説明

鋳型の製造方法

【課題】内部空間の表面に沿って複数の冷金を隣り合うように配置することによって引け巣の発生位置を制御することによって、良質な鋳物を製造可能な鋳型の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、複数のキャビティ又はコア(10,20)が組み合わされて内部空間(50)が形成されており、内部空間の表面に沿って複数の冷金(51)が隣り合うように配置された鋳型(1)の製造方法であり、特に複数の冷金(51)の内部空間(50)に面する側を、加熱時に焼失可能な固定部材(52)で一体的に固定する固定工程と、固定部材(52)で固定された複数の冷金を模型(60)上に設置し、鋳砂(12,22)を充填して型締めする型締め工程と、型締めされた鋳型を模型(60)から分離する分離工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のキャビティ又はコアが組み合わされることにより、溶湯を凝固させるための内部空間が形成されており、前記内部空間の表面に沿って複数の冷金が隣り合うように配置された鋳型の製造方法の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
溶融状態の金属および合金(以下、適宜「溶湯」と称する)を鋳型の内部空間に注入することにより、溶湯を凝固、冷却させた後、鋳型より取り出して製品(鋳物)を製造する鋳造技術が、広く知られている。鋳造に用いられる鋳型は例えば砂や金属、熱硬化性樹脂などを材料として製造されるが、特に砂(鋳砂)を材料として用いる場合、模型上に充填した鋳砂を型締めすることにより成型される。
【0003】
ここで、図7は鋳造に用いられる典型的な砂型2の断面構造を示す断面図である。砂型2は、キャビティ又はコアである上型10及び下型20から構成されている。上型10と下型20は、それぞれ金属製の鋳枠11,21の内側に鋳砂12,22が充填された構造を有している。砂型2はこのような上型10と下型20に加えて中子40を有してなり、上型10、下型20及び中子40によって形成される内部空間50に、通路30a及び30bを介して溶湯が流し込まれることによって、溶湯が凝固、冷却され、鋳物の製造が行われる。
【0004】
図8は図7に示す砂型2を用いて製造した鋳物70の断面構造を示す断面図である。通路30a及び30bから流し込まれた溶湯は、砂型2の内部空間50で凝固し、鋳物70に成形される。このとき、鋳物70のうち容積が大きい部分は容積が小さい部分に比べて熱容量が大きいため、凝固が遅れてホットスポットとなる。ホットスポットでは、その周辺が早く熱収縮することで空間(即ち、引け巣72)が生じやすく、製造された鋳物70にとって強度上又は加工上の不良をもたらすことがある。例えば、図8に示すように、製造された鋳物70にネジ穴71を開ける加工を施す場合、ネジ穴71に引け巣72が重なってしまうと、不良品となってしまう。
【0005】
このような引け巣72の発生による鋳物70の不良を回避するために、内部空間50の表面に沿って冷金51が配置されることがある。図9は内部空間50の表面に沿って冷金51を配置した典型的な砂型3の断面構造を示す断面図であり、図10は図9に示す砂型3によって製造された鋳物73の断面図である。冷金51は内部空間50の表面のうち、特に引け巣72の発生を回避したい領域に面するように配置される。このように冷金51を設けることにより、注入された溶湯のうち冷金51に近い領域における放熱を促進することにより凝固を早め、図10に示すように引け巣72の発生位置を移動させることができる。このような冷金を有する砂型の製造方法に関して、例えば特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】昭62−203637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えばサイズの大きい鋳物を製造するために砂型を大型化した場合、引け巣を移動させるために要する冷金の熱容量も大きくする必要がある。上記特許文献1には冷金を用いた砂型の基本的な製造方法が開示されているものの、冷金の設置面が下面方向の場合、冷金の熱容量を増大させるために冷金のサイズを大型化させると、自重により砂型から脱落してしまうおそれがある。