説明

釣り情報表示装置の取付用具

【課題】釣り情報表示装置において、釣竿を上下に動かす動作に支障をきたすことなく、釣人が釣座を移動したときにおいても釣り情報表示装置を視認できるようにする。
【解決手段】取付用具70は、釣り情報表示装置60を釣人の上腕部に着脱自在に取り付けるための部材であって、表示部63が外部に露出するように釣り情報表示装置60全体が着脱自在に装着される袋状の本体部71と、本体部71に設けられ釣人の上腕部に巻き付けることにより上腕部Aに着脱自在に取付可能なベルト状の取付部72とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付用具、特に、釣りに関する各種の情報を表示する表示部を有する釣り情報表示装置を取り付けるための釣り情報表示装置の取付用具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、釣り用リールは、リール本体と、リール本体に装着されたスプールと、スプールを回転させるハンドルと、リール本体の上部に装着されるカウンタケースと、カウンタケースの上面に設けられ水深表示用の表示部を有する表示装置とを備えている。表示部は、たとえば液晶ディスプレイであり、棚位置や現在の仕掛けの水深等のリールに関する情報を表示することができる。
【0003】
この種の表示装置を有する釣り用リールでは、カウンタケースの表示部にはリールに関する情報が表示される。しかし、近年、リールに関する情報が増加し、表示部に全ての情報を表示することが困難になりつつある。そこで、リールに関する情報を表示可能な表示部を有する釣り情報表示装置をリールの外部に設け、釣り船の船縁に着脱自在に装着したものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。この釣り情報表示装置は、リールに関する情報を表示させるだけでなく、魚群探知機や全地球測位システム(GPS)等からの釣りに関する情報を表示させることができる。また、魚群探知機等からの釣りに関する情報を表示する釣り情報表示装置には、釣り情報表示装置を釣竿に着脱自在に装着したり、釣り情報表示装置を釣人の手首に着脱自在に装着したものが知られている(たとえば、特許文献2−4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4221281号公報
【特許文献2】特開平11−23708号公報
【特許文献3】特開2002−272338号公報
【特許文献4】特開2005−331323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の釣り情報表示装置は、釣り船の船縁の所定の位置に装着されているので、釣人が釣竿を持って釣座を移動したときには、釣り情報表示装置を視認できなくなることがある。また、釣竿や釣人の手首に釣り情報表示装置が装着されている場合には、釣人が釣竿を脇に抱えて釣竿を上下に動かすジギング等の魚とやりとりを行っている最中には、釣竿や釣人の手首が激しく動くために、釣竿や釣人の手首に装着された釣り情報表示装置を視認することができなくなるおそれが生じる。特に、釣人の手首に釣り情報表示装置が装着されている場合には、釣竿を上下に動かす動作の邪魔になったり、釣り情報表示装置を船縁等にぶつけてしまうおそれがある。
【0006】
本発明の課題は、釣り情報表示装置において、釣竿を上下に動かす動作に支障をきたすことなく、釣人が釣座を移動したときにおいても釣り情報表示装置を視認できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明1に係る釣り情報表示装置の取付用具は、釣りに関する各種の情報を表示する表示部を有する釣り情報表示装置を取り付けるための釣り情報表示装置の取付用具であって、釣人の上腕部に配置され、表示部が外部に露出するように釣り情報表示装置全体が着脱自在に装着される袋状の本体部を備えている。
【0008】
