開口付き多角形リブ構造および多角形リブ構造
【課題】
本発明は、一平面に対し直交する方向のリブが相互に交叉して、多角形状に形成された多角形リブ構造に関し、特に衝撃吸収用多角形リブ構造に関するものである。
【解決手段】
一平面に対し直交する方向のリブ3が相互に交叉して、多角形状に形成された多角形リブ構造において、多角形リブ3の各辺の長手方向略中央部に位置して厚み中心部が2分割されるとともに、該2分割の相対する分割面が相互に離れて開口部4が形成され、該開口部4の横断面積が開口端から奥に向って減少する形状に前記多角形リブの各辺が形成された開口付き多角形リブ構造2である。
本発明は、一平面に対し直交する方向のリブが相互に交叉して、多角形状に形成された多角形リブ構造に関し、特に衝撃吸収用多角形リブ構造に関するものである。
【解決手段】
一平面に対し直交する方向のリブ3が相互に交叉して、多角形状に形成された多角形リブ構造において、多角形リブ3の各辺の長手方向略中央部に位置して厚み中心部が2分割されるとともに、該2分割の相対する分割面が相互に離れて開口部4が形成され、該開口部4の横断面積が開口端から奥に向って減少する形状に前記多角形リブの各辺が形成された開口付き多角形リブ構造2である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一平面に対し直交する方向のリブが相互に交叉して、多角形状に形成された多角形リブ構造に関し、特に衝撃吸収用多角形リブ構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
横断面形状が6角形状をなしたハニカム構造が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されているハニカム構造は、ハニカム状をなしたリブの端縁を結んだ面が曲面状をなし、ヘルメットの衝撃吸収材への適用が試みられている。
【0004】
このハニカム構造を製造するには、図20および図21に図示するように、一方向に直線的に指向しかつ横断面形状が矩形状の帯状素材01を1対の円錐台状ロール02の間に送り込んで、横断面形状が図21に図示のような細長梯形状にロール圧延を行なうことにより、一方向に直線的に指向する帯状素材01を螺旋状に巻回した帯状素材01Aに成形する。
【0005】
螺旋状に巻回された帯状素材01Aを、図23に図示するように、巻回方向に亘って均等に3分割等、複数分割し、その円弧帯状素材01Bの表面を、図22に図示するように、螺旋中心Oから一定の角度間隔で区域(X1、X2、X3、X2)(X1、X2、X3、X2)・・・・に区分し、相互に隣接する円弧帯状素材01Bの一方の表面において、3区域X2、X3、X2をおいた区域X1に接着剤を塗布するとともに、相互に隣接する帯状素材01Aの他方の表面において、前記接着剤を塗布した区域X1の中間に位置した中央の区域X3に接着剤を塗布し、接着剤の硬化後に、図24に図示するように、円弧状に分割された帯状素材01Bの上下両端部を相互に広げるように移動させることによって、図14に図示のようなハニカム構造を製造することができる。
【0006】
【特許文献1】特開平9−105013号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されたハニカム構造を製造するには、長手方向に亘り一定の厚さを有する横断面形状の矩形状帯状素材01を、横断面形状が細長梯形状の帯状素材01Aに成形するに当り、長手方向に亘る巾および厚さにばらつきがない帯状素材01を用意する必要があり、それとともに、1対の円錐台状ロール02の外周面の精度およびロール軸間の平行度ならびに寸法の精度が高い水準であることを必要とし、しかも、加工工数が多くなり、その結果、生産性が低く、コスト高が避けられなかった。
【0008】
また、特許文献1に開示されたものは、ハニカム構造以外の多角形リブ構造には、適用困難であった。
【0009】
本発明は、このような難点を克服した多角形リブ構造の改良に係り、本発明により解決しようとする課題は、量産性に富み、コスト安の多角形リブ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、一平面に対し直交する方向のリブが相互に交叉して、多角形状に形成された多角形リブ構造において、多角形リブの各辺の長手方向略中央部に位置して厚み中心部が2分割されるとともに、該2分割の相対する分割面が相互に離れて開口部が形成され、該開口部の横断面積が開口端から奥に向って減少する形状に前記多角形リブの各辺が形成されたことを特徴とする開口付き多角形リブ構造である。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記請求項1記載の開口付き多角形リブ構造において、前記多角形リブの菱形開口部の形状および寸法が前記一平面の一方向または複数方向に進むにつれて変化することを特徴とする開口付き多角形リブ構造である。
【0012】
請求項3記載の発明は、前記請求項1または請求項2記載の開口付き多角形リブ構造において、前記開口部が閉じられ、該開口部の開口面積の広い側のリブ縁に接する外周面が凸弯曲面に形成されたことを特徴とする多角形リブ構造である。
