説明

針位置検出装置

【課題】 演算処理が容易で、指針位置を特定するまでの時間および時刻を修正する時間を短縮でき、秒針車の回転位置を正確に且つ確実に特定することができる針位置検出装置を提供する。
【解決手段】 秒針車20、分針車25、時針車27にそれぞれ設けられた第1〜第3の各光透過孔部21、28、29を検出部13で検出して、秒針車20、分針車25、時針車27の各回転位置を検出するために、秒針車20の第1光透過孔部21が、第1長孔21aと第2長孔21bとの間に異なる長さで形成された第1、第2の各遮光部21c、21dを備えている。従って、第1遮光部21cに対する検出部13の未検出状態をカウントするだけで、秒針車の回転位置を容易に特定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、秒針、分針、時針などの指針の運針位置を検出するための針位置検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、指針時計の針位置検出装置においては、特許文献1に記載されているように、基準位置に設けられた基準孔、この基準孔の両側に異なる長さで設けられた第1、第2の各遮光部、これら第1、第2の各遮光部を隔てて設けられた第2、第3の各長孔からなる第1光透過孔部を備えている秒針車と、この秒針車に同一軸上で配置され、且つ第2光透過孔部を備えている分針車と、秒針車および分針車に同一軸上で配置され、且つ第3光透過孔部を備えている時針車と、第1〜第3の各光透過孔部を光が透過したか否かを検出して秒針車、分針車、時針車の各回転位置を判断する光透過孔部検出手段と、を備え、秒針、分針、時針などの指針の運針位置を検出するように構成されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−85687号公報
【0004】
このような指針時計の針位置検出装置では、秒針車が1秒ごとに一定角度で回転して秒針を運針させる通常運針時において、光透過孔部検出手段による光検出がない未検出状態の連続回数が、第1の遮光部を検出して予め定められた第1の回数になった後に、次に秒針車における第2長孔を光透過孔部検出手段が検出したときに、秒針の針位置が正しいと判断すると共に、秒針を基準位置まで運針させるときに、秒針車を予め定められている回転速度で回転させ、光透過孔部検出手段による光検出がない未検出状態の連続回数が第1の回数とは異なる第2の回数、つまり第2の遮光部を検出した後に、基準孔を検出した検出状態になった位置を秒針車の基準位置としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の針位置検出装置では、秒針車を予め定められている回転速度で回転させ、光透過孔部検出手段による光検出がない未検出状態の連続回数が予め定められた回数であるか否かによって、秒針車が基準位置であるか否かを判断する際に、光透過孔部検出手段による光検出がない未検出状態の連続回数が多いと、指針の位置を特定するのに時間かかかり、時刻を修正する時間が長くなるほか、遮光部の数が増えると、電子回路による演算処理が複雑になるという問題がある。
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、演算処理が容易で、指針位置を特定するまでの時間および時刻を修正する時間を短縮でき、秒針車の回転位置を正確に且つ確実に特定することができる針位置検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記課題を解決するために、次のような構成要素を備えている。
請求項1に記載の発明は、異なる長さの第1、第2の各遮光部、およびこれら第1、第2の各遮光部を隔てて設けられた第1、第2の各長孔からなる第1光透過孔部を備えている秒針車と、この秒針車に同一軸上で配置され、且つ第2光透過孔部を備えている分針車と、前記秒針車および前記分針車に同一軸上で配置され、且つ第3光透過孔部を備えている時針車と、前記第1〜第3の各光透過孔部を光が透過したか否かを検出して前記秒針車、前記分針車、前記時針車の各回転位置を判断する光透過孔部検出手段と、前記秒針車を予め定められている回転速度で回転させ、前記光透過孔部検出手段による光検出がない未検出状態の連続回数が予め定められた回数になった後に、次に前記秒針車における前記第1長孔を前記光透過孔部検出手段が最初に検出した位置を、前記秒針車の基準となる特定位置とする秒針基準位置検出手段と、前記秒針車が1秒ごとに一定角度で回転して秒針を運針させる通常運針制御手段と、この通常運針制御手段の制御により前記秒針を運針させているときにおいて、前記光透過孔部検出手段による光検出がない未検出状態の連続回数が前記予め定められた回数になった後に、次に前記秒針車における前記第1長孔を前記光透過孔部検出手段が検出したときに、前記秒針の針位置が正しいと判断する針位置確認手段と、を備えていることを特徴とする針位置検出装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記秒針車が、前記第1、2の各長孔の間に位置する前記第1、第2の各遮光部のうち、前記光透過孔部検出手段による光検出がない未検出状態が前記予め定められた回数連続する前記第1遮光部に基準孔を設け、この基準孔の両側を異なる長さに形成したことを特徴とする請求項1に記載の針位置検出装置である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記光透過孔部検出手段による光検出がない前記未検出状態の連続回数が、前記予め定められた回数を越えたときに、前記分針車の前記第2光透過孔部と前記時針車の前記第3光透過孔部とが前記光透過孔部検出手段における検出位置からずれていると判断するずれ判断手段を更に備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載に針位置検出装置である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記秒針車の前記第1光透過孔部における前記基準孔を含む前記第1、第2の各長孔のいずれもが前記光透過孔部検出手段における検出位置に対応していない状態で、前記秒針車を180度回転させて、前記第1光透過孔部における前記基準孔を含む前記第1、第2の各長孔のいずれかを前記検出位置に対応させる孔位置対応手段を更に備えていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の針位置検出装置である。
【0011】
請求項5に記載の発明は、第1光透過孔部を備えている秒針車と、この秒針車に同一軸上で配置され、且つ基準位置に設けられた1つの光検出孔からなる第2光透過孔部を備えている分針車と、前記秒針車および前記分針車に同一軸上で配置され、且つ基準位置から円周に沿って30度の角度間隔で11個の光検出孔が設けられた第3光透過孔部を備えている時針車と、前記分針車における前記第2光透過孔部の1つの光検出孔が前記基準位置において対応する1つの光検出孔からなる第4光透過孔部を備えている中間車と、前記第1〜第3の各光透過孔部を光が透過したか否かを検出して前記秒針車、前記分針車、前記時針車の各回転位置を判断する光透過孔部検出手段と、前記分針車が1回転して前記第2光透過孔部の1つの光検出孔と前記中間車の前記第4光透過孔部の1つの光検出孔とが対応して前記光透過孔部検出手段による光検出があった位置を、前記分針車の基準位置とする分針基準位置検出手段と、を備えていることを特徴とする針位置検出装置である。
【0012】
請求項6に記載の発明は、前記分針車が1回転して前記時針車が30度回転するごとに、前記分針車の前記第2光透過孔部の光検出孔が前記時針車の前記第3光透過孔部における前記11個の各光検出孔に順次対応して、前記光透過孔部検出手段による光検出があった位置を、前記時針車の正時位置とする正時位置判断手段を更に備えていることを特徴とする請求項5に記載の針位置検出装置である。
【0013】
請求項7に記載の発明は、前記時針車の前記第3光透過孔部における前記基準位置の光検出孔と前記11個目の光検出孔との間に設けられた遮光部が前記光透過孔部検出手段における検出位置に対応して前記光透過孔部検出手段による光検出がない未検出状態の後に、次に前記時針車の前記第3光透過孔部における基準位置の光検出孔を前記光透過孔部検出手段が光検出した位置を、前記時針車の基準位置とする時針基準位置検出手段を更に備えていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の針位置検出装置である。
【0014】
請求項8に記載の発明は、前記時針車の前記遮光部が前記光透過孔部検出手段における検出位置に対応して前記光透過孔部検出手段による光検出がない位置を、11時位置と判断する11時位置判断手段を更に備えていることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載の針位置検出装置である。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、秒針車が予め定められている回転速度で回転する際に、秒針基準位置検出手段によって、光透過孔部検出手段による光検出がない未検出状態の連続回数が予め設定された回数であった後に、次に秒針車の第1長孔を光透過孔部検出手段が最初に検出した位置を、秒針車の基準となる特定位置として判断することができる。これにより、演算処理が容易で、指針位置を特定するまでの時間および時刻を修正する時間を短縮することができると共に、秒針車の回転位置を正確に且つ確実に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明を適用した指針式の腕時計の一実施形態における時計モジュールを示した平面図である。
【図2】図1の時計モジュールにおける要部を示した拡大断面図である。
【図3】図2の時計ムーブメントの要部を裏蓋側から見た拡大裏面図である。
【図4】図2の要部を示した拡大断面図である。
【図5】図3の秒針車、分針車、時針車を文字板側から見て分解した拡大平面図である。
【図6】図2の第1駆動系と第2駆動系とにおける各歯車の歯数、1パルスの各回転角、1回転の各パルス数、光検出孔の有無を表で示した図である。
【図7】図5の秒針車を示した拡大平面図である。
【図8】図7の秒針車に対する検出部による検出パターンを示した図である。
【図9】図5の時針車を示した拡大平面図である。
【図10】図7の秒針車の基本的な位置検出動作を示し、(a)〜(m)は秒針車を基準位置(00秒位置)から2ステップ(12°)ずつ回転させたときの各状態を示した図である。
【図11】図5の分針車、時針車、中間車の基本的な位置検出動作を示し、(a)〜(m)は分針車を1ステップ(12°)ずつ回転させたときの分針車、時針車、中間車の各状態を示した図、(n)は(m)の状態から分針車を360ステップ(1時間分)回転させたときの分針車、時針車、中間車の各状態の図、(o)は(n)の状態から分針車を9時間分回転させたときの分針車、時針車、中間車の各状態の図、(p)は(o)の状態から分針車を1時間分回転させた「11時00分位置」における分針車、時針車、中間車の各状態を示した図である。
【図12】図5において秒針車のみの位置検出動作を示し、(a)〜(f)は基準位置からずれている秒針車を基準位置に移動させる際の各状態を示した図である。
【図13】図5において分針車と時針車との位置検出動作を示し、(a)〜(f)は基準位置からずれている分針車と時針車を基準位置に移動させる際の各状態を示した図である。
【図14】図5において秒針車、分針車、時針車が基準位置からずれている場合における基本的な位置検出動作を示し、(a)〜(f)は基準位置からずれている秒針車、分針車、時針車を基準位置に移動させる際の各状態を示した図である。
【図15】通常運針時における正時ごとに秒針、分針、時針の各針位置が合っているかを確認する針位置確認動作を示し、(a)〜(e)は秒針車、分針車、時針車の2秒ごとにおける各動作状態を示した図である。
【図16】この実施形態の腕時計の回路構成を示したブロック図である。
【図17】秒針を基準位置に移動させる基本的な秒針位置検出処理の動作フローを示した図である。
【図18】分針、時針を基準位置に移動させる基本的な時分針位置検出処理の動作フローを示した図である。
【図19】秒針、分針、時針を基準位置に移動させる基本的な3針位置検出処理のうち、秒針位置検出処理の動作フローを示した図である。
【図20】秒針、分針、時針を基準位置に移動させる基本的な3針位置検出処理のうち、分針位置検出処理の動作フローを示した図である。
【図21】秒針、分針、時針を基準位置に移動させる基本的な3針位置検出処理のうち、時針位置検出処理の動作フローを示した図である。
【図22】通常運針時における正時ごとに秒針、分針、時針の位置を確認する針位置確認処理の動作フローを示した図である。
【図23】図5の分針車が1ステップ(1°)ずつ回転した際に分針車の第2光透過孔部が検出部の検出位置に対する移動量を示した拡大平面図である。
【図24】この実施形態の秒針車の第1変形例を示した拡大平面図である。
【図25】この実施形態の秒針車の第2変形例を示した拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1〜図23を参照して、この発明を指針式の腕時計に適用した一実施形態について説明する。
