説明

釣り用収納具

【課題】釣り用の仕掛け等を収納する釣り用収納具で、防水機能を十分果たすことができる釣り用収納具を提供する。
【解決手段】略方形状の平面形状を呈し、その一辺に開口部24が設けられ、開口部24がファスナ部22a、22bにより開閉可能に形成された外袋10と、該外袋10に収納される被収納体50とを有し、被収納体50が、略方形状の平面形状を呈し、その一辺に開口部が設けられ、該開口部がファスナ部66により開閉可能に形成された内袋本体64を有する1又は複数の内袋60と、内袋60をカバーするカバー部70と、全体に略長方形状のシート状を呈し、長手方向の端部領域の一部が略U字状に湾曲した状態で外袋10の内側の面に固着された台部52と、内袋60とカバー部70を台部52に着脱自在に保持するためのネジ部80と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り用の仕掛け等を収納する釣り用収納具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、釣り用の仕掛けを収納する収納具が存在する。その中でも、特許文献1や特許文献2に示すように、チャック(又はファスナ部)を有する複数の袋状の収納部を保持することができるものが存在する。
【0003】
すなわち、特許文献1の仕掛け入れは、仕掛け入れの袋をめくる作業においてその縫い目を始点として破けるという事態を少なくするために、袋状の仕掛け収納部を複数積み重ねて形成した収納体と、その収納体を覆って保持可能なケース体とを備え、収納体における各仕掛け収納部の開口部と対向する取付用周縁部に、係止体が開口部の両側の他辺の周縁部を除いて縫着され、係止体が前記ケース体に取り付けられることによって収納体がケース体に保持されるように形成したものである。
【0004】
また、特許文献2の仕掛け収納具は、袋の孔位置が伸びたり破れたりしにくく、収納物が見つけ易く取り出し易くするために、ベ−ス本体に沿って保持部材を取り付け、該保持部材に収納袋に明けた孔を挿通し、該保持部材に対して収納袋を揺動可能に保持したものが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−195500号公報
【特許文献2】特開2007−143496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1の仕掛け入れにおいては、袋状の仕掛け収納部にチャックが設けられ、特許文献2に記載の収納具においては、収納袋にはファスナ部が設けられているが、防水機能が十分でないという問題があった。特に、釣り用の仕掛け等を収納する釣り用収納具は、海や川等のように水のある場所で使用することから、十分な防水機能が必要となる。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする問題点は、釣り用の仕掛け等を収納する釣り用収納具で、防水機能を十分果たすことができる釣り用収納具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、釣り用収納具であって、略方形状の平面形状を呈し、その一辺に第1開口部が設けられ、該第1開口部が第1ファスナ部により開閉可能に形成された外袋と、該外袋に収納される被収納体で、全体に帯状のシート状を呈し、後端側が外袋の内側の面に固着され、略U字状に湾曲した状態で先端側が外袋の第1開口部側となる台部と、台部に保持された1又は複数の内袋で、略方形状の平面形状を呈し、その一辺に第2開口部が設けられ、該第2開口部が第2ファスナ部により開閉可能に形成された袋状部を有する内袋と、を有する被収納体と、被収納体を外袋内から引き出した状態では、台部の後端側の領域が略U字状に湾曲し、被収納体を外袋内に収納した状態では、台部の後端側の領域よりも先端側の領域が略U字状に湾曲した状態となることを特徴とする。
【0009】
第1の構成の釣り用収納具においては、内袋内に仕掛け等の被収納物を収納し、被収納体を外袋内に収納することにより被収納物を収納する。つまり、被収納体を外袋内から引き出した状態では、台部の後端側の領域が略U字状に湾曲するが、台部を外袋に対してスライドさせることにより、略U字状に湾曲した部分が徐々に後端側の領域から先端側に移動し、被収納体を外袋内に収納した状態では、台部の後端側の領域よりも先端側の領域が略U字状に湾曲した状態となる。被収納物を取り出す場合には、台部を外袋に対してスライドさせて内袋を引き出し、その後、内袋を開状態にして被収納物を取り出す。
【0010】
よって、被収納物を内袋に収納して第2ファスナ部を止着し、さらに、被収納物を収納した内袋を外袋に収納して第1ファスナ部を止着するので、防水機能を極めて高くすることができる。また、台部を外袋に対してスライドさせることにより、内袋の外袋への収納や外袋からの取出しが可能であるので、容易に内袋の収納及び引き出しを行なうことができ、釣り用収納具を外袋と内袋との二重袋に構成しても、被収納物の収納や取出しに支障が生じることがない。また、台部が外袋の内側に固着されているので、被収納体が外袋と分離してしまうことがない。
【0011】
また、第2には、上記第1の構成において、内袋は、袋状部の第2開口部とは反対側の端部から連設されたシート状の基端部で第1貫通穴が設けられた基端部を有し、
台部は、長手方向の中央領域に第2貫通穴を有し、
被収納体には、内袋を台部に着脱自在に保持させるための保持手段で、第1貫通穴と第2貫通穴に挿通する第1部材と、第1部材に着脱自在となる第2部材とを有し、第1部材と第2部材とで挟んだ状態で内袋とを保持する保持手段が設けられていることを特徴とする。よって、内袋を台部に対して着脱自在とすることができる。
【0012】
また、第3には、上記第2の構成において、被収納体には、内袋をカバーするための帯状のシート状のカバー部で、長手方向の一方の端部領域に第3貫通穴が設けられたカバー部が設けられ、台部における略U字状に湾曲した部分が台部の後端側に向けて湾曲した方向を上側とした場合に、台部の第2貫通穴の上にカバー部の第3貫通穴が配置され、第3貫通穴の上に内袋の第1貫通穴が配置されるとともに、カバー部の第3貫通穴が設けられた側の端部領域が略U字状に湾曲されて、カバー部の先端側の領域が1又は複数の内袋の上面側に配置されることを特徴とする。よって、カバー部が設けられているので、台部とカバー部により内袋を挟んだ状態で引き出すことができ、特に、カバー部の後端側が略U字状に湾曲した状態で、台部と接しているので、台部とカバー部とで内袋を包んだ状態とでき、内袋を円滑に引き出すことができる。
