説明

鉄道車両用空調装置及び鉄道車両

【課題】車内への漏洩を見込んだ二酸化炭素濃度を管理し、人体への影響が無い濃度に低下させる鉄道車両用空調装置及びそれを搭載した鉄道車両を得る。
【解決手段】鉄道車両の天井に搭載され、二酸化炭素を冷媒として用いる空調装置の筐体100は、室内熱交換器22を収納する第1の部屋25と、室外熱交換器20及び膨脹弁21を収納する第2の部屋27と、圧縮機19を収納する第3の部屋28とに区画される。また、第1の部屋25は、二酸化炭素の濃度を検知する二酸化炭素濃度センサー30と、換気用ダンパー29と、換気用ダンパー29を開閉させるダンパー駆動装置291と、車内の空気を吸込む吸込口40と、室内熱交換器22によって熱交換された空気を車内へ吹出す吹出口41とを備え、制御部は、二酸化炭素濃度センサー30によって検出された二酸化炭素の濃度に基づいて、換気用ダンパー29の開閉を行うようにダンパー駆動装置291を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鉄道車両に搭載されて車内の空調を行う鉄道車両用空調装置及びそれを搭載した鉄道車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両の天井に搭載される空調装置は、圧縮機、室外熱交換器、膨張弁(減圧装置)、室内熱交換器、アキュムレータを順次接続して構成された冷凍サイクルを筐体内に収容しており、筐体は、室内送風機、室内熱交換器を内蔵する車外と密閉した第1の部屋と、室外送風機、室外熱交換器及び膨張弁を内蔵する第2の部屋と、圧縮機とアキュムレータを内蔵する第3の部屋を一体にして構成されたものが知られている(例えば特許文献1参照)。この従来例では、図7に示すように第1の部屋7は、車内から吸込口40を介して空気を吸い込み、吸い込んだ空気に対して室内熱交換器4で熱の授受を行い車内へ冷気や暖気を送風する。第2の部屋9は、車外で熱の授受をする。圧縮機1、室外熱交換器2、膨張弁3、室内熱交換器4の配管接続部11はロウ付けにて接続され、冷媒封入部12で真空に引いた後、冷媒を充填する。
【0003】
室内熱交換器4と室外熱交換器2は、図8に示すようにフィン13、銅管14、U字管15、冷媒流入管16、冷媒流出管17、側板18で構成されている。U字状に曲げられた銅管14は、複数穴が開いて積層したフィン13と、フィン13と同じ位置に複数穴が開きフィン13の両端に設けた側板18を密着して貫通している。銅管14の管端にU字管15、冷媒流入管16、冷媒流出管17をロウ付けにて接続し、冷媒の流路を形成する。U字状に曲げられた銅管14は、真っ直ぐな銅管14とU字管15の組合せの場合もある。
【0004】
次に、上記特許文献1に記載された従来冷媒の流れについて説明する。図7に示すように、冷房運転時は圧縮機1より高温・高圧のガス冷媒が吐き出され、室外熱交換器2で車外空気と熱交換により凝縮し高圧・高温の液冷媒となり膨張弁3に至る。膨張弁3で、減圧されることで低圧・低温の二相冷媒となり、室内熱交換器4で室内空気と熱交換することにより蒸発し低圧・常温となって圧縮機1へ至る。
【0005】
次に、空気の流れについて説明する。第2の部屋9では、室外送風機8で車外空気を吸い込み、吸い込まれた空気は室外熱交換器2で冷媒と熱交換され、冷媒の凝縮熱により加熱されることで温度上昇し、車外へ吹き出す。第1の部屋7では、室内送風機6で車内空気を吸込口40から吸い込み、吸い込まれた空気は室内熱交換器4で冷媒と熱交換され、冷媒の蒸発熱によって冷やされ、車内へ吹き出す。
【0006】
鉄道車両用空調装置に充填する冷媒は、R22で代表されるHCFC冷媒やR407Cで代表されるHFC冷媒、二酸化炭素に代表される自然冷媒である。
【0007】
また、銅合金管の強度について開示したものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−253693号公報(図1、段落[0040])
