スルースドア
29 オーバーフロー管路
30 第1の被覆槽
31 第2の被覆槽
32 出力すすぎ装置
33 カバー
34 カバー
35 カバー
36 冷却コイル
37 冷却コイル
38 集水トラフ
39 集水トラフ
40 第2のスルースチャンバ
41 カバー
42 スルースドア
50 第1のフード部
51 第2のフード部
52 第3のフード部
53 仕切
54 仕切
55 輸送装置
56 輸送台車
57 フック
58 冷却装置
59 集水装置
60 第1のサイフォンすすぎ装置
61 第2のサイフォンすすぎ装置
62 カバー
63 カバー
64 カバー
65 カバー
66 輸送装置
67 輸送装置
70 溶媒を回収する装置
71 冷却トラップ
72 弁
73 凝縮液分離装置
74 管路
75 管路
76 溶媒回収回路
80 ガス振動システム
81 真空ポンプ
82 弁
83 弁
84 弁
85 管路
86 管路
87 管路
88 管路
89 管路
90 溶媒調製及び/又は再生装置
91 蒸留装置
92 凝縮液集水タンク
93 管路
94 管路
95 管路
96 ポンプ
97 管路
98 管路
99 ポンプ
100 管路
101 ドレン管路
102 再循環管路
103 オーバーフロー管路
104 ドレン管路
105 ドレン管路
110 電解液/溶媒分離装置
111 管路
112 蒸留装置
113 凝縮液集水タンク
114 管路
115 管路
116 ポンプ
117 管路
118 管路
119 管路
120 ガス緩衝剤容器
121 管路
122 第1の酸素センサ
123 第2の酸素センサ
124 溶媒濃度センサ
125 ガス緩衝剤容器
126 管路
127 第1の酸素センサ
128 第2の酸素センサ
129 溶媒濃度センサ
130 溶媒を回収する装置
131 冷却トラップ
132 弁
133 凝縮液分離装置
134 管路
135 管路
136 溶媒再循環管路
140 ガス振動システム
141 真空ポンプ
142 弁
143 弁
144 弁
145 管路
146 管路
147 管路
148 管路
149 管路
150 酸素センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属有機電解液から金属及び/又は金属合金、特に有機溶媒中の金属有機錯塩を製品(7)上に沈積し、並びに製品(7)を被覆する少なくとも1つの被覆部(3)、少なくとも1つの追加的な処理部(2、4)及び概ね酸素及び/又は水分の浸透なく製品(7)を装置(1)へ水路を通して搬出入する少なくとも1つのスルースチャンバ(20、40)を含み
少なくとも1つのサイフォンすすぎ装置(60、61)が、被覆部(3)からの装置の他の部分(2、4)のガスと関連した分離又は被覆部(3)に対するこれら他の部分(2、4)の密閉のための分離装置(53、54)、並びに、不活性ガスで満たすことができ及び被覆部(3)、少なくとも1つのサイフォンすすぎ装置(60、61)及び少なくとも1つの追加的な被覆部(2、4)を概ね密閉する少なくとも1つのフード構成材(5)が設けられること
を特徴とする装置(1)。
【請求項2】
サイフォンすすぎ装置内に、製品を仕切(53、54)の下方を横移動させる少なくとも1つの輸送装置(66、67)が配置され、又は配置することができ、このためサイフォンすすぎ装置(66、67)のすすぎ液による充填途中に輸送装置(66、67)が液面より下方に位置すること
を特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
少なくとも1つの酸素監視装置が、少なくとも1つのスルースチャンバ(20、40)及び/又はフード構成材(5)の部(50、51、52)に設けられ、及び/又は溶媒濃度を監視する少なくとも1つの装置(124、129)がスルースチャンバ(20、40)内に設けられること
を特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項4】
設定可能な又は設定される閾値の超過後直ちに、少なくとも1つの酸素監視装置が、スルースチャンバ(20、40)へのガスの導入及び排出へのポンプ時間の適合及び/又は少なくとも1つのスルースチャンバ(20、40)において酸素含有量を低減するためのポンピングサイクル中の不活性ガスによる追加的なすすぎ段階の誘引となること
を特徴とする、請求項3に記載の装置(1)。
【請求項5】
フード構成材(5)において一定圧力を、及び/又は、フード構成材(5)において外部又は周囲雰囲気よりも僅かな超過圧力を維持する少なくとも1つの圧力維持装置が設けられ、特にフード構成材(5)及び/又はフード部(50、52)において概ね一定の圧力を維持するために、少なくとも1つのガス緩衝装置(120、125)が設けられ、及びそれ/それら、特に装置(1)の第1の(2)及び/又は最後の部(4)に接続され又は接続が可能なこと
を特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項6】
製品(7)の表面を洗浄及び/又は前処理する少なくとも1つの洗浄及び/又は活性化部(2)が設けられていること
を特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項7】
少なくとも1つの洗浄及び/又は活性化部(2)は、被覆対象の製品(7)を洗浄する洗浄液及び/又は特に接着促進剤層を生成するための表面を活性化する活性化液を備えた1つ又は複数の密閉可能な処理槽(21、22)を含み、及び/又は少なくとも1つの洗浄及び/又は活性化部(2)は、前処理した製品(7)を洗浄し及び洗浄及び/又は活性化部(2)からの化学品のキャリーオーバーを防止し、少なくとも1つの処理槽(21、22)の後方に配置された少なくとも1つのすすぎ装置(23)を含むこと
を特徴とする、請求項6の装置(1)。
【請求項8】
少なくとも1つの被覆部(3)が、フード構成材(5)への溶媒の制御されない蒸発を防止するための密閉可能な(33、34)少なくとも1つの被覆槽(30、31)及び/又は被覆された製品をすすぐ少なくとも1つの出力すすぎ槽(32)を含むこと
を特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項9】
少なくとも1つの溶媒調製及び/又は再生装置(90)、特に1つの洗浄及び/又は活性化部(2)用の少なくとも1つの溶媒調製装置(90)がその迂回路に設けられていること
を特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項10】
少なくとも1つのスルースチャンバ(20、40)が、溶媒分離及び再循環装置(70、130)及び/又はガス振動システム(80、140)に接続されている又は接続可能であること
を特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項11】