この取付用具では、袋状の本体部に釣り情報表示装置全体を装着し、釣人の上腕部に本体部を配置することにより、釣人の上腕部に釣り情報表示装置を取り付けるようになっている。ここでは、釣人の上腕部に釣り情報表示装置を取り付けることができるので、釣人が釣竿を持って釣座を移動したときでも、釣人の上腕部に装着された釣り情報表示装置を視認できる。さらに、釣り情報表示装置を釣人の上腕部に装着した状態で釣竿を上下に動かす動作を行っても、釣人の上腕部の動きは釣竿や釣人の手首の動きに比して振り幅が小さくなっているので、釣竿を上下に動かす動作の邪魔になったり、釣り情報表示装置を船縁等にぶつけてしまうことが起こりにくくなる。したがって、釣竿を上下に動かす動作に支障をきたすことなく、釣人が釣座を移動したときにおいても釣り情報表示装置を視認できる。
【0009】
発明2に係る取付用具は、発明1の取付用具において、本体部に設けられ、上腕部に巻き付けることにより上腕部に着脱自在に取付可能なベルト状の取付部をさらに備える。この場合、ベルト状の取付部により釣人の上腕部に釣り情報表示装置を着脱自在に取り付けるようになっているので、釣り情報表示装置を使用しないときは、取付用具ごと釣人の上腕部から容易に取り外すことができる。
【0010】
発明3に係る取付用具は、発明1又は2の取付用具において、本体部は、少なくとも表示部の表示面と対向する面を含む部分が透過性を有する部材により形成され、外部から表示部が視認可能な窓部を有している。この場合、たとえば透過性を有する透明なシートからなる窓部を設けることによって、釣り情報表示装置全体を袋状の本体部に入れた状態で外部から表示部を視認することができるので、釣り情報表示装置全体を保護できる。
【0011】
発明4に係る取付用具は、発明1から3のいずれかの取付用具において、取付部は、表面に形成された面ファスナによって上腕部に取り付固定する。この場合、面ファスナによって、釣り情報表示装置の上腕部への脱着が容易になる。
【0012】
発明5に係る取付用具は、発明1から4のいずれかの取付用具において、取付部は、ベルトの長さを調節可能な長さ変更手段を有している。この場合、ベルトの長さを調節可能な長さ変更手段により、釣人によって上腕部の太さが異なっていても、ベルトの長さを適切な長さに変更できる。
【0013】
発明6に係る取付用具は、発明1から5のいずれかの取付用具において、本体部及び取付部は、撥水性を有する部材により形成されている。この場合、撥水加工が施された生地によって本体部及び取付部が形成されているので、本体部及び取付部に海水等が付着しにくくなり、本体部及び取付部を傷めにくくなる。
【0014】
発明7に係る取付用具は、発明1から6のいずれかの取付用具において、本体部は、釣り情報表示装置全体を装着した状態で開口部を閉塞し密封する密封手段を有している。この場合、防水構造を備えていない釣り情報表示装置を装着したときでも、開口部を閉塞し密封する密封手段によって、開口部内部の釣り情報表示装置が浸水しにくくなる。
【0015】
発明8に係る取付用具は、発明7の取付用具において、密封手段は、開口部に形成された線ファスナである。この場合、たとえばスライドファスナ等の線ファスナを設けることによって、簡素な構成で密封手段を形成できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、釣り情報表示装置の取付用具において、釣人の上腕部に配置され、表示部が外部に露出するように釣り情報表示装置全体が着脱自在に装着される袋状の本体部を有しているので、釣竿を上下に動かす動作に支障をきたすことなく、釣人が釣座を移動したときにおいても釣り情報表示装置を視認できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態による釣り情報表示装置が接続される電動リールの正面図。
【図2】釣り情報表示装置と電動リール及び魚群探知機との接続を示すブロック図。
【図3】前記釣り情報表示装置の正面図。
【図4】前記釣り情報表示装置を取付用具に入れたときの斜視図。
【図5】前記釣り情報表示装置を釣人の上腕部に装着したときの模式図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態が採用された釣り情報表示装置60は、図2及び図3に示すように、外部の電動リール100(図1及び図2参照)や魚群探知機90(図2参照)から送信されたリールに関する各種の情報を表示するための比較的小型の表示装置である。
【0019】
電動リール100は、図1及び図2に示すように、釣竿Rに装着されるリール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用のハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを主に備えている。
