釣り竿用トップラインガイド及び釣り竿
【課題】 釣り竿に取付けた場合に釣り糸が絡みにくく、かつ、衝撃が掛った場合であってもガイドリングが外れ難く損傷難い釣り竿用トップラインガイド及び釣り竿を提供する。
【解決手段】 釣糸導通用の導通孔を形成しているガイドリングが、高強度繊維を含有する複合材リング保持部で一体固定され、複合材製リング保持部に穂先先端固定用穴部と、穂先先部に載置される複合材製取付部とで、釣り竿穂先に固定され、取付けでの側面視で、段差なく形成されている釣り竿用トップラインガイド。
【解決手段】 釣糸導通用の導通孔を形成しているガイドリングが、高強度繊維を含有する複合材リング保持部で一体固定され、複合材製リング保持部に穂先先端固定用穴部と、穂先先部に載置される複合材製取付部とで、釣り竿穂先に固定され、取付けでの側面視で、段差なく形成されている釣り竿用トップラインガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リールから繰り出された釣り糸をガイドする釣り竿用トップラインガイド及び釣り竿に関する。
【背景技術】
【0002】
釣り竿用トップラインガイドは、次のような構成を採っていた。
(イ)
釣り糸をガイドするセラミック製のガイドリングを金属製案内環保持部で支持していた。
(ロ)
金属製案内環保持部には、ガイドリングを保持装着する部分と、その装着する部分から釣竿本体方向下向きに延出する金属製脚と、金属製脚の下端で金属製取付けパイプの先端とが連結されていた。連結するにあたって金属製取付けパイプの先端をカシメ等するため平坦(S)にして、金属製脚との連結固定をしていた。
(ハ)
金属製案内環保持部の両側から、金属製ブリッジは斜め下方に延出し金属パイプ中間部で固定していた(特許文献1)。
(ニ)
釣竿穂先先端への固定は、金属製取付けパイプへ穂先先端を挿入し接着等で固定していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−131149
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(イ)従来の釣り竿用トップラインガイドについて、金属製であってセラミック製のガイドリングを保持装着する部分を曲げ加工したり、接着材で接着したり、樹脂を介在させてセラミック製のガイドリングを装着してはいるが、大きな負荷が長期に亘って作用する場合には、経年変化を来してガイドリングが脱落したり、衝撃的な荷重を受けた場合にはガイドリングがはずれたり、金属製案内環保持部が変形したり、損傷する虞もあった。
(ロ)金属製の案内環保持部、金属製脚、金属製のブリッジを形成するに、プレスによる打ち抜き加工、及び、深絞り加工を施して形成したり、あるいは、複数の部品をロー付け加工、カシメ等によって細幅の金属を組み付けて構成する手法を採っているので、金属製のフレームの形状に不連続な部分が必然的に形成され、その不連続な部分に釣り糸が絡み付き易いという問題があった。また金属を曲げ加工するに十分寸法精度を出すことができず、困難を生じる場合もあった。
(ハ)図12に示すとおり、金属製脚(J)と金属製取付パイプ(M)の固定は、金属製取付パイプ(M)先端を平坦(S)にして固定しているため、穂先(Aa)先端部は金属製取付パイプ(M)の先端まで挿入できず、ガイドリング(R)部から相当距離離れしまい、ガイドリングへ釣り糸(L)から伝わる魚信(振動)が穂先(Aa)先端と交差する方向へ作用せず、穂先先端から先部へ相当距離離れた方向へ作用し、結果として穂先部へは偶力モーメントしか作用せず、しかも金属製脚(J)、金属製取付パイプ(P)等を介して、釣り竿穂先とは異質の材料である金属ガイドから合成樹脂複合材料で構成されている穂先へ伝わるため、そのままの魚信(振動)が伝わっていない懸念があった。
(二)穂先(Aa)先端への固定は金属製取付けパイプ(M)へ穂先(Aa)先端を挿入する形式をとっているが、釣竿(A)穂先(Aa)が通常形成される炭素繊維等に合成樹脂を含浸した合成樹脂複合体と金属パイプとは物性が、大きく異なることから、金属製取付パイプと穂先(Aa)の連結部で破損等の問題が生じることがあった。
【0005】
本発明の目的は 釣り竿に取付けた場合に軽量で、釣竿穂先へ一体となって取り付けられ破損しにくく、釣り糸が絡みにくい、かつ、衝撃が掛った場合であってもガイドリングが外れ難く、更に釣り人に本来の正確な魚信を伝える釣り竿用トップラインガイド及び釣り竿を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、釣り竿穂先部に取り付けられるトップラインガイドであって、釣糸導通用の導通孔を形成しているセラミック製等のガイドリングが、複合材製リング保持部に一体固定され、前記複合材製リング保持部は高強度繊維を含有する合成樹脂複合材で前記ガイドリングの外側に形成され、かつ前記複合材製リング保持部の下部には先端固定用穴部を有し、前記複合材製リング保持部と前記穂先部先部に載置される高強度繊維を含有する合成樹脂複合材製取付部とが、前記穂先への取付け状体での側面視で、段差なく形成される釣り竿用トップラインガイドにあり、その作用効果は次の通りである。
【0007】
〔作用効果〕
セラミック製のガイドリングの外側に高強度繊維を含有する合成樹脂複合材で前記ガイドリングが一体固定されているので、ガイドリングが脱落したりすることなく、衝撃的な荷重を受けた場合であっても、金属製の場合のように変形するようなことはなくガイドリングが損傷する虞が少ない。もちろん金属製のように海水によって、腐蝕するようなこともない。また、合成樹脂複合材製リング保持部(以下リング保持部という。)と前記複合材製取付部(以下取付部という。)とが取付け状態での側面視で、段差なく形成されているので、釣り糸の糸がらみがしにくい。更に穂先への取付け部が、従来のごとく金属パイプでなく、通常使用される釣り竿と同質の合成樹脂複合材で形成されているので、金属パイプと穂先部の接合部近傍で局部的な応力がかかることがなく穂先に取り付けられた場合、金属パイプとのつなぎ部の穂先部局部に集中的な力がかかることがなく、穂先部での破損も少なくなる。かつ、リング保持部に先端固定用穴部が設けられ、その穴部に穂先先端が固定されているので、魚信による振動が、従来のトップガイドのように金属パイプに伝播されてそれから穂先先端に伝わるのでなく、穂先先端に向かう方向視に働くので、正確な魚信を釣り人は感じ取ることができる。
【0008】
請求項2に係る発明の特徴構成は、リング保持部に金属製板状リング保持部が更に設けられている請求項1の釣り竿用トップラインガイドである点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0009】
〔作用効果〕
セラミック製等のガイドリングが、更に金属製板状リング保持部によっても固定されているので、強固に保持固定される。
【0010】
請求項3に係る発明の特徴構成は、更に、請求項2の金属製板状リング保持部が前記リング保持部の表面に表出している点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0011】
