開閉式遮蔽構造用連結部材及び開閉式遮蔽構造
【課題】支柱などの立設支持体とレール部材とを容易に連結でき、組立及び解体が容易な骨組み又は枠組みを形成できる開閉式遮蔽構造用連結部材を提供する。
【解決手段】開閉式遮蔽構造用連結部材3は、架設レール部材2のガイド溝5にスライド式に案内して装着可能なスライド部材7と、前記ガイド溝5よりも幅が大きく、かつ前記スライド部材7との挟持により前記架設レール部材2を位置決め固定するための位置決め部材8と、位置決め部材8の長手方向に延びる端面を切り込んで形成された凹部8aと、前記スライド部材7の側壁に設けられた棒状ネジ部7aを有し、かつこの棒状ネジ部を位置決め部材の凹部8aに収容した状態で、スライド部材と位置決め部材とを締結するための締結部材と、位置決め部材8の側壁に固定され、かつ支柱1に装着可能なクランプ部材9とを備えている。
【解決手段】開閉式遮蔽構造用連結部材3は、架設レール部材2のガイド溝5にスライド式に案内して装着可能なスライド部材7と、前記ガイド溝5よりも幅が大きく、かつ前記スライド部材7との挟持により前記架設レール部材2を位置決め固定するための位置決め部材8と、位置決め部材8の長手方向に延びる端面を切り込んで形成された凹部8aと、前記スライド部材7の側壁に設けられた棒状ネジ部7aを有し、かつこの棒状ネジ部を位置決め部材の凹部8aに収容した状態で、スライド部材と位置決め部材とを締結するための締結部材と、位置決め部材8の側壁に固定され、かつ支柱1に装着可能なクランプ部材9とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高層住宅、コンドミニアム、ビルや一戸建て住宅などの建造物や構造物の補修、リフォームなどにおいて、レール部材を利用して建造物や構造物の少なくとも一部を開閉式に遮蔽シートで遮蔽する構造を形成するのに有用な連結部材及び開閉式遮蔽構造用ユニット並びに開閉式遮蔽構造に関する。
【背景技術】
【0002】
経年変化により損傷又は劣化した建造物の外壁を補修(修繕)やリフォームするため、建造物の外壁に対して骨組みを形成している。この骨組みは、通常、所定間隔をおいて立設された複数の支柱と、これらの支柱間に連結され、足場を確保する架設部材とを備えており、支柱と架設部材との連結には、クランプ、締結ワイヤなどが利用されている。そして、補修中は、通常、美観を損なわないようにするため、骨組みを遮蔽シートで遮蔽している。しかし、このような骨組みでは、補修の間、建造物が遮蔽シートで外部と遮蔽されるため、窓を開けても景色を見ることができず、新鮮な空気を取り込むこともできない。また、外気温や湿度が高くなると、遮蔽シートと建造物との間に高温多湿の雰囲気が滞留する。しかも、風雨などにより遮蔽シートがばたついたり雨音が大きくなる。そのため、建造物での居住環境や労働環境も損なわれる。
【0003】
一方、特表平11−500194公報(特許文献1)には、足場の枠組みを形成する、垂直に配置され、相互に結合された複数の筒状部材と、複数の遮蔽用シート部材とを備えた足場装置において、垂直な筒状部材間を延びるシート部材が垂直な筒状部材にのみ取り付けられ、支持されている足場装置が開示されている。この文献には、筒状部材に締め付け可能なカップリングと、このカップリングに取り付けられたネジ付き固着具と、この固着具により支持されたブラケットと、枢軸結合によりこのブラケットに取り付けられた2個のアームと、これらのアームに取り付けられたシート部材とを備えている装置、横方向に位置するシート部材間にシート材料からなる密閉要素を設けた装置、縦方向に位置する上部シート部材と下部シート部材との間を密封するためのプレート要素を備えた装置も記載されている。
【0004】
しかし、この足場装置は、対象物を気密化して密封することを意図している。そのため、居住環境などを改善することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表平11−500194公報(特許請求の範囲、図3〜図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、支柱などの立設支持体とレール部材とを容易に連結でき、組立及び解体が容易な骨組み又は枠組みを形成できる開閉式遮蔽構造用連結部材及びユニット並びに開閉式遮蔽構造を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、開閉可能な遮蔽シートを取り付けることができ、居住環境や労働環境を改善できる開閉式遮蔽構造用ユニット及び開閉式遮蔽構造を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、堅牢な骨組み又は枠組みを形成できるとともに、風雨による騒音の発生を抑制でき、円滑に遮蔽シートを開閉するのに有用な開閉式遮蔽構造用ユニット及び開閉式遮蔽構造を提供することにある。
【0009】
本発明の別の目的は、建造物や構造物の大きさに応じて、縦横方向に骨組み又は枠組みを形成でき、各区画に開閉可能な遮蔽シートを取り付け可能な開閉式遮蔽構造用ユニット及び開閉式遮蔽構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、レール部材の側部に形成され長手方向に延びるガイド溝に装着可能なスライド部材と、このスライド部材を立設支持体に対して位置決めしつつ固定可能なブラケット部材とを介して、立設支持体とレール部材とを連結可能な連結部材を用いると、立設支持体に対するブラケット部材の固定作業と、レール部材に対するスライド部材の装着作業とを独立して行うことができ、支柱などの立設支持体とレール部材とを容易に連結でき、組立及び解体が容易な骨組み又は枠組みを形成できることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明の開閉式遮蔽構造用連結部材は、
立設支持体に対して長尺なレール部材を連結し、このレール部材を利用して構造物の少なくとも一部を開閉式に遮蔽する構造を形成するための連結部材であって、
前記レール部材の側部に形成され長手方向に延びるガイド溝にスライド式に案内して装着可能なスライド部材と、このスライド部材を前記立設支持体に対して、位置決め手段により位置決めしつつ、かつ固定可能なブラケット部材とを備えている。このような連結部材では、スライド部材とブラケット部材とを分離できるため、ブラケット部材を立設支持体に固定する作業と、スライド部材をレール部材に装着する作業とを独立して行うことができる。
【0012】
前記位置決め手段は、スライド部材に形成された棒状ネジ部(ネジ棒)を収容するための凹部(収容部)を有する位置決め部材と、前記棒状ネジ部を前記凹部(収容部)に収容した状態で、前記スライド部材と位置決め部材とを締結するための締結部材とで構成してもよい。特に、前記位置決め手段は、レール部材のガイド溝よりも幅が大きく、かつスライド部材との挟持によりレール部材を位置決め固定するための位置決め部材と、
前記位置決め部材の長手方向に延びる端面を切り込んで形成された凹部と、
スライド部材の側壁に設けられた棒状ネジ部を有し、かつこの棒状ネジ部の軸部を前記位置決め部材の凹部に収容した状態で、スライド部材と前記位置決め部材とを締結するための締結部材とで構成してもよい。前記連結部材が、このような位置決め手段を備えると、スライド部材の側壁に設けられた棒状ネジ部の軸部を位置決め部材の凹部に掛止して締結部材で締結することにより、簡便に組み立てることができる。
【0013】
前記位置決め部材は、複数の凹部を有していてもよい。さらに、前記締結部材は、スライド部材の側壁から側面に対して略垂直方向に延出する複数の棒状ネジ部と、これらの棒状ネジ部に対して螺合可能ナットとで構成されていてもよい。このような締結部材で、複数の凹部を有する位置決め部材とスライド部材とを締結すると、スライド部材の位置決め部材への掛止が安定かつ容易となり、ナットを締め付けるだけの簡便な作業で強固にスライド部材と位置決め部材とを締結でき、レール部材に装着できる。
【0014】
前記位置決め部材は板状であり、かつ前記位置決め部材の凹部で対峙する上端部側壁(両側の上端部)のうち、少なくとも一方の上端部側壁に凸部が形成されていてもよい。すなわち、凹部での上端部側壁に、締結部材が凹部の開口部(上部開口部)から脱離するのを抑制又は規制するための規制手段、例えば、屈曲部などの凸部が形成されていてもよい。このような凸部が形成されていると、スライド部材のネジ部をナットなどの締結部材で締結した場合に、凸部が締結部材の上方へのスライド(又は位置決め部材の下方へのスライド)を抑制できるため、スライド部材を装着したレール部材を支柱などの立設支持体に対して強固に固定できる。
【0015】
立設支持体は、所定間隔をおいて立設された複数の支柱であってもよく、ブラケット部材は、前記支柱に固定するためのクランプ部材であってもよい。
【0016】
前記クランプ部材は、位置決め部材の側壁に固定された固定部材と、
この固定部材の一方の端部に回動(又は揺動)可能に枢着された棒状ネジ部材と、