この指針式の腕時計は、図1および図2に示す時計モジュール1を備えている。この時計モジュール1は、秒針2、分針3、時針4が文字板5の上方を運針して時刻を指示するものであり、腕時計ケースTK内に配置されるように構成されている。この場合、腕時計ケースTKの上部には、図示しないが、時計ガラスが取り付けられており、この腕時計ケースTKの下部には、裏蓋が取り付けられている。
【0018】
時計モジュール1は、図2に示すように、上部ハウジング6と下部ハウジング7とを備え、これらの間に時計ムーブメント8が設けられた構成になっている。この場合、下側に位置する上部ハウジング6の上面には、ソーラーパネル9を介して文字板5が設けられている。また、上側に位置する下部ハウジング7の内面(図2では下面)には、回路基板10が設けられている。
【0019】
時計ムーブメント8は、図2〜図4に示すように、秒針2を運針させる第1駆動系11と、分針3および時針4を運針させる第2駆動系12と、秒針2、分針3、時針4の運針位置を検出すための検出部13とを備え、第1、第2駆動系11、12が地板14、輪列受15、中受16に取り付けられた状態で、上部ハウジング6と下部ハウジング7との間に配置されている。
【0020】
第1駆動系11は、図2〜図4に示すように、第1ステッピングモータ17と、この第1ステッピングモータ17によって回転される五番車18と、この五番車18によって回転される四番車である秒針車20とを備え、この秒針車20の秒針軸20aに秒針2が取り付けられた構成になっている(図4参照)。この場合、第1ステッピングモータ17は、図2に示すように、コイルブロック17aと、ステ―タ17bと、ロータ17cとを備え、コイルブロック17aに磁界を発生させて、ロータ17cを180度ずつステップ回転させるように構成されている。
【0021】
五番車18は、図2および図3に示すように、第1ステッピングモータ17におけるロータ17cのロータカナ17dに噛み合って回転する。秒針車20は、五番車18のカナ18aに噛み合って回転する。この秒針車20の中心部には、秒針軸20aが設けられている。この秒針軸20aは、図2に示すように、上部ハウジング6、ソーラーパネル9、および文字板5の各貫通孔5aを通して上方に突出し、この突出した先端部に図4に示すように秒針2が取り付けられるように構成されている。また、この秒針車20には、図5および図7に示すように、後述する第1光透過孔部21が設けられている。
【0022】
一方、第2駆動系12は、図2〜図5に示すように、第2ステッピングモータ22と、この第2ステッピングモータ22によって回転する中間車23と、この中間車23によって回転する三番車24と、この三番車24によって回転する二番車である分針車25と、この分針車25によって回転する日の裏車26と、この日の裏車26によって回転する筒車である時針車27とを備え、分針車25の分針軸25aに分針3が取り付けられていると共に、時針車27の時針軸27aに時針4が取り付けられた構成になっている。
【0023】
この場合、第2ステッピングモータ22は、図2に示すように、コイルブロック22aと、ステ―タ22bと、ロータ22cとを備え、コイルブロック22aに磁界を発生させて、ロータ22cを180度ずつステップ回転させるように構成されている。中間車23は、図2および図3に示すように、第2ステッピングモータ22におけるロータ22cのロータカナ22dに噛み合って回転する。この中間車23には、図5に示すように、後述する第4光透過孔部30が設けられている。三番車24は、中間車23のカナ23aに噛み合って回転し、分針車25は、三番車24のカナ24aに噛み合って回転する。
【0024】
この分針車25の中心部には、図2および図4に示すように、秒針車20の秒針軸20aが回転自在に挿入して上方に突出する円筒状の分針軸25aが設けられている。この分針軸25aは、図2に示すように、上部ハウジング6、ソーラーパネル9、および文字板5の各貫通孔5aを通して上方に突出し、この突出した先端部に図4に示すように分針3が取り付けられるように構成されている。これにより、分針車25は、秒針車20の上側に重なった状態で秒針車20と同一軸上に配置されている。また、この分針車25には、図5に示すように、後述する第2光透過孔部28が設けられている。
【0025】
日の裏車26は、図2に示すように、分針車25のカナ25aに噛み合って回転する。時針車27は、日の裏車26のカナ26aに噛み合って回転する。この時針車27の中心部には、分針車25の分針軸25aが回転自在に挿入して上方に突出する筒状の時針軸27aが設けられている。この時針軸27aは、図2に示すように、上部ハウジング6、ソーラーパネル9、および文字板5の各貫通孔5aを通して上方に突出し、この突出した先端部に図4に示すように時針4が取り付けられるように構成されている。これにより、時針車27は、分針車25の上側に重なった状態で秒針車20および分針軸25と同一軸上に配置されている。また、この時針車27には、図5に示すように、後述する第3光透過孔部29が設けられている。
【0026】
この場合、第1、第2駆動系11、12における各歯車の歯数、1パルスにおける各歯車の回転角、各歯車の1回転に要するパルス数、および第1〜第4の各光透過孔部21、28〜30の有無は、図6の表に示すように設定されている。すなわち、第1駆動系11におけるロータ17cのロータカナ17dは1パルスで180度(以下、角度の単位を「°」と称する)回転(1ステップ)し、五番車18は1パルス(ロータ17cの1ステップ)で36°回転する。四番車である秒針車20は1パルス(ロータ17cの1ステップ)で6°回転することにより、60パルス(ロータ17cの60ステップ)で1回転する。
【0027】
第2駆動系12におけるロータ22cのロータカナ22dは1パルスで180°回転(1ステップ)し、中間車23は1パルス(ロータ22cの1ステップ)で30°回転することにより、12パルス(ロータ22cの12ステップ)で1回転する。三番車24は1パルス(ロータ22cの1ステップ)で4°回転し、二番車である分針車25は1パルス(ロータ22cの1ステップ)で1°回転することにより、360パルス(ロータ22cの360ステップ)で1回転する。日の裏車26は1パルス(ロータ22cの1ステップ)で1/3°回転し、筒車である時針車27は1パルス(ロータ22cの1ステップ)で1/12°回転することにより、4320パルス(ロータ22cの4320ステップ)で1回転する。
【0028】
ところで、この腕時計の針位置検出装置は、秒針車20、分針車25、時針車27、中間車23にそれぞれ設けられた第1〜第4の各光透過孔部21、28〜30の各位置を検出部13で光学的に検出することにより、秒針車20、分針車25、時針車27、中間車23の各回転位置を判断するように構成されている。すなわち、検出部13は、図2に示すように、発光素子31と受光素子32とを備えている。発光素子31は、LED(発光ダイオード)からなり、秒針2、分針3、時針4が同一軸上で重なり合い、且つ中間車23の一部も重なり合う箇所に対応する上部側の上部ハウジング6に設けられている。受光素子32は、フォトトランジスタからなり、発光素子31に対応する下部側(図2では上部側)の回路基板10に設けられている。
【0029】
これにより、検出部13は、秒針車20、分針車25、時針車27、中間車23の第1〜第4の各光透過孔部21、28〜30が全て対応したときに、発光素子31からの光を受光素子32が受光することにより、秒針車20、分針車25、時針車27の各回転位置を検出するように構成されている。この場合、秒針車20の第1光透過孔部21は、図7に示すように、秒針車20の基準位置H(00秒位置)から運針方向側と反対方向側に第1遮光部21cを隔て設けられた第1長孔21aと、この第1長孔21aから運針方向側と反対方向側に第2遮光部21dを隔てて設けられた第2長孔21bと、を備えている。
【0030】
第1、第2の長孔21a、21bは、図7に示すように、秒針車20の直径が3〜4mm程度であることにより、その孔幅(秒針車20の中心から放射方向における長さ)が0.4〜0.5mm程度(秒針車20の円周に対する12°程度の幅)の大きさに形成されている。これら第1、第2の各長孔21a、21bのうち、第1長孔21aは、図7に示すように、秒針車20の基準位置H(00秒位置:0°位置)に位置する第2長孔21bの端部を中心とし、左回りにほぼ48°位置(8秒位置)からほぼ168°位置(28秒位置)までの間に、秒針車20の回転中心を中心とする円弧状に設けられている。第2長孔21bは、図7に示すように、秒針車20の基準位置H(00秒位置:0°位置)を中心とし、左回りにほぼ192°位置(32秒位置)から360°位置(60秒位置:基準位置H)までの間に、秒針車20の回転中心を中心とする円弧状に設けられている。
【0031】
この場合、第1、第2の各遮光部21c、21dのうち、第1遮光部21dは、図7に示すように、秒針車20の基準位置H(00秒位置:0°位置)に位置する第2長孔21bの端部を中心から左回りにほぼ48°位置(8秒位置)までの間に、実質的に36°程度の幅の間隔で設けられている。また、第2遮光部21dは、図7に示すように、秒針車20の基準位置H(00秒位置)に位置する第2長孔21bの端部の対角線上に位置する第1、第2の各長孔21a、21b間に設けられている。すなわち、この第2遮光部21dは、秒針車20の基準位置H(00秒位置)に位置である第2長孔21bの端部を中心として、左回りにほぼ174°位置(29秒位置)から186°位置(31秒位置)までの間に、実質的に12°程度の幅の間隔で設けられている。
【0032】
そして、第1遮光部21cは、その対角線上に位置する第2長孔21bの一部に対応しており、第2遮光部21dは、その対角線上に位置する第2長孔21bの一部に対応している。これにより、秒針車20は、第1、第2の各遮光部21c、21dのいずれかが検出部13の検出位置P(発光素子31と受光素子32とが対向する位置)に対応した状態で、180°回転(半回転)すると、必ず第2長孔21bの一部が検出部13の検出位置Pに対応するように構成されている。
【0033】
この秒針車20は、2ステップ(回転角12°:回転時間2秒)ずつ回転して、60ステップ(回転角360°:回転時間60秒)回転する間に、検出部13が2秒ごとに検出を行う際に、図8に示すような検出部13による検出パターンになる。すなわち、秒針車20が0秒位置(0°位置)のときには、第2長孔21bの基準位置H(0°位置)を検出部13が検出し、2秒位置(12°位置)から6秒位置(36°位置)までのときには、第1遮光部21cによって検出部13が塞がれ、検出部13による光検出ができない未検出状態が3回連続する。
【0034】
秒針車20の8秒位置(48°位置)から28秒位置(168°位置)までのときには、第1長孔21aを検出部13が連続して検出し、30秒位置(180°位置)のときには、第2遮光部21dによって検出部13が塞がれ、検出部13による光検出ができない未検出状態になる。32秒位置(192°位置)から60秒位置(360°位置)のときには、第2長孔21bを検出部13が連続して検出する。
【0035】
一方、分針車25の第2光透過孔部28は、図5および図23に示すように、分針車25の基準位置(00分位置:0°位置)に設けられた1つの円形孔である。この第2光透過孔部28の円形孔は、秒針車20の直径が3〜4mm程度であることにより、その孔径が0.4〜0.5mm程度(秒針車20の円周に対する12°程度の幅)の大きさで、秒針車20における第2長孔21bの基準位置H(0°位置)に対応する位置に設けられている。
【0036】
時針車27の第3光透過孔部29は、図5および図9に示すように、時針車27の基準位置(0時位置:0°位置)から円周に沿って30°間隔で設けられた11個の円形孔である。この基準位置の円形孔と11番目の円形孔との間に位置する11時位置(図9では1時位置)には、第4遮光部29aが設けられている。
【0037】
すなわち、時針車27の第3光透過孔部29は、図9に示すように、0時位置を基準位置(0°位置)として、左回りに0°、30°、60°、90°、120°、150°、180°、210°、240°、270°、300°の各位置、つまり時針4の運針方向に沿って(図9では逆回り)0時、1時、2時、3時、4時、5時、6時、7時、8時、9時、10時の各位置にそれぞれ円形孔が設けられ、330°の11時位置(図9では1時位置)に第4遮光部29aが設けられている。この時針車27の第3光透過孔部29である各円形孔も、分針車25の第2光透過孔部28である円形孔とほぼ同じ大きさで形成されている。
【0038】
また、中間車23の第4光透過孔部30は、図5に示すように、分針車25の第2光透過孔部28である1つの円形孔に対応する1つの円形孔であり、秒針車20の第1光透過孔部21および分針車25の第2光透過孔部28である円形孔とほぼ同じ大きさで形成されている。この第4光透過孔部30は、中間車23の所定位置、つまり分針車25の第2光透過孔28が検出部13の検出位置Pに対応したときに、分針車25の第2光透過孔部28に対応する位置に設けられている。
【0039】
これにより、第2駆動系12の中間車23、分針車25、時針車27は、その各回転角が1ステップ(ロータ22cの半回転)で30°、1°、1/12°であることにより、図5に示すように、時針4の正時(0時、1時、2時、3時、4時、5時、6時、7時、8時、9時、10時、11時)ごとに、11時位置を除いて、第2〜第4光透過孔部28〜30の全てが検出部13の検出位置Pで重なり合うように構成されている。
【0040】