【0013】
また、第4には、上記第2又は第3の構成において、上記保持手段が、台座部とネジ溝が設けられた雌ネジ本体とを有する雌ネジ部により構成される第1部材と、ネジ溝が設けられた雄ネジ本体とヘッドとを有する雄ネジ部により構成される第2部材とから構成されたネジ部であり、雌ネジ部を第2貫通穴と第3貫通穴と第1貫通穴に挿通して、雄ネジ部を雌ネジ部に螺着することにより、カバー部と内袋とが台部に保持されることを特徴とする。
【0014】
また、第5には、上記第1の構成において、被収納体には、内袋を台部に着脱自在に保持させるための保持手段が設けられていることを特徴とする。よって、内袋を台部に対して着脱自在とすることができる。
【0015】
また、第6には、上記第1の構成において、内袋は台部に固着されていることを特徴とする。
【0016】
また、第7には、上記第1から第6までのいずれかの構成において、上記台部が、内袋の少なくとも袋状部を上面に支持する台部本体で、板材からなる内側部と該内側部を包む外側部とを有する台部本体と、台部本体の端部から連設された基端部でその台部本体とは反対側が外袋の内側の面に固着された台部基端部とを有し、内側部が、台部本体部の外側部や台部基端部を構成する素材よりも固い素材により形成されていることを特徴とする。
【0017】
よって、台部においては、台部本体を他の部分よりも固く形成でき、固く形成された台部本体は外袋に対して容易に挿脱することができ、容易に内袋の収納及び引き出しを行なうことができる。
【0018】
また、第8には、釣り用収納具であって、略方形状の平面形状を呈し、その一辺に第1開口部が設けられ、該第1開口部が第1ファスナ部により開閉可能に形成された外袋と、該外袋に収納される被収納体で、略方形状の平面形状を呈し、その一辺に第2開口部が設けられ、該第2開口部が第2ファスナ部により開閉可能に形成された袋状部と、袋状部の第2開口部とは反対側の端部から連設されたシート状の基端部で、その袋状部側とは反対側である後端側が外袋の内側の面に固着され、略U字状に湾曲した状態で先端側が外袋の第1開口部側となる基端部と、を有する被収納体と、を有し、被収納体を外袋内から引き出した状態では、基端部における後端側の領域が略U字状に湾曲し、被収納体を外袋内に収納した状態では、基端部における後端側の領域よりも先端側の領域が略U字状に湾曲した状態となることを特徴とする。
【0019】
この第8の構成の釣り用収納具においては、内袋内に仕掛け等の被収納物を収納し、被収納体を外袋内に収納することにより被収納物を収納する。つまり、被収納体を外袋内から引き出した状態では、基端部における後端側の領域が略U字状に湾曲するが、内袋を外袋に対してスライドさせることにより、略U字状に湾曲した部分が後端側の領域から先端側に移動し、被収納体を外袋内に収納した状態では、台部の後端側の領域よりも先端側の領域が略U字状に湾曲した状態となる。
【0020】
よって、被収納物を内袋に収納して第2ファスナ部を止着し、さらに、被収納物を収納した内袋を外袋に収納して第1ファスナ部を止着するので、防水機能を極めて高くすることができる。また、内袋を外袋に対してスライドさせることにより、内袋の外袋への収納や外袋からの取出しが可能であるので、容易に内袋の収納及び引き出しを行なうことができ、釣り用収納具を外袋と内袋との二重袋に構成しても、被収納物の収納や取出しに支障が生じることがない。また、被収納体の基端部が外袋の内側に固着されているので、被収納体が外袋と分離してしまうことがない。
【0021】
また、第9には、上記第1から第8までのいずれかの構成において、外袋の外側の一方の面に面ファスナ部の一方を有する片部が設けられ、外袋の外側の他方の面の開口部に近い位置に面ファスナ部の他方が設けられ、外袋の開口部側の部分を該片部側に折り曲げて、片部に設けられた面ファスナ部の一方を面ファスナ部の他方に固着させることにより釣り用収納具を折り畳んだ状態とすることができることを特徴とする。よって、釣り用収納具をコンパクトにでき、省スペースを図ることができる。
【0022】
また、第10には、上記第1から第9までのいずれかの構成において、外袋に設けられた第1ファスナ部が、互いに平行に複数設けられていることを特徴とする。よって、防水性をより高めることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に基づく釣り用収納具によれば、被収納物を内袋に収納して第2ファスナ部を止着し、さらに、被収納物を収納した内袋を外袋に収納して第1ファスナ部を止着するので、防水機能を極めて高くすることができる。また、台部(内袋)を外袋に対してスライドさせることにより、内袋の外袋への収納や外袋からの取出しが可能であるので、容易に内袋の収納及び引き出しを行なうことができ、釣り用収納具を外袋と内袋との二重袋に構成しても、被収納物の収納や取出しに支障が生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施例1の釣り用収納具を示す上方斜視図である。
【図2】実施例1の釣り用収納具を示す下方斜視図である。
【図3】図1におけるA−A断面図である。
【図4】実施例1における被収納体の上方斜視図である。
【図5】実施例1における被収納体の上方分解斜視図である。
【図6】実施例1における被収納体の下方斜視図である。
【図7】実施例1の釣り用収納具における被収納体を外袋に収納した状態を示す上方斜視図である。
【図8】図7におけるB−B断面図である。
【図9】実施例1の釣り用収納具を折り畳んだ状態を示す上方斜視図である。
【図10】実施例1の釣り用収納具の変形例を示す上方斜視図である。
【図11】図11におけるC−C断面図である。
【図12】実施例1の釣り用収納具における被収納体を外袋に収納した状態を示す断面図である。
【図13】実施例1の釣り用収納具の変形例を示す上方斜視図である。
【図14】実施例2の釣り用収納具を示す上方斜視図である。
【図15】実施例2の釣り用収納具を示す下方斜視図である。
【図16】図10におけるD−D断面図である。
【図17】実施例2における被収納体の上方斜視図である。
【図18】実施例2における被収納体の下方斜視図である。
【図19】実施例2における被収納体を外袋に収納した状態を示す上方斜視図である。
【図20】図15におけるE−E断面図である。
【図21】実施例2の釣り用収納具を折り畳んだ状態を示す上方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明においては、釣り用の仕掛け等を収納する釣り用収納具で、防水機能を十分果たすことができる釣り用収納具を提供するという目的を以下のようにして実現した。
