説明

鉄骨の建て込み方法、鉄骨建て込み冶具

【課題】地上において建て込み冶具と鉄骨との取り外しが可能であり、鉄骨を傾くことなく精度良く建て込むことのできる掘削孔への鉄骨の建て込み方法を提供する。
【解決手段】冶具本体20と、冶具本体20の下部に取付けられ、鉄骨1を冶具本体20の軸方向に案内するガイド部21と、ねじ鉄筋30と、を備えた建て込み冶具10を、鉄骨1をその上部がガイド部21に沿うように配置し、鉄骨1に取付けられたナット31にねじ鉄筋30を螺合させ、ねじ鉄筋30の上部にナット50を螺合させることにより鉄骨1と建て込み冶具10とを接続する。かかる構成により、地上においてナット50をねじ鉄筋30から取り外すことで、建て込み冶具10を撤去することができ、建て込み冶具10がガイド部21を備えることで、冶具本体20と鉄骨1とが、その軸が一直線上に並び、精度良く建て込むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は杭や地中連続壁などの芯材となる鉄骨を地盤に掘削した掘削孔内に建て込む方法及びこの方法で用いる建て込み冶具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、逆打工法における鋼真柱を建て込む際には、鋼真柱を構成する鉄骨柱の上部にヤットコを用いた建て込み冶具を連結し、この冶具をクレーンにより、地盤に形成された掘削孔内に挿入し、鋼真柱の外周に砂利やコンクリートを充填して鋼真柱を固定した後、掘削孔内に作業員が入って建て込み冶具を取り外して建て込み冶具を回収する方法が用いられている。
【0003】
かかる方法では、建て込み冶具と鉄骨の接続部が深い位置となってしまうと、建て込み冶具の取外し作業を行うことが困難になるため、地盤からあまり深くない位置に建て込み冶具と鉄骨の接続部が位置するように鉄骨の長さを決定しなければならない。このため、例えば、地表面から深い位置まで根切りを行う場合には、図12に示すように、建て込み冶具310に、根切り前の地表面から掘削孔下端まで到達するような長さの鉄骨301を接続して(ステップA)、掘削孔61内に建て込み、コンクリートなどのセメント系の固化剤80を打設した後(ステップB)、建て込み冶具310を撤去し(ステップC)、根切りを行いながら、地表面から根切り底までの部分の鉄骨301Aを撤去しており(ステップD)、根切り底にあたる深さから地表面までの部分の鉄骨が無駄になっていた。また、鉄骨から建て込み冶具を取り外す作業は、作業員が掘削孔内に浸入して行わなければならず、危険を伴っていた。
【0004】
そこで、例えば、特許文献1には、建て込み冶具の下端に、ボルト孔が形成された鋼板を取付け、建て込み冶具内に上下方向に延びるように、下端にボルトが接続されたロッドパイプを配置し、また、鉄骨の上端にボルト孔が形成された鋼板を取付けておき、建て込み冶具及び鉄骨に取付けられた鋼板のボルト孔に、ロッドパイプに接続されたボルトを螺合させて、建て込み冶具と鉄骨とを接続して鉄骨を建て込む方法が記載されている。かかる構成によれば、地上においてロッドパイプを回転させ、ボルトをボルト孔から外して、建て込み冶具を鉄骨から取り外すことができる。
【特許文献1】特公平7―3063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の方法では、特許文献1の図2、図4などからわかるように、鉄骨の上端に取付けられた鋼板と、建て込み冶具の下端に取付けられた鋼板とをボルトにより4箇所で接合している。このため、鉄骨と建て込み冶具を接続する際に、鉄骨と建て込み冶具とが一直線上に位置するようにこれらボルトの締め付け具合を調整する必要があり、接続作業に手間がかかるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、地上において建て込み冶具と鉄骨との取り外しが可能であり、かつ、容易に建て込み冶具に対して一直線上に位置するように鉄骨を接続することができる鉄骨の建て込み方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の鉄骨建て込み方法は、地盤に形成された掘削孔に鉄骨を建て込む方法であって、予め、前記鉄骨の上部にナットを取付けておき、鋼材からなる冶具本体と、前記冶具本体に、その下端よりも下方に延出するように設けられ、前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部と、少なくとも下部の外周面に螺条が形成され、前記冶具本本体に対して回転可能な上下方向に延びる棒状部材と、を備えた建て込み冶具を、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動が拘束されるように配置し、前記鉄骨に取付けられたナットに前記棒状部材の螺条を螺合させ、前記棒状部材の上部を前記冶具本体の上部に定着することにより、前記鉄骨と前記建て込み冶具とを接続する冶具接続ステップと、前記鉄骨が接続された建て込み冶具を揚重して、前記掘削孔内に前記鉄骨を建て込む鉄骨建て込みステップと、前記棒状部材を軸周りに回転させて前記鉄骨に取付けられたナットから前記棒状部材を取り外す棒状部材回転ステップと、前記建て込み冶具を前記掘削孔内から撤去する冶具撤去ステップと、を備えることを特徴とする。
また、本発明の鉄骨建て込み方法は、地盤に形成された掘削孔に鉄骨を建て込む方法であって、予め、前記鉄骨の上部にナットを取付けておき、前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部を下部に有する鋼材からなる冶具本体と、少なくとも下部の外周面に螺条が形成され、前記冶具本本体に対して回転可能な上下方向に延びる棒状部材と、を備えた建て込み冶具を、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動が拘束されるように配置し、前記鉄骨に取付けられたナットに前記棒状部材の螺条を螺合させ、前記棒状部材の上部を前記冶具本体の上部に定着することにより、前記鉄骨と前記建て込み冶具とを接続する冶具接続ステップと、前記鉄骨が接続された建て込み冶具を揚重して、前記掘削孔内に前記鉄骨を建て込む鉄骨建て込みステップと、前記棒状部材を軸周りに回転させて前記鉄骨に取付けられたナットから前記棒状部材を取り外す棒状部材回転ステップと、前記建て込み冶具を前記掘削孔内から撤去する冶具撤去ステップと、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の鉄骨建て込み方法は、地盤に形成された掘削孔に鉄骨を建て込む方法であって、予め、前記鉄骨の上部に、上下方向に延びるように棒状部材の下部を接続しておき、鋼材からなる冶具本体と、前記冶具本体に、その下端よりも下方に延出するように設けられ、前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部と、を備えた建て込み冶具を、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動が拘束されるように配置し、前記鉄骨の上部に接続された棒状部材の上部を前記冶具本体の上部に定着することにより、前記鉄骨と前記建て込み冶具とを接続する冶具接続ステップと、前記鉄骨が接続された建て込み冶具を揚重して、前記掘削孔内に前記鉄骨を建て込む鉄骨建て込みステップと、前記棒状部材の前記冶具本体への定着を解除する定着解除ステップと、前記建て込み冶具を前記掘削孔内から撤去する冶具撤去ステップと、を備えることを特徴とする。