前記固定部材の他方の端部に回動(又は揺動)可能に枢着され、かつ前記固定部材との挟持により連結部材を支柱に装着するための可動部材と、
この可動部材の先端部に形成され、かつ前記棒状ネジ部材を収容可能な凹部と、
前記棒状ネジ部材に対して螺合可能であり、かつ前記棒状ネジ部材を収容した状態で、前記固定部材と前記可動部材とを締結するための締結部材とを備えていてもよい。このようなクランプ部材は、位置決め部材に固定されているとともに、固定部材と可動部材との挟持により簡便に支柱に装着できるため、前記スライド部材と位置決め部材とを利用して連結部材を支柱に対して容易かつ強固に連結できる。
【0017】
立設支持体は、壁面であってもよく、ブラケット部材は、前記壁面に対して固定するための断面L字状のアングル状取付部材であってもよい。
【0018】
本発明には、前記連結部材と、側部に長手方向に沿って形成され、かつ前記連結部材のスライド部材をスライド式に案内するためのガイド溝と、対向部(立設支持体が支柱の場合、架設状態で対向する対向部)に長手方向に沿って形成され、かつ遮蔽シート(又はカーテン)の上端部及び下端部にそれぞれ接続可能な複数のランナーが走行可能なスライド溝とを有する一対のレール部材とを備える開閉式遮蔽構造用ユニットも含まれる。このようなユニットでは、支柱などの立設支持体に対してレール部材(架設レール部材)を横方向に連結することにより、側部(又は側面)にガイド溝が位置し、対向部(架設状態で対向する対向部又は上下対向面)にスライド溝を位置させることができる。そのため、ガイド溝を利用して連結手段をスライドさせて、連結手段により支柱などの立設支持体とレール部材(架設レール部材)とを連結できる。また、スライド溝を利用して、遮蔽シートの上端部及び下端部にそれぞれ連結したランナーを走行させることにより、遮蔽シートを開閉できる。また、遮蔽シートの上下端部をそれぞれランナーに連結できるため、風により遮蔽シートが舞い上がったり、大きくなびくことがない。
【0019】
前記レール部材は、断面H字状の骨格を有し、両側面及び上下面が平面状に形成された断面中空多面体状であり、両側面に形成された断面アリ溝状のガイド溝と、上下面に形成された断面アリ溝状のスライド溝とを備え、アルミニウムのダイカストにより形成されていてもよい。このような構造のレール部材では、両側面に形成されたガイド溝を利用して、隣接するレール部材を連結することにより複数のレール部材を横方向に連結できるとともに、遮蔽シートの上端部及び下端部にそれぞれランナーを連結し、上下面に形成されたスライド溝にランナーを走行させることにより、n個のレール部材によりn−1個の遮蔽シート(例えば、3つのレール部材間に2つの遮蔽シート)を形成できる。そのため、遮蔽シートが開閉可能な骨組みを横方向及び/又は縦方向(縦横方向)に形成でき、建造物や構造物の大きさ(高さ及び/又は幅)に対応させて骨組みを構築できる。また、このような構造のレール部材は中空状であっても断面H字状の骨格を有するため強度が大きく、建造物又は構造物の外壁に対する足場(例えば、外壁の補修又はリフォームなどの足場)を形成するのに有用である。また、断面アリ溝状であるため、ガイド溝に対する連結手段の抜けを防止できるとともに、スライド溝に対するランナーの抜けを防止できる。さらに、アルミニウムのダイカストにより形成するため、軽量であるとともに量産性に富んでいる。
【0020】
本発明のユニットは、遮蔽シートの上端部及び下端部にそれぞれ接続可能な連結部を備え、レール部材との接触部がプラスチックで形成され、かつ前記レール部材のスライド溝をそれぞれ走行可能な複数のランナーを備えていてもよい。さらには、遮蔽シートの接続部(又は連結部)が接続又は連結される被接続部(又は被連結部)を有する遮蔽シートを備えていてもよい。このようなランナーに遮蔽シートを装着すると、風などにより遮蔽シートが揺れてランナーがスライド溝に衝突しても、ランナーのプラスチックにより消音され、騒音の発生を抑制できる。
【0021】
本発明のユニットは、ランナーの連結部及び遮蔽シートに形成された孔部を貫通可能な貫通部材と、この貫通部材に取り付け可能であり、かつ前記両孔部を貫通した状態で、前記ランナーと前記遮蔽シートとが貫通部材から脱落するのを防止するための保持部材とで構成される固定部材を備えていてもよい。このような固定部材でランナーの連結部及び遮蔽シートの孔部を貫通させて保持部材で固定すると、簡便に遮蔽シートをレール部材に装着できるとともに、遮蔽シートの孔部の位置を調整することにより、容易にレール部材と遮蔽シートとの隙間をなくすことができ、風雨(又は風雪)や塵埃の侵入を防止できる。
【0022】
本発明のユニットは、レール部材のガイド溝にスライド式に案内して装着可能なスライド部材と、このスライド部材に螺合されて、スライド部材を位置決めするための棒状ネジ部と、この棒状ネジ部から延出し、かつ開閉不能な遮蔽シートを固定可能な係止部とを有するネジ部材とで構成された遮蔽シート係止部材を備えていてもよい。このような遮蔽シート係止部材は、ガイド溝を利用してレール部材に容易に装着できる、装着された遮蔽シート係止部材は、本発明の開閉式遮蔽構造を部分的な区画に形成する場合に、開閉不能な遮蔽シートを固定できる。
【0023】
本発明のユニットは、横方向に隣接する少なくとも一対のレール部材の側部に形成されたガイド溝に対してスライド式に案内して装着可能なスライド部材と、前記ガイド溝よりも幅が大きく、レール部材の側部に配設可能なジョイント部材と、このジョイント部材を前記スライド部材に対して締結するための締結手段とを備えていてもよい。前記スライド部材とジョイント部材とを締結することにより、複数のレール部材を横方向に連結できる。
【0024】
前記レール部材は、少なくとも一方の端部にランナーの走行を規制するストッパーを備えていてもよい。このようなストッパーを備えていると、強風が遮蔽シートなどに作用しても、ランナーがスライド溝から脱落することがない。
【0025】
本発明は、前記立設支持体、レール部材、連結部材、ランナー及び遮蔽シートを備えた開閉式遮蔽構造も包含する。この開閉式遮蔽構造は、例えば、所定間隔を置いて立設された複数の支柱と、これらの支柱に対して、連結部材により縦方向に間隔を置いて横方向に連結可能な複数の架設レール部材と、この架設レール部材の前記支柱側の側部(又は側面)に長手方向に沿って形成され、かつ前記連結手段をスライド式に案内するためのガイド溝と、前記支柱に対する架設状態で前記架設レール部材の対向する対向部(又は対向面)に長手方向に沿って形成されたスライド溝と、各スライド溝を走行可能な複数のランナーと、これらのランナーに上端部及び下端部が接続可能な遮蔽シートとを備えていてもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明では、長尺なレール部材の側部に形成され長手方向に延びるガイド溝に装着可能なスライド部材と、このスライド部材を立設支持体に対して位置決めしつつ固定可能なブラケット部材とを介して、立設支持体とレール部材とを連結するため、立設支持体に対するブラケット部材の固定作業と、レール部材に対するスライド部材の装着作業とを独立して行うことができ、支柱などの立設支持体とレール部材とを容易に連結でき、組立及び解体が容易な骨組み又は枠組みを形成できる。また、前記ブラケット部材と前記スライド部材とを分離できるため、立設支持体と連結部材(ブラケット部材)との取り付け、及びレール部材と連結部材(スライド部材)との取り付けを独立して行うことができ、取付効率、骨組み又は枠組みの構築効率を向上できる。また、ランナーを利用して円滑に開閉可能な遮蔽シートを取り付けることができ、居住環境や労働環境を改善できる。また、多角形状のレール部材を用いると、堅牢な骨組み又は枠組みを形成できるとともに、風雨による騒音の発生を抑制でき、円滑に遮蔽シートを開閉できる。さらに、建造物や構造物の大きさに応じて、縦横方向に骨組み又は枠組みを形成でき、各区画に開閉可能な遮蔽シートを取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明の開閉式遮蔽構造用ユニットを用いた開閉式遮蔽構造を示す概略図である。
【図2】図2は、図1の開閉式遮蔽構造を縦及び横方向に連続して設置した構造を示す概略図である。
【図3】図3は、図1の開閉式遮蔽構造用ユニットを構成する架設レール部材及び連結部材を示す概略斜視図である。
【図4】図4は、図3の連結部材を示す概略側面図である。
【図5】図5は、図2の開閉機構を示す概略図である。
【図6】図6は、遮蔽シートをレールのランナーに固定するための固定部材の概略側面図である。
【図7】図7は、本発明の開閉式遮断構造用連結部材の他の例を示す概略斜視図である。
【図8】図8は、図7の連結部材により、レール部材を壁面に連結した状態を示す概略図である。
【図9】図9は、レール部材を連結するためのジョイント機構を示す概略分解斜視図である。
【図10】図10は、ランナーの脱落防止機構を示す概略分解斜視図である。
