説明

長距離ガス放射装置および方法

ガス放射装置(10)は、複数のスクリーン素子(29、31、33)それぞれを有する複合的なガス流スクリーンを含み、それぞれのスクリーン素子に少なくとも1つの対応するフロー開口(37、39、41)があり、スクリーン素子それぞれにおけるフロー開口それぞれの断面積がガス流の下流方向において小さくなり、少なくとも1つの別のスクリーン素子(3)はフロー開口を有さない。
ノズル(27)は、好ましくは、中心のガス流路(57)から離間するにつれて減速する速度の、周囲のガス流路(49、51、53、55)とともに、比較的高速度の中心ガス流路(57)を作り出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
出願人は、2008年10月9日に米国で出願された第61/195,642号特許仮出願(発明の名称「長距離ガス放射ボタン」)と、2009年10月8日に出願された第12/575,684号特許非仮出願(発明の名称)に基づいて優先権を主張し、両出願の内容全体は本明細書に参照として明確に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ガス放射製品に関し、より詳しくは、改善雰囲気包装する工程または別の処理工程の一環として、製品を中心にしたガスの周辺環境の創出に関する。
【背景技術】
【0003】
過去において、例えば食品を、梱包中また別の工程中に成分または成分比率が異なるガスで包囲することは既知である。
これは、食品が、貯蔵、保存可能期間、鮮度または別の目的のためにその梱包内に存在するのに好ましい環境を創出する。
【0004】
より詳しくは、そのような過去の処理は、製品の周辺または環境雰囲気(環境雰囲気は、限定することなく、通常約21%の酸素と70%の窒素である)から製品を少なくとも部分的に分離する製品の容器内に高い窒素含有量を含有するガスなどのガスを流出し、改善雰囲気で覆うことを具備してきた。この方法では次に、製品がより好ましい環境の中に封入される状態で、容器または梱包が密封される。それにより、環境雰囲気は、より好適なガス環境をもって容器または製品の周辺から除かれる。
【0005】
過去にはそのようなガス放射は、レール、プレートまたは製品または製品が入ることになる容器の経路に近接する別の構造体によって、製品にまたはその周辺あるいは製品の容器内に所望のガスを流すことによって行われる。圧力下のガスは、ガスが継ぎ目なしのスクリーンを通じて製品に、または容器内に放射するところからマニホルドに送られる。ある特定の構造体および工程が、内容全体を本発明に参照として組み込まれる特許文献1に記載されている。別の従来のシステムが、内容全体を本明細書に参照として組み込まれる特許文献2に開示されている。さらに別の従来のシステムが、内容全体を本明細書に参照として組み込まれる特許文献3および特許文献4などのガス放射を開示している。 さらに別のこのようなシステムが、同様に内容全体を本明細書に参照として組み込まれる特許文献5および特許文献6に開示されている。このような特許および刊行物は、参照として本明細書に組み込まれ、本明細書に明示するように本明細書の一部を成す。
【0006】
これらの開示が様々なガス放射システムを示す一方、本発明は、ガス流自体に関する特定の改善をもくろむ。例えば、製品または容器にまたはそれらに向けたガス流の効果的な放射距離および安全性が、特に、別の処理あるいは製品の取り扱いまたは充填装置の干渉可能性を考慮するとき、重要であることが認められるだろう。例えば、所望の信頼性を有する好適なガスの放射距離は多少なりと限定されており、これらの別の構造的特徴によって生じる干渉が、十分効果的に所望のガス流を製品または容器に十分近くに作り出すことを不可能にする場合がある。
【0007】
従って、これまで到達されたものより長い距離から所望のガスを放射するために、より好ましい流量特性の、より長い放射距離を有するガス流装置および方法を提供することが所望される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,417,255号明細書
【特許文献2】米国特許第6,032,438号明細書
【特許文献3】米国特許第5,816,024号明細書
【特許文献4】米国特許第7,412,811号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2006/0231156明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2006/0231157明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ガス流放射距離は、理論上は、圧力または流量速度を増加することだけによって影響される、または延長するだろうが、関連して増加する乱流が、所望の放射距離を延ばす目的を邪魔して、そうでなければ理論上到達されてもよい実際の放射距離を制限する場合があることが理できるだろう。ガス流の層流間の流速における比較的大幅な増減にさえ、境界層乱流の結果として、実際のフロー全体の放射距離に悪影響が出る。
