説明

金管楽器用消音器

【課題】種々の金管楽器に対応して外部空間に漏れ出る音量を減少させ、安定して消音効果を高めることが可能で、かつコンパクトで高性能な金管楽器用消音器を提供する。
【解決手段】金管楽器のベル101に装着される消音器本体7を有し、この消音器本体7は底部5と胴部3からなり内部空間21を有し、底部5に最大内径部があり、この最大内径部がベル101の端面に位置する金管楽器用消音器において、消音器本体7に、呼気を内部空間に導入する呼気導入開口部80と、内部空間に連通して呼気を外部空間に排出する所定の長さを有する呼気排出通路部81を設け、呼気排出通路部81の通路抵抗により外部への音波の伝播を抑制するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トランペットやトロンボーン等の金管楽器に用いられる消音器に係り、特に音量を少なくする目的で用いられる弱音用の金管楽器用消音器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の弱音用の金管楽器用消音器として、出願人は先に、底部と胴部とからなり、底部に最大内径部がある消音器本体を備え、更にベルの内周面と胴部の外周面との間に排出溝が形成されるものを提案した(特許文献1)。この金管楽器用消音器は、消音器本体の内部に入った演奏者の呼気は排出溝の連通空間を通って外部空間に排出され、外部空間に漏れ出る音量を減少させ、消音効果を高めている。
【特許文献1】特開2001−282233
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、このものは、消音器本体の胴部の外周面に排出溝が形成され、金管楽器のベルに消音器本体を装着したときに、演奏者の呼気が排出溝の連通空間を通って外部空間に排出される構造であり、金管楽器のベルの形状などによって一定の断面積や長さを有する連通空間を形成することができないことがある。
【0004】
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、種々の金管楽器に対応して外部空間に漏れ出る音量を減少させ、安定して消音効果を高めることが可能で、かつコンパクトで高性能な金管楽器用消音器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成されている。
【0006】
請求項1に記載の発明は、金管楽器のベルに装着される消音器本体を有し、この消音器本体は底部と胴部からなり内部空間を有し、前記底部に最大内径部があり、この最大内径部が前記ベルの端面に位置する金管楽器用消音器において、
前記消音器本体に、
呼気を内部空間に導入する呼気導入開口部と、
前記内部空間に連通して呼気を外部空間に排出する所定の長さを有する呼気排出通路部を設け、
前記呼気排出通路部の通路抵抗により外部への音波の伝播を抑制するようにした、
ことを特徴とする金管楽器用消音器である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記呼気排出通路部を、前記消音器本体の内部に設けた、
ことを特徴とする請求項1に記載の金管楽器用消音器である。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記呼気排出通路部を、前記消音器本体の外部に設けた、
ことを特徴とする請求項1に記載の金管楽器用消音器である。
【0009】
請求項4に記載の発明は、
前記消音器本体の底部の外部に電源および電子回路モジュールを備え、
前記消音器本体の内部にマイクロホンを備え、
前記電源および電子回路モジュールと前記マイクロホンを信号線で接続した、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の金管楽器用消音器である。
【発明の効果】
【0010】
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
【0011】