【0013】
請求項4記載の発明は、前記多角形リブの横断面形状は、正6角形または矩形を連らねた形状に形成されたことを特徴とする請求項3記載の多角形リブ構造である。
【0014】
請求項5記載の発明は、前記多角形リブ構造は、衝撃吸収材であることを特徴とする請求項3または請求項4記載の多角形リブ構造である。
【0015】
請求項6記載の発明は、前記多角形リブ構造は、ヘルメット用衝撃吸収材であることを特徴とする請求項5記載の多角形リブ構造である。
【0016】
請求項7記載の発明は、上下1対の成形型よりなり、一方の成形型は、先端に向かって先細となった横断面菱形形状の先細4角錐状雄型が仮想正多角柱面の各外周面中央に位置し、かつ先細4角錐状雄型の縦断面が前記仮想正多角形柱面に沿って配置され、他方の成形型では、前記仮想正角柱面を中心として一定の巾の正多角形溝が形成され、該正多角形溝の長手方向中央に位置して、溝奥に向って次第に小さくなるV字状凹部が形成されたことを特徴とする開口付き多角形リブ構造成形型である。
【0017】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の1対の成形型間に成形材料を充填して成形した後、前記先細4角錐状雄型により形成された4角錐状開口部の対向壁面を相互に当接させて多角形リブ構造を構成することを特徴とする多角形リブ構造の成型方法である。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の発明では、一平面に対し直交する方向のリブが相互に交叉して、多角形状に形成された多角形リブ構造において、多角形リブの各辺の長手方向略中央部に位置して厚み中心部に、断面形状が菱形の先細4角錐状開口部が形成された開口付き多角形リブ構造を低コストで量産することができる。
【0019】
請求項2記載の発明では、多角形リブのリブ縁に接する外周面を、弯曲半径が場所によって異なるように変化させることができる。
【0020】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の発明における菱形の先細4角錐状開口部を閉じることにより、該開口部の開口面積の広い側のリブ縁に接する外周面が凸弯曲面に形成された多角形リブ構造を容易に生産することができる。
【0021】
請求項4記載の発明では、多角形リブの横断面形状が、正6角形または矩形を連らねた形状の多角形リブ構造を容易に生産することができる。
【0022】
請求項5記載の発明では、軽量で衝撃吸収性の高い多角形リブ構造を得ることができる。
【0023】
請求項6記載の発明では、ヘルメットの内周面に請求項4記載の多角形リブ構造を付設することにより、軽量で衝撃吸収性が高いヘルメットを安価で得ることができる。
【0024】
請求項7記載の発明の成形型を用いることにより、請求項1記載の多角形リブ構造が、安価で容易に得られる。
【0025】
請求項8記載の発明の成形方法を適用することにより、請求項3記載の多角形リブ構造を、低コストで容易に量産することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1ないし図14に図示された本発明の実施形態について説明する。
【0027】
請求項1記載の発明の一実施形態の開口付き6角形リブ構造2は、図1に図示され、図2はその要部拡大平面図である。
【0028】
開口付き6角形リブ構造2では、リブ3の各端部は相互に120°の角度間隔を存して相互に一体に結合され、各リブ3の長手方向略中央部に位置して厚み中心部が2分割されて菱形開口部4が形成され、この菱形開口部4は、横断面形状が菱形で、その横断面積が上部開口端から下方に進むにつれて減少する形状になっている。
【0029】
開口内面5におけるリブ3の長手方向に指向した長手方向谷線6と、リブ3の巾方向に指向した巾方向谷線7とにそれぞれ隣接したリブ3の外側面に、断面がV字状の切欠き8と切欠き9とが形成されている。
【0030】
図1および図2に図示の開口付き6角形リブ構造2を製造するには、図5に図示の上下1対の上型21および下型30よりなる成形型20が用いられる。
【0031】
請求項7における一方の成形型である上型21は、図5および図6に図示されるように、1点鎖線で示された仮想正6角形24の各辺に、4角錐台状雄型23の長手方向稜角線26が一致し、かつ該仮想正6角形24の各辺の中央に4角錐台状雄型23が位置するように、上型21の上基盤22の下面から下方へ4角錐台状雄型23が突設されている。
【0032】
また、請求項7における他方の成形型である下型30では、図示されない金型用厚板に、図7に図示するように、上型21の仮想正6角形24と同一形状の1点鎖線で示された仮想正6角形33に沿って、図2に図示の開口付き6角形リブ構造2の厚さと同一の巾の正6角形溝34を形成するとともに、正6角形溝34の各辺中央部に上型21の4角錐台状雄型23の外側面25と同一形状の4角錐台状凹部35を形成し、かつ、4角錐台状凹部35の溝底における上下方向に指向した断面3角状の突条36と、4角錐台状凹部35の端縁に沿って該端縁に突条37とを形成することにより、下型30は、下基盤31に変形6角柱状雄型32が一体的に結合された構造となっている。