【0010】
従って、ソースから放射するガス流特性のパラメータを改善し、それにより、延長した効果的な放射距離が、フローまたはガス放射作業の信頼性を落とすことなく到達されるための装置および方法を提供することも所望される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
最後まで、本発明の好ましい実施形態によって、中心の流路から離れると機能として減速する同軸のガス層流とともに、より高速の中心のガス流を有する、ガス層流を作り出す改善されたガス放射フロー発生器について検討する。
【0012】
好ましい実施形態において、素子が下流方向において面積が減少する同軸の開口を有し、かつ所定素子がそのような開口を有さないところのマニホルドを交差するスクリーン素子を配置することによってこれが達成される。ガスは、素子を通じて層流を創出するために層流入力ポートを通じてマニホルドに導入され、集められて、より高速度のガス流路が、中央開口を有さない所定素子上に直接的にノズルを通じて向けられる。
【0013】
このような構造は、層流配置が中心の高速ガス流から外側に離れるにつれ減速する複数の層流「殻」、「筒」、または「壁」に包囲された中心の高速ガス流とともに多層ガス流を作り出す。
【0014】
多重層流の配置は、円形、楕円形、長方形または任意の別の配置でよいが、好ましくは中心の高速流および他の層流部分と同軸である。
【0015】
このような実施形態によって、包囲するガス流が効果的であり、多重スクリーンを使用していてもその構造とスクリーン配向が異なる従来システムの放射距離をある程度実質的に上回って放射距離が増進され延長する。
【0016】
また、本発明は、従来システムのガス流または多重流層によって作られる乱流によって衰弱する影響を排除することによって、全体的なガス流の信頼性を高め、より均一かつ延長した放射距離の多重層流を作り出す。特に、本発明は、中心のガス流から離間した、異なる速度の多重流層を作り出すが、任意の隣接する流層の境界における衰弱する乱流を作り出すような、それぞれの連続した流層間に相対的速度差はない。このことが、全体的に効果的なガス放射距離の延長を容易にする。
【0017】
さらには、本発明におけるガス放射装置は、マニホルド本体と、平行に配置され、マニホルドまたはその一部に隣接する4つのスクリーン素子とを備える。3つの素子は、好ましくは同一の外径、しかし異なる効果的な内径の開口(すなわち中心に集められた開口)を有する。所定素子は同一の外径を有するが、中央の穴はない。加速ノズルは、ガス流の方向において外側に吹き出すためにマニホルドの中心に配置される。ガス流の方向は、4つの同心円の素子の中心を通過する。マニホルドは、ガス流速度を別々に制御する2つの分離したポートを有する。これらは、オフセットした層流ガス吸気ポートと、中心に配置される加速ガス吸気ポートを含む。
【0018】
ノズルは、持ち上げられたコーン形状の内側の筒(barrel)を通過して放出する。コーン形状は、改良された雰囲気の梱包に使用される既存のガス放射装置より少なくとも3倍遠い距離を進む、高度に制御されたフローパターンを作り出すマニホルドチャンバ内に、内側の層流ガスとともに中心ジェットを取り込むのに役立つ。層流ポートは、マニホルド本体内で内部乱流を作り過ぎないよう十分に、中心からかなり離れて位置しなければならなく、また可能な限りコーンから離れて配置されるべきである。
【0019】
装置は、外に吹き出すためのものであり、ガスが放射される製品に直接向けられており、一般的には改善雰囲気梱包(MAP)の用途に使用され、ここではMAP用途に普及するが、高純度なガス流を必要な任意の場所で使用することができる。この装置は、好ましくは任意の好適な方法で覆われるとき、あるいは覆われないときでさえ、ガス流において100万分の1の残余酸素レベルで、かつ3〜5倍以上の距離までの放射距離でソフトなガス流を送ることができる。約3インチの距離で、純ガス流は僅かに消散するが、MAP用途で現在入手可能なものの少なくとも3倍の距離でもまだ純度レベルを保つ。覆った状態では、ガス放射距離は、遮蔽品質次第では能力が大幅に増進可能である。4つの隣接する平行な素子の多素子構成は、例えばガスの4層流を作るように組み立てられる。3つの素子は、隣接する素子より同心円状により大きい穴またはスロットを有する。所定素子は、その中に穴を有さず、この素子が、4層流または5層流の加速されたフローパターンを確立するようにマニホルド内で背圧を与える。加速ノズルは、4つの重ねられた素子の中心を通過する約0.4インチの直径のガス流を噴出すように配置される。この加速ノズルは低速度高純度ガスの5層流を作り出す。このソフトな高純度ガス流は、過度なガス流によって溢れることのない必要な領域においてまとめることができるように十分遅い速度で移動するように制御可能である。
