説明

金属表面の化学的保護

電気化学電池は、酸素含有層を有する金属材料を有するアノードを含む。この電気化学電池はまた、カソードおよび電解質を含む。このアノードは、DまたはPブロック前駆体と酸素含有層とを反応させることによって、形成された保護層を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2009年3月2日出願の米国特許出願第12/396、223号明細書(参照により本明細書中に取り込まれる)の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、金属表面の化学的保護に関する。
【背景技術】
【0003】
金属性アノード、カソードおよび固体または溶媒含有電解質を含む電気化学電池が、当該技術分野で知られている。そうした電池は、繰り返し充電/放電サイクルに限界を有し、そしてそれらの初期の充電および放電容量に比較して、繰り返しサイクルを通してそれらの充電および放電容量の低下を有する場合がある。さらに、固体電池の初期容量は、多くの場合望ましいものより低い。したがって、高初期容量を有し、そして繰り返し充電および放電サイクルでそうした容量を保つ改善された電池への技術的なニーズがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気化学電池に関連した別の問題は、繰り返し充電および放電サイクルを通したデンドライトの発生である。デンドライトは、電気化学電池が充電される場合に、アノード上に形成される。デンドライトは、繰り返されるサイクルの間に成長し、そして電池の低下した性能、または電池の充電および放電を可能としない短絡となる。したがって、改善されたサイクル寿命およびデンドライトの形成を制限する電池および電極への技術的なニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
電気化学電池は、酸素含有層を有する金属材料を有するアノードを含む。電気化学電池はまた、カソードおよび電解質を含む。このアノードは、DまたはPブロック前駆体と酸素含有層とを反応させることによって金属材料上に形成される、保護層を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、保護層の適用前および後のリチウム金属での、IR分光法の波長対強度のプロットであり、
【図2】図2は、保護層を有するリチウム金属での示差走査熱量測定のプロットであり、
【図3】図3は、電気抵抗試験のための実験設定の図であり、
【図4】図4は、保護層を形成するクロロトリメチルシラン前駆体および参照材料での、電気抵抗のプロットであり、
【図5】図5は、保護層を形成するクロロジイソプロピルホスフィン前駆体および参照材料での、電気抵抗のプロットであり、
【図6】図6は、保護層を形成するクロロジエチルホスフィン前駆体および参照材料での、電気抵抗のプロットであり、
【図7】図7は、保護層を形成するブロモジメチルボラン前駆体および参照材料での、電気抵抗のプロットであり、
【図8】図8は、保護層を形成するクロロトリメチルシラン、クロロジイソプロピルホスフィン、クロロジエチルホスフィン、ブロモジメチルボラン前駆体および参照材料での、電気抵抗のプロットであり、
【図9】図9は、保護層を形成するテトラエチルオルトシリケート前駆体および参照材料での、電気抵抗のプロットであり、
【図10】図10は、金属の表面上に堆積された厚い層を示す断面SEMデータであり、
【図11】図11は、実験設定、例えば4の記載である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
用語「電気化学電池」は、本明細書中で使用される場合、アノード、カソードおよびアノードとカソードとの間に介在するイオン導電性電解質を有する機器をいう。電気化学電池は、電池、コンデンサーまたは他のそうした機器であることができる。この電池は、第1または第2の化学品からなることができる。この電池は、固体電解質または液体電解質を有することができる。用語「アノード」は、本明細書中で使用される場合、放電サイクルの間に酸化する電極をいう。
【0008】
酸素含有層を有する金属材料を含むアノードを有する電気化学電池が開示される。アノード金属材料は、周期表中に示されたようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属であることができる。金属材料の非限定の例は、リチウム、アルミニウム、ナトリウム、およびマグネシウムを含む。本発明の好ましい形態において、金属材料は、リチウムである。
【0009】
酸素含有層は、金属材料を雰囲気に曝すことによって形成でき、またはさもなければ、金属材料上に形成できる。電気化学電池はまた、任意の好適な材料によって形成されることができるカソードを含む。電解質は、アノードとカソードとの間に介在し、そして溶媒および塩により膨潤したポリマーマトリックスである、固体電解質、液体電解質およびゲルポリマー電解質を含む任意の好適な形態であることができる。固体電解質は、ポリマー型の、無機層またはこれらの混合物であることができる。ポリマー電解質の例は、PEO系、およびPEG系ポリマーを含む。無機電解質は、スルフィドガラス、リン化物ガラス、オキサイドガラスおよびそれらの混合物からなることができる。液体電解質の例は、溶解された金属イオン塩、例えばエチレン炭素/炭酸ジエチル(EC/DEC)中で1MのLiPFを有するカーボネート溶媒を含む。
【0010】
電気化学電池のアノードは、DまたはPブロック前駆体と酸素含有層とを反応させることによって、アノードの上に形成された化学的に結合した保護層を含む。用語DまたはPブロック前駆体は、周期表のDまたはPブロック中の元素を有する化合物を含む。DまたはPブロック元素の例は、数種を挙げると、リン、ホウ素、ケイ素、チタン、モリブデン、タンタル、バナジウムである。DまたはPブロック前駆体は、有機金属化合物であることができる。有機金属化合物の例は、金属間化合物、そこに結合した有機置換基を有する合金および金属を含む。本発明の好ましい形態において、DまたはPブロック前駆体は、ケイ素、ホウ素またはリンを含むことができる。DまたはPブロック前駆体は、金属材料の酸素含有層と反応して、保護層を形成する。
【0011】