〔作用効果〕
金属製板状リング保持部がリング保持部の表面に表出しているので、その部分が岩等に当たっても傷つきにくい。特に穂先先端は障壁に当たりやすく、傷付きやすい部分であるので、釣り竿の取って有効である。
【0012】
請求項4に係る発明の特徴構成は、リング保持部と穂先先部への取付部との連結が、高強度繊維を含有する複合材製合成樹脂で形成されている側脚部にあり、その作用効果は次の通りである。
【0013】
〔作用効果〕
連結部の構成として、左右に側脚部を配置する構成によって、脚部を左右に間隔を開けた状態で配置構成することができる。このことによって、釣り竿用のトップラインガイドに曲げ荷重やネジリ荷重が掛る場合にも、左右の側脚部が踏張力を発揮して、十分耐えるものとなる。
【0014】
請求項5に係る発明の特徴構成は、前記側脚部が、前記リング保持部の左右側端より下方に向けて連続的に延出されている左右側脚部で成っている点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0015】
〔作用効果〕
この側脚部を左右に下方に向けて連続的に延出されているよう配することによって、この側脚部の側面によって釣り糸が絡み付くのを阻止でき、糸絡みを効果的に抑制する。
【0016】
請求項6に係る発明の特徴構成は、前記取付部が合成樹脂複合材製パイプで形成されている点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0017】
〔作用効果〕
穂先先部をリング保持部の先端固定用穴部と合成樹脂複合材製パイプ内周面に固定することができるため、トッププラインガイドが穂先へ強固に固定可能となる。
【0018】
請求項7に係る発明の特徴構成は、前記取付部の内周面が合成樹脂複合材製パイプによる円形周面でなく、円弧状面である点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0019】
〔作用効果〕
穂先へのトップラインガイドの固定を穂先先端部と先端から一定距離を置いた穂先先部の周方向の1部に固定が可能となるので、なお穂先へライントップガイド固定による穂先部局部への集中的な曲げ力がかかることなく、穂先の破損を防止できる。
【0020】
請求項8に係る発明の特徴構成は、前記側脚部は側面視において、前記ガイドリング前部で前記ガイドリングとリング保持部がほぼ同一面で、前記リング保持部上部に位置する部分における前記導通孔の軸線に沿った前後幅より、前記取付部側に位置する部分における前記導通孔の軸線に沿った前後幅の方が、広くなっている点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
つまり、釣り竿の外周面に取り付けられる取付部側に位置する部分の方が、前後幅が広くなっているので、曲げ応力等の大きな荷重を受ける部分の強化を図ることができ、釣り竿用トップラインガイドの釣り竿への取付状態を安定したものにできる。
【0021】
請求項9に係る発明の特徴構成は、前記リング保持部は、前記導通孔の軸線に対して直交する垂直面に対して前向きに傾斜する状態に傾けて形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0022】
〔作用効果〕
リング保持部に釣り糸が絡み付きを生じた場合であっても、錘等によってリング保持部の前側(穂先側)に向けて引かれる釣り糸は、前向きに傾斜するリング保持部に引っ掛かることなく、すり抜けることができる。
一方、側脚部の軸線の後向き面は、前記リング保持部側に位置する部分から前記取付部側に位置する部分に掛けて、段差なく繋がるように形成してあるので、不連続な面がなく、釣り糸が引っ掛かることが少ない。
以上のように、釣り竿用トップラインガイドは、取付部から側脚部を介してリング保持部まで、不連続な面を抑制し、かつ、姿勢を前向きに傾斜させる構成によって、釣り糸の巻き付き難いものと成っている。
【0023】
〔構成〕
請求項10に係る発明の特徴構成は、請求項1〜9のうちのいずれか一つに記載の釣り竿用竿体を備えた釣り竿である点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0024】
〔作用効果〕
釣り竿用トップラインガイドは、複合財政合成樹脂で製作されることによって金属のみのものに比べて軽量化が達成でき、魚信を正確にキャッチでき、かつ、糸絡みの少ないものとなったので、捌き易い釣り竿とできた。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】釣り竿に本発明の釣り竿用トップラインガイドを適用した例を示す側面図である。
【図2】第1釣り竿用トップラインガイドを示す斜視図である。
【図3】第1釣り竿用トップラインガイドを穂先先端部に固定した状態の斜視図である。
【図4】第1釣り竿用トップラインガイドを穂先先端部に接着固定した状態の側面図である。
【図5】第1釣り竿用トップラインガイドを穂先先端部に接着固定した状態の断面図である。
【図6】第2釣り竿用トップラインガイドを穂先先端部に固定した状態の断面図である。
【図7】第3釣り竿用トップラインガイドを穂先先端部に接着固定した状態の断面図である。
【図8】第4釣り竿用トップラインガイドを示す斜視図である。
【図9】第2釣り竿用トップラインガイドを穂先先端部に固定した状態の側面図である。
【図10】釣り糸が導通する部分のガイドリング表面をセラミックコート等した第1釣り竿用トップラインガイドを穂先先端部に固定した状態の断面図である。
【図11】第1釣り竿用トップラインガイドを穂先先端部に巻糸固定した状態の側面図である。
【図12】従来の金属製トップラインガイドが穂先先端に固定された状態の従来例である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の釣り竿先部へ固定される釣り竿用トップラインガイドについて説明する。図1に示すように、釣り竿Aは、竿軸線に沿って多数の釣り竿用ラインガイドAgが装備されその穂先竿Aaの穂先先部に釣り竿用トップラインガイド1が装着されている。なお、竿尻側に両軸リール Arを装着したリールシートAsとを配した元竿Abとが、釣り竿に構成されている。
【0027】
尚、釣り竿Aを構成する各竿体は次のように製作される。つまり、炭素繊維等の強化繊維を一方向に引き揃え、その引き揃え強化繊維群にエポキシ等の熱硬化性樹脂(又は熱可塑性樹脂)を含浸させて、プリプレグシートを形成する。このプリプレグシートを所定の形状に裁断したものをマンドレルに巻回し、複数層に形成したものをマンドレルに巻回した状態で炉に入れて焼成し、焼成後マンドレルを脱芯して円筒状の竿素材を取り出しその竿素材を所定長にカットして、仕上加工を施し竿体とする。