また、第1駆動系11の秒針車20の回転角は、1ステップ(ロータ17cの半回転)で6°である。この秒針車20は、60ステップ(60秒)ごとに第1光透過孔部21の第2長孔21bの基準位置H(0秒位置)が検出部13の検出位置Pに対応することにより、図5に示すように、時針4の正時(11時を除く)ごとに、第1光透過孔部21の第2長孔21bの基準位置H(0秒位置)が第2〜第4の各光透過孔部28〜30と重なり合うように構成されている。
【0041】
ここで、検出部13によって秒針2、分針3、時針4の運針位置を検出する際における前提条件について説明する。まず、検出部13は、秒針2、分針3、時針4が12時側の位置(図5では上部側の位置)で第1〜第3の各光透過孔部21、28、29が重なり合って一致すると共に、中間車23の第4光透過孔部30が6時側の位置(図5では下部側の位置)で第1〜第3の各光透過孔部21、28、29の全てと重なり合って一致する箇所において、発光素子31からの光が第1〜第4の各光透過孔部21、28〜30を透過し、この透過した光を受光素子32が受光したか否かを検出する。
【0042】
これにより、検出部13は、第1〜第4の各光透過孔部21、28〜30が検出位置Pに一致したときに、発光素子31からの光を受光素子32が受光することにより、検出状態となり、第1〜第4の各光透過孔部21、28〜30のいずれかが検出位置Pに対応しないときに、発光素子31からの光が遮断されて受光素子32が受光しないことにより、未検出状態となる。
【0043】
また、第1、第2の各ステッピングモータ17、22は、各ロータ17c、22cの向きを180°反転させることにより、1ステップの運針となるため、1ステップごとに出力されるパルスの種類を交互に切り替えることにより、ロータ17c、22cを回転させる動作となる。このため、1ステップごとに同じ種類のパルスを出し続けても各ロータ17c、22cは回転せず、その場に停止した状態となる。
【0044】
このため、例えば、衝撃などの外的要因により秒針2が1ステップずれた場合、そのタイミングで秒針2を動かすべきパルスを出力しても、その時点では秒針2が動かず、次のパルスで動くことになり、結局は1ステップのずれはなくなることになり、必ず2ステップごとのずれを起こすことになる。
【0045】
従って、第1駆動系11の第1ステッピングモータ17では、秒針車20の位置検出を2ステップごとに行う必要がある。すなわち、秒針車20は、第1光透過孔部21の第2長孔21bの基準位置H(0°位置)における半円弧の大きさと1ステップの移動量との関係から、2ステップ回転させないと、第2長孔21bの基準位置H(0°位置)が検出部13の検出位置Pから完全に離れないため、2ステップ(2秒)ごとの検出が有効である。但し、第2駆動系12に関しては、1ステップごとに検出する。
【0046】
次に、図10を参照して、秒針車20の基準位置(00秒位置)を特定するための基本的な秒針位置検出動作について説明する。
この基本的な秒針位置検出動作では、第2駆動系12の分針車25、時針車27、中間車23については無視することにする。また、図10(a)〜図10(m)は、秒針車20が2ステップ(回転角12°)ごとに回転する際、その回転位置における検出部13の検出位置Pとの対応関係を示している。
【0047】
この秒針車20の基準位置H(00秒位置)を特定する目的は、図10(a)に示す秒針車20の第1光透過孔部21における第2長孔21bの端部を特定することである。つまり、秒針車20における第1光透過孔部21の基準位置H(0°位置)と検出部13の検出位置Pとが一致する位置を特定することである。
【0048】
この秒針車20の基準位置Hは、図10(a)の状態であり、この秒針車20の基準位置Hを特定する条件は、秒針車20の第1遮光部21cに隣接する第1長孔21aを検出部13が最初に検出したときに、秒針車20が8秒位置であると判断することにより、その光検出できた第1長孔21aの端部位置から8秒前の位置または52秒後の位置が、秒針車20の基準位置H(00秒位置)であると特定することである。
【0049】
すなわち、図10(a)の状態で、秒針車20が2ステップ回転して回転角が12°になると、図10(b)に示すように、第2長孔21bが検出位置Pから右回りにずれて、第1遮光部21cの一部が検出位置Pに対応するので、検出部13による光検出ができず、図8の2秒位置に示した未検出状態になる。同様に、図10(c)〜図10(d)に示すように、秒針車20が2ステップずつ回転して回転角が36°になるまで、第1遮光部21cの一部が検出位置Pに対応するので、検出部13による光検出ができず、図8の3秒位置〜6秒位置に示したように未検出状態が3回連続する。
【0050】
この後、図10(e)に示すように、秒針車20が2ステップ回転して回転角が48°になると、秒針車20における第1光透過孔部21の第1長孔21aの一部が検出部13の検出位置Pに対応するので、図8の8秒位置に示したように、検出部13による光検出ができる。同様にして、図10(f)に示すように、秒針車20が2ステップずつ回転して回転角が168°になるまで、第1長孔21aの一部が検出部13の検出位置Pに対応するので、図8の10秒〜28秒位置に示したように、検出部13による光検出が連続してできる。
【0051】
この状態で、図10(g)に示すように、秒針車20が更に2ステップ回転して回転角が180°になると、第1長孔21aが検出位置Pから右回りにずれて、第2遮光部21dが検出位置Pに対応するので、検出部13による光検出ができず、図8の30秒位置に示したように、未検出状態になる。この後、図10(h)に示すように、秒針車20が2ステップ回転して回転角が192°になると、秒針車20における第1光透過孔部21の第2長孔21bの一部が検出部13の検出位置Pに対応するので、図8の32秒位置に示したように、検出部13による光検出ができる状態になる。
【0052】
この後、図10(i)に示すように、秒針車20が2ステップずつ回転して、図10(m)に示すように、回転角が360°になるまで、第2長孔21bの一部が検出部13の検出位置Pに対応するので、図8の34秒〜60秒位置に示したように、検出部13による光検出が連続してできる。このとき、秒針車20が2ステップ回転して回転角が360°になると、図10(a)に示すように、第2長孔21bの基準位置H(0°位置)が検出部13の検出位置Pに対応するので、図8の0秒位置に示したように、検出部13による光検出ができる状態になる。この状態が秒針車20の基準位置Hである。
【0053】
このように、図10(a)の状態では、検出部13による光検出ができる状態であり、図10(b)〜図10(d)の状態では、検出部13による光検出が3回連続してできない状態である。図10(e)〜図10(f)の状態では、検出部13による光検出が連続してできる状態であり、図10(g)の状態では、検出部13による光検出ができない状態である。図10(h)〜図10(i)の状態では、検出部13による光検出が連続してできる状態である。
【0054】
ここで、連続して光検出ができない未検出状態は、図10(b)〜図10(d)の状態であり、この状態に着目すると、2ステップごとに検出を行った場合、未検出状態が3回連続することがわかる。この連続して光検出ができない未検出状態をカウントすることにより、秒針車20の基準位置Hを特定することが可能になる。すなわち、秒針車20は、2ステップ(2秒)ごとに検出を行い、未検出状態が3回連続した後、次の回で検出できた場合、その位置が8秒位置である。
【0055】
このため、秒針車20の基準位置H(00秒位置)は、未検出状態が3回連続した後、次の回で検出できた位置から8秒前の位置または52秒後の位置であることになる。仮に、図10(f)の状態から未検出状態をカウントした場合には、図10(g)の状態で未検出状態となり、未検出状態が1回起こり、この後、図10(h)の状態になり、検出部13による光検出ができる。このため、未検出状態が3回連続した後に、次の回で光検出ができたという条件を満たしたときに、秒針車20の基準位置H(00秒位置)を特定できる。これが秒針車20の基準位置Hを特定するための基本的な位置検出動作である。
【0056】
次に、図11を参照して、分針車25と時針車27との各基準位置を検出するための基本的な時分位置検出動作について説明する。
この基本的な時分位置検出動作では、第1駆動系11の秒針車20については無視することにする。また、図11(a)〜図11(m)は分針車25が1ステップ(1°)ごとに回転して中間車23を1回転させる状態を示しており、図11(m)〜図11(n)は分針車25が360ステップ(360°)回転して時針車27を30°回転させた状態を示しており、図11(n)〜図11(o)は時針車27が9時間分(合計10時間分)回転した状態を示しており、図11(o)〜図11(p)は時針車27が更に1時間分(合計11時間分)回転した状態を示している。
【0057】
この分針車25と時針車27との基準位置(0時00分位置)を検出する目的は、図11(a)に示す分針車25と時針車27との各基準位置を検出することである。つまり、分針車25の第2光透過孔部28と、時針車27の基準位置(0時位置)にある第3光透過孔部29と、中間車23の第4光透過孔部30とが、全て検出部13の検出位置Pと一致した位置を検出することである。この基準位置の状態が図11(a)の状態である。
【0058】
まず、図11(a)の状態で、分針車25を1ステップ(1°)回転させると、図11(b)に示すように、中間車23が30°回転し、この中間車23の第4光透過孔部30が検出位置Pから離れ、検出部13の検出位置Pを中間車23が塞ぐ。このとき、分針車25は右回りに1°回転して第2光透過孔部28が検出部13の検出位置Pで僅かにずれるだけで、検出部13による光検出が可能な位置にある。
【0059】
この状態で、分針車25が1ステップずつ回転して、6ステップ(6°)回転すると、図11(g)に示すように、中間車23が180°回転し、第4光透過孔部30が検出部13の検出位置Pから180°離れ、検出部13の検出位置Pを塞ぎ続ける。このときには、分針車25が右回りに6°回転して第2光透過孔部28が、検出部13の検出位置Pからほぼ半分だけずれるが、検出部13による光検出がまだ可能な位置にある(図23参照)。
【0060】
この後、分針車25が1ステップずつ回転して12ステップ(12°)回転すると、図11(m)に示すように、中間車23が360°回転して、第4光透過孔部30が検出位置Pに対応する。このときには、分針車25の第2光透過孔部28が検出位置Pからほぼ完全に離れ、第2光透過孔部28が検出位置Pとほとんど重なり合わない状態となり、分針車25が検出位置Pを塞いで、検出部13による光検出ができない状態になる。また、このときには、時針車27が1°回転するだけであるから、時針車27の第3光透過孔部29である基準位置の円形孔は、検出位置Pで僅かにずれるだけで、検出部13による光検出が可能な状態にある
【0061】
そして、分針車25が360ステップ回転(1回転)すると、図11(n)に示すように、分針車25の第2光透過孔部28と中間車23の第4光透過孔部30とが検出位置Pに対応した状態になる。このとき、時針車27は30°回転し、第3光透過孔部29である基準位置の円形孔が検出位置Pから離れ、第3光透過孔部29である基準位置の左側に位置する2番目の円形孔が検出位置Pに対応し、検出部13による光検出が可能な状態になる。この状態で、分針車25が9時間分(合計10時間分)だけ回転すると、図11(o)に示すように、分針車25の第2光透過孔部28と中間車23の第4光透過孔部30とが検出位置Pに対応し、時針車27は300°回転し、第3光透過孔部29である基準位置から11個目の円形孔が検出位置Pに対応し、検出部13による光検出が可能な状態になる。
【0062】
この後、分針車25が更に1時間分(合計11時間分)だけ回転すると、図11(p)に示すように、分針車25の第2光透過孔部28と中間車23の第4光透過孔部30とが検出位置Pに対応するが、時針車27は330°回転し、第3光透過孔部29である基準位置から11番目の円形孔が検出位置Pから離れ、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応する。このため、検出部13による光検出ができない状態になる。この状態が、「11時00分位置」であると特定することができる。
【0063】
そして、分針車25が更に1時間分(合計12時間分)だけ回転すると、図11(a)に示すように、分針車25の第2光透過孔部28と中間車23の第4光透過孔部30とが検出位置Pに対応すると共に、時針車27が360°回転し、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pから離れ、第3光透過孔部29である基準位置(0時位置)の円形孔が検出位置Pに対応し、基準位置(0時00分位置)に戻る。
【0064】
このように、分針車25の1ステップの回転量が1°と非常に小さいため、図23に示すように、分針車25の1ステップの回転量では第2光透過孔部28が検出位置Pから完全に離れることができず、分針車25の基準位置を正確に検出することができないことになるが、中間車23は1ステップで30°回転することにより、分針車25の1ステップにおける回転量が小さくても、中間車23の回転量が大きいので、この中間車23によって検出位置Pを塞ぐことができる。
【0065】
また、図11(m)に示すように、中間車23が12ステップで1回転すると、分針車25が12°回転するので、分針車25の第2光透過孔部28の円形孔が検出位置Pから完全に離れることになり、このため分針車25が検出位置Pを塞ぐことになる。このときには、中間車23の第4光透過孔部30が検出位置Pに一致しても、検出部13による光検出ができない状態になる。