請求項1に記載の発明では、演奏者の呼気が、金管楽器のベルに装着した消音器本体の胴部の呼気導入開口部から内部空間へ入り、この呼気は呼気排出通路部を通って外部空間に排出され、このとき呼気排出通路部を音波が通るが、呼気排出通路部により外部への音波の伝播を抑制する。したがって、種々の金管楽器に対応して外部空間に漏れ出る音量を減少させ、安定して消音効果を高めることが可能で、かつコンパクトで音程バランスを正しく保つことができ、しかも、鳴りむらの無い安定した音を全音域で演奏可能にすることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明では、呼気排出通路部を、消音器本体の内部に設けたから、呼気排出通路部を設けるだけの簡単な消音構造で、外部空間に漏れ出る音量を減少させ、安定して消音効果を高めることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明では、呼気排出通路部を、消音器本体の外部に設けたから、呼気排出通路部を設けるだけの簡単な消音構造で、外部空間に漏れ出る音量を減少させ、安定して消音効果を高めることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明では、従来品に比べて軽量なので、消音器本体の底部の外部に電源および電子回路モジュールを備え、消音器本体の内部にマイクロホンを備え、電源および電子回路モジュールとマイクロホンを信号線で接続することができ、消音器自体に電源や電子回路モジュールを組み込んでも、実用上十分な小型消音器でありながら、オールインワンの使い易さも得られ、演奏時の演奏空間を自由に且つ快適に設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の金管楽器用消音器の実施の形態について説明するが、この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
[実施の形態1]
以下、この発明の実施の形態に係る金管楽器用消音器を図1及び図2に従って詳細に説明する。図1はこの発明の金管楽器用消音器が装着されるトランペットの概略斜視図、図2はトランペットに装着した状態の消音器の断面図である。
【0016】
符号1はトランペット用消音器を示し、この消音器1はトランペット100のベル101に着脱自在に装着される。トランペット100には、マウスピース102が取り付けられ、このマウスピース102はトランペット100の先端のベル101から出る音を発生する入口であり、音程や音色等に影響する。消音器1は、胴部3と底部5とからなる消音器本体7を備えている。
【0017】
胴部3は、アルミニウムで成形されているが、合成樹脂で成形されてもよい。この胴部3は、図2に示すように、直線部3aと傾斜部3bとに分かれている。直線部3aは消音器本体7の軸線方向(B−C方向)と平行になっており、胴部3の上端部としての大径側端部3cを含む直線部3a側が消音器本体7の最大外径部及び最大内径部7aをなしている。傾斜部3bは直線部3aと連続し、直線部3aの一端部からベル101の内周面の形状に沿うように比較的滑らかに傾斜して絞られており、先細りしているので小径側端部3e側が消音器本体7の最小外径部及び最小内径部7bをなしている。この小径側端部3e側で内側に折り返し、折り返し部3fからさらに内側に延びる軸線が消音器本体11の軸線方向(B−C方向)と一致するよう延びた調整筒3gが形成され、呼気を内部空間21に導入する呼気導入開口部80としている。調整筒3gは先細りであり、調整筒3gの先端部の内径D1より折り返し部3fの内径D2が大きく設定され、折り返し部3fの基部から調整筒3gの先端部までの長さL1を所定長さに設定している。
【0018】
このように、消音器本体7の内部空間21は軸線方向(B−C方向)に沿ってB方向に進むほど拡径化し、折り返し部3fからさらに内側に延びる調整筒3gを形成することで、消音器1をベル101に装着しても鳴りムラが無く、しかも音程の良い音が得られ、その結果として安定した吹奏感も得られる。
【0019】
調整筒3gの寸法は対応する楽器の種類によって異なった設定が必要となるが、本実施例で装着されるトランペット100は変ロ調のトランペットなので、調整筒3gの内径はφ15mm、外径はφ17mm、長さは15mm程度である。調整筒3gが備えられたことにより、トランペット100のピッチを若干下げることができ、特に低音域の音程バランスを改善できる。
【0020】
ベル101に消音器1を装着した場合には、傾斜部11の外周面は嵌合部3hに柔軟取付部材90を介してベル101の内周面と嵌合する。柔軟取付部材90としては、変形して柔軟性を有するものであればよく、ゴム製部材、樹脂性部材、あるいは布製部材などであり、柔軟取付部材90は嵌合部3hに接着剤により貼り付けられており、この材料の特性により良好にベル101の内周面に密着して嵌合し固定され、呼気が漏れないようになっている。
【0021】
