説明

金銭処理装置

【課題】オーナーによる一括締上に際して自由度がある金銭処理装置を提供すること。
【解決手段】入金される金銭を認識し計数する金銭計数手段6と、処理のための情報入力と処理結果を表示する操作表示部13と、操作表示部13から入力されるテナント識別情報と金銭計数手段が計数した集計情報を前記テナント識別情報毎に関連づけて格納する記憶部14と、管理者による指示入力により記憶部14に格納した金銭の一括締上処理を行う制御部15とを有する金銭処理装置1にて、
テナント店には金銭処理装置とデータ通信可能なレジスター端末機3を配し、記憶部14には管理者識別情報も格納しておき、制御部15は管理者識別情報を検出したとき、記憶部14に格納されている金銭の処理情報を検索し、一括締上処理の開始前にテナント店およびレジスター端末機3の締上状況を操作表示部13に表示し、一括締上処理を実行可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗等における売上金を入金処理し、その売上金額等を集計管理する金銭処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、チェーン展開している商店がショッピングセンターにテナントとして出店した場合、そのテナント店は日々の売上を自店の本部とショッピングセンターの管理者に報告する必要がある。この報告は閉店後であれば集計結果をそのまま報告すればよいが、管理者が閉店前に報告を希望する場合がある。このような場合に報告担当者の負担を軽減できるように、販売データを集計記憶する第1、第2の売上ファイルと精算ファイルとを設け、精算業務の指示を受けると、第1又は第2の売上ファイルから精算ファイルにデータ転送することによりレポート出力するものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
複数のテナント店によって共用される入金機を具備し、所定の時刻に自動締めを行う金銭管理システムもある。これは、所定の時刻前に入金機から手動締めキー操作が行われた場合には手動締め処理を行い、そうでないときには自動締め指示に応じた自動締めを行うものである。この金銭管理システムの制御装置は自動締めモードと手動締めモードを有する(特許文献2)。
【0004】
レジ精算が長時間実行されないまま、上位装置側でレジ精算が行われてしまうことを防止するため、上位装置側にレジ精算集計処理実行チェックデータファイルを設け、レジ未精算データが存在する旨のメッセージを表示する。更に、そのメッセージにはレジ精算実行催促であるものがある(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−222755号公報(段落0006)
【特許文献2】特開平11−288482号公報(段落0009)
【特許文献3】特開2002−42249号公報(段落0010)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ショッピングセンター等における売上集計は定刻に行われる自動締上に加え、手動操作により手動締上を行うことができる。しかしながら、センター内のテナント店単位での締上げが行われていないとそのテナント店の売上は次回廻しになる。即ち、売上集計が1日単位であると翌日の売上になってしまう。特に週末等の売上高の多い日分が翌日分となるのはセンターの管理者(オーナー)にとっては好ましくない。
【0007】
また、センターの管理者の中には、センター内にテナント店を営む場合もある。このような管理者は自らのテナント店の締上とセンター全体の締上を行うという二度手間が必要であるので、その操作が煩わしいものとなる。本発明は、そのような不具合に対してなされたもので、可能な限り翌日廻しの売上を減らし、かつ、センター内でテナント店を営む管理者の締上操作を減らすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、入金される金銭を認識し計数する金銭計数手段と、処理のための情報入力と処理結果を表示する操作表示部と、前記操作表示部から入力されるテナント識別情報と前記金銭計数手段が計数した処理情報を前記テナント識別情報毎に関連づけて格納する記憶部と、管理者による指示入力により、前記記憶部に格納した金銭の一括締上処理を行う制御部とを有する金銭処理装置において、テナント店には前記金銭処理装置とデータ通信可能なレジスター端末機を配し、前記記憶部には管理者識別情報も格納しておき、前記制御部は、前記管理者識別情報を検出したとき、前記記憶部に格納されている金銭の処理情報を検索し、前記一括締上処理の開始前
