説明

金属石鹸、その製造方法および油吸収体

【課題】樹脂酸類、ロジン類の金属石鹸からなる多孔性材料およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】樹脂酸類、ロジン類およびロジン類の金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種、アルカリ土類金属化合物ならびに水を用いてゲル化対象物をゲル化させた後、ゲルからゲル化対象物を除去することにより得られる金属石鹸;樹脂酸類、ロジン類およびロジン類の金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種、アルカリ土類金属化合物ならびに水を用いてゲル化対象物をゲル化させた後、ゲルからゲル化対象物を除去することにより得られる金属石鹸の製造方法を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属石鹸、その製造方法および油吸収体に関する。
【背景技術】
【0002】
多孔性材料は、その特異的な構造から、ろ過材、吸着材、吸油材などへの応用が検討されている。
【0003】
一方、脂肪酸のアルカリ金属塩の溶液に無機金属化合物の溶液を滴下して反応させる方法(複分解法)、あるいは、脂肪酸と無機金属化合物を高温下で混練して反応させる方法(溶融法)により得られる脂肪酸の金属石鹸類は、電子印刷分野、粉末冶金分野、化粧品分野、塗料分野および樹脂加工分野などの様々な分野において広く使用されている。当該金属石鹸類は、通常、そのまま、または粉砕等の方法により粒子状にして用いられるが、粉砕により得られた金属石鹸は多孔性ではなく形状も不揃いであった。従って、金属石鹸類を多孔性材料として使用する検討はほとんど行われていなかった。また、樹脂酸類、ロジン類のアルカリ土類金属塩は、融点が高く、有機溶剤に対する溶解度が低いため、従来知られていた製造法によっては、高中和度アルカリ土類金属塩を得ることが難しいという問題を抱えていた。
【0004】
ところで、本発明者はすでに、樹脂酸類およびその金属塩化合物を、ゲル化対象物に添加してゲル化させることができる、有機溶媒または油脂類のゲル化剤やその使用方法を提案している。(特許文献1等参照)。当該方法により得られたゲルは安定なものであるが、当該ゲル化物の利用方法についてはなんら検討されていなかった。
【0005】
【特許文献1】特開2004−67736号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、樹脂酸類、ロジン類の金属石鹸、その製造方法、および該金属石鹸を含有する、多孔性材料としての油吸収体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討したところ、有機溶剤等のゲル化対象物中で樹脂酸類、ロジン類のアルカリ土類金属塩を形成させ、ゲル化させた後、有機溶剤等を除去することにより樹脂酸類、ロジン類の金属石鹸が得られ、またこれらが多孔性となることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、樹脂酸類、ロジン類およびロジン類の金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種、アルカリ土類金属化合物ならびに水を用いてゲル化対象物をゲル化させた後、ゲルからゲル化対象物を除去することにより得られる金属石鹸;樹脂酸類、ロジン類およびロジン類の金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種、アルカリ土類金属化合物ならびに水を用いてゲル化対象物をゲル化させた後、ゲルからゲル化対象物を除去することにより得られる金属石鹸の製造方法;前記金属石鹸を含有する油吸収体に係る。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、樹脂酸類、ロジン類の金属石鹸を、ゲル化対象物中での中和反応により形成されるゲルからゲル化対象物(溶剤等)を除去(留去)させることにより製造するため、容易に金属石鹸が得られるうえ、従来法で得られる金属石鹸とは構造が大きく異なり、多孔性とすることができる。そのため、ろ過剤、吸着剤、油吸収体、吸インキ剤、トナー添加剤、滑剤、研磨剤、インキの粘度調節剤、プラスチック・ゴムの加工助剤、農薬等の粉末化剤、各種機能紙用充填材などに広く適用できる。また、ゲル化組成物を溶解させたゲル化対象物を、水中に乳化または分散させた後にゲル化対象物を除去することで界面積が広がるため、水に溶解しているアルカリ土類金属化合物との反応をより効率的に進めることができ、高い中和率の金属石鹸を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の金属石鹸は、樹脂酸類、ロジン類およびロジン類の金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種、アルカリ土類金属化合物ならびに水を用いてゲル化対象物をゲル化させた後、ゲルからゲル化対象物を除去することにより得られる。
【0011】
