説明

門柱

【課題】門まわり機能機器の取り付け作業を容易かつ迅速に取り付けることができる門柱。
【解決手段】門まわり機能機器を備えた門柱であって、正面パネル5と背面側から上記正面パネル5に取り付けられる背面パネル(6、30)とから門柱本体1を構成するとともに、上記正面パネル5の前面に形成された前面開口部14に正面パネル5の裏面から門まわり機能機器3、4、33等を挿入して取り付けた。正面パネル5には長手方向に沿って中空部が形成されているのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターホン、ポスト、表札等を設けた門柱に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、門柱にはインターホンやポスト、表札などの機能機器を取り付けられていることが多い。これらの門まわり機能機器は、門柱の上部に上下に並べて配置する、つまり最上部に表札、その下にインターホン、さらにその下にポストを配置するのが普通である。そのほか、門柱の上端に門灯、下端にフットライト等を取り付ける場合もある。このように門まわり機能機器を内蔵した門柱においては、これらの機能機器を門柱の内部の主に側面部に取り付けていることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−241877号公報
【特許文献2】特開2007−217888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような機能機器取付構造においては、左右両側の側面板と背面板とを平面視コ字形に組んでおき、開放された前部から機能機器の部品等を差し入れて側面板に固定する方式が採用されていたから、部品等の取付時には狭い門柱の内側に無理に手を入れて取り付けなければならず、また電気機器の配線も面倒であり、作業は非常に困難であった。
【0005】
本発明は上記問題点を解消し、特に正面パネルに門まわり機能機器を取り付ける取付構造を採用することによって、門まわり機能機器の取り付け作業を容易かつ迅速に行うことができる門柱を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、門まわり機能機器を備えた門柱であって、正面パネルと背面側から上記正面パネルに取り付けられる背面パネルとから門柱本体を構成するとともに、上記正面パネルの前面に形成された前面開口部に正面パネルの裏面から門まわり機能機器を挿入して取り付けたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1において、上記正面パネルは長手方向に沿って中空部を有し、中空部の前面には上記前面開口部を、裏面には裏面開口部を対応させて形成し、上記裏面開口部と前面開口部とに上記門回り機能機器を支持させたことを特徴とする、
請求項3に係る発明は、請求項2において、上記裏面開口部は上記前面開口部よりも大きく形成されたことを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかにおいて、正面パネルは側面に配線収納部を形成し、背面パネルは背面パネル本体とその側部の配線収納部を覆う側部背面パネルで構成し、 各背面パネルは独立的に正面パネルに取り付け可能に形成されたことを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかにおいて、門柱中央に縦長ポストを背面側に張出状に設け、背面パネルはポストを挟んで上下に分離してなり、各上下部材は独立して上記正面パネルに取り付け可能に形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、正面パネルと背面側から上記正面パネルに取り付けられる背面パネルとから門柱本体を構成するとともに、上記正面パネルの前面に形成された前面開口部に正面パネルの裏面から門まわり機能機器を挿入して取り付けたものであるから、門まわり機能機器を取り付けるに当っては、まず正面パネルに挿入して取り付け固定した後、背面パネルを正面パネルに取り付ければよいので、門まわり機能機器の取付作業を容易かつ迅速に行うことができる。
【0011】
また、正面パネルに門回り機能機器を取り付ける構造であるから、取り付けのための部材の点数を削減してコストを低減することができる。
【0012】
さらに、門回り機能機器の一部を交換したり、メンテナンスしたりする場合は、背面パネルを外すことにより、容易に行うことができる。
【0013】
しかも、門柱の部材も少なくて済むので、特に門回り機能機器を内蔵するとともに意匠性の高い薄型の機能門柱を提供することができる。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、正面パネルは長手方向に沿って中空部を有し、中空部の前面には上記前面開口部を、裏面には裏面開口部を対応させて形成し、上記裏面開口部と前面開口部とに上記門回り機能機器を支持させるようにしたから、門回り機能機器を安定に取り付けることができる。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、裏面開口部は前面開口部よりも大きく形成されているから、門回り機能機器の取り付け作業を容易に行うことができる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、正面パネルは側面に配線収納部を形成し、背面パネルは背面パネル本体とその側部の配線収納部を覆う側部背面パネルで構成し、上記背面パネル本体と側部背面パネルは独立的に正面パネルに取り付け可能に形成されたから、側部背面パネルにいろいろなデザインのものを備えることにより、門柱全体の意匠を好みに応じて変えることができる。
【0017】
