説明

閉鎖型吸引カテーテル組立体用熱及び水分交換器アダプタ及び改良されたカテーテルクリーニングを有するシステム

【課題】 気管内吸引カテーテル装置が提供される。
【解決手段】 当該装置は、カテーテルが遠位端を通って患者の気道の中へ移動できるように構成される遠位端を含む。遠位端は、カテーテルがクリーニングできるクリーニング室を形成する。フラップが遠位端に配置され、クリーニング室の一端に配置される。フラップはカテーテルのクリーニング中、クリーニング室内に流体流をもたらす。結合部材が存在し、遠位端に取り付けられる。結合部材は熱及び水分交換器に係合解除可能に係合するように構成され、カテーテルが遠位端を通って熱及び水分交換器の中へ前進できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
人がその気道に気管カニューレなどの人工気道を用いることを必要とする多くの異なる状況がある。本明細書で使用する「人工気道」という用語は、気管カニューレ、気管内チューブなどの装置を含む。人工気道は患者の自然気道を開放状態に保ち、適切な肺換気が維持できるようにする。具体的な状況において、人工気道は長い期間にわたって患者に入れたままにしておかなければならない。例えば、重度の頚部又は頭部外傷を負った多くの人が、長期の回復及びリハビリテーション期間中、機械的換気装置に結合された気管カニューレを使用する。
【0002】
更に、気管カニューレ患者には、気管カニューレは有するが機械的換気はしない者もいる。これらの患者には、吸入空気の熱及び水分コントロールの補助のため、熱及び水分交換器を使用する者も多い。これらの患者の多くは、機械的換気だけをする者と同様に、吸引カテーテルを用いて機械的に分泌物の除去をする必要がある。
【0003】
分泌物除去は、通常は、気管カニューレの中へ、かつ気管カニューレを通って進められる呼吸器吸引カテーテルによって遂行される。吸引カテーテルが引き抜かれるときに負圧又は真空が加えられ、人工気道の患者の気道内部から粘液及び他の分泌物を引き出す。大量の粘液及び他の分泌物が吸引カテーテルの内腔を通って引き出されるが、粘液及び他の分泌物の一部が薄膜としてカテーテルの外側に残る。
【0004】
従来の閉鎖型吸引カテーテル組立体においては、例えば本発明の譲受人に譲渡され、本明細書に全体的に組み込まれる米国特許第4,569,344号に説明されるもののように、カテーテル管は保護スリーブによって包まれる。カテーテル組立体は、吸引処理を制御するために、真空源に連通する弁機構を含む。その遠位端つまり患者側の先端において、閉鎖型吸引カテーテル組立体は、マニホルド、コネクタ、アダプタなどによって人工気道に取り付けられる。患者の気道から分泌物及び粘液を除去したい場合には、カテーテルは保護スリーブを通して人工気道を通る患者の呼吸器系の中へ進められる。次いで、負圧がカテーテル管の近位端つまり医者側の先端へ加えられ、分泌物及び粘液を排出する。管は次に人口気道から引き抜かれ、カテーテル管が保護スリーブの中へ引き戻されると、ワイパー又はシールが、カテーテル管の外側から全ての粘液又は分泌物もその大部分を剥ぎ取るか又は擦り取る。しかし、カテーテル管の遠位側先端部分はシール又はワイパーを通ることができず、従って遠位端の分泌物又は粘液は、他の方法で除去しなければならない。
【0005】
カテーテル管の外側から擦り取られた分泌物及び粘液をほぐして除去するように、吸引力がカテーテル管全体に加えられているときクリーニング/洗浄剤をカテーテル組立体の遠位端の室へ注入するために、閉鎖型吸引カテーテル組立体には洗浄ポートを含むものがある。この処置は、カテーテルが人工気道及び換気回路に取り付け又は除去される際に行うことができる。
【0006】
ある状況においては、洗浄剤注入及び吸引処理は、カテーテル管の遠位側先端に付着する分泌物及び粘液を十分に除去できず、臨床医はカテーテルの先端をクリーニングしようと何度もクリーニング処理を繰り返すことになる。粘液及び分泌物がカテーテルの先端に堆積し又は乾燥すると、それは感染を生じる原因、又はカテーテルの吸引効果を妨げる原因となり、閉鎖型カテーテル吸引組立体全体を早い時期に交換することが必要となる。
【0007】
大量の粘液及び他の分泌物をカテーテルを通して引き出すことができるが、粘液及び他の分泌物の一部はカテーテルの外側上に残る。患者の分泌物は、連鎖球菌、シュードモナス、ブドウ球菌、及びHIVなど感染物質を含みうるので、臨床医のカテーテルへの接触を遮断することが重要である。同様に患者を、生活環境の中にあり臨床医が運びうる伝染病原体から遮断することが重要である。人工気道を使用する患者は免疫不全であることが多いため、これは特に重要である。
【0008】
通常の呼吸において、鼻及び副鼻腔通路の構造は吸入空気を温め湿らすように作用する。患者が機械的換気を周期的ベースで必要とする状況において、機械的換気を除去した後、熱及び水分交換器(HME)を人工気道の近位端に配置するのが通常である。この形式の配置は、通常は、長時間自力で呼吸できる患者に行われる。かかるシステムにおいて、本明細書で使用される「近位」は臨床医側の方向を表し、「遠位」は患者側の方向を表す。
【0009】
HMEは、人工気道を有する患者において、空気を加熱及び加湿する機能を複製することを意図したものである。HMEは、患者が呼吸する際に、患者の呼吸器系からの熱及び水分喪失を低減するのに使用される。これは、HMEから排出される空気の熱と湿気を保持し、HMEを通って吸入される空気を温め湿気を与えることにより実行される。HMEは、ハウジング又は他の構造の中に包まれる多孔質発泡体などの材料を通常含む。
今までほとんどのHMEは閉鎖型吸引カテーテル組立体に組み合わせて使用されたことがない。従って、患者から呼吸器分泌物を吸引する前に、吸引カテーテルを患者の自然気道に進めることができるように、人工気道の近位端からHMEを除去することが必要である。HMEの除去及び取り付けは患者の不快感の原因となることが多く、HMEが外されている間、患者は熱及び水分交換が取り去られ、補助酸素を使用の場合にはこれも取り去られることになる。
【0010】
【特許文献1】米国特許第4,569,344号公報