一態様では、DまたはPブロック前駆体は、式:ARX(式中、Aは、リンまたはホウ素から選択され、Xは、ハロゲンまたはハロゲン含有化合物であり、そしてRは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択され、Rは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択される。)の化合物であることができる。
【0012】
ハロゲンは、塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素であることができる。アルキル、アルコキシ、および芳香族基は、フッ素化または部分的にフッ素化されていることができる。
【0013】
明細書中に記載されていない他のアルキル基を本発明で使用できるが、アルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−ペンチル、イソオクチル、tert−オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、1−メチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、および1−メチル−4−イソプロピルシクロヘキシルであることができる。アルキル基はまた、官能化されていることができる。好適な官能基は、例を挙げると、エーテル、スルフィド、スルホキシドであることができる。
【0014】
芳香族基は、フェニル基、パラ位、メタ位、オルト位にアルキル置換基を有するフェニル基、およびポリ芳香族化合物であることができる。好適なポリ芳香族化合物の例は、ナフタレン誘導体を含む。
【0015】
本発明の別の態様では、DまたはPブロック前駆体は、式:ARX(式中、Aはリンであり、Xはハロゲンまたはハロゲン含有化合物であり、そしてRは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択され、Rは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択され、Rは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択され、Rは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択される。)の化合物であることができる。
【0016】
二重結合の酸素または他の二重結合の置換基を含む化合物の場合、R基の数は、合計で4以下であることができる。
【0017】
あらかじめ記載された態様のように、ハロゲン、アルキル、アルコキシおよび芳香族基の記載は、同じであり、そして以下で繰り返さない。
【0018】
本発明の別の態様では、DまたはPブロック前駆体は、式:SiRX(式中、Xは、ハロゲンまたはハロゲン含有化合物であり、そしてRは、水素、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択され、Rは、水素、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択され、Rは、水素、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択される。)の化合物であることができる。
【0019】
あらかじめ記載された態様のように、ハロゲン、アルキル、アルコキシおよび芳香族基の記載は、同じであり、以下で繰り返さない。
【0020】
別の形態では、化学的保護層は、上記の様に、金属材料に結合しなくともよい。本願において、電気化学電池のアノードはまた、DまたはPブロック前駆体と酸素含有層とを反応させることによって、アノード上の保護層によって覆われている。DまたはPブロック前駆体は、式:ARX(式中、Aは、リンまたはホウ素から選択され、Xは、ハロゲンまたはハロゲン含有化合物であり、そしてRは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択され、Rは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択される。)の化合物;式:ARX(式中、Aはリンであり、Xは、ハロゲンまたはハロゲン含有化合物であり、そしてRは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択され、Rは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択され、Rは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択され、Rは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択される。)の化合物;および式:SiRX(式中、Xは、ハロゲンまたはハロゲン含有化合物であり、そしてRは、水素、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択され、Rは、水素、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択され、Rは、水素、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択される。)の化合物を含む、上記の様な同じタイプの材料を含むことができる。
【0021】
上記の化合物に加えて、さらなる酸素含有種が、DまたはPブロック前駆体と共に含まれることができ、そして反応して、化学的保護層を形成することが出来る。好適な酸素含有種は、酸素、水蒸気、および他の酸素含有化合物を含むことができる。
【0022】
化学的保護層が、金属材料の表面に結合していない態様において、DまたはPブロック前駆体は、金属材料の酸素含有層と反応し、そして/または任意のさらなる酸素含有種と反応して、DまたはPブロック前駆体の分解、加水分解、重合または他の反応を開始し、金属材料の表面に結合していない層を形成する。
【実施例】
【0023】
実施例のセクション中の詳細な実験において、リチウム金属ストリップを、種々の前駆体化合物に曝した。このリチウムストリップを、室温で前駆体化合物を含む不活性雰囲気の密閉されたフラスコに入れた。前駆体がリチウム上の金属酸素含有層と反応して保護層を形成するのに好適な時間の間、このストリップをこの前駆体に曝した。種々のサンプルでの、電気抵抗試験、IR分光法試験、および示差走査熱量測定試験を含む、種々の分析手順を行った。
【0024】
例1