【0020】
先行のMAPの試みからの過度なガス流の例は、この装置の代わりにエア・スプレー(blow off gun)が使用された場合である。エア・スプレーは、高速流を作り出し、それによりガス流を汚しながら酸素をその流路に取り込み、過度の速度のガスを押し出すことによって製品に改善雰囲気ガスを集めることができない。本明細書の好ましい実施形態は、異なる速度の4つまたは5つの分離したガス層流で高度に制御可能なガス流路を作り、同心円のより小さな内側の流路または階層それぞれが中心のガス・ジェットを保護する。マニホルドは、好ましくは、層流と加速ノズル流との割合を決める、2つの分離したガス放射ポートを有する。また、本発明は、高純度ガス流の4層流が作られる場合、加速ノズルなしでも使用できるが、この構成では、加速ノズルが使用されたときに比べて80%〜90%の距離を移動する高純度ガス流が作られる。
【0021】
好ましい実施形態において、作動中に作られた各外側のガス流の階層は、隣接する、より内側のガス流の各下階層より約50%遅い流速を有し、また同時に、ガスの各階層は約同一(75%以内)の「ガス壁厚み(gas wall thickness)」を有する。「ガス壁厚み」の関係の見方の良好な比較は、4つまたは5つの同心円を有するダーツボードまたは射撃ターゲットであろう。
【0022】
運転上は、出力される同心円状のガスの階層それぞれは、内部コーンを介して追加的な浸透距離をもたらす中心の制御可能なガス・ジェットとともに、中心から外側に移りながらより遅いガス流を作り出し、内部コーンは、湾曲し、背圧下で、装置が高純度、低速度ガス流を放射することを可能にする制御されたパターンに層流ガスを取り込む。
【0023】
2層流ガス放射装置のような現在の設計は、5/8インチ程までしか移動できない高純度ガス流を作り出す。特許文献6に示されるような2層流を有する現在の加速ノズルレールは、最長3/4インチの高純度ガスの移動を有する。本明細書の好ましい実施形態は、4層モードにおいて最長3インチの高純度ガス流を、5層またはそれ以上のモードでは3.5インチから5インチまで放射できる。このような実施形態は、従来の先行ガス放射レールの近接が不可能な場所において特に役立つ。従来の2層装置が長距離放射できない理由の1つは、高速中心流に対する外側の層流の速度が速過ぎで、それにより、空気抵抗と同時にコアンダ効果で高速中心流を引き戻すことによってガス流を邪魔していることである。最初に「気体から固体」の実施形態に言及したが、コアンダ効果もまた「気体から気体」状況において近接するガス流に影響がある。この装置は、低速度の雰囲気ガス移送のよりやさしい手段を提供することによって2層の限界を超えている。
【0024】
従って、本発明は、高い信頼性のガス流を伴う延長したガス放射の優位性を達成している。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の好ましい実施形態の断面立面図である。
【図2】図1の実施形態の構成部品の前向きの分解斜視図である。
【図3】図2同様の分解図であるが、実施形態の後向きの図である。
【図4】図1の発明の斜視図である。
【図5】本発明に係るガス放射レールを備える本発明の別の実施形態の斜視図であり、複数のスクリーン部品を図示目的で省いた状態でレールを示している。
【図6】全てのスクリーン部品を示す図5の実施形態の分解斜視図である。
【図7】丸に囲まれた領域の拡大詳細図を有する、本発明に係る多重ポート・ガス放射プレートの後側の斜視図である。
【図8】丸に囲まれた領域の拡大詳細図を有する、図7の実施形態の後面図である
【図9】図8の実施形態の正面図である。
【図10】丸に囲まれた領域の拡大詳細図を有する、図8の実施形態の端面図である。
【図11】レーザ・カット・ガス放射プレートの図8と同様の図である。
【図12】図11の様々なスクリーン部品の1つの正面図である。
【図13】図11の様々なスクリーン部品の1つの正面図である。
【図14】図11の様々なスクリーン部品の1つの正面図である。
【図15】図11の様々なスクリーン部品の1つの正面図である。
【図16】図12〜図15に示す組み立てられたスクリーン部品の組立図である。