【0066】
また、分針車25は、360ステップ回転して1回転するごとに、分針車25の第2光透過孔部28と、中間車23の第4光透過孔部30と、時針車27の第3光透過孔部29のいずれか(但し、11時位置の第4遮光部29aを除く)とが、検出位置Pに対応することにより、検出部13による光検出が可能な状態になる。すなわち、検出部13による光検出ができる位置は、時針車27の回転位置(11時位置を除く)に係わらず、分針車25が1回転(360ステップ)するごとに、分針車25が基準位置(0°位置)に戻ることにより、「00分位置」になる。
【0067】
さらに、分針車24の基準位置(0°位置)を検出した後は、分針車25を360ステップ(1回転)ずつ回転させると、時針車27が30°ずつ回転することにより、分針車25を1ステップごとに検出部13による光検出を行わなくても、分針車25を1回転させたときだけ、検出部13による光検出を実行すれば、時針車27の回転位置が検出できることになる。このとき、図11(n)に示す状態から分針車25を360ステップずつ回転させて、検出部13による光検出ができない位置は、図11(p)に示すように、時針車27の第4遮光部29aと検出位置Pとが一致した位置であり、この位置が「11時00分位置」であると特定することができる。
【0068】
この検出部13による光検出ができない「11時00分位置」から分針車25を更に360°回転させると、時針車27の第3光透過孔部29である基準位置(0時位置)の円形孔が検出位置Pに対応することにより、検出部13による光検出が可能な基準位置、つまり「0時00分位置」になる。これにより、検出部13による光検出ができる状態から、分針車25が360°回転(1回転)するごとに、検出部13による光検出を試みることにより、検出部13による光検出できない位置(図11(p)の状態)から、更に分針車25を360°回転させて検出部13による光検出ができる位置(図11(a)の状態)が、時針車27の基準位置、つまり「0時00分位置」であると特定することができる。
【0069】
次に、図12〜図14を参照して、秒針2、分針3、時針4の3針の位置を検出する基本的な3針位置検出動作について説明する。
この3針位置検出動作は、秒針位置検出動作と、時分針位置検出動作とを組み合わせた動作であり、どちらかが位置検出条件を満たしていない場合(つまり、秒針車20の第1光透過孔部21と、分針車25の第2光透過孔部28および時針車27の第3光透過孔部29とのいずれか一方が検出位置Pからずれている場合)、または両方とも位置検出条件を満たしていない場合(つまり、秒針車20の第1光透過孔部21と、分針車25の第2光透過孔部28および時針車27の第3光透過孔部29との両方が検出位置Pからずれている場合)の3種類の動作がある。
【0070】
まず、図12を参照して、秒針車20の第1光透過孔部21のみが検出位置Pからずれている場合の3針位置検出動作について説明する。
このときには、秒針車20の状態は全くわからず、分針車25と時針車27とは、基準位置(0時00分位置)にあると仮定する。そこで、まず、秒針車20の基準位置H(00秒位置)を特定するための基本的な秒針位置検出動作を試みる。すなわち、この基本的な秒針位置検出動作は、前述した通り、秒針車20を2ステップずつ回転させて、2ステップ回転ごとに検出部13による光検出を行う。
【0071】
このとき、秒針車20を2ステップ回転させて検出部13による光検出を試みたとき、図12(a)の状態であれば、検出部13による光検出ができないことになる。ここで、検出部13による光検出ができない未検出状態を「未検出回数」としてカウントする。この未検出状態が連続した場合、未検出回数を順次加算していくもとし、秒針車20の2ステップ回転ごとに連続して光検出ができなかった場合にのみ、未検出回数を加算し、光検出ができた場合には未検出回数をクリアすることにする。
【0072】
そして、秒針車20を更に2ステップ回転させて検出部13による光検出を試みる。このとき、図12(b)に示すように、検出部13による光検出ができなければ、未検出状態が連続したことになり、未検出回数を加算する。この状態で、秒針車20を更に2ステップ回転させて検出部13による光検出を試みたとき、図12(c)に示すように、検出部13による光検出ができると、未検出状態が3回連続しないので、未検出回数をクリアする。
【0073】
引続き、秒針車20の2ステップごとに検出部13による光検出を試みる。このとき、図12(d)に示すように、前回まで連続して検出部13による光検出ができていた状態から光検出ができない状態になると、ここで再度、未検出回数をカウントする。そして、秒針車20の2ステップごとの光検出を試みる。このとき、図12(e)に示すように、検出部13による光検出ができない未検出状態が3回連続することになる。
【0074】
そして、次の2ステップで検出部13による光検出ができれば、その位置が秒針車20の8秒位置となり、秒針車20の基準位置H(00秒位置)を特定することが可能になる。このとき、図12(f)に示すように、検出部13による光検出ができると、秒針車20の第1光透過孔部21の第1長孔21aが検出部13の検出位置Pと一致したことになるので、この位置が秒針車20の8秒位置であることがわかり、この位置から8秒前の位置または52秒後の位置が秒針車20の基準位置(00秒位置)であると特定することができる。
【0075】
次に、図13を参照して、分針車25の第2光透過孔部28と時針車27の第3光透過孔部29とが検出位置Pからずれている場合の3針位置検出動作について説明する。
このときには、秒針車20の第1光透過孔部21が検出部13の検出位置Pに対応していても、分針車25と時針車27とが検出位置Pからずれているため、検出部13による光検出ができない。このため、まず、秒針車20を基準位置Hに移動するための基本的な秒針位置検出動作を試みる。
【0076】
このときには、秒針車20を2ステップずつ回転させて、2ステップごとに検出部13による光検出を試みたとき、図13(a)の状態から図13(b)の状態になり、秒針車20の第1光透過孔部21が検出位置Pに一致しても、分針車25の第2光透過孔部28と時針車27の第3光透過孔部29とが検出位置Pからずれているため、検出部13による光検出ができない。このとき、秒針車20が図13(a)の状態から図13(b)の状態になったときに、未検出状態が3回連続していることになる。
【0077】
ここで、秒針車20の基本的な位置検出動作の条件である「秒針車20の2ステップごとの光検出を行い、未検出状態が3回連続した後に、次の回で光検出ができた場合、その位置が8秒位置であり、この位置から8秒前の位置または52秒後の位置が秒針車20の基準位置H(00秒位置)である」という条件により、図13(b)の状態で、未検出状態が3回連続しており、次の2ステップで検出部13による光検出ができると、秒針車20が8秒位置であることになるが、秒針車20を2ステップ回転させても、図13(c)に示すように、分針車25の第2光透過孔部28と時針車27の第3光透過孔部29とが検出位置Pからずれているため、検出部13による光検出ができないことになる。
【0078】
このため、秒針車20は2ステップごとに4回連続して検出部13による光検出ができないことになり、このような4回連続して検出できないことはあり得ないため、この時点で分針車25の第2光透過孔部28と時針車27の第3光透過孔部29とのいずれかが検出位置Pからずれていることがわかる。また、この状態では、秒針車20に関しても、第1光透過孔部21が検出位置Pと一致している状態であるか否かはわからない。
【0079】
ただし、この時点では、分針車25の第2光透過孔部28と時針車27の第3光透過孔部29とのいずれかが検出位置Pからずれていることがわかったので、次に分針車25と時針車27との基準位置を検出するための基本的な時分針位置検出動作を試みる。このときには、分針車25を1ステップずつ回転させて検出部13による光検出を試みて、分針車25と時針車27とが図13(c)の状態から図13(d)の状態になると、分針車25の第2光透過孔部28と中間車23の第4光透過孔部30とが検出位置Pに対応すると共に、時針車27の第3光透過孔部29のいずれかの円形孔も検出位置Pに対応し、検出部13による光検出が可能になる。
【0080】
これにより、分針車25が基準位置(00分位置)であることがわかる。このときには、秒針車20と時針車27とがどの位置にあるのか、まだわかっていない。そこで、検出部13による光検出が可能な状態であることにより、まず、秒針車20の基準位置H(00秒位置)を特定するための基本的な秒針位置検出動作を行い、秒針車20を図13(e)に示す基準位置H(00秒位置)に移動させる。これにより、秒針車20と分針車25とがそれぞれ基準位置(00分00秒位置)であることがわかる。
【0081】
この後、分針車25を360°(1回転)ずつ回転させると、360°ごとに時針車27の第3光透過孔部29が検出位置Pに対応し、検出部13による光検出ができ、検出部13による光検出ができない状態(11時位置)から更に360°回転した位置が、時針車27の基準位置(0時位置)となる。これにより、秒針車20、分針車25、時針車27の全てが基準位置(0時00分00秒位置)になる。
【0082】
次に、図14を参照して、秒針車20の第1光透過孔部21、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29の全てが検出部13の検出位置Pに対してずれている場合の3針位置検出動作について説明する。
このときには、秒針車20、分針車25、時針車27のいずれも、回転位置がわかっていない。このため、まず、秒針車20の基準位置H(00秒位置)を特定するための基本的な秒針位置検出動作を試みる。
【0083】
すなわち、図14(a)の状態で秒針車20を2ステップずつ回転させて検出部13による光検出を試みる。このとき、図14(b)に示すように、秒針車20の第1光透過孔部21が検出位置Pに対応していても、分針車25の第2光透過孔部28と時針車27の第3光透過孔部29とが検出位置Pに対応していなければ、検出部13による光検出ができない。
【0084】
このため、秒針車20の基本的な秒針位置検出動作を更に実行する。この基本的な秒針位置検出動作の条件は、秒針車20の2ステップごとの光検出を行い、未検出状態が3回連続した後、次の回で光検出ができた場合、その検出された位置から8秒前の位置または52秒後の位置が基準位置H(00秒位置)であるという条件により、図14(b)に示すように、秒針車20の未検出状態が3回連続し、次の2ステップで検出部13による光検出ができると、秒針車20は8秒位置になるのであるが、秒針車20を更に2ステップ回転させても、図14(c)に示すように、検出部13による光検出ができない場合には、分針車25の第2光透過孔部28と時針車27の第3光透過孔部29とが検出位置Pからずれていると判断する。また、このときには、秒針車20も第1光透過孔部21が検出位置Pに対応しているかわからない。
【0085】
この状態では、分針車25の第2光透過孔部28が検出位置Pからずれていると判断し、次に分針車25と時針車27との基準位置を検出するための基本的な位置検出動作を試みる。すなわち、分針車25を1ステップずつ回転させて検出部13による光検出を試みたとき、図14(c)に示すように、分針車25を360°回転させても、検出部13による光検出ができない場合には、図14(d)に示すように、秒針車20の第1光透過孔部21が検出位置Pに対応してないと疑い、秒針車20を30ステップ(180°)回転させる。
【0086】
すなわち、秒針車20の第1光透過孔部21が検出位置Pに対応していない状態で、秒針車20を180°回転(半回転)させると、必ず第1光透過孔部21の第2長孔21bが検出位置Pに対応することにより、図14(e)に示すように、秒針車20の第1光透過孔部21が検出位置Pに対応していると想定する。この状態で、再度、分針車25を1ステップずつ回転させて検出部13による光検出を試みる。このときに、分針車25の第2光透過孔部28が検出位置Pに対応し、検出部13による光検出ができたときに、分針車25が図14(f)に示す基準位置(00分位置)であることになる。この図14(f)の状態は、図13(d)の状態と同じであり、この図13(d)の状態以降の動作を行えば、秒針車20、分針車25、時針車27の全てが基準位置になる。
【0087】
次に、図15を参照して、通常運針時における正時ごとに秒針2、分針3、時針4の3針が合っているかを確認する基本的な針位置確認動作について説明する。
この基本的な針位置確認動作は、11時、23時を除く正時ごとに秒針2が合っているか否かを確認することであり、10秒以内に秒針2のずれを確認する必要がある。すなわち、10秒経過すると、第2駆動系12の第2ステッピングモータ22によって分針車25が1ステップ(1°)回転し、これに伴って中間車23が30°回転して、検出部13の検出位置Pを塞ぐからである。
【0088】
図15(a)の状態は、通常運針時における正時(例えば2時)の状態で、秒針車20の第1光透過孔部21における第2長孔21bの基準位置H(0°位置)、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29(例えば3番目の円形孔)、中間車23の第4光透過孔部30の全てが、検出部13の検出位置Pと一致している。この状態で、秒針車20が1ステップ(6°)ずつ回転する通常運針する。このときには、秒針車20は1秒ごとに6°回転するだけであるから、秒針車20の第2長孔21bが検出部13の検出位置Pから完全に離れず、検出部13による光検出が可能な状態である。