にテナント店および前記レジスター端末機の締上状況を前記操作表示部に表示し、当該一括締上処理を実行可能とする。
【0009】
従って、一括締上処理としての最終集計開始前にテナント店およびレジスター端末機の締上状況を把握してから、一括締上処理を開始できるので、適宜、未締上分の売上を加算するか否かを判断できる。
【発明の効果】
【0010】
本願発明は、オーナーは画面表示を見て、締上状況を把握してから一括締上の処理の開始時期を判断できる。例えば、数分以内に締上操作が行われる可能性や、オーナー自身の時間的余裕から一括締上処理を待つことが出来る。または比較的売上の少ない日時やレジスター端末機であることなどを経験則から判断して、即刻、一括締上処理を実行させることなどが可能となる。よって、オーナーによる一括締上に際して自由度を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例1における金銭処理装置のシステムブロックである。
【図2】本発明における金銭処理装置のブロック図である。
【図3】本発明におけるIDカードの記録内容を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例1における金銭処理装置のフローチャートである。
【図5】本発明における金銭処理装置の画面表示例を示す説明図である。
【図6】本発明の運用例を示す説明図である。
【図7】本発明の実施例2における金銭処理装置のシステムブロックである。
【図8】本発明の実施例2における金銭処理装置のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に従って実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は本発明の金銭処理装置のシステムを示す概念図である。図2は金銭処理装置のブロック図である。図において、1は金銭処理装置としての入出金機であり、通信回線2を介して複数のレジスター端末機(以後、レジ端末とする)3と接続されている。本図ではテナント店4aはレジ端末A1とレジ端末A2を、テナント店4bはレジ端末B1とレジ端末B2を運用管理している。なお、レジ端末の全てを意味する場合はレジ端末3として説明する。10は帳票プリンタであり、売上日報等を印刷出力する場合に利用されるものである。
【0014】
図3に示すIDカードに記録されている記録内容について説明する。51は利用する入出金機1を指定する入出金機番号であり、テナント店毎に予め決めてある。よって、入出金機1が複数台設置されているショッピングセンターであれば、異なる番号が付与される。52は操作者ID(Identification)データであり、各テナント店の責任者(店長)毎に付与される。53はテナント店を識別するための店舗番号であり、54は当該テナント店内に設けられたレジ端末3のレジ番号である。55は操作者毎に取扱操作を制限するための取扱種目データである。なお、図3(a)には店舗番号53とレジ番号54は記録されていない。また、図3(b)には店舗番号53とレジ番号54は記録されている。前者はオーナー用に配布されるものであり、後者はテナント店の責任者に配布されるものである。また、IDカード5は磁気記録方式で良いが、非接触式ICカードなどでも良いことは言うまでもない。
【0015】
次に入出金機1の説明を行う。11は紙幣処理機(以後、紙幣部とする)であって、入金される紙幣の処理を行う部位である。12は硬貨処理機(以後、硬貨部とする)であって、入金される硬貨の処理を行う部位である。13は操作表示部であって、入出金操作時の案内を文字や記号、更にはイラストや動画像により表示すると共に、表示面上に赤外線等をマトリックス状に走査させたタッチパネル式の入力部で構成される。両者を含めて操作表示部13と称す。この操作表示部13にはカード読取部131も接続されており管理者のID情報が記憶された前述のIDカード5からIDカード情報を読出すことができる。
【0016】
14は記憶部であって、処理プログラムが記憶されたRAMやハードディスクなどで構成される。この記憶部14内には紙幣部11や硬貨部12が計数した金銭情報などが格納されることになる。15は制御部であり、以上の各部を制御するものである。その他に各部に電力を供給する電源部を始め、帳票プリンタ10の接続口なども存在するが説明は省略する。
【0017】