【図17】図7〜図16に示すガス放射プレートの部品の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図を参照すると、本発明の複数の実施形態が示されている。第1実施形態は、図1〜図4に示されるガス放射ボタン10を備え、第2実施形態は、図5および図6に示すようにガス放射レール12の所定形式を備え、また、第3実施形態は、図7〜図17に示すようにガス放射プレート14を備える。
【0027】
各実施形態が本発明に係るスクリーン部品の組み合わせを含むことが認められるだろう。好ましくは、各スクリーン部品は、選ばれたワイヤークロスで合成された多重階層を備える。これらのクロスは、例えば、繰り返し艶出しされ、かつ拡散結合されて(または共に溶接されて)、ガスを通すことができる1つの頑丈な材料を形成する、厳選された織物ワイヤークロスの層で構成される。各スクリーン部品により、部品と交差するガス圧の低下は、部品内の複数の層によってある程度生じている。層が多いほど、部品と交差する圧力の低下は大きくなる。
【0028】
様々な数の層が、下記の実施形態において説明する複合スクリーン部品それぞれにおいて好適に使用される。2層素子は、好ましくは80ミクロンである。5層素子は、好ましくは75ミクロンである。4層素子は50ミクロンである。
【0029】
5層または2層素子のようなスクリーン素子は、スクリーン素子(「Poropate」のマーク)を提供するClavcor社のPurolaor EFP部を含み、様々な供給元から入手可能である。Purolaor EFP部は、ノースカロライナ州シェルビーに位置し、Clavco社はテネシー州フランクリンに位置する。そのような複合スクリーン素子は、背景でさらに説明されている。4層スクリーン素子は、セイント・キャサリン、オンタリオ、メントール、オハイオ、および他の場所のW.S.Tyler社から部品番号704429で入手可能である。他の好適なスクリーン素子およびそれらの供給元が利用可能である場合がある。
【0030】
図1〜図4の第1実施形態は、ガス放射ボタン10を具備し、本体17、斜面(face bezel)19、マニホルド領域21、加速吸気ポート23、層流吸気ポート25、コーン形状ノズル27、および複合スクリーン36を形成する複数のスクリーン素子29、31、33、35を備える。示すように、素子29および31は5層素子であり、素子33および35は、好ましくは2層素子である。素子33は、好ましくは、中心の開口を有さず均一であり、一方、素子29、31、35は、図1に示すように符号37、39、41にそれぞれ中心の開口を有する。これらの開口は、好ましくは同軸であり、直径または断面領域が、通過するガス流の下流方向においてそれぞれ縮小する。
【0031】
各素子は、そこを通過するガス流に対して、上流の粗い面または層の反対側に下流のきめ細かい面または層を有する。
【0032】
Oリングガスケット43は、本体17に対してスクリーン36の後ろを密封する。一方、締め具45(図示する)は、斜面19を後方に引き、スクリーン36を獲得し、肩部20によってスクリーン36を後方に促す。
【0033】
ガスが層流ポート25を通してマニホルド21に適用されると、スクリーン36を通過してガスを流すために圧力がかけられる。ガスは、複数の円筒状またはスリーブ状の同軸の層流、階層または流経路49、51、53、55においてスクリーンから放射される(図1)。階層または経路の中を流れるガスそれぞれの速度は、内側に位置する流経路の速度より約50%小さい。つまり、外側の階層は、内側に隣接する階層より遅く流れる。各階層または流経路の壁の厚さは、好ましくは、他の流階層の壁の厚さの約75%以内である。速度と壁の厚みとの別の関係が利用されてもよい。
【0034】
ガスが加速ポート23を通過して適用される際に、ガスはノズル27を通じて流れ、中心の開口がない素子33上に衝突し、比較的より高い速度の流経路57(図1)で素子35内の開口41を通過して出て行く。流経路57を包囲する、階層または経路49におけるガスの速度は、経路57の速度より小さく、一方、流階層51の速度は経路49の速度より小さく、同様に外側に向かって小さくなる。
【0035】
ポート25を通過するガス圧と連動したポート23への加圧されたガスの導入が、経路49、51、53、55、および57における5層流のガス流を作り出すことが理解できるだろう。ガスが加速ポート23に導入されないときは、4層流のガス流が、経路または階層49、51、53、および55においてボタン10によって作り出される。5層流運転は、中心の流れ57を作らない4つのフローパターンより長い効果的な放射距離を有する。これらのフローパターンは、より内側の階層のガス流より多くのスクリーン素子を通過する外側の階層のガス流の機能として、差速で作り出される。言い換えると、スクリーンを通過する圧力低下がより顕著であるほど、それはスクリーンの中心軸からより離れて測定されている。
