説明

【課題】音だけでなく香りも発する鈴を得る。
【解決手段】鈴の殻1は真鍮製で、上下2つ割りになっており、多孔性のセラミックボール2を入れて、つば1a同士をカシメて作られる。セラミックボール2は予め香料に浸漬して、十分に香料をしみ込ませて置く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は芳香を発する鈴に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の鈴は裂け目のある金属製の殻の中に、金属片などの玉を遊動自在に閉じ込めたもので、振り動かすと、玉が殻に当たって音が出る。古来、鈴は楽器や魔よけとして用いられるほか、装身具として財布などに付けて用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この発明は、音だけでなく香りも発する、付加価値の高い鈴を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明の鈴は、裂け目のある球状の殻の中に、香料を染み込ませた玉を遊動自在に閉じ込めたものである。この鈴は、玉から発する香りが裂け目を通って外に漂い、興趣に富んだ鈴が得られる。香りは、鈴を振り動かしたときにより強く発散する。香りとしては、花、果物、木材(檜)など様々なものが使える。
【0005】
鈴の殻の材質は従来どおり真鍮等の金属でよい。玉は、殻を打って音を出せるように硬くて割れにくく、しかも、香料がしみ込みやすいものが望ましい。例えば多孔性のセラミックが最適である。硬さが必ずしも十分でないが、シリカゲルや合成樹脂に香料を含浸させた芳香粒も使える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この香り鈴は、図面に示すように、鈴の殻1は真鍮製で、上下2つ割りになっており、多孔性のセラミックボール2を入れて、つば1a同士をカシメて作られる。セラミックボール2の直径は4〜8mmほどのもので、予め香料に浸漬して、十分に香料をしみ込ませて置く。最後に殻1に焼き付け塗装を行うが、香りが消散しないよう、90〜140℃位の低い温度で焼き付けを行う。符号1bは下げ紐を通す輪、符号1cは殻の裂け目である。
【0007】
この鈴は、振り動かすと、従来の鈴と同様、セラミックボール2が殻1の内面を打って音が出る。特にこの鈴では、セラミックボール2から発する香りが裂け目1cから外に広がるので、鼻を近づけるなどして香りを楽しむことができる。香りは、鈴を振り動かすと、強く感じられる。
【0008】
上述の鈴は2つ割部分を作って接合したが、別法として、図3に示すように1枚の金属板を絞り加工して継ぎ目のない鈴を作る方法が知られており(特公昭48-13620号公報、同55−20237号公報)、この発明はもちろんこの方法を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】鈴の組み立て状態立面図である。
【図2】鈴の斜視図である。
【図3】絞り加工による鈴の製造法を示す。
【符号の説明】
【0010】
1 殻
1a つば
1c 裂け目
2 玉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
裂け目のある球状の殻の中に、香料を染み込ませた玉を遊動自在に閉じ込めた鈴。
【請求項2】
該玉が多孔性セラミックから成る請求項1に記載の鈴。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−317625(P2006−317625A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−138782(P2005−138782)
【出願日】平成17年5月11日(2005.5.11)
【出願人】(305021708)旭金属工業株式会社 (4)