【特許文献2】特開2008−240128号公報(段落[0001]、[0004])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の空調装置に充填するR22に代表されるHCFC冷媒やR407Cに代表されるHFC冷媒の温暖化係数は1200〜1700程度、二酸化炭素に代表される温暖化係数は0〜200程度であり、二酸化炭素はHCFCやHFCより環境に良い。一方、冷媒が部屋内に漏洩しても人が支障なく避難行動ができる限界濃度は、R22で0.30kg/m3とKHK S 0010に定められている。ISO 817より、R407Cの限界濃度は体積比率で76000ppm、二酸化炭素の限界濃度は40000ppmと示されており、1気圧、20℃時のR407Cの密度は3.65kg/m3、二酸化炭素の密度は1.84kg/m3であるので、R407Cの限界濃度は0.2774kg/m3、二酸化炭素の限界濃度は0.0736kg/m3である。
【0010】
鉄道車両用空調装置に二酸化炭素を充填する場合、限界濃度がR22やR407Cより小さいので、例えば、ロウ付けによる配管接続部や経年劣化により、車内へR22やR407Cと同じ量の二酸化炭素が漏洩し、車内の二酸化炭素濃度が上昇すると、過呼吸や窒息感といった人体への悪影響が懸念される。車両内の容積は一定であるので、乗車人数が多くなるほど影響は増加するという問題点がある。
【0011】
鉄道車両用空調装置に使用する熱交換器は、室内熱交換器4が全長1.5m程度で15kg程度、室外熱交換器2が全長2.5m程度で40kg程度の重量物であり、空調装置の搭載サイズを低くするために、斜めに配置される。このため、熱交換器を空調装置へ内蔵する作業は複数人による手作業となり作業性が悪く、熱交換器を軽くする要求がある。一方、R22やR407Cの高圧側圧力は2〜3MPa、二酸化炭素の高圧側圧力は10〜12MPaと二酸化炭素の方が4〜6倍に増加しているので、耐久圧力を満たすために銅管肉厚を増加する必要があるが、熱交換器としての重量が増加するという問題点がある。
【0012】
この発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、主な目的は車内への漏洩を見込んだ二酸化炭素濃度を管理し、人体への影響が無い濃度に低下させる鉄道車両用空調装置及びそれを搭載した鉄道車両を得ることにある。また、第2の目的は作業性が良い鉄道車両用空調装置及びそれを搭載した鉄道車両を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明に係る鉄道車両用空調装置は、二酸化炭素から成る冷媒が圧縮機、室外熱交換器、減圧装置、室内熱交換器、を循環する冷凍サイクルを有し、鉄道車両の天井に搭載される筐体を備え、筐体は、室内熱交換器を収納し、車外と密閉された第1の部屋と、圧縮機、室外熱交換器及び減圧装置を収納する第2の部屋と、を備え、第1の部屋は、二酸化炭素の濃度を検知する二酸化炭素濃度センサーと、外気を取り込み可能な換気用ダンパーと、換気用ダンパーを開閉させるダンパー駆動装置と、車内の空気を吸い込む吸込口と、室内熱交換器によって熱交換された空気を車内へ吹き出す吹出口と、を備え、二酸化炭素濃度センサーによって検出された二酸化炭素の濃度に基づいて、換気用ダンパーの開閉を行うようにダンパー駆動装置を制御する制御部を備えたものである。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、室内熱交換器の配管接続部から二酸化炭素が漏れた場合や乗車人数が増加した場合、車内と繋がっているため二酸化炭素濃度が増加するが、第2の部屋に車外から外気と取り込み可能な換気用ダンパーとダンパー用駆動装置、及び二酸化炭素濃度センサーを設けることで、二酸化炭素濃度を常時センサーで検知し、車内が異常な濃度になると、制御部がダンパー駆動装置を制御して換気用ダンパー29を開かせ、車外空気を車内に取り込むので、車内にいる人体への影響が無い正常な二酸化炭素濃度に下げられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の実施の形態1における鉄道車両用空調装置の構成を示す平面断面図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】鉄道車両客室における二酸化炭素濃度と一酸化炭素濃度を測定した結果を示すグラフである。