【0089】
この後、秒針車20が更に1ステップ回転して、2ステップ(12°)回転した2秒位置になると、図15(b)に示すように、秒針車20の第2長孔21bが検出部13の検出位置Pから完全に離れ、検出部13の検出位置Pが第1遮光部21cによって塞がれる。このときに、検出部13による光検出を試みると、検出部13による光検出ができない未検出状態になり、この未検出状態を未検出回数としてカウントする。
【0090】
そして、秒針車20が1ステップずつ回転し、2ステップごとに検出部13による光検出を試みる。このときには、図15(c)に示す4秒位置、および図15(d)に示す6秒位置のように、検出部13が秒針車20の第1遮光部21cによって連続して塞がれる。これにより、図15(b)〜図15(d)に示すように、検出部13による光検出ができない未検出状態が3回連続することになる。
【0091】
この状態で、次に秒針車20が2ステップ回転し、図15(e)の8秒位置に示すように、秒針車20の第1長孔21aの一部が検出部13に対応し、検出部13による光検出ができたときに、秒針車20が8秒位置になることにより、秒針車20が正しく回転し、秒針2が正しい運針位置であることになる。すなわち、秒針2は、正時の位置から秒針車20が2ステップ回転するごとに、検出部13による検出を行い、検出部13による未検出状態が3回連続した後、次に検出部13による検出ができたときに、8秒位置であることになり、正しく運針していることになる。
【0092】
この後、秒針車20が更に2ステップ回転して10秒になると、秒針車20の第1長孔21aの一部が検出部13に対応して検出部13による光検出が可能になるが、分針車25が1ステップ(1°)回転し、中間車23が1ステップ(30°)回転することにより、分針車25の第2光透過孔部28が検出部13の検出位置Pから完全に離れていなくても、中間車23の第4光透過孔部30が検出部13の検出位置Pから完全に離れて、中間車23が検出部13を塞ぐことになる。このため、通常運針時における針合わせは、10秒以内に行う必要がある。
【0093】
次に、図16のブロック図を参照して、この指針式の腕時計の回路構成について説明する。
この回路構成は、回路全般を制御するCPU(中央演算処理装置)35、予め定められたプログラムが格納されたROM(リードオンリーメモリ)36、処理データを格納するRAM(ランダムアクセスメモリ)37、CPU35を動作させるためのパルスを生成する発信回路38、この発信回路38で生成したパルスを適正な周波数(CPU35を動作させるための適正な周波数)に変換する分周回路39、指針(秒針2、分針3、時針4)を運針させる時計ムーブメント8、光を発光する発光素子31とこの発光素子31からの光を受光する受光素子32とを有する検出部13を備えている。
【0094】
更に、この回路構成は、上記のほかに、電源を供給するソーラーパネル9や電池などの電源部40、標準時刻電波を受信するアンテナ41、受信した標準時刻電波を検波処理する検波回路42、時刻表示を照明する照明部43、この照明部43を駆動するための照明駆動回路44、報音をするスピーカ45、このスピーカ45を駆動するめのブザー回路46を備えている。
【0095】
次に、図17を参照して、この指針式の腕時計における秒針2の基準位置を検出するための基本的な秒針位置検出処理について説明する。
この基本的な秒針位置検出処理は、秒針車20の基準位置H(00秒位置)を特定することであり、図10(a)に示したように、秒針車20における第1光透過孔部21の第1長孔21aに検出部13の検出位置Pが最初に一致した位置を検出することにより、秒針車20の基準位置H(00秒位置)を特定することである。この場合、第2駆動系12の分針車25、時針車27、中間車23の第2〜第3の各光透過孔部28〜30は、検出部13の検出位置Pに一致して停止していると仮定する。
【0096】
この秒針位置検出処理がスタートすると、前回、検出部13によってすでに検出された未検出回数をクリアして未検出フラグを「0」にし(ステップS1)、秒針車20を2ステップ(12°)回転させ(ステップS2)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS3)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS4)。
【0097】
このとき、秒針車20における第1光透過孔部21の第1、第2の各長孔21a、21bのいずれかが検出部13の検出位置Pに対応している場合には、発光素子31からの光を受光素子32が受光することにより、検出部13による光検出があったと判断し、ステップS1に戻り、秒針車20の第1、第2の各遮光部21c、21dのいずれかが検出部13の検出位置Pに対応して検出位置Pを塞ぐまで、上記の動作を繰り返す。
【0098】
そして、秒針車20が2ステップずつ回転し、秒針車20の第1光透過孔部21における第1、第2長孔21a、21bのいずれも、検出部13の検出位置Pからずれ、秒針車20の第1、第2遮光部21c、21dのいずれかが検出部13の検出位置Pに対応すると、発光素子31からの光を受光素子32が受光せず、検出部13による光検出がない未検出状態になり、この未検出状態を未検出回数としてカウントし、未検出フラグに「1」を立て(ステップS5)、この未検出状態が3回連続したか否かを判断する(ステップS6)。
【0099】
このステップS6で、未検出状態が2回連続しても、次に秒針車20が2ステップ回転して、秒針車20の第1長孔21aの一部が検出位置Pに対応し、検出部13による光検出がなければ、ステップS2に戻り、上述した動作を繰り返す。また、このステップS6で、未検出状態が3回連続した後に、図10(e)に示すように、秒針車20を2ステップ回転させ(ステップS7)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS8)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS9)。
【0100】
このステップS9で、検出部13による光検出があったときには、秒針車20の第1光透過孔部21の第1長孔21aが検出位置Pに一致していることにより、秒針車20は8秒位置であり、この位置から8秒前の位置または52秒後の位置が秒針車20の基準位置H「00秒位置」であると特定し、針位置補正を行って秒針2、分針3、時針4を現在時刻に戻し(ステップS10)、通常運針に移行させて、この処理を終了する。
【0101】
この場合、ステップS9では、分針車25、時針車27、中間車23の第2〜第3の各光透過孔部28〜30が検出部13の検出位置Pに一致して停止していると仮定しているので、必ず検出部13による光検出があるが、分針車25、時針車27、中間車23の第2〜第3の各光透過孔部28〜30が、仮に検出部13の検出位置Pに対応していない場合には、検出部13による光検出がないため、後述する時分位置検出処理に移行する。
【0102】
次に、図18を参照して、この指針式の腕時計における分針3、時針4の基準位置を検出する基本的な時分針位置検出処理について説明する。
この時分針位置検出処理は、分針車25と時針車27との各基準位置(0時00分位置)を検出することである。つまり、図11(a)に示したように、分針車25の第2光透過孔部28と、時針車27の第3光透過孔部29である基準位置(0時位置)の円形孔と、中間車23の第4光透過孔部30との全てが、検出部13の検出位置Pと一致した位置を検出することである。この場合、第1駆動系11の秒針車20は第1光透過孔部21が検出部13の検出位置Pに一致して停止していると仮定する。
【0103】
この時分針位置検出処理がスタートすると、分針車25を1ステップ(1°)回転させ(ステップS15)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS16)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があったか否かを判断し(ステップS17)、検出部13による光検出がなければ、分針車25が360°(1回転する1時間分)回転するまで、ステップS15からステップS17の動作を繰り返す。この場合には、秒針車20の第1光透過孔部21が検出部13の検出位置Pに一致していると仮定していることにより、分針車25が360°回転すると、図11(n)に示すように、時針車27の「11時位置」を除いて、必ず検出部13による光検出があることになる。
【0104】
これにより、ステップS17で検出部13による光検出があったときが、分針車25が基準位置(00分位置)であると特定する。そして、分針車25を更に360°回転させて時針車27を30°回転させ(ステップS18)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS19)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、時針車27の第3光透過孔部29が検出部13の検出位置Pに対応して検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS20)。
【0105】
このときには、時針車27の第3光透過孔部29の各円形孔が30°間隔で11個設けられ、「11時位置」に第4遮光部29aが設けられていることにより、分針車25が360°回転して時針車27が30°回転すると、図11(n)〜図11(o)に示すように、「11時位置」の第4遮光部29aを除いて、第3光透過孔部29の各円形孔が検出位置Pに順次対応することにより、検出部13による光検出がある。このステップS20で、検出部13による光検出があったときには、ステップS18に戻り、時針車27の第3光透過孔部29の各円形孔が検出位置Pに順次対応した後に、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応して検出部13による光検出ができなくなるまで、上記動作を繰り返する。
【0106】
そして、図11(p)に示すように、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応して検出部13による光検出がなければ、時針車27が「11時位置」にあると特定し、分針車25を更に360°回転させて時針車27を30°回転させ(ステップS21)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS22)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS23)。
【0107】
このステップS23では、図11(a)に示すように、時針車27の「0時位置」の第3光透過孔部29が検出部13の検出位置Pに必ず対応し、検出部13による光検出ができるので、時針車27が「0時位置」の基準位置にあることを確認し、この処理フローを終了する。なお、このステップS23では、秒針車20の第1光透過孔部21が検出部13の検出位置Pに対応していると仮定していることにより、検出部13による検出が必ずあるはずであるが、仮に検出がなければ、前述した秒針位置検出処理に戻る。
【0108】
次に、図19〜図21を参照して、この指針式の腕時計における秒針2、分針3、時針4の3針の基準位置を検出する基本的な3針位置検出処理について説明する。
この3針位置検出処理は、秒針2、分針3、時針4の3針の全ての位置がわかっていない場合であり、前述した秒針位置検出処理と時分針位置検出処理とを組み合わせた処理を行う。この場合、図19では秒針位置検出処理のステップS30〜ステップS38を示し、図20では分針位置検出処理のステップS41〜ステップS66を示し、図21では時針位置検出処理のステップS70〜ステップS77を示す。
【0109】
この3針位置検出処理がスタートすると、秒針2、分針3、時針4の3針の全ての位置がわかっていないので、まず、図19の秒針位置検出処理を実行する。すなわち、検出部13によって前回すでに検出されていた未検出状態の未検出回数をクリアして未検出フラグを「0」にし(ステップS30)、秒針車20を2ステップ回転させ(ステップS31)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS32)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS33)。
【0110】
このとき、秒針車20、分針車25、時針車27の全ての回転位置がわかっていないが、検出部13の発光素子31からの光を受光素子32が受光して、検出部13による光検出があったときには、ステップS30に戻り、秒針車20の第1、第2の各遮光部21c、21dが検出部13の検出位置Pに対応して検出位置Pを塞ぐまで、上記動作を繰り返す。
【0111】
すなわち、ステップS33で検出部13による光検出があったときには、秒針車20の第1光透過孔部21、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29、中間車23の第4光透過孔部30の全てが、たまたま検出部13の検出位置Pと一致していることになる。このときに、分針車25が「00分位置」の基準位置であることになるが、秒針車20と時針車27との基準位置がまだわからないため、まず、秒針車20の基準位置を特定する。このため、ステップS30〜ステップS33の動作を繰り返し、秒針車20の基準位置H(0°位置)を特定する。