キャリーオーバー及び/又は蒸発した溶媒残留物の回収のための凝縮液分離装置(38、39、59、73、133)を備えた少なくとも1つの冷却装置(36、37、58、71、131)が、特にフード構成材(5)及び/又は被覆部(3)に設けられ、及び/又は少なくともひとつのスルースチャンバ(20、40)に接続されていること
を特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項12】
溶媒を処理及び/又は被覆槽(21,22、30、31)へと再循環する溶媒再循環装置(101、104、105)を含み、及び/又は少なくとも1つのサイフォンすすぎ装置(61)を含み、特に蒸発した溶媒を凝縮する少なくとも1つの冷却装置(36、37)、及び少なくとも1つの被覆槽(30、31)のガス空間に凝縮された溶媒を集水する少なくとも1つの集水装置(38、39)を含むフード部(50、51、52)及び/又はフード構成材(5)中の1つ又は複数の冷却装置が設けられていること
を特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項13】
少なくとも1つの電解液/溶媒分離装置(110)が被覆部(3)の領域に設けられ、特に電解液/溶媒分離装置(110)は少なくとも1つの被覆槽(30、31)から排出された電解液/溶媒浸漬液から溶媒を蒸留する蒸留装置(112)を含み、及び特に得られた清浄な溶媒を出力すすぎ槽(32)へと再循環する装置(102、114、118)が設けられていること
を特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項14】
少なくとも1つのスルースチャンバ(20)が、洗浄及び/又は活性化部(2)の入口に設けられ、及び/又は少なくとも1つのスルースチャンバ(40)が製品(7)を通路を通って搬出するために出力部(4)の出口に設けられていること
を特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項15】
フード構成材(5)は、それぞれの槽及び装置の間で製品を横移動させる少なくとも1つの輸送装置(55)を含むこと
を特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項16】
少なくとも1つのサイフォンすすぎ装置(60、61)が不活性溶媒で充填されていること
を特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の装置(1)。
【請求項17】
金属有機電解液から金属及び/又は金属合金、特に有機溶媒中の金属有機錯塩を製品(7)上に沈積する方法であって、
下記の工程:
少なくとも1つのスルースチャンバ(20)を介した金属及び/又は金属合金を沈積する、特に上記請求項のいずれかに記載の装置(1)への製品(7)の概ね溶媒損失のない水路を通した搬出入、
製品(7)を少なくとも1つの被覆部(3)へのガスを概ね排除して移送すること、
製品(7)を少なくとも1つの被覆部(3)中で被覆すること、
被覆された製品(7)を被覆部(3)から少なくとも1つのサイフォンすすぎ装置(61)を介して少なくとも1つの出力部(4)へとガスを概ね排除して移送すること、及び
完成製品(7)を少なくとも1つの追加的なスルースチャンバ(40)を介して水路を通して搬出し、ここでは不活性ガス雰囲気ベルが装置の全部分(50、51、52)の上方に保持されていること
を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
製品は、前処理され、特にその表面がさらなる処理のために洗浄及び/又は活性化されていること
を特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
洗浄及び/又は活性化の後、製品は少なくとも1つの追加的なサイフォンすすぎ装置(60)を介して少なくとも1つの被覆部(3)へとガスを概ね排除して導入されること
を特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
電解液及び/又は溶媒が概ね閉じた回路へと導かれ、特に化学品のキャリーオーバーを回避するために電解液及び/又は溶媒及び/又はすすぎ液の洗浄又は調製が存在すること
を特徴とする、請求項17〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
製品に付着した洗浄液及び/又は活性化液及び/又は電解液のキャリーオーバーを回避するために、それらがすすぎ装置(23、32)中ですすがれること
を特徴とする、請求項17〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
通路を通った搬入工程において、製品が少なくともひとつのスルースチャンバ(20、40)に導入され、スルースチャンバ(20)が外部雰囲気で充填され、密閉され及び引き続き排気され、外部雰囲気がチャンバから搬出され、チャンバが引き続き不活性ガスで満たされ及び引き続き製品が装置の第1の処理部(2)に持ち込まれること
を特徴とする請求項17〜21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
汲み出されたスルース雰囲気が調製され、乾燥した不活性ガス及び洗浄された溶媒が工程に、特に乾燥した不活性ガスが不活性ガス雰囲気ベルに、洗浄された溶媒が第1の処理槽(21)へと再循環されること
を特徴とする、請求項22の方法。
【請求項24】
酸素及び/又は溶媒含有物に関して少なくとも1つのスルースチャンバ雰囲気が監視され及び/又は酸素含有物に関して不活性ガス雰囲気ベルが監視され、特に設定された閾値の超過後直ちに混入された雰囲気の排出及び/又は洗浄された不活性ガス雰囲気の導入が加速又は減速されること
を特徴とする、請求項17〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
特にガスを凝縮し及び凝縮された溶媒部分を各材料回路に再循環することによって、不活性ガス雰囲気ベルのガスもまた洗浄されること
を特徴とする、請求項17〜24のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−503527(P2007−503527A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524288(P2006−524288)
【出願日】平成16年8月17日(2004.8.17)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009192
【国際公開番号】WO2005/021840
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(504440591)アルミナル オーベルフレッヒェンテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト (5)