また、本発明の鉄骨建て込み方法は、地盤に形成された掘削孔に鉄骨を建て込む方法であって、予め、前記鉄骨の上部に、上下方向に延びるように棒状部材の下部を接続しておき、前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部を下部に有する鋼材からなる冶具本体を備えた建て込み冶具を、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動が拘束されるように配置し、前記鉄骨の上部に接続された棒状部材の上部を前記冶具本体の上部に定着することにより、前記鉄骨と前記建て込み冶具とを接続する冶具接続ステップと、前記鉄骨が接続された建て込み冶具を揚重して、前記掘削孔内に前記鉄骨を建て込む鉄骨建て込みステップと、前記棒状部材の前記冶具本体への定着を解除する定着解除ステップと、前記建て込み冶具を前記掘削孔内から撤去する冶具撤去ステップと、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の鉄骨建て込み方法は、地盤に形成された掘削孔に鉄骨を建て込み冶具を用いて建て込む方法であって、前記建て込み冶具は、鋼材からなる冶具本体と、前記冶具本体に、その下端よりも下方に延出するように設けられ、前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部と、下端が上方に向かって折り曲げられてなる屈曲部を有する棒状部材と、を備え、予め、前記鉄骨に、前記棒状部材の屈曲部と係合可能な係合部を設けておき、前記建て込み冶具を、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動が拘束されるように配置し、前記屈曲部を前記係合部材に係合させ、前記棒状部材の上部を前記冶具本体の上部に定着することにより、前記鉄骨と前記建て込み冶具とを接続する冶具接続ステップと、前記鉄骨が接続された建て込み冶具を揚重して、前記掘削孔内に前記鉄骨を建て込む鉄骨建て込みステップと、前記棒状部材の前記冶具本体への定着を解除し、前記棒状部材の屈曲部を前記係合部材から離脱させる定着解除ステップと、前記建て込み冶具を前記掘削孔内から撤去する冶具撤去ステップと、を備えることを特徴とする。
また、本発明の鉄骨建て込み方法は、地盤に形成された掘削孔に鉄骨を建て込み冶具を用いて建て込む方法であって、前記建て込み冶具は、前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部を下部に有する鋼材からなる冶具本体と、下端が上方に向かって折り曲げられてなる屈曲部を有する棒状部材と、を備え、予め、前記鉄骨に、前記棒状部材の屈曲部と係合可能な係合部を設けておき、前記建て込み冶具を、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動が拘束されるように配置し、前記屈曲部を前記係合部材に係合させ、前記棒状部材の上部を前記冶具本体の上部に定着することにより、前記鉄骨と前記建て込み冶具とを接続する冶具接続ステップと、前記鉄骨が接続された建て込み冶具を揚重して、前記掘削孔内に前記鉄骨を建て込む鉄骨建て込みステップと、前記棒状部材の前記冶具本体への定着を解除し、前記棒状部材の屈曲部を前記係合部材から離脱させる定着解除ステップと、前記建て込み冶具を前記掘削孔内から撤去する冶具撤去ステップと、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記の鉄骨建て込み方法において、前記棒状部材の少なくとも上部には、外周面に螺条が形成されており、前記冶具接続ステップでは、前記棒状部材の少なくとも上部に形成された螺条にナットを螺合させ、当該ナットを前記冶具本体の上部に当接するまで締め付けることにより、前記棒状部材を前記冶具本体の上部に定着してもよい。
【0011】
また、前記棒状部材の少なくとも上部には、外周面に螺条が形成されており、前記冶具接続ステップでは、前記棒状部材の少なくとも上部に形成された螺条にナットを螺合させ、当該ナットと前記冶具本体の上部との間に伸長可能な部材を介装させ、当該伸縮可能な部材を伸長させることにより、前記棒状部材を前記冶具本体の上部に定着してもよい。
【0012】
また、前記棒状部材は、前記冶具本体の外周に沿うように設けられ、かつ、その少なくとも上部には、外周面に螺条が形成されており、前記冶具接続ステップでは、前記冶具本体の上部に当接部材を当接させ、ナットを、その下面が前記当接部材の上面に当接するように、前記棒状部材の上部に形成された螺条に螺合させることにより、前記棒状部材を前記冶具本体の上部に定着してもよい。
また、前記冶具本体は、前記鉄骨と同一の断面形状を有してもよい。
【0013】
また、本発明の鉄骨建て込み冶具は、鉄骨の上部に接続され、地盤に形成された掘削孔に当該鉄骨を建て込むための建て込み冶具であって、鋼材からなる冶具本体と、前記冶具本体に、その下端よりも下方に延出するように設けられ、前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部と、少なくとも下部の外周面に螺条が形成され、前記冶具本本体に対して回転可能であるとともに、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動が拘束された状態で、前記鉄骨の上部に取付けられたナットに前記螺条を螺合可能な上下方向に延びる棒状部材と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の鉄骨建て込み冶具は、鉄骨の上部に接続され、地盤に形成された掘削孔に当該鉄骨を建て込むための建て込み冶具であって、前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部を下部に有する鋼材からなる冶具本体と、少なくとも下部の外周面に螺条が形成され、前記冶具本本体に対して回転可能であるとともに、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動が拘束された状態で、前記鉄骨の上部に取付けられたナットに前記螺条を螺合可能な上下方向に延びる棒状部材と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の鉄骨建て込み冶具は、鉄骨の上部に接続され、地盤に形成された掘削孔に当該鉄骨を建て込むための建て込み冶具であって、鋼材からなる冶具本体と、前記冶具本体に、その下端よりも下方に延出するように設けられ、前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部と、を備え、前記冶具本体は、その上部に、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動を拘束された状態で、前記鉄骨の上部に接続された棒状部材の上部を定着可能であることを特徴とする。