【0112】
このときには、検出部13による未検出回数をカウントし、未検出フラグに「1」を立て(ステップS34)、この未検出回数が3回連続したか否かを判断する(ステップS35)。このステップS35で検出部13による未検出回数が3回連続するまで、ステップS31〜ステップS35の動作を繰り返し、検出部13による未検出回数が3回連続したときには、秒針車20を2ステップ回転させて(ステップS36)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS37)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があるか否かを判断する(ステップS38)。
【0113】
このとき、分針車25が「00分位置」の基準位置にあり、分針車25の第2光透過孔部28と時針車27の第3光透過孔部29のいずれかの円形孔が検出位置Pに対応し、且つ秒針車20の第1光透過孔部21の第1長孔21aが検出部13の検出位置Pと一致していることになり、検出部13の受光素子32が必ず発光素子31の光を受光することになる。これにより、秒針車20が8秒位置であり、この位置から8秒前の位置または52秒後の位置が秒針車20と分針車25との基準位置(00分00秒位置)であると特定し、後述するステップS70の時針位置検出処理に移行する。
【0114】
しかし、ステップS38で、検出部13による光検出がない場合には、図14(b)に示すように、仮に秒針車20の第1光透過孔部21の第1長孔21aが検出位置Pに対応していても、検出部13による未検出状態が4回連続することになるので、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29、中間車23の第4光透過孔部30のいずれかが検出位置Pからずれていると判断し、図20に示すステップS41に進んで、分針位置検出処理を行う。
【0115】
この分針位置検出処理は、図20に示すように、ステップS41で分針車25を1ステップ(1°)回転させ、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS42)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があるか否かを判断する(ステップS43)。このとき、検出部13による光検出がなければ、分針車25を1ステップずつ回転させて、分針車25が360°回転したか否かを判断し(ステップS44)、分針車25が1回転するまで、上記動作を繰り返す。
【0116】
このとき、ステップS43で、検出部13による光検出があった場合には、秒針車20の第1光透過孔部21、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29のいずれかの円形孔、中間車23の第4光透過孔部30の全てが、検出部13の検出位置Pと一致していることになり、分針車25と時針車27とがずれていたことになる。
【0117】
これにより、分針車25が基準位置(00分位置)にあると特定する。このときにも、秒針車20が8秒位置、つまり秒針車20の基準位置H(00秒位置)が特定されているかわからないため、上述したように、ステップS30に戻り、ステップS38までの秒針位置検出処理を実行して、秒針車20を8秒位置にして、秒針車20の基準位置H(00秒位置)を特定し、後述するステップS70の時針位置検出処理に移行する。
【0118】
しかし、ステップS44で分針車25が360°回転しても、ステップS43で検出部13による光検出がない場合には、図14(d)に示すように、秒針車20の第1光透過孔部21が検出位置Pに対応していないと判断し、秒針車20を30ステップ(180°)回転させて(ステップS45)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS46)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があるか否かを判断する(ステップS47)。
【0119】
このとき、ステップS47で、検出部13による光検出があった場合には、秒針車20の第1光透過孔部21、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29のいずれかの円形孔、中間車23の第4光透過孔部30の全てが、検出部13の検出位置Pと一致していることになり、秒針車20がずれていたことになる。これにより、分針車25が基準位置(00分位置)にあると特定する。このときにも、秒針車20が基準位置Hであるかわからないため、上述したように、ステップS30に戻り、ステップS38までの秒針位置検出処理を実行して、秒針車20を8秒位置にして、秒針車20の基準位置H(00秒位置)を特定し、後述するステップS70の時位置検出処理に移行する。
【0120】
しかし、ステップS45で秒針車20を30ステップ(180°)回転させても、ステップS47で検出部13による光検出がない場合には、図14(e)に示すように、仮に秒針車20の第1光透過孔部21が検出位置Pに対応していても、分針車25の第2光透過孔部28が検出位置Pからずれていると判断し、分針車25を1ステップ回転させる(ステップS48)。
【0121】
そして、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS49)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があるか否かを判断する(ステップS50)。このとき、検出部13による光検出がなければ、分針車25を1ステップずつ回転させて、分針車25が360°回転したか否かを判断し(ステップS51)、分針車25が1回転するまで、上記動作を繰り返す。
【0122】
このとき、ステップS50で検出部13による光検出があった場合には、秒針車20の第1光透過孔部21、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29のいずれかの円形孔、中間車23の第4光透過孔部30の全てが、検出部13の検出位置Pと一致していることになり、分針車25がずれていたことなる。これにより、分針車25が基準位置(00分位置)にあると特定する。このときにも、秒針車20が基準位置Hであるかわからないため、上述したように、ステップS30に戻り、ステップS38までの秒針位置検出処理を実行して、秒針車20を8秒位置にして、秒針車20の基準位置H(00秒位置)を特定し、後述するステップS70の時針位置検出処理に移行する。
【0123】
しかし、ステップS51で分針車25が360°回転しても、ステップS50で検出部13による光検出がない場合には、図11(p)に示すように、仮に秒針車20の第1光透過孔部21、分針車25の第2光透過孔部28、中間車23の第4光透過孔部30が検出位置Pに対応していても、時針車27の第3光透過孔部29のいずれの円形孔も、検出位置Pからずれ、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応していると判断する。
【0124】
このときには、まず、秒針車20の第1光透過孔部21が検出位置Pに対応しているかわからないため、秒針車20を30ステップ(180°)回転させて(ステップS52)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS53)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があるか否かを判断する(ステップS54)。
【0125】
このとき、検出部13による光検出があった場合には、秒針車20の第1光透過孔部21、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29のいずれかの円形孔、中間車23の第4光透過孔部30の全てが、検出部13の検出位置Pと一致していることになり、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応しておらず、また秒針車20がずれていたことになる。
【0126】
これにより、分針車25が基準位置(00分位置)にあると特定する。このときにも、秒針車20が基準位置Hであるかわからないため、上述したように、ステップS30に戻り、ステップS38までの秒針位置検出処理を実行して、秒針車20を8秒位置にして、秒針車20の基準位置H(00秒位置)を特定し、後述するステップS70の時針位置検出処理に移行する。
【0127】
ところで、ステップS54で検出部13による光検出がない場合には、図11(p)に示すように、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応していると判断し、分針車25を1ステップ回転させ(ステップS55)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS56)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があるか否かを判断する(ステップS57)。このとき、検出部13による光検出がなければ、分針車25を1ステップずつ回転させて、分針車25が360°回転したか否かを判断し(ステップS58)、分針車25が1回転するまで、上記動作を繰り返す。
【0128】
ステップS57で検出部13による光検出があった場合には、秒針車20の第1光透過孔部21、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29のいずれかの円形孔、中間車23の第4光透過孔部30の全てが、検出部13の検出位置Pと一致していることになり、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応しておらず、また分針車25がずれていたことになる。
【0129】
これにより、分針車25が基準位置(00分位置)にあると特定する。このときにも、秒針車20が基準位置Hであるかわからないため、上述したように、ステップS30に戻り、ステップS38までの秒針位置検出処理を実行して、秒針車20を8秒位置にして、秒針車20の基準位置H(00秒位置)を特定し、後述するステップS70の時針車27の位置検出処理に進む。
【0130】
また、ステップS58で分針車25が360°回転しても、ステップS57で検出部13による光検出がない場合には、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応し、時針車27が「11時位置」であると想定する。この想定が正しいかどうかを確認するため、秒針車20を30ステップ回転(180°回転)させ(ステップS59)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS60)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による検出があるか否かを判断する(ステップS61)。
【0131】
このとき、検出部13による検出があった場合には、秒針車20の第1光透過孔部21、分針車25の第2光透過孔部28、時針車27の第3光透過孔部29のいずれかの円形孔、中間車23の第4光透過孔部30の全てが、検出部13の検出位置Pと一致していることになり、時針車27が「11時位置」ではなく、秒針車20がずれていたことになる。これにより、分針車25が基準位置(00分位置)にあると特定する。このときにも、秒針車20が基準位置Hであるかわからないため、上述したように、ステップS30に戻り、ステップS38までの秒針位置検出処理を実行して、秒針車20を8秒位置にして、秒針車20の基準位置H(00秒位置)を特定し、後述するステップS70の時針位置検出処理に移行する。
【0132】
また、ステップS61で、検出部13による光検出がない場合には、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応していると特定し、分針車25を1ステップ回転させ(ステップS62)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS63)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があるか否かを判断する(ステップS64)。
【0133】
このとき、検出部13による光検出がなければ、分針車25を1ステップずつ回転させて、分針車25が360°回転したか否かを判断し(ステップS65)、分針車25が360°回転するまで、上記動作を繰り返す。このときに、検出部13による光検出がない場合には、エラー表示し(ステップS66)、検出部13による光検出があった場合には、時針車27が「0時位置」の基準位置であり、分針車25が基準位置(00分位置)にあると特定する。
【0134】
このときにも、秒針車20が基準位置H(00秒位置)であるかかわからないため、秒針位置検出処理のステップS30に戻り、ステップS38までの秒針位置検出処理を実行して、秒針車20を8秒位置にして、秒針車20の基準位置H(00秒位置)を特定し、図21に示すステップS70の時針位置検出処理に移行する。この時針位置検出処理のステップS70では、図21に示すように、分針車25を360°させて時針車27を30°回転させ、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS71)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があるか否かを判断する(ステップ72)。
