説明

金属製帯板材の接合構造

【課題】表面が面一に揃った帯板材を強力に接合した金属製帯板材の接合構造を提供する。
【解決手段】帯板部1の一側の裏側に突縁2を直角に形成し、他側の裏側には挟持溝3をそれぞれ形成した複数の帯板材aを、隣り合う帯板材の一方の挟持溝に他方の突縁を挟持させて接合する金属製帯板材の接合構造であって、突縁の外側面には凹溝6を形成するとともに、挟持溝の内側溝壁の内面には突縁の凹溝に嵌まり合う嵌合凸部10を形成し、隣り合う帯板材のうち一方の帯板材の挟持溝の外側の溝壁3aを、他方の帯板材の突縁が差し込まれた状態でかしめるにあたり、帯板部の突縁側の端部には、外側の溝壁の戻りを防止する戻り止め突起8を形成するとともに、凹溝6と嵌合凸部10とを嵌合した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯板部の一側の裏側に突縁を直角に形成し、他側の裏側には挟持溝をそれぞれ形成した複数の金属製帯板材を、隣り合う帯板材の一方の挟持溝に他方の突縁をかしめにより挟持させて接合する金属製帯板材の接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、標識板や掲示板等のような表面が平坦な大型の板状体は、大型の一枚板かあるいは小さな板材を接合した複合板によって構成されている。一枚板の場合、表面に凹凸がなく、その上に印刷フィルム等を貼着しても一体の連続面であるから仕上がりが綺麗である。その反面、一枚板の強度は板厚によって確保される場合が多いから、高強度の板状体は単価が高くなる。これに対し、複合板の場合は、単価が廉価であるほか、強度も板厚ではなくリブ出しによって確保することができるから、全体としてのコストも低く抑えることができる。その反面、複合板は複数の板材を接合した構成であるから、隣り合う板材間に凹凸が出やすく、印刷物を貼ると、板材の境界に凹凸が生じ、印刷物自体が美しくても、その美しさが損なわれてしまうという問題がある。
【0003】
ところが、複合板には、上記欠点があるものの、コストが安く、大型の設備は不要であり、全体の大きさを自由に調整できる、アルミニウムであればアルマイト処理は形材の方が板材よりも経済的である等の利点があるという理由から、表面が平坦な大型の板材を形成するには、凹凸の少ない板状体の複合板が望まれている。
【0004】
従来、帯板材を接合する構造として、帯板材の一側端に略逆J形状をなす下はぜ部を形成し、他側端には前記したはぜの先端に略V形状をなす係止折曲片を付設した上はぜ部を形成して、両はぜ部を重ねて潰すことで帯板材を接合するものは、例えば特許文献1により知られており、また、接合する帯板材の一側端に第1の嵌合片を設け、他側端に第1の嵌合片を抱え込む第2の嵌合片を設けて、これら嵌合片を嵌合させた後、両者の当接部に設けた孔にねじを締めこんで、帯板材同士を密着させるようにするものは、例えば特許文献2により知られている。
【0005】
しかしながら、上記はぜ潰し継ぎによるものは、接合の際に帯板材の表面を揃えることができないため、表面に不可避的に段差を生ずるものであって、帯板材の接合表面が一枚板のように面一であることが要求される掲示パネル等の接合には使用できないものであり、また、第1、第2の嵌合体を嵌合して、ねじの締め込みで圧着するものは、ネジの締め込みに手数が掛る上に、十分な圧着力を得ることが困難であって、しかも、振動や衝撃によりねじの緩みが起こると接合部に隙間を生じ易い問題点がある。
【特許文献1】特開平3−221655号
【特許文献2】実公平7−17846号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題点を解消し、表面が面一に揃った帯板材の強力な接合を行うことができて、振動や衝撃により接合の緩みや外れを生ずることもない金属製帯板材の接合構造を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、帯板部の一側の裏側に突縁を直角に形成し、他側の裏側には挟持溝をそれぞれ形成した複数の帯板材を、隣り合う帯板材の一方の挟持溝に他方の突縁を挟持させて接合する金属製帯板材の接合構造であって、上記突縁の外側面には凹溝を形成するとともに、上記挟持溝の内側