【図11】図11は、開閉不能な遮蔽シートを係止するための遮蔽シート係止部材が装着されたレール部材を示す概略斜視図である。
【図12】図12は、図11のレール部材を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、必要に応じて添付図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の開閉式遮蔽構造ユニットを用いた開閉式遮蔽構造を示す概略図であり、図2は、図1の開閉式遮蔽構造を縦及び横方向に連続して設置した構造を示す概略図であり、図3は、図1のユニットを構成する架設レール部材及び連結部材を示す概略斜視図であり、図4は、図3の連結部材を示す概略側面図であり、図5は、図2の開閉機構を示す概略図であり、図6は遮蔽シートをレールのランナーに固定するための固定部材の概略側面図である。
【0029】
一戸建てや高層住宅(マンションなど)などの建造物や構造物の外壁又は外面を補修又はリフォームするため、建造物や構造物の壁面から所定距離離れて骨組みが構築されている。図1の例において、骨組みは、横方向に所定間隔を置いて立設された複数の長尺な支柱(この例では、円筒状支柱)1と、これらの支柱間を縦方向に間隔をおいて横方向に連結された複数の長尺な架設レール部材(この例では、多角形状の棒状体)2とを備えており、建造物の窓16を開閉式に遮蔽している。図2では、図1の開閉式遮蔽構造を縦及び横方向に連続して設置した構造であり、この例では、前記支柱1と架設レール部材2とで形成される各区画17は、前記支柱1と架設レール部材2との交点部から斜め方向に延びて交差する補強部材(又は梁部材)4で補強されている。
【0030】
図3に示されるように、架設レール部材2は、横断壁2aを有する断面H字状の骨格Hを有し、両側面及び上下面が平面状に形成された中空多面体状(断面八角形状)である。また、架設レール部材2はアルミニウムのダイカストにより上下左右が対称構造に形成されている。そのため、軽量であるとともに、中空状であっても断面H字状の骨格Hを有するため強度が大きく、外壁に対して強固な足場を形成できる。前記架設レール部材2の両側面には、長手方向に延びるアリ溝状のガイド溝5が形成され、上下面には長手方向に延びるアリ溝状のスライド溝6が形成されている。前記ガイド溝5は、断面H字状の骨格Hの両側壁部5aと、これらの両側壁部5aの上下端部からそれぞれ側部方向に延びる上下延出壁部5bと、この上下延出壁部5bからそれぞれ互いに開口部が狭まる上下方向(対向方向)に延びる両側壁部5cとにより形成され、縦方向の中央部で側部方向に開放(又は開口)した縦長の断面四角形状の空間として形成され、ガイド溝5の開口部の幅が狭まっている。また、開口部の幅が狭まったスライド溝6は、前記上下延出壁部(断面H字状の骨格Hの両側壁部の上下端部からそれぞれ側部方向に延びる前記上下延出壁部)5bの側方端部から斜め方向に傾斜した傾斜壁6aと、この傾斜壁6aからそれぞれ互いに開口部が狭まる左右方向(対向方向)に延びる上下壁部6bとにより形成され、横方向の中央部で上下方向に開放(又は開口)した空間として形成されている。また、スライド溝6を形成する上下壁部6bの開口部側の端部内面には、ランナー10のローラ部材が転動又は走行可能な肉厚部6cが形成されている。
【0031】
前記ガイド溝5は前記支柱1に対して前記架設レール部材2を固定又は連結するための連結部材3をスライド式に案内する。すなわち、前記連結部材3は、前記ガイド溝5にスライド式に装着可能なスライド部材(プレート)7と、このスライド部材(プレート)をガイド溝5に収容した状態で位置決め固定するための位置決め部材(挟持部材)8と、この位置決め部材(挟持部材)8に取り付けられ、かつ架設レール部材2を支柱1に固定するためのクランプ部材9とで構成されている。より詳細には、前記スライド部材(プレート)7には、ガイド溝5から突出可能な棒状ネジ部7aがその側壁から側面に対して略垂直方向に延出して形成され、前記位置決め部材8には、この棒状ネジ部7aの軸部を収容(貫通)可能な凹部8aが位置決め部材の長手方向に延びる端面をU字状に切り込んで形成され、位置決め部材の凹部8aから突出した棒状ネジ部7aにはナット7bが螺合可能である。そのため、スライド部材7をガイド溝5に収容した状態で、さらに棒状ネジ部7aの軸部を位置決め部材8の凹部8aに収容して、位置決め部材の凹部8aから突出した棒状ネジ部7aにナット7bを螺合することにより、位置決め部材(挟持部材)8をガイド溝5の側壁5cに強圧し、ガイド溝5においてスライド部材(プレート)7を位置決めして固定できる。すなわち、この例では、位置決め手段は、スライド部材(プレート)7に形成された棒状ネジ部(ネジ棒)7aの軸部を収容するための凹部8aを有する位置決め部材8と、棒状ネジ部7aを凹部8aに収容した状態で、スライド部材(プレート)7と位置決め部材8とを締結するための締結部材とで構成されている。また、締結部材は、スライド部材(プレート)7の側壁から延出する棒状ネジ部7aと、この棒状ネジ部7aに螺合可能なナット7bとで構成されている。さらに、スライド部材7は、架設レール部材2をスライドさせるための部材であるとともに、位置決め部材8と組み合わせてガイドの側壁を挟持して固定するためのクランプ部材でもある。なお、棒状ネジ部7aの先端部のネジ溝は潰されており、ナット7bがネジ部7aから脱落することを防止している。
【0032】
位置決め部材の凹部8aの両側の上端部のうち、両側部側の上端部は、位置決め部材の板面に対して所定の角度(例えば、30〜50°程度の角度)で屈曲して屈曲部8bを形成し、スライド部材7を装着した架設レール部材2が上方向にスライドするのを防止している。すなわち、このような構造とすることにより、架設レール部材2に上方向への力が作用しても、ナット7bの上昇に対して屈曲部8bが障害となるため、架設レール部材2がずれることなく強固に固定される。
【0033】
前記位置決め部材8の側壁には、ブラケット部材として、架設レール部材2を支柱1に固定するためのクランプ部材9が取り付けられている。すなわち、クランプ部材9は、前記位置決め部材8の側壁に溶接して固定され、かつ前記支柱1に対応した湾曲部を有する湾曲部材9aと、この湾曲部材の一方の端部にピン9bにより回動(揺動)可能に枢着され、かつ内面が湾曲し、かつ先端部に凹部(切り欠き部)9dを有する可動部材9cと、前記湾曲部材9aの他方の端部にピン9eにより回動(揺動)可能に枢着され、前記可動部材9cの凹部(切り欠き部)9dに対して収容可能なネジ棒(棒状ネジ部材)9fと、このネジ棒9fのネジ部に対して螺合可能であり、かつネジ棒9fを前記凹部(切り欠き部)9dに収容した状態で可動部材9cを湾曲部材9aに対して締結するためのナット9gとを備えている。
【0034】
本発明では、連結部材3は、スライド部材7とクランプ部材9が固定された位置決め部材8とが分離した構造であるため、支柱1に対するクランプ部材9の装着と、架設レール部材2に対するスライド部材7の装着とを独立して行うことができる。さらに、位置決め部材8の凹部8aに、架設レール部材2を装着したスライド部材7の棒状ネジ部7aを掛止してナット7bで締結する簡便な操作で組み立てができる。さらに、これらの装着を仮固定とし、遮蔽シート(カーテン)の装着後に、遮蔽シートの張り具合に合わせて、ナット7b及びナット9gを締結して本固定することにより、開閉可能な遮蔽シートを簡便な方法で強固に取り付けることができる。
【0035】
さらに、前記架設レール部材2のスライド溝6では、遮蔽シート14の上端部及び下端部にそれぞれ接続可能な複数のランナー10が走行可能である。すなわち、前記ランナー10は、前記架設レール部材2のスライド溝6内で転動して走行可能なローラ部(ランナー部)11と、遮蔽シートの上端部及び下端部に形成された孔部(被連結部)に対してそれぞれ接続するための孔部を有するリング部材13と、前記ローラ部(ランナー部)11とリング部材13とを連結するための円柱状連結部12とを備えている。前記ローラ部(ランナー部)11は、転動して走行可能な一対のローラ部材11aと、これらのローラ部材11aを回動可能に枢支する支持ピン11bと、この支持ピン11bを揺動可能に支持するアーチ状(又は断面逆U字状)の支持部11cとを備えている。このローラ部11は、スライド溝6内において転動可能な隙間のみ残して収容されており、遮蔽シートの揺れによる騒音の発生が抑制されている。また、円柱状連結部12の一方の端部は前記ローラ部(ランナー部)11の支持部11cの上部壁を貫通して、前記ローラ部(ランナー部)11に対して水平方向に360°に亘って回転可能に取り付けられており、円柱状連結部12の他方の端部には孔部が形成され、この孔部にフック部材13が揺動可能に装着されている。なお、前記ランナー10の一対のローラ部材11a及び支持部11cはプラスチックで形成されている。
【0036】