底部5は、アルミニウムで成形されているが、合成樹脂で成形されてもよく、椀状に成形されている。底部5は開口端5aを胴部3の大径側端部3c側のフランジ3iに嵌合し、底部5には軸線方向(B−C方向)と直交する方向(D−E方向)に最大内径部5eがあり、この最大内径部5eがベル101の端面101aに位置している。底部5と胴部3の直線部3aとの嵌合部は消音器1、特に消音器本体7の内部空間21にある空気がそこから漏れないように密閉されている。これにより、鳴りむらの無い安定した音が全音域で演奏可能となる。
【0022】
底部5の中央部には、内側に凹ましてベース5bが形成され、このベース5bからさらに内側に延びる取付筒部5cが形成されている。この取付筒部5cに、パイプ材20の端部20aを圧入して取り付けて内部空間21に配置されている。パイプ材20は、アルミニウムで成形されているが、合成樹脂で成形されてもよく、直線状に形成され、先端20bは、胴部3の傾斜部3bの位置まで延びている。
【0023】
パイプ材20の内径D10は、マウスピース102の最小内径D20より大きく設定され、このパイプ材20によって呼気排出通路部81が設けられ、調整筒3gと同じ軸線O1上に位置している。この呼気排出通路部81は内部空間21に連通して呼気を外部空間に排出する。このとき呼気排出通路部81を音波が通るが、呼気排出通路部81が音波の通る抵抗になり、外部空間に漏れ出る音量を減少させ、安定して消音効果を高めることが可能である。この呼気排出通路部81の長さL2は、呼気排出通路部81が音波の通る抵抗になる長さであればよく、特に限定されない。
【0024】
呼気排出通路部81の断面積は、トランペット100のマウスピース102の内径D20の最小径部(スロート)の断面積以上であり、これにより吹奏感に悪影響を与える呼気の直流の流路抵抗の付加的増加を防ぐことが可能となる。トランペット100のスロート内径はφ3.7mm程度であるから、パイプ材20の内径D10はこれと同等或いはそれ以上に設定してある。
【0025】
このように、ベル101に消音器本体7の胴部3を装着するだけで、演奏者の呼気が、呼気導入開口部80から内部空間21へ入り、この呼気は呼気排出通路部81を通って外部空間に排出されて音響モードを閉じモードにすることができる。すなわち、呼気排出通路部81の通路抵抗により外部への音波の伝播を抑制することで、種々の金管楽器に対応して外部空間に漏れ出る音量を減少させ、安定して消音効果を高めることが可能である。
【0026】
しかも、消音器1をベル101に装着したときに、ベル101の端面101aに底部5の最大内径部5eが位置し、従来品の消音器と消音器1の寸法を比較すると、消音器1を差し込んで装着したときにはベル101の端面101aから前方に飛び出す距離が小さくなり、従来品の消音器に比べ、コンパクトで音程バランスを正しく保つことができ、しかも、鳴りむらの無い安定した音を全音域で演奏可能にすることができる。
【0027】
また、呼気排出通路部81を、パイプ材20を内部空間21に配置し、パイプ材20の端部20aを消音器本体7の底部5に取り付けて構成し、呼気排出通路部81を、消音器本体7の内部に設けている。内部空間21に連通して呼気を外部空間に排出する所定の長さを有する呼気排出通路部81を設け、呼気排出通路部81の通路抵抗により外部への音波の伝播を抑制するから、外部空間に漏れ出る音量を減少させ、安定して消音効果を高めることができ、かつパイプ材20を取り付けるだけの簡単な消音構造である。
[実施の形態2]
以下、この発明の実施の形態2に係る消音器1を図3に従って説明する。なお、実施の形態1に係る消音器1と同様な構成の箇所は同じ符号を付してその説明を省略する。この実施の形態においては、パイプ材20を内部空間21に配置し、このパイプ材20の端部20aを消音器本体7の底部5の側部5に貫通させて取り付けている。このパイプ材20の端部20aは、底部5の底面5gの線O3上から出ないようにしてコンパクトな構成になっている。
【0028】
このパイプ材20によって呼気排出通路部81が設けられ、この軸線O2が調整筒3gと同じ軸線O1上に位置していないで交差しており、調整筒3gから内部空間21に入り、内部空間21でより拡張した呼気が呼気排出通路部81から外部空間に排出される。
[実施の形態3]
以下、この発明の実施の形態3に係る消音器1を図4に従って説明する。なお、実施の形態1に係る消音器1と同様な構成の箇所は同じ符号を付してその説明を省略する。この実施の形態においては、パイプ材20の中央より先端寄りで90度屈曲させたものを用い、このパイプ材20を内部空間21に配置し、端部20aを消音器本体7の
胴部3の直線部3aに貫通させて取り付けている。このパイプ材20の端部20aは、胴部5の直線部3aの側面からわずかに出ないようにしてコンパクトな構成になっている。
【0029】
