説明

閉鎖具、および閉鎖具を備えた袋

【課題】
本発明は、製造時のクリープの問題を有しない閉鎖具の構造を提供する。
【解決手段】
本発明は、特に、
2つの基板のウェブ(12,13)と、
各々が、対応するウェブ(12,13)にそれぞれ連結された相補的な閉鎖手段(2,3)と、
を備えた閉鎖具に関し、
各ウェブ(12,13)は、2つの部材、すなわち、閉鎖手段(2,3)の1つを支える第1の部材(14,16)、および上記第1とは異なる第2の部材(15,17)から構成され、
これらの第1の部材(14,16)、および第2の部材(15,17)には、それらの下端および上端にそれぞれ沿って、クリッピング手段などの相補的協働手段(40,41,40’,41’)が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相補的な閉鎖手段を有する閉鎖具の分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これらの手段は、ある場合には、それぞれ開放時、および閉鎖時に、スライドによって作動させられる。
【0003】
限定されない一例として、そのような閉鎖具は、袋の構成部分である。
【0004】
これらの袋は、2つの一般的に平行な、それらのメインウォールを形成するウェブ、そのウェブに組み込まれた相補的な閉鎖手段、および可能ならば開閉時に上記手段を作動させるためのスライドを含む。
【0005】
これらの袋の製造時には、非常に異なる技術的および機械的特性を有する2つのゾーンが各ウェブに存在する。
【0006】
第1は、プロファイル(profiles、部分)などの閉鎖手段を支えるものである。それは、一般にリブまたは他の突出部材を有している。
【0007】
第2は、続いて閉鎖部の一部または袋のウォールの境界を画するウェブから構成される。大きなサイズの袋、例えば、かなりな量のアニマルフードを収容することが意図されたものが含まれる場合、この第2のゾーンは大きな範囲を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらのウェブの製造時には、特にプロファイルによって、この第2のゾーンにおいてクリープの問題(creep problems)が見られ、それは、特に、「テクニカルゾーン」と呼ばれる第1のゾーンの変形についてもたらされることにより、最終製品の品質において有害な影響を有し得る。
【0009】
さらに、閉鎖具および/または袋の各ゾーンに特有の技術的制約と結びついた製造上の理由のために、これらの袋は、相容れないか、またはコプロファイルにおいてのみ困難性をもって相容れる(incompatible or compatible in co-profile only with difficulty)、異なるプラスチックから成ることが求められ、または好まれる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、これらの欠点を有しない閉鎖具の構造を提供して、この困難性を改善することを第1の目的を有している。
【0011】
本発明は、そこで、
2つの基板のウェブと、
各々が、対応するウェブにそれぞれ接続された相補的な閉鎖手段とを含む閉鎖具に関し、
各ウェブは、2つの部材、すなわち、閉鎖手段の1つを支える第1の部材、および上記第1とは異なる第2の部材から成り、
これらの第1および第2の部材は、クリッピング手段などの相互相補的協働手段を備えることを特徴とする。
【0012】
有利には、上記ウェブの第2の部材は、別体である。
【0013】
しかし、他の可能な実施例では、上記ウェブの第2の部材は、それ自体に折り重ねられた1つの同じシートから成る。
【0014】
有利な実施例では、上記閉鎖手段は、対応する第1の部材と一体的に押し出し成形されている。
【0015】
しかし、上記閉鎖手段は挿入部材(inserts)から成り得る。
【0016】
好ましくは、上記閉鎖手段は、相補的なプロファイルである。
【0017】
有利には、上記相互相補的協働手段は、相補的なビードと溝とから成っている。
【0018】
最終的に、1つの変形例では、上記第1および第2の部材は、プロファイルの相容れない(incompatible in profile)異なるプラスチックから成る。
【0019】
本発明は、また、上記実施例の1つに合致した装置を使用して製造された袋に関する。
【0020】
この袋の有利で限定されない特徴によれば、
上記ウェブの上記第2の部材は、それ自体が、これらの袋の嚢(receptacle)の境界を画し、
それは、上記第1の部材、および/または第2の部材に取り付けられ、袋の嚢の境界を画する少なくとも1つの追加のウェブを含む。
【0021】
本発明の他の特徴および有利な点は、以下の好ましい実施例の詳細な記述を読むことによって表れる。
【0022】
この記述は、添付図の参照とともに与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の閉鎖具の模式的断面図である。
【図2】その装置の実現における変形例の上記に類似した断面図である。
【図3】図1の閉鎖具を包含する袋の非常に模式的な断面図である。
【図4】図1の閉鎖具を包含する袋の非常に模式的な断面図である。
【図5】図5(a)は、本発明の変形例に合致する閉鎖具の初期的に別個の要素の模式図であり、図5(b)に模式的断面図に示されるる開封インジケータを含む閉鎖具を構成するために共に組み合わされるように設計されている。
【図6】閉鎖具を包含する小袋(sachet)の他の実施例の模式図である。
【図7】閉鎖具を包含する小袋の他の実施例の模式図である。