【0033】
下型30の正6角形溝34の各辺中央部に位置した4角錐台状凹部35の中心線に、上型21の4角錐台状雄型23の中心線を一致させて、下型30の4角錐台状凹部35に上型21の4角錐台状雄型23を遊嵌した状態で、両上型21下型30間の空隙部に、熱可塑性樹脂を注入充填すれば、図1ないし図4に図示の開口付き6角形リブ構造2を射出成形することができる。
【0034】
図1ないし図4に図示の射出成形された開口付き6角形リブ構造2の開口内面5に接着剤を塗布した後、相対する巾方向谷線7が相互に接触するように、菱形開口部4の両側面を加圧すれば、菱形開口部4が閉じられて図11に図示される6角形リブ構造1が形成される。
【0035】
開口付き6角形リブ構造2のリブ上端面10において、図2の右下に図示されるように、3枚のリブ3が交叉したリブ上端面交叉中心点11と、これに隣接したリブ上端面交叉中心点11との距離S1は、両長手方向谷線6の長手方向谷線上端点12の間隔2A1と、リブ上端面交叉中心点11と長手方向谷線上端点12間の距離Cの2倍の距離2Cとの和、すなわち
S1=2(A1+C)
となる。
【0036】
開口付き6角形リブ構造2のリブ下端面14において、図2の左下に図示されるように、3枚のリブ3が交叉したリブ下端面交叉中心点15と、これに隣接したリブ下端面交叉中心点15の距離T1は、両長手方向谷線下端点16間の距離2B1と、リブ下端面交叉中心点15、長手方向谷線下端点16間の距離Dの2倍の距離2Dとの和、すなわち
T1=2(B1+D)=S1
となる。
【0037】
開口付き6角形リブ構造2の菱形開口部4が閉じられると、6角形リブ構造1における巾方向谷線7の巾方向谷線上端点13が当接するため、図12に図示されるように、リブ上端面10における長手方向谷線上端点12とこれに隣接した長手方向谷線上端点12との距離S2は、長手方向谷線上端点12と巾方向谷線上端点13との距離A2の2倍の距離2A2と、リブ下端面交叉中心点15長手方向谷線下端点16間の距離Cの2倍の距離2Cとの和、すなわち
S2=2(A2+C)
となる。
【0038】
開口付き6角形リブ構造2の菱形開口部4が閉じられた状態での6角形リブ構造1のリブ下端面14では、リブ下端面交叉中心点15とこれに隣接したリブ下端面交叉中心点15との距離T2は、長手方向谷線下端点16と巾方向谷線下端点17との距離B2の2倍の距離2B2と、リブ下端面交叉中心点15長手方向谷線下端点16間の距離Dの2倍の距離2Dとの和、すなわち、
T2=2(B2+D)
となる。
【0039】
リブ上端面10では、開口付き6角形リブ構造2の隣接リブ上端面交叉中心点11間の距離S1が、菱形開口部4が閉じられると、6角形リブ構造1の隣接リブ上端面交叉中心点11間の距離S2となり、その差は、
S2−S1=2(A2−A1)
となり、A2は、図2で明らかなように、長手方向谷線上端点12巾方向谷線上端点13開口中心点18を頂点とする直角3角形の斜辺12、13の長さであり、その3角形の底辺12、18よりも長いので、菱形開口部4を閉じると、両リブ上端面交叉中心点11間の距離は、2(A2−A1)だけ増大する。
【0040】
同様にリブ下端面14でも、菱形開口部4が閉じられた状態の両リブ下端面交叉中心点15間の距離T2は、菱形開口部4が形成された状態の両リブ下端面交叉中心点15間の距離T1と比べると、
T2−T1=2(B2−B1)
となり、両リブ下端面交叉中心点15リブ下端面交叉中心点15間の距離は2(B2−B1)だけ増大するが、A1、A2に比べて、B1、B2の方が短かいので、その伸び量は小さくなり、従って、リブ上端面10を結んだ面は上方へ突出した図14に図示のような弯曲面となり、6角形リブ構造1を図示されないヘルメットの衝撃緩衝材に適用することが可能となる。
【0041】
図1ないし図14に図示の実施形態では、上下対の上型21、下型30よりなる成形型20を用い、両上型21、下型30間の間隙部に熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂を注入充填するだけで、開口付き6角形リブ構造2を短時間内に能率良く射出成形できるので、生産性を高め、低コストで大量生産を行なうことができる。
【0042】
また、成形された開口付き6角形リブ構造2の相対する開口内面5を接着剤により相互に一体に接合することにより、各菱形開口部4を閉じ、図14に図示のように上方へ湾曲した6角形リブ構造1を生産することができる。
【0043】
さらに、開口付き6角形リブ構造2の構成材料に比較的衝撃破壊強度の低い材料を用いれば、軽量で衝撃吸収性の良好な構造物を得ることができる。
【0044】
開口付き6角形リブ構造2における菱形開口部4の大きさや形状を開口付き6角形リブ構造2の場所に応じて適宜変更することにより、6角形リブ構造1の弯曲面形状をヘルメットの形状に適合させることができ、ヘルメットの衝撃吸収材に容易に適用することができる。
【0045】
前記実施形態では、開口付き6角形リブ構造2の相対する開口内面5を接着剤で一体に接合したが、6角形リブ構造1の構成材料に熱可塑性樹脂を用いた場合には、融着により、開口付き6角形リブ構造2の相対する開口内面5を一体に接合してもよい。
【0046】