また、内部空間の表面に沿って隣り合うように複数の冷金を配置することにより、冷金の合計熱容量を増大させることも考えられるが、この場合、熱容量が分散しないように冷金同士の間隔を小さく設定する必要がある。しかしながら、このように冷金同士の間隔を小さくすると、当該間隔に鋳砂が十分に充填されずに、冷金が砂型から脱落しやすくなってしまうという問題がある。また、鋳砂が十分に充填されていない状態で溶湯が流入すると、砂が脱落し、製品内に巻込む不具合も発生するおそれがある。一方、冷金同士の間隔を大きく設定すると、熱容量が分散してしまい、引け巣を移動させる効果が十分に得られなくなってしまうという問題が発生する。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、内部空間の表面に沿って複数の冷金を隣り合うように配置することによって引け巣の発生位置を制御することによって、良質な鋳物を製造可能な鋳型の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の鋳型の製造方法は上記課題を解決するために、複数のキャビティ又はコアが組み合わされることにより、溶湯を凝固させるための内部空間が形成されており、前記内部空間の表面に沿って複数の冷金が隣り合うように配置された鋳型の製造方法であって、前記隣り合うように配置された前記複数の冷金の前記内部空間に面する側を、加熱時に焼失可能な材料からなる固定部材で一体的に固定する固定工程と、前記固定部材で固定された複数の冷金を模型上に設置し、鋳砂を充填して型締めする型締め工程と、前記型締めされた鋳型を前記模型から分離する分離工程とを備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、内部空間の表面に沿って隣り合うように配置される複数の冷金は固定部材により一体的に固定されるので、複数の冷金が単独で組み込まれる場合に比べて、自重により鋳型から脱落するリスクを効果的に軽減することができる。特に固定部材は加熱時に昇華などにより焼失可能な材料から形成されているので、鋳型の完成後に溶湯が注入されて内部空間が加熱された際に、容易に焼失する。そのため、固定部材は鋳型によって鋳物を製造する際には、何ら妨げとなることはない。
【0011】
好ましくは、前記固定部材は、前記複数の冷金の前記内部空間に面する側を嵌め込み可能な凹部を有するとよい。この場合、複数の冷金は固定部材の表面に形成された凹部に嵌め込まれることによって姿勢が安定的に保たれる。
【0012】
また、前記分離された鋳型において前記固定部材を前記内部空間に面する側から加熱することにより、前記固定部材を焼失させる焼失工程と、前記内部空間に面する側から前記焼失された固定部材が占めていた領域に鋳砂を再補填する再補填工程とを備えてもよい。この場合、複数の冷金同士にある間隔を鋳砂の再充填により内部空間側から埋め直すことができるので、仮に冷金同士の隙間が狭い場合であっても、当該隙間に鋳砂をより確実に充填することができ、鋳砂から冷金が脱落するリスクをより効果的に軽減することができる。また、加熱時に焼失可能な材料からなる固定部材を焼失した際には少なからず炭素成分が発生するが、本態様では鋳型の製造段階で固定部材を焼失し、当該焼失跡に鋳砂を再充填させて埋めるため、鋳型の使用時に固定部材が焼失することによって発生した炭素成分が溶湯に溶け込み、鋳物の組成が変質してしまうことを効果的に回避することができる。
【0013】
本発明に係る鋳型は上記課題を解決するために、複数のキャビティ又はコアが組み合わされることにより、溶湯を凝固させるための内部空間が形成されており、前記内部空間の表面に沿って複数の冷金が隣り合うように配置された鋳型であって、前記隣り合うように配置された前記複数の冷金の前記内部空間に面する側を一体的に固定する、加熱時に焼失可能な材料からなる固定部材を備えたことを特徴とする。
【0014】
このような鋳型は上記鋳型の製造方法(前記各種態様を含む)によって好適に製造可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、内部空間の表面に沿って隣り合うように配置される複数の冷金は固定部材により一体的に固定されるので、複数の冷金が単独で組み込まれる場合に比べて、自重により鋳型から脱落するリスクを効果的に軽減することができる。特に固定部材は加熱時に昇華などにより焼失可能な材料から形成されているので、鋳型の完成後に溶湯が注入されて内部空間が加熱された際に、容易に焼失する。そのため、固定部材は鋳型によって鋳物を製造する際には、何ら妨げとなることはない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施例に係る製造方法によって製造された砂型の全体構成を示す断面図である。