なお、トップラインガイドを構成する高強度繊維としては、短繊維ではラインガイドとしての強度を確保できないので、長繊維であることが必要であり、具体的には、炭素繊維以外にガラス繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維等が使用でき、合成樹脂複合材の合成樹脂としては、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂やPVE等の熱可塑性樹脂が使用できる。
【0028】
第1釣り竿用トップラインガイド1について説明する。図2、3図、4図及び図5に示すように、第1釣り竿用トップラインガイド1は、釣糸導通用の導通孔1Aを形成しているガイドリング1Rを備えた高強度繊維に樹脂を含浸して硬化されたリング保持部1Pと、竿体としての穂先竿Aaに載置されて取付固定される前記高強度繊維に樹脂を含浸して硬化された取付部1Qと、リング保持部1Pと取付部1Qとの間に位置する前記高強度繊維に樹脂を含浸して硬化された合成樹脂複合材製側脚部1Lとを一体形成してあり、前記リング保持部1Pの穂先竿方向下部には、穂先先端部を固定する先端固定用穴部1Hが設けられている。
【0029】
ガイドリング1Rは、円形のものが使用されるが、楕円形のものであってもよい。
ガイドリングにはセラミック等の表面硬度が極めて硬いものが使用され、炭化ケイ素、ハイアルミナ等が材料として選定され、サーメット等の金属とセラミックの化合物も使用される。表面硬度が高く耐摩耗性の高い材料であれば使用可能である。セラミック等には、セラミック等を金属等の表面への溶射、照射、コーティング等硬質材でコーティングしたものも含む。
【0030】
第1釣り竿用ラインガイド1の製造方法は、一例を示すと次のようなものである。高強度繊維としての炭素繊維を一方向に引き揃えるか又はクロスさせて編み込んだものに、エポキシ等の熱硬化性樹脂を含浸させてシート状又はバルク状のプリプレグ化したものを形成する。セラミックリング等をトップラインガイド形状を有する金型のキャビティ内へ固定若しくは仮固定する。次に所定のトップラインガイド形状に前記プリプレグ裁断し、ガイドリング外周に接するよう貼り付ける。プレス成形法の場合は、上記プリプレグを金型に挿入し、ホットプレス機で、加圧・加熱し、圧縮成形を施すことによって、第1釣り竿用ラインガイド1を一体成型する。
真空バッグ成形法では、ツール面の上に保護フイルムを敷き、プリプレグが貼り付けられたトップラインガイドの原形をセットする。上面にも保護フイルムを敷き、その上に平滑な所定形状のくぼみ部をもった板をのせる。場合によっては、ガイドリング部分(1P,1R)をまず成型し、次に釣り竿への取付部(1Q)を成型する。
【0031】
トップラインガイド1では、図2に示すようにセラミック製のガイドリング1Rを炭層繊維等の高強度繊維のエポキシ等の合成樹脂を含浸した合成樹脂複合材でガイドリング1Rを保持し、更に穂先先部へ載置固定する取付部1Qが、ガイドリングが固定されている方向と一定の角度(90度から120度)即ち穂先竿と同一方向に形成されている。
【0032】
また、トップラインガイド1では、上記取付部1Qは半円周の断面を有しており穂先先部の周方向一部を、その周内面(1Qi)で接着固定され、リング保持部1Pの先端固定用穴部1Hに穂先先端が接着固定される構造を有している。即ち5図に示すように上記リング保持部1Pで穂先先端が固定されるので、図5に示すとおりガイドリング1Rからの魚信等が穂先先端方向(K方向)に直接伝わり、正確な振動が穂先部から釣り竿握部に伝わってくるのである。
【0033】
図3には、トップラインガイド1を穂先先端のリング保持部1Pの先端固定用穴部1Hに接着固定し、一定長さを有する半円周断面の取付部1Qを穂先先部へ接着固定した状態を示している。穂先先端部と先端から穂先先部に至るまでの一定長さが接着固定等可能であるから、トップラインガイド1は強固に穂先先部へ固定されうるのである。図5は上記トップラインガイド1を穂先先部へ接着固定した場合の断面を示している。
【0034】
図4には、トップラインガイド1を穂先先端へそのまま接着固定した場合に、半円状の合成樹脂複合材製取付部1Qの肉厚により、穂先先部と半円状の合成樹脂複合材製取付部1Qとが多少の段差が生じるから、その段差を塗料として比較的粘度の高いエポキシ樹脂塗料等(Ap)で埋めて段差のないトップラインガイド1の取付け状態を示したものである。
【0035】
図6にはトップラインガイド2を示す。半円状の取付部1Qを短くして側脚部1Lの下方部に取付け部を兼ねている形状である。トップラインガイド2の形状とすることによって極めて軽量のトップラインガイドの提供が可能となる。トップラインガイドと穂先部との境界は段差を埋めるべく高粘度のエポキシ塗料(Ap)を塗布して、その段差をなくしている。
【0036】
別実施例として図7にトップラインガイド3を示す。ガイドリングをリング保持部3Pと金属製板状リング保持部3Pmで更に固定されているものである。
トップラインガイド3の金属製板状リング保持部3Pmは、材料的には主としてチタン、ステンレス、アルミナ等が用いられる。特に炭素繊維にエポキシ樹脂等を含浸したコンポジット(CFRP)と金属は電触を起こし易いため、金属材料によっては、コンポジット内部に一体成型して、海水、空気にさらされないようにしておく必要がある場合もある。図7では金属製板状リング保持部3Pmが合成樹脂複合材製リング保持部3Pの上面に表出させたものである。上面が最も岩等に当たり傷等つき易い部分であり、上面に表出することによって、有効に傷つくのを防止することができる。
ここで、板状物としてとして金属を用いたが、板状のものであれば、成型の際耐熱性、強度剛性を有しておれば、金属でなくてもいい。例えば炭素繊維をエポキシ、フェノール等熱硬化性樹脂で構成されたいわゆるCFRP板を板状体として用いてもよい。
【0037】
更に具体的に図7のトップラインガイドリング部の作り方を説明すると、ガイドリング3Rを金属製リング保持部3Pmに仮固定する。高強度繊維にエポキシ樹脂等を含浸したプリプレを所定形状に裁断し、ガイドリングに接するよう、金属製リング保持部3Pmの外周に、ガイドリングに接するようプリプレグを貼り付ける。プリプレグが貼り付けた状態の金属製リング保持部 3Pmとガイドリング3Rを割り型等に挿入することによって、若しくは保護フィルムで挟んで、真空引きによりガイドリング3Rとトップラインガイドのリング保持部3P、3Pmを一体に成型する。
【0038】
リング保持部3P、3Pmは、ガイドリング3Rを保持すべく略円形の外形を呈しており、外周縁の下半部の横幅を少し絞った状態で下方に板状部分を延出して形成している。また、側脚部1Lを左右に下方に向けて連続的に延出されているよう配することによって、この側脚部の側面によって釣り糸が絡み付くのを阻止でき、糸絡みを効果的に抑制し、釣り糸が絡み付いてもスリヌケ易い構成となっている。
【0039】