図1ないし図14に図示の実施形態では、菱形開口部4の上面開口の菱形と菱形開口部4の下面開口の菱形とは大きさが異なり、他方、形状は略相似形であったが、図15および図16に図示するように菱形開口部4Xの上面開口4aの長手方向の寸法と菱形開口部4Xの下面開口4bの長手方向の寸法とは等しいが、上面開口4aの巾方向寸法は、下面開口4bの巾方向寸法よりも大きく、上面開口4aの形状と下面開口4bの形状は著しく異なったものでもよい。
【0047】
図1ないし図16に図示の実施形態では、多角形が正6角形であったが、図17に図示のような正方形リブ構造40や、図18に図示のような正3角形リブ構造41にも、本発明は勿論適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態の開口付き6角形リブ構造の平面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2のIII−III線に沿って裁断した縦断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿って裁断した縦断面図である。
【図5】成形型の分解斜視図である。
【図6】上型を下方から上方に向けて見た底面図である。
【図7】下型の平面図である。
【図8】図7の要部拡大平面図である。
【図9】図5のIX−IX線に沿って裁断した断面図である。
【図10】図5のX−X線に沿って裁断した断面図である。
【図11】6角形リブ構造の平面図である。
【図12】図11のXII−XII線に沿って裁断した断面図である。
【図13】図11のXIII−XIII線に沿って裁断した断面図である。
【図14】6角形リブ構造の全体斜視図である。
【図15】開口部の菱形の形状が異なる開口付きリブ構造の要部拡大平面図である。
【図16】図15のXVI−XVI線に沿って裁断した断面図である。
【図17】本発明の別実施形態の正方形リブ構造の平面図である。
【図18】本発明の別実施形態の正3角形リブ構造の平面図である。
【図19】本発明の別実施形態の正方形・正8角形混合リブ構造の平面図である。
【図20】従来の6角形リブ構造を製造する過程の一部を図示した斜視図である。
【図21】図20のXXI−XXI線に沿って裁断した横断面図である。
【図22】図20で得られた帯状素材に接着剤を塗布する状態を図示した説明図である。
【図23】図20で得られた帯状素材を分割した円弧状素材の斜視図である。
【図24】図22に図示した接着剤塗布硬化後の、最終工程を図示した説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1…6角形リブ構造、2…開口付き6角形リブ構造、3…リブ、4…菱形開口部、5…開口内面、6…長手方向谷線、7…巾方向谷線、8…切欠き、9…切欠き、
10…リブ上端面、11…リブ上端面交叉中心点、12…長手方向谷線上端点、13…巾方向谷線上端点、14…リブ下端面、15…リブ下端面交叉中心点、16…長手方向谷線下端点、17…巾方向谷線下端点、18…開口中心点、
20…成形型、21…上型、22…上基盤、23…4角錐台状雄型、24…仮想正6角形、25…外側面、26…長手方向稜角線、27…巾方向稜角線、
30…下型、31…下基盤、32…変形6角柱状雄型、33…仮想正6角形、34…正6角形溝、35…4角錐台状凹部、36…突条、37…突条、
40…正方形リブ構造、41…正3角形リブ構造、42…正方形・正8角形混合リブ構造。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一平面に対し直交する方向のリブが相互に交叉して、多角形状に形成された多角形リブ構造に関し、特に衝撃吸収用多角形リブ構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
横断面形状が6角形状をなしたハニカム構造が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されているハニカム構造は、ハニカム状をなしたリブの端縁を結んだ面が曲面状をなし、ヘルメットの衝撃吸収材への適用が試みられている。
【0004】
このハニカム構造を製造するには、図20および図21に図示するように、一方向に直線的に指向しかつ横断面形状が矩形状の帯状素材01を1対の円錐台状ロール02の間に送り込んで、横断面形状が図21に図示のような細長梯形状にロール圧延を行なうことにより、一方向に直線的に指向する帯状素材01を螺旋状に巻回した帯状素材01Aに成形する。
【0005】
螺旋状に巻回された帯状素材01Aを、図23に図示するように、巻回方向に亘って均等に3分割等、複数分割し、その円弧帯状素材01Bの表面を、図22に図示するように、螺旋中心Oから一定の角度間隔で区域(X1、X2、X3、X2)(X1、X2、X3、X2)・・・・に区分し、相互に隣接する円弧帯状素材01Bの一方の表面において、3区域X2、X3、X2をおいた区域X1に接着剤を塗布するとともに、相互に隣接する帯状素材01Aの他方の表面において、前記接着剤を塗布した区域X1の中間に位置した中央の区域X3に接着剤を塗布し、接着剤の硬化後に、図24に図示するように、円弧状に分割された帯状素材01Bの上下両端部を相互に広げるように移動させることによって、図14に図示のようなハニカム構造を製造することができる。