本発明に用いる樹脂酸類としては、公知のものを用いることができるが、ゲル化能の点から、デヒドロアビエチン酸類およびジヒドロアビエチン酸類が好ましい。デヒドロアビエチン酸類は、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー 1966年,31巻,4246〜4247頁に記載の方法、ジヒドロアビエチン酸類である13β−Δ−ジヒドロアビエチン酸の場合は、特開昭51−149256号公報に記載の方法で調製することができる。
【0012】
本発明に用いられるロジン類としては、特に限定されず公知のものを使用することができるが、具体的には、ウッドロジン、トール油ロジン、ガムロジン等の原料ロジンの他、当該原料ロジンを用いて得られる、水素化ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、脱水素化ロジン等が挙げられる。これらのなかでは、ゲル化能の点からデヒドロアビエチン酸およびジヒドロアビエチン酸を豊富に含有するロジン類を使用することが好ましい。例えばデヒドロアビエチン酸が主成分の不均化ロジンや脱水素化ロジン、ジヒドロアビエチン酸類が主成分の水素化ロジンなどをあげることができる。
【0013】
本発明に用いられるロジン類の金属塩としては、特に限定されず公知のものを用いることができる。具体的には、前記ロジン類を金属化合物で中和したものが挙げられる。これらの中では、ロジン類の金属塩として、例えば、マグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩などが用いられる。とりわけ、不均化ロジンや脱水素化ロジンや水素化ロジンのマグネシウム塩やカルシウム塩などが工業的に有利であり、好適に使用できる。これらのロジン類の金属塩は、いずれかを単独で使用したり、2種以上を適宜に併用したりすることができる。
【0014】
ロジン類とロジン類の金属塩の混合物については、各成分を調製後混合してもよいが、ロジン類を金属塩とする際の中和率を制御してもよい。ロジン類を金属塩とする際の中和率は、格別限定されないが、好ましくはロジン類の酸価に対し、通常5〜60%程度であり、さらに好ましくは10〜50%である。中和率が5%に満たない場合、当該金属塩の軟化点が低くなり、取り扱い上好ましくない場合がある。中和率が60%を超える場合、ゲル化対象物への溶解が難しくなったり、ゲル化条件の制約を受ける場合がある。
【0015】
また、本発明で用いるアルカリ土類金属化合物としては、上記樹脂酸類やロジン類と反応して金属塩を形成するアルカリ土類金属化合物であれば特に限定なく使用できるが、反応性を考慮すれば、アルカリ土類金属酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物が好ましい。当該金属化合物の具体例としては、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、酸化バリウムなどを挙げることができる。これらのアルカリ土類金属化合物は、いずれかを単独で使用したり、2種以上を適宜に併用することができる。これらのうちでは水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウムがゲル化能の点で好ましい。
【0016】
ゲル化対象物をゲル化させるには、水の存在が不可欠である。水が存在することにより、前記アルカリ土類金属化合物(特に、アルカリ土類金属酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物)が、水に溶解して樹脂酸類と反応しうるものと考えられる。水の使用量は、ゲル化対象物の重量に対して0.05重量%以上であり、好ましくは水が連続相を形成するように設定することが好ましく、通常は、10重量%以上である。
【0017】
これら樹脂酸類、ロジン類およびロジン類の金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種とアルカリ土類金属化合物との組み合わせについては格別限定されず、ゲル化対象物の種類やゲル化時の条件などを考慮して、適宜に選択決定できる。
【0018】
ゲル化対象物としては、特に限定されないが、例えば、ピネン、リモネンなどのテルペン類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの非極性〜中極性の有機溶剤(具体的には、誘電率が3.0以下程度の溶剤);ガソリン、灯油、軽油、重油、原油、流動パラフィン、マシン油、切削油、エンジンオイルなどの鉱物油;大豆油、菜種油、サラダ油などの一般的な動植物油などを用いることができる。特に、非極性のゲル化対象物を使用することが、ゲル化が容易に進行し、また、ゲル化後に除去することが容易であるため好ましい。
【0019】
以下に本発明におけるゲル化方法について詳しく説明する。