【実施例1】
【0026】
本発明の実施例1に基づく釣り用収納具5は、図1〜図6に示すように構成され、外袋10と、外袋10に収納される被収納体50とを有している。
【0027】
ここで、外袋10は、全体に一方が開口した略方形状の平面形状の袋状を呈し、外袋本体12と、片部30と、面ファスナ部32とを有している。
【0028】
外袋本体12は、一方が開口した方形状の袋状を呈し、シート状で略方形状の上面部14と、同じくシート状で略方形状の下面部16と、シート状で細長長方形状の背面部18と、シート状で略三角形状の一対のマチ部20とを有している。上面部14と背面部18と下面部16とは全体に1つのシート状部材により一体に形成され、1つのシート状部材を略コ字状に折曲することにより上面部14と背面部18と下面部16とが形成される。マチ部20は、上面部14と下面部16の間の両側(X1側とX2側)の端部間の背面側(Y2側)の端部に設けられ、マチ部20の各辺部が、上面部14と下面部16と背面部18の辺部に止着されている。また、上面部14と下面部16の両側の辺部は、マチ部20の形成箇所を除いて、互いに止着されている。以上のように、外袋本体12は、三方が閉塞(封止)されて、正面側が開口して開口部(第1開口部)24が形成された構成となっている。
【0029】
また、外袋本体12の開口側の端部領域には、二重にファスナ部が設けられている。すなわち、開口側にファスナ部22aが左右方向に設けられ、ファスナ部22aの背面側にファスナ部22bがファスナ部22aと平行に設けられている。このファスナ部22aは、上面部14に設けられた雌部22a−1と下面部16に設けられた雄部22a−2とから構成され、また、ファスナ部22bは、上面部14に設けられた雌部22b−1と下面部16に設けられた雄部22b−2とから構成され、上面部14の正面側の領域において、雌部22a−1と雌部22b−1とが内側に向けて互いに平行に設けられ、下面部16の正面側の領域において、雄部22a−2と雄部22b−2とが内側に向けて互いに平行に設けられている。このファスナ部22a、22bは、レール状の凹凸が係合することにより形成されたものである。なお、上面部14側に雄部を設け、下面部16側に雌部を設けるようにしてもよい。
【0030】
また、片部30は、略長方形状のシート状を呈し、上面部14の上面(外側の面)に左右方向(X1−X2方向)に設けられ、その背面側の辺部に沿って上面部14に止着されている。つまり、この片部30は、背面側の辺部を中心に正面側が回動するようになっている。また、この片部30の内側の面には、面ファスナ部(雄・雌の一方)30aが設けられている。
【0031】
なお、この外袋本体12と片部30とは、塩化ビニルにより形成されている。すなわち、外袋本体12における止着部分は熱溶着することにより形成され、片部30はその辺部を上面部14に熱溶着することにより形成されている。
【0032】
また、下面部16の正面側の端部領域の外側には、面ファスナ部(雄・雌の他方)32が設けられている。
【0033】
次に、被収納体50は、外袋本体12内に収納されるとともに、外袋本体12から引き出すことができるものであり、図4、図5に示すように、台部52と、内袋60と、カバー部70と、ネジ部(保持手段)80とを有している。なお、図4、図5、図6に示す被収納体50は、外袋10に固着する前の状態を示しており、外袋10に固着した状態では、図3、図8に示すように、基端部54の後端側(台部本体56側とは反対側)(Y2側)が略U字状に湾曲した状態となり、また、カバー部70は、複数の内袋60を台部本体56とは反対側をカバーし、その背面側(Y2側)が略U字状に湾曲した状態となっている。
【0034】
ここで、台部52は、全体に帯状(略長方形状としてもよい)のシート状を呈し、長方形状のシート状の基端部(台部基端部)54と、長方形状のシート状の台部本体56と、先端部58とを有している。
【0035】
基端部54は、2枚のシート状部材(塩化ビニル製のシート状部材)を重ねて形成され、その台部本体56側の領域には、ネジ部80を挿通するための一対の貫通穴(第2貫通穴)54aが形成されている。この貫通穴54aは、台部52の長手方向における中央領域に設けられている。この基端部54は、塩化ビニルにより形成されているので、柔軟性を有し、容易に略U字状に湾曲させることができる。
【0036】
また、台部本体56は、基端部54の正面側の端部から連設され、2枚のシート状部材(塩化ビニル製のシート状部材)間に板材を挟んで形成したものである。板材としては、厚紙やプラスチックの板材が挙げられる。つまり、台部本体56は、板材からなる内側部と、内側部を包む外側部56aとから構成されている。なお、該内側部は、外側部56a(塩化ビニル)よりも固い素材により形成されている。
【0037】
また、先端部58は、台部本体56の正面側から突出して形成され、シート状を呈する。この先端部58は、外袋本体12内に収納された台部本体56を引き出しやすくするものであり、その先端側が略円弧状を呈している。
【0038】
基端部54と台部本体56とは、基端部54と台部本体56とを合わせた形状・大きさの2枚の塩化ビニル製のシート材を台部本体56の領域に板材を挟んだ状態とし、該シート材の外周の辺部に沿って溶着するとともに、基端部54と台部本体56の境界を直線上に溶着し、さらに、基端部54の領域において、直線上に熱溶着してなる溶着部54bを複数平行に形成し、貫通穴54aを形成することにより形成される。基端部54の領域において、複数の溶着部を平行に設けることにより2枚のシート材が一体に形成される。また、先端部58は、台部本体56の下面(上面でもよい)に接着することにより形成される。なお、先端部58は、上記2枚のシート材の一方の正面側を先端部58の形状に突出させることにより形成してもよい。
【0039】
台部52の基端部54は、外袋本体12の上面部14の内側に固着されている。つまり、基端部54の内袋60が設けられる側とは反対側の面の後端側(背面側)の辺部が、上面部14の内側の面に固着されていて、先端側が外袋10の開口部24側となる。この基端部54は、図3、図8に示すように略U字状に湾曲し(つまり、略U字状にターンしている)、被収納体50を外袋10から引き出した状態では、図3に示すように、基端部54の後端側の領域(つまり、台部52の後端側の領域)が略U字状に湾曲し、一方、被収納体50を外袋10内に収納した状態では、図8に示すように、基端部54の先端側の領域(つまり、台部52の後端側の領域よりも先端側の領域)が略U字状に湾曲した状態となる。また、被収納体50を外袋10から引き出した状態では、貫通穴54aが外袋10から露出するように構成され、これにより、被収納体50を外袋10から引き出した状態では、図1〜図3に示すように、ネジ部80は外袋10から露出する。これにより、ネジ部80の雌ネジ部80aと雄ネジ部80bとを容易に着脱することができる。