紙幣部11の詳細を説明する。111は売上金(紙幣)を入金する接客口であって、レジ端末3の責任者(店長)が持参した紙幣を受け入れる。112は接客口111に入金された紙幣を1枚ずつ分離し、搬送路(図示しない)に送り出す機能を有する。113は搬送される紙幣の真偽、金種等を認識する認識部である。この認識部113には、予め抽出した紙幣毎の特徴(外形サイズや光学的特性及び磁気的特性)を確認する。114は認識部113が真券であると判定した紙幣を金種別に保留する一時保留部である。なお、認識部113が偽券と判定した場合や、分離部112が2枚重ねで繰出したと認識したときには、接客口111に戻される。なお、この返却される紙幣は接客口111において分離待ち紙幣とは仕切られて集積される。
【0018】
115は仕分部であって、一時保留部114に存在する紙幣を売上金として処理するために売上金収納部116に導く場合、または、釣銭準備金として釣銭準備金収納部117に導く場合の紙幣搬送方向を仕分ける部位である。なお、売上金収納部116または釣銭準備金収納部117に収納するかは制御部15の指示により制御される。また、売上金収納部116または釣銭準備金収納部117には金種別(例えば、万円札、五千円札、二千円札、千円札)に積層収納される。
【0019】
硬貨部12についても、紙幣部11と同様な部位が設けられており、紙幣と同様に処理される。なお、本願請求項に記載の金銭計数手段とは、少なくとも分離部112,認識部113及び制御部15により構成,制御されるものである。また、紙幣と硬貨を合わせて金銭と称し、金銭計数手段6はこの金銭を処理するが、以後の説明は紙幣について行う。
【0020】
図4に示す本発明の実施例1における金銭処理装置のフローチャートにより説明する。なお、「店舗締上処理」とはテナント店全体で扱うある期間内の売上金を確定させる処理である。「レジ締上処理」とは各テナント店に設置されているレジ端末毎のある期間内の売上金を確定させる処理である。例えば、テナント店の開店から閉店までの間の売上金額、または24時間営業を行っているテナント店における定時刻毎の売上金集計処理として、「店舗締上処理」と「レジ締上処理」が行われる。また、「一括締上処理」とは、主にショッピングセンターのオーナー権限により、店舗及びレジの締上を行うものである。通常の締上は、レジ締上後に店舗締上が行われ、その後でオーナーによる一括締上げの順に行われる。
【0021】
S1. 操作者(責任者かオーナーであるか不明なので、操作者とする)は操作表示部13に表示されている取扱種目から希望する処理メニューを選択する。即ち、図5(a)に示すように操作表示部13に表示されているいずれかの操作キー133の部位を指触する。制御部15は、操作キー133の指触を検出すると、当該操作キー133に対応する取扱種目を受け付けたことを報知する意味で、当該操作キー133の表示色を変化させる。
S2. 制御部15は、予め配布されているIDカード5をカード読取部131に通すように誘導する。そして、カード読取部131からのIDカード記録情報の受信待ちとなる。
【0022】
S3. 操作者によりカード読取部131にIDカード5がパスされる。制御部15は読み取った取扱種目データ55に基づいて、指定された処理が許容されているか否かを判定する。ここで、IDカード5が希望する処理に対して許可されていないIDカード情報の場合には、処理を拒絶する表示を行いステップS1に戻す。
S4.読み取ったID情報が操作者の中でも特に「オーナー」に付与されている場合には、オーナーによる操作と判断する。ここで、セキュリテイ面へ配慮からパスワードの入力を要求することもできるが、本願に関係しないため省略する。以後、操作者は「一括締上を希望しているオーナー」として説明する。
S5.制御部15は「一括締上処理」が可能な操作キーを表示(図示しない)させ、良否確認を求める。「一括締上処理」が選択された場合には、記憶部14に格納してあるレジ締上状況の検索を開始する。また、「一括締上処理」以外の操作キーが選択された場合には該当する他処理(ステップS10)を実行することになる。
【0023】
S6.制御部15は検索したレジ締上情報を一覧に編集して操作表示部13に図5(b)に示すように表示する。図ではテナント店4a(Aと図示)のレジ端末A2以外は既に締上が終了しており、レジ端末A2のみが未締上状態であるがレジ閉鎖済み状態であることを示す。図ではレジ状況表示枠134にはレジ閉鎖済みを意味する「閉完」を表示している。
S7. オーナーは表示内容を目視確認し、レジ締上未完了のレジまたはテナント店(レジ端末A2)が存在しても、一括締上処理を行うか否かの判断を行う。実行するか否かの判断は、オーナー自身の判断となる。
S8. 一括締上処理を行うために、「一括締上」キー133aが選択されると、レジ締上情報に加え売上金等の総合計などを算出して、所定のフォーマットに従って表示する。また、制御部15は「前画面へ」キー133bが選択されると一画面前の表示に戻す。
【0024】