【0006】
【特許文献1】特開平9−105013号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されたハニカム構造を製造するには、長手方向に亘り一定の厚さを有する横断面形状の矩形状帯状素材01を、横断面形状が細長梯形状の帯状素材01Aに成形するに当り、長手方向に亘る巾および厚さにばらつきがない帯状素材01を用意する必要があり、それとともに、1対の円錐台状ロール02の外周面の精度およびロール軸間の平行度ならびに寸法の精度が高い水準であることを必要とし、しかも、加工工数が多くなり、その結果、生産性が低く、コスト高が避けられなかった。
【0008】
また、特許文献1に開示されたものは、ハニカム構造以外の多角形リブ構造には、適用困難であった。
【0009】
本発明は、このような難点を克服した多角形リブ構造の改良に係り、本発明により解決しようとする課題は、量産性に富み、コスト安の多角形リブ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、一平面に対し直交する方向のリブが相互に交叉して、多角形状に形成された多角形リブ構造において、多角形リブの各辺の長手方向略中央部に位置して厚み中心部が2分割されるとともに、該2分割の相対する分割面が相互に離れて開口部が形成され、該開口部の横断面積が開口端から奥に向って減少する形状に前記多角形リブの各辺が形成されたことを特徴とする開口付き多角形リブ構造である。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記請求項1記載の開口付き多角形リブ構造において、前記多角形リブの菱形開口部の形状および寸法が前記一平面の一方向または複数方向に進むにつれて変化することを特徴とする開口付き多角形リブ構造である。
【0012】
請求項3記載の発明は、前記請求項1または請求項2記載の開口付き多角形リブ構造において、前記開口部が閉じられ、該開口部の開口面積の広い側のリブ縁に接する外周面が凸弯曲面に形成されたことを特徴とする多角形リブ構造である。
【0013】
請求項4記載の発明は、前記多角形リブの横断面形状は、正6角形または矩形を連らねた形状に形成されたことを特徴とする請求項3記載の多角形リブ構造である。
【0014】
請求項5記載の発明は、前記多角形リブ構造は、衝撃吸収材であることを特徴とする請求項3または請求項4記載の多角形リブ構造である。
【0015】
請求項6記載の発明は、前記多角形リブ構造は、ヘルメット用衝撃吸収材であることを特徴とする請求項5記載の多角形リブ構造である。
【0016】
請求項7記載の発明は、上下1対の成形型よりなり、一方の成形型は、先端に向かって先細となった横断面菱形形状の先細4角錐状雄型が仮想正多角柱面の各外周面中央に位置し、かつ先細4角錐状雄型の縦断面が前記仮想正多角形柱面に沿って配置され、他方の成形型では、前記仮想正角柱面を中心として一定の巾の正多角形溝が形成され、該正多角形溝の長手方向中央に位置して、溝奥に向って次第に小さくなるV字状凹部が形成されたことを特徴とする開口付き多角形リブ構造成形型である。
【0017】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の1対の成形型間に成形材料を充填して成形した後、前記先細4角錐状雄型により形成された4角錐状開口部の対向壁面を相互に当接させて多角形リブ構造を構成することを特徴とする多角形リブ構造の成型方法である。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の発明では、一平面に対し直交する方向のリブが相互に交叉して、多角形状に形成された多角形リブ構造において、多角形リブの各辺の長手方向略中央部に位置して厚み中心部に、断面形状が菱形の先細4角錐状開口部が形成された開口付き多角形リブ構造を低コストで量産することができる。
【0019】
請求項2記載の発明では、多角形リブのリブ縁に接する外周面を、弯曲半径が場所によって異なるように変化させることができる。
【0020】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の発明における菱形の先細4角錐状開口部を閉じることにより、該開口部の開口面積の広い側のリブ縁に接する外周面が凸弯曲面に形成された多角形リブ構造を容易に生産することができる。
【0021】
請求項4記載の発明では、多角形リブの横断面形状が、正6角形または矩形を連らねた形状の多角形リブ構造を容易に生産することができる。
【0022】
請求項5記載の発明では、軽量で衝撃吸収性の高い多角形リブ構造を得ることができる。
【0023】
請求項6記載の発明では、ヘルメットの内周面に請求項4記載の多角形リブ構造を付設することにより、軽量で衝撃吸収性が高いヘルメットを安価で得ることができる。
【0024】
請求項7記載の発明の成形型を用いることにより、請求項1記載の多角形リブ構造が、安価で容易に得られる。
【0025】