遮蔽シート14は、上下端部に前記リング部材13を装着するための連結孔部が形成されており(図示せず)、前記連結孔部及びリング部材13の孔部に固定(ホック)部材15の貫通部材15aを貫通させて保持部材15bを貫通部材15aに嵌合させることにより架設レール部材2に固定される。詳しくは、貫通部材15aは、プラスチックで形成された頭部付き棒状体であり、頭部の径は、連結孔部及びリング部材の孔径よりも大きく形成され、棒状部の径は、連結孔部及びリング部材の孔径よりも小さく形成されている。さらに、棒状部は、先端部に形成された径大部15a1と、径小部15a2とで構成されている。一方、保持部材15bはリング状体(止め輪)であり、その孔部は径大孔部15b1と径小孔部15b2とで構成されている。本発明では、前記棒状部の先端部(径大部15a1の先端部)を先端方向に向かって径小となる形状とし、かつ前記径小孔部15b2を棒状部の径大部15a1よりも小さく径小部15a2よりも大きいサイズとすることにより、軽い力で保持部材15bを押すことにより容易に両者を嵌合できる。固定部材15は、プラスチックの可塑性を利用して容易に嵌合(係合)でき、嵌合後はプラスチックの復元力により保持部材15bの脱落(抜け)が防止される。さらに、本発明では、このような固定部材15で遮蔽シートをランナーに装着するため、遮蔽シートの連結孔部の位置を調整することにより、簡便に架設レール部材2と遮蔽シート14との隙間をなくすことができ、外部からの風雨や塵埃の侵入を抑制できる。
【0037】
このようなランナー10を備えた架設レール部材2及び連結部材3を備えたユニットや架設構造(前記複数の支柱と、複数の架設レール部材と、連結部材と、ガイド溝と、スライド溝と、ランナーと、遮蔽シートとを備えた開閉式遮蔽構造)を利用すると、前記固定部材15を用いて、遮蔽シートの上端部及び下端部に形成された被連結部にランナー10のリング部材13を連結し、前記架設レール部材2のスライド溝6に装着されたランナー10を走行させることにより、前記支柱1と架設レール部材2とで形成される区画17を遮蔽シート14で開閉できる。そのため、外壁などの補修工事の間であっても、窓16を開けても景色を見ることができ、新鮮な空気を取り込むこともできる。また、遮蔽シート14の上下端部をそれぞれランナー10に連結できるため、風により遮蔽シート14が舞い上がったり、大きくなびくことがない。さらに、走行に伴って架設レール部材2と接触するランナー10の接触部がプラスチックで形成されているため、風などにより遮蔽シート14が揺れてランナー10がスライド溝6に衝突しても、ランナー10のプラスチックにより消音され、騒音の発生を抑制できる。なお、前記構造の連結部材3を利用するため、支柱1と架設レール部材2との連結及び連結解除(すなわち、組立及び解体)も容易であるとともに、開閉式遮蔽シート14を備えた骨組み(開閉式遮蔽構造)を容易に形成できる。また、複数の支柱と複数の架設レール部材とで建造物の外壁に対して縦横方向に足場を有する骨組みを構築できる。さらに、架設レール部材2が上下左右対称構造であるため、架設レール部材2の向きを間違って骨組みを形成することがなく、組立効率を向上できる。
【0038】
なお、支柱1の形状は、特に制限されず、断面円筒状に限らず断面多角形状であってもよい。支柱は建造物や構造物の種類に応じて所定の間隔で立設すればよい。支柱は軽量化のため、中空状であってもよく、鉄やステンレススチール製などであってもよいが、通常、アルミニウム又はアルミニウム合金製である場合が多い。
【0039】
レール部材(架設レール部材)2の断面形状は、円形状、楕円形状などであってもよいが、上下部(又は上下面)及び両側部(又は両側面)が平面形状に形成された断面多角形状(溝部が形成される上下両側面を有する多角形状、例えば、断面四角形状、断面六角形状、断面八角形状など)、特に上下方向及び左右方向が対称な対称構造であるのが好ましい。特に、軽量化するためには、中空状、例えば、断面中空多面体状(断面中空多角形状)であるのが好ましい。さらに、断面H字状の骨格を有する断面中空多面体状(断面中空多角形状)は、中空状であっても強度が大きく、骨組み(建造物の外壁に対する補修又はリフォームの足場など)を形成するのに有用である。レール部材(架設レール部材)は鉄やステンレススチール製などであってもよいが、通常、アルミニウム又はアルミニウム合金製である場合が多い。特に、中空状のレール部材(架設レール部材)は、アルミニウムのダイカストにより形成されている場合が多い。なお、中空円筒状のレール部材(架設レール部材)に比べて、断面中空多角形状(断面H字状の骨格を有する断面八角形状などの多角形状)のレール部材(架設レール部材)は、曲げ強度などの強度が大きく、前記骨組み又は区画を形成するのに有利である。
【0040】
架設レール部材は、連結部材により支柱に対して縦方向に間隔を置いて横方向に連結可能であればよく、連結部材がスライド可能なガイド溝5は架設レール部材の少なくとも一方の側部(又は側面)(すなわち、前記支柱側の側部又は側面)に長手方向に沿って形成すればよいが、両側部(又は両側面)にガイド溝を形成すると、架設レール部材の向きを間違って配置することがなく、骨組みの組み立て作業効率を向上できる。さらに、後述するように、開閉不能な遮蔽シート(レール及びランナーを有さない従来の遮蔽シート)のための係止部材を装着することもできる。ガイド溝は前記支柱に対する連結部材をスライド式に案内できればよく、通常、連結部材の脱落を防止するため、少なくとも開口部側の底部から上方にL字状に延びる壁部を有するガイド溝、特に開口部の対向壁(底部壁及び上部壁)が狭まったアリ溝状の形態のガイド溝であるのが好ましい。
【0041】
架設レール部材のスライド溝6は、架設状態で対向する対向部に長手方向に沿って形成すればよく、下部(又は下面)にスライド溝が形成された架設レール部材と上部(又は上面)にスライド溝が形成された架設レール部材とを対向させて対向部にスライド溝を位置させてもよいが、架設レール部材を間違って配置することを防止するとともに、骨組みの組立作業性を向上させるため、架設レール部材の上下部(又は上下面)の双方にスライド溝を形成するのが好ましい。スライド溝はランナーが走行可能であればよく、ランナーの構造に応じて種々の形態が採用できる。スライド溝の断面形状は、ランナーの脱落を防止するため、通常、アリ溝状である。
【0042】
このような複数の支柱と複数の長尺な架設レール部材とを利用することにより、連結部材により建造物や構造物の大きさに応じて縦横方向に区画17を形成できる。さらに、複数の支柱に対して単独で架設レール部材を装着してもよく、例えば、人の出入りがある建造物又は構造物の玄関(入口)に形成する場合に有効である。
【0043】
図7は、本発明の開閉式遮断構造用連結部材の他の例を示す概略斜視図である。図8は、図7の連結部材により、レール部材を壁面に連結した状態を示す概略図である。図7及び8の連結部材は、風雪地帯やイベント会場などにおいて支柱を設けることなく、一時的に(季節ごとに)壁面に直接取り付けるための連結部材として利用される。
【0044】
図7及び図8に示されるように、連結部材53は、ブラケット部材として、クランプ部材の代わりに、断面L字状のプレート(アングル状取付部材)を備えている点を除いて、前記図3の連結部材3と同様に構成されている。
【0045】
断面L字状のプレート(アングル状取付部材)59は、位置決め部材58の側壁の略中央部から、位置決め部材58の長手方向に沿って、前記側壁に対して略垂直方向に延出する下部壁59aと、この下部壁59aから略垂直方向に屈曲して延出する側壁59bとを備えている。この側壁59bには、長手方向に所定の間隔をおいて、2個の孔部59cが形成されている。側壁59bは壁面51と接触させて、孔部59cを利用してネジ止めなどにより壁面51に固定できる。なお、断面L字状のプレート(アングル状取付部材)59の下部壁59aの端部と位置決め部材58の側壁とは溶接により固定されている。
【0046】
なお、断面L字状のプレート(アングル状取付部材)の下部壁(底部壁)の配設位置、配設角度などは、壁面に対するレール部材の配設位置に応じて適宜選択できる。例えば、下部壁59aの位置は、位置決め部材58の中央部に限定されず、位置決め部材58の上部又は下部であってもよく、下部壁59aの配設角度は、位置決め部材が重力方向に設置される限り、特に限定されず、位置決め部材58の側面(又は壁面)に対して略垂直方向であってもよく、位置決め部材58から遠ざかるにつれて上方向又は下方向に傾斜させてもよい。また、断面L字状のプレート(アングル状取付部材)59の側壁59bの形状(面形状)は、壁面に対して接触可能な面を有する限り特に限定されず、四角形以外の多角形であってもよく、円形であってもよい。さらに、側壁59bに形成される孔部の数は、2個に限定されず、1個であってもよいが、アングル状取付部材と壁面とを簡便かつ強固に固定できる点から、複数(例えば、2〜4個、特に2個)が好ましい。
【0047】
アングル状取付部材は、位置決め部材及び壁面のそれぞれに取り付け可能な取付部を有する限り、その断面形状は特に限定されず、簡便性などの点から、L字状、T字状、H字状、コ字状(特に、L字状)が好ましい。