【0020】
リール本体1は、図1に示すように、左右1対の第1側板7a及び第2側板7bとそれらを連結する複数の連結部材8とからなるフレーム7と、フレーム7の左右を覆う左右の第1側カバー9a及び第2側カバー9bとを有している。ハンドル2側(図1の右側)の第2側カバー9bには、ハンドル2の回転軸が回転自在に支持されている。
【0021】
リール本体1の内部には、図1に示すように、ハンドル2に連結されたスプール10が回転自在に支持されている。スプール10の内部には、スプール10を糸巻き上げ方向に回転駆動する直流駆動のモータ12が配置されている。また、リール本体1のハンドル2側の側面には、クラッチレバー11と、速度変更レバー13とが配置されている。クラッチレバー11は、第2側カバー9bのスプール10の回転軸の後上方に設けられ、ハンドル2と、モータ12及びスプール10との駆動伝達をオン、オフするレバー部材である。速度変更レバー13は、第2側カバー9bのスプール10の回転軸の前上方に設けられ、モータ12の回転をオン、オフするとともに、モータ12の回転を停止状態から最大回転状態まで揺動により指定するためのレバー部材である。
【0022】
リール本体1の上部には、図1に示すように、カウンタケース4が固定されている。カウンタケース4の上面には、仕掛けの水深や棚位置を水面からと底からとの2つの基準で表示するための液晶ディスプレイからなる表示部5と、表示部5の周囲に配置された操作部6とを有している。
【0023】
カウンタケース4内の上部には、図2に示すように、表示部5と、表示制御及びモータ御を行う制御部30とが配置されている。カウンタケース4内の下部にはモータ12をPWM駆動するPWM駆動回路31が配置されている。またカウンタケース4内の下部には、ブザー40とスプールセンサ41とが配置されている。
【0024】
制御部30は、カウンタケース4内に配置されたCPU、RAM、ROM、I/Oインターフェイス等を含むマイクロコンピュータを含んでいる。制御部30は、制御プログラムに従って表示部5の表示制御やモータ駆動制御等の各種の制御動作を実行する。制御部30には、図2に示すように、操作部6の各種のスイッチと、スプール10の回転方向及び回転数(回転位置データ)を検出するためのスプールセンサ41及びスプールカウンタ42と、速度変更レバー13とが接続されている。また、制御部30には、ブザー40と、PWM駆動回路31と、表示部5と、記憶部43と、通信部44と、他の入出力部とが接続されている。
【0025】
PWM駆動回路31は、モータ12を駆動するための駆動素子としてのFETを含んでいる。PWM駆動回路31は、制御部30によりデューティ比が制御されてモータ12を速度又は張力可変に駆動する。
【0026】
スプールセンサ41は、前後に並べて配置された2つのリードスイッチから構成されている。リードスイッチは、スプール10に連動して回転する磁石ホイールに装着された2個の磁石を検出する。この検出パルスをスプールカウンタ42で計数することでリールの回転数を検出できる。また、いずれのリードスイッチが先に検出パルスを発したかによりスプール10の回転方向を検出できる。
【0027】
スプールカウンタ42は、スプールセンサ41のオンオフ回数を計数するカウンタであり、この計数値によりスプール回転数に関する回転位置データやスプール回転速度が得られる。スプールカウンタ42は、スプール10が正転(糸繰り出し方向の回転)すると計数値が減少し、逆転すると増加する。
【0028】
記憶部43は、たとえばEEPROM等の不揮発メモリからなり、学習結果のデータや糸長算出時に使用する各種のデータ等が記憶されている。
【0029】
通信部44は、電動リール100の外部に設けられた釣り情報表示装置60の後述する通信部65(図2参照)と各種の情報を送受信可能である。
【0030】
釣り情報表示装置60は、図3に示すように、本体部64と、本体部64に装着され各種の情報を表示可能な表示部63と、表示部63の下側に配置され各種の操作を行う操作部62と、本体部64の内部に配置され各種のデータを記憶する記憶部66とを有している。
【0031】