溝壁の内面には上記突縁の凹溝に嵌まり合う嵌合凸部を形成し、隣り合う帯板材のうち一方の帯板材の挟持溝の外側の溝壁を、他方の帯板材の突縁が差し込まれた状態でかしめ、上記帯板部の突縁側の端部には、上記外側の溝壁の戻りを防止する戻り止め突起を形成するとともに、上記凹溝と嵌合凸部とを斜めに嵌合したことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、上記凹溝と嵌合凸部とを斜めに嵌合することに代え、上記突縁の先端を二股に形成する一方、上記挟持溝の溝底には上記二股部の間に係合する係合突起を形成したことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、上記凹溝と嵌合凸部とを斜めに嵌合することに代え、上記挟持溝の溝底には上記突縁の内側に係合する案内突起を形成したことを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、上記凹溝と嵌合凸部とを斜めに嵌合することに代え、上記突縁の内側には、上記挟持溝の外側の溝壁の先端が上記戻り止め突起の内側に入り込むように案内する案内凸部を形成したことを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、上記凹溝と嵌合凸部とを斜めに嵌合することに代え、上記突縁の外側面と上記挟持溝の内側溝壁には、それぞれ複数の凹溝と嵌合凸部とを形成したことを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、上記凹溝と嵌合凸部とを斜めに嵌合することに代え、上記挟持溝の内側溝壁と上記突縁の外側面とは、表面の近傍で、表面と平行な面を有する段部で係合したことを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る発明は、上記凹溝と嵌合凸部とを斜めに嵌合することに代え、上記挟持溝の外側溝壁の先端が断面T字形に形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、一方の帯板材に形成した挟持溝の外側の溝壁を予め開いておき、上記挟持溝に、他方の帯板材に形成した突縁を差し込んで上記溝壁を閉じるようにしてかしめ付ければ帯板材を強力に接合することができる。このように、かしめによって接合されているので、隣り合う帯板材同士は密着する。また、一方の帯板材の突縁の外側面の凹溝と、他方の帯板材の嵌合凸部とが嵌り合い、両帯板材が正しく位置決めされるから、両帯板材は面一に保持される。そして、外側の溝壁をかしめて閉じたとき、戻り止めによって元の開き状態に戻ることはできないから、接合状態は良好に保持される。
【0015】
しかも、突縁の凹溝と挟持溝の嵌合凸部とは斜めに嵌合するので、かしめた後、2つの帯板材は表面方向に沿ってまた表面と直交方向に相対的に動くことができないので、接合状態が良好に保持され、振動や衝撃を受けても接合の緩みや外れを起こすことがない。
【0016】
したがって、表面が面一に揃った帯板材の強力な接合を容易かつ迅速に行うことができて、振動や衝撃により接合の緩みや外れを生ずることもない。
【0017】
請求項2に係る発明によれば、突縁の先端を二股に形成する一方、挟持溝の溝底には上記二股部の間に係合する係合突起を形成したから、突縁の先端は動くことがなく、接合による一体化が永く保持できる。
【0018】
請求項3に係る発明によれば、挟持溝の溝底には上記突縁の内側に係合する係合突起を形成したから、突縁の先端部は案内突起により内側溝壁の方に寄った位置に案内され、さらに強固に挟持溝内の所定位置に確実に保持することができる。
【0019】
請求項4に係る発明によれば、突縁の内側には、上記上記挟持溝の外側の溝壁の先端が戻り止め突起の内側に入り込むように案内され、突縁が挟持溝から抜け出すことが防止され、また外側の溝壁が戻り止め突起から外れることが確実に防止され、接合状態は良好に保持される。
【0020】
請求項5に係る発明によれば、突縁の外側面と挟持溝の内側溝壁には、それぞれ複数の凹溝と嵌合凸部とを形成したから、突縁と挟持溝との嵌合による噛み合い状態が多くなり、隣接する帯板材の表面の面一性をより確実に保持することができる。