また、本発明の鉄骨建て込み冶具は、鉄骨の上部に接続され、地盤に形成された掘削孔に当該鉄骨を建て込むための建て込み冶具であって、前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部を下部に有する鋼材からなる冶具本体を備え、前記冶具本体は、その上部に、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動を拘束された状態で、前記鉄骨の上部に接続された棒状部材の上部を定着可能であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の鉄骨建て込み冶具は、鉄骨の上部に接続され、地盤に形成された掘削孔に当該鉄骨を建て込むための建て込み冶具であって、鋼材からなる冶具本体と、前記冶具本体に、その下端よりも下方に延出するように設けられ、前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部と、下端が上方に向かって折り曲げられてなる屈曲部を有する棒状部材と、を備えた建て込み冶具であって、前記冶具本体は、その上部に、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動が拘束され、かつ、前記屈曲部を、前記鉄骨の上部に設けられた前記棒状部材の屈曲部と係合可能な係合部に係合させた状態で、前記棒状部材の上部を定着可能であることを特徴とする。
また、本発明の鉄骨建て込み冶具は、鉄骨の上部に接続され、地盤に形成された掘削孔に当該鉄骨を建て込むための建て込み冶具であって、前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部を下部に有する鋼材からなる冶具本体と、下端が上方に向かって折り曲げられてなる屈曲部を有する棒状部材と、を備えた建て込み冶具であって、前記冶具本体は、その上部に、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動が拘束され、かつ、前記屈曲部を、前記鉄骨の上部に設けられた前記棒状部材の屈曲部と係合可能な係合部に係合させた状態で、前記棒状部材の上部を定着可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、建て込み冶具に鉄骨を接続した状態で建て込んだ後、棒状部材を回転させて、鉄骨に取付けられたナットから棒状部材を取り外す、又は、棒状部材の冶具本体への定着を解除することにより、地上において鉄骨を建て込み冶具から取り外すことができる。また、拘束部により鉄骨の横方向移動が拘束されるため、容易に建て込み冶具に対して一直線上に位置するように鉄骨を接続することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
<第一実施形態>
以下、本発明の鉄骨の建て込み方法の一実施形態を図面を参照しながら、詳細に説明する。なお、以下の実施形態では鉄骨としてH型鋼を建て込む場合を説明する。
図1は、第一実施形態の鉄骨1の建て込み方法に用いられる建て込み冶具10を示し、(A)は鉛直断面図、(B)は(A)におけるB−B´断面図、(C)は(A)におけるC−C´断面図である。同図に示すように、建て込み冶具10は、建て込み冶具本体20と、建て込み冶具本体20の下部に取付けられた拘束部21と、建て込み冶具本体20の上部に取付けられたジャッキ40と、外周に螺条が形成され、上部にナット50が螺合するねじ鉄筋30と、を備える。
【0018】
鉄骨1のウエブ1Bの上部の一方の面には、ナット31が、その孔が上下方向に延びるように溶接接続されている。
建て込み冶具本体20は、建て込まれる鉄骨1と同一の断面形状の鉄骨である本体鉄骨部20Aと、本体鉄骨部20Aの上端面に取付けられた受圧板20Bとにより構成される。受圧板20Bには、孔(不図示)が形成されており、この孔をねじ鉄筋30が挿通している。本体鉄骨部20Aが鉄骨1と同一の断面形状を有することで、鉄骨1を建て込み冶具本体20に接続した際に、鉄骨1の上面と本体鉄骨部20Aの下面とが一致するため、より強固に鉄骨1を固定できる。また、鉄骨1を建て込み冶具本体20に接続した状態で、鉄骨1と本体鉄骨部20Aの外周面が面一となるため、スムーズな建て込み作業を行える。
【0019】
拘束部21は、断面が矩形の筒状の構成部材であり、図1に示すように、建て込みの対象となる鉄骨1を、内部に隙間なく収容可能な大きさに形成されている。
ねじ鉄筋30は受圧板20Bの孔を挿通し、その下端が建て込み冶具本体20の下端よりも下方に突出して拘束部21の内部に位置している。また、ねじ鉄筋30は建て込み冶具本体20には固定されておらず、上部に取付けられたナット50がジャッキ40に係止されることにより、垂下した状態で軸周りに回転可能に保持されている。
【0020】
ジャッキ40は、ねじ鉄筋30に取付けられたナット50と建て込み冶具本体20の受圧板20Bとの間に介装されており、伸長することにより、ねじ鉄筋30を上方に向かって引き上げることができる。
【0021】
建て込み冶具10に鉄骨1を取付ける場合には、予め、鉄骨1のウエブ1Bの上部にナット31を取付けておき、鉄骨1の上部を拘束部21内に挿入する。そして、ねじ鉄筋30の下端を鉄骨1に取付けられたナット31に螺合させ、鉄骨1の上端面が建て込み冶具本体20の下端面と当接するまでジャッキ40を伸長させる。鉄骨1は、ねじ鉄筋30により上方に向かって吊り上げられ、その上端面が建て込み冶具本体20の下端面に当接することにより上下方向の移動が拘束されるとともに、拘束部21により水平方向の移動が拘束される。これにより、鉄骨1は、建て込み冶具10に強固に固定されることとなる。
【0022】
以下、建て込み冶具10を用いた鉄骨1の建て込み方法を、図2A〜図2Iを参照しながら、逆打ち工法における鋼真柱として鉄骨1を建て込んだ後、根切りを行い、根切り底に鉄骨1の上部を突出させる場合を例として説明する。なお、図2A〜図2Iは、地盤の鉛直方向断面図である。
【0023】
まず、図2Aに示すように、地盤60を掘削して、建て込まれるべき鉄骨1の下端深さまで到達する掘削孔61を形成する。
次に、図2Bに示すように、鉄骨1を建て込む際に鉄骨1を案内するための矩形の筒状に形成されたガイド部材70を、掘削孔61の上部の縁に沿って地表面から突出するように設置する。
【0024】
次に、図2Cに示すように、掘削孔61に予めウエブ1Bの上端部にナット31を溶接接続した鉄骨1をガイド部材70に沿うように挿入する。そして、鉄骨1に係止部材71を取付け、鉄骨1の上部が地表から突出した状態で、鉄骨1を係止部材71により地上に反力をとって支持する。
【0025】
次に、図2Dに示すように、鉄骨1の上端に建て込み冶具10を接続する。すなわち、クレーン(不図示)により建て込み冶具10を揚重し、拘束部21内に鉄骨1の上端が収容されるように建て込む。そして、ねじ鉄筋30を回転させて、その下端を鉄骨1の上部に取付けられたナット31に螺合させ、鉄骨1の上面と建て込み冶具本体20の下面とが当接するまでジャッキ40を伸長させる。
【0026】
次に、図2Eに示すように、鉄骨1が接続された建て込み冶具10を揚重して、鉄骨1の下端が掘削孔61の下端近傍に到達するように、建て込み冶具10を建て込む。そして、建て込み冶具10に係止部材71を取付け、係止部材71により地上に反力をとって建て込み冶具10をその上部が地表から突出した状態となるように保持する。
次に、図2Fに示すように、鉄骨1が少なくとも上部を残して埋設される必要深さまで、掘削孔61内にコンクリートなどの固化剤80を打設する。