【0040】
また、内袋60は、全体に方形状の平板状を呈し、基端部62と、内袋本体(袋状部)64とを有している。
【0041】
基端部62は、2枚のシート状部材(塩化ビニル製のシート状部材)を重ねて形成され、その背面側の端部領域には、ネジ部80を挿通するための一対の貫通穴(第1貫通穴)62aが形成されている。この一対の貫通穴62aは、台部52の基端部54に設けられた貫通穴54aに対応した位置に形成されている。
【0042】
また、内袋本体64は、基端部62の正面側の端部から連設され、袋状を呈している。つまり、2枚のシート状部材の両側の辺部が止着され、正面側が開口されて開口部(第2開口部)67が形成されることにより、袋状に形成されいている。また、内袋本体64の開口側の端部領域には、ファスナ部66が設けられている。すなわち、このファスナ部66は、2枚のシート状部材の一方の内側に形成された雄部と他方の内側に設けられた雌部とから構成されている。被収納物は、この内袋本体64に収納される。なお、内袋60は、全体に塩化ビニルにより形成されている。
【0043】
すなわち、内袋60は、基端部62と内袋本体64とを合わせた形状・大きさの2枚の塩化ビニル製のシート材で、一方にファスナ部の雄が形成され、他方にファスナ部の雌が形成されたシート材を開口部側を除く3つの辺部に沿って熱溶着するとともに、基端部62と内袋本体64の境界を直線上に熱溶着し、貫通穴62aを形成することにより形成されている。
【0044】
また、カバー部70は、帯状(略長方形状としてもよい)のシート状を呈し、その先端側は略円弧状を呈している。つまり、カバー部70は、互いに平行な直線状の側辺70a、70bと、一対の側辺と直角の後端辺70cと、円弧状の先端辺70dとから形成されたシート状を呈している。このカバー部70は、塩化ビニルにより形成されていて柔軟性を有し、容易に略U字状に湾曲させることができる。また、カバー部70における後端辺70c側の領域には、ネジ部80を挿通するための一対の貫通穴(第3貫通穴)72が形成されている。
【0045】
なお、カバー部70は、被収納体50を外袋10に装着した状態では、図1、図3、図8に示すように、円弧状に形成された側が正面側となるので、円弧状に形成された側を先端側とし、貫通穴72が形成された側を後端側とする。
【0046】
ネジ部80は、平板状の台座部80a−1に内側にネジ溝が設けられた筒状の雌ネジ本体80a−2が設けられた雌ネジ部80a(第1部材)と、外周面にネジ溝が設けられた雄ネジ本体80b−1にヘッド80b−2が設けられたボルト状の雄ネジ部80b(第2部材)とから構成され、被収納体50を全体に一体化するものである。
【0047】
すなわち、台部52上にカバー部70を配置し、さらに、カバー部70の上に1又は複数の内袋60を重ねた状態で雌ネジ部80aを挿通し、雄ネジ部80bを雌ネジ部80aに螺着することにより、被収納体50が一体に形成される。つまり、雌ネジ部80aの雌ネジ本体80a−2を基端部54の貫通穴54aとカバー部70の貫通穴72と内袋60の貫通穴62aとに挿通した後に、雄ネジ部80bを雌ネジ部80aに螺着する。これにより、台部52における略U字状に湾曲した部分が台部52の後端側に向けて湾曲した方向を上側とした場合に、台部52の貫通穴54aの上にカバー部70の貫通穴72が配置され、貫通穴72の上に内袋60の貫通穴62aが配置される。なお、カバー部70を台部52に配置する際には、図5に示すように、カバー部70の後端辺70cが台部52の正面側を向くようにし、内袋60を配置する際には、内袋60の背面側(貫通穴62aが設けられている側)が台部52の背面側を向くようにする。なお、雌ネジ部80aが貫通穴54a、72、62aに挿通した状態で雄ネジ部80bを螺着したら、カバー部70を内袋60の上面にカバーするようにする。これにより、カバー部70の後端側が略U字状に湾曲される。つまり、カバー部70の貫通穴72が設けられた側の端部領域が略U字状に湾曲されて、カバー部70の先端側の領域が1又は複数の内袋の上面側に配置される。このネジ部80は、内袋を台部に着脱自在に保持するための保持手段といえる。
【0048】
なお、台部52や内袋60やカバー部70の左右方向の幅は、外袋本体12内に収納可能な幅に形成され、また、内袋60の前後方向の長さは、当然外袋本体12内に収納可能なように、外袋本体12の収納空間の前後方向の長さよりも短く形成され、また、内袋60を台部52に取り付けた際に、内袋60の正面側の端部が台部本体56の正面側の端部と略一致する長さに形成されている。また、台部52の基端部54の前後方向の長さと、基端部54の上面部14への固着位置は、台部本体56を外袋本体12内にスライドさせた場合に、図8に示すように、基端部54の内袋側の領域が略U字状に湾曲するとともに基端部54の大部分が台部本体56及び内袋60の上方に位置して、被収納体50全体を収納することができ、一方、台部本体56を外袋本体12から引き出した場合には、図3に示すように、基端部54の上面部14との固着部分側の領域が略U字状に湾曲して、内袋60のすべての領域が外袋本体12の外部に露出するように設定されている。また、カバー部70の幅(X1−X2方向の幅)は、台部本体56の幅(X1−X2方向の幅)と略同一に形成され、また、カバー部70の長さ(Y1−Y2方向の長さ)は、外袋10に収納された被収納体50を引き出す際に、台部本体56とカバー部70とで内袋60を挟んで引き出すことができる程度の長さ(例えば、被収納体50が外袋10に収納された状態でカバー部70の先端と内袋60の先端とが略一致する程度の長さ、又は、被収納体50が外袋10に収納された状態でカバー部70の先端が内袋60の先端よりも正面側に突出する長さ)に形成されている。
【0049】
上記釣り用収納具5の使用状態について説明する。釣り用収納具5は、内袋60内に仕掛け等の被収納物を収納し、被収納体50を外袋10内に収納することにより被収納物を収納する。
【0050】
具体的には、被収納体50を図1〜図3に示すように、外袋10から引き出した状態とする。この場合に、台部52の基端部54が外袋本体12の内側に固着されているので、被収納体50が外袋10と分離してしまうことがない。