【図8】閉鎖具を包含する小袋の他の実施例の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
この記述は、引き続いて袋を製造するために用いられる閉鎖具に適用される。それは、しかし、単純な例であり、閉鎖具は他の使用、例えば、ポスターとして用いられるように設計されたシートの2つの端部を接続することに適している。
【0025】
図1に示される閉鎖具1は、それ自体の概略は一般に知られた構造を有している。しかし、本発明によるその実施例は、革新的である。
【0026】
それは、上部10と、下部11とを有している。
【0027】
それは、12と13の符号が付されたプラスチック製の2つのウェブから構成されている。
【0028】
上部10において、2つのウェブ12,13には、相補的な閉鎖プロファイル2,3が設けられている。
【0029】
これらのプロファイル2,3は、多くの実施例の主題になり得る。本発明は図1に描かれた正確な実施例には限定されない。
【0030】
ここに例示された具体例では、プロファイル2,3は、当業者に広く知られているように、それぞれオスとメスのタイプである。しかし、本発明は、他のタイプのプロファイル、特に相補的なフックを備えたものを適用可能である。それは、また、ベルクロ(商標)ストリップの名称で広く知られた、ループとフックとを有するものなど、他の閉鎖手段も適用可能である。
【0031】
図1の実現形態では、プロファイル2,3は、ウェブ12,13と一体的に押し出し成形されている。
【0032】
しかし、図示しない1つの実現の変形例では、これらの相補的なプロファイルは、例えば熱溶着、または接着剤による接着により、ウェブ12,13に貼り付けられたサポートストリップによって実現されてもよい。
【0033】
この装置は、以下に述べる特別な特徴を有している。
【0034】
実際には、ウェブ12,13は、それぞれ2つの部材、すなわち、プロファイルの1つを支える第1の部材、および上記第1の部材とは異なる第2の部材から成っている。これらの第1および第2の部材には、クリッピング手段などの相互的、かつ相補的な協働手段4が設けられている。
【0035】
より詳しくは、ウェブ12は、プロファイル2を支える第1の部材14(図1を考慮する場合には上部と呼ばれる。)を含み、ウェブ13は、プロファイル3を支える第1の部材16を含む。
【0036】
さらに、ウェブ12は、第2の部材15を含み、ウェブ13は、類似した第2の部材17を有する。
【0037】
第1の部材14,16の下端部には、ここでは、ビード40が設けられ、第2の部材15,17の上端部は、相補的な溝41の形状に形成されている。
【0038】
ビード40は、例えば、直径が、それを支えるウェブ12、第1の部材14,16の厚さよりも大きい円柱状の断面の連続的な畝状に形成され、溝41は、端部が狭まった溝として形成されている。
【0039】
したがって、ビード40を溝41に挟むことによって、または平行移動による結合によって(by coupling by translation)、別個の部材が図1に示されるように共に連結される。
【0040】
この構造によって、装置は、例えばプロファイルにより、引き続き組み合わされる別個のサブアセンブリに製造され得る。このようにして、既に知られている装置の直面するクリープの問題は回避される。
【0041】
図2に示される閉鎖具は、第1の部材14,16の下端部に溝40’が設けられ、第2の部材15,17の上端部にビード41’が設けられているという事実によってだけ、以前のものと、区別される。
【0042】
そのような閉鎖具は、制約なしに、袋を製造するために用いられ得る。そのために、閉鎖具は、袋のボディを構成する1つまたは複数のシートに取り付けられることができ、または、さらに、袋のボディを構成するために、閉鎖プロファイル2,3と反対側のウェブ12、第2の部材15,17の端部に連結することもできる。
【0043】
次に、そのような袋および閉鎖具の変形例の実施例を述べるにあたって図3から図8が参照される。
【0044】
例えば、図3を参照すれば、図1のものと類似した閉鎖具は、それ自体に折り重ねられたプラスチック製のシート5に取り付けられる。
【0045】
より詳しくは、このシート5の2つの自由端50が、接着剤または溶着などの当業者に知られた何らかの接続手段Fを用いて、それぞれウェブ12,13の第2の部材15,17の自由端に取り付けられる。
【0046】
そこで、一般に知られたタイプの袋が構成され、その開閉が、閉鎖手段2,3の協働または協働の解除によって成し遂げられる。
【0047】
図4の袋は、直上で図3を参照して述べられたものと概して類似した構造を有している。しかし、それは、シート5が、ウェブ12,13の第2の部材15,17の下端部だけでなく、それらの上部、実質的に閉鎖手段2,3の近傍にも取り付けられているという事実によって区別される。
【0048】
このようにして、シート5の閉鎖具へのより良好な保持および接着が達成され、相補手段4を保護し、または到達し難いようにして、それらを故意にまたは誤って分離することを不可能にする。
【0049】
図5(a)の閉鎖具の実施例では、図1で述べられたものに類似する閉鎖具が再度考慮される。
【0050】
しかし、ここでは、シート6が用いられ、ウェブ12,13の第2の部材15,17が、ここではシート6自体から構成されるように、その端部が溝41の形に形成されている。
【0051】
そこで、図5(b)に示されるような閉鎖具を構成するためには、シート6をそれ自体にU字形に折り重ねて、シート6の溝41を、閉鎖具1のビード40に連結すれば足りる。
【0052】
ここで、図5(b)に図示された閉鎖具は、ウェブ12,13を連結し、そこで、開封インジケータを構成するウェブ部を有するという利点を有している。