【特許文献2】米国特許第5,715,815号公報
【特許文献3】米国特許第5,664,564号公報
【特許文献4】米国特許出願番号第09/702,376号公報
【特許文献5】米国特許出願番号第09/741,769号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、カテーテルから分泌物を十分に除去するように構成される閉鎖型吸引カテーテル組立体が、人工気道に取り付けられるHMEに容易にかつ迅速に取り付け及び除去できる一方、患者の不快感を最小限にできる、安価なアダプタが必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の様々な特徴及び利点が以下の説明において部分的に述べられ、又は説明から明らかになるであろうし、或いは本発明の実施により習得されるであろう。
本発明は、遠位端を有する気管内吸引カテーテル装置を提供する。この遠位端は、カテーテルが遠位端を通り、患者の気道の中へ移動できるように構成することができる。遠位端はカテーテルをクリーニングすることができるクリーニング室を定める。フラップが遠位端内で、クリーニング室の一端に配置される。フラップはカテーテルのクリーニング中、クリーニング室内に流体流をもたらす。また結合部材が存在し、遠位端に取り付けられる。結合部材は、熱及び水分交換器に係合解除可能に係合するように構成され、カテーテルが遠位端を通り熱及び水分交換器の中へ進むことができるようにする。
【0013】
また、本発明においては、この後すぐ説明するような気管内吸引カテーテル装置の実施形態も提供され、この実施形態では、開放部材が存在し、遠位端又は結合部材に配置される。開放部材は、該開放部材が熱及び水分交換器に係合するとき熱及び水分交換器が開放されるように構成される。
【0014】
本発明はまた、気管内吸引カテーテル装置に用いられるシッピングプラグも提供する。シッピングプラグは、気管内吸引カテーテル装置内に配置されるフラップ弁に係合し、その移動を制限するように構成される一端を具備する本体を有する。この本体は、少なくとも1つの突出部を有するが、シッピングプラグをその中に保持するように気管内吸引カテーテル装置のリッジに係合するために、例示的な実施形態において4つの突出部が望ましい。挿入及び除去タブが本体に取り付けできる。更に本発明の例示的な実施形態において、本体はその上にフランジを有することができるが、これは本体が気管内吸引カテーテル装置の中に延びることを制限するのに用いられる。
【0015】
更に本発明の例示的な実施形態において、結合部材は遠位端に旋回可能に取り付けられる1対のアームとすることができる。各々のアームは、アームと熱及び水分交換器の間の係合を助ける少なくとも1つの突出部を提供することができる。本発明の別の例示的な実施形態において、各アームはその一端に2つの突出部を有する。アームは、遠位端を熱及び水分交換器に対し係合及び係合解除させるように、ユーザによって旋回可能である。
【0016】
本発明の別の例示的な実施形態は、更にキャップを有する上述のような気管内吸引カテーテル装置を含む。キャップは、遠位端が熱及び水分交換器に対し係合解除されたとき開放部材に係合できる。キャップは、開放部材の少なくとも一部を覆い、ごみ及び汚染物質が入るのを防ぐように構成される。キャップは、キャップを遠位端に結合するのに用いられる結合紐を提供できる。更にキャップは、一端にプルタブを設けることができ、このプルタブは、キャップが開放部材に係合した状態で、開放部材からキャップを除去する際にユーザを助けるのに用いる。
本発明はまた、前述した特徴の組合せを含む他の例示的な実施形態も包含する。更に、本発明の他の例示的な実施形態は請求項に定義される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の実施形態について詳細に参照するが、その1つ又は複数の実施例は図面に示される。各実施例は、本発明の説明として提供されるものであり、本発明を限定する意図はない。例えば1つの実施形態の部分として示され又は説明される特徴は、別の実施形態に用い、更に第3の実施形態をもたらすことができる。本発明はこれら及び他の修正及び変更を含むことを意図する。
【0018】
ここで図面を参照すると、本発明によるカテーテル装置10の実施形態が図1に示される。カテーテル装置10は、患者の気道内に蓄積する分泌物を除去するのに用いられるカテーテル12を含む。更にカテーテル12は、本発明の他の例示的な実施形態における他の医療処置に用いることができる。カテーテル12は可撓性シース54に包まれる。1つの例示的な実施形態において、可撓性シース54は可撓性プラスチック材料で作られる。カテーテル12が患者に対し挿入及び除去される際折曲がることが可能なように、カテーテル12は可撓性材料で作られる。同様に、シース54もまた、カテーテル12の動きに適応するように可撓性とすることができる。シース54及びカテーテル12は第2の取付具56へ密閉かつ固定して結合される。シース54は第1の取付具52へ固定して取り付けられるが、カテーテル12は第1の取付具52へ摺動可能に係合される。第1の取付具52、第2の取付具56、カテーテル12、及びシース54の配列は、米国特許第5,715,815号に開示されるものと同様とすることができ、この特許は、Ballard Medical Products, Inc.へ譲渡されたものと表示されてはいるが、本発明の譲受人が所有しており、その全体が本明細書に引用により組み込まれる。シース54の1つの用途は、患者から分泌物を除去する処置を完了する際に、カテーテル12の外側に残る分泌物から医療介護者を保護することである。カテーテル12の余分な分泌物は全てシース54の中に含まれ、従って医療介護者から隔離され、またカテーテル12を外部の汚染物質から保護する。
【0019】
カテーテル装置10は、第2の取付具56に取り付けられる圧力弁58を提供できる。圧力弁58は米国特許第5,664,564号に示されるものと同様に構成することができ、この特許は、本発明の譲受人が所有するもので、その全体が本明細書に組み込まれる。圧力弁58は真空源(図示せず)に結合されており、これは、作動させられたときにカテーテル12内に真空をもたらし、それによって患者の気道から汚染物質及び分泌物の除去を行うという二つの作用を行う。圧力弁58は、通常は閉鎖位置にあり、減圧が要求されるときに医療介護者により開放される。