【0051】
そして、ネジ部80により台部52に固着された内袋60の内袋本体64内に仕掛け等の被収納物(図示せず)を収納してファスナ部66を封止する。内袋60内に被収納物を収納する際には、内袋60にカバー部70がカバーされているので、カバー部70の先端側を上方に回動させた状態とすればよい。なお、被収納物を内袋60内に収納してから内袋60を台部52に取り付けてもよい。
【0052】
そして、台部本体56の正面側を外袋本体12側に押すことにより、台部本体56を外袋本体12内にスライドさせる。
【0053】
すると、基端部54における略U字状に湾曲した部分が徐々に台部本体56側に移動していき、被収納体50全体が外袋10内に収納された状態となるので、外袋10の2つのファスナ部22a、22bを封止する。被収納体50を外袋10内に収納して、ファスナ部22a、22bを封止した状態は、図7、図8に示すようになる。
【0054】
その後、外袋10の正面側の端部を背面側上方に折り返して、面ファスナ部30aと面ファスナ部32とを合わせて固着させる。以上のようにして、図9に示すように、釣り用収納具5を折り畳んだ状態にすることができる。よって、釣り用収納具5をコンパクトにでき、省スペースを図ることができる。
【0055】
図9に示す状態から、内部に収納された被収納物を取り出す場合には、上記と逆の操作を行う。すなわち、面ファスナ部30aと面ファスナ部32の固着を解除して、図7に示す状態にしたら、外袋10のファスナ部22a、22bを開状態にし、その後、台部52の台部本体56をスライドさせて外袋10から引き出して、内袋60を外袋10の外部に露出させる。
【0056】
その際、台部本体56(又は先端部58)とカバー部70により内袋60を手で挟むようにして引き出すことにより、容易に引出し操作を行なうことができる。なお、当初は、台部本体56の先端部58を指でつまんで引き出し、カバー部70の先端側が外袋10から露出したら、台部本体56(又は先端部58)とカバー部70により内袋60を手で挟むようにして引き出すようにしてもよい。つまり、カバー部70が設けられていない場合には、台部本体56を引き出すのみでは、内袋60(特に、台部本体56とは反対側の内袋60)が外袋10の開口部に接触して、円滑に引き出すことができないおそれがあるが、カバー部70が設けられていることにより、台部本体56(又は先端部58)とカバー部70により内袋60を挟むようにして引き出すことにより、円滑に引き出すことができる。また、特に、カバー部70の後端側が略U字状に湾曲した状態で、台部本体56と接しているので、台部本体56とカバー部70とで内袋60を包んだ状態とでき、内袋60を円滑に引き出すことができる。その後、内袋60のファスナ部66を開状態にして被収納物を取り出す。
【0057】
以上のように、被収納体50を外袋10内から引き出した状態では、台部52の端部領域における外袋10に固着された側の領域が略U字状に湾曲し(図3参照)、被収納体50を外袋10内に収納した状態では、台部52の端部領域における外袋10に固着された側とは反対側の領域が略U字状に湾曲した状態となる(図8参照)。
【0058】
上記構成の釣り用収納具5においては、被収納物を内袋60に収納してファスナ部66を止着し、さらに、被収納物を収納した内袋60を外袋10に収納してファスナ部22a、22bを止着するので、防水機能を極めて高くすることができる。また、外袋本体12の正面側の端部を折り返して、面ファスナ部30aと面ファスナ部32とを合わせて固着させて図9に示す状態にできるので、外袋10のファスナ部22a、22bが不用意に開いてしまうことがない。
【0059】
また、台部52における台部本体56を外袋10に対してスライドさせることにより、内袋60の外袋10への収納や外袋10からの取出しが可能であるので、容易に内袋60の収納及び引き出しを行なうことができ、また、カバー部70が設けられているので、台部本体56とカバー部70により内袋60を挟んだ状態で引き出すことができ、よって、釣り用収納具5を外袋10と内袋60との二重袋に構成しても、被収納物の収納や取出しに支障が生じることがない。特に、カバー部70の後端側が略U字状に湾曲した状態で、台部本体56と接しているので、台部本体56とカバー部70とで内袋60を包んだ状態とでき、内袋60を円滑に引き出すことができる。
【0060】
なお、上記の説明では、ネジ部80として、台座部80a−1と雌ネジ本体80a−2とを有する雌ネジ部80aと、雄ネジ本体80b−1とヘッド80b−2とを有する雄ネジ部80bとから構成され、雌ネジ部80aの雌ネジ本体80a−2が貫通穴54a、72、62aに挿通した状態で、雄ネジ部80bを螺着するものとして説明したが、ネジ部80を雄ネジとナットとで構成し、雄ネジを貫通穴54a、72、62aに挿通した状態でナットを螺着する構成としてもよい。
【0061】
なお、上記の説明においては、収納体50にカバー部70が設けられているとして説明したが、カバー部70の構成を省略してもよい。この場合の釣り用収納具5’は、図10〜図12に示すように構成され、被収納体50は、台部52と、内袋60と、ネジ部80により構成される。なお、図10〜図12に示す構成の場合の使用状態は、上記と同様であるが、内部に収納された被収納物を取り出す場合には、外袋10のファスナ部22a、22bを開状態にし、その後、台部52の台部本体56をスライドさせて外袋10から引き出して、内袋60を外袋10の外部に露出させ、内袋60のファスナ部66を開状態にして被収納物を取り出す。なお、台部本体56を外袋10から引き出す際には、先端部58を指でつまんで引き出せばよい。上記の構成の場合と異なり、カバー部70が設けられていないが、外袋10を大きく開口させて、台部52を外側にスライドさせることにより、内袋60が外袋10の開口部に接触せずに引き出すことができる。内袋60のうち最も上にある内袋60と台部本体56とを手で挟んだ状態で、引き出すようにしてもよい。なお、被収納物を収納する場合には、ネジ部80により台部52に固着された内袋60の内袋本体64内に仕掛け等の被収納物(図示せず)を収納してファスナ部66を封止し(被収納物を内袋60内に収納してから内袋60を台部52に取り付けてもよい)、台部本体56の正面側を外袋本体12側に押すことにより、台部本体56を外袋本体12内にスライドさせればよい。
【0062】