【図2】固定部材によって一体的に固定された複数の冷金を示す斜視図である。
【図3】固定部材を単体で示す斜視図である。
【図4】第1実施例に係る砂型の製造方法を示す工程図である。
【図5】第2実施例に係る砂型の製造方法を示す工程図である。
【図6】図5(b)及び図5(c)における冷金の付近を拡大して示す拡大断面図である。
【図7】鋳造に用いられる典型的な砂型の断面構造を示す断面図である。
【図8】図7に示す砂型を用いて製造した鋳物の断面構造を示す断面図である。
【図9】内部空間の表面に沿って冷金を配置した典型的な砂型の断面構造を示す断面図である。
【図10】図9に示す砂型によって製造された鋳物の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。 尚、以下の説明では、上述の背景技術(図7乃至図10を参照)に係る説明と共通する内容については適宜省略し、対応する箇所には同一符号を付すこととする。
[第1実施例]
【0018】
図1は第1実施例に係る製造方法によって製造された砂型1の全体構成を示す断面図であり、図2は固定部材52によって一体的に固定された複数の冷金51を示す斜視図であり、図3は固定部材52を単体で示す斜視図である。図1に示すように、内部空間50には、その表面に沿って隣り合うように複数の冷金51が配置されている。このように引け巣72の発生を回避したい領域近傍に冷金51を複数配置することにより、冷金51による放熱量を向上させ、サイズの大きい鋳物を製造するために砂型1を大型化した場合であっても、冷金51による引け巣の移動効果をより効果的に得ることができる。尚、本実施例では、上型10及び下型20がキャビティである場合について例示しているが、上型10及び下型20の一方がキャビティで他方がコアであってもよいし、上型10及び下型20の双方がコアであってもよい。
【0019】
冷金51は溶湯に含まれる金属材料に比べて融点の高い金属材料から形成されており、通路30a及び30bを介して溶湯が注入された際にも融解することはない。尚、冷金51の内部空間50に面する側は鋳砂から露出していてもよいし、鋳砂で覆われていてもよい。より好ましくは、冷金51の表面に所定の塗料を耐熱性で塗布することにより、耐熱性を向上させるとよい。
【0020】
ここで、図2に示すように、内部空間50の表面に沿って隣り合うように配置された複数の冷金51は、内部空間50に面する側を固定部材52により一体的に固定されている。このように複数の冷金51は固定部材52により一体的に固定された状態で内部空間50に面するように砂型1に組み込まれている。冷金51がそれぞれ単独で砂型1に組み込まれる場合に比べて、凹凸形状分の表面積が多いため、鋳砂との接触面積が増え、自重により鋳型1から脱落するリスクを効果的に軽減することができる。
【0021】
固定部材52は加熱時に昇華などにより焼失可能な軽量な材料から形成されている。当該材料の具体例としては、発砲スチロールやエポキシ樹脂などが好ましい。これにより、固定部材52は砂型1の内部空間50に溶湯が注入されて加熱された際に容易に焼失する。そのため、固定部材52は砂型1によって鋳物を製造する際に何ら妨げとなることはない。
【0022】
図3に示すように、固定部材52は、複数の冷金51の内部空間50に面する側を嵌め込み可能な凹部53を有する。これにより、複数の冷金51の各々は凹部53に嵌め込まれ、その姿勢が安定的に保たれる。
【0023】
ここで、内部空間50に溶湯が注入された時に固定部材52が加熱されて焼失すると、鋳砂の内部空間50に面する表面上に凹凸が生じる。そのため、砂型1で製造される鋳物の表面にも、当該凹凸に対応する凹凸が形成される。しかしながら、冷金51が配置される近傍は、もともと凝固が促進される結果内部に発生する応力などに起因してシワ等が生じやすく、後の工程において切削加工など、何らかの加工が施されるため、このような凹凸が生じたとしても実際に問題となることはない。