請求項5に係る発明によれば、門柱中央に縦長ポストを背面側に張出状に設け、背面パネルはポストを挟んで上下に分離してなり、各上下部背面パネルは独立して上記正面パネルに取り付け可能に形成されたから、
門柱本体の中間部にポストを配置しても、上下の背面パネルを正面パネルに容易に取り付け固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る門柱の正面図
【図2】キャップを外した状態の門柱の平面図
【図3】図1の中央縦断面図
【図4】(a)(b)は門柱本体の横断面図及びその分解図
【図5】(a)(b)は正面パネルの正面図及びその中央縦断面図
【図6】インターホンの取付状態を示す横断面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は本発明に係る門柱の正面図、図2はキャップを外した状態の門柱の平面図であり、図3は図1の中央縦断面図である。上記門柱は門柱本体1に門まわり機能機器として、表札2とインターホン3とポスト4とを取り付けたものである。
【0020】
門柱本体1は正面パネル5と背面側と側面側から上記正面パネル5に取り付けられる背面パネル(背面パネル本体6と側部背面パネル30)とから構成されている。
【0021】
正面パネル5は、図4(a)(b)及び図5(a)(b)に示されるように、アルミニウムまたはその合金製の押出型材からなり、断面は鳥居形で、前面部7とこれより短い裏面部8と側面部9の間には長手方向に沿って中空部aが形成された構造を有している。そして、前面部7の両側は側面部9の側方に延長され、その端部には折り返し部10が形成されている。また、側面部9には裏面部8の後方に延長する延長縁11が形成されている。延長縁11の内側中央部には凹部12が形成され、外側中央部には係止部13が突出形成されている。
【0022】
中空部aの前面部7の上部には前面開口部14が、裏面部8の上部には裏面開口部15が対応して形成されている。
【0023】
前面開口部14として、表札用前面開口部14aとインターホン用前面開口部14bとポスト用前面開口部14cが設けられ、これに対応して裏面開口部15として、表札用裏面開口部15aとインターホン用裏面開口部15bとポスト用裏面開口部15cが設けられている。そして、裏面開口部15a、15b、15cはいずれも上記前面開口部14a、14b、14cよりも大きく形成されている。
【0024】
表札用前面開口部14aの裏側には、表札2よりも一回り大きい補強用縁回り金具16が固定されている。これに対し、表札用裏面開口部15aは、裏面部8の上端から表札用前面開口部14aの下端よりも少し下方まで、全面的に切り欠かれている。
【0025】
同様に、インターホン用裏面開口部15bはやや縦長の長方形に形成されているが、前面開口部14よりも一回り大きく形成されている。インターホン用前面開口部14bの裏側にはクッション材17が固定されている。
【0026】
さらに、ポスト用前面開口部14cは縦長ポスト4の郵便物投入口と同じ大きさに形成され、これに対し、ポスト用裏面開口部15cはポスト4の外形と略同じ大きさに形成されている。縦長ポスト4は門柱本体1の背面側に張出状に設けられる。なお、ポスト用前面開口部14cの裏側にも補強用縁回り金具18が固定されている。
【0027】
次に、門回り機能機器は前面開口部14と裏面開口部15とに支持されている。すなわち、表札2はアクリル板等の透明材からなり、これを表札用前面開口部14aに取り付けるときは、表札用前面開口部14aの前方からあてがい、補強用縁回り金具16にネジ止めすればよい。なお、大きく切り欠いた表札用裏面開口部15aから表札用前面開口部14aに当接して固定してもよい。いずれにしても、表札2を簡単に取り付けることができる。
【0028】
インターホン3を取り付けるときは、図5(b)と図6に示されるように、インターホン3の背面部に取付金具20を固定した状態で、大きく開口したインターホン用裏面開口部15bからインターホン3を挿入し、その前部をインターホン用前面開口部14bに嵌合し、背面部の取付金具20をインターホン用裏面開口部15bの周縁部にネジ止め固定すればよい。
【0029】
さらに、ポスト4を取り付けるときは、図3及び図5(b)に示されるように、ポスト4の前部の上下部に、前部と側部に垂直の取付片22、23を形成しておき、この状態で大きく切り欠いたポスト用裏面開口部15cから挿入し、前面の投入口26をポスト用前面開口部14cに合わせて当接し、上記取付片22、23を門柱本体1の裏面部8にネジ止めして固定すればよい。なお、ポスト4の側面部25を六角ボルトとナットによって正面パネル5の側面部に固定してもよい。
【0030】
次に、背面パネルは、背面パネル本体6とその側部の配線収納部を覆う側部背面パネル30とによって構成されている。図4(b)に示されるように、中央部の湾曲したパネル本体27の両側端から前方に係止縁28が形成され、係止縁28の先端には係止部29が外方に突出形成されている。また、背面パネル6はポスト4よりも上部に配置される上部背面パネル6aとポスト4よりも下部に配置される下部背面パネル6bとから構成されている。そして、上部背面パネル6aと下部背面パネル6bは、それぞれ門柱本体1に対して裏側から押し付けることにより、係止部29が門柱本体1の延長縁11の凹部12に係止して固定されている。したがって、背面パネル6の取付作業を容易に行うことができる。なお、係止縁28と延長縁11とを重合させることによって後述の照明電球33からの光が外に漏れるのを有効に防止することができる。
【0031】