図1に示すように、リチウム金属の未処理のサンプルおよびクロロトリメチルシランを用いて、240秒間、上記の手順により処理されたサンプルを、IR分光法で分析した。未処理のサンプルでは、水酸化リチウム結合に対応するピークが、3600cm−1の範囲に示されている。ケイ素酸素結合に対応する1100cm−1範囲のピークを含む処理されたサンプルでは、このピークは示されなかった。この関係は、前駆体化合物が酸素含有金属と反応して、ケイ素酸素結合を生成したことを示す。
【0025】
例2
リチウム金属の未処理のサンプル、および上記の手順に従ってクロロトリメチルシランで処理したサンプルを、図2に示すように示差走査熱量測定を用いて分析した。サンプルの周りに窒素ガス流を有するアルミニウムパン中にサンプルを置いた。サンプルをそれぞれ、融点より上に加熱し、そして融点より下に冷却して、リチウムが環境から保護されたかどうかを決定した。未処理のリチウムサンプルは、アルミニウムパンと反応し、そして純粋なリチウム金属の典型的な溶融および凝固を示さなかった。処理したサンプルは、図2に示すように、リチウムの融点の非常に近くにおいて、非常に明らかなリチウムの溶融および凝固を示す(融点における過熱または過冷却のわずかな量は、加熱速度に依存する)。この狭いピークは、リチウム金属が保護されており、そして保護されていないサンプルと対照的にその環境と反応しなかったことを示す。
【0026】
例3
リチウムの種々の処理されたサンプル、および参照として未処理のリチウムで、電気抵抗試験を行った。使用した実験設定を図3に示す。種々のサンプルを上記の手順を使用して生成した。陽極位置にサンプルを置く実験設定で、リチウムサンプルを試験した。種々のサンプルのための電気抵抗プロットを図4〜7に示す。図4は、クロロトリメチルシラン前駆体で処理して保護層を形成するサンプルの、電気抵抗プロットを示す。図5は、クロロジイソプロピルホスフィン前駆体で保護層保護層を形成する電気抵抗プロットを示す。図6は、クロロジエチルホスフィン前駆体で保護層を形成する電気抵抗プロットを示す。図7は、ジブロモジメチルボラン前駆体で保護層を形成する電気抵抗プロットを示す。図中に示すように、処理されたサンプルは全て、参照サンプルより小さい勾配を有する電気抵抗曲線を有する。この挙動は、未処理のサンプルと比較して、改善された性能を示す。図8に種々のサンプルについて示された、電気抵抗値を種々のサンプルの抵抗を計算するために使用した。図に示すように、全ての処理されたサンプルでの抵抗は、未処理の参照より低い。前駆体材料の種々の元素およびR基は、サンプルの抵抗に影響を有している。クロロジイソプロピルホスフィンサンプルは、処理されたサンプルの中で最も低い抵抗を示した。より低抵抗の金属材料は、電気化学電池中のアノードとしての使用のために望ましい。
【0027】
例4
リチウム金属の未処理のサンプル、および上記手順によりテトラエチルオルトシリケートを用いて処理されたサンプルを分析した。リチウムの処理されたサンプルおよび参照として未処理のリチウムに、電気抵抗試験を行った。使用した実験設定を図11に示す。図9に示されたサンプルの抵抗を計算するために電気抵抗値を使用した。図に示すように、処理されたサンプルの抵抗は、未処理の参照より低い。より低抵抗の抵抗金属材料が電気化学電池中でのアノードとしての使用のために望ましい。
【0028】
図10に、処理されたサンプルのSEM顕微鏡写真の断面を示す。顕微鏡写真中に示すように、化学的保護層は、層の厚さから明らかなように金属表面に化学的に結合していない厚い層である。
【0029】
本発明は、具体的に説明する様式で記載された。当然のことながら、使用された用語は、制約というよりむしろ記載の性質であること意図している。本発明の多くの改質および変化が上記教示に照らせば可能である。したがって、付属の請求項の範囲内で、本発明は、具体的に記載された以外の実施ができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素含有層を有する金属材料と、
DまたはPブロック前駆体と酸素含有層とを反応させることによって、該金属材料上に形成された保護層と、
を含んで成る、電気化学電池のためのアノード。
【請求項2】
該DまたはPブロック前駆体への酸素含有種の添加を含む、請求項1に記載のアノード。
【請求項3】
該DまたはPブロック前駆体が、有機金属化合物である、請求項1に記載のアノード。
【請求項4】
該金属材料が、アルカリ金属、およびアルカリ土類金属から選択される、請求項1に記載のアノード。
【請求項5】
該金属材料が、リチウムを含む、請求項1に記載のアノード。
【請求項6】
該DまたはPブロック前駆体が、式:ARX(式中、Aは、リンまたはホウ素から選択され、Xは、ハロゲンまたはハロゲン含有化合物であり、そしてRは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択され、Rは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択される。)の化合物を含む、請求項1に記載のアノード。
【請求項7】
該ハロゲンが、塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素から選択される、請求項6に記載のアノード。
【請求項8】
該アルキル、アルコキシ、および芳香族基が、フッ素化され、または部分的にフッ素化されることができる、請求項6に記載のアノード。
【請求項9】
該アルキル基が、官能化されている、請求項6に記載のアノード。
【請求項10】
該アルキル基が、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−ペンチル、イソオクチル、tert−オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、1−メチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、および1−メチル−4−イソプロピルシクロヘキシルから選択される、請求項6に記載のアノード。
【請求項11】
該芳香族基が、フェニル基、パラ位、メタ位、オルト位にアルキル置換基を有するフェニル基、およびポリ芳香族化合物から選択される、請求項6に記載のアノード。
【請求項12】