【0020】
図1は患者の気道に挿入されていない一のカテーテル12を示す。実際に、図1は、カテーテル装置10の遠位端16に挿入されるシッピングプラグ46を有するカテーテル装置10を示す。シッピングプラグ46は使用前に汚れ及び他の汚染物質からカテーテル装置10の内部を保護するためにあるもので、また以下により詳細に説明するように、弁(フラップ弁20)が開放状態のままにとどまることを防ぐために存在するものである。カテーテル装置10はまた、カテーテル装置10の遠位端16に結合されるキャップ42も備える。この場合も、キャップ42の機能については以下により詳細に説明する。
【0021】
カテーテル装置10はまた、結合部材32も設けられる。結合部材32は、カテーテル装置10の遠位端16上に構成される。結合部材32は、図2に図示されるように、遠位端16を熱及び水分交換器38に取り付けするのに用いることができる。結合部材32は複数の突出部34を有するが、これは熱及び水分交換器をその上に保持するために熱及び水分交換器38の受入リッジ94に係合する。実際に、結合部材32はカテーテル装置10と熱及び水分交換器38との結合を可能にし、2つの部材が同じ呼吸回路の部分となることができるようにする。
【0022】
図9は、図2及び図8に示されるカテーテル装置10の一部の断面図である。より具体的には、図9は、熱及び水分交換器38が結合される時のカテーテル装置10の遠位端16の断面図である。熱及び水分交換器38は、2000年10月31日に出願され、「閉鎖型吸引カテーテル組立体及びこれを含むシステムのための熱及び水分交換器アダプタ」という名称の係属中の米国特許出願番号第09/702,376号に開示されるものと同様に構成することができ、これは、本発明の譲受人が所有し、その全体が本明細書に組み込まれる。熱及び水分交換器38は、患者が呼吸するときの熱及び水分喪失を低減するように設計される多孔質材106を含む。患者からの呼気中の熱及び水分は、多孔質材106の中で保持される。吸気が多孔質材106の中及び横を通ると、患者の吸気は温められ加湿される。多孔質材106は通常、患者からの熱及び水分の喪失を低減するのに十分な多孔率を有する発泡材料で作られる。当該材料は、性能を増強するために含水塩を施すこともできる。閉回路をもたらすために、患者の気道は通常、管又は他の部品によって熱及び水分交換器通路92の開口部へ結合される。
【0023】
熱及び水分交換器38はまた、患者へ酸素を投与するように酸素供給ラインに結合することができるサイドポート104を含む。これは、気腫又は他の病気の患者が酸素を必要とする場合に可能である。もちろん本発明の他の例示的な実施形態において、サイドポート104の使用で必要ない。
【0024】
図9に見られるように、結合部材32の一部である開放部材40は、熱及び水分交換器通路92に係合し、その中へ延びる。図14に見られるように、熱及び水分交換器38は、典型的には、複数の熱及び水分交換器フラップ108が設けられる。熱及び水分交換器フラップ108は弁を形成し、これにより、熱及び水分交換器38がカテーテル装置10に係合されていないとき、該交換器が多孔質材106の中へ流れを向けるようになる。図9に見られるように、開放部材40は熱及び水分交換器フラップ108に係合し、カテーテル装置10と熱及び水分交換器38の間に開放通路を形成するように該フラップを内側へ押し込む。いったん除去されると、熱及び水分交換器フラップ108が構築される材料の弾力性により、図14に示されるように熱及び水分交換器フラップ108は元の位置に戻る。従って、図14は、熱及び水分交換器38に係合する直前又は係合解除した直後の状況としてカテーテル装置10を示すものである。熱及び水分交換器38のカテーテル装置10への取り付けは、これら2つの部材の取り付けの異なる図を示す図2及び図3に見ることができる。
【0025】
図7は、遠位端16の中に挿入されたシッピングプラグ46を有するカテーテル装置10の断面図である。図6は、シッピングプラグ46を具備するカテーテル装置10の正面図である。図5は図4及び図7に示されるカテーテル装置10の分解組立図である。図5及び図7に見られるように、カテーテル装置10は遠位端16に弁20が設けられる。本発明の1つの例示的な実施形態においては、弁20はフラップ60の形式とすることができる。しかし、本発明の他の例示的な実施形態においては、弁20の他の構造が可能であることを理解されたい。フラップ60は、1つ又は複数のヒンジ24によって環状リング22に結合できる。環状リング22は、次に遠位端16の一部に固く結合される。また一方、本発明の別の例示的な実施形態においては、フラップ60は、環状リング22を用いずに遠位端16へ直接結合することができる。また、弁20は米国特許第6,227,200号B1に開示されるものと同様に構成することができ、この特許は、本発明の譲受人が所有しており、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0026】
弁20は、遠位端16内に配置されるクリーニング室18の一端を形成する。クリーニング室18は、本発明の1つの例示的な実施形態においては、一方では弁20と、他方では第2のワイパーシール110との間に配置されるように形成できる。クリーニング室18は、図5及び図2に示されるように、ポート28に連通させることができる。ポート28は、洗浄結合部材86に取り付けることができる。クリーニング剤が洗浄結合部材86を通って注入でき、ポート28を通ってクリーニング室18へ入る。洗浄結合部材86は、結合紐90によってキャップ88に結合される。キャップ88の目的は、洗浄結合部材86が使用されない時、洗浄結合部材86の開口部を覆うことである。こうして覆うことで、カテーテル装置10、より具体的には洗浄結合部材86を汚れ及び他の汚染物質から保護する。
【0027】