【0036】
使用において、このようなボタンが、梱包される製品または容器の近くに配向され、製品周辺または容器内から雰囲気を除くために製品に、または、容器内に上述のガス流を当て、製品は、すぐに、ガスが放射されない周辺において通常存在する酸素に置き換えて、例えば窒素などの好ましい環境で密封される。
【0037】
ガス流の方向を、水平方向、垂直方向または他の角度で製品または容器に向けることが可能である。説明したボタン10が、ガス流の階層が軸の外側にいくほど減速する層流の同軸のガス壁とともに、全体に円筒形状のガス流路を作り出すことが理解できるだろう。
【0038】
そのような装置は、5インチ以上の放射距離まで高い信頼性の効果的なガス環境を作り出し、充填機、密封機、移送機または同類物など他の処理装置によって、ガス流装置をより近いに位置決めできない場所において特に便利である。
【0039】
これらの一般的な構成コンセプトは、装置および流経路の形状が変化するが、延長した効果的なガス放射距離を作り出す同一のガス流コンセプトを実施する、本明細書に記載されるさらなる実施形態において役立つ。
【0040】
図5および図6の別の実施形態を参照すると、本発明に係るガス放射レール12が示されている。ガス放射レール12は、符号63、65のようなマニホルドチャンバを画定するマニホルドフレームまたは素子61と、均一にガスを拡散するための中実のバッフルプレートまたは4層素子66とを含む。図6にスクリーン素子67〜70を示す。素子70は、中実の2層スクリーン素子であり、各素子67〜69は細長い、一直線に並んだスロットを有する。素子67は、好ましくは複数のスロット71を有する5層構造の素子である。素子68は、好ましくは複数のスロット73を有する4層構造であり、素子69は、好ましくは複数のスロット75を有する。各スロット71、73、75は、示すように互いに対応するように割り出されている。
【0041】
スロット71、73、75は、図6に示すように下流方向で断面積がそれぞれ小さくなる。
【0042】
レール12には、マニホルドチャンバ63、65を閉じ、また画定する背板77が設けられる。チャンバ63、65等は対応する素子67〜69内の1つ以上の開口を操作的に加圧する。
【0043】
図5に示すように、ガスポート79がマニホルド63、65を加圧するために設けられ、それによりガスが素子66〜70を通過し、並べられたポートそれぞれから4層流の配向において、また素子の中心から測定される各ガス流の階層において減速する流速で、延長した距離で外に流れる。
【0044】
レール12は曲線状である。それにより、レールは、より均一で適したガス環境で、かつ製品または容器から離れた5インチ以上まで延長した位置から雰囲気を効果的に浄化するために曲線状の製品経路または容器経路に近接して配置できる。これは、より短い効果的な放射距離に制限され、それにより、より近くにガス放射装置を配置する必要がある、ガス放射装置に干渉する他のハンドリングまたは処理構造にも対応する。
【0045】
図7〜17は、ガス放射プレート14を備える本発明に係る実施形態をさらに示す。
この実施形態では、ガス排気82は、プレート14において密集した関係で画定される。このようなプレートは、フレーム85、バッフル素子87(図17に示すもの1つのみ)、ガスケット89、およびガス吸気ポート93を有するポートプレート91によって画定される適切なマニホルド83に固定具または留め具81によって操作的に取り付けられる。
【0046】
図に示すように、スクリーン94(図16)は、上述のように、合成された複数の素子95〜98を備える。素子95、96は、好ましくは4層であり、素子97、98は、好ましくは2層である。素子95〜97には、楕円または他の形のスロット99〜101がそれぞれ設けられ、素子98はそのような開口を有さない。
【0047】
スロット99〜101は、図に示すように流経路Fに対する下流方向においてそれぞれ断面積が段々と小さくなる。
【0048】
加圧されたガスがスクリーン94に適用されると、ガスはスクリーン94を通過し、上述のような4階層流をもたらし、製品または容器に近接して配向されたときと同一の空間機能および利点とともに5インチ以上まで延長したガス放射距離を作り出す。
【0049】
従って、ガスが、面積が小さくなる1つ以上の開口を有する素子と、そのような開口を有さない1つ以上の素子とを通過して流れる本発明に係る構造において、多層流の効果的なガス流は、今まで到達できなかった放射距離で作り出され、高い信頼性のガス流を用いて手狭なシステムにおける効果的なガス放射を容易にする。
【0050】