【0024】
尚、本実施例に係る砂型1では、上述のように溶湯が注入された際に固定部材52が焼失するため、固定部材52の焼失跡に少なからず炭素成分が発生する。そのため、注入される溶湯は、固定部材52の焼失時に発生する炭素成分によって変質を受けにくい成分、例えば炭素含有量が2.06%以上である鋳鉄などであるとよい。このような観点から、固定部材52の材料としては、焼失時に発生する炭素量が極力少ないものがより好ましい。尚、固定部材52の焼失時に発生する炭素成分によって変質を受けやすい炭素含有量が2.06%未満である鋳鋼などには、後述する第2実施例係る製造方法による砂型を用いることが好ましい。
【0025】
続いて、第1実施例に係る砂型1の製造方法について、工程順に詳細に説明する。ここでは砂型1のうち下型20の製造方法について詳述することとし、上型10の製造方法は特段の記載が無い限り、これと同様であるものとする。
【0026】
図4は、第1実施例に係る砂型1の製造方法を示す工程図である。まず、図4(a)に示すように、下型20の形状に対応する木製の模型(木型)60を用意し、その周囲を囲むように下側鋳枠21を設置する。続いて、図4(b)に示すように、木型60上の然るべき位置に、固定部材52で一体的に固定された複数の冷金51を配置する。このように、複数の冷金51は固定部材52で予め一体的に固定された状態で配置される。特に複数の冷金51は、後に型締めした際に、内部空間50の表面に沿って隣り合うように配置される。
【0027】
そして、図4(c)に示すように、木型60上の下側鋳枠21によって囲まれた空間に鋳砂22を充填することによって型締めを行う。このとき、複数の冷金51は固定部材52の凹部53に嵌め込まれて固定されているため、固定部材52の厚みの分だけ冷金51間に生じる隙間の深さは浅くなる。そのため、当該隙間が比較的狭くても、鋳砂22が入り込みやすくなり、冷金51が鋳砂22から脱落するリスクを効果的に低減することができる。
【0028】
続いて図4(d)に示すように、型締めされた鋳砂22は鋳枠21、固定部材52及び冷金51と共にクレーンなどの搬送機器によって吊り上げられ、木枠60から分離される。このように形成された下型20は、図3(e)に示すように反転された後、同様の工程を経て製造された上型10と組み合わされ、溶湯を注入するための通路30を開口されて、図1に示す砂型1として完成する。
[第2実施例]
【0029】
第1実施例に係る製造方法によって製造された砂型1は、溶湯が注入された際に固定部材52が焼失することによって少なからず炭素成分が発生し、当該炭素成分が溶湯に添加されることにより鋳物の組成を変質させてしまうおそれがある。このような問題は、以下に説明する第2実施例に係る製造方法によって解決される。
【0030】
図5は第2実施例に係る砂型1の製造方法を示す工程図である。第2実施例に係る製造方法では、第1実施例(図4を参照)に加えて、図5に示す各工程が追加される。
【0031】
第1実施例において図4(d)を参照して説明したように、型締めした鋳砂22を模型から分離した段階では、複数の冷金51は固定部材52に固定された状態で鋳砂22に含まれている。ここで、図5(a)に示すように、模型から分離された下型20の内部空間50に面する側をバーナーなどの加熱手段によって加熱することにより、固定部材52を焼失させる(図5(b)を参照)。上述したように、固定部材52は例えば発泡スチロールやエポキシ樹脂など材料から形成されているため、加熱された固定部材52は昇華によって焼失する。そして、図5(c)に示すように、固定部材52が占めていた領域に鋳砂22が再補填される。
【0032】
ここで図6は図5(b)及び図5(c)における冷金51の付近を拡大して示す拡大断面図である。固定部材52がバーナーで焼失されると、固定部材52の焼失跡がスペース54として残る。具体的には図6(a)に示すように、複数の冷金51同士の隙間には、本体側(図6において下側)に鋳砂22が部分的に充填されており、内部空間50に面する側(図6において上側)にスペース54が形成されている。このようなスペース54は、図6(b)に示すように、内部空間50側から鋳砂22が再充填されることによって埋められる(図6(b)では再充填された鋳砂を符号22´で示してある)。
【0033】