釣り情報表示装置60の内部には、図2に示すように、表示制御等を行うCPU、RAM、ROM、I/Oインターフェイス等を含むマイクロコンピュータからなる制御部61を有している。制御部61には、通信部65、操作部62の各種キー、各種の表示を行うための表示部63、各種のデータを記憶する記憶部66が接続されている。記憶部66には、たとえば複数の誘いデータ等の各種のデータが保持され、これらのデータを元に釣人が釣り情報表示装置60の操作部62を操作することにより、通信部65、通信部44、制御部30を介してリールの制御である棚停止機能、誘い機能や自動しゃくり機能等の制御を行うことができる。
【0032】
操作部62は、表示部63の表示制御等の各種の制御を行うスイッチである。操作部62は、表示部63の下側に4個のボタンが横方向に並べて配置されており、左側から右側に向かって、「決定」、「キャンセル(戻る)」、「上」、「下」の機能を有するスイッチである。これらの操作部62を操作することによって、各種の設定が行われる。操作部62は、釣り情報表示装置60側の制御だけでなく、電動リール100側の制御を行うことができる。たとえば操作部62の操作により、棚停止等の制御を行ったり、モータ12の回転制御等を行うことができる。
【0033】
表示部63は、ドットマトリックス方式の液晶ディスプレイであって、たとえばカラーTFT方式の液晶ディスプレイである。表示部63は、電動リール100の表示部5で表示可能な水深情報と、表示部5で表示可能な水深情報以外のリールに関する情報の他部分の情報との両方の情報が表示可能である。表示部63は、水深表示モードのときは、図3に示すように、左側に配置された3桁のドット数字表示の水深表示領域と、その下方に配置されたドット数字表示の気圧表示領域と、気圧表示領域の下側に配置された仕掛回収表示領域とを有している。また、表示部63は、メニュー表示モードのときは、図4に示すように、「XXX(釣り情報表示装置60の機種名)」、「カメラ」、「設定」、「ヘルプ」の4つのメニューアイコンをドット表示可能である。また、表示部63は、情報モードのときは、ヘルプ表示や、誘いデータに関する設定や、各種の設定を行うためのオプション情報が表示可能である。このオプション情報表示画面では、水深情報以外の付加的な情報を表示したり、各種の設定を行うことができる。
【0034】
通信部65は、図2に示すように、電動リール100に設けられた通信部44及び魚群探知機90の通信部と無線通信可能である。また、釣り情報表示装置60と図示しない外部電源とは、鰐口式のコードにより連結され、これにより電力が供給されている。
【0035】
本体部64は、図3に示すように、各種の電気部品が収納される図3裏側の合成樹脂製のケース部材と、表示部63が設けられる図3表側の合成樹脂製のケース部材とを有する縦長小型のボックス形状のケース部材である。本体部64は、表示部63側の表側ケースと逆側の裏側ケースとにより構成されており、内部に図示しない防水部材が介装されることによって、本体部64の内部に浸水するのを防止できる。
【0036】
取付用具70は、図4及び図5に示すように、釣り情報表示装置60を釣人Pの上腕部A(図5では左腕の上腕部A)に着脱自在に取り付けるための部材であって、表示部63が外部に露出するように釣り情報表示装置60全体が着脱自在に装着される袋状の本体部71と、本体部71に設けられ釣人Pの上腕部A(図3参照)に巻き付けることにより上腕部Aに着脱自在に取付可能なベルト状の取付部72とを有している。
【0037】
本体部71は、図4に示すように、釣り情報表示装置60が装着可能な袋状の部材であって、表示部63の表示面と対向する面が透過性を有する透明なシートにより形成され外部から表示部63が視認可能な窓部71bと、窓部71bの下側に横方向に向かって切り込まれて形成され釣り情報表示装置60の上側から装着可能な開口部71aとを有している。窓部71bは、表示部63の表示面全体(図4では、本体部64の表面全体)を覆うように矩形に形成された透明なシートであって、外部から表示部63が視認可能である。開口部71aは、窓部71bの下側に形成され、窓部71bの下側部分が二重に折り重なって開口部71aが外部に露出しないようになっている。ここでは、窓部71bの下側部分を開いて開口部71aを露出させた状態で開口部71aから釣り情報表示装置60の上側部分から装着し、釣り情報表示装置60全体が装着されたときに、窓部71bの下側部分を折り重なるようにして開口部71aが外部に露出しないようにする。ここでは、図5に示すように、釣り情報表示装置60の上側部分が、釣人Pの上腕部Aの下側(下腕部側)に向くように配置されるとともに、釣り情報表示装置60の下側部分(操作部62配置側)が、釣人Pの上腕部Aの上側(肩部側)に向くように配置される。このため、本体部71の開口部71aが釣人Pの上腕部Aの上側(肩部側)に向くように配置されるので、釣り情報表示装置60が脱落しにくくなる。