図8では、トップラインガイド4の形状を示す。トップラインガイド4では、取付部4Qがパイプ状であるものを示す。パイプ状であるので、穂先先部を強固に固定するが、その材質が合成樹脂複合材製で、釣り竿穂先と同質材料であって、穂先を固定した部分で剛性が高くなりすぎるようなことはなく、穂先先端部は、リング保持部の穴部(4H)まで穂先先端が挿通されるので、ガイドリング部からの魚信等は正確に伝播される。側脚部4Lの後向き面4Lbは、リング保持部4Pの上部からパイプ状の取付部4Qpに位置する部分に掛けて、段差なく繋がるように形成してある。このことによって、糸がらみの阻止、釣り糸が絡み付いてもスリヌケ易い構成等は前述のトップラインガイドと同様である。
【0040】
図5において、リング保持部1A、1Pから側脚部1Lにおいて、釣糸導通用の導通孔1Aの軸線Xに沿った前後幅は、リング保持部1Pの上端からリング保持部1Pの先端固定用穴部1Hの下端まで徐々に拡がる状態に形成してあり、さらに曲げ強度等を向上させる構造となっている。
【0041】
図9では、トップラインガイド2を穂先に取り付けた状態を示す。穂先先部への取付けは、あらかじめ、穂先先部へ凹状の段部を設けトップラインガイド2を取付けた状態で穂先大径部から連続的に段差なく細径化した形状としてトップラインガイドを取り付けたものである。
【0042】
図10では、トップラインガイド1のリング部分1Rについて、リングを金属等で製作し、釣り糸が導通する部分を、セラミック等のコート(1Rr)、溶射、照射等してその表面硬度を高くして、セラミックリング等と同様の作用をさせようというものである。この場合リングは金属等でなくとも例えばCFRP等でリングを形成し、釣り糸導通部分のみセラミックコート等して表面硬度を高くしたものであってもいい。
【0043】
図11では、更に上記釣り竿用ラインガイド1の穂先(Aa)への取付けを外周面に亘って巻回される取付用の糸aによって取付固定したものである。
【0044】
ガイドリング1R、2R,3R,4Rについて、環状凹入溝4aを形成することによって、ガイドリング4とリング保持部2A、2Pとの結合性が強力になり、リング保持部2A、2Pの軸線Xに沿った前後幅がガイドリング4の外径より僅かに越えるだけの短い幅のものであっても、ガイドリングの保持を安定よく行える。
【0045】
リング保持部1P,2P,3P、4Pの前後幅は、取付部1Q,2Q,3Q、
4Q側程、軸線Xに沿った前後幅を上端部分より広くなっている。
また、図5,6,7の実施例に示すように、リング保持部1P,2P,3P、4Pの両横側方には側脚部1L,2L,3L、4Lが形成されており、この側脚部は、リング保持部1P,2P,3P、4Pの後向き面から後方に延出されているが、その延出量は、リング保持部1P,2P,3P、4Pの上端部では殆ど無く、合成樹脂複合材製リング保持部の下方に位置する側脚部1L,2L,3L、4Lの後方で大きく突出するように形成されており、上記リング保持部と同様に前倒れ姿勢に傾斜している。
このように、側脚部1L,2L,3L、4Lが取付部1Q,2Q,3Q、4Q側程、前記軸線Xに沿った前後幅を上端部分より広くしているので、リング保持部1P,2P,3P、4Pの前後幅の大きな側脚部と相俟って、大きな曲げ力やネジリ力が掛った場合であっても、それらに十分対抗する強度を現出することができる。
【0046】
また、側脚部1L,2L,3L,4Lとリング保持部1P,2P,3P,4Pとが上端側程前後幅を細くしているので、釣り糸が巻き付いた場合であっても、上記側脚部の後面が傾斜面に成っている点と相俟って、釣り糸はリング保持部上端より上方にスリヌケ易くなっている。
【0047】
〔別実施形態〕
(1)製取付部1Q,2Q,3Q,4Qを竿体に取り付けるのに、接着又は取付用の糸aで行っているが、取付用の糸a等の代わりに樹脂テープを利用してもよい。更に、取付固定力を強力にするには、強化繊維に合成樹脂を含浸させたプリプレグをテープ状に形成したプリプレグテープを使用してもよい。
(2)リング保持部1P,2P,3P,4Pが取付部1Q,2Q,3Q,4Qに対して斜め前方に傾斜する姿勢に形成してあるが、取付装着部1B、2B、5Bに対して垂直な姿勢であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本願発明は、振出竿、並継竿、インロー継竿にも適用できる。
【符号の説明】
【0049】
Aa 穂先竿
Ap 塗料
K 魚信(振動)方向
1
第1釣り竿用トップラインガイド
1A、2A、3A、4A 釣り糸導通孔
1H、2H、3H、4H
先端固定用穴部
1P、2P、3P、3P
リング保持部
1Q、2Q、3Q、4Q 取付部
1Qi 取付部周内面
1R、2R、3R、4R
セラミック等リング
1Rr セラミック等コート
1L、2L、3L、4L
側脚部
1Lb, 4Lb 側脚部後向き面
2 第2釣り竿用トップラインガイド
3 第3釣り竿用トップラインガイド
3Pm 金属板状リング保持部
4 第4釣り竿用トップラインガイド
【技術分野】
【0001】
本発明は、リールから繰り出された釣り糸をガイドする釣り竿用トップラインガイド及び釣り竿に関する。
【背景技術】
【0002】
釣り竿用トップラインガイドは、次のような構成を採っていた。
(イ)
釣り糸をガイドするセラミック製のガイドリングを金属製案内環保持部で支持していた。
(ロ)
金属製案内環保持部には、ガイドリングを保持装着する部分と、その装着する部分から釣竿本体方向下向きに延出する金属製脚と、金属製脚の下端で金属製取付けパイプの先端とが連結されていた。連結するにあたって金属製取付けパイプの先端をカシメ等するため平坦(S)にして、金属製脚との連結固定をしていた。
(ハ)
金属製案内環保持部の両側から、金属製ブリッジは斜め下方に延出し金属パイプ中間部で固定していた(特許文献1)。
(ニ)
釣竿穂先先端への固定は、金属製取付けパイプへ穂先先端を挿入し接着等で固定していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−131149
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(イ)従来の釣り竿用トップラインガイドについて、金属製であってセラミック製のガイドリングを保持装着する部分を曲げ加工したり、接着材で接着したり、樹脂を介在させてセラミック製のガイドリングを装着してはいるが、大きな負荷が長期に亘って作用する場合には、経年変化を来してガイドリングが脱落したり、衝撃的な荷重を受けた場合にはガイドリングがはずれたり、金属製案内環保持部が変形したり、損傷する虞もあった。
(ロ)金属製の案内環保持部、金属製脚、金属製のブリッジを形成するに、プレスによる打ち抜き加工、及び、深絞り加工を施して形成したり、あるいは、複数の部品をロー付け加工、カシメ等によって細幅の金属を組み付けて構成する手法を採っているので、金属製のフレームの形状に不連続な部分が必然的に形成され、その不連続な部分に釣り糸が絡み付き易いという問題があった。また金属を曲げ加工するに十分寸法精度を出すことができず、困難を生じる場合もあった。