【図4】この発明の実施の形態1における鉄道車両用空調装置の制御系統の構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態1における鉄道車両用空調装置の制御部の処理フローを示すフローチャートである。
【図6】実施の形態3における鉄道車両用空調装置に使用する室内熱交換器の概略図である。
【図7】従来の鉄道車両用空調装置の構成を示す平面断面図である。
【図8】従来の鉄道車両用空調装置に使用する熱交換器を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1を図1、図2に示す。図1はこの発明の実施の形態1における鉄道車両用空調装置の構成を示す平面断面図である。図2は図1のA−A矢視断面図である。図1と図2に示すように、圧縮機19、室外熱交換器20、膨張弁21、室内熱交換器22、アキュムレータ23を順次一部図示しない配管で接続した冷凍サイクルは、筐体100に収容されている。筐体100は、第1の部屋25と、第1の部屋25を挟むように配置された第2の部屋27と、第3の部屋28とに区画されている。第1の部屋25は、室内送風機24、膨張弁21、室内熱交換器22、車外と車内を繋げ、開いたときに外気が入り込むことで換気する換気用ダンパー29、車内を循環する空気取入口に設けた二酸化炭素濃度センサー30を内蔵し、車外と密閉されている。また、第2の部屋27は、室外送風機26、室外熱交換器20を内蔵し、第3の部屋28は、圧縮機19とアキュムレータ23を内蔵している。上記第1の部屋25、第2の部屋27及び第3の部屋28は一体にして構成され、鉄道車両の天井に搭載される。換気用ダンパー29を開閉制御する制御装置は、鉄道車両の天井または妻側に搭載される。なお、上記の各装置は2組設けられており、独立に動作する。これらを区別するときには、各符号の後にa、bを付ける。
【0017】
次に、二酸化炭素の濃度について説明する。ISO 817より、二酸化炭素の限界濃度は40000ppmと示されており、この場合、一般的に過呼吸が生じ、長時間になれば空気中の酸素濃度が欠乏し人体への影響がある。鉄道車両客室における二酸化炭素濃度に関する該当規則は無いが、図書館や百貨店といった特定建築物に該当する『建築物における衛生的環境の確保に関する法律』において、建築物環境衛生管理基準の第二条に居室における二酸化炭素濃度を1000ppm以下、特定建築物以外建築物で事務所がある建物に該当する労働安全衛生法第三条にて5000ppm以下とするよう定められている。
【0018】
従来の鉄道車両用空調装置を搭載した車内における二酸化炭素濃度と一酸化炭素濃度を測定した結果を図3に示す。図3より、時刻が8時10分〜8時30分と通勤や通学で混雑する時間帯は二酸化炭素濃度が4000ppm前後となっており、8時40分頃は6000ppm程度まで上がっていることがわかる。
【0019】
上述した法規や鉄道車両内における二酸化炭素濃度は、人の呼吸により発生する二酸化炭素を対象としている。一方、冷媒として二酸化炭素を使用した場合、図2の第1の部屋25にある室内熱交換器22において、例えばU字管(接続管とも呼ぶ)、冷媒流入管、冷媒流出管をロウ付けした配管接続部からの漏れが発生した場合、人の呼吸による発生に加えて冷媒漏れにより、車内の二酸化炭素濃度は図3で示す値以上になるので、車内の二酸化炭素濃度を厳しく管理し換気する必要がある。
【0020】
車内の二酸化炭素濃度を管理し換気する方法として、1000〜5000ppm以下を目安となるように二酸化炭素濃度センサー30の閾値として上記範囲内のいずれかを設定し、閾値を上回ると二酸化炭素濃度センサー30からの検知信号により制御装置を介して換気用ダンパー29を開け、車外の新鮮な外気を車内に取り込んで換気する。換気により二酸化炭素濃度が上記閾値以下に下がると、換気用ダンパー29を閉じる。