【0048】
このような連結部材でも、スライド部材57とアングル状取付部材59が固定された位置決め部材58とが分離した構造であるため、壁面に対するアングル状取付部材59の取り付けと、レール部材に対するスライド部材57の取り付けとを独立して行うことができる。さらに、位置決め部材58の凹部58aに、レール部材のガイド溝55に装着したスライド部材57の棒状ネジ部57aを掛止してナット57bで締結する簡便な操作で、位置決め部材とスライド部材とを固定でき、壁面とレール部材とを容易に連結できる。
【0049】
なお、立設支持体は、レール部材を支持可能な限り特に限定されず、前記支柱などの三次元形状を有する支持部材であってもよく、前記壁面などの三次元形状を有する支持部材の一面(一部)であってもよい。
【0050】
本発明の開閉式遮蔽構造用ユニットには、前記レール部材及び連結部材を備える構造を有するユニットが含まれ、ランナー及び遮蔽シートを必須の構成手段として含む必要はない。好ましい態様では、開閉式遮蔽構造用ユニットは、前記レール部材、連結部材及び複数のランナーで構成でき、さらに遮蔽シートを含んでいてもよい。
【0051】
前記連結部材(支柱や壁面などの立設支持体に対する固定・連結機構又は手段)は、支柱や壁面などの立設支持体に対してレール部材を連結可能であればよく、前記スライド部材(例えば、プレート又は平板状部材)と、このスライド部材を立設支持体に対して、位置決め手段により位置決めしつつ、かつ固定可能なブラケット部材(クランプ部材又はアングル状取付部材など)とを備えている限り、連結部材の構造は特に制限されない。
【0052】
前記スライド部材は、ガイド溝にスライド式に挿入可能な形状を有していればよく、通常、板状である。さらに、スライド部材(例えば、その側壁)に締結部材を構成する棒状ネジ部(ネジ棒)が形成されていてもよく、この棒状ネジ部は、側壁から側面に対して略垂直方向に延出する態様の他、スライド部材に形成された螺旋孔に螺合された棒状ネジ部であってもよいが、レール部材と立設支持体とを強固に固定できる点などから、スライド部材を貫通して側壁から延出する態様が好ましい。棒状ネジ部の数は、2個に限定されず、1個であってもよいが、スライド部材を簡便に掛止でき、かつ強固に締結できる点から、複数(例えば、2〜4個、特に2個)が好ましい。なお、前記螺旋孔に棒状ネジ部が螺合する態様では、棒状ネジ部は、頭部付き棒状ネジ部材で構成されていてもよい。
【0053】
前記位置決め手段は、スライド部材を立設支持体に対して位置決め可能な限り、特に限定されない。例えば、前記位置決め手段は、凹凸溝などの嵌合機構であってもよく、強固に固定できる点から、凹部と凸部を嵌合した状態で、締結部材により締結可能な機構であってもよい。前記位置決め手段は、前記スライド部材に形成された棒状ネジ部(ネジ棒)を収容するための凹部を有する位置決め部材と、前記棒状ネジ部を前記凹部に収容した状態で、前記スライド部材と位置決め部材とを締結するための締結部材とで構成してもよい。
【0054】
前記位置決め部材は、レール部材のガイド溝よりも幅が大きく、凹部を形成できればよいが、スライド部材との挟持によりレール部材を位置決め固定し易い点から、通常、板状である。
【0055】
前記位置決め部材の凹部は、締結部材の棒状ネジ部の軸部を収容可能な収容部であれば特に限定されず、孔部であってもよいが、取付作業性の点から、切り欠き部(切り欠き状凹部)が好ましい。切り欠き状凹部の形状は、U字状の他、V字状、四角形状などであってもよいが、円柱状である棒状ネジ部を円滑に案内して収容できる点から、U字状が好ましい。凹部の数は、前記棒状ネジ部に対応した数で形成され、前記棒状ネジ部と同様に、1個であってもよいが、複数(例えば、2〜4個、特に2個)が好ましい。凹部の両側の上端部側壁に形成される凸部は、ナットなどの締結部材の上方へのスライドを抑制できればよく、屈曲部に限定されず、肉厚の段差部を形成してもよいが、生産性に優れる点から、屈曲部が好ましい。
【0056】
前記ブラケット部材は、立設支持体に取付可能な限り、クランプ部材、アングル状取付部材などに限定されない。前記ブラケット部材は、前記位置決め部材(例えば、その側壁)に固定されていてもよく、ネジ/ナットなどの螺合手段などにより固定されていてもよいが、簡便性などの点から、溶接により固定されているのが好ましい。架設レール部材を支柱に連結して固定するためのクランプ部材は、前記構造に限らず、種々のクランプ又は把持構造、凹凸嵌合構造(凹溝と嵌合凸条とを有する構造など)の連結固定手段を備えていてもよく、これらの構造又は固定手段を組み合わせた連結固定手段を備えていてもよい。さらに、クランプ部材は、他の固定手段、例えば、ワイヤによる固定手段などを備えていてもよい。また、レール部材を壁面に連結するためのアングル状取付部材は、前記構造に限らず、種々の角度調節機構を備えた取付部材であってもよい。
【0057】
前記締結部材は、位置決め部材に形成された凹部に収容可能な棒状ネジ部を少なくとも備え、かつスライド部材と位置決め部材とを締結できればよく、スライド部材から延出する棒状ネジ部とナットとの組み合わせに限定されず、この組み合わせとは逆の前述の組み合わせ、すなわち、スライド部材に形成された螺旋孔(又は貫通孔)と、この螺旋孔(又は貫通孔)に対して螺合(又は貫通)可能な頭部付き棒状ネジ部材との組み合わせ(すなわち、スライド部材がナットに相当する組み合わせ)であってもよい。
【0058】
スライド溝6をスライド又は走行可能なランナー10は、スライド溝内での走行部と、遮蔽シートの上端部及び下端部にそれぞれ接続又は連結可能な接続部(又は連結部)とを備えていればよい。前記ランナーは、通常、前記レール部材のスライド溝内で転動して走行可能なローラ部(ランナー部)(特に、一対のローラ部)と、このローラ部を貫通して回動可能に支持する支持ピンと、この支持ピンを回動又は揺動可能に支持する支持部[例えば、一対のローラ部の間の支持ピン又は一対のローラ部の両側部から延出する支持ピンを回動又は揺動可能に支持するアーチ状(又は断面逆U字状)の支持部]と、この支持部[例えば、アーチ状(又は断面逆U字状)支持部の上部壁]に対して一方の端部が抜き出し不能であり、かつ360°に亘って回動可能に取り付けられた軸部(又は円柱状連結部)と、この軸部の他方の端部に対して揺動可能に装着され、かつ遮蔽シートの上端部及び下端部に形成された被接続部(又は被連結部)に対してそれぞれ接続又は連結可能な接続部(フック部材など)とを備えている。なお、前記軸部とリング部材との間には、軸部の他方の端部に形成された孔部に対して揺動可能に装着されたリング部が介在していてもよく、このリング部に対して接続部(フック部材など)が揺動可能に装着されていてもよい。
【0059】
ランナーは金属製又はプラスチック製であってもよいが、強度を保持するとともに、消音性を高めるため、ランナーのうちレール部材との接触部(例えば、ローラ部及び支持部)はプラスチック(例えば、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスルホン系樹脂などの強度の大きなプラスチック)で形成されているのが好ましい。このようなランナーにおいて、支持ピン、軸部及びフック部材(リング部を含む)は金属製である場合が多い。
【0060】
さらに、消音性を高める点から、ローラ部をレール部材のスライド溝内に転動可能な程度に隙間なく収容するのが好ましく、前記スライド溝の内壁とローラ部との隙間(曲面の場合、最短の間隔)は、例えば、3mm以下(例えば、0.1〜3mm)、好ましくは0.3〜2mm、さらに好ましくは0.5〜1.5mm程度であってもよい。
【0061】
遮蔽シート(遮蔽要素又はカーテン)は、前記支柱などの立設支持体とレール部材とで形成される区画17を遮蔽可能であればよく、例えば、ネットなどの網状体、布(織布/不織布などの布帛)、プラスチックシート又はフィルムや樹脂含浸布帛などであってもよい。また、遮蔽シートは透明性を有していてもよく不透明であってもよく、着色していてもよい。ランナーの接続部(又は連結部)が接続される遮蔽シートの被接続部である孔部の周辺部は、金属などで構成されたリング体で補強されていてもよい。遮蔽シートは横方向に折り畳み可能であってもよく、平面状のシートであってもよい。孔部は、レール部材と遮蔽シートとの隙間が生じない位置に、ランナーのサイズに応じて形成するのが好ましい。さらに、遮蔽シートの孔部は、支柱と平行な側部に形成してもよく、例えば、紐状体などを用いて支柱に密着させることにより、支柱と遮蔽シートとの隙間をなくすこともできる。
【0062】
ランナーに遮蔽シートを連結させるための固定部材は、前述の嵌合を利用したプラスチックで構成された貫通部材と保持部材とを組み合わせた固定部材に限定されず、ランナーのリング部材の孔部及び遮蔽シートの連結孔部を利用して遮蔽シートをランナーに連結できればよく、例えば、紐状体、ボルトとナットとの組み合わせなどであってもよいが、木槌や金槌で軽く叩くだけで、容易に両者を連結でき、固定力及び耐久性にも優れる点から、頭部付き棒状体で構成された貫通部材と、前記頭部付き棒状体の棒状部に嵌合可能な止め輪との組み合わせが好ましい。