図7は断面図であるので、ポート28は図7には存在しない。しかし少なくとも図2及び図5の考察から、クリーニング室18は図7でポート28と流体連通できることは理解できる。それ故に、カテーテル12の遠位側先端100がワイパーシール30に隣接するが接触しないように、カテーテル12がクリーニング室18の中へ進むことができる。カテーテル12はまた、図7に示されるように1対の側面穴102を提供する。前述のように、カテーテル12は、患者の気道と接触するため定期的なクリーニングが必要である。分泌物及び他の汚染物質が内腔14を通って、かつカテーテル装置10から引き出されるように、クリーニング剤をクリーニング室18へ注入し、吸引力をカテーテル12の内腔14へ加えることができる。
【0028】
それ故に、クリーニングが必要な時、患者の気管道に断続的に取り付けられるようにカテーテル装置10を設計できる。カテーテル装置10は、特に、熱及び水分交換器38と連通するように設計される。患者の吸引が完了すると、カテーテル12はクリーニングできる。カテーテル装置10は、機械的換気は行っていず、気管熱及び水分交換器38を使用している患者から分泌物を除去するのに用いることができる。カテーテル12は、遠位端16が熱及び水分交換器38から係合解除される前又は後のいずれかにおいて、クリーニング室18内でクリーニングできる。
【0029】
遠位端16はまた、図7に示されるようにワイパーシール30を設けることもできる。ワイパーシール30の目的は、カテーテル12がワイパーシール30を通って戻されるとき、カテーテル12の外面から分泌物を除去することである。ワイパーシール30は、カテーテル12がカテーテル装置10の遠位端16から引っ込められるとき、シール状態でカテーテル12に係合する可撓性材料で作ることができる。しかし、分泌物がワイパーシール30を通った後でもカテーテル12に残り、第1の取付具52を通った後にカテーテル12に残る場合がありうる。これらの分泌物は、シース54があることにより、臨床医又は周囲との接触を妨げられる。遠位端16は、ワイパーシール30と同様に機能する第2のワイパーシール110を設けることができる。更に、この第2のワイパーシール110は、第1の取付具52に配置でき、フラップ60とともに二重の確実な呼気圧シールを形成する。
【0030】
図7に見られるように、カテーテル12はクリーニング室18内に存在し、この例示的な実施形態におけるように、クリーニング室18はフラップ20と第2のワイパーシール110の間にあるように形成される。クリーニング手順を開始することができる。カテーテル12をクリーニングするためにクリーニング剤がクリーニング室内へ注入され、カテーテル12の内腔14に吸引力が加えられる。クリーニング剤は、カテーテル12の遠位側先端100、及びカテーテル12の壁の外側にも存在する分泌物を粉砕するように作用する。次に内腔14に与えられた吸引力は、カテーテル12の中へこれら分泌物を引き出し、カテーテル装置10からこれらを除去する。吸引力がいったん内腔14へ加えられると、フラップ60を構成する弁20がカテーテル12の方へ引き出され、患者から離れる。フラップ60は穴26を提供できる。2000年12月19日出願の、「カテーテル組立体のための乱流空気クリーニング法及び装置」という名称の係属中の米国特許出願番号第09/741,769号において述べられるように、乱流がクリーニング室18内で発生でき、この特許出願は、本発明の譲受人が所有し、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0031】
内腔14に加えられる吸引力は、クリーニング剤を遠位側先端100の開口部の中に引き込み、乱流路を確立するのに使用される。吸引力が加えられると、クリーニング剤以外の流体媒質(この場合空気)がクリーニング剤とともに、穴26を通って、遠位側先端100の中へ引き込まれる。任意の作動論理に束縛されることを望むものではないが、本出願人は、この種の乱流クリーニング方法において、空気の一部とクリーニング剤の混合物がその後、側面穴102から方向付けられ、カテーテル12の外周面に沿って進み、遠位側先端100の中へ引き戻されると考える。従って、連続的な円形流路又はパターンが確立される。このパターンは、カテーテル12の外周の周囲でクリーニング剤に顕著な乱流を生じされることが判明した。この乱流がクリーニング剤のクリーニング効果を大幅に増強させる。
【0032】
穴26は、クリーニング処置中に、カテーテル12と軸方向に整列させることができる。更に、フラップ突出部72を設けて、吸引力が加えられたとき、フラップ60の平坦面74がカテーテル12に対して密閉しないようにすることができる。好ましくは、カテーテル12の遠位側先端100は、クリーニング処置中ワイパーシール30の下にわずかな距離を置いて配置されるようにする。ポート28は、ワイパーシール30の下に配置して、クリーニング剤をカテーテル12の外面上に向けてクリーニングを助けるようにすることができる。全ての食塩水がクリーニング室18から排出されカテーテル12がクリーニングされるまで、吸引力をカテーテル12の内腔14に加えることができる。キャップ42を結合部材32の開放部材40の上に配置することができ、カテーテル装置10は次に吸引が必要となるまで保管できる。
【0033】
カテーテル12の側面穴102とともに穴26を用いることで、乱流をクリーニング室18内で発生できる。かかる配列を有することで、より効果的なクリーニング処理がカテーテル装置10内で実現される。しかし、本発明の他の例示的な実施形態においては、クリーニング工程は、前述のように実行される必要がないことを理解されたい。例えば、本発明の別の例示的な実施形態においては、フラップ60内に穴26が存在しないことがある。更に他の例示的な実施形態において、側面穴102はカテーテル12に存在する必要はない。更に本発明の他の例示的な実施形態においては、ワイパーシール30の有無とともに、クリーニング室18の大きさ及び形を変更できる。
【0034】