【0021】
図4は、この発明の実施の形態1における鉄道車両用空調装置の制御系統の構成を示すブロック図である。図4において、制御部42は、マイコンやDSPなどで構成されており、第1の部屋25に設けられている。また、制御部42は、バス43を介して二酸化炭素濃度検出部301aの一端に接続されている。二酸化炭素濃度検出部301aは、その他端が二酸化炭素濃度センサー30aと接続されており、二酸化炭素濃度センサー30aからの信号を増幅し、A/D変換して制御部42が処理できる情報に変換する。また、制御部42は、バス43を介して二酸化炭素濃度検出部301bの一端に接続されている。二酸化炭素濃度検出部301bは、その他端が二酸化炭素濃度センサー30bと接続されており、二酸化炭素濃度センサー30bからの信号を増幅し、A/D変換して制御部42が処理できる情報に変換する。また、制御部42は、バス43を介してダンパー駆動装置291aの一端に接続されている。ダンパー駆動装置291aは、その他端が換気用ダンパー29aに接続されており、制御部42からの開放指令により換気用ダンパーを開放し、制御部42からの閉止指令により換気用ダンパーを閉止する。
なお、制御部42は、第1の部屋に設けられるが、これに限る必要はなく、第2の部屋に設けてもよく、それ以外の場所に設けてもよい。
【0022】
図5は、この発明の実施の形態1における鉄道車両用空調装置の制御部の処理フローを示すフローチャートである。次に、制御部42の動作を図4及び図5を用いて説明する。使用者により、電源スイッチが投入されると、室内送風機、室外送風機、圧縮機などが運転を開始すると共に、制御部42が起動される。制御部は、まず、カウンタ類や、内蔵する記憶装置のデータ用記憶領域を初期化した(ステップS1)後、二酸化炭素濃度センサー30(実際は30aと30bの双方について実行する)の検出結果を二酸化炭素濃度検出部301を介して取得し(ステップS2)、検出結果を予め設定した基準値(この基準値は空調装置を車両に設置する時に決めておき、ほぼ固定的に使用されるが、定期的あるいは必要時に設定し直してもよい)と比較する(ステップS3)。ステップS3の比較の結果、検出された二酸化炭素の濃度が基準値を上回っている場合には、車内の人間に影響を与えて危険であるため、制御部42は、ダンパー駆動装置291を制御して、換気用ダンパー29を開放させる(ステップS4)。これにより、換気用ダンパー29は開き、車外から外気が第1の部屋内に入り込む。従って、二酸化炭素の濃度が下がり、危険を回避することができる。この後、ステップS2に戻り、制御部42は二酸化炭素濃度の監視を再開する。一方、ステップS3の比較の結果、検出された二酸化炭素の濃度が基準値以下になったら、危険でなくなったことを意味しているため、制御部42は、ダンパー駆動装置291を制御して、換気用ダンパー29を閉じさせる(ステップS5)。これにより、換気用ダンパー29は閉じ、第1の部屋は車外と密閉される。従って、第1の部屋の外部に設けられた配管の接続部(室内熱交換器22の配管接続部を含む)から漏洩した二酸化炭素が第1の部屋に入り込むのを防止できる。この後、ステップS2に戻り、制御部42は二酸化炭素濃度の監視を再開する。
【0023】
この発明の実施の形態1によれば、室内熱交換器22の配管接続部からの漏れや、人の呼吸により発生する車内の二酸化炭素濃度を適切に抑えることができ、人体への影響が無く安全で信頼性の高い空調装置が得られる。
【0024】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2は、図2に示す鉄道車両用空調装置に使用する室内熱交換器22と室外熱交換器20において、図8に示すU字状の銅管14とU字管15を銅合金管としたことである。
【0025】
熱交換器の銅合金管における組成、拡管を含む加工性、強度については特開2008−240128に示す文献によって示されているが、質量については示されていない。銅管の外径φ8.0mmで平均肉厚が1.2mmのものは、引張強度250N/mm2程度で質量約220g/m程度であるが、銅合金管の外径φ8.0mmで底肉厚が0.8mmのものは、引張強度250N/mm2程度と、銅管と同等の強度であるのに対し、質量は約150g/mであり、単位長さ当りの質量は銅合金管の方が小さい。