【0027】
次に、図2Gに示すように、打設した固化剤80が硬化した後、建て込み冶具10の上部において、ねじ鉄筋30を回転させ、鉄骨1の上部に取付けられたナット31からねじ鉄筋30を取り外す。このように、本実施形態では、建て込み冶具10の上部においてねじ鉄筋30を回転させることにより、ねじ鉄筋30をナット31から離脱させることができるので、地表面の高さにおいて鉄骨1から建て込み冶具10を取外す作業を行うことが可能となる。
【0028】
次に、図2Hに示すように、クレーンにより建て込み冶具10を掘削孔61より引き上げ、撤去する。
次に、図2Iに示すように、鉄骨1の周囲の地盤60を固化剤80の上面近傍又はそれよりも深い位置まで掘削する。
以上の工程により、鉄骨1の上部が根切り底に突出することとなる。
【0029】
本実施形態によれば、建て込み冶具10の上部においてねじ鉄筋30を回転させることで、ねじ鉄筋30をナット31から離脱させて、鉄骨1を取り外すことができる。このため、地上高さで建て込み冶具10から鉄骨1を取り外す作業を行うことができ、従来のように、作業員が掘削孔61内に進入して建て込み冶具10の取外し作業を行う必要がなくなる。
【0030】
また、建て込み冶具10から鉄骨1を離脱させる作業を地上において行えるため、建て込み冶具本体20を長尺にすることが可能になり、鉄骨1を必要以上に長尺にする必要がなくなり、コストを削減できる。
【0031】
また、鉄骨1の上部を拘束部21内に挿入した状態で、鉄骨1の上面が建て込み冶具本体20の下面に当接するようにジャッキ40によりねじ鉄筋30を介して上方に向かって引き上げることにより、建て込み冶具10に対する鉄骨1の上下方向のがたつきを無くし、上下方向の移動を確実に拘束することができる。これにより、鉄骨1が建て込み冶具本体20と一軸上に接続されることとなり、所定の位置に所定の姿勢で建て込むことが可能となる。
【0032】
また、掘削孔61内に建て込んだ鉄骨30の上部に建て込み冶具10を建て込んだ状態において、建て込み冶具本体20を接続する際に、ジャッキ40によりねじ鉄筋30を上方へ引き上げる工程を、地上においてジャッキ40を遠隔操作することで行えるため、高所作業の発生を抑えることができる。
【0033】
なお、本実施形態では、掘削孔61内に鉄骨1を建て込んだ状態で、鉄骨1に建て込み冶具10を接続することとしたが、これに限らず、後述する第二実施形態のように、鉄骨1を建て込む前に、鉄骨1と建て込み冶具とを接続してもよい。
【0034】
また、上記の実施形態では、建て込みの対象となる鉄骨1と同じ断面を有する冶具本体20の外周に沿って、断面が矩形の筒状に形成された拘束部21を取付けることとしたが、これら冶具本体20及び拘束部21に代えて、図3に示すように、建て込み対象の鉄骨1を水平方向の移動を拘束するように収容可能であり、かつ、所定の高さ位置に突出部421が形成された矩形状の鋼管420を用い、この鋼管420により冶具本体及び拘束部を兼ねることができる。かかる場合には、鋼管420の突出部421より下部が拘束部21に相当し、突出部421より上部が冶具本体20の本体鉄骨部20Aに相当することとなる。
【0035】
かかる建て込み冶具420を鉄骨1と接続する場合には、まず、鉄骨1の上部を拘束部21内に挿入する。そして、ねじ鉄筋30の下端を鉄骨1に取付けられたナット31に螺合させ、鉄骨1の上端面が建て込み冶具本体20の下端面と当接するまでジャッキ40を伸長させる。これにより、鉄骨1は、ねじ鉄筋30により上方に向かって吊り上げられ、その上端面が建て込み冶具本体20の突出部421の下端面に当接し、上下方向の移動が拘束されるとともに、拘束部21により水平方向の移動が拘束され、鉄骨1が、建て込み冶具410に強固に固定されることとなる。
【0036】
また、本実施形態では、ねじ鉄筋30の下部を鉄骨1の上部に取付けられたナット31に螺合させることにより、鉄骨1に接続するものとしたが、これに限らず、図4に示すように、鉄骨1のウエブ1Bの表面から横方向に立設するように棒状の係合部材2を取付けておき、また、ねじ鉄筋530の下部に先端が上方に向かってU字型に折り曲げられてなる屈曲部530Aを形成しておき、ねじ鉄筋530の屈曲部530Aが係合部材2と係合させた状態でジャッキ40を伸長させることによっても、建て込み冶具510と鉄骨1とを接続することができる。
【0037】
かかる建て込み冶具520を鉄骨1と接続する場合には、まず、鉄骨1の上部を拘束部21内に挿入する。そして、ねじ鉄筋530の屈曲部530Aを係合部材2の下面に当接させ、鉄骨1の上端面が建て込み冶具本体20の下端面と当接するまでジャッキ40を伸長させる。これにより、鉄骨1の上下方向の移動が拘束されるとともに、拘束部21により水平方向の移動が拘束され、鉄骨1が、建て込み冶具510に強固に固定されることとなる。なお、鉄骨1を掘削孔61内に建て込んだ後、鉄骨1を建て込み冶具510から取り外すには、ジャッキ40を収縮させ、屈曲部530Aを係合部材2から離間させればよい。かかる構成によっても、上記の実施形態と同様の効果が得られる。なお、図4に示す例では、ねじ鉄筋530の屈曲部530Aと係合可能な係合部材2を鉄骨1に立設することとしたが、これに限らず、鉄骨1に屈曲部530Aを着脱可能な開口を設け、この開口内の上部に屈曲部530Aを係合させたり、上端が下方に向かってU字型に屈曲する屈曲部を有する鉄筋を鉄骨に接続し、この鉄骨に接続された鉄筋の屈曲部に、ねじ鉄筋530の屈曲部530Aを係合させてもよい。
【0038】
<第二実施形態>
第一実施形態では、鉄骨1の上部にナット31を取付けておき、このナット31にねじ鉄筋30を螺合させることにより、鉄骨1にねじ鉄筋30を接続することとしたが、これに限らず、鉄骨1にねじ鉄筋30を溶接接続することとしてもよい。以下、かかる場合の実施形態を説明する。
【0039】
図5は、本発明の第二実施形態にかかる建て込み冶具110を示し、(A)は鉛直断面図、(B)は(A)におけるB−B´断面図、(C)は(A)におけるC−C´断面図である。同図に示すように、第2実施形態にかかる建て込み冶具110は、建て込み冶具本体と、建て込み冶具本体20の下部に取付けられた拘束部21と、建て込み冶具本体20の上部に取付けられたジャッキ40と、を備える。また、建て込まれるべき鉄骨1のウエブ1Bの上部には、上下方向に延びるねじ鉄筋130の下端が溶接接続されている。
【0040】
建て込み冶具110に鉄骨1を取付ける場合には、ねじ鉄筋130の上端が受圧板20Bの孔を挿通するように、鉄骨1の上部を拘束部21内に挿入する。そして、ねじ鉄筋130の上部にナット50を螺合させ、ナット50と受圧板20Bとの間にジャッキ40を介装させる。次に、鉄骨1の上面と建て込み冶具本体20の下面とが当接するまで、ジャッキ40を伸長させる。これにより、第1実施形態と同様に、ねじ鉄筋130により上方に向かって吊り上げられ、その上面が建て込み冶具本体20の下面に当接することにより上下方向の移動が拘束されるとともに、拘束部21により水平方向の移動が拘束されることとなる。
【0041】
以下、第二実施形態の建て込み冶具を用いた鉄骨の建て込み方法を、図4A〜図4Eを参照しながら説明する。
まず、予め、建て込まれるべき鉄骨1の上端にねじ鉄筋130を溶接接続しておく。