(ハ)図12に示すとおり、金属製脚(J)と金属製取付パイプ(M)の固定は、金属製取付パイプ(M)先端を平坦(S)にして固定しているため、穂先(Aa)先端部は金属製取付パイプ(M)の先端まで挿入できず、ガイドリング(R)部から相当距離離れしまい、ガイドリングへ釣り糸(L)から伝わる魚信(振動)が穂先(Aa)先端と交差する方向へ作用せず、穂先先端から先部へ相当距離離れた方向へ作用し、結果として穂先部へは偶力モーメントしか作用せず、しかも金属製脚(J)、金属製取付パイプ(P)等を介して、釣り竿穂先とは異質の材料である金属ガイドから合成樹脂複合材料で構成されている穂先へ伝わるため、そのままの魚信(振動)が伝わっていない懸念があった。
(二)穂先(Aa)先端への固定は金属製取付けパイプ(M)へ穂先(Aa)先端を挿入する形式をとっているが、釣竿(A)穂先(Aa)が通常形成される炭素繊維等に合成樹脂を含浸した合成樹脂複合体と金属パイプとは物性が、大きく異なることから、金属製取付パイプと穂先(Aa)の連結部で破損等の問題が生じることがあった。
【0005】
本発明の目的は 釣り竿に取付けた場合に軽量で、釣竿穂先へ一体となって取り付けられ破損しにくく、釣り糸が絡みにくい、かつ、衝撃が掛った場合であってもガイドリングが外れ難く、更に釣り人に本来の正確な魚信を伝える釣り竿用トップラインガイド及び釣り竿を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、釣り竿穂先部に取り付けられるトップラインガイドであって、釣糸導通用の導通孔を形成しているセラミック製等のガイドリングが、複合材製リング保持部に一体固定され、前記複合材製リング保持部は高強度繊維を含有する合成樹脂複合材で前記ガイドリングの外側に形成され、かつ前記複合材製リング保持部の下部には先端固定用穴部を有し、前記複合材製リング保持部と前記穂先部先部に載置される高強度繊維を含有する合成樹脂複合材製取付部とが、前記穂先への取付け状体での側面視で、段差なく形成される釣り竿用トップラインガイドにあり、その作用効果は次の通りである。
【0007】
〔作用効果〕
セラミック製のガイドリングの外側に高強度繊維を含有する合成樹脂複合材で前記ガイドリングが一体固定されているので、ガイドリングが脱落したりすることなく、衝撃的な荷重を受けた場合であっても、金属製の場合のように変形するようなことはなくガイドリングが損傷する虞が少ない。もちろん金属製のように海水によって、腐蝕するようなこともない。また、合成樹脂複合材製リング保持部(以下リング保持部という。)と前記複合材製取付部(以下取付部という。)とが取付け状態での側面視で、段差なく形成されているので、釣り糸の糸がらみがしにくい。更に穂先への取付け部が、従来のごとく金属パイプでなく、通常使用される釣り竿と同質の合成樹脂複合材で形成されているので、金属パイプと穂先部の接合部近傍で局部的な応力がかかることがなく穂先に取り付けられた場合、金属パイプとのつなぎ部の穂先部局部に集中的な力がかかることがなく、穂先部での破損も少なくなる。かつ、リング保持部に先端固定用穴部が設けられ、その穴部に穂先先端が固定されているので、魚信による振動が、従来のトップガイドのように金属パイプに伝播されてそれから穂先先端に伝わるのでなく、穂先先端に向かう方向視に働くので、正確な魚信を釣り人は感じ取ることができる。
【0008】
請求項2に係る発明の特徴構成は、リング保持部に金属製板状リング保持部が更に設けられている請求項1の釣り竿用トップラインガイドである点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0009】
〔作用効果〕
セラミック製等のガイドリングが、更に金属製板状リング保持部によっても固定されているので、強固に保持固定される。
【0010】
請求項3に係る発明の特徴構成は、更に、請求項2の金属製板状リング保持部が前記リング保持部の表面に表出している点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0011】
〔作用効果〕
金属製板状リング保持部がリング保持部の表面に表出しているので、その部分が岩等に当たっても傷つきにくい。特に穂先先端は障壁に当たりやすく、傷付きやすい部分であるので、釣り竿の取って有効である。
【0012】
請求項4に係る発明の特徴構成は、リング保持部と穂先先部への取付部との連結が、高強度繊維を含有する複合材製合成樹脂で形成されている側脚部にあり、その作用効果は次の通りである。
【0013】
〔作用効果〕
連結部の構成として、左右に側脚部を配置する構成によって、脚部を左右に間隔を開けた状態で配置構成することができる。このことによって、釣り竿用のトップラインガイドに曲げ荷重やネジリ荷重が掛る場合にも、左右の側脚部が踏張力を発揮して、十分耐えるものとなる。
【0014】
請求項5に係る発明の特徴構成は、前記側脚部が、前記リング保持部の左右側端より下方に向けて連続的に延出されている左右側脚部で成っている点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0015】
〔作用効果〕
この側脚部を左右に下方に向けて連続的に延出されているよう配することによって、この側脚部の側面によって釣り糸が絡み付くのを阻止でき、糸絡みを効果的に抑制する。
【0016】
請求項6に係る発明の特徴構成は、前記取付部が合成樹脂複合材製パイプで形成されている点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0017】
〔作用効果〕
穂先先部をリング保持部の先端固定用穴部と合成樹脂複合材製パイプ内周面に固定することができるため、トッププラインガイドが穂先へ強固に固定可能となる。
【0018】
請求項7に係る発明の特徴構成は、前記取付部の内周面が合成樹脂複合材製パイプによる円形周面でなく、円弧状面である点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0019】
〔作用効果〕
穂先へのトップラインガイドの固定を穂先先端部と先端から一定距離を置いた穂先先部の周方向の1部に固定が可能となるので、なお穂先へライントップガイド固定による穂先部局部への集中的な曲げ力がかかることなく、穂先の破損を防止できる。
【0020】
請求項8に係る発明の特徴構成は、前記側脚部は側面視において、前記ガイドリング前部で前記ガイドリングとリング保持部がほぼ同一面で、前記リング保持部上部に位置する部分における前記導通孔の軸線に沿った前後幅より、前記取付部側に位置する部分における前記導通孔の軸線に沿った前後幅の方が、広くなっている点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
つまり、釣り竿の外周面に取り付けられる取付部側に位置する部分の方が、前後幅が広くなっているので、曲げ応力等の大きな荷重を受ける部分の強化を図ることができ、釣り竿用トップラインガイドの釣り竿への取付状態を安定したものにできる。
【0021】
請求項9に係る発明の特徴構成は、前記リング保持部は、前記導通孔の軸線に対して直交する垂直面に対して前向きに傾斜する状態に傾けて形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0022】