ゲル化対象物をゲルとするには、公知の方法を採用すればよいが、通常は、まず、樹脂酸類、ロジン類およびロジン類の金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種をゲル化対象物に溶解させ、アルカリ土類金属化合物および水を加え混合、攪拌後、静置することにより行う。溶解させる際の温度は特に限定されないが、通常、室温以上、ゲル化対象物の沸点以下で行えばよい。なお、温度が高いほど溶解性が向上するため、溶解に要する時間を短縮することができるため好ましい。また、ゲル化対象物に添加する樹脂酸類、ロジン類およびロジン類の金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の量は特に限定されず、ゲル化対象物に対する溶解度、最終的に得られる多孔材料の性能、コスト等を勘案して決定されるが、通常、0.5〜70重量%程度である。0.5重量%以上とすることでゲル化体の形成が容易になるため好ましく、70重量%以下とすることでゲル化対象物に容易に溶解させることができるため好ましい。なお、溶解方法としては特に限定されず、超音波、攪拌機等を用いて攪拌混合すればよい。溶解時間は、濃度、攪拌方法や温度等により変化するため特に限定されないが、通常5分〜1時間程度である。
【0020】
このようにして得られた樹脂酸等の溶解液にアルカリ土類金属化合物および水を加えることによりゲル化対象物をゲル化させることができる。このようにして得られたゲル化物からゲル化対象物を除去することにより、金属石鹸が得られる。
【0021】
なお、樹脂酸類、ロジン類およびロジン類の金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種をゲル化対象物中に溶解させた溶解液を水中に乳化、微分散させた後に、アルカリ土類金属化合物を加えることにより微粒子状の多孔性材料を得ることができる。乳化、微分散は、公知の方法で行えばよいが、通常、調製したゲル化対象物に所定量の水を加え、超音波、攪拌機、ホモジナイザー等を用いて処理を行うことにより、所望の水乳化液または水分散液を調製することができる。また、必要に応じて、乳化剤、分散安定剤を併用することができる。乳化剤等を使用することにより乳化または分散状態が安定化され、微細液滴を形成させることができ、ゲル化を安定に短時間で行うことができるが、得られる多孔性材料中に残留する場合があるため、用途によっては十分な注意が必要である。
【0022】
使用する乳化剤、分散安定剤としては、所望の状態を形成できるものであれば特に限定されずゲル化対象物を水に乳化、微分散させることができるものを使用することができる。例えば、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ポリビニルアルコールの様な分散剤が挙げられる。これらの中でも、反応させるアルカリ土類金属化合物の影響によるアルカリ条件での安定性を考慮して、ノニオン系もしくはアニオン系のものを使用する事が好ましい。これらは、単独もしくは複数のものを組み合わせて使用することができる。乳化剤等の使用量は特に限定されないが、通常、水中濃度として0.01〜20重量%程度とすることが好ましい。
【0023】
乳化の際の温度は、特に限定されないが、通常は、室温から60℃程度である。なお、乳化剤等を併用する場合には、乳化剤の種類によっては高温にすると不安定化することもあるため、注意する必要がある。また、乳化時の固形分濃度や分散時間は、適宜選択すればよいが、通常、水中濃度として0.5〜50重量%程度であり、分散時間は5分〜1時間程度である。なお、当該乳化物に引き続きアルカリ土類金属化合物を加えて反応させることになるが、乳化、分散状態が安定であれば、一定時間放置後に反応させることもできる。
【0024】
アルカリ土類金属化合物を添加する方法は、特に限定されず、例えば、アルカリ土類金属化合物を直接加える方法、予めアルカリ土類金属化合物を水等の溶媒に部分的もしくは完全に溶解させてからこの溶液を加える方法などを採用することができる。なお、アルカリ土類金属化合物の添加後、静置しておいてもよいが、ゲル化を効率的に行うために攪拌を行うことが好ましい。攪拌の方法は特に限定されず、例えば、汎用の攪拌混合機、超音波等を用いて行えばよい。アルカリ土類金属化合物の使用量はゲル化対象物に溶解させたゲル化組成物を中和させ、所望の金属石鹸を形成させることができれば、特に限定されないが、通常、使用した樹脂酸およびロジン類等の全カルボキシル基量に対して50〜1000モル%当量程度、より好ましくは、90〜500モル%当量である。使用量が少なすぎる場合には、未反応の樹脂酸類、ロジン類が多く残留する場合や、得られる金属石鹸が不均一となる場合があり、多過ぎる場合にはコスト面での不利益はあるものの、特に大きな問題はない。通常、また、アルカリ土類金属化合物の添加、混合時の温度は特に限定されないが、通常、室温から60℃程度で行うことが好ましく、当該条件の下では、通常、5分〜1時間程度でゲル化する。温度が高いほどゲル化が速やかに進む傾向があるため好ましい。
【0025】
本発明により得られる金属石鹸は、ゲル化物から、ゲル化対象物を除くことによって得られる。なお、水中に分散したゲル化物をろ過等により分離できる場合には、分離した後、ゲル化対象物を留去させる方法が好ましいが、ろ過が困難な場合には、一般的な方法で凝集させてからろ過を行う方法や、ろ過することなく水乳化/分散液の状態のままでゲル化対象物を水媒体とともに留去させる方法を採用することができる。ゲル化対象物を留去させる方法としては、特に制約無く、加熱または/および減圧することによって留去すればよい。温度、減圧度は留去するゲル化対象物の性状に合わせて適宜設定すればよい。ただし、高温ではロジン化合物等が分解する場合があるため、ゲル化対象物の沸点によっては減圧下で留去させることが好ましい。