【0063】
さらに、レールユニット(架設レールユニット)は、レール部材(架設レール部材)を横方向に連結するためのジョイント機構を備えていてもよい。図9はレール部材(架設レール部材)を連結するためのジョイント機構を示す概略分解斜視図である。
【0064】
この例では、互いに横方向に隣接する少なくとも一対のレール部材22を連結するジョイント機構は、これらのレール部材22の隣接する両側部に形成されたガイド溝25に対してスライド自在に装着可能なスライド部材(この例では、プレート)27と、このスライド部材(プレート)27に形成され、かつガイド溝25から突出可能なネジ部27aと、このネジ部27aが貫通可能な孔部を有し、かつ前記ガイド溝25よりも幅が大きなジョイント部材(この例では、プレート)28と、このジョイント部材28の孔部から突出したネジ部27aに螺合可能なナット28aとを備えている。なお、ネジ部27aの先端部のネジ溝は潰されており、ナット28aがネジ部27aから脱落することを防止している。前記レール部材22は前記と同様の構造を有している。このようなジョイント機構を備えていると、隣接するレール部材22のガイド溝25間にスライド部材27を挿入又は装着するスライド操作と、ジョイント部材28の締結操作とで簡便かつ効率よくレール部材22を横方向に連結できる。
【0065】
なお、少なくとも一対のレール部材22を連結するジョイント機構は、横方向に隣接する少なくとも一対のレール部材の隣接部を跨いで配設可能な配設部材と、この配設部材をレール部材に対して固定可能な固定部材(例えば、前記配設部材を貫通し、レール部材に対して螺合可能な螺合手段など)とで構成してもよい。好ましいジョイント機構は、レール部材の側部のガイド溝を利用したジョイント機構、例えば、横方向に隣接する少なくとも一対のレール部材のガイド溝に対してスライド式に装着可能なスライド部材と、前記ガイド溝の幅よりも幅が大きく、前記レール部材の側部(外側部)に配設可能なジョイント部材と、このジョイント部材を前記スライド部材に対して締結可能な締結手段とで構成できる。この締結手段はネジ/ナットで構成してもよく、例えば、前記の例とは逆に、ジョイント部材を貫通し、スライド部材(又はスライド部材及びジョイント部材の双方)に形成された螺旋孔に対して、螺合可能な頭部付きネジ部材であってもよい。
【0066】
さらに、レール部材(架設レール部材)は、ランナーの脱落防止機構又は構造を備えていてもよい。図10はランナーの脱落防止機構を示す概略分解斜視図である。
【0067】
この脱落防止機構は、前記と同様の構造を有するレール部材(架設レール部材)32の少なくとも一方の端部において、断面H字状の骨格Hの横断壁32aの孔部32bを貫通し、スライド溝36から突出する頭部付きネジ棒37と、前記強圧部材38を貫通したネジ棒37のネジ部に螺合可能なナット39とを備えている。このような機構を利用すると、強風などが遮蔽シートに作用したり、高速度でランナーを走行させても、ネジ棒37をストッパーとして機能させることができ、ランナーの脱落を確実に防止できる。なお、前記スライド溝36を覆ってレール部材32の上下壁部36aに沿って配設可能であり、前記ネジ棒37が貫通可能な断面ほぼコ字状の強圧部材をネジ棒37の頭部とレール部材32との間、又はナット39とレール部材32との間に介在させてもよい。
【0068】
なお、ランナーの走行を規制するストッパーは、前記構造に限らず、前記スライド溝の幅を狭める手段、例えば、堰部、突起部や凸部などで構成してもよく、スライド溝を横断する横断部材、スライド溝を端部で塞ぐ閉塞部材などで構成してもよい。
【0069】
さらに、レールユニット(架設レールユニット)や遮蔽構造は、遮蔽シートの少なくとも一方の側部を補強するため、遮蔽シートの少なくとも一方の側部(又は両側部)に取り付け可能な補強支持部材と、この補強支持部材の上下端部に取り付け可能であり、かつスライド溝を走行可能又は転動可能なランナーとを備えていてもよい。このランナーは、前記と同様に、補強支持部材の上下端部に取り付け可能なランナーの支持部(ローラ部を貫通して支持する支持ピンを回動又は揺動可能に支持する支持部など)と、かつスライド溝に対して装着され、スライド溝を走行可能又は転動可能なローラ部材とを備えていてもよい。また、遮蔽シートの閉じ状態を維持するため、遮蔽シートの隣接する両側部に取り付けられた開閉可能な閉じ手段、例えば、係止又は架け止め機構、磁気的吸着手段などを備えていてもよい。
【0070】
さらに、レール部材(架設レール部材)は、開閉不能な遮蔽シートを係止するための遮蔽シート係止部材を備えていてもよい。図11は、遮蔽シート係止部材が装着されたレール部材(架設レール部材)を示す概略斜視図であり、図12は図11のレール部材の概略側面図である。
【0071】
本発明の開閉式遮蔽構造は、建造物や構造物において、窓や玄関(入口)などの部分的区画に導入してもよく、その場合には、本発明の開閉式遮蔽構造に隣接する区画は一般的な開閉不能な遮蔽シートを有する構造となる。このような構造の場合、図11及び図12に示されるように、レール部材42のガイド溝42aに遮蔽シート係止部材41を装着すると、前記遮蔽シート係止部材41のリング状係止部41a1に対して、本発明の開閉式遮蔽構造の上部区画又は下部区画に容易に開閉不能な遮蔽シートを紐状体で結束することなどにより係止して、遮蔽シートをレール部材42に容易に固定できる。さらに、この遮蔽シート係止部材41は、前記レール部材のガイド溝42aにスライド式に案内して装着可能なスライド部材(プレート又は平板状部材)41bと、このスライド部材41bに形成された螺旋孔に螺合して、スライド部材41bを位置決めするための棒状ネジ部41a2と、この棒状ネジ部41a2から延出する前記係止部41a1とを有するネジ部材41aとで構成されているため、前記ガイド溝42aにスライド部材41bをスライド式に挿入して位置決めした後、ネジ部材41aのリング状係止部41a1を把持して侵入方向に回すことにより、容易に遮蔽シート係止部材41をレール部材42に装着できる。すなわち、ネジ部材41aを侵入方向に回すと、ネジ部材41aの先端部がガイド溝42aの内壁面に接触して押圧すると同時に、板状部材41bがガイド溝42aの内壁面に圧着されて、遮蔽シート係止部材41がレール部材42に強固に固定される。ネジ部材41aの係止部の形状は、開閉不能な遮蔽シートを係止して固定可能な形状であれば、円形のリング状(又はループ状)に特に限定されず、例えば、多角形のリング状、鉤状(フック状)などであってもよい。遮蔽シート係止部材41は、プラスチック製であってもよいが、安価で強度が高い点から、金属製である場合が多い。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、コンドミニアムなどの高層住宅、ビルや一戸建て住宅などの建造物や構造物の補修、リフォームなどにおいて、開閉可能な遮蔽シートを有する骨組み(足場など)を形成するのに利用できる。また、本発明は、前記骨組みに限定されず、工場や倉庫の間仕切りシートを有する開閉ユニット、仮設テントやイベントテントなどの出入口シートを有する開閉ユニット、球技施設の防球ネットを有する開閉ユニット、風雪地帯における防雪用シート(雪よけネット)を有する開閉ユニット、イベント会場の壁面に取り付けるための懸垂幕を有する開閉ユニット、ベランダなどでの防鳩ネットを有する開閉ユニットなどの開閉ユニットを形成するのに利用できる。
【符号の説明】
【0073】
1…支柱
2,22,32,52…レール部材(架設レール部材)
3,53…連結部材
5,25,55…ガイド溝
6,36…スライド溝
7,27,57…スライド部材
7a,57a…棒状ネジ部
7b,57b…ナット
8,58…位置決め部材
8a,58a…凹部
8b,58b…屈曲部
9…クランプ部材
10…ランナー
11…ローラ部
12…円柱状連結部
13…リング部材
14…遮蔽シート
15…固定部材
17…区画
28…ジョイント部材
37…ネジ棒
41…遮蔽シート係止部材
51…壁面
59…アングル状取付部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、高層住宅、コンドミニアム、ビルや一戸建て住宅などの建造物や構造物の補修、リフォームなどにおいて、レール部材を利用して建造物や構造物の少なくとも一部を開閉式に遮蔽シートで遮蔽する構造を形成するのに有用な連結部材及び開閉式遮蔽構造用ユニット並びに開閉式遮蔽構造に関する。
【背景技術】
【0002】