【0021】
請求項6に係る発明によれば、挟持溝の内側溝壁と上記突縁の外側面とは、表面の近傍で、表面と平行な面を有する段部で係合したから、接合時には係合段部の段面上に係合部を載せることにより、隣接する帯板材の表面は正確に面一になるように決まるから、面一性がよい。
【0022】
請求項7に係る発明によれば、上記挟持溝の外側溝壁の先端が断面T字形に形成されたから、かしめ時に外側溝壁の外側の屈曲部が係止突起の内側に入り込みやすい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に本発明に係る金属製帯板材の接合構造の実施形態について説明する。
【0024】
図1は金属製帯板材の接合構造を示すもので、上記接合構造は、図2に示す複数の帯板材aを接合したもので、帯板材aは、帯板部1の一側の裏側に突縁2を直角に形成し、他側の裏側には挟持溝3をそれぞれ形成したアルミニウムなどの押出形材である。
【0025】
上記突縁2の外側面には突縁2の先端側に傾斜した凹溝6が形成され、さらに、帯板部1の突縁2側の端部には戻り止め突起8が形成されている。さらに、上記突縁2の先端は二股に形成されている。
【0026】
また、上記突縁2の内側には案内凸部11が突出形成されている。
【0027】
次に、上記挟持溝3は外側溝壁3aと内側溝壁3bと溝底3cとから構成されている。内側溝壁3bの内面には上記突縁2の凹溝6に嵌まり合う嵌合凸部10が斜めに突出形成されている。溝底3cには、上記二股部4、5の間に係合する係合突起12が形成されている。さらに、外側溝壁3aの基部には、薄肉部13がV字状に形成され、上記溝壁3aの先端には溝の内側に突出する突部14が形成されている。
【0028】
なお、上記外側溝壁3aは押出成形時には、図3又は図1に点線で示すように、内側溝壁3bに対して斜めになり、挟持溝3が開くように成形されている。
【0029】
次に、上記構成の帯板材aを接合するときは、図1に示されるように、一方の帯板材aの突縁2を他方の帯板材aの挟持溝3内に差し込む。このとき、嵌合凸部10と凹溝6とが表面に対して斜めに移動しながら嵌合する。そして、突縁2の先端二股部4、5の間に溝底3cの係合突起12が係合する。そこで、かしめ装置(図面省略)により上記外側溝壁3aを内側に曲げると、図1に実線で示されるように、外側溝壁3aは薄肉部13から曲がり、その先端は戻り止め突起8の内側に移動して強く突縁2にかしめ付けられる。このとき、突縁2の案内凸部11は傾斜面15を介して外側溝壁3aの突部14に係合するので、かしめ時の押し付け力により、案内凸部11は突縁2を図1の下方に移動するように付勢されるとともに、突部14自体が相対的に同図の上方に移動するように付勢されるから、嵌合凸部10が凹溝6内に円滑に滑り込むとともに、突部14の先端が戻り止め突起8の内側に入り込むように案内される。同時に、突縁2の先端二股部4、5の間に溝底の係合突起12が円滑に係合することができる。
【0030】
上記構成の接合構造によれば、2枚の帯板材aの接合はかしめによるものであるから、隣り合う帯板材a同士は密着する。また、一方の帯板材aの突縁2の凹溝6と他方の帯板材aの嵌合凸部10との嵌合、突縁2の先端二股部4、5と溝底3cの係合突起12との係合などにより、両帯板材aは正しく位置決めされるから、両帯板材aは面一に保持される。したがって、一枚板のような表面状態のボードを製作することができる。したがって、図10(a)に示されるような構造体や、同図(b)に示すような凹凸のない1枚板状のサインボードや、同図(c)に示すような、中空の帯板材a´の接合による連結体を製作することができる。
【0031】
上述のように、一方の帯板材aに形成した挟持溝3の外側溝壁3aを予め開いておいて他方の帯板材aの突縁2を差し込み、上記溝壁3aを閉じるようにしてかしめれば容易かつ迅速に帯板材aを接合することができる。
【0032】
また、かしめにより、突縁2の案内凸部11は傾斜面を介して外側溝壁3aの先端突部14に係合し、この突部14は戻り止め突起8の内側に入り込むように案内され、突縁2が挟持溝3から抜け出すことが防止され、また外側溝壁3aが戻り止め突起8から外れることが確実に防止され、接合状態は良好に保持される。
【0033】