【0026】
本発明の金属石鹸は、通常、多孔性構造を有しており、多孔性材料として用いることができる。当該多孔性材料は、親油性が高く、比表面積も大きいため、油吸収性に優れている。また、吸油量、吸油速度、吸油時の強度等の特性は、用途に適合する様に各組成、ゲル化の際の条件等により調整することができる。また、必要に応じて、シリカやケイ酸カルシウム等の多孔質吸油剤を1種類以上組み合わせて使用することもできる。
【実施例】
【0027】
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0028】
実施例1
ノニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、商品名「ノイゲンSD-30」、ポリオキシエチレンデシルエーテル)の1.8重量%水溶液中に、脱水素化ロジン部分マグネシウム塩(荒川化学工業(株)製、商品名「パインクリスタルKM−1600」、軟化点108℃、中和率20%)の30重量%トルエン溶液を添加し、30分間攪拌することにより、乳化液を調製した(濃度5重量%)。この乳化液に、水酸化カルシウム450モル%当量を添加し、室温で1時間攪拌することにより、乳化していたトルエン溶液をゲル化させた。得られたゲル物をろ過回収し、加熱減圧によりトルエンを留去させることにより、多孔性の脱水素化ロジンの金属石鹸を得た。この金属石鹸のトルエン吸油量は、300ml/100g以上であった。
【0029】
比較例1
イソプロパノール(88重量部)、水(12重量部)からなる混合物(以下、88%IPAと略す)に水酸化カルシウム(450モル%当量)を加え攪拌して分散させた後、脱水素化ロジン部分マグネシウム塩(荒川化学工業(株)製、商品名「パインクリスタルKM−1600」、軟化点108℃、中和率20%)を88%IPAで溶解した溶液(濃度14重量%)を還流下で30分かけて滴下した(最終濃度7.6重量%)。さらに還流下で4時間反応させ、ろ過後、88%IPAにて洗浄、加熱減圧乾燥させることにより、脱水素化ロジンの金属石鹸を得た。この金属石鹸のトルエン吸油量は、100ml/100g未満であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂酸類、ロジン類およびロジン類の金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種、アルカリ土類金属化合物ならびに水を用いてゲル化対象物をゲル化させた後、ゲル化物からゲル化対象物を除去することにより得られる金属石鹸。
【請求項2】
樹脂酸類、ロジン類およびロジン類の金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種として、ロジン類を金属化合物で中和率5〜60%に中和したものを使用した請求項1記載の金属石鹸。
【請求項3】
ロジン類の金属塩が、アルカリ土類金属塩である請求項1または2記載の金属石鹸。
【請求項4】
アルカリ土類金属化合物が、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウムおよび酸化バリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1または2記載の金属石鹸。
【請求項5】
ゲル化対象物が、テルペン化合物、有機溶剤、動植物油および鉱物油からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の金属石鹸。
【請求項6】
樹脂酸類、ロジン類およびロジン類の金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種、アルカリ土類金属化合物ならびに水を用いてゲル化対象物をゲル化させた後、ゲルからゲル化対象物を除去することにより得られる金属石鹸の製造方法。
【請求項7】
樹脂酸類、ロジン類およびロジン類の金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種をゲル化対象物に溶解させた後、これを水中に乳化または分散させ、アルカリ土類金属化合物と反応させる請求項6に記載の金属石鹸の製造法。
【請求項8】
水中に乳化または分散させるために、乳化剤または分散剤を使用する請求項7に記載の金属石鹸の製造法。
【請求項9】
加熱および/または減圧することにより、ゲルからゲル化対象物を除去する請求項6に記載の金属石鹸の製造方法。
【請求項10】
ゲル化対象物が、テルペン化合物、有機溶剤、動植物油および鉱物油からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項6〜9に記載の金属石鹸の製造方法。
【請求項11】
請求項1〜5のいずれかに記載の金属石鹸を含有する油吸収体。

【公開番号】特開2007−284628(P2007−284628A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−116296(P2006−116296)
【出願日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(000168414)荒川化学工業株式会社 (301)
【Fターム(参考)】