任意の実施形態において、信頼性およびガス放射距離をさらに保護し、与えるように覆いを設けることできる。
【0051】
異なる数のスクリーン素子またはそれらの様々な複合物が、好適な4層流または5層流の延長したガス流を作り出すために使用されてもよい。
【0052】
これらの、また他の目的および利点が、当業者であれば、本発明の要旨逸脱することなく、見てすぐに分かるだろう。また、出願人は、本願の記載の請求項の範囲のよってのみ限定することを意図する。
【符号の説明】
【0053】
10 ガス放射ボタン
12 ガス放射レール
14 ガス放射プレート
21、63、65、83 マニホルド(チャンバ)
27 加速ノズル
29、31、33、35、66、67、68、69、70 スクリーン素子
36 スクリーン、複合素子
37、39、41 フロー開口
49、51、53、55 層流、流路
57 中心のガス流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスクリーン素子それぞれを有する複合的なガス流スクリーンであって、前記スクリーン素子それぞれが少なくとも1つのフロー開口をそれぞれ有し、前記スクリーン素子それぞれにおける前記フロー開口それぞれの断面積がガス流の下流方向において小さくなる、複合的なガス流スクリーンと、
前記フロー開口を有さない少なくとも1つの別のスクリーン素子と、
を含むガス放射装置。
【請求項2】
前記スクリーンおよび前記フロー開口が円形であることを特徴とする請求項1に記載のガス放射装置。
【請求項3】
前記スクリーンおよび前記フロー開口が矩形または楕円形であることを特徴とする請求項1に記載のガス放射装置。
【請求項4】
前記スクリーン素子それぞれの中に複数の前記フロー開口を含み、上流の前記スクリーン素子内の複数の前記フロー開口の断面積が、それらの開口ともに下流の前記スクリーン素子に割り出された、より小さな前記フロー開口より大きいことを特徴とする請求項1に記載のガス放射装置。
【請求項5】
前記スクリーン素子および前記フロー開口が円形であり、
前記スクリーンの上流のマニホルドと、
中心に配向され、相対的に高速のガス流を前記スクリーンの中心軸に向かわせる加速ノズルと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のガス放射装置。
【請求項6】
前記スクリーン素子は、そこから多層同軸ガス流を流し、前記ガス流それぞれがその内側の前記ガス流より遅い速度であることを特徴とする請求項1に記載のガス放射装置。
【請求項7】
ガス放射ボタンを有することを特徴とする請求項1に記載のガス放射装置。
【請求項8】
ガス放射レールを有することを特徴とする請求項1に記載のガス放射装置。
【請求項9】
ガス放射プレートを有することを特徴とする請求項1に記載のガス放射装置。
【請求項10】
複合素子スクリーンの上流の圧力下でガスを作り出すステップと、
前記複合素子スクリーンを通して前記ガスを流すステップと、
前記複合素子スクリーンを通して流す前記ガスに、前記複合素子スクリーンの中心軸から外側に離れるにつれ、次第により大きな圧力損失を受けさせるステップと、
を備えるガス放射方法。
【請求項11】
共通のマニホルドから前記素子に前記ガスを適用するステップをさらに含む請求項10に記載のガス放射方法。
【請求項12】
その他のガス流路の中心で第1流路としてノズルからガスを流すステップを含む請求項10に記載のガス放射方法。
【請求項13】
前記第1流路から前記流路それぞれへの距離に応じて減速する前記流路においてガスを流すステップを含む請求項12に記載のガス放射方法。
【請求項14】
所定の速度で第1流路においてガス流を発生させるステップと、
前記所定速度の前記第1流路を複数の他の流路で包囲するステップであって、前記複数の他の流路それぞれの速度は、前記第1流路からの距離に応じて前記所定速度より徐々に減速する、ステップと、
を備えるガス放射方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公表番号】特表2012−505131(P2012−505131A)
【公表日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531188(P2011−531188)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/060088
【国際公開番号】WO2010/042778
【国際公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(508186613)パッケージング・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】