請求項8記載の発明の成形方法を適用することにより、請求項3記載の多角形リブ構造を、低コストで容易に量産することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1ないし図14に図示された本発明の実施形態について説明する。
【0027】
請求項1記載の発明の一実施形態の開口付き6角形リブ構造2は、図1に図示され、図2はその要部拡大平面図である。
【0028】
開口付き6角形リブ構造2では、リブ3の各端部は相互に120°の角度間隔を存して相互に一体に結合され、各リブ3の長手方向略中央部に位置して厚み中心部が2分割されて菱形開口部4が形成され、この菱形開口部4は、横断面形状が菱形で、その横断面積が上部開口端から下方に進むにつれて減少する形状になっている。
【0029】
開口内面5におけるリブ3の長手方向に指向した長手方向谷線6と、リブ3の巾方向に指向した巾方向谷線7とにそれぞれ隣接したリブ3の外側面に、断面がV字状の切欠き8と切欠き9とが形成されている。
【0030】
図1および図2に図示の開口付き6角形リブ構造2を製造するには、図5に図示の上下1対の上型21および下型30よりなる成形型20が用いられる。
【0031】
請求項7における一方の成形型である上型21は、図5および図6に図示されるように、1点鎖線で示された仮想正6角形24の各辺に、4角錐台状雄型23の長手方向稜角線26が一致し、かつ該仮想正6角形24の各辺の中央に4角錐台状雄型23が位置するように、上型21の上基盤22の下面から下方へ4角錐台状雄型23が突設されている。
【0032】
また、請求項7における他方の成形型である下型30では、図示されない金型用厚板に、図7に図示するように、上型21の仮想正6角形24と同一形状の1点鎖線で示された仮想正6角形33に沿って、図2に図示の開口付き6角形リブ構造2の厚さと同一の巾の正6角形溝34を形成するとともに、正6角形溝34の各辺中央部に上型21の4角錐台状雄型23の外側面25と同一形状の4角錐台状凹部35を形成し、かつ、4角錐台状凹部35の溝底における上下方向に指向した断面3角状の突条36と、4角錐台状凹部35の端縁に沿って該端縁に突条37とを形成することにより、下型30は、下基盤31に変形6角柱状雄型32が一体的に結合された構造となっている。
【0033】
下型30の正6角形溝34の各辺中央部に位置した4角錐台状凹部35の中心線に、上型21の4角錐台状雄型23の中心線を一致させて、下型30の4角錐台状凹部35に上型21の4角錐台状雄型23を遊嵌した状態で、両上型21下型30間の空隙部に、熱可塑性樹脂を注入充填すれば、図1ないし図4に図示の開口付き6角形リブ構造2を射出成形することができる。
【0034】
図1ないし図4に図示の射出成形された開口付き6角形リブ構造2の開口内面5に接着剤を塗布した後、相対する巾方向谷線7が相互に接触するように、菱形開口部4の両側面を加圧すれば、菱形開口部4が閉じられて図11に図示される6角形リブ構造1が形成される。
【0035】
開口付き6角形リブ構造2のリブ上端面10において、図2の右下に図示されるように、3枚のリブ3が交叉したリブ上端面交叉中心点11と、これに隣接したリブ上端面交叉中心点11との距離S1は、両長手方向谷線6の長手方向谷線上端点12の間隔2A1と、リブ上端面交叉中心点11と長手方向谷線上端点12間の距離Cの2倍の距離2Cとの和、すなわち
S1=2(A1+C)
となる。
【0036】
開口付き6角形リブ構造2のリブ下端面14において、図2の左下に図示されるように、3枚のリブ3が交叉したリブ下端面交叉中心点15と、これに隣接したリブ下端面交叉中心点15の距離T1は、両長手方向谷線下端点16間の距離2B1と、リブ下端面交叉中心点15、長手方向谷線下端点16間の距離Dの2倍の距離2Dとの和、すなわち
T1=2(B1+D)=S1
となる。
【0037】
開口付き6角形リブ構造2の菱形開口部4が閉じられると、6角形リブ構造1における巾方向谷線7の巾方向谷線上端点13が当接するため、図12に図示されるように、リブ上端面10における長手方向谷線上端点12とこれに隣接した長手方向谷線上端点12との距離S2は、長手方向谷線上端点12と巾方向谷線上端点13との距離A2の2倍の距離2A2と、リブ下端面交叉中心点15長手方向谷線下端点16間の距離Cの2倍の距離2Cとの和、すなわち
S2=2(A2+C)
となる。
【0038】
開口付き6角形リブ構造2の菱形開口部4が閉じられた状態での6角形リブ構造1のリブ下端面14では、リブ下端面交叉中心点15とこれに隣接したリブ下端面交叉中心点15との距離T2は、長手方向谷線下端点16と巾方向谷線下端点17との距離B2の2倍の距離2B2と、リブ下端面交叉中心点15長手方向谷線下端点16間の距離Dの2倍の距離2Dとの和、すなわち、
T2=2(B2+D)
となる。
【0039】
リブ上端面10では、開口付き6角形リブ構造2の隣接リブ上端面交叉中心点11間の距離S1が、菱形開口部4が閉じられると、6角形リブ構造1の隣接リブ上端面交叉中心点11間の距離S2となり、その差は、
S2−S1=2(A2−A1)
となり、A2は、図2で明らかなように、長手方向谷線上端点12巾方向谷線上端点13開口中心点18を頂点とする直角3角形の斜辺12、13の長さであり、その3角形の底辺12、18よりも長いので、菱形開口部4を閉じると、両リブ上端面交叉中心点11間の距離は、2(A2−A1)だけ増大する。