鉄骨1及び建て込み冶具110を寝かせた状態で、鉄骨1に溶接されたねじ鉄筋130の先端が、受圧板20Bに形成された孔を挿通するとともに、ねじ鉄筋130が溶接された側の端部が拘束部21内に収容されるように、鉄骨1を移動させる。そして、ねじ鉄筋130の、受圧板20Bの孔を挿通して突出した部分にナット50を螺合させ、受圧板20Bとナット50との間にジャッキ40を介装させ、鉄骨1の拘束部21内に収容された側の端面が、建て込み冶具本体20の鉄骨1側の端面と当接するまでジャッキ40を伸長させる。
【0042】
また、これと並行して、図2A及び図2Bを参照して説明したのと同様に、地盤60に掘削孔61を形成し、掘削孔61の縁にガイド部材70を取付ける。
【0043】
次に、図6Aに示すように、クレーンにより鉄骨1が接続された建て込み冶具110を建て起こし、鉄骨1をガイド部材70に沿わせて掘削孔61内に、その先端が所定の深さに到達するまで挿入する。そして、建て込み冶具110に係止部材71を取付け、係止部材71により地上に反力をとって、建て込み冶具110の上部が地表面から突出した状態となるように、建て込み冶具110を保持する。
【0044】
次に、図6Bに示すように、鉄骨1が上部を残して埋設される深さまで、掘削孔61内に固化剤80を打設する。
次に、図6Cに示すように、打設した固化剤80が硬化した後、建て込み冶具110の上部において、ねじ鉄筋130に螺合するナット50を回転させ、ねじ鉄筋130からナット50を取り外し、さらに、建て込み冶具本体20の受圧板とナット50の間に介装されていたジャッキ40を取り外す。
【0045】
次に、図6Dに示すように、クレーンにより建て込み冶具10を上方に吊り上げて撤去する。このように、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、地上高さにおいて鉄骨1から建て込み冶具110を取外す作業を行うことができる。
【0046】
次に、図6Eに示すように、地盤60を所定の根切り深さまで掘削し、鉄骨1に溶接接続されたねじ鉄筋130を切断する。
以上の工程により、鉄骨1の上部が値切り底に突出することとなる。
本実施形態によっても、第一実施形態と同様の効果が得られることとなる。
【0047】
なお、本実施形態では、鉄骨1を掘削孔61内に建て込む前に、鉄骨1と建て込み冶具110とを接続するものとしたが、これに限らず、第一実施形態と同様に、鉄骨1を掘削孔61内に上部が突出した状態に建て込み、掘削孔61内に建て込まれた鉄骨1の上部に建て込み冶具110を接続してもよい。
【0048】
また、本実施形態では、建て込みの対象となる鉄骨1と同じ断面を有する冶具本体の外周に沿うように断面が矩形の筒状に形成された拘束部21を取付けることとしたが、第一実施形態と同様に、これに代えて、建て込み対象の鉄骨を水平方向の移動を拘束するように収容可能であり、かつ、所定の高さ位置に突出部が形成された矩形状の鋼管を用いてもよい。
【0049】
また、上記の各実施形態では、拘束部21が矩形の筒状に形成されている場合について説明したが、これに限らず、鉄骨1を水平方向に移動しないように拘束可能な構成であればよく、すなわち、例えば、図7に示すように、拘束部21を両フランジ1Aの対向する面及びウエブ1Bの表裏面に沿うように取付けた複数の鋼板により構成してもよい。かかる構成の拘束部21によれば、鉄骨1の外周面に拘束部21を構成する部材が突出しないため、スムーズに建て込み作業を行うことができる。
【0050】
また、上記の各実施形態では、建て込み冶具本体20を建て込みの対象となる鉄骨1と同一断面のH型鋼により構成するものとしたが、これに限らず、鋼管など適宜な部材を採用することができる。
【0051】
また、上記の各実施形態では、鉄骨1のウエブ1Bの一方の面に取付けられたナットを介して又は直接ねじ鉄筋を接続する構成としたが、図8(A)に示すように、鉄骨1のウエブ1Bの両面にねじ鉄筋30を接続する構成としてもよいし、同図(B)に示すように、鉄骨1の両フランジ1Aの外側の面にねじ鉄筋30を接続してもよい。また、同図(C)に示すように、鉄骨1のウエブ1Bにナット31を埋め込むことも可能である。このような場合には、鉄骨1のウエブ1Bに切欠きを形成しおき、この切欠き内にナット31を配置し、ナット31と鉄骨1とを溶接接続すればよい。さらに、鉄骨1の荷重が大きい場合には、同図(D)に示すように、鉄骨1の上部にブラケット32を取付けておき、このブラケット32の下面にナット31の上面を当接させる構成としてもよい。
【0052】
また、上記の各実施形態では、鉄骨1の上端と掘削孔61内に打設される固化剤80の上面とが十分に離間しており、建て込み冶具10、110の下端と固化剤80の打設面との間に十分距離があるため、建て込み冶具10、110の下端が固化剤80に埋設される虞はないが、鉄骨1の上端と固化剤80の打設面と近接している場合には、建て込み冶具10、110が固化剤80に埋もれてしまったり、固化剤80が大量に付着したりする虞がある。そこで、このような場合には、図9に示すように、建て込み冶具10に建て込まれるべき鉄骨1と同一の断面を有する短尺な仮鉄骨90を接続しておき、建て込まれるべき鉄骨1の上端をプレート92を介してボルト91により仮鉄骨90の下端に接続するとよい。これにより、鉄骨1の上端近傍まで固化剤80を打設しても、建て込み冶具10の下端が固化剤80内に埋もれてしまうのを防止できる。さらに、このように仮鉄骨90を用いる場合には、固化剤80の打設完了後、地盤の根切り作業が完了するまで、仮鉄骨90を鉄骨1の上部に接続したままにするとよい。仮鉄骨90を鉄骨1の上部に接続しておくことで、地盤を掘削する際の鉄骨1の上端部を保護することができる。
【0053】
また、上記の第1及び第2実施形態では、ねじ鉄筋の上部に螺合するナットと冶具本体との間にジャッキを介装させる構成としたが、必ずしもジャッキを介装させる必要はなく、第1実施形態の構成を採用する場合には図10(A)に示すように、第2実施形態の構成を採用する場合には図10(B)のように、鉄骨1の上面と建て込み冶具本体20の下面とが当接した状態でねじ鉄筋30の上部に、その下面が建て込み冶具本体20の受圧板20Bと当接するようにナット50を螺合させるのみでもよい。すなわち、鉄骨1の上面を建て込み冶具本体20の下面に当接させた状態で、ねじ鉄筋30の鉄骨1とは反対側の端部を建て込み冶具本体20に定着可能であればよい。
【0054】
<第三実施形態>
上記の各実施形態では、鉄骨1の建て込み後、掘削孔内に打設した固化剤80が硬化するまで、建て込み冶具を撤去しない場合について説明したが、これに限らず、鉄骨1の建て込み後、早期に建て込み冶具本体を撤去することも可能である。以下、かかる場合の実施形態を説明する。
【0055】
図11は、かかる場合の建て込み冶具210の構成を示し、(A)は鉄骨1を接続した建て込み冶具210を掘削孔61内に建て込んだ状態を示す鉛直断面図であり、(B)は建て込み冶具本体220を取り外す様子を示す図である。
【0056】
同図に示すように、かかる場合の建て込み冶具210は、建て込み冶具本体220と、建て込み冶具本体220の下部に取付けられた拘束部21と、建て込み冶具本体220の側部に沿って上下方向に延び、上部に第1のナット73が取付けられた一対のねじ鉄筋30と、ねじ鉄筋30に取付けられた第1の抑え部材72と、により構成される。なお、建て込み冶具210は、ねじ鉄筋30の上部に取付けられた第2のナット75が地上に設置された第2の係止部材74に反力をとることで保持される。