図10〜図12に示す釣り用収納具5’においても、被収納体50を外袋10内から引き出した状態では、台部52の端部領域における外袋10に固着された側の領域が略U字状に湾曲し(図10、図11参照)、被収納体50を外袋10内に収納した状態では、台部52の端部領域における外袋10に固着された側とは反対側の領域が略U字状に湾曲した状態となる(図12参照)。また、釣り用収納具5’においても、外袋と内袋とにより二重袋に構成されるので、防水機能を高めることができ、また、また、台部52を外袋10に対してスライドさせることにより、内袋60の外袋10への収納や外袋10からの取出しが可能であるので、容易に内袋の収納及び引き出しを行なうことができ、釣り用収納具を二重袋に構成しても、被収納物の収納や取出しに支障が生じることがない。
【0063】
なお、図10〜図12に示す釣り用収納具5’においては、複数の内袋60を台部52に固定する方法として、ネジ部68を用いるものとして説明したが、他の方法でもよく、例えば、面ファスナ部を有する片部を内袋60に挿通することにより固定してもよい。つまり、台部52の基端部54における台部本体56側の端部領域の上面に、貫通穴54aを設ける代わりに、基端部54の左右方向の幅よりも短い幅の略方形状の片部の端部を固着し(例えば、片部を塩化ビニルにより形成して、片部の端部を熱溶着により基端部54に固着する)、片部の固着側とは反対側の領域で基端部54の後端側(台部本体56とは反対側)の面に面ファスナ部(雄・雌の一方)を設ける。また、基端部54の上面における該片部の基端部54への固着位置から後端側に間隔を介した位置に面ファスナ部(雄・雌の他方)を設ける。また、内袋60の基端部62には、該片部を挿通することができる開口部(帯状の開口部)を設ける。これにより、面ファスナ部同士の固着を解除した状態で、片部を内袋の開口部に挿通し、片部に設けられた面ファスナ部を基端部54に設けられた面ファスナ部に固着させることにより、内袋60を台部52に固定するのである。
【0064】
また、上記の説明では、内袋60が台部52に対して着脱自在であるとしたが、内袋60を台部52に固着して被収納体50を構成してもよい。複数の袋状の内袋60を台部52に固着させる方法としては、例えば、図13に示すように、2つの内袋60を連結した形状を呈し、相対する側に開口部67を有する内袋体60Aの複数(図13の例では、2つ)を2つの内袋60の境界部69で溶着し(つまり、溶着箇所は、X1−X2方向に伸びた状態となる)(図13(a)参照)、一方の側(Y2側)の内袋60を折り返すことにより、内袋群60Bを形成し(図13(b)参照)、該内袋群60Bを台部52に熱溶着等により固着する(図13(c)参照)。なお、図13における台部52は、図5に示す台部52と同様の構成であるが、貫通穴54aが設けられていない点が異なる。内袋群60Bの台部52への固着に際しては、例えば、内袋群60BのY2側の端部を台部52における基端部54と台部本体56の境界位置に熱溶着により固着する。また、図13において、内袋体60Aは、方形状の2枚のシート状部材(塩化ビニル製のシート状部材)を重ねて一対の長辺(Y1−Y2方向の辺部)と2つの内袋60の境界線に沿って熱溶着するとともに、相対する開口部67の近傍にファスナ部66を形成することにより形成する。2つの内袋60の境界線に沿って溶着した部分が境界部69となる。
【0065】
なお、図13に示す被収納体50を用いて釣り用収納具を構成する場合の他の構成は、上記と同様であるので、詳しい説明を省略する。また、図13に示す被収納体50を用いて釣り用収納具を構成する場合の作用・効果も、内袋60が台部52に対して着脱できない点を除いて同様であるので、詳しい説明を省略する。なお、内部に収納された被収納物を取り出す際に、台部本体56を外袋10から引き出す際には、先端部58を指でつまんでスライドさせて外袋10から引き出すか、又は、内袋群60Bの上端と台部本体56とを手で挟んで引き出すようにすればよい。
【実施例2】
【0066】
次に、実施例2の釣り用収納具について説明する。実施例2に基づく釣り用収納具105は、図14〜図18に示すように構成され、外袋110と、外袋110に収納される被収納体150とを有している。
【0067】
ここで、外袋110は、全体に一方が開口した略方形状の平面形状の袋状を呈し、外袋本体112と、片部130と、面ファスナ部132とを有している。
【0068】
外袋本体112は、一方が開口した方形状の袋状を呈し、シート状で略方形状の上面部114と、同じくシート状で略方形状の下面部116とを有している。上面部114と下面部116とは全体に1つのシート状部材により一体に形成され、1つのシート状部材を折曲することにより上面部114と下面部116とが形成される。そして、上面部114と下面部116の両側の辺部に沿って止着することにより外袋本体112の両側の辺部が封止されている。以上のようにして、外袋本体112の三方の辺部が封止された状態となって、正面側が開口して開口部120(第1開口部)が形成された構成となっている。なお、本実施例においては、実施例1とは異なり、内袋は1つのみ設けられるので、背面部やマチ部は設けられていない。
【0069】
また、外袋本体112の開口側の端部領域には、二重にファスナ部が設けられている。すなわち、開口側にファスナ部118aが左右方向に設けられ、ファスナ部118aの背面側にファスナ部118bがファスナ部118aと平行に設けられている。このファスナ部118aは、上面部114に設けられた雌部118a−1と下面部116に設けられた雄部118a−2とから構成され、また、ファスナ部118bは、上面部114に設けられた雌部118b−1と下面部116に設けられた雄部118b−2とから構成され、上面部114の正面側の領域において、雌部118a−1と雌部118b−1とが内側に向けて互いに平行に設けられ、下面部116の正面側の領域において、雄部118a−2と雄部118b−2とが内側に向けて互いに平行に設けられている。このファスナ部118a、118bは、レール状の凹凸が係合することにより形成されたものである。
【0070】
また、片部130は、略長方形状のシート状を呈し、上面部114の上面(外側の面)に左右方向(X1−X2方向)に設けられ、その背面側の辺部に沿って上面部114に止着されている。なお、図16、図20等に示すように、実施例1の片部30とは異なり、片部130の背面側の端部を下方から180度折り返した状態で下側の辺部に沿って上面部114に止着されている。以上のようにして、片部130は、背面側の辺部を中心に正面側が回動するようになっている。また、この片部130の内側の面には、面ファスナ部(雄・雌の一方)130aが設けられている。
【0071】