経年変化により損傷又は劣化した建造物の外壁を補修(修繕)やリフォームするため、建造物の外壁に対して骨組みを形成している。この骨組みは、通常、所定間隔をおいて立設された複数の支柱と、これらの支柱間に連結され、足場を確保する架設部材とを備えており、支柱と架設部材との連結には、クランプ、締結ワイヤなどが利用されている。そして、補修中は、通常、美観を損なわないようにするため、骨組みを遮蔽シートで遮蔽している。しかし、このような骨組みでは、補修の間、建造物が遮蔽シートで外部と遮蔽されるため、窓を開けても景色を見ることができず、新鮮な空気を取り込むこともできない。また、外気温や湿度が高くなると、遮蔽シートと建造物との間に高温多湿の雰囲気が滞留する。しかも、風雨などにより遮蔽シートがばたついたり雨音が大きくなる。そのため、建造物での居住環境や労働環境も損なわれる。
【0003】
一方、特表平11−500194公報(特許文献1)には、足場の枠組みを形成する、垂直に配置され、相互に結合された複数の筒状部材と、複数の遮蔽用シート部材とを備えた足場装置において、垂直な筒状部材間を延びるシート部材が垂直な筒状部材にのみ取り付けられ、支持されている足場装置が開示されている。この文献には、筒状部材に締め付け可能なカップリングと、このカップリングに取り付けられたネジ付き固着具と、この固着具により支持されたブラケットと、枢軸結合によりこのブラケットに取り付けられた2個のアームと、これらのアームに取り付けられたシート部材とを備えている装置、横方向に位置するシート部材間にシート材料からなる密閉要素を設けた装置、縦方向に位置する上部シート部材と下部シート部材との間を密封するためのプレート要素を備えた装置も記載されている。
【0004】
しかし、この足場装置は、対象物を気密化して密封することを意図している。そのため、居住環境などを改善することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表平11−500194公報(特許請求の範囲、図3〜図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、支柱などの立設支持体とレール部材とを容易に連結でき、組立及び解体が容易な骨組み又は枠組みを形成できる開閉式遮蔽構造用連結部材及びユニット並びに開閉式遮蔽構造を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、開閉可能な遮蔽シートを取り付けることができ、居住環境や労働環境を改善できる開閉式遮蔽構造用ユニット及び開閉式遮蔽構造を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、堅牢な骨組み又は枠組みを形成できるとともに、風雨による騒音の発生を抑制でき、円滑に遮蔽シートを開閉するのに有用な開閉式遮蔽構造用ユニット及び開閉式遮蔽構造を提供することにある。
【0009】
本発明の別の目的は、建造物や構造物の大きさに応じて、縦横方向に骨組み又は枠組みを形成でき、各区画に開閉可能な遮蔽シートを取り付け可能な開閉式遮蔽構造用ユニット及び開閉式遮蔽構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、レール部材の側部に形成され長手方向に延びるガイド溝に装着可能なスライド部材と、このスライド部材を立設支持体に対して位置決めしつつ固定可能なブラケット部材とを介して、立設支持体とレール部材とを連結可能な連結部材を用いると、立設支持体に対するブラケット部材の固定作業と、レール部材に対するスライド部材の装着作業とを独立して行うことができ、支柱などの立設支持体とレール部材とを容易に連結でき、組立及び解体が容易な骨組み又は枠組みを形成できることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明の開閉式遮蔽構造用連結部材は、
立設支持体に対して長尺なレール部材を連結し、このレール部材を利用して構造物の少なくとも一部を開閉式に遮蔽する構造を形成するための連結部材であって、
前記レール部材の側部に形成され長手方向に延びるガイド溝にスライド式に案内して装着可能なスライド部材と、このスライド部材を前記立設支持体に対して、位置決め手段により位置決めしつつ、かつ固定可能なブラケット部材とを備えている。このような連結部材では、スライド部材とブラケット部材とを分離できるため、ブラケット部材を立設支持体に固定する作業と、スライド部材をレール部材に装着する作業とを独立して行うことができる。
【0012】
前記位置決め手段は、スライド部材に形成された棒状ネジ部(ネジ棒)を収容するための凹部(収容部)を有する位置決め部材と、前記棒状ネジ部を前記凹部(収容部)に収容した状態で、前記スライド部材と位置決め部材とを締結するための締結部材とで構成してもよい。特に、前記位置決め手段は、レール部材のガイド溝よりも幅が大きく、かつスライド部材との挟持によりレール部材を位置決め固定するための位置決め部材と、
前記位置決め部材の長手方向に延びる端面を切り込んで形成された凹部と、
スライド部材の側壁に設けられた棒状ネジ部を有し、かつこの棒状ネジ部の軸部を前記位置決め部材の凹部に収容した状態で、スライド部材と前記位置決め部材とを締結するための締結部材とで構成してもよい。前記連結部材が、このような位置決め手段を備えると、スライド部材の側壁に設けられた棒状ネジ部の軸部を位置決め部材の凹部に掛止して締結部材で締結することにより、簡便に組み立てることができる。
【0013】
前記位置決め部材は、複数の凹部を有していてもよい。さらに、前記締結部材は、スライド部材の側壁から側面に対して略垂直方向に延出する複数の棒状ネジ部と、これらの棒状ネジ部に対して螺合可能ナットとで構成されていてもよい。このような締結部材で、複数の凹部を有する位置決め部材とスライド部材とを締結すると、スライド部材の位置決め部材への掛止が安定かつ容易となり、ナットを締め付けるだけの簡便な作業で強固にスライド部材と位置決め部材とを締結でき、レール部材に装着できる。
【0014】
前記位置決め部材は板状であり、かつ前記位置決め部材の凹部で対峙する上端部側壁(両側の上端部)のうち、少なくとも一方の上端部側壁に凸部が形成されていてもよい。すなわち、凹部での上端部側壁に、締結部材が凹部の開口部(上部開口部)から脱離するのを抑制又は規制するための規制手段、例えば、屈曲部などの凸部が形成されていてもよい。このような凸部が形成されていると、スライド部材のネジ部をナットなどの締結部材で締結した場合に、凸部が締結部材の上方へのスライド(又は位置決め部材の下方へのスライド)を抑制できるため、スライド部材を装着したレール部材を支柱などの立設支持体に対して強固に固定できる。
【0015】
立設支持体は、所定間隔をおいて立設された複数の支柱であってもよく、ブラケット部材は、前記支柱に固定するためのクランプ部材であってもよい。
【0016】
前記クランプ部材は、位置決め部材の側壁に固定された固定部材と、
この固定部材の一方の端部に回動(又は揺動)可能に枢着された棒状ネジ部材と、
前記固定部材の他方の端部に回動(又は揺動)可能に枢着され、かつ前記固定部材との挟持により連結部材を支柱に装着するための可動部材と、
この可動部材の先端部に形成され、かつ前記棒状ネジ部材を収容可能な凹部と、
前記棒状ネジ部材に対して螺合可能であり、かつ前記棒状ネジ部材を収容した状態で、前記固定部材と前記可動部材とを締結するための締結部材とを備えていてもよい。このようなクランプ部材は、位置決め部材に固定されているとともに、固定部材と可動部材との挟持により簡便に支柱に装着できるため、前記スライド部材と位置決め部材とを利用して連結部材を支柱に対して容易かつ強固に連結できる。
【0017】
立設支持体は、壁面であってもよく、ブラケット部材は、前記壁面に対して固定するための断面L字状のアングル状取付部材であってもよい。
【0018】
本発明には、前記連結部材と、側部に長手方向に沿って形成され、かつ前記連結部材のスライド部材をスライド式に案内するためのガイド溝と、対向部(立設支持体が支柱の場合、架設状態で対向する対向部)に長手方向に沿って形成され、かつ遮蔽シート(又はカーテン)の上端部及び下端部にそれぞれ接続可能な複数のランナーが走行可能なスライド溝とを有する一対のレール部材とを備える開閉式遮蔽構造用ユニットも含まれる。このようなユニットでは、支柱などの立設支持体に対してレール部材(架設レール部材)を横方向に連結することにより、側部(又は側面)にガイド溝が位置し、対向部(架設状態で対向する対向部又は上下対向面)にスライド溝を位置させることができる。そのため、ガイド溝を利用して連結手段をスライドさせて、連結手段により支柱などの立設支持体とレール部材(架設レール部材)とを連結できる。また、スライド溝を利用して、遮蔽シートの上端部及び下端部にそれぞれ連結したランナーを走行させることにより、遮蔽シートを開閉できる。また、遮蔽シートの上下端部をそれぞれランナーに連結できるため、風により遮蔽シートが舞い上がったり、大きくなびくことがない。
【0019】