【0057】
拘束部21は、図7を参照して説明したのと同様に、鉄骨1の両フランジ1Aの内側の面及びウエブ1Bの両面に沿うように建て込み冶具本体220に取付けられた複数の鋼板からなる。
また、予め、鉄骨1の両フランジ1Bの外側の面にはナット31が取付けられている。
【0058】
鉄骨1に建て込み冶具210を接続する場合には、図2A〜図2Cを参照して説明したように、地盤60に掘削孔61を形成し、この掘削孔61内に上部が地表から突出した状態となるように鉄骨1を建て込み、鉄骨1の両フランジ1Aに取付けたナット31にねじ鉄筋30を螺合させ、また、建て込み冶具本体220を、拘束部21が鉄骨1の表面に沿うように、鉄骨1の上部に建て込む。そして、建て込み冶具本体220の上部に抑え部材72を当接させ、ねじ鉄筋30の上部にナット31を螺合させ、ナット31の下面が抑え部材72の上面に当接するまで締め付ける。これにより、ねじ鉄筋30が抑え部材72に反力をとって鉄骨1の下方への移動を拘束し、また、拘束部21が鉄骨1の水平方向の移動を拘束することとなり、鉄骨1が建て込み冶具本体220に強固に接続されることとなる。
【0059】
このように鉄骨1を接続した建て込み冶具210を、鉄骨1の下端が掘削孔61の下部にするように建て込み、地上に係止部材74を設置し、この係止部材74に下面が当接するまでナット75を締め付ける。これにより、鉄骨1及び建て込み冶具本体220の荷重がねじ鉄筋30を介して係止部材74に伝達され、係止部材74が地盤60に反力をとることで、鉄骨1及び建て込み冶具本体220が支持される。そして、この状態で掘削孔61内に固化剤80を打設する。
【0060】
次に、固化剤80の打設後、その硬化を待つことなく、図11(B)に示すように、ナット73を回転させて上方に移動させ、抑え部材72を撤去する。かかる状態であっても、ねじ鉄筋30を介して鉄骨1が支持されることとなる。
【0061】
そして、掘削孔61内に打設した固化剤80が、鉄骨1を支持可能な強度となるまで硬化した後、地上高さにおいてナット75を回転させ、係止部材74を取り外す。さらに、地上高さにおいてねじ鉄筋30を回転させて、鉄骨1に接続されたナットから取り外す。
以上の工程により、鉄骨1を所定の深さに建て込むことができる。
【0062】
このように、本実施形態によれば、固化剤80が硬化する前であっても、建て込み冶具本体220を撤去することができる。
【0063】
なお、上記の実施形態では、建て込みの対象となる鉄骨1と同じ断面を有する冶具本体の外周に沿うように断面が矩形の筒状に形成された拘束部21を取付けることとしたが、第一実施形態と同様に、これに代えて、建て込み対象の鉄骨を水平方向の移動を拘束するように収容可能であり、かつ、所定の高さ位置に突出部が形成された矩形状の鋼管を用いてもよい。
【0064】
また、上記の各実施形態では、鉄骨1を建て込む場合について説明したが、これに限らず、円形や矩形の鋼管などH型鋼以外の断面形状を有する鉄骨や、鉄筋かごを支持する鉄骨部材などを建て込む場合であっても、本発明を適用することができる。
また、上記の各実施形態では、建て込み冶具本体と鉄骨とを結ぶ部材としてねじ鉄筋を用いているが、これに限らず、PC鋼棒などの棒状部材を用いることとしてもよい。
【0065】
また、上記の各実施形態では、ねじ鉄筋の上部に螺合するナットと冶具本体との間にジャッキを介装させ、このジャッキを伸長させることにより、鉄骨1をその上面が冶具本体の下面に当接するまで吊り上げ、鉄骨1を建て込み冶具に接続するものとしたが、これに限らず、ばね部材などを介装させることとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】第一実施形態の鉄骨の建て込み方法に用いられる建て込み冶具を示し、(A)は鉛直断面図、(B)は(A)におけるB−B´断面図、(C)は(A)におけるC−C´断面図である。
【図2A】第一実施形態の建て込み冶具を用いたH型鋼の建て込み方法を説明するための図(その1)であり、地盤の鉛直方向断面図である。
【図2B】第一実施形態の建て込み冶具を用いたH型鋼の建て込み方法を説明するための図(その2)であり、地盤の鉛直方向断面図である。
【図2C】第一実施形態の建て込み冶具を用いたH型鋼の建て込み方法を説明するための図(その3)であり、地盤の鉛直方向断面図である。
【図2D】第一実施形態の建て込み冶具を用いたH型鋼の建て込み方法を説明するための図(その4)であり、地盤の鉛直方向断面図である。
【図2E】第一実施形態の建て込み冶具を用いたH型鋼の建て込み方法を説明するための図(その5)であり、地盤の鉛直方向断面図である。
【図2F】第一実施形態の建て込み冶具を用いたH型鋼の建て込み方法を説明するための図(その6)であり、地盤の鉛直方向断面図である。
【図2G】第一実施形態の建て込み冶具を用いたH型鋼の建て込み方法を説明するための図(その7)であり、地盤の鉛直方向断面図である。
【図2H】第一実施形態の建て込み冶具を用いたH型鋼の建て込み方法を説明するための図(その8)であり、地盤の鉛直方向断面図である。
【図2I】第一実施形態の建て込み冶具を用いたH型鋼の建て込み方法を説明するための図(その9)であり、地盤の鉛直方向断面図である。
【図3】断面矩形状の鋼管により冶具本体と拘束部を兼ねた場合の建て込み冶具の構成を示し、(A)は鉛直断面図、(B)は(A)におけるB−B´断面図、(C)は(A)におけるC−C´断面図である。
【図4】下部に先端が上方に向かってU字型に折り曲げられてなる屈曲部が形成されたねじ鉄筋を用いた場合の建て込み冶具の構成を示し、(A)は鉛直断面図、(B)は(A)におけるB−B´断面図、(C)は(A)におけるC−C´断面図である。
【図5】第二実施形態にかかる建て込み冶具を示し、(A)は鉛直断面図、(B)は(A)におけるB−B´断面図、(C)は(A)におけるC−C´断面図である。
【図6A】第二実施形態の建て込み冶具を用いたH型鋼の建て込み方法を説明するための図(その1)であり、地盤の鉛直方向断面図である。
【図6B】第二実施形態の建て込み冶具を用いたH型鋼の建て込み方法を説明するための図(その2)であり、地盤の鉛直方向断面図である。
【図6C】第二実施形態の建て込み冶具を用いたH型鋼の建て込み方法を説明するための図(その3)であり、地盤の鉛直方向断面図である。
【図6D】第二実施形態の建て込み冶具を用いたH型鋼の建て込み方法を説明するための図(その4)であり、地盤の鉛直方向断面図である。
【図6E】第二実施形態の建て込み冶具を用いたH型鋼の建て込み方法を説明するための図(その5)であり、地盤の鉛直方向断面図である。
【図7】ガイド部材を両フランジの対向する面及びウエブの表裏面に沿うように取付けた場合の建て込み冶具を示し、(A)は鉛直断面図、(B)は(A)におけるB−B´断面図である。
【図8】(A)は、H型鋼のウエブの両面にねじ鉄筋を接続した場合を、(B)は、H型鋼の両フランジの外側の面にねじ鉄筋を接続した場合を、(C)は、H型鋼のウエブにナットを埋め込んだ場合を、(D)は、H型鋼の上部にブラケットを取付けた場合を示す図である。
【図9】H型鋼に仮鉄骨を接続しておき、この仮鉄骨を介してH型鋼を建て込み冶具に接続した状態を示す図である。