【0026】
この発明の実施の形態2によれば、室外熱交換器20と室内熱交換器22の質量が軽くなるため、天井に搭載される装置全体として軽量になるので、鉄道車両として低重心化になり信頼性が高くなる。
【0027】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3を図6に示す。図6の室内熱交換器は、フィン31、銅管32、U字管33、冷媒流入管34、冷媒流出管35、側板36で構成されている。図6の室内熱交換器は、図2に示す鉄道車両用空調装置に搭載される。搭載時、図2の第1の部屋25の仕切板37に固定する室内熱交換器の側板36の形状を、水密を取りつつボルト38で接続する。このように接続することで、U字管33、冷媒流入管34、冷媒流出管35の配管接続部39は車外に設けられる。
【0028】
この発明の実施の形態3によれば、配管接続部から冷媒が漏洩しても大気に放出され、車内へ冷媒が漏洩されなくなり、人体への影響も無くなり安全で信頼性の高い空調装置が得られる。
【0029】
上記実施の形態1〜3の鉄道車両用空調装置を鉄道車両に搭載することにより、搭乗者が安全で信頼性の高い空調を快適に楽しめる車両を得ることができる。
なお、上記の例では、筐体を3つの収納室に区画した場合を例に挙げて説明したが、これに限定する必要はなく、第2の収納室と第3の収納室を1つの収納室にまとめても良い。
また、実施の形態1〜3の各実施の形態では、鉄道車両1台に対して1つの鉄道車両用空調装置が搭載されている場合を例に説明したが、これに限定するものではない。たとえば、車両1台に対して複数個の車両用空調装置を搭載してもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 圧縮機、2 室外熱交換器、3 膨張弁、4 室内熱交換器、5 アキュムレータ、6 室内送風機、7 第一の部屋、8 室外送風機、9 第2の部屋、10 第3の部屋、11 配管接続部、12 冷媒封入部、13 フィン、14 銅管、15 U字管(接続管)、16 冷媒流入管、17 冷媒流出管、18 側板、19 圧縮機、20 室外熱交換器、21 膨張弁、22、22a、22b 室内熱交換器、23 アキュムレータ、24 室内送風機、25 第1の部屋、26 室外送風機、27 第2の部屋、28 第3の部屋、29、29a、29b 換気用ダンパー、30、30a、30b 二酸化炭素濃度センサー、31 フィン、32 銅管、33 U字管、34 冷媒流入管、35 冷媒流出管、36 側板、37 仕切板、38 ボルト、39 配管接続部、40、40a、40b 吸込口、41、41a、41b 吹出口、42 制御部、43 バス、100 本体筐体、291、291a、291b ダンパー駆動装置、301、301a、301b 二酸化炭素濃度検出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素から成る冷媒が圧縮機、室外熱交換器、減圧装置、室内熱交換器、を循環する冷凍サイクルを有し、鉄道車両の天井に搭載される筐体を備え、
前記筐体は、前記室内熱交換器を収納し、車外と密閉された第1の部屋と、
前記圧縮機、前記室外熱交換器及び前記減圧装置を収納する第2の部屋と、を備え、
前記第1の部屋は、二酸化炭素の濃度を検知する二酸化炭素濃度センサーと、
外気を取り込み可能な換気用ダンパーと、
この換気用ダンパーを開閉させるダンパー駆動装置と、
車内の空気を吸い込む吸込口と、
前記室内熱交換器によって熱交換された空気を前記車内へ吹き出す吹出口と、を備え、