【0135】
このとき、時針車27が30°回転するごとに検出部13による光検出がある場合には、時針車27の第3光透過孔部29の各円形孔が順番に検出位置Pに対応していることになり、ステップS70に戻り、時針車27の11時位置の第4遮光部29aが検出位置Pに対応するまで、上記動作を繰り返す。そして、検出部13による光検出がなければ、時針車27の第4遮光部29aが検出位置Pに対応して「11時位置」であると特定する。
【0136】
この判断が正しいことを確認するため、再び分針車25を360°回転させて時針車27を30°回転させ(ステップS73)、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS74)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があるかを判断する(ステップS75)。このとき、検出部13による光検出があれば、秒針車20、分針車25、時針車27の全てが、秒針車20の基準位置Hから8秒進んだ位置(0時00分08秒位置)であると判断し、秒針2、分針3、時針4を現在時刻に合わせて(ステップS76)、通常運針に移行させて、この動作フローを終了する。なお、ステップS75で、検出部13による光検出がなければ、エラー表示する(ステップS77)。
【0137】
次に、図22に示す動作フローを参照して、通常運針時における正時ごとに秒針2、分針3、時針の3針が合っているかを確認する針位置確認処理について説明する。
この針位置確認処理は、11時、23時を除く正時ごとに検出部13による検出を行い、検出部13による光検出があった場合、時針4は合っているものとみなし、秒針2が合っているか否かを確認する処理であり、分針3がマイナス1時間未満のずれのみの確認が可能である。また、この針位置確認処理は、10秒経過すると、分針車25が1ステップ回転し、これに伴って中間車23が30°回転して、検出部13の検出位置Pを塞ぐため、10秒以内に秒針2のずれを確認する必要がある。
【0138】
このため、この針位置確認処理は、正時になるとスタートし、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS80)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があったか否かを判断し(ステップS81)、検出部13による光検出がなければ、少なくとも秒針2、分針3、時針4のいずれかが合っていないと判断し、前述した3針位置検出処理に移行する。
【0139】
また、検出部13による検出があれば、秒針車20の第1光透過孔部21が検出部13の検出位置Pに対応していると判断し、前回までの検出部13による未検出回数をクリアして未検出フラグを「0」にし(ステップS82)、秒針車20を1ステップ(6°)の通常回転させて秒針2を通常運針させ(ステップS83)、秒針車20が2ステップ(12°)回転したか否かを判断する(ステップS84)。すなわち、秒針車20が通常運針の1ステップ(6°)回転しただけでは、秒針車20の第2長孔21bが検出部13の検出位置Pから完全に離れないため、秒針車20の2ステップごとに検出部13による光検出を行う。
【0140】
このステップS84で秒針車20が2ステップ回転していなければ、秒針車20が2ステップ回転するまで、秒針2を1ステップ(6°)の通常運針させ、秒針車20が2ステップ回転すると、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS85)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS86)。このとき、検出部13による光検出があると、秒針車20の第1光透過孔21の第1、第2の各長孔21a、21bのいずれかが検出部13の検出位置Pに一致していることになり、秒針車20が合っていないと判断し、前述した3針位置検出処理に移行する。
【0141】
また、ステップS86で、検出部13による光検出がない場合には、図15(b)に示したように、秒針車20の第1、第2の各遮光部21c、21dが検出位置Pに対応していると判断し、検出部13による未検出回数をカウントして未検出フラグに「1」を立て(ステップS87)、この未検出回数が3回連続したか否かを判断する(ステップS88)。このとき、未検出回数が3回連続していなければ、ステップS83に戻り、秒針2を通常運針させてステップS87までの動作を繰り返す。
【0142】
また、ステップS88で、図15(b)の状態から図15(d)の状態のように、正時から6秒経過したときに、未検出回数が3回連続すると、秒針車20の第1遮光部21cが検出位置Pに対応していると判断し、秒針車20を1ステップ(6°)回転させて秒針2を通常運針させる(ステップS89)。そして、秒針車20が次に2ステップ回転したか否かを判断し(ステップS90)、秒針車20が2ステップ回転するまで、秒針2を通常運針させる。
【0143】
そして、秒針車20が2ステップ回転すると、検出部13の発光素子31を発光させ(ステップS91)、この発光素子31の光を受光素子32が受光したか否かを検出することにより、正時から8秒経過した時点で、検出部13による光検出があったか否かを判断する(ステップS92)。このとき、検出部3による光検出がないと、秒針2、分針3、時針4の位置が合っていないと判断し、前述した3針位置検出処理に移行する。また、ステップS92で、図15(e)に示すように、検出部13による光検出があれば、秒針車20の第1長孔21aの一部が検出部13の検出位置Pに対応していることにより、秒針車20の回転位置が合っていると判断して、この動作フローを終了する。
【0144】
このように、この指針式の腕時計における針位置検出装置によれば、異なる長さの第1、第2の各遮光部21c、21dを隔てて設けられた第1、第2の各長孔21a、21bからなる第1光透過孔部21を有する秒針車20と、第2光透過孔部28を有する分針車25と、第3光透過孔部29を有する時針車27と、第1〜第3の各光透過孔部21、28、29を光が透過したか否かを検出して秒針車20、分針車25、時針車27の各回転位置を判断する光透過孔部検出手段(検出部13、CPU35)と、秒針車20を予め定められた回転角(12°)で回転させ、秒針2の運針方向と反対側に位置する第2遮光部21eによって光透過孔部検出手段による光検出がない未検出状態の連続回数が予め定められた回数(3回)になった後に、次に秒針車20の第2長孔21bを光透過孔部検出手段が検出した位置を、秒針車20の基準位置から予め定められた時間進んだ位置とする秒針基準位置検出手段(CPU35、ステップS1〜S9、S30〜S38)と、備えていることにより、秒針車20の回転位置を正確に且つ確実に特定することができる。
【0145】
すなわち、この針位置検出装置では、秒針車20が12°ずつ回転する際に、光透過孔部検出手段の検出部13による未検出状態が、秒針車20の第1、第2の各遮光部21c、21dによって異なることにより、第2長孔21bから第1長孔21aまでの間に位置する第1遮光部21cにおける未検出状態を未検出回数としてカウントし、そのカウント数が予め設定された回数(3回)であった後に、次に第1長孔21aを検出部13が最初に検出した位置を、秒針2の基準位置H(00秒位置)から予め定められた時間(8秒位置)であると判断することができる。このため、電子回路の演算処理が容易にできるほか、秒針車20の位置を特定するまでの時間および秒針車20の時刻を修正する時間を短縮することができると共に、秒針車20の回転位置を正確に且つ確実に特定することができる。
【0146】
この場合、秒針車20の第1光透過孔部21は、異なる長さの第1、第2の各遮光部21d、21eを隔てて設けられた第1、第2の各長孔21a、21bを備えていることにより、第1、第2の各長孔21a、21bを十分に長く形成すことができ、これにより秒針車20の第1光透過孔部21を発光素子31と受光素子32とからなる検出部13で光学的に検出する際に、第1、第2の各長孔21a、21bを透過する光の透過許容量を多くすることができるので、秒針車20を高速で回転させても、正確に秒針車20の回転位置を検出することができる。
【0147】
また、この針位置検出装置では、秒針車20が1秒(1ステップ)ごとに一定角度(6°)で回転して秒針2を運針させる通常運針制御手段(CPU35、ステップS83、S89)と、この通常運針制御手段の制御により秒針2を運針させているときにおいて、秒針2の運針方向と反対方向側に位置する第1遮光部21cによって、光透過孔部検出手段の検出部13による光検出がない未検出状態の連続回数が、予め定められた未検出回数(3回)になった後に、次に秒針車20の第1長孔21aを光透過孔部検出手段の検出部13が検出したときに、秒針2の針位置が合っていると判断する針位置確認手段(CPU35、ステップS84〜S88)と、を備えていることにより、1時間未満の針合わせであれば、通常運針時に秒針2が合っているか否かを8秒で確認することができ、これにより秒針2が合っているか否かを10秒以内に効率良く確認することができる。
【0148】
この場合、秒針車20は1秒(1ステップ)で6°回転するだけでは、第2長孔21bが光透過孔部検出手段における検出部13の検出位置Pから完全に離れず、秒針車20が所定の回転角(12°:2秒)だけ回転すると、第2長孔21bが検出部13の検出位置Pから完全に離れるので、検出部13が同じ第2長孔21bを2度続けて検出する誤検出を防ぐことができる。また、通常運針時に秒針2の針位置が合っているか否かを確認する際、10秒経過すると、分針車25が1°回転し、これに伴って中間車23が30°回転して第4透過孔部30が検出位置Pからずれて中間車23が検出位置Pを塞ぐことになるので、10秒以内に秒針2の針位置を検出する必要がある。このため、1時間未満の針合わせであれば、通常運針時に秒針2の針位置が合っているか否かを8秒で確認することができるので、秒針2の針位置を効率良く且つ速やかに確認することができる。
【0149】
また、この針位置検出装置では、光透過孔部検出手段による光検出がない未検出状態の連続回数が予め定められた回数(3回)を越えたときに、分針車25の第2光透過孔部28と時針車27の第3光透過孔部29のいずれの円形孔とが光透過孔部検出手段の検出部13の検出位置Pからずれていると判断するずれ判断手段(CPU35、ステップS9、S38)を備えていることにより、分針3と時針4との針位置が合っていないことを速やかに判断することができる。すなわち、ずれ判断手段は、秒針車20の第1遮光部21cに対する検出部13の未検出状態が3回連続した後に、次に第1長孔21aを検出部13が検出した位置が、秒針車20の基準位置(00秒位置)から予め定められた時間(8秒)進んだ位置であると判断することにより、検出部13による未検出状態が4回連続したときに、分針車25と時針車27とが検出部13の検出位置Pからずれていることを判断することができる。これにより、秒針車20を不必要に回転させる必要がなく、効率良く分針3、時針4の針位置のずれを判断することできる。
【0150】
さらに、この針位置検出装置では、秒針車20における第1光透過孔部21の第1、第2長孔21a、21bのいずれもが光透過孔部検出手段の検出部13による検出位置Pに対応していない状態で、秒針車20を180°回転させて、第1光透過孔部21の第1、第2長孔21a、21bのいずれかを検出位置Pに対応させる孔位置対応手段(CPU35、ステップS45〜S47、S52〜S54、S59〜S61)を備えていることにより、分針車25と時針車27の各回転位置を検出する際に、光透過孔部検出手段による光検出がない未検出状態で、秒針車20を180°回転させても、光透過孔部検出手段による光検出がない未検出状態である場合に、分針車25と時針車27とのいずれかがずれていることを、秒針車20の180°の回転動作によって速やかに判断することができ、これにより位置検出に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0151】
すなわち、秒針車20の第1遮光部21cは、その対角線上に位置する第1光透過孔部21の第2長孔21bの一部に対応しており、第2遮光部21dは、その対角線上に位置する第1光透過孔部21の第1長孔21aの一部に対応していることにより、第1、第2遮光部21c、21dが検出部13の検出位置Pに対応している状態で、秒針車20を180°回転(半回転)させると、必ず第1光透過孔部21を検出位置Pに対応させることができる。
【0152】
一方、この腕時計の針位置検出装置によれば、第1光透過孔部21を有する秒針車20と、基準位置に設けられた1つの円形孔からなる第2光透過孔部28を有する分針車25と、基準位置から円周に沿って30°間隔で設けられた11個の円形孔からなる第3光透過孔部29を有する時針車27と、第2光透過孔部28の1つの円形孔が基準位置において対応する1つの円形孔からなる第4光透過孔部30を有する中間車23と、第1〜第3の各光透過孔部21、28、29を光が透過したか否かを検出して秒針車20、分針車25、時針車27の各回転位置を判断する光透過孔部検出手段(検出部13、CPU35)と、分針車25が1回転して第2光透過孔部28の1つの円形孔と中間車23の第4光透過孔部30の1つの円形孔とが対応して光透過孔部検出手段による光検出があった位置を、分針車25の基準位置とする分針基準位置検出手段(CPU35、ステップS15〜S17、S41〜S44、S48〜S51、S55〜S58、S62〜S65)と、を備えていることにより、分針車25を1回転させるだけで、分針車25の基準位置を容易に且つ確実に検出することができる。