【図10】ねじ鉄筋と冶具本体の間に介装されたジャッキを省略した実施形態を示し、(A)は、第1実施形態の構成を採用した場合を、(B)は第2実施形態の構成を採用した場合を示す鉛直断面図である。
【図11】早期に建て込み冶具本体を撤去可能な、建て込み冶具の構成を示し、(A)はH型鋼を接続した建て込み冶具を掘削孔内に建て込んだ状態を示す鉛直断面図であり、(B)は建て込み冶具本体を取り外す様子を示す図である。
【図12】従来の地表面から深い位置まで根切りを行う場合の鉄骨の建て込み方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0067】
1 鉄骨
10、110、210、410、510 建て込み冶具
20、220、420 冶具本体
21 拘束部
30、130、530 ねじ鉄筋
31、50、73、75 ナット
32 ブラケット
40 ジャッキ
60 地盤
61 掘削孔
70 ガイド部材
80 固化剤
90 仮鉄骨
421 突出部
530A 屈曲部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤に形成された掘削孔に鉄骨を建て込む方法であって、
予め、前記鉄骨の上部にナットを取付けておき、
鋼材からなる冶具本体と、前記冶具本体に、その下端よりも下方に延出するように設けられ、前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部と、少なくとも下部の外周面に螺条が形成され、前記冶具本本体に対して回転可能な上下方向に延びる棒状部材と、を備えた建て込み冶具を、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動が拘束されるように配置し、前記鉄骨に取付けられたナットに前記棒状部材の螺条を螺合させ、前記棒状部材の上部を前記冶具本体の上部に定着することにより、前記鉄骨と前記建て込み冶具とを接続する冶具接続ステップと、
前記鉄骨が接続された建て込み冶具を揚重して、前記掘削孔内に前記鉄骨を建て込む鉄骨建て込みステップと、
前記棒状部材を軸周りに回転させて前記鉄骨に取付けられたナットから前記棒状部材を取り外す棒状部材回転ステップと、
前記建て込み冶具を前記掘削孔内から撤去する冶具撤去ステップと、を備えることを特徴とする鉄骨建て込み方法。
【請求項2】
地盤に形成された掘削孔に鉄骨を建て込む方法であって、
予め、前記鉄骨の上部にナットを取付けておき、
前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部を下部に有する鋼材からなる冶具本体と、少なくとも下部の外周面に螺条が形成され、前記冶具本本体に対して回転可能な上下方向に延びる棒状部材と、を備えた建て込み冶具を、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動が拘束されるように配置し、前記鉄骨に取付けられたナットに前記棒状部材の螺条を螺合させ、前記棒状部材の上部を前記冶具本体の上部に定着することにより、前記鉄骨と前記建て込み冶具とを接続する冶具接続ステップと、
前記鉄骨が接続された建て込み冶具を揚重して、前記掘削孔内に前記鉄骨を建て込む鉄骨建て込みステップと、
前記棒状部材を軸周りに回転させて前記鉄骨に取付けられたナットから前記棒状部材を取り外す棒状部材回転ステップと、
前記建て込み冶具を前記掘削孔内から撤去する冶具撤去ステップと、を備えることを特徴とする鉄骨建て込み方法。
【請求項3】
地盤に形成された掘削孔に鉄骨を建て込む方法であって、
予め、前記鉄骨の上部に、上下方向に延びるように棒状部材の下部を接続しておき、
鋼材からなる冶具本体と、前記冶具本体に、その下端よりも下方に延出するように設けられ、前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部と、を備えた建て込み冶具を、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動が拘束されるように配置し、前記鉄骨の上部に接続された棒状部材の上部を前記冶具本体の上部に定着することにより、前記鉄骨と前記建て込み冶具とを接続する冶具接続ステップと、
前記鉄骨が接続された建て込み冶具を揚重して、前記掘削孔内に前記鉄骨を建て込む鉄骨建て込みステップと、
前記棒状部材の前記冶具本体への定着を解除する定着解除ステップと、
前記建て込み冶具を前記掘削孔内から撤去する冶具撤去ステップと、を備えることを特徴とする鉄骨建て込み方法。
【請求項4】
地盤に形成された掘削孔に鉄骨を建て込む方法であって、
予め、前記鉄骨の上部に、上下方向に延びるように棒状部材の下部を接続しておき、
前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部を下部に有する鋼材からなる冶具本体を備えた建て込み冶具を、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動が拘束されるように配置し、前記鉄骨の上部に接続された棒状部材の上部を前記冶具本体の上部に定着することにより、前記鉄骨と前記建て込み冶具とを接続する冶具接続ステップと、
前記鉄骨が接続された建て込み冶具を揚重して、前記掘削孔内に前記鉄骨を建て込む鉄骨建て込みステップと、
前記棒状部材の前記冶具本体への定着を解除する定着解除ステップと、
前記建て込み冶具を前記掘削孔内から撤去する冶具撤去ステップと、を備えることを特徴とする鉄骨建て込み方法。
【請求項5】
地盤に形成された掘削孔に鉄骨を建て込み冶具を用いて建て込む方法であって、
前記建て込み冶具は、鋼材からなる冶具本体と、前記冶具本体に、その下端よりも下方に延出するように設けられ、前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部と、下端が上方に向かって折り曲げられてなる屈曲部を有する棒状部材と、を備え、
予め、前記鉄骨に、前記棒状部材の屈曲部と係合可能な係合部を設けておき、
前記建て込み冶具を、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動が拘束されるように配置し、前記屈曲部を前記係合部材に係合させ、前記棒状部材の上部を前記冶具本体の上部に定着することにより、前記鉄骨と前記建て込み冶具とを接続する冶具接続ステップと、
前記鉄骨が接続された建て込み冶具を揚重して、前記掘削孔内に前記鉄骨を建て込む鉄骨建て込みステップと、
前記棒状部材の前記冶具本体への定着を解除し、前記棒状部材の屈曲部を前記係合部材から離脱させる定着解除ステップと、
前記建て込み冶具を前記掘削孔内から撤去する冶具撤去ステップと、を備えることを特徴とする鉄骨建て込み方法。
【請求項6】
地盤に形成された掘削孔に鉄骨を建て込み冶具を用いて建て込む方法であって、
前記建て込み冶具は、前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部を下部に有する鋼材からなる冶具本体と、下端が上方に向かって折り曲げられてなる屈曲部を有する棒状部材と、を備え、
予め、前記鉄骨に、前記棒状部材の屈曲部と係合可能な係合部を設けておき、
前記建て込み冶具を、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動が拘束されるように配置し、前記屈曲部を前記係合部材に係合させ、前記棒状部材の上部を前記冶具本体の上部に定着することにより、前記鉄骨と前記建て込み冶具とを接続する冶具接続ステップと、