該DまたはPブロック前駆体が、式:ARX(式中、Aは、リンであり、Xは、ハロゲンまたはハロゲン含有化合物であり、そしてRは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択され、Rは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択され、Rは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択され、Rは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択される。)化合物を含む、請求項1に記載のアノード。
【請求項13】
該ハロゲンが、塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素から選択される、請求項12に記載のアノード。
【請求項14】
該アルキル、アルコキシ、および芳香族基が、フッ素化または部分的にフッ素化でされていることができる、請求項12に記載のアノード。
【請求項15】
該アルキル基が、官能化されている、請求項12に記載のアノード。
【請求項16】
該アルキル基が、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−ペンチル、イソオクチル、tert−オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、1−メチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、および1−メチル−4−イソプロピルシクロヘキシルから選択される、請求項12に記載のアノード。
【請求項17】
該DまたはPブロック前駆体が、式:SiRX(式中、Xは、ハロゲンまたはハロゲン含有化合物であり、そしてRは、水素、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択され、Rは、水素、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択され、Rは、水素、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択される。)の化合物を含む、請求項1に記載のアノード。
【請求項18】
該ハロゲンが、塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素から選択される、請求項17に記載のアノード。
【請求項19】
該アルキル、アルコキシ、および芳香族基が、フッ素化または部分的にフッ素化でされていることができる、請求項17に記載のアノード。
【請求項20】
該アルキル基が、官能化されている、請求項17に記載のアノード。
【請求項21】
該アルキル基が、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−ペンチル、イソオクチル、tert−オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、1−メチルシクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、および1−メチル−4−イソプロピルシクロヘキシルから選択される、請求項17に記載のアノード。
【請求項22】
酸素含有層を有する金属材料を含むアノードと、
カソードと、
電解質と、
DまたはPブロック前駆体と該酸素含有層とを反応させることによって、該金属材料上に形成された保護層を含むアノードと、
を含んで成る、電気化学電池。
【請求項23】
該DまたはPブロック前駆体が、式:ARX(式中、Aは、リンまたはホウ素から選択され、Xは、ハロゲンまたはハロゲン含有化合物であり、そしてRは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択され、Rは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択される。)の化合物を含む、請求項22に記載の電気化学電池。
【請求項24】
該DまたはPブロック前駆体が、式:ARX(式中、Aは、リンであり、Xは、ハロゲンまたはハロゲン含有化合物であり、そしてRは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択され、Rは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択され、Rは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択され、Rは、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、1〜20個の炭素を有する芳香族基、または酸素から選択される。)化合物を含む、請求項22に記載の電気化学電池。
【請求項25】
該DまたはPブロック前駆体が、式:SiRX(式中、Xは、ハロゲンまたはハロゲン含有化合物であり、そしてRは、水素、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択され、Rは、水素、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択され、Rは、水素、ハロゲン、1〜20個の炭素を有するアルキル基、1〜20個の炭素を含むアルコキシ基、または1〜20個の炭素を有する芳香族基から選択される。)の化合物を含む、請求項22に記載の電気化学電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−519368(P2012−519368A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−553014(P2011−553014)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/025828
【国際公開番号】WO2010/101856
【国際公開日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(507342261)トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド (135)
【出願人】(301043487)ザ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・カリフォルニア (15)
【氏名又は名称原語表記】The Regents of the University of California
【Fターム(参考)】