【0153】
この場合、この針位置検出装置では、分針車25が1回転して時針車27が30°回転するごとに、分針車25の第2光透過孔部28の円形孔が時針車27の第3光透過孔部29における11個の円形孔に順次対応して、光透過孔部検出手段の検出部13による光検出があった位置を時針車27の正時位置とする正時位置判断手段(CPU35、ステップS18〜S20、S70〜S72)を備えていることにより、分針車25を1回転させて時針車27を30°回転させるだけで、時針車27が正時位置であるか否かを速やかに判断することができる。
【0154】
また、この針位置検出装置では、時針車27の第3光透過孔部29における基準位置の円形孔と11個目の円形孔との間に設けられた遮光部29aが、光透過孔部検出手段における検出位置Pに対応して光透過孔部検出手段の検出部13による光検出がない未検出状態の後に、次に時針車27の第3光透過孔部29における基準位置の円形孔を光透過孔部検出手段の検出部13が光検出した位置を、時針車27の基準位置とする時針基準位置検出手段(CPU35、ステップS20〜S23、S72〜S75)を備えていることにより、時針車27の基準位置を容易に且つ確実に検出することができる。
【0155】
この場合、時針車27の第4遮光部29aが光透過孔部検出手段における検出位置Pに対応して光透過孔部検出手段の検出部13による光検出がない未検出状態の位置を、基準位置(0時位置)の30°手前の位置つまり11時位置とする11時位置判断手段(CPU35、S20、S72)を備えていることにより、時針車27が1回転する間に、時針車27の11時位置を速やかに且つ確実に特定することができる。また、この状態で、時針車27が更に30°回転して第3光透過孔部29の円形孔を光透過孔部検出手段の検出部13が光検出した位置を時針車27の基準位置(0時位置)であると特定することができるので、時針車27が基準位置(0時位置)であるか否かを正確に且つ確実に判断することができる。
【0156】
なお、上述した実施形態では、秒針車20に第1光透過孔部21の第1遮光部21cを第1、第2の各長孔21a、21bの間に48°の間隔で形成した場合について述べたが、これに限らず、例えば図24に示す第1変形例のように、秒針車20における第1光透過孔部40の第1遮光部40cを36°の狭い間隔で形成した構成でも良い。
【0157】
すなわち、この第1変形例の秒針車20は、図24に示すように、第1光透過孔部40の第2長孔40bを上述した実施形態と同じ長さで形成し、第1長孔40aを上述した実施形態よりも12°の角度だけ長く形成することにより、第1遮光部40cを上述した実施形態よりも12°の角度だけ短い36°の狭い間隔で形成した構成になっている。この場合にも、第1遮光部40cは、その対角線上に位置する第2長孔40bの一部に対応するように構成されている。また、第2遮光部40dは、その対角線上に位置する第2長孔40bの基準位置H(0°位置)に対応するように構成されている。
【0158】
このような秒針車20によれば、第1光透過孔部40の第2長孔40bにおける基準位置H(0°位置)と第1長孔40aとの間の第1遮光部40cが、36°程度の角度に対応する間隔で形成されていることにより、秒針車20が1ステップ(6°)ずつ回転して秒針2が通常運針する際、秒針車20が4ステップ(24°)回転すると、第1遮光部40cが検出位置Pを通過し、次の2ステップ回転(6秒目)で第1長孔40aを検出位置Pに対応させることができ、これにより秒針車20の回転位置を6秒で確認することができる。
【0159】
すなわち、第1光透過孔部40の第2長孔40bの基準位置Hと第1長孔40aとの間の第1遮光部40cが、36°程度の間隔に形成されていることにより、第1遮光部40cに対する検出部13による未検出状態をカウントする際に、秒針車20を2ステップ(12°)ずつ回転させることにより、未検出状態が2回連続した後、次に第1長孔40aを検出部13が検出した位置が、秒針車20の基準位置H(00秒位置)よりも6秒進んだ位置であると判断することができる。
【0160】
これにより、秒針車20の基準位置Hを前述した実施形態よりも2秒速く特定することができ、より一層、検出速度を上げることができると共に、1時間未満の針合わせであれば、通常運針時に秒針2の針位置が合っているか否かを前述した実施形態よりも速く確認することができる。また、この秒針車20においても、第1、第2の各遮光部40c、40dのいずれかが検出部13の検出位置Pに対応している状態で、秒針車20を30ステップ(180°)回転させると、必ず第1光透過孔部40の第2長孔40bの一部が検出部13の検出位置Pに対応するように構成されているので、前述した実施形態と同様の作用効果ある。
【0161】
また、上述した実施形態では、秒針車20における第1光透過孔部21が第1、第2の各長孔21a、21bの間に第1遮光部21cのみを設けた構成である場合について述べたが、これに限らず、例えば図25に示す第2変形例のように、第1遮光部21cの所定箇所に基準孔21eを設けた構成でも良い。この場合、基準孔21eは、円形孔であり、その直径が第1、第2の各長孔21a、21bの孔幅(秒針車20の中心部から放射方向の長さ)と同じ大きさに形成されている。
【0162】
すなわち、この基準孔21eは、秒針車20の基準位置H(0°位置)に位置している。これにより、第1遮光部21cは、基準孔21eから運針方向と反対側に位置する部分21c−1の長さが、秒針車20の基準孔21eから第1長孔21aまでの長さ(36°)で、実質的に24°の角度に対応する長さに形成されている。また、この第1遮光部21cは、基準孔21eから運針方向側に位置する部分21c−2の長さが、秒針車20の基準孔21eから第2長孔21bまでの長さ(36°)で、実質的に12°の角度に対応する長さに形成されている。
【0163】
このため、この秒針車20は、基準孔21eに検出部13が対応した状態から、2ステップずつ回転させたときに、検出部13による未検出回数が2回連続し、次のステップで光検出ができたときに、秒針車20が6秒位置であると判断され、この位置から6秒前の位置または54秒後の位置が秒針車20の基準位置H(基準孔21e)であると特定されるように構成されている。
【0164】
このような基準孔21eを有する秒針車20においても、上述した実施形態と同様、秒針位置を特定するまで時間および秒針2の時刻を修正する時間を短縮することができると共に、秒針車20の回転位置を正確に且つ確実に特定することができるほか、秒針車20を組み付ける際に、基準孔21eによって秒針車20の回転位置を位置合わせすることができるので、秒針車20を良好に且つ正確に組み付けることができ、これにより生産性の向上を図ることができる。
【0165】
なおまた、上述した実施形態およびその各変形例では、指針式の腕時計に適用した場合について述べたが、必ずしも腕時計である必要はなく、例えばトラベルウオッチ、目覚まし時計、置き時計、掛け時計などの各種の指針式の時計に適用することができる。
【符号の説明】
【0166】
1 時計モジュール
2 秒針
3 分針
4 時針
5 文字板
8 時計ムーブメント
11 第1駆動系
12 第2駆動系
13 検出部
17 第1ステッピングモータ
18 五番車
20 秒針車
21、40 第1光透過孔部
21a、21b、40a、40b 第1、第2の各長孔
21c、21d、40c、40d 第1、第2の各遮光部
21e 基準孔
22 第2ステッピングモータ
23 中間車
24 三番車
25 分針車
26 日の裏車
27 時針車
28 第2光透過孔部
29 第3光透過孔部
29a 第4遮光部
30 第4光透過孔部
31 発光素子
32 受光素子
35 CPU


【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる長さの第1、第2の各遮光部、およびこれら第1、第2の各遮光部を隔てて設けられた第1、第2の各長孔からなる第1光透過孔部を備えている秒針車と、
この秒針車に同一軸上で配置され、且つ第2光透過孔部を備えている分針車と、
前記秒針車および前記分針車に同一軸上で配置され、且つ第3光透過孔部を備えている時針車と、
前記第1〜第3の各光透過孔部を光が透過したか否かを検出して前記秒針車、前記分針車、前記時針車の各回転位置を判断する光透過孔部検出手段と、
前記秒針車を予め定められている回転速度で回転させ、前記光透過孔部検出手段による光検出がない未検出状態の連続回数が予め定められた回数になった後に、次に前記秒針車における前記第1長孔を前記光透過孔部検出手段が最初に検出した位置を、前記秒針車の基準となる特定位置とする秒針基準位置検出手段と、
前記秒針車が1秒ごとに一定角度で回転して秒針を運針させる通常運針制御手段と、
この通常運針制御手段の制御により前記秒針を運針させているときにおいて、前記光透過孔部検出手段による光検出がない未検出状態の連続回数が前記予め定められた回数になった後に、次に前記秒針車における前記第1長孔を前記光透過孔部検出手段が検出したときに、前記秒針の針位置が正しいと判断する針位置確認手段と、
を備えていることを特徴とする針位置検出装置。
【請求項2】
前記秒針車は、前記第1、2の各長孔の間に位置する前記第1、第2の各遮光部のうち、前記光透過孔部検出手段による光検出がない未検出状態が前記予め定められた回数連続する前記第1遮光部に基準孔が設けられ、この基準孔の両側が異なる長さに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の針位置検出装置。
【請求項3】
前記光透過孔部検出手段による光検出がない前記未検出状態の連続回数が、前記予め定められた回数を越えたときに、前記分針車の前記第2光透過孔部と前記時針車の前記第3光透過孔部とが前記光透過孔部検出手段における検出位置からずれていると判断するずれ判断手段を更に備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載に針位置検出装置。
【請求項4】
前記秒針車の前記第1光透過孔部における前記基準孔を含む前記第1、第2の各長孔のいずれもが前記光透過孔部検出手段における検出位置に対応していない状態で、前記秒針車を180度回転させて、前記第1光透過孔部における前記基準孔を含む前記第1、第2の各長孔のいずれかを前記検出位置に対応させる孔位置対応手段を更に備えていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の針位置検出装置。
【請求項5】
第1光透過孔部を備えている秒針車と、
この秒針車に同一軸上で配置され、且つ基準位置に設けられた1つの光検出孔からなる第2光透過孔部を備えている分針車と、
前記秒針車および前記分針車に同一軸上で配置され、且つ基準位置から円周に沿って30度の角度間隔で11個の光検出孔が設けられた第3光透過孔部を備えている時針車と、
前記分針車における前記第2光透過孔部の1つの光検出孔が前記基準位置において対応する1つの光検出孔からなる第4光透過孔部を備えている中間車と、
前記第1〜第3の各光透過孔部を光が透過したか否かを検出して前記秒針車、前記分針車、前記時針車の各回転位置を判断する光透過孔部検出手段と、
前記分針車が1回転して前記第2光透過孔部の1つの光検出孔と前記中間車の前記第4光透過孔部の1つの光検出孔とが対応して前記光透過孔部検出手段による光検出があった位置を、前記分針車の基準位置とする分針基準位置検出手段と、
を備えていることを特徴とする針位置検出装置。
【請求項6】
前記分針車が1回転して前記時針車が30度回転するごとに、前記分針車の前記第2光透過孔部の光検出孔が前記時針車の前記第3光透過孔部における前記11個の各光検出孔に順次対応して、前記光透過孔部検出手段による光検出があった位置を、前記時針車の正時位置とする正時位置判断手段を更に備えていることを特徴とする請求項5に記載の針位置検出装置。
【請求項7】
前記時針車の前記第3光透過孔部における前記基準位置の光検出孔と前記11個目の光検出孔との間に設けられた遮光部が前記光透過孔部検出手段における検出位置に対応して前記光透過孔部検出手段による光検出がない未検出状態の後に、次に前記時針車の前記第3光透過孔部における基準位置の光検出孔を前記光透過孔部検出手段が光検出した位置を、前記時針車の基準位置とする時針基準位置検出手段を更に備えていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の針位置検出装置。
【請求項8】
前記時針車の前記遮光部が前記光透過孔部検出手段における検出位置に対応して前記光透過孔部検出手段による光検出がない位置を、11時位置と判断する11時位置判断手段を更に備えていることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載の針位置検出装置。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate


【公開番号】特開2011−180087(P2011−180087A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46851(P2010−46851)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】