【0040】
同様にリブ下端面14でも、菱形開口部4が閉じられた状態の両リブ下端面交叉中心点15間の距離T2は、菱形開口部4が形成された状態の両リブ下端面交叉中心点15間の距離T1と比べると、
T2−T1=2(B2−B1)
となり、両リブ下端面交叉中心点15リブ下端面交叉中心点15間の距離は2(B2−B1)だけ増大するが、A1、A2に比べて、B1、B2の方が短かいので、その伸び量は小さくなり、従って、リブ上端面10を結んだ面は上方へ突出した図14に図示のような弯曲面となり、6角形リブ構造1を図示されないヘルメットの衝撃緩衝材に適用することが可能となる。
【0041】
図1ないし図14に図示の実施形態では、上下対の上型21、下型30よりなる成形型20を用い、両上型21、下型30間の間隙部に熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂を注入充填するだけで、開口付き6角形リブ構造2を短時間内に能率良く射出成形できるので、生産性を高め、低コストで大量生産を行なうことができる。
【0042】
また、成形された開口付き6角形リブ構造2の相対する開口内面5を接着剤により相互に一体に接合することにより、各菱形開口部4を閉じ、図14に図示のように上方へ湾曲した6角形リブ構造1を生産することができる。
【0043】
さらに、開口付き6角形リブ構造2の構成材料に比較的衝撃破壊強度の低い材料を用いれば、軽量で衝撃吸収性の良好な構造物を得ることができる。
【0044】
開口付き6角形リブ構造2における菱形開口部4の大きさや形状を開口付き6角形リブ構造2の場所に応じて適宜変更することにより、6角形リブ構造1の弯曲面形状をヘルメットの形状に適合させることができ、ヘルメットの衝撃吸収材に容易に適用することができる。
【0045】
前記実施形態では、開口付き6角形リブ構造2の相対する開口内面5を接着剤で一体に接合したが、6角形リブ構造1の構成材料に熱可塑性樹脂を用いた場合には、融着により、開口付き6角形リブ構造2の相対する開口内面5を一体に接合してもよい。
【0046】
図1ないし図14に図示の実施形態では、菱形開口部4の上面開口の菱形と菱形開口部4の下面開口の菱形とは大きさが異なり、他方、形状は略相似形であったが、図15および図16に図示するように菱形開口部4Xの上面開口4aの長手方向の寸法と菱形開口部4Xの下面開口4bの長手方向の寸法とは等しいが、上面開口4aの巾方向寸法は、下面開口4bの巾方向寸法よりも大きく、上面開口4aの形状と下面開口4bの形状は著しく異なったものでもよい。
【0047】
図1ないし図16に図示の実施形態では、多角形が正6角形であったが、図17に図示のような正方形リブ構造40や、図18に図示のような正3角形リブ構造41にも、本発明は勿論適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態の開口付き6角形リブ構造の平面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2のIII−III線に沿って裁断した縦断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿って裁断した縦断面図である。
【図5】成形型の分解斜視図である。
【図6】上型を下方から上方に向けて見た底面図である。
【図7】下型の平面図である。
【図8】図7の要部拡大平面図である。
【図9】図5のIX−IX線に沿って裁断した断面図である。
【図10】図5のX−X線に沿って裁断した断面図である。
【図11】6角形リブ構造の平面図である。
【図12】図11のXII−XII線に沿って裁断した断面図である。
【図13】図11のXIII−XIII線に沿って裁断した断面図である。
【図14】6角形リブ構造の全体斜視図である。
【図15】開口部の菱形の形状が異なる開口付きリブ構造の要部拡大平面図である。
【図16】図15のXVI−XVI線に沿って裁断した断面図である。
【図17】本発明の別実施形態の正方形リブ構造の平面図である。
【図18】本発明の別実施形態の正3角形リブ構造の平面図である。
【図19】本発明の別実施形態の正方形・正8角形混合リブ構造の平面図である。
【図20】従来の6角形リブ構造を製造する過程の一部を図示した斜視図である。
【図21】図20のXXI−XXI線に沿って裁断した横断面図である。
【図22】図20で得られた帯状素材に接着剤を塗布する状態を図示した説明図である。
【図23】図20で得られた帯状素材を分割した円弧状素材の斜視図である。
【図24】図22に図示した接着剤塗布硬化後の、最終工程を図示した説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1…6角形リブ構造、2…開口付き6角形リブ構造、3…リブ、4…菱形開口部、5…開口内面、6…長手方向谷線、7…巾方向谷線、8…切欠き、9…切欠き、
10…リブ上端面、11…リブ上端面交叉中心点、12…長手方向谷線上端点、13…巾方向谷線上端点、14…リブ下端面、15…リブ下端面交叉中心点、16…長手方向谷線下端点、17…巾方向谷線下端点、18…開口中心点、