前記二酸化炭素濃度センサーによって検出された二酸化炭素の濃度に基づいて、前記換気用ダンパーの開閉を行うように前記ダンパー駆動装置を制御する制御部を備えたことを特徴とする鉄道車両用空調装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記二酸化炭素濃度センサーによって検出された二酸化炭素の濃度が予め設定された基準値を上回ったとき、前記換気用ダンパーを開放するように前記ダンパー駆動装置を制御し、前記二酸化炭素濃度センサーによって検出された二酸化炭素の濃度が前記基準値以下のとき、前記換気用ダンパーを閉止するように前記ダンパー駆動装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両用空調装置。
【請求項3】
前記室内熱交換器及び前記室外熱交換器の少なくとも一方は、
ほぼ等間隔に積層された複数の板状のフィンで構成され、積層方向と垂直の方向にほぼ等間隔に複数の孔を有するフィン群と、
前記フィン群の孔を貫通する複数の伝熱管と、
前記複数の伝熱管の他端を接続する少なくとも1つの接続管とを備え、
前記伝熱管と前記接続管を所定の強度を有する銅合金で構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鉄道車両用空調装置。
【請求項4】
前記フィン群の両端面の外側にそれぞれ設けられ、前記フィン群の孔とほぼ同じ位置に前記伝熱管が貫通する孔を有し、この孔に前記伝熱管が貫通した状態で前記フィン群を前記筐体に支持する側板と、
前記室内熱交換器の部分を除き、前記第1の部屋と前記第2の部屋を区画する仕切板と、を備え、
前記第2の部屋は冷媒流入管と、冷媒流出管とを備え、
前記接続管と前記伝熱管との接続部は、前記第2の部屋に設けられ、
前記伝熱管の一端と前記減圧装置との接続部、前記減圧装置と前記冷媒流入管との接続部、前記伝熱管の他端と前記冷媒流出管との接続部、及び前記接続管と前記伝熱管との接続部は、それぞれロウ付けで接続され、
前記2つの側板の内、前記接続管と前記伝熱管との接続部側の側板は、前記仕切板とボルト締めなどにより接続されることを特徴とする請求項3に記載の鉄道車両用空調装置。
【請求項5】
前記側板と、前記仕切板との接続部は、水密状態で接続されることを特徴とする請求項4に記載の鉄道車両用空調装置。
【請求項6】
前記フィン群の両端面の外側にそれぞれ設けられ、前記フィン群の孔とほぼ同じ位置に前記伝熱管が貫通する孔を有し、この孔に前記伝熱管が貫通した状態で前記フィン群を前記筐体に支持する側板と、
前記第2の部屋は、さらに第3の部屋と、前記第1の部屋を挟んで前記第3の部屋と対向した位置に配置された第4の部屋に分けられ、
前記第3の部屋は前記圧縮機を収納し、
前記第4の部屋は、前記室外熱交換器及び前記減圧装置を収納し、
前記室内熱交換器の部分を除き、前記第1の部屋と前記第3の部屋を区画する第1の仕切板と、
前記室内熱交換器の部分を除き、前記第1の部屋と前記第4の部屋を区画する第2の仕切板と、を備え、
前記第3の部屋は冷媒流入管を備え、
前記第4の部屋は前記冷媒流出管を備え、
前記接続管と前記伝熱管との接続部は、前記第3の部屋に設けられ、
前記伝熱管の一端と前記減圧装置との接続部、前記減圧装置と前記冷媒流入管との接続部、前記伝熱管の他端と前記冷媒流出管との接続部、及び前記接続管と前記伝熱管との接続部は、それぞれロウ付けで接続され、
前記2つの側板の少なくとも一方は、前記第1の仕切板または前記第2の仕切板とボルト締めなどにより接続されることを特徴とする請求項3に記載の鉄道車両用空調装置。
【請求項7】
前記側板と、前記第1の仕切板または前記第2の仕切板との接続部は水密状態で接続されることを特徴とする請求項6に記載の鉄道車両用空調装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の鉄道車両用空調装置を搭載したことを特徴とする鉄道車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−136159(P2012−136159A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290082(P2010−290082)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000221616)東日本旅客鉄道株式会社 (833)