【0038】
取付部72は、図4に示すように、本体部71の側部両側に設けられ釣人Pの上腕部Aに巻き付けるベルト部材であって、本体部71の側部左側に連結された第1ベルト部72aと、本体部71の側部右側に連結された第2ベルト部72bとを有している。第1ベルト部72a及び第2ベルト部72bは、本体部71の側部長さに比して短い幅広布製のベルト部材である。第1ベルト部72aは、第2ベルト部72bに比して短く形成されている。第1ベルト部72aの先端部(図4左端)は、角カンからなるベルト送り部73が離脱不能に装着されるように袋状に形成されている。第1ベルト部72aの先端部(図4右端)は、表面全体に面ファスナのフック面からなる係止部74が形成され、第1ベルト部72aの基端部(図4左側、本体部71側)は、表面全体に面ファスナのループ面からなる係止部74が係止可能な被係止部75が形成されている。係止部74は、被係止部75に比して長く形成されている。ここでは、本体部71、取付部72の第1ベルト部72a及び第2ベルト部72bを釣人Pの上腕部Aに巻き付け、第2ベルト部72bを第1ベルト部72aの先端部のベルト送り部73に挿通して折り返して引っ張ることで取付部72を締め付け、適切な位置で面ファスナの係止部74を被係止部75に係止して固定する。ここでは、取付部72は、第1ベルト部72a、第2ベルト部72b、ベルト送り部73、係止部74及び被係止部75の構成を有していることにより、ベルトの長さを調節可能である。
【0039】
本体部71及び取付部72は、撥水性を有する部材を縫製することにより一体的に形成されている。窓部71bを除く本体部71及び取付部72は、撥水加工が施された同一種類の生地によって一体的に形成されている。本体部71は、釣り情報表示装置60の外形に沿った袋状の矩形部分と、矩形部分と取付部72の第1ベルト部72a及び第2ベルト部72bとを滑らかに連結する湾曲部分とで構成されている。本体部71の裏側は、釣人Pの上腕部Aに巻き付け可能に湾状にカーブした形状を保持するように形成されている。
【0040】
このような釣り情報表示装置60を釣人Pの上腕部Aに着脱自在に取り付けるための取付用具70では、袋状の本体部71に釣り情報表示装置60全体を装着し、ベルト状の取付部72を釣人Pの上腕部Aに巻き付けることにより、釣人Pの上腕部Aに釣り情報表示装置60を取り付けるようになっている。具体的には、本体部71、取付部72の第1ベルト部72a及び第2ベルト部72bを釣人Pの上腕部Aに巻き付け、第2ベルト部72bを第1ベルト部72aの先端部のベルト送り部73に挿通して折り返して引っ張ることで取付部72を締め付け、適切な位置で面ファスナの係止部74を被係止部75に係止して固定するようになっている。ここでは、釣人Pの上腕部Aに釣り情報表示装置60を取り付けることができるので、釣人Pが釣竿を持って釣座を移動したときでも、釣人Pの上腕部Aに装着された釣り情報表示装置60を視認できる。釣り情報表示装置60を釣人Pの上腕部Aに装着した状態で釣竿を上下に動かす動作を行っても、釣人Pの上腕部Aの動きは釣竿や釣人Pの手首の動きに比して振り幅が小さくなっているので、釣竿を上下に動かす動作の邪魔になったり、釣り情報表示装置60を船縁等にぶつけてしまうことが起こりにくくなる。したがって、釣竿を上下に動かす動作に支障をきたすことなく、釣人Pが釣座を移動したときにおいても釣り情報表示装置60を視認することができる。
【0041】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、電動リール100及び魚群探知機90と無線通信可能な釣り情報表示装置60を例にあげて説明したが、釣り情報表示装置60はこれに限定されるものではなく、電動リール100及び魚群探知機90の一方のみと無線通信させるようにしてもよいし、さらにGPS等の他の機器と無線通信させるようにしてもよい。