フラップ60には、1対のフラップ突出部72を設けることができる。カテーテル12を遠位端16を通して挿入することにより、遠位側先端100の力でフラップ60が開放される。遠位側先端100がフラップ60上に分泌物又は他の汚染物質を運ぶことを防ぐために、フラップ60にはカテーテル12に係合するフラップ突出部72が設けられる。それ故に、遠位端16を通して挿入されたとき、カテーテル12はフラップ突出部72に係合し、フラップ60の平坦面74に接触しない。従って、突出部72の使用がカテーテル装置10の汚染危険率を低減する。しかし、本発明の他の例示的な実施形態においては、フラップ60にはフラップ突出部72が設けられない。
【0035】
不使用期間中、特に製造者から臨床医による最終的な使用までの輸送期間において、カテーテル12は、弁20が開放されるように遠位端16の中へ移動できる状況がありうる。弁20及びヒンジ24は、可撓性プラスチック材料で構築される。もしこの材料が長期間同じ位置に保たれるならば、材料が固まって、従ってカテーテル12が遠位端16から除去されても、弁20が開放位置のままである状況がありうる。もしヒンジ24を形成するプラスチックが開放期間が長いことにより固まると、カテーテル12のクリーニングが行われる際、弁20が閉じない可能性がある。カテーテル12が引き戻され、カテーテル装置10が患者の気道に結合されるか又はされない時にも、明らかにかかる状況は望ましくない。不使用中、特にエンドユーザまでの輸送の間、弁20が閉鎖状態にあるようにするために、カテーテル装置10は、シッピングプラグ46が設けられる。シッピングプラグ46は、図11Aから図11Eに詳細に示される。図面では、断面が上面、前面、側面及び底面を有するものとして示されるが、これらの図は便宜上簡便にするためのものであることを理解されたい。実際、他の形に関する図面のかかる説明もまた、便宜上のものである。ここで、シッピングプラグ46は、そこから延びる4つの突出部48を有する本体76を備える。本体76の一端に端部78がある。端部78は、図11Aにおいて実質的に円形のディスクとして示される。本体76の他に挿入及び除去タブ70を配置できる。フランジ68が挿入及び除去タブ70に隣接する。
【0036】
図7は、カテーテル装置10の遠位端16に挿入されたシッピングプラグ46を示す。弁20のフラップ突出部72と端部78の接触により弁20が開放できないように端部78が配置される。本発明の他の例示的な実施形態においては、端部78はフラップ突出部72以外の弁20の部分に接触できる。端部78は弁20の移動を妨げるので、シッピングプラグ46の存在によりカテーテル装置10の輸送中、弁20は開放状態にならない。
【0037】
遠位端16にシッピングプラグ46を保持するために、シッピングプラグ46は、4つの突出部48が設けられる。これらの突出部48は、シッピングプラグ46を遠位端16の中に挿入する際に圧縮される弾性部材である。突出部48が遠位端16の内側に形成されるリッジ50を通り過ぎると、突出部48が弾性作用で戻り、遠位端16内に所定の力でシッピングプラグ46を固定する。シッピングプラグ46の突出部48は、特に、弁20の開放を防ぐほどの保持力でシッピングプラグ46を遠位端16内に係止するように設計される。図7は結合部材32の内部に形成されるリッジ50を示す。しかし本発明の他の例示的な実施形態において、リッジ50は結合部材32の他に遠位端16の他の部分に形成できることを理解されたい。本発明の1つの例示的な実施形態において、シッピングプラグ46は4つの突出部48を有する。しかし、シッピングプラグ46は任意の数の突出部48を設けることができることを理解されたい。更に遠位端16内にシッピングプラグ46を保持する他の構造が、本発明のもとで想定できる。例えば、シッピングプラグ46の本体76と遠位端16の内部通路の間の締りばめが可能である。
【0038】
シッピングプラグ46は、シッピングプラグ46が遠位端16の中に内側方向に移動するのを制限するフランジ68を設けることができる。また、フランジ68は、ユーザがシッピングプラグ46を不注意で熱及び水分交換器38の中へ挿入することを防ぐような大きさにすることができる。シッピングプラグ46は、ユーザがシッピングプラグ46を遠位端16の中へ挿入し、遠位端16からシッピングプラグ46を除去するのに役立つように、挿入及び除去タブ70が設けられる。カテーテル装置10がユーザにより購入されて使用準備ができると、カテーテル装置10が使用まで長期間保管されるものでなければ、シッピングプラグ46は遠位端16から除去され廃棄される。
【0039】
図5に示されるカテーテル装置10は、キャップ42が設けられる。キャップ42の目的は、カテーテル装置10が使用されない時に開放部材40を覆うことである。こうして覆うことで、開放部材40がカテーテル装置10に侵入できる汚れ及び他の汚染物質に汚染されることを防ぐ。図5に結合部材32の部分として示されるが、開放部材40は本発明の他の例示的な実施形態における遠位端16の他の一部に結合又は形成できる。図10は、カテーテル装置10の不使用期間中にカテーテル装置10の上に配置されるキャップ42を示す。このようにして、遠位端16が汚れや他の汚染物質から保護される。キャップ42は輪98により遠位端16に結合される。図12Aから12Eまでは、キャップ42をより詳細に示す。キャップ42は、可撓性結合紐44によって輪98に結合される。しかし本発明の他の例示的な実施形態においては、結合紐44は存在せず、キャップ42は遠位端16に結合されない単なる部品であることを理解されたい。更に輪98の使用を必要としない、結合紐44を遠位端16に結合する他の方法を想定することができる。例えば、結合紐44は、ピン又はボルトで遠位端16に固定できる。更に本発明の他の例示的な実施形態においては、キャップ42は遠位端16以外の位置でカテーテル装置10に結合することができる。キャップ42は、ブルタブ66が設けられており、これは、ユーザがキャップ42を開放部材40上に置き、かつ開放部材40からキャップ42を除去するのに役立つものである。
【0040】