このパイプ材20によって呼気排出通路部81が設けられ、この軸線O4が90度屈曲し、調整筒3gと同じ軸線O1上には位置しないで、軸線O4の先端側は平行にずれた位置にあり、呼気が調整筒3gから内部空間21に入り、内部空間21でより拡張した呼気が呼気排出通路部81から外部空間に排出される。
【0030】
また、呼気排出通路部81を、パイプ材20を内部空間21に配置し、パイプ材20の端部20aを消音器本体7の胴部3に取り付けて構成したから、電源や電子回路モジュールを底部5に備える場合には、胴部3から外部空間21に漏れ出る音量を減少させ、安定して消音効果を高めることができ、かつパイプ材20を取り付けるだけの簡単な消音構造である。
[実施の形態4]
以下、この発明の実施の形態4に係る消音器1を図5乃至図7に従って説明する。図5は消音器の断面図、図6は図5のVI−VI線に沿う断面図、図7は図5の右側面図である。なお、実施の形態1に係る消音器1と同様な構成の箇所は同じ符号を付してその説明を省略する。この実施の形態においては、消音器本体7の底部5の外面に呼気排出通路部81が底部5の直径方向に一体に成形している。呼気排出通路部81の軸線O5は、調整筒3gの軸線O1上に位置していないで交差しており、先端部81aが外部空間に開口し、他端部81bが内部空間21に連通している。この実施の形態においては、呼気排出通路部81を、消音器本体7の外部に設けた構成であり、消音器本体7の底部5と一体に成形しているが、胴部3と一体に成形してもよく、簡単な消音構造である。
[実施の形態5]
以下、この発明の実施の形態5に係る消音器1を図8乃至図12に従って説明する。図8はトランペットに装着した状態の消音器の断面図、図9は消音器の断面図、図10は図9の右側面図、図11は図9の左側面図、図12は消音器のカバーをはずした状態の右側面図である。なお、実施の形態1に係る消音器1と同様な構成の箇所は同じ符号を付してその説明を省略する。この実施の形態においては、消音器本体7の底部5に呼気排出通路部81が一体に成形し、呼気排出通路部81を、消音器本体7の内部に設けた構成である。底部5の中央の外面には、2個の電源60を取り付ける電源取付部5hが直径方向に一体に成形しているため、呼気排出通路部81は電源取付部5hを避けた位置に近接して平行に成形されている。
【0031】
呼気排出通路部81の軸線O5は、調整筒3gの軸線O1上に位置していないで直交しており、先端部81aが外部空間に開口し、他端部81bが内部空間21に連通している。電源取付部5hは、受け部5h1と壁部5h2を有し、確実に2個の電源60を保持するようになっている。
【0032】
底部5には、カバー取付壁5iが円形状に形成され、このカバー取付壁5iにカバー6がビス8によって着脱自在に取り付けられ、電源60や電子回路モジュール66の収容室88が画定される。カバー取付壁5iの内側には、電源正側端子61と、電源負側端子62が組み付けられ、さらにイヤホン84を接続する接続部85と、テープレコーダなどと接続する出力部86と、CDプレーヤなどと接続する入力部87が設けられている。
【0033】
カバー6の内側には、電子回路用基板65が設けられており、この電子回路用基板65に嵌まり込んで固定されている。この電子回路用基板65には、電子回路モジュール66が実装され、また電子回路用基板65の突起65aで電源59を押えている。また、電子回路用基板65には、電源ON/OFFスイッチ89、イヤホン音量ボリューム67、テンポダイヤル68、メトロノーム速度設定表示部69a、メトロノーム速度表示部69b、電源表示部69cなどが実装されている。電源ON/OFFスイッチ89の操作により、電源表示部69cのLEDが点灯したり、消灯する。テンポダイヤル68の操作でメトロノーム速度設定表示部69aの設定された速度のLEDが点灯し、メトロノーム速度表示部69bのLEDが設定された速度で点滅し、外部から操作したり、表示を見ることができるようになっている。
【0034】
調整筒3gには、マイクロホン取付筒3jが3箇所に形成したリブ3kを介して一体に形成されている。一方、底部5の内側には、マイクロホン取付筒3jと対向する位置に支持筒部5jが一体に形成され、底部5には支持筒部5jと連通する貫通孔5lが形成されている。マイクロホン取付筒3jには、マイクロホン77と、信号線保護筒78の一端78aが装着され、信号線保護筒78の他端78bは支持筒部5jに装着されている。この信号線保護筒78の内部に信号線79を通し、さらに貫通孔5lを通し、信号線79によってマイクロホン77と電子回路用基板65とを接続し、これによりマイクロホン77と電源60および電子回路モジュール66とを接続している。