なお、この外袋本体112と片部130とは、塩化ビニルにより形成されている。すなわち、外袋本体112における止着部分は熱溶着することにより形成され、片部130はその辺部を上面部114に熱溶着することにより形成されている。
【0072】
また、下面部116の正面側の端部領域の外側には、面ファスナ部(雄・雌の他方)132が設けられている。
【0073】
次に、被収納体150は、外袋本体112内に収納されるとともに、外袋本体112から引き出すことができるものであり、図17、図18に示すように、全体に方形状の平板状を呈し、長方形状のシート状の基端部152と、内袋(袋状部)154とを有している。なお、図17、図18に示す被収納体150は、外袋110に固着する前の状態を示しており、外袋110に固着した状態では、図16、図20に示すように、基端部152の内袋154側とは反対側が略U字状に湾曲した状態となる。
【0074】
ここで、基端部152は、2枚のシート状部材(塩化ビニル製のシート状部材)を重ねて形成されている。この基端部152は、塩化ビニルにより形成されているので、柔軟性を有し、容易に略U字状に湾曲させることができる。
【0075】
また、内袋154は、基端部152の正面側の端部から連設され、袋状を呈している。つまり、2枚のシート状部材の両側の辺部が止着され、正面側が開口されて開口部(第2開口部)158が形成されることにより、袋状に形成されいている。また、内袋154の開口側の端部領域には、ファスナ部156が設けられている。すなわち、このファスナ部156は、2枚のシート状部材の一方の内側に形成された雄部と他方の内側に設けられた雌部とから構成されている。被収納物は、この内袋154に収納される。なお、被収納体150は、全体に塩化ビニルにより形成されている。
【0076】
すなわち、被収納体150は、基端部152と内袋154とを合わせた形状・大きさの2枚の塩化ビニル製のシート材で、一方にファスナ部の雄が形成され、他方にファスナ部の雌が形成されたシート材を開口部側を除く3つの辺部に沿って熱溶着するとともに、基端部152と内袋154の境界を直線上に熱溶着することにより形成されている。
【0077】
なお、基端部152は、外袋本体112の上面部114の内側に固着されている。つまり、基端部152の下面(下面部116側の面)の背面側の辺部が、上面部114の内側の面に固着されていて、この基端部152の内袋154とは反対側の端部は、図16、図20に示すように、略U字状に湾曲している。
【0078】
なお、被収納体150の左右方向の幅は、外袋本体112内に収納可能な幅に形成され、また、内袋154の前後方向の長さは、当然外袋本体112内に収納可能なように、外袋本体112の収納空間の前後方向の長さよりも短く形成されている。また、基端部152と内袋154の長さは、被収納体150を外袋本体112内にスライドさせた場合に、図20に示すように、基端部152の内袋154側の領域が略U字状に湾曲するとともに基端部152の大部分が内袋154の上方に位置して、被収納体150全体を収納することができ、一方、被収納体150を外袋本体112から引き出した場合には、図16に示すように、基端部152の上面部114との固着部分側の領域が略U字状に湾曲して、内袋154の大部分の領域が外袋112の外部に露出するように設定されている。なお、被収納体150を引き出した際に、内袋154の全部が外袋本体112から露出するようにしてもよく、また、少なくとも内袋154の少なくとも一部が外袋本体112から露出すればよい。
【0079】
上記釣り用収納具105の使用状態について説明する。釣り用収納具105は、内袋154内に仕掛け等の被収納物を収納し、被収納体150を外袋110内に収納することにより被収納物を収納する。
【0080】
具体的には、被収納体150を図14〜図16に示すように、外袋110から引き出した状態とする。この場合に、被収納体150の基端部152が外袋本体112の内側に固着されているので、被収納体150が外袋110と分離してしまうことがない。
【0081】
そして、内袋154内に仕掛け等の被収納物(図示せず)を収納してファスナ部156を封止する。そして、内袋154の正面側を外袋本体112側に押すことにより、内袋154を外袋本体112内にスライドさせる。
【0082】
すると、基端部152における略U字状に湾曲した部分が徐々に内袋154側に移動していき、被収納体150全体が外袋110内に収納された状態となる(図19、図20参照)ので、外袋110の2つのファスナ部118a、118bを封止する。
【0083】
その後、外袋110の正面側の端部を背面側上方に折り返して、面ファスナ部130aと面ファスナ部132とを合わせて固着させる。以上のようにして、図21に示すように、釣り用収納具105を折り畳んだ状態にすることができる。よって、釣り用収納具105をコンパクトにでき、省スペースを図ることができる。
【0084】
図21に示す状態から、内部に収納された被収納物を取り出す場合には、上記と逆の操作を行う。すなわち、面ファスナ部130aと面ファスナ部132の固着を解除したら、外袋110のファスナ部118a、118bを開状態にし、その後、内袋154をスライドさせて外袋110から引き出して、内袋154を外袋110の外部に露出させ、内袋154のファスナ部156を開状態にして被収納物を取り出す。なお、被収納体150を外袋110から引き出す際には、内袋154の正面側の端部を指でつまんで引き出せばよい。
【0085】
以上のように、被収納体150を外袋110内から引き出した状態では、基端部152における外袋110に固着された側の領域(基端部152における後端側の領域)が略U字状に湾曲し(図16参照)、被収納体150を外袋110内に収納した状態では、基端部152における外袋110に固着された側とは反対側の領域(基端部152における後端側の領域よりも先端側の領域(より具体的には、基端部152の先端側の領域))が略U字状に湾曲した状態となる(図20参照)。
【0086】
上記構成の釣り用収納具105においては、被収納物を内袋154に収納してファスナ部156を止着し、さらに、被収納物を収納した内袋154を外袋110に収納してファスナ部118a、118bを止着するので、防水機能を極めて高くすることができる。また、外袋本体112の正面側の端部を折り返して、面ファスナ部130aと面ファスナ部132とを合わせて固着させて図21に示す状態にできるので、外袋110のファスナ部118a、118bが不用意に開いてしまうことがない。
【0087】