図8に示されるように、結合部材32は、貫通流路が形成されるようにカテーテル装置10を熱及び水分交換器38に結合するのに用いられる。図9に見られる開放部材40は、熱及び水分交換器フラップ108を通る通路を開放するために設けられるものである。この種の配置は、熱及び水分交換器フラップ108がカテーテル12の挿入で開放しても、カテーテル12を気道から引き抜いたときに、カテーテル12の粘液及び他の分泌物が、熱及び水分交換器フラップ108の上に堆積されるようになるという利点がある。熱及び水分交換器フラップ108を開放できる開放部材40を設けることにより、カテーテル12が熱及び水分交換器38の任意の部分に接触する必要がなくなるので、汚染の危険率の低減が見られる。本発明の別の例示的な実施形態においては、熱及び水分交換器38はカテーテル装置10と連通するように配置することができ、そこでは、熱及び水分交換器フラップ108は開放部材40によっては開放されないことを理解されたい。
【0041】
結合部材32は、熱及び水分交換器38に係合し、熱及び水分交換器38を遠位端16上に保持する。結合部材32は、図13Aから13Dまでにより詳細に示される。図において、正面、上面、及び側面図を有する結合部材32に言及するのは、便宜上簡便にするためである。結合部材32は、1対のアーム62が設けられる。突出部34がアーム62の一端に存在する。本発明の他の例示的な実施形態においては、突出部34は突刺部82とすることができる。更に、表面部品80がアーム62の一端にあって、熱及び水分交換器38を掴むように構成することができる。1つの例示的な実施形態においては、表面部品80は、遠位端16を熱及び水分交換器38に保持する補助、又は単独で保持するのに用いられるフランジ84である。それ故に、本発明は、図示される突出部34以外の部品によって結合されるような実施形態の例を含むものである。
【0042】
アーム62は、開放部材40に隣接する結合部材32の部分に対して交換可能である。1つの例示的な実施形態において、アーム62は結合部材32に旋回可能に取り付けられる。この旋回可能な結合は、旋回取り付け部36によってもたらされる。旋回取り付け部36は可撓性材料であり、アーム62を開放部材40から離れる方向に及び開放部材40に向かう方向に曲げることができる。それ故に、突出部34もまた開放部材40から離れる方向に及び開放部材40に向かう方向に曲がることになる。旋回可能取り付け部36は、剛性であるが、この旋回動作を可能にする程度に可撓性のある材料とすることができる。ユーザによるアーム62の旋回を助けるように、アーム62の各々は、湾曲フィンガータブ64を設けることができる。従って、ユーザはその親指及び人差し指を湾曲フィンガータブ64に対して置き、突出部34が開放部材40から離れる方向にアーム62を旋回させることができる。この点で結合部材32は、図9に示されるように熱及び水分交換器38の上を進むことができる。アーム62から圧力を除くと、アームは自然位置に戻り、突出部34が熱及び水分交換器38の受入リッジ94に係合し、その上にカテーテル装置10を保持する状態になる。更に、アーム62は互いの方向に向けて付勢することができ、これによって、熱及び水分交換器38の上に位置させられたとき、熱及び水分交換器38に対し、よりしっかりと係合できるようになる。図14に示されるように、熱及び水分交換器38はまた、一連の受入突出部96を設けることができる。これによって、結合部材32のアーム62が、本発明の他の例示的な実施形態において、受入リッジ94に代わって受入突出部96と結合できるようになる。更に受入突出部96は、熱及び水分交換器38をその上に保持できる係止スロットを有する結合部材32に係合するように使用できる。かかる配列は、「閉鎖型カテーテル組立体及びそれを含むシステムのための熱及び水分交換器」という名称の前述の米国特許出願番号第09/702,376号に示される。
【0043】
遠位端16を熱及び水分交換器38から除去するために、ユーザは再びその親指及び人差し指を湾曲フィンガータブ64に置き、内側へ押圧することができる。これにより再び突出部34が旋回可能取り付け部36に対して外側へ旋回する。突出部34の受入リッジ94からの撤去が達成され、結合部材32が熱及び水分交換器38からうまく係合解除できる。
本発明は、添付請求項及びその均等物の範囲内にある本明細書に説明されるカテーテル装置の例示的な実施形態になされる様々な修正を含むことを、理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明によるカテーテル装置の1つの例示的な実施形態の斜視図であって、カテーテル装置は、シッピングプラグがカテーテル装置の遠位端に挿入された状態で示される。
【図2】本発明によるカテーテル装置の1つの例示的な実施形態の斜視図であって、熱及び水分交換器がカテーテル装置の遠位端に結合された状態で示される。
【図3】図2に示されるカテーテル装置の斜視図であって、図2に示されるものとは別のカテーテル装置の側面を示す。
【図4】本発明によるカテーテル装置の1つの例示的な実施形態の拡大斜視図であって、シッピングプラグがカテーテル装置の遠位端の中に挿入された状態で示される。
【図5】図4に示されるカテーテル装置の分解組立図であって、カテーテル装置の遠位端にある弁、シッピングプラグ、ワイパーシール、及び他の部材を示す。
【図6】本発明の1つの例示的な実施形態によるカテーテル装置の正面図であって、シッピングプラグを有するカテーテル装置の遠位端の拡大図を示す。
【図7】本発明によるカテーテル装置の1つの例示的な実施形態の断面図であって、カテーテル装置の遠位端に挿入され、遠位端内にヒンジで取り付けられた弁の前方の移動を制限するシッピングプラグが示される。
【図8】本発明によるカテーテル装置の1つの例示的な実施形態の正面図であって、ここでは遠位端が結合部材によって熱及び水分交換器に結合される。
【図9】本発明によるカテーテル装置の1つの例示的な実施形態の断面図であって、熱及び水分交換器とカテーテル装置の遠位端の間の通路を開放するために、結合部材の開放部材が熱及び水分交換器に挿入された状態で示される。
【図10】本発明の1つの例示的な実施形態によるカテーテル装置の正面図であって、カテーテル装置は熱及び水分交換器に結合されず、キャップが遠位端上に配置された状態を示す。
【図11A】本発明の1つの例示的な実施形態によるシッピングプラグの斜視図である。
【図11B】図11Aに示されるシッピングプラグの平坦面図である。
【図11C】図11Aに示されるシッピングプラグの正面図である。