【0042】
(b) 前記実施形態では、取付用具70の開口部71aが窓部71bの下側に形成されていたが、窓部71bの上側に開口部71aを形成してもよい。また、窓部71bの下側と連なるように窓部71bの側部の少なくとも一方に開口部71aを形成してもよい。
【0043】
(c) 前記実施形態では、取付用具70の開口部71aは、二重に折り重なって開口部71aが外部に露出しないようになっていたが、開口部71aにスライドファスナ等の線ファスナを設け、開口部71aを閉塞して密封する密封手段をさらに備える構成にしてもよい。
【0044】
(d) 前記実施形態では、ベルト状の取付部72により釣人Pの上腕部Aに釣り情報表示装置60を着脱自在に取り付けるようになっていたが、ベルト状の取付部72を設けないで釣人Pのジャケットの上腕部Aに袋状の本体部71を縫製してジャケットと一体形成する構成にしてもよい。さらに、この場合には、袋状の本体部71の内部に釣り情報表示装置60と接続可能な接続端子(コネクタ)を設け、この接続端子と電動リール100とを接続する接続コード(スパイラルコード)をジャケットの内部からジャケットの袖口や裾を挿通させる構成にしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 リール本体
2 ハンドル
3 スタードラグ
4 カウンタケース
5 表示部
6 操作部
7 フレーム
7a 第1側板
7b 第2側板
8 連結部材
9a 第1側カバー
9b 第2側カバー
10 スプール
11 クラッチレバー
12 モータ
13 速度変更レバー
30 制御部
31 PWM駆動回路
40 ブザー
41 スプールセンサ
42 スプールカウンタ
43 記憶部
44 通信部
60 釣り情報表示装置
61 制御部
62 操作部
63 表示部
64 本体部
65 通信部
66 記憶部
70 取付用具
71 本体部
71a 開口部
71b 窓部
72 取付部
72a 第1ベルト部
72b 第2ベルト部
73 ベルト送り部
74 係止部
75 被係止部
90 魚群探知機
100 電動リール
A 上腕部
P 釣人

【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣りに関する各種の情報を表示する表示部を有する釣り情報表示装置を取り付けるための釣り情報表示装置の取付用具であって、
釣人の上腕部に配置され、前記表示部が外部に露出するように前記釣り情報表示装置全体が着脱自在に装着される袋状の本体部を備えた釣り情報表示装置の取付用具。
【請求項2】
前記本体部に設けられ、前記上腕部に巻き付けることにより前記上腕部に着脱自在に取付可能なベルト状の取付部をさらに備える、請求項1に記載の釣り情報表示装置の取付用具。
【請求項3】
前記本体部は、少なくとも前記表示部の表示面と対向する面を含む部分が透過性を有する部材により形成され、外部から前記表示部が視認可能な窓部を有している、請求項1又は2に記載の釣り情報表示装置の取付用具。
【請求項4】
前記取付部は、表面に形成された面ファスナによって前記上腕部に取り付固定する、1から3のいずれか1項に記載の釣り情報表示装置の取付用具。
【請求項5】
前記取付部は、ベルトの長さを調節可能な長さ変更手段を有している、請求項1から4のいずれか1項に記載の釣り情報表示装置の取付用具。
【請求項6】
前記本体部及び前記取付部は、撥水性を有する部材により形成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の釣り情報表示装置の取付用具。
【請求項7】
前記本体部は、前記釣り情報表示装置全体を装着した状態で開口部を閉塞し密封する密封手段を有している、請求項1から6のいずれか1項に記載の釣り情報表示装置の取付用具。
【請求項8】
前記密封手段は、前記開口部に形成された線ファスナである、請求項7に記載の釣り情報表示装置の取付用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−130666(P2011−130666A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289999(P2009−289999)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】