S9. ステップS8の集計結果に対して印刷出力を希望するオーナーは、印刷指示を入力する。制御部15は集計結果に時刻情報を付加して印刷電文を帳票プリンタ10に送信する。これらの情報は記憶部14に格納される。また、印刷指示を行うことなく、終了操作が行われても時刻情報とともに記憶部14に格納される。
S10. ステップS4またはステップS5において、操作者がオーナーではない時および一括締処理ではない時にはそれぞれに許容されている処理を実行するが、例えば、図5(a)に示す現金計数や釣銭出金などの処理となる。
【0025】
図6を用いて、一括締上げについて説明を行う。レジ端末A1及びレジ端末A2の責任者(例えば、店長)は所定時刻になると、レジ端末3内の金銭を取り出して、入出金機1の設置場所に運び、入出金機1により売上金の集計を行う。この後に図示する「締上1」が行われれば問題はない。しかしながら、「締上2」として図示する時刻にオーナーが締上指示を行うと、レジ端末A2についてはレジ締上げが終了していないので、レジ端末A1の売上Bのみが集計され、レジ端末A2の売上
bについては次回の締上時の売上に加算されることになる。
【0026】
上記の例では、処理メニューの表示から取扱項目を選択してから、IDカードのデータ読取を行うように記載したが、先にIDカードのデータ読取を行ってから、そのIDカード毎に設定されている取扱種目のみをキー表示することでも良い。
【0027】
以上説明したように、オーナーは図5(b)に示した画面表示を見て、一括締上の処理の開始時期を判断できる。例えば、レジ端末A2の状況をレジ状況表示枠134の表示から、レジは閉めてあるが入出金機1での締上げが未完了であることを把握し、数分以内に締上操作が行われる可能性や、オーナー自身の時間的余裕から一括締上げ処理を待つことが出来る。または比較的売上の少ない日時やレジ端末であることなどを経験則から判断して、即刻、一括締上処理を実行させることができる。
【実施例2】
【0028】
実施例1における「オーナー」はショッピングセンターを維持管理する「オーナー」であって、レジ端末又はテナント店の締上げを行うことはできないものであった。本実施例2では、オーナー自信も自らテナント店を運用している場合の一括締上を想定したものである。図7に示すように、オーナーはテナント店4c(レジ端末A1とレジ端末A2)の運営、更に入出金機1を管理するものとして説明する。
【0029】
図8に示す実施例2における金銭処理装置のフローチャートおよび図5に示した操作表示部の表示画面例により説明を行う。
S21. 操作者は、操作表示部13に表示されている取扱種目から希望するメニューを選択する。即ち、図5(a)に示したように操作表示部13に表示されている操作キー133の部位を指触する。制御部15は、いずれかの操作キー133の指触を検出すると、当該操作キー133に対応する取扱種目を受け付けたことを報知する意味で、当該操作キーの表示色を変化させる。
S22. 制御部15は、操作者毎に予め配布されているIDカード5をカード読取部131に通すように誘導する。そして、カード読取部131からのIDカード記録情報を受信待ちとなる。なお、IDカード5により操作者を識別するが、操作者毎に事前に設定したパスワード等の入力により操作者を識別するものでも良いし、近時多用されている指紋や虹彩等のバイオメトリクス(生体)認証でもよい。
【0030】
S23. 操作者によりカード読取部131でIDカード5がパスされる。制御部15は読み取った取扱種目データ55に基づいて、指定された処理が許容されているか否かを判定する。ここで、IDカード5が希望する処理に対して許可されていないIDカードの場合には、処理を拒絶する表示を行いステップS21に戻す。
S24.読み取ったID情報が操作者の中でも特に「オーナー」に付与されている場合には、オーナーによる操作と判断する。以後、操作者は「自店舗の締上操作が可能で、一括締上を希望するオーナー」として説明する。
S25.制御部15は図5(c)に示したように一括締上処理などが可能な操作キー133c〜133fを表示して、処理選択を求める。
【0031】
S26. ここで、「テナント一括締上」キー133cが選択された場合には、記憶部14に格納してあるレジ締上状況の検索を開始する。これは、実施例1にて説明したとおりである。また、「テナント締上」キー133dが選択された場合には、入金される金銭の集計結果をテナント店単位で記憶,保存する。また「レジ締上」キー133eが選択されたときには、入金される金銭の集計結果をレジ端末単位で記憶,保存する。「レジ+テナント締上」キー133fが選択され、入出金機1に金銭が入金されると集計結果をまずレジ端末単位で記憶,保存し、金銭が所定時間たっても入金されない場合には、テナント店単位での締上処理を行う。