さらに、突縁2の凹溝6と挟持溝3の嵌合凸部10とは斜めに嵌合するので、かしめた後、2つの帯板材aは表面方向に沿ってまた表面と直交方向に相対的に動くことができないので、接合状態が良好に保持され、振動や衝撃を受けても接合の緩みや外れを起こすことがない。
【0034】
突縁2の先端二股部4、5の間に溝底の係合突起12が係合しているので、挟持溝3内に挟持された後に、突縁2の先端は動くことがなく、接合による一体化が永く保持できる。
【0035】
さらにまた、外側溝壁3aをかしめるとき、必ず薄肉部13から曲がっていくから、かしめ作業が安定する。
【0036】
また、帯板部1の裏面には、上記挟持溝と突縁との嵌り合いによってリブが形成されるので、帯板材aを容易に下地に取付けることができるし、帯板材aの変形が効果的に防止される。
【0037】
なお、金属製帯板材の接合構造については、上述の例に限定されない。
【0038】
例えば、図3に示されるように、挟持溝3の溝底3cには上記突縁2の内側に係合する案内突起17を形成してもよい。これによれば、挟持溝3の溝内へ突縁2を差し込むと、突縁2の先端は案内突起17に案内されて所定の位置に位置決めされるので、突縁2が挟持溝3内で遊んでぐらつくことがなく、さらに強固に挟持溝内の所定位置に確実に保持することができ、また隣り合う帯板材aの面一を確保することができる。
【0039】
突縁2も直状のものに限定されない。図4のように、中間から曲がって凹溝6を形成するようにしてもよい。図5のように突部14はなくてもよい。この場合、構造がシンプルになり、挟持溝を浅く構成することができる。
【0040】
また、図6に示されるように、上記突縁2の外側面と上記挟持溝3の内側溝壁3bには、それぞれ複数の末広がり状の凹溝6と先細り状の嵌合凸部10とを形成してもよい。これによれば、突縁2と挟持溝3との嵌合による噛み合い状態が多くなるので、上下左右に動きにくく、隣接する帯板材aの表面の面一性をより確実に保持することができる。
【0041】
さらに、図7(a)に示されるように、上記挟持溝3の内側溝壁3bの基部には、一方を他方に係合させるための直角の係合段部18が形成されている。上記係合段部18の段面は帯板材aの表面と平行に形成されている。これに対し、上記突縁2の基部には、上記係合段部18の段差と同じ厚みの係合部19が形成されている。
【0042】
これによれば、接合時には係合段部18の段面上に係合部19を載せることにより、隣接する帯板材aの表面は正確に面一になるように決まるから、面一性がよい。
【0043】
ところで、同図に示されるように、挟持溝3の内側溝壁3bの外側面の基部と上記突縁2の外側面の基部には、互いに向き合う凹部20が形成されている。そして、この凹部20より表面側では上記溝壁3bと突縁2とが密着し、それより挟持溝3の奥側では上記溝壁と突縁2との間にわずかな隙間21が形成されるように構成されている。このため、かしめたときに必ず上記凹部20より表面側において上記溝壁3bと突縁2とが強く密着することになり、帯板材aの隣り合う角部22は強く接合される。このため、帯板材aの表面の面一性をより確実にすることができる。他の例も同様である。
【0044】
さらに、図7(b)に示されるように、突縁2の内側面には上下2個の凹条部25を形成し、外側溝壁3aの内面には上記突縁2の凹条部25に係合可能な2個の凸条部26を形成するようにしてもよい。外側溝壁3aをかしめたとき、この溝壁の凸条部26が上記凹条部25に強く押圧されるので、接合が強固となる。
【0045】
また、図8に示されるように、上記挟持溝の外側溝壁3aの先端は、断面がT字形に形成されていてもよい。この場合、かしめ時に先端外側の屈曲部23が戻り止め突起8の内側に入り込みやすい。なお、戻り止め突起8の先端にも係止突起24を形成するのが好ましい。挟持溝の外側溝壁3aの先端の断面はL字形であってもよい。
【0046】
なお、図7(b)と同様、突縁2の内側面には上下2個の凹条部25が形成され、外側溝壁3aの内面には上記突縁2の凹条部25に係合可能な2個の凸条部26が形成されている。外側溝壁3aをかしめたとき、この溝壁の凸条部26が上記凹条部25に強く押圧されるので、接合が強固となる。
【0047】