前記鉄骨が接続された建て込み冶具を揚重して、前記掘削孔内に前記鉄骨を建て込む鉄骨建て込みステップと、
前記棒状部材の前記冶具本体への定着を解除し、前記棒状部材の屈曲部を前記係合部材から離脱させる定着解除ステップと、
前記建て込み冶具を前記掘削孔内から撤去する冶具撤去ステップと、を備えることを特徴とする鉄骨建て込み方法。
【請求項7】
請求項1から6のうち何れか1項に記載の鉄骨建て込み方法であって、
前記棒状部材の少なくとも上部には、外周面に螺条が形成されており、
前記冶具接続ステップでは、
前記棒状部材の少なくとも上部に形成された螺条にナットを螺合させ、当該ナットを前記冶具本体の上部に当接するまで締め付けることにより、前記棒状部材を前記冶具本体の上部に定着することを特徴とする鉄骨建て込み方法。
【請求項8】
請求項1から6のうち何れか1項に記載の鉄骨建て込み方法であって、
前記棒状部材の少なくとも上部には、外周面に螺条が形成されており、
前記冶具接続ステップでは、前記棒状部材の少なくとも上部に形成された螺条にナットを螺合させ、当該ナットと前記冶具本体の上部との間に伸長可能な部材を介装させ、当該伸縮可能な部材を伸長させることにより、前記棒状部材を前記冶具本体の上部に定着することを特徴とする鉄骨建て込み方法。
【請求項9】
請求項1又は2記載の鉄骨建て込み方法であって、
前記棒状部材は、前記冶具本体の外周に沿うように設けられ、かつ、その少なくとも上部には、外周面に螺条が形成されており、
前記冶具接続ステップでは、前記冶具本体の上部に当接部材を当接させ、ナットを、その下面が前記当接部材の上面に当接するように、前記棒状部材の上部に形成された螺条に螺合させることにより、前記棒状部材を前記冶具本体の上部に定着することを特徴とする鉄骨建て込み方法。
【請求項10】
請求項1から9のうち何れか1項に記載の鉄骨建て込み方法であって、
前記冶具本体は、前記鉄骨と同一の断面形状を有することを特徴とする鉄骨建て込み方法。
【請求項11】
鉄骨の上部に接続され、地盤に形成された掘削孔に当該鉄骨を建て込むための建て込み冶具であって、
鋼材からなる冶具本体と、前記冶具本体に、その下端よりも下方に延出するように設けられ、前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部と、少なくとも下部の外周面に螺条が形成され、前記冶具本本体に対して回転可能であるとともに、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動が拘束された状態で、前記鉄骨の上部に取付けられたナットに前記螺条を螺合可能な上下方向に延びる棒状部材と、を備えることを特徴とする鉄骨建て込み冶具。
【請求項12】
鉄骨の上部に接続され、地盤に形成された掘削孔に当該鉄骨を建て込むための建て込み冶具であって、
前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部を下部に有する鋼材からなる冶具本体と、少なくとも下部の外周面に螺条が形成され、前記冶具本本体に対して回転可能であるとともに、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動が拘束された状態で、前記鉄骨の上部に取付けられたナットに前記螺条を螺合可能な上下方向に延びる棒状部材と、を備えることを特徴とする鉄骨建て込み冶具。
【請求項13】
鉄骨の上部に接続され、地盤に形成された掘削孔に当該鉄骨を建て込むための建て込み冶具であって、
鋼材からなる冶具本体と、前記冶具本体に、その下端よりも下方に延出するように設けられ、前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部と、を備え、
前記冶具本体は、その上部に、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動を拘束された状態で、前記鉄骨の上部に接続された棒状部材の上部を定着可能であることを特徴とする鉄骨建て込み冶具。
【請求項14】
鉄骨の上部に接続され、地盤に形成された掘削孔に当該鉄骨を建て込むための建て込み冶具であって、
前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部を下部に有する鋼材からなる冶具本体を備え、
前記冶具本体は、その上部に、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動を拘束された状態で、前記鉄骨の上部に接続された棒状部材の上部を定着可能であることを特徴とする鉄骨建て込み冶具。
【請求項15】
鉄骨の上部に接続され、地盤に形成された掘削孔に当該鉄骨を建て込むための建て込み冶具であって、
鋼材からなる冶具本体と、前記冶具本体に、その下端よりも下方に延出するように設けられ、前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部と、下端が上方に向かって折り曲げられてなる屈曲部を有する棒状部材と、を備えた建て込み冶具であって、
前記冶具本体は、その上部に、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動が拘束され、かつ、前記屈曲部を、前記鉄骨の上部に設けられた前記棒状部材の屈曲部と係合可能な係合部に係合させた状態で、前記棒状部材の上部を定着可能であることを特徴とする鉄骨建て込み冶具。
【請求項16】
鉄骨の上部に接続され、地盤に形成された掘削孔に当該鉄骨を建て込むための建て込み冶具であって、
前記鉄骨の横方向の移動を拘束する拘束部を下部に有する鋼材からなる冶具本体と、下端が上方に向かって折り曲げられてなる屈曲部を有する棒状部材と、を備えた建て込み冶具であって、
前記冶具本体は、その上部に、前記拘束部により前記鉄骨の横方向の移動が拘束され、かつ、前記屈曲部を、前記鉄骨の上部に設けられた前記棒状部材の屈曲部と係合可能な係合部に係合させた状態で、前記棒状部材の上部を定着可能であることを特徴とする鉄骨建て込み冶具。

【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図6A】
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【図12】
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【図1】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図2I】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−70933(P2010−70933A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−237411(P2008−237411)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【特許番号】特許第4277935号(P4277935)
【特許公報発行日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】