〔作用効果〕
リング保持部に釣り糸が絡み付きを生じた場合であっても、錘等によってリング保持部の前側(穂先側)に向けて引かれる釣り糸は、前向きに傾斜するリング保持部に引っ掛かることなく、すり抜けることができる。
一方、側脚部の軸線の後向き面は、前記リング保持部側に位置する部分から前記取付部側に位置する部分に掛けて、段差なく繋がるように形成してあるので、不連続な面がなく、釣り糸が引っ掛かることが少ない。
以上のように、釣り竿用トップラインガイドは、取付部から側脚部を介してリング保持部まで、不連続な面を抑制し、かつ、姿勢を前向きに傾斜させる構成によって、釣り糸の巻き付き難いものと成っている。
【0023】
〔構成〕
請求項10に係る発明の特徴構成は、請求項1〜9のうちのいずれか一つに記載の釣り竿用竿体を備えた釣り竿である点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0024】
〔作用効果〕
釣り竿用トップラインガイドは、複合財政合成樹脂で製作されることによって金属のみのものに比べて軽量化が達成でき、魚信を正確にキャッチでき、かつ、糸絡みの少ないものとなったので、捌き易い釣り竿とできた。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】釣り竿に本発明の釣り竿用トップラインガイドを適用した例を示す側面図である。
【図2】第1釣り竿用トップラインガイドを示す斜視図である。
【図3】第1釣り竿用トップラインガイドを穂先先端部に固定した状態の斜視図である。
【図4】第1釣り竿用トップラインガイドを穂先先端部に接着固定した状態の側面図である。
【図5】第1釣り竿用トップラインガイドを穂先先端部に接着固定した状態の断面図である。
【図6】第2釣り竿用トップラインガイドを穂先先端部に固定した状態の断面図である。
【図7】第3釣り竿用トップラインガイドを穂先先端部に接着固定した状態の断面図である。
【図8】第4釣り竿用トップラインガイドを示す斜視図である。
【図9】第2釣り竿用トップラインガイドを穂先先端部に固定した状態の側面図である。
【図10】釣り糸が導通する部分のガイドリング表面をセラミックコート等した第1釣り竿用トップラインガイドを穂先先端部に固定した状態の断面図である。
【図11】第1釣り竿用トップラインガイドを穂先先端部に巻糸固定した状態の側面図である。
【図12】従来の金属製トップラインガイドが穂先先端に固定された状態の従来例である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の釣り竿先部へ固定される釣り竿用トップラインガイドについて説明する。図1に示すように、釣り竿Aは、竿軸線に沿って多数の釣り竿用ラインガイドAgが装備されその穂先竿Aaの穂先先部に釣り竿用トップラインガイド1が装着されている。なお、竿尻側に両軸リール Arを装着したリールシートAsとを配した元竿Abとが、釣り竿に構成されている。
【0027】
尚、釣り竿Aを構成する各竿体は次のように製作される。つまり、炭素繊維等の強化繊維を一方向に引き揃え、その引き揃え強化繊維群にエポキシ等の熱硬化性樹脂(又は熱可塑性樹脂)を含浸させて、プリプレグシートを形成する。このプリプレグシートを所定の形状に裁断したものをマンドレルに巻回し、複数層に形成したものをマンドレルに巻回した状態で炉に入れて焼成し、焼成後マンドレルを脱芯して円筒状の竿素材を取り出しその竿素材を所定長にカットして、仕上加工を施し竿体とする。
なお、トップラインガイドを構成する高強度繊維としては、短繊維ではラインガイドとしての強度を確保できないので、長繊維であることが必要であり、具体的には、炭素繊維以外にガラス繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維等が使用でき、合成樹脂複合材の合成樹脂としては、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂やPVE等の熱可塑性樹脂が使用できる。
【0028】
第1釣り竿用トップラインガイド1について説明する。図2、3図、4図及び図5に示すように、第1釣り竿用トップラインガイド1は、釣糸導通用の導通孔1Aを形成しているガイドリング1Rを備えた高強度繊維に樹脂を含浸して硬化されたリング保持部1Pと、竿体としての穂先竿Aaに載置されて取付固定される前記高強度繊維に樹脂を含浸して硬化された取付部1Qと、リング保持部1Pと取付部1Qとの間に位置する前記高強度繊維に樹脂を含浸して硬化された合成樹脂複合材製側脚部1Lとを一体形成してあり、前記リング保持部1Pの穂先竿方向下部には、穂先先端部を固定する先端固定用穴部1Hが設けられている。
【0029】
ガイドリング1Rは、円形のものが使用されるが、楕円形のものであってもよい。
ガイドリングにはセラミック等の表面硬度が極めて硬いものが使用され、炭化ケイ素、ハイアルミナ等が材料として選定され、サーメット等の金属とセラミックの化合物も使用される。表面硬度が高く耐摩耗性の高い材料であれば使用可能である。セラミック等には、セラミック等を金属等の表面への溶射、照射、コーティング等硬質材でコーティングしたものも含む。
【0030】
第1釣り竿用ラインガイド1の製造方法は、一例を示すと次のようなものである。高強度繊維としての炭素繊維を一方向に引き揃えるか又はクロスさせて編み込んだものに、エポキシ等の熱硬化性樹脂を含浸させてシート状又はバルク状のプリプレグ化したものを形成する。セラミックリング等をトップラインガイド形状を有する金型のキャビティ内へ固定若しくは仮固定する。次に所定のトップラインガイド形状に前記プリプレグ裁断し、ガイドリング外周に接するよう貼り付ける。プレス成形法の場合は、上記プリプレグを金型に挿入し、ホットプレス機で、加圧・加熱し、圧縮成形を施すことによって、第1釣り竿用ラインガイド1を一体成型する。
真空バッグ成形法では、ツール面の上に保護フイルムを敷き、プリプレグが貼り付けられたトップラインガイドの原形をセットする。上面にも保護フイルムを敷き、その上に平滑な所定形状のくぼみ部をもった板をのせる。場合によっては、ガイドリング部分(1P,1R)をまず成型し、次に釣り竿への取付部(1Q)を成型する。
【0031】
トップラインガイド1では、図2に示すようにセラミック製のガイドリング1Rを炭層繊維等の高強度繊維のエポキシ等の合成樹脂を含浸した合成樹脂複合材でガイドリング1Rを保持し、更に穂先先部へ載置固定する取付部1Qが、ガイドリングが固定されている方向と一定の角度(90度から120度)即ち穂先竿と同一方向に形成されている。
【0032】
また、トップラインガイド1では、上記取付部1Qは半円周の断面を有しており穂先先部の周方向一部を、その周内面(1Qi)で接着固定され、リング保持部1Pの先端固定用穴部1Hに穂先先端が接着固定される構造を有している。即ち5図に示すように上記リング保持部1Pで穂先先端が固定されるので、図5に示すとおりガイドリング1Rからの魚信等が穂先先端方向(K方向)に直接伝わり、正確な振動が穂先部から釣り竿握部に伝わってくるのである。