【図11D】図11Aに示されるシッピングプラグの側面図である。
【図11E】図11Aに示されるシッピングプラグの底面図である。
【図12A】本発明の1つの例示的な実施形態による結合紐を有するキャップの斜視図である。
【図12B】図12Aに示されるキャップ及び結合紐の正面図である。
【図12C】図12Aに示されるキャップ及び結合紐の平坦面図である。
【図12D】図12Aに示されるキャップ及び結合紐の側面図である。
【図12E】図12Aに示されるキャップ及び結合紐の底面図である。
【図13A】本発明の1つの例示的な実施形態による結合部材の斜視図である。
【図13B】図13Aに示される結合部材の平坦面図である。
【図13C】図13Aに示される結合部材の側面図である。
【図13D】図13Aに示される結合部材の正面図である。
【図14】本発明によるカテーテル装置の1つの例示的な実施形態の斜視図であって、カテーテル装置は、弁を形成する複数の熱及び水分交換器フラップを有する熱及び水分交換器から係合解除されている。
【符号の説明】
【0045】
10 カテーテル装置
32 結合部材
38 熱及び水分交換器
40 開放部材
92 熱及び水分交換器通路
104 サイドポート
106 多孔質材
108 熱及び水分交換器フラップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内腔に負圧を加えることにより患者の気道から流体を除去するように構成されたカテーテルと、
前記カテーテルが通過して患者の気道の中へ移動できるように構成され、該カテーテルがクリーニングされるクリーニング室が中に配置された遠位端と、
環状リングに対して旋回するように前記遠位端内において前記クリーニング室に隣接して配置された弁と、
を備え、前記弁が前記環状リングに取り付けたフラップであり、前記フラップがその中に開口部を有し、
前記クリーニング室の中へクリーニング液を導くためのポートが、該クリーニング室に流体連通しており、
ワイパーシールが前記クリーニング室に配置され、前記ワイパーシールは、前記カテーテルが前記ワイパーシールを通って進められるときに該カテーテルの分泌物が除去されるように構成されており、
前記遠位端に取り付けられる1対のアームからなる結合部材が設けられ、前記アームの各々は少なくとも1つの突出部を有し、該アームは、該遠位端を熱及び水分交換器に係合させ固定するように構成されており、
前記遠位端の一端に開放部材が配置され、前記開放部材は、該遠位端が前記熱及び水分交換器に係合され固定されたとき、前記熱及び水分交換器を開放するように構成されており、
キャップが結合紐によって前記遠位端に取り付けられ、前記キャップは、前記気管内吸引カテーテルが使用されないときに前記開放部材に係合して該開放部材を覆うように構成され、
前記開放部材に係合し前記遠位端内に延びて前記弁の移動を制限できるように構成されたシッピングプラグが設けられ、前記シッピングプラグは、該遠位端のリッジに係合して該遠位端で該シッピングプラグを係止するように作用する複数の突出部を有し、
第1の取付具が前記ワイパーシールのすぐ近傍で前記遠位端に結合され、前記カテーテルに摺動接合されており、
シースが一端において前記第1の取付具に結合され、前記カテーテルを同心円状に囲む1つの閉鎖領域を形成しており、前記シースは、該カテーテルが患者の気道に挿入されたとき折り畳むことができ、
第2の取付具が前記第1の取付具とは反対側の前記シースの端において該シースに取り付けられ、前記第2の取付具は、前記カテーテルに非摺動的に接合されており、
通常閉の圧力弁が前記第2の取付具に結合され、前記圧力弁の作動により負圧を前記カテーテルに供給できるようになった、
ことを特徴とする、気管内吸引カテーテル装置。
【請求項2】
内腔に負圧を加えることにより患者の気道から流体を除去するように構成されたカテーテルと、
前記カテーテルが通過して患者の気道の中へ移動できるように構成され、クリーニング室が中に配置された遠位端と、
前記クリーニング室に近接して配置されたフラップと、
を備え、前記フラップは、前記カテーテルの遠位側先端が前記クリーニング室内にあり、負圧が該カテーテルに加えられたとき、該カテーテルの方に付勢され、該カテーテルの分泌物が該クリーニング室内で除去されるようになっており、
結合部材が前記遠位端に取り付けられ、該遠位端を熱及び水分交換器に係合させるように構成され、
開放部材が前記遠位端上に配置され、前記開放部材は、前記熱及び水分交換器に係合したとき該熱及び水分交換器が開放されるように構成された、
ことを特徴とする気管内吸引カテーテル装置。
【請求項3】
前記結合部材が前記遠位端に旋回可能に取り付けられた1対のアームであり、前記アームの各々が該アームと前記熱及び水分交換器の間の係合を助ける少なくとも1つの突出部を有し、該アームをユーザが旋回させて該遠位端を前記熱及び水分交換器に係合させ、かつ、該遠位端を前記熱及び水分交換器から係合解除することができるようになったことを特徴とする、請求項2に記載の気管内吸引カテーテル装置。
【請求項4】
前記アームの各々は、ユーザが前記アームを旋回させ前記遠位端と前記熱及び水分交換器の係合及び係合解除するのを助ける湾曲したフィンガータブを有することを特徴とする、請求項3に記載の気管内吸引カテーテル装置。
【請求項5】
前記遠位端が前記熱及び水分交換器から係合解除されたときに前記開放部材と係合可能なキャップを更に備え、前記キャップは、該開放部材の少なくとも一部を覆うように構成されたことを特徴とする、請求項2に記載の気管内吸引カテーテル装置。
【請求項6】
前記キャップを前記遠位端に結合する結合紐を更に含むことを特徴とする、請求項5に記載の気管内吸引カテーテル装置。
【請求項7】
前記キャップは、該キャップが前記開放部材に係合するときに該開放部材から該キャップをユーザが除去するのを助けるプルタブを有することを特徴とする、請求項5に記載の気管内吸引カテーテル装置。
【請求項8】
前記遠位端の中へ延びて前記フラップの移動を制限するように構成されたシッピングプラグを更に含むことを特徴とする、請求項2に記載の気管内吸引カテーテル装置。
【請求項9】