さらに、戻り止めは、図9に示されるように、帯板部aの裏側に戻り止め突片26を折り曲げ可能に形成し、外側溝壁3aのかしめと同時、またはかしめの後に戻り止め突片26を折り曲げて上記溝壁に略直角に押し当てることにより行なってもよい。
【0048】
なお、上記図3〜図9の場合も、図10(a)(b)(c)に示すような構造体等を得ることができる。図10(a)は、トラック荷台のカバー、図10(b)は、両面にサインシートを張り付けることができるサインボード、図10(c)は、片面にサインシートを張り付けることができるサインボードを取り付けた看板を構成するものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】金属製帯板材の接合構造の断面図である。
【図2】帯板材の側面図である。
【図3】他の帯板材の接合構造を示す断面図である。
【図4】さらに他の帯板材の接合構造を示す断面図である。
【図5】別の帯板材の接合構造を示す断面図である。
【図6】さらに別の帯板材の接合構造を示す断面図である。
【図7】(a)(b)は他の帯板材の接合構造を示す断面図である。
【図8】さらに他の帯板材の接合構造を示す断面図である。
【図9】別の帯板材の接合構造を示す断面図である。
【図10】(a)(b)(c)は帯板材の接合構造を利用した構造体等の例の側面図又は正面図である。
【符号の説明】
【0050】
a 帯板材
1 帯板部
2 突縁
3 挟持溝
3a 外側溝壁
6 凹溝
8 戻り止め突起
10 嵌合凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯板部の一側の裏側に突縁を直角に形成し、他側の裏側には挟持溝をそれぞれ形成した複数の帯板材を、隣り合う帯板材の一方の挟持溝に他方の突縁を挟持させて接合する金属製帯板材の接合構造であって、
上記突縁の外側面には凹溝を形成するとともに、上記挟持溝の内側溝壁の内面には上記突縁の凹溝に嵌まり合う嵌合凸部を形成し、
隣り合う帯板材のうち一方の帯板材の挟持溝の外側の溝壁を、他方の帯板材の突縁が差し込まれた状態でかしめ、上記帯板部の突縁側の端部には、上記外側の溝壁の戻りを防止する戻り止め突起を形成するとともに、
上記凹溝と嵌合凸部とを斜めに嵌合した
ことを特徴とする金属製帯板材の接合構造。
【請求項2】
上記凹溝と嵌合凸部とを斜めに嵌合することに代え、上記突縁の先端を二股に形成する一方、上記挟持溝の溝底には上記二股部の間に係合する係合突起を形成したことを特徴とする、請求項1に記載の金属製帯板材の接合構造。
【請求項3】
上記凹溝と嵌合凸部とを斜めに嵌合することに代え、上記挟持溝の溝底には上記突縁の内側に係合する案内突起を形成したことを特徴とする、請求項1に記載の金属製帯板材の接合構造。
【請求項4】
上記凹溝と嵌合凸部とを斜めに嵌合することに代え、上記突縁の内側には、上記挟持溝の外側の溝壁の先端が上記戻り止め突起の内側に入り込むように案内する案内凸部を形成したことを特徴とする、請求項1に記載の金属製帯板材の接合構造。
【請求項5】
上記凹溝と嵌合凸部とを斜めに嵌合することに代え、上記突縁の外側面と上記挟持溝の内側溝壁には、それぞれ複数の凹溝と嵌合凸部とを形成したことを特徴とする、請求項1に記載の金属製帯板材の接合構造。
【請求項6】
上記凹溝と嵌合凸部とを斜めに嵌合することに代え、上記挟持溝の内側溝壁と上記突縁の外側面とは、表面の近傍で、表面と平行な面を有する段部で係合したことを特徴とする、請求項1に記載の金属製帯板材の接合構造。
【請求項7】
上記凹溝と嵌合凸部とを斜めに嵌合することに代え、上記挟持溝の外側溝壁の先端が断面T字形に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の金属製帯板材の接合構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−14969(P2007−14969A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−196694(P2005−196694)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【出願人】(000250432)理研軽金属工業株式会社 (89)