【0033】
図3には、トップラインガイド1を穂先先端のリング保持部1Pの先端固定用穴部1Hに接着固定し、一定長さを有する半円周断面の取付部1Qを穂先先部へ接着固定した状態を示している。穂先先端部と先端から穂先先部に至るまでの一定長さが接着固定等可能であるから、トップラインガイド1は強固に穂先先部へ固定されうるのである。図5は上記トップラインガイド1を穂先先部へ接着固定した場合の断面を示している。
【0034】
図4には、トップラインガイド1を穂先先端へそのまま接着固定した場合に、半円状の合成樹脂複合材製取付部1Qの肉厚により、穂先先部と半円状の合成樹脂複合材製取付部1Qとが多少の段差が生じるから、その段差を塗料として比較的粘度の高いエポキシ樹脂塗料等(Ap)で埋めて段差のないトップラインガイド1の取付け状態を示したものである。
【0035】
図6にはトップラインガイド2を示す。半円状の取付部1Qを短くして側脚部1Lの下方部に取付け部を兼ねている形状である。トップラインガイド2の形状とすることによって極めて軽量のトップラインガイドの提供が可能となる。トップラインガイドと穂先部との境界は段差を埋めるべく高粘度のエポキシ塗料(Ap)を塗布して、その段差をなくしている。
【0036】
別実施例として図7にトップラインガイド3を示す。ガイドリングをリング保持部3Pと金属製板状リング保持部3Pmで更に固定されているものである。
トップラインガイド3の金属製板状リング保持部3Pmは、材料的には主としてチタン、ステンレス、アルミナ等が用いられる。特に炭素繊維にエポキシ樹脂等を含浸したコンポジット(CFRP)と金属は電触を起こし易いため、金属材料によっては、コンポジット内部に一体成型して、海水、空気にさらされないようにしておく必要がある場合もある。図7では金属製板状リング保持部3Pmが合成樹脂複合材製リング保持部3Pの上面に表出させたものである。上面が最も岩等に当たり傷等つき易い部分であり、上面に表出することによって、有効に傷つくのを防止することができる。
ここで、板状物としてとして金属を用いたが、板状のものであれば、成型の際耐熱性、強度剛性を有しておれば、金属でなくてもいい。例えば炭素繊維をエポキシ、フェノール等熱硬化性樹脂で構成されたいわゆるCFRP板を板状体として用いてもよい。
【0037】
更に具体的に図7のトップラインガイドリング部の作り方を説明すると、ガイドリング3Rを金属製リング保持部3Pmに仮固定する。高強度繊維にエポキシ樹脂等を含浸したプリプレを所定形状に裁断し、ガイドリングに接するよう、金属製リング保持部3Pmの外周に、ガイドリングに接するようプリプレグを貼り付ける。プリプレグが貼り付けた状態の金属製リング保持部 3Pmとガイドリング3Rを割り型等に挿入することによって、若しくは保護フィルムで挟んで、真空引きによりガイドリング3Rとトップラインガイドのリング保持部3P、3Pmを一体に成型する。
【0038】
リング保持部3P、3Pmは、ガイドリング3Rを保持すべく略円形の外形を呈しており、外周縁の下半部の横幅を少し絞った状態で下方に板状部分を延出して形成している。また、側脚部1Lを左右に下方に向けて連続的に延出されているよう配することによって、この側脚部の側面によって釣り糸が絡み付くのを阻止でき、糸絡みを効果的に抑制し、釣り糸が絡み付いてもスリヌケ易い構成となっている。
【0039】
図8では、トップラインガイド4の形状を示す。トップラインガイド4では、取付部4Qがパイプ状であるものを示す。パイプ状であるので、穂先先部を強固に固定するが、その材質が合成樹脂複合材製で、釣り竿穂先と同質材料であって、穂先を固定した部分で剛性が高くなりすぎるようなことはなく、穂先先端部は、リング保持部の穴部(4H)まで穂先先端が挿通されるので、ガイドリング部からの魚信等は正確に伝播される。側脚部4Lの後向き面4Lbは、リング保持部4Pの上部からパイプ状の取付部4Qpに位置する部分に掛けて、段差なく繋がるように形成してある。このことによって、糸がらみの阻止、釣り糸が絡み付いてもスリヌケ易い構成等は前述のトップラインガイドと同様である。
【0040】
図5において、リング保持部1A、1Pから側脚部1Lにおいて、釣糸導通用の導通孔1Aの軸線Xに沿った前後幅は、リング保持部1Pの上端からリング保持部1Pの先端固定用穴部1Hの下端まで徐々に拡がる状態に形成してあり、さらに曲げ強度等を向上させる構造となっている。
【0041】
図9では、トップラインガイド2を穂先に取り付けた状態を示す。穂先先部への取付けは、あらかじめ、穂先先部へ凹状の段部を設けトップラインガイド2を取付けた状態で穂先大径部から連続的に段差なく細径化した形状としてトップラインガイドを取り付けたものである。
【0042】
図10では、トップラインガイド1のリング部分1Rについて、リングを金属等で製作し、釣り糸が導通する部分を、セラミック等のコート(1Rr)、溶射、照射等してその表面硬度を高くして、セラミックリング等と同様の作用をさせようというものである。この場合リングは金属等でなくとも例えばCFRP等でリングを形成し、釣り糸導通部分のみセラミックコート等して表面硬度を高くしたものであってもいい。
【0043】
図11では、更に上記釣り竿用ラインガイド1の穂先(Aa)への取付けを外周面に亘って巻回される取付用の糸aによって取付固定したものである。
【0044】
ガイドリング1R、2R,3R,4Rについて、環状凹入溝4aを形成することによって、ガイドリング4とリング保持部2A、2Pとの結合性が強力になり、リング保持部2A、2Pの軸線Xに沿った前後幅がガイドリング4の外径より僅かに越えるだけの短い幅のものであっても、ガイドリングの保持を安定よく行える。
【0045】
リング保持部1P,2P,3P、4Pの前後幅は、取付部1Q,2Q,3Q、
4Q側程、軸線Xに沿った前後幅を上端部分より広くなっている。
また、図5,6,7の実施例に示すように、リング保持部1P,2P,3P、4Pの両横側方には側脚部1L,2L,3L、4Lが形成されており、この側脚部は、リング保持部1P,2P,3P、4Pの後向き面から後方に延出されているが、その延出量は、リング保持部1P,2P,3P、4Pの上端部では殆ど無く、合成樹脂複合材製リング保持部の下方に位置する側脚部1L,2L,3L、4Lの後方で大きく突出するように形成されており、上記リング保持部と同様に前倒れ姿勢に傾斜している。
このように、側脚部1L,2L,3L、4Lが取付部1Q,2Q,3Q、4Q側程、前記軸線Xに沿った前後幅を上端部分より広くしているので、リング保持部1P,2P,3P、4Pの前後幅の大きな側脚部と相俟って、大きな曲げ力やネジリ力が掛った場合であっても、それらに十分対抗する強度を現出することができる。
【0046】
また、側脚部1L,2L,3L,4Lとリング保持部1P,2P,3P,4Pとが上端側程前後幅を細くしているので、釣り糸が巻き付いた場合であっても、上記側脚部の後面が傾斜面に成っている点と相俟って、釣り糸はリング保持部上端より上方にスリヌケ易くなっている。