このように複数の冷金51同士の隙間を内部空間50側から鋳砂22´を再充填することにより、仮に冷金51同士の隙間が狭い場合であっても、当該隙間に鋳砂22をより確実に充填することができ、冷金51が鋳砂22から脱落するリスクをより効果的に低減することができる。逆に言えば、本実施例に係る製造方法によれば、冷金51同士の隙間を狭めて設計することが可能となる。
【0034】
また、焼失軽量部材からなる固定部材52を焼失させる際には少なからず炭素成分が発生するが、本態様では砂型1の製造段階で固定部材52が焼失されて焼失跡が鋳砂22´の再充填によって埋められるため、第1実施例によって製造された砂型1のように、鋳造時に固定部材52が焼失することによって炭素成分が溶湯に溶け込み、鋳物の組成が変質してしまうことを効果的に回避することができる。そのため、本実施例によって製造される砂型1は、例えば炭素成分によって変質を受けやすい炭素含有量が2.06%未満である鋳鋼を溶湯として取り扱う場合に適している。
【0035】
以上説明したように、本発明に係る製造方法によれば、内部空間50の表面に沿って隣り合うように配置される複数の冷金51は固定部材52により一体的に固定されるので、複数の冷金51が単独で組み込まれる場合に比べて、自重により砂型1から脱落するリスクを効果的に軽減することができる。特に固定部材52は加熱時に昇華などにより焼失可能な材料から形成されているので、砂型1の完成後に溶湯が注入されて内部空間50が加熱された際に、容易に焼失する。そのため、固定部材52は砂型1によって鋳物を製造する際には、何ら妨げとなることはない。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、複数のキャビティ又はコアが組み合わされることにより、溶湯を凝固させるための内部空間が形成されており、前記内部空間の表面に沿って複数の冷金が隣り合うように配置された鋳型の製造方法に利用可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 砂型
10 上型
11 上側鋳枠
12 鋳砂(上側)
20 下型
21 下側鋳枠
22 鋳砂(下側)
40 中子
50 内部空間
51 冷金
52 固定部材
54 スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキャビティ又はコアが組み合わされることにより、溶湯を凝固させるための内部空間が形成されており、前記内部空間の表面に沿って複数の冷金が隣り合うように配置された鋳型の製造方法であって、
前記隣り合うように配置された前記複数の冷金の前記内部空間に面する側を、加熱時に焼失可能な材料からなる固定部材で一体的に固定する固定工程と、
前記固定部材で固定された複数の冷金を模型上に設置し、鋳砂を充填して型締めする型締め工程と、
前記型締めされた鋳型を前記模型から分離する分離工程と
を備えたことを特徴とする鋳型の製造方法。
【請求項2】
前記固定部材は、前記複数の冷金の前記内部空間に面する側を嵌め込み可能な凹部を有することを特徴とする請求項1に記載の鋳型の製造方法。
【請求項3】
前記分離された鋳型において前記固定部材を前記内部空間に面する側から加熱することにより、前記固定部材を焼失させる焼失工程と、
前記内部空間に面する側から前記焼失された固定部材が占めていた領域に鋳砂を再補填する再補填工程と
を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の鋳型の製造方法。
【請求項4】
複数のキャビティ又はコアが組み合わされることにより、溶湯を凝固させるための内部空間が形成されており、前記内部空間の表面に沿って複数の冷金が隣り合うように配置された鋳型であって、
前記隣り合うように配置された前記複数の冷金の前記内部空間に面する側を一体的に固定する、加熱時に焼失可能な材料からなる固定部材を備えたことを特徴とする鋳型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−121040(P2012−121040A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272497(P2010−272497)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】