【0032】
S27.制御部15は検索したレジ締上情報を一覧に編集して操作表示部13に表示する。この時の画面表示は概ね図5(b)のようになるが、オーナー自らが締上責任者(兼店長)の場合であるので、例えば、レジ端末A2の締上げ状況について把握している。
S28. オーナーは表示内容を目視確認し、レジ締上未完了のレジまたはテナント店が存在しても、一括締上処理を行うか否かの判断を行う。実行するか否かの判断は、オーナー自身の判断となる。
S29. 一括締上処理を行うために、「テナント一括締上」キー133fが選択される。制御部15はレジ締上情報に加えテナント全体の売上金等の総合計などを算出して、所定のフォーマットに従って表示する。
【0033】
S30. この集計結果の印刷出力を希望する場合には、帳票プリンタ10に印刷指示を操作表示部13から入力する。制御部15は集計結果に時刻情報を付加して印刷電文を帳票プリンタ10に送信する。これらの情報は記憶部14に格納される。また、印刷指示は行うことなく、終了操作が行われても時刻情報とともに記憶部14に格納される。
S31.ステップS24において操作者がオーナーでない時には、図5(c)に示した画面表示は行われない。またはステップS26にて、一括締上ではないときには、テナント店またはレジ端末の締上処理を行うことになる。
【0034】
次に、オーナー操作中の図5(c)に示す画面表示の時点で、テナント店4bの責任者が締上処理のために入出金機1の場所に現れる場合がある。ここで、オーナーがそのテナント店4bの締上結果も一括締上による最終売上に含めたいと判断したとき、テナント店4bの締上処理を許容して、「割込」キー133gを指触する。
S32.「割込」キー133gの指触を検出した制御部15はオーナーによる処理を中断し、それまでの操作入力情報を記憶部14に格納する。格納が終了したら図5(a)に示す画面表示を行う。この画面表示に従ってテナント店4bの締上が行われる。締上が完了する、制御部15は記憶部14に格納したオーナーによる処理情報を読み出して、図5(c)に記載した画面表示を再度表示する。ここでオーナーが一括締上操作を行えば、テナント店4bの締上結果も加えた売上結果が集計される。
【0035】
以上の実施例2では、オーナー権限を有するIDカードにより、テナント店またはレジ端末毎の締上からショッピングセンター全体の締上(売上集計)が一度の操作で完了できるので、オーナーによる操作の回数を減らすことができ、オーナーにとって利便性が良い。また、割込処理も可能であるので許容される時間限界までの売上集計結果を知ることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 金銭処理装置(入出金機)
3 レジスター端末機(レジ端末)
5 IDカード
10 帳票プリンタ
11 紙幣処理部(紙幣部)
12 硬貨処理部(硬貨部)
13 操作表示部
14 記憶部
15 制御部
51 入出金機番号
52 操作者ID
53 店舗番号
54 レジ番号
131 カード読取部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入金される金銭を認識し、計数する金銭計数手段と、
処理のための情報入力と処理結果を表示する操作表示部と、
前記操作表示部から入力されるテナント店の識別情報と前記金銭計数手段が計数した処理情報を前記テナント店の識別情報毎に関連づけて格納する記憶部と、
管理者による指示入力により、前記記憶部に格納した金銭の一括締上処理を行う制御部とを有する金銭処理装置において、
前記テナント店に配したレジスター端末機とデータ通信可能にし、
前記記憶部には管理者識別情報も格納しておき、
前記制御部は、
前記管理者識別情報を検出したとき、前記記憶部に格納されている金銭の処理情報を検索し、
前記一括締上処理の開始前にテナント店の前記各レジスター端末機毎の精算の時刻、売上の情報、及び精算済みか否かの情報を締上状況として前記操作表示部に表示し、当該一括締上処理を実行可能としたことを特徴とする金銭処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−154738(P2011−154738A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114080(P2011−114080)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【分割の表示】特願2004−334913(P2004−334913)の分割
【原出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】