【0053】
実際、袋を構成するために、この閉鎖具が1つまたは複数のシートに一旦取り付けられると、袋の内容物へのアクセスを最初に得るためには、プロファイル2,3の分離後に、このウェブ部を破ることも必要になる。上記ウェブ部は、また、閉鎖プロファイル2,3と平行になって、袋のためのシールエレメントを構成する。
【0054】
変形例としては、もし、シート6がそのような構成に十分なサイズであれば、この装置だけを用いて袋を製造することが可能である。
【0055】
シートに適用された閉鎖具による袋の製造は、図6から図8に解りやすく図示される。
【0056】
例えば、図6を参照すると、袋の上部には、限られた長さのシート6が取り付けられた閉鎖具1が設けられている。
【0057】
このシート6には、やはりそれ自体に折り重ねられた、しかしより大きなサイズの他のシート7が適用され、その反対側の自由端70が、手段F(例えば接着剤接着または溶着)によって、シート6にその両側で取り付けられている
袋の構造は、したがって、図6が考慮されれば、トップからボトムまで、相補的な閉鎖手段2,3、およびシート6の折り畳みから成り、袋の嚢(receptacle)(シート7自体によって画される)の内部にアクセスするためには破られなければならない追加の閉鎖を含むことが観察される(contemplated)。
【0058】
図7および図8は、閉鎖具1の上部で(図7)、および、また、閉鎖具1の上部と、シート6と向かい合う表面上とで(図8)、シート7が取り付けられている点を除き類似した構造を説明している。
【0059】
閉鎖具の2つの部材の製造は、したがって、初期の装置が直面した問題の解決を可能にする。
【0060】
さらに、コプロファイル(coprofile)によって製造に適合しない2つのプラスチックを用いて装置を製造することが意図される場合、本発明に従って、装置の「テクニカル」部分10の製造のために第1の材料、フィルムのウェブ11のために他の材料を用いることができる。
【符号の説明】
【0061】
1 閉鎖具
2,3 閉鎖プロファイル
4 協働手段
5 シート
6 シート
7 シート
10 上部
11 下部
12 ウェブ
13 ウェブ
14 第1の部材
15 第2の部材
16 第1の部材
17 第2の部材
40 ビード
40’ 溝
41 溝
41’ ビード
50 自由端
70 自由端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの基板のウェブ(12,13)と、
各々が、対応するウェブ(12,13)にそれぞれ連結された相補的な閉鎖手段(2,3)と、
を備え、
各ウェブ(12,13)は、2つの部材、すなわち、閉鎖手段(2,3)の1つを支える第1の部材(14,16)、および上記第1とは異なる第2の部材(15,17)から構成され、
これらの第1の部材(14,16)、および第2の部材(15,17)には、それらの下端および上端にそれぞれ沿って、クリッピング手段などの相互相補的協働手段(40,41,40’,41’)が設けられていることを特徴とする閉鎖具(1)。
【請求項2】
請求項1の装置であって、
上記ウェブ(12,13)の上記第2の部材(15,17)は、別体であることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1の装置であって、
上記ウェブ(12,13)の上記第2の部材(15,17)は、それ自体に折り重ねられた1つの同じシート(5)から成ることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のうち何れか1項の装置であって、
上記閉鎖手段(2,3)は、対応する第1の部材(14,16)と一体的に押し出し成形されていることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3のうち何れか1項の装置であって、
上記閉鎖手段(2,3)は、挿入された部材であることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のうち何れか1項の装置であって、
上記閉鎖手段(2,3)は、相補的なプロファイルであることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のうち何れか1項の装置であって、
上記相互相補的協働手段は、相補的なビード(40)と溝(41)とから構成されていることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のうち何れか1項の袋であって、
上記第1の部材14,16、および第2の部材15,17は、プロファイルの相容れない異なるプラスチックから成ることを特徴とする袋。
【請求項9】
請求項1から請求項8のうち何れか1項に従った装置を用いて製造された袋。
【請求項10】
請求項1から請求項6のうち何れか1項の装置を利用する請求項9の袋であって、
上記ウェブ(12,13)の上記第2の部材(15,17)は、それら自体が、この袋の嚢の境界を画することを特徴とする袋。
【請求項11】
請求項1から請求項8のうち何れか1項の装置を利用する請求項9の袋であって、
上記第1の部材(14,16)、および/または第2の部材(15,17)に取り付けられ、袋の嚢の境界を画する少なくとも1つの追加のウェブ(6,7)を含むことを特徴とする袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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