前記シッピングプラグは、前記遠位端のリッジに係合して該シッピングプラグを前記遠位端上に固定するように構成された複数の突出部を有することを特徴とする、請求項8に記載の気管内吸引カテーテル装置。
【請求項10】
前記シッピングプラグが4つの突出部を有することを特徴とする、請求項9に記載の気管内吸引カテーテル装置。
【請求項11】
前記シッピングプラグ上にフランジが配置され、前記フランジが該シッピングプラグの遠位端内に延びるのを制限し、該フランジは、前記シッピングプラグ全体が前記熱及び水分交換器の中へ偶発的に挿入されることを防ぐ大きさであることを特徴とする、請求項8に記載の気管内吸引カテーテル装置。
【請求項12】
前記シッピングプラグが、その一端に配置され、ユーザが該シッピングプラグを前記遠位端に挿入及び除去するために掴めるように構成された挿入及び除去タブを有することを特徴とする、請求項8に記載の気管内吸引カテーテル装置。
【請求項13】
前記フラップが該フラップの近位側にフラップ突出部を有し、前記突出部は、前記カテーテルが患者の気道の中へ、及び気道からの両方向に進められるとき該カテーテルに係合するように構成され、該カテーテルが患者の気道から引き抜かれる時、該カテーテル上の分泌物が該フラップの平坦面に接触することを防ぐのを該突出部が助けるようになったことを特徴とする、請求項2に記載の気管内吸引カテーテル装置。
【請求項14】
クリーニング剤を前記クリーニング室へ導くために該クリーニング室に流体連通するポートを更に含むことを特徴とする、請求項13に記載の気管内吸引カテーテル装置。
【請求項15】
前記カテーテルの前記遠位側先端が前記クリーニング室内にあり、負圧が該カテーテルに加えられたとき、該クリーニング室で流体乱流を誘発するように前記フラップの前記平坦面がその中に穴を有することを特徴とする、請求項14に記載の気管内吸引カテーテル装置。
【請求項16】
前記結合部材に係合される受入リッジを有し、かつ前記遠位端上にある熱及び水分交換器を更に含むことを特徴とする、請求項2に記載の気管内吸引カテーテル装置。
【請求項17】
前記シッピングプラグが気管内吸引カテーテル装置に挿入されたとき、気管内吸引カテーテル装置内に位置させられたフラップ弁に係合してその移動制限するように構成された一端を有する本体を備え、前記本体は、前記気管内吸引カテーテル装置のリッジに係合する少なくとも1つの突出部を有し、該シッピングプラグと気管内吸引カテーテル装置の間の係合中に該シッピングプラグを保持するように作用し、
挿入及び除去タブが前記本体に取り付けられ、前記挿入及び除去タブは、ユーザが前記シッピングプラグを気管内吸引カテーテル装置に挿入及び除去するために掴むことができるように構成された、
ことを特徴とする、気管内吸引カテーテル装置に用いられるシッピングプラグ。
【請求項18】
前記本体は、該本体が気管内吸引カテーテル装置内に延びるのを制限するフランジを有し、前記フランジは、シッピングプラグ全体が熱及び水分交換器の中へ偶発的に挿入されることを防ぐような大きさであることを特徴とする、請求項17に記載のシッピングプラグ。
【請求項19】
前記本体が4つの突出部を有することを特徴とする、請求項18に記載のシッピングプラグ。
【請求項20】
カテーテルが通過して患者の気道の中へ移動できるように構成され、カテーテルをクリーニングできるクリーニング室を定める遠位端と、
前記遠位端の中で前記クリーニング室の一端に配置されカテーテルのクリーニング中に該クリーニング室内で流体流に影響を与えるフラップと、
前記遠位端に取り付けられ、カテーテルが該遠位端を通って前記熱及び水分交換器の中に進むことができるように、前記熱及び水分交換器に解除可能に係合されるように構成された結合部材と、
を含むことを特徴とする、気管内吸引カテーテル装置。
【請求項21】
前記遠位端に配置され、前記熱及び水分交換器に係合したとき該熱及び水分交換器を開放するように構成された開放部材を更に含むことを特徴とする、請求項20に記載の気管内吸引カテーテル装置。
【請求項22】
前記結合部材が、その上に形成され前記熱及び水分交換器に係合可能な少なくとも1つのアームを含むことを特徴とする、請求項20に記載の気管内吸引カテーテル装置。
【請求項23】
前記結合部材がその上に形成される少なくとも2つのアームを含み、前記アームが互いに反対側に配置され、少なくとも2つのアームの各々が前記熱及び水分交換器に係合可能であることを特徴とする、請求項20に記載の気管内吸引カテーテル装置。
【請求項24】
少なくとも2つのアームの各々が前記熱及び水分交換器に係合可能な表面部品を含むことを特徴とする、請求項23に記載の気管内吸引カテーテル装置。
【請求項25】
前記表面部品が1対の突刺部であることを特徴とする、請求項24に記載の気管内吸引カテーテル装置。
【請求項26】
前記表面部品が前記アームの各々の一端のフランジであることを特徴とする、請求項24に記載の気管内吸引カテーテル装置。
【請求項27】
前記アームの各々が、前記結合部材を前記熱及び水分交換器に係合及び係合解除するために、ユーザが該アームを旋回させることの助けに用いる湾曲したフィンガータブを有することを特徴とする、請求項23に記載の気管内吸引カテーテル装置。
【請求項28】
前記遠位端の前記結合部材に係合される受入リッジを有する熱及び水分交換器を更に含むことを特徴とする、請求項20に記載の気管内吸引カテーテル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14】
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【公表番号】特表2006−507019(P2006−507019A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−570918(P2003−570918)
【出願日】平成15年1月24日(2003.1.24)
【国際出願番号】PCT/US2003/002265
【国際公開番号】WO2003/072175
【国際公開日】平成15年9月4日(2003.9.4)
【出願人】(597085132)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (17)