20…成形型、21…上型、22…上基盤、23…4角錐台状雄型、24…仮想正6角形、25…外側面、26…長手方向稜角線、27…巾方向稜角線、
30…下型、31…下基盤、32…変形6角柱状雄型、33…仮想正6角形、34…正6角形溝、35…4角錐台状凹部、36…突条、37…突条、
40…正方形リブ構造、41…正3角形リブ構造、42…正方形・正8角形混合リブ構造。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一平面に対し直交する方向のリブが相互に交叉して、多角形状に形成された多角形リブ構造において、
多角形リブの各辺の長手方向略中央部に位置して厚み中心部が2分割されるとともに、該2分割の相対する分割面が相互に離れて開口部が形成され、
該開口部の横断面積が開口端から奥に向って減少する形状に前記多角形リブの各辺が形成されたことを特徴とする開口付き多角形リブ構造。
【請求項2】
前記請求項1記載の開口付き多角形リブ構造において、前記多角形リブの菱形開口部の形状および寸法が前記一平面の一方向または複数方向に進むにつれて変化することを特徴とする開口付き多角形リブ構造。
【請求項3】
前記請求項1または請求項2記載の開口付き多角形リブ構造において、前記開口部が閉じられ、該開口部の開口面積の広い側のリブ縁に接する外周面が凸弯曲面に形成されたことを特徴とする多角形リブ構造。
【請求項4】
前記多角形リブの横断面形状は、正6角形または矩形を連らねた形状に形成されたことを特徴とする請求項3記載の多角形リブ構造。
【請求項5】
前記多角形リブ構造は、衝撃吸収材であることを特徴とする請求項3または請求項4記載の多角形リブ構造。
【請求項6】
前記多角形リブ構造は、ヘルメット用衝撃吸収材であることを特徴とする請求項5記載の多角形リブ構造。
【請求項7】
上下1対の成形型よりなり、
一方の成形型は、先端に向かって先細となった横断面菱形形状の先細4角錐状雄型が仮想正多角柱面の各外周面中央に位置し、かつ先細4角錐状雄型の縦断面が前記仮想正多角形柱面に沿って配置され、
他方の成形型では、前記仮想正角柱面を中心として一定の巾の正多角形溝が形成され、該正多角形溝の長手方向中央に位置して、溝奥に向って次第に小さくなるV字状凹部が形成されたことを特徴とする開口付き多角形リブ構造成形型。
【請求項8】
請求項7記載の1対の成形型間に成形材料を充填して成形した後、
前記先細4角錐状雄型により形成された4角錐状開口部の対向壁面を相互に当接させて多角形リブ構造を構成することを特徴とする多角形リブ構造の成型方法。
【請求項1】
一平面に対し直交する方向のリブが相互に交叉して、多角形状に形成された多角形リブ構造において、
多角形リブの各辺の長手方向略中央部に位置して厚み中心部が2分割されるとともに、該2分割の相対する分割面が相互に離れて開口部が形成され、
該開口部の横断面積が開口端から奥に向って減少する形状に前記多角形リブの各辺が形成されたことを特徴とする開口付き多角形リブ構造。
【請求項2】
前記請求項1記載の開口付き多角形リブ構造において、前記多角形リブの菱形開口部の形状および寸法が前記一平面の一方向または複数方向に進むにつれて変化することを特徴とする開口付き多角形リブ構造。
【請求項3】
前記請求項1または請求項2記載の開口付き多角形リブ構造において、前記開口部が閉じられ、該開口部の開口面積の広い側のリブ縁に接する外周面が凸弯曲面に形成されたことを特徴とする多角形リブ構造。
【請求項4】
前記多角形リブの横断面形状は、正6角形または矩形を連らねた形状に形成されたことを特徴とする請求項3記載の多角形リブ構造。
【請求項5】
前記多角形リブ構造は、衝撃吸収材であることを特徴とする請求項3または請求項4記載の多角形リブ構造。
【請求項6】
前記多角形リブ構造は、ヘルメット用衝撃吸収材であることを特徴とする請求項5記載の多角形リブ構造。
【請求項7】
上下1対の成形型よりなり、
一方の成形型は、先端に向かって先細となった横断面菱形形状の先細4角錐状雄型が仮想正多角柱面の各外周面中央に位置し、かつ先細4角錐状雄型の縦断面が前記仮想正多角形柱面に沿って配置され、
他方の成形型では、前記仮想正角柱面を中心として一定の巾の正多角形溝が形成され、該正多角形溝の長手方向中央に位置して、溝奥に向って次第に小さくなるV字状凹部が形成されたことを特徴とする開口付き多角形リブ構造成形型。
【請求項8】
請求項7記載の1対の成形型間に成形材料を充填して成形した後、
前記先細4角錐状雄型により形成された4角錐状開口部の対向壁面を相互に当接させて多角形リブ構造を構成することを特徴とする多角形リブ構造の成型方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2006−89882(P2006−89882A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−278543(P2004−278543)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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