また、内袋154を外袋110に対してスライドさせることにより、内袋154の外袋110への収納や外袋110からの取出しが可能であるので、容易に内袋154の収納及び引き出しを行なうことができ、釣り用収納具105を外袋110と内袋154との二重袋に構成しても、被収納物の収納や取出しに支障が生じることがない。
【0088】
なお、上記の各実施例の説明においては、塩化ビニルにより形成されている部材は、他の合成樹脂により形成してもよい。
【0089】
また、上記各実施例においては、外袋10、110には、ファスナ部が2つ(実施例1では、ファスナ部22a、22b、実施例2では、ファスナ部118a、118b)が設けられているとしたが、3つ以上の複数としてもよい。
【符号の説明】
【0090】
5、105 釣り用収納具
10、110 外袋
12、112 外袋本体
14 114 上面部
16、116 下面部
18 背面部
20 マチ部
22a、22b、66、118a、118b、156 ファスナ部
24、67、120、158 開口部
50、150 被収納体
52 台部
54、62、152 基端部
56 台部本体
60、154 内袋
64 内袋本体
70 カバー部
80 ネジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り用収納具であって、
略方形状の平面形状を呈し、その一辺に第1開口部が設けられ、該第1開口部が第1ファスナ部により開閉可能に形成された外袋と、
該外袋に収納される被収納体で、
全体に帯状のシート状を呈し、後端側が外袋の内側の面に固着され、略U字状に湾曲した状態で先端側が外袋の第1開口部側となる台部と、
台部に保持された1又は複数の内袋で、略方形状の平面形状を呈し、その一辺に第2開口部が設けられ、該第2開口部が第2ファスナ部により開閉可能に形成された袋状部を有する内袋と、を有する被収納体と、
被収納体を外袋内から引き出した状態では、台部の後端側の領域が略U字状に湾曲し、被収納体を外袋内に収納した状態では、台部の後端側の領域よりも先端側の領域が略U字状に湾曲した状態となることを特徴とする釣り用収納具。
【請求項2】
内袋は、袋状部の第2開口部とは反対側の端部から連設されたシート状の基端部で第1貫通穴が設けられた基端部を有し、
台部は、長手方向の中央領域に第2貫通穴を有し、
被収納体には、内袋を台部に着脱自在に保持させるための保持手段で、第1貫通穴と第2貫通穴に挿通する第1部材と、第1部材に着脱自在となる第2部材とを有し、第1部材と第2部材とで挟んだ状態で内袋とを保持する保持手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の釣り用収納具。
【請求項3】
被収納体には、内袋をカバーするための帯状のシート状のカバー部で、長手方向の一方の端部領域に第3貫通穴が設けられたカバー部が設けられ、
台部における略U字状に湾曲した部分が台部の後端側に向けて湾曲した方向を上側とした場合に、台部の第2貫通穴の上にカバー部の第3貫通穴が配置され、第3貫通穴の上に内袋の第1貫通穴が配置されるとともに、カバー部の第3貫通穴が設けられた側の端部領域が略U字状に湾曲されて、カバー部の先端側の領域が1又は複数の内袋の上面側に配置されることを特徴とする請求項2に記載の釣り用収納具。
【請求項4】
上記保持手段が、台座部とネジ溝が設けられた雌ネジ本体とを有する雌ネジ部により構成される第1部材と、ネジ溝が設けられた雄ネジ本体とヘッドとを有する雄ネジ部により構成される第2部材とから構成されたネジ部であり、雌ネジ部を第2貫通穴と第3貫通穴と第1貫通穴に挿通して、雄ネジ部を雌ネジ部に螺着することにより、カバー部と内袋とが台部に保持されることを特徴とする請求項2又は3に記載の釣り用収納具。
【請求項5】
被収納体には、内袋を台部に着脱自在に保持させるための保持手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の釣り用収納具。
【請求項6】
内袋は台部に固着されていることを特徴とする請求項1に記載の釣り用収納具。
【請求項7】
上記台部が、内袋の少なくとも袋状部を上面に支持する台部本体で、板材からなる内側部と該内側部を包む外側部とを有する台部本体と、台部本体の端部から連設された基端部でその台部本体とは反対側が外袋の内側の面に固着された台部基端部とを有し、内側部が、台部本体部の外側部や台部基端部を構成する素材よりも固い素材により形成されていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6に記載の釣り用収納具。
【請求項8】
釣り用収納具であって、
略方形状の平面形状を呈し、その一辺に第1開口部が設けられ、該第1開口部が第1ファスナ部により開閉可能に形成された外袋と、
該外袋に収納される被収納体で、
略方形状の平面形状を呈し、その一辺に第2開口部が設けられ、該第2開口部が第2ファスナ部により開閉可能に形成された袋状部と、
袋状部の第2開口部とは反対側の端部から連設されたシート状の基端部で、その袋状部側とは反対側である後端側が外袋の内側の面に固着され、略U字状に湾曲した状態で先端側が外袋の第1開口部側となる基端部と、を有する被収納体と、
を有し、
被収納体を外袋内から引き出した状態では、基端部における後端側の領域が略U字状に湾曲し、被収納体を外袋内に収納した状態では、基端部における後端側の領域よりも先端側の領域が略U字状に湾曲した状態となることを特徴とする釣り用収納具。
【請求項9】
外袋の外側の一方の面に面ファスナ部の一方を有する片部が設けられ、外袋の外側の他方の面の開口部に近い位置に面ファスナ部の他方が設けられ、外袋の開口部側の部分を該片部側に折り曲げて、片部に設けられた面ファスナ部の一方を面ファスナ部の他方に固着させることにより釣り用収納具を折り畳んだ状態とすることができることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8に記載の釣り用収納具。
【請求項10】
外袋に設けられた第1ファスナ部が、互いに平行に複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9に記載の釣り用収納具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−166864(P2010−166864A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13059(P2009−13059)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【出願人】(594020536)有限会社ヤマワ産業 (8)
【Fターム(参考)】