なお、正面パネル5の両側部には配線収納部が形成され、配線収納部は側部背面パネル30によって覆われている。側部背面パネル30は緩やかに湾曲し、一側端と他側端近傍にはそれぞれ第1係止部31と第2係止部32が形成されている。そして、側部背面パネル30は背面パネル本体6とは独立に、正面パネル5に押し付けることにより第1係止部31が正面パネル5の前面部7の折り返し部10に、第2係止部32が正面パネル5の延長縁11の係止部13に弾性的に係止して固定されている。これにより、正面パネル5と側部背面パネル30との間にも中空部bが形成される。この中空部bは正面パネル5の上下に連続して形成されるので、インターホン3と照明電球33に電源を供給するケーブル37を配線し、さらに地下に配線すればよい。側部背面パネル30は係脱によって着脱できるので、ケーブル37の配線、補修等の作業も簡単に行うことができる。
【0032】
また、門柱本体1の最上部には、図1及び図2に示されるように、合成樹脂製のキャップ35が取り付けられている。キャップ35の下面には取付金具36を介して照明電球33が取り付けられている。さらに、門柱本体1とキャップ35との間にはアクリル板34が挟持固定されている。アクリル板34の中央部には開口部34a(図2参照)が形成され、またアクリル板34の端面は外部に臨むように配置されている。これにより、照明電球33からの光の一部はアクリル板34の中央開口部34aから内部を通って端面から照射されるので門柱が目立ちやすく、また他の一部は透明な表札2の裏側から透過して前方に照射されるので、夜間でも表札2の文字を読み取ることができる。なお、キャップ35に照明電球33が取り付けられているので、キャップ35を外すと同時に照明電球33も一緒にくっついてくるから、メンテナンス作業が容易である。
【0033】
上述のように、上記構成の門柱は、正面パネル5と背面パネル(6、30)とから門柱本体1を構成するとともに、正面パネル5の前面に形成された前面開口部14に正面パネル5の裏面から門まわり機能機器を挿入して取り付けたものであるから、門まわり機能機器を取り付けるにあたっては、まず正面パネル5に挿入して取り付け固定した後、背面パネル6を正面パネル5に取り付ければよいので、門まわり機能機器の取付作業を容易かつ迅速に行うことができる。
【0034】
また、正面パネル5に門回り機能機器を取り付ける構造であるから、取り付けのための部材の点数を削減してコストを低減することができる。
【0035】
さらに、門回り機能機器の一部を交換したり、メンテナンスしたりする場合は、背面パネル6aを外すことにより、容易に行うことができる。
【0036】
しかも、門柱の構成部材も少なくて済むので、特に門回り機能機器を内蔵するとともに意匠性の高い薄型の機能門柱を提供することができる。
【0037】
また、正面パネル5の中空部aの前面には前面開口部14を、裏面には裏面開口部15を対応させて形成し、裏面開口部15と前面開口部14とに門回り機能機器を支持させるようにしたから、門回り機能機器を安定に取り付けることができる。
【0038】
しかも、裏面開口部15は前面開口部14よりも大きく形成されているから、門回り機能機器の取り付け作業を容易に行うことができる。
【0039】
正面パネル5の両側部には側部背面パネル30が背面パネル本体6とは独立に着脱可能に設けられているから、側面の側部背面パネル30にいろいろなデザインのものを備えることにより、門柱全体の意匠を好みに応じて変えることができる。
【0040】
なお、側部背面パネルは必ずしも必要ではない。側部背面パネルによるケーブル配線用中空部も正面パネルの中空部aの側部に一体に形成するようにしてもよく、中空部aに配線してもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 門柱本体
2 表札
3 インターホン
4 ポスト
5 正面パネル
6 背面パネル本体
14a 上部前面開口部
14b 上部前面開口部
14c 上部前面開口部
15a 上部背面開口部
15b 上部背面開口部
15c 上部背面開口部
30 側部背面パネル
33 照明電球

【特許請求の範囲】
【請求項1】
門まわり機能機器を備えた門柱であって、正面パネルと背面側から上記正面パネルに取り付けられる背面パネルとから門柱本体を構成するとともに、上記正面パネルの前面に形成された前面開口部に正面パネルの裏面から門まわり機能機器を挿入して取り付けたことを特徴とする門柱。
【請求項2】
上記正面パネルは長手方向に沿って中空部を有し、中空部の前面には上記前面開口部を、裏面には裏面開口部を対応させて形成し、上記裏面開口部と前面開口部とに上記門回り機能機器を支持させたことを特徴とする、請求項1に記載の門柱。
【請求項3】
上記裏面開口部は上記前面開口部よりも大きく形成されたことを特徴とする、請求項2に記載の門柱。
【請求項4】
正面パネルは側面に配線収納部を形成し、背面パネルは背面パネル本体とその側部の配線収納部を覆う側部背面パネルで構成し、上記背面パネル本体と側部背面パネルは独立的に正面パネルに取り付け可能に形成されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の門柱。
【請求項5】
門柱中央に縦長ポストを背面側に張出状に設け、背面パネルはポストを挟んで上下に分離してなり、各上下部背面パネルは独立して上記正面パネルに取り付け可能に形成されたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の門柱。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−196415(P2010−196415A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−44868(P2009−44868)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000191065)新日軽株式会社 (545)
【Fターム(参考)】