【0035】
マイクロホン77とその近傍の信号線79は、マイクロホン取付筒3jと信号線保護筒78により覆われ、消音器1の内部空間21に溜まった水分が電子回路モジュール66やマイクロホン77に侵入することを防いでいる。マイクロホン77の位置は、各倍音の有効な定在波の音圧バランスが良好な場所なので、全音域に渡ってバランスの良い音をピックアップできる。
【0036】
このように消音器1自体に電源60や電子回路モジュール66を設けたことにより、信号線79の各種配線が不要となり、その配線同士の絡み合いも発生しない。しかも、消音器1には、残響付加や入出力のためのジャック等の入力部、出力部も備えることもできるので、響きの良い音でCD伴奏付き演奏を楽しむことや、その録音等も可能となる。
【0037】
以上、この発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更があってもこの発明の範囲に含まれる。当然ながら、この発明の消音器を装着する金管楽器はトランペットに限らない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明は、トランペットやトロンボーン等の金管楽器に用いられる消音器に係り、特に音量を少なくする目的で用いられる弱音用の金管楽器用消音器に適用でき、種々の金管楽器に対応して外部空間に漏れ出る音量を減少させ、安定して消音効果を高めることが可能で、かつコンパクトで高性能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】

【図1】この発明の金管楽器用消音器が装着されるトランペットの概略斜視図である。
【図2】トランペットに装着した状態の実施形態1の消音器の断面図である。
【図3】トランペットに装着した状態の実施形態2の消音器の断面図である。
【図4】トランペットに装着した状態の実施形態3の消音器の断面図である。
【図5】実施形態4の消音器の断面図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】図5の右側面図である。
【図8】トランペットに装着した状態の実施形態4の消音器の断面図である。
【図9】実施形態4の消音器の断面図である。
【図10】図9の右側面図である。
【図11】図9の左側面図である。
【図12】消音器のカバーをはずした状態の右側面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 消音器
3 胴部
3g 調整筒
5 底部
7 消音器本体
20 パイプ材
21 内部空間
60 電源
66 電子回路モジュール
77 マイクロホン
78 信号線保護筒
79 信号線
80 呼気導入開口部
81 呼気排出通路部
90 柔軟取付部材
100 トランペット
101 ベル
102 マウスピース





【特許請求の範囲】
【請求項1】
金管楽器のベルに装着される消音器本体を有し、この消音器本体は底部と胴部からなり内部空間を有し、前記底部に最大内径部があり、この最大内径部が前記ベルの端面に位置する金管楽器用消音器において、
前記消音器本体に、
呼気を内部空間に導入する呼気導入開口部と、
前記内部空間に連通して呼気を外部空間に排出する所定の長さを有する呼気排出通路部を設け、
前記呼気排出通路部の通路抵抗により外部への音波の伝播を抑制するようにした、
ことを特徴とする金管楽器用消音器。
【請求項2】
前記呼気排出通路部を、前記消音器本体の内部に設けた、
ことを特徴とする請求項1に記載の金管楽器用消音器。
【請求項3】
前記呼気排出通路部を、前記消音器本体の外部に設けた、
ことを特徴とする請求項1に記載の金管楽器用消音器。
【請求項4】
前記消音器本体の底部の外部に電源および電子回路モジュールを備え、
前記消音器本体の内部にマイクロホンを備え、
前記電源および電子回路モジュールと前記マイクロホンを信号線で接続した、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の金管楽器用消音器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−96498(P2008−96498A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−275016(P2006−275016)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(300024818)有限会社 ベストブラス (9)