【0047】
〔別実施形態〕
(1)製取付部1Q,2Q,3Q,4Qを竿体に取り付けるのに、接着又は取付用の糸aで行っているが、取付用の糸a等の代わりに樹脂テープを利用してもよい。更に、取付固定力を強力にするには、強化繊維に合成樹脂を含浸させたプリプレグをテープ状に形成したプリプレグテープを使用してもよい。
(2)リング保持部1P,2P,3P,4Pが取付部1Q,2Q,3Q,4Qに対して斜め前方に傾斜する姿勢に形成してあるが、取付装着部1B、2B、5Bに対して垂直な姿勢であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本願発明は、振出竿、並継竿、インロー継竿にも適用できる。
【符号の説明】
【0049】
Aa 穂先竿
Ap 塗料
K 魚信(振動)方向
1
第1釣り竿用トップラインガイド
1A、2A、3A、4A 釣り糸導通孔
1H、2H、3H、4H
先端固定用穴部
1P、2P、3P、3P
リング保持部
1Q、2Q、3Q、4Q 取付部
1Qi 取付部周内面
1R、2R、3R、4R
セラミック等リング
1Rr セラミック等コート
1L、2L、3L、4L
側脚部
1Lb, 4Lb 側脚部後向き面
2 第2釣り竿用トップラインガイド
3 第3釣り竿用トップラインガイド
3Pm 金属板状リング保持部
4 第4釣り竿用トップラインガイド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り竿穂先部に取り付けられるトップラインガイドであって、
釣糸導通用の導通孔を形成しているセラミック製等のガイドリングが、複合材製リング保持部に一体固定され、前記複合材製リング保持部は高強度繊維を含有する合成樹脂複合材で、前記ガイドリングの外側に形成され、かつ前記複合材製リング保持部の下部には先端固定用穴部を有し、前記複合材製リング保持部と前記穂先部先部に載置される高強度繊維を含有する合成樹脂複合材製取付部とが、前記穂先への取付け状体での側面視で、段差なく形成される釣り竿用トップラインガイド。
【請求項2】
前記複合材製リング保持部に金属製板状リング保持部が更に設けられている請求項1記載の釣り竿用トップラインガイド。
【請求項3】
前記金属製板状リング保持部が前記複合材製リング保持部の表面に表出している請求項2記載の釣り竿用トップラインガイド。
【請求項4】
前記複合材製リング保持部と前記複合材製取付部との連結が、高強度繊維を含有する複合材製合成樹脂で形成されている側脚部である請求項1乃至3記載の釣り竿用トップラインガイド。
【請求項5】
前記側脚部が、前記複合材製リング保持部の左右側端より下方に向けて連続的に延出されている左右側脚部で成っている請求項4記載の釣り竿用ラインガイド。
【請求項6】
前記複合材製取付部が合成樹脂複合材製パイプで形成されている請求項1乃至5記載の釣り竿用トップラインガイド。
【請求項7】
前記複合材製取付部の内周面が円弧状である請求項1乃至5記載の釣り竿用トップラインガイド。
【請求項8】
前記側脚部は、側面視において、前記ガイドリング前部で前記ガイドリングと前記複合材製リング保持部がほぼ同一面で、前記ガイドリング保持部上部に位置する部分における前記導通孔の軸線に沿った前後幅より、前記複合材製取付装着部側に位置する部分における前記導通孔の軸線に沿った前後幅の方が、広くなっている請求項1乃至7記載の釣り竿用トップラインガイド。
【請求項9】
前記複合材製リング保持部は、前記導通孔の軸線に対して直交する垂直面に対して前向きに傾斜する状態に傾けて形成してある請求項1乃至8記載の釣り竿用トップラインガイド。
【請求項10】
請求項1乃至9記載の釣り竿用トップラインガイドのうちのいずれか一つに記載の釣り竿用ラインガイドを備えた釣り竿。
【請求項1】
釣り竿穂先部に取り付けられるトップラインガイドであって、
釣糸導通用の導通孔を形成しているセラミック製等のガイドリングが、複合材製リング保持部に一体固定され、前記複合材製リング保持部は高強度繊維を含有する合成樹脂複合材で、前記ガイドリングの外側に形成され、かつ前記複合材製リング保持部の下部には先端固定用穴部を有し、前記複合材製リング保持部と前記穂先部先部に載置される高強度繊維を含有する合成樹脂複合材製取付部とが、前記穂先への取付け状体での側面視で、段差なく形成される釣り竿用トップラインガイド。
【請求項2】
前記複合材製リング保持部に金属製板状リング保持部が更に設けられている請求項1記載の釣り竿用トップラインガイド。
【請求項3】
前記金属製板状リング保持部が前記複合材製リング保持部の表面に表出している請求項2記載の釣り竿用トップラインガイド。
【請求項4】
前記複合材製リング保持部と前記複合材製取付部との連結が、高強度繊維を含有する複合材製合成樹脂で形成されている側脚部である請求項1乃至3記載の釣り竿用トップラインガイド。
【請求項5】
前記側脚部が、前記複合材製リング保持部の左右側端より下方に向けて連続的に延出されている左右側脚部で成っている請求項4記載の釣り竿用ラインガイド。
【請求項6】
前記複合材製取付部が合成樹脂複合材製パイプで形成されている請求項1乃至5記載の釣り竿用トップラインガイド。
【請求項7】
前記複合材製取付部の内周面が円弧状である請求項1乃至5記載の釣り竿用トップラインガイド。
【請求項8】
前記側脚部は、側面視において、前記ガイドリング前部で前記ガイドリングと前記複合材製リング保持部がほぼ同一面で、前記ガイドリング保持部上部に位置する部分における前記導通孔の軸線に沿った前後幅より、前記複合材製取付装着部側に位置する部分における前記導通孔の軸線に沿った前後幅の方が、広くなっている請求項1乃至7記載の釣り竿用トップラインガイド。
【請求項9】
前記複合材製リング保持部は、前記導通孔の軸線に対して直交する垂直面に対して前向きに傾斜する状態に傾けて形成してある請求項1乃至8記載の釣り竿用トップラインガイド。
【請求項10】
請求項1乃至9記載の釣り竿用トップラインガイドのうちのいずれか一つに記載の釣り竿用ラインガイドを備えた釣り竿。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−193898(P2010−193898A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2010−101552(P2010−101552)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(710001074)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101552(P2010−101552)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(710001074)
【Fターム(参考)】
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