前記レール部材は、断面H字状の骨格を有し、両側面及び上下面が平面状に形成された断面中空多面体状であり、両側面に形成された断面アリ溝状のガイド溝と、上下面に形成された断面アリ溝状のスライド溝とを備え、アルミニウムのダイカストにより形成されていてもよい。このような構造のレール部材では、両側面に形成されたガイド溝を利用して、隣接するレール部材を連結することにより複数のレール部材を横方向に連結できるとともに、遮蔽シートの上端部及び下端部にそれぞれランナーを連結し、上下面に形成されたスライド溝にランナーを走行させることにより、n個のレール部材によりn−1個の遮蔽シート(例えば、3つのレール部材間に2つの遮蔽シート)を形成できる。そのため、遮蔽シートが開閉可能な骨組みを横方向及び/又は縦方向(縦横方向)に形成でき、建造物や構造物の大きさ(高さ及び/又は幅)に対応させて骨組みを構築できる。また、このような構造のレール部材は中空状であっても断面H字状の骨格を有するため強度が大きく、建造物又は構造物の外壁に対する足場(例えば、外壁の補修又はリフォームなどの足場)を形成するのに有用である。また、断面アリ溝状であるため、ガイド溝に対する連結手段の抜けを防止できるとともに、スライド溝に対するランナーの抜けを防止できる。さらに、アルミニウムのダイカストにより形成するため、軽量であるとともに量産性に富んでいる。
【0020】
本発明のユニットは、遮蔽シートの上端部及び下端部にそれぞれ接続可能な連結部を備え、レール部材との接触部がプラスチックで形成され、かつ前記レール部材のスライド溝をそれぞれ走行可能な複数のランナーを備えていてもよい。さらには、遮蔽シートの接続部(又は連結部)が接続又は連結される被接続部(又は被連結部)を有する遮蔽シートを備えていてもよい。このようなランナーに遮蔽シートを装着すると、風などにより遮蔽シートが揺れてランナーがスライド溝に衝突しても、ランナーのプラスチックにより消音され、騒音の発生を抑制できる。
【0021】
本発明のユニットは、ランナーの連結部及び遮蔽シートに形成された孔部を貫通可能な貫通部材と、この貫通部材に取り付け可能であり、かつ前記両孔部を貫通した状態で、前記ランナーと前記遮蔽シートとが貫通部材から脱落するのを防止するための保持部材とで構成される固定部材を備えていてもよい。このような固定部材でランナーの連結部及び遮蔽シートの孔部を貫通させて保持部材で固定すると、簡便に遮蔽シートをレール部材に装着できるとともに、遮蔽シートの孔部の位置を調整することにより、容易にレール部材と遮蔽シートとの隙間をなくすことができ、風雨(又は風雪)や塵埃の侵入を防止できる。
【0022】
本発明のユニットは、レール部材のガイド溝にスライド式に案内して装着可能なスライド部材と、このスライド部材に螺合されて、スライド部材を位置決めするための棒状ネジ部と、この棒状ネジ部から延出し、かつ開閉不能な遮蔽シートを固定可能な係止部とを有するネジ部材とで構成された遮蔽シート係止部材を備えていてもよい。このような遮蔽シート係止部材は、ガイド溝を利用してレール部材に容易に装着できる、装着された遮蔽シート係止部材は、本発明の開閉式遮蔽構造を部分的な区画に形成する場合に、開閉不能な遮蔽シートを固定できる。
【0023】
本発明のユニットは、横方向に隣接する少なくとも一対のレール部材の側部に形成されたガイド溝に対してスライド式に案内して装着可能なスライド部材と、前記ガイド溝よりも幅が大きく、レール部材の側部に配設可能なジョイント部材と、このジョイント部材を前記スライド部材に対して締結するための締結手段とを備えていてもよい。前記スライド部材とジョイント部材とを締結することにより、複数のレール部材を横方向に連結できる。
【0024】
前記レール部材は、少なくとも一方の端部にランナーの走行を規制するストッパーを備えていてもよい。このようなストッパーを備えていると、強風が遮蔽シートなどに作用しても、ランナーがスライド溝から脱落することがない。
【0025】
本発明は、前記立設支持体、レール部材、連結部材、ランナー及び遮蔽シートを備えた開閉式遮蔽構造も包含する。この開閉式遮蔽構造は、例えば、所定間隔を置いて立設された複数の支柱と、これらの支柱に対して、連結部材により縦方向に間隔を置いて横方向に連結可能な複数の架設レール部材と、この架設レール部材の前記支柱側の側部(又は側面)に長手方向に沿って形成され、かつ前記連結手段をスライド式に案内するためのガイド溝と、前記支柱に対する架設状態で前記架設レール部材の対向する対向部(又は対向面)に長手方向に沿って形成されたスライド溝と、各スライド溝を走行可能な複数のランナーと、これらのランナーに上端部及び下端部が接続可能な遮蔽シートとを備えていてもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明では、長尺なレール部材の側部に形成され長手方向に延びるガイド溝に装着可能なスライド部材と、このスライド部材を立設支持体に対して位置決めしつつ固定可能なブラケット部材とを介して、立設支持体とレール部材とを連結するため、立設支持体に対するブラケット部材の固定作業と、レール部材に対するスライド部材の装着作業とを独立して行うことができ、支柱などの立設支持体とレール部材とを容易に連結でき、組立及び解体が容易な骨組み又は枠組みを形成できる。また、前記ブラケット部材と前記スライド部材とを分離できるため、立設支持体と連結部材(ブラケット部材)との取り付け、及びレール部材と連結部材(スライド部材)との取り付けを独立して行うことができ、取付効率、骨組み又は枠組みの構築効率を向上できる。また、ランナーを利用して円滑に開閉可能な遮蔽シートを取り付けることができ、居住環境や労働環境を改善できる。また、多角形状のレール部材を用いると、堅牢な骨組み又は枠組みを形成できるとともに、風雨による騒音の発生を抑制でき、円滑に遮蔽シートを開閉できる。さらに、建造物や構造物の大きさに応じて、縦横方向に骨組み又は枠組みを形成でき、各区画に開閉可能な遮蔽シートを取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明の開閉式遮蔽構造用ユニットを用いた開閉式遮蔽構造を示す概略図である。
【図2】図2は、図1の開閉式遮蔽構造を縦及び横方向に連続して設置した構造を示す概略図である。
【図3】図3は、図1の開閉式遮蔽構造用ユニットを構成する架設レール部材及び連結部材を示す概略斜視図である。
【図4】図4は、図3の連結部材を示す概略側面図である。
【図5】図5は、図2の開閉機構を示す概略図である。
【図6】図6は、遮蔽シートをレールのランナーに固定するための固定部材の概略側面図である。
【図7】図7は、本発明の開閉式遮断構造用連結部材の他の例を示す概略斜視図である。
【図8】図8は、図7の連結部材により、レール部材を壁面に連結した状態を示す概略図である。
【図9】図9は、レール部材を連結するためのジョイント機構を示す概略分解斜視図である。
【図10】図10は、ランナーの脱落防止機構を示す概略分解斜視図である。
【図11】図11は、開閉不能な遮蔽シートを係止するための遮蔽シート係止部材が装着されたレール部材を示す概略斜視図である。
【図12】図12は、図11のレール部材を示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、必要に応じて添付図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の開閉式遮蔽構造ユニットを用いた開閉式遮蔽構造を示す概略図であり、図2は、図1の開閉式遮蔽構造を縦及び横方向に連続して設置した構造を示す概略図であり、図3は、図1のユニットを構成する架設レール部材及び連結部材を示す概略斜視図であり、図4は、図3の連結部材を示す概略側面図であり、図5は、図2の開閉機構を示す概略図であり、図6は遮蔽シートをレールのランナーに固定するための固定部材の概略側面図である。
【0029】
一戸建てや高層住宅(マンションなど)などの建造物や構造物の外壁又は外面を補修又はリフォームするため、建造物や構造物の壁面から所定距離離れて骨組みが構築されている。図1の例において、骨組みは、横方向に所定間隔を置いて立設された複数の長尺な支柱(この例では、円筒状支柱)1と、これらの支柱間を縦方向に間隔をおいて横方向に連結された複数の長尺な架設レール部材(この例では、多角形状の棒状体)2とを備えており、建造物の窓16を開閉式に遮蔽している。図2では、図1の開閉式遮蔽構造を縦及び横方向に連続して設置した構造であり、この例では、前記支柱1と架設レール部材2とで形成される各区画17は、前記支柱1と架設レール部材2との交点部から斜め方向に延びて交差する補強部材(又は梁部材)4で補強されている。
【0030】
図3に示されるように、架設レール部材2は、横断壁2aを有する断面H字状の骨格Hを有し、両側面及び上下面が平面状に形成された中空多面体状(断面八角形状)である。また、架設レール部材2はアルミニウムのダイカストにより上下左右が対称構造に形成されている。そのため、軽量であるとともに、中空状であっても断面H字状の骨格Hを有するため強度が大きく、外壁に対して強固な足場を形成できる。前記架設レール部材2の両側面には、長手方向に延びるアリ溝状のガイド溝5が形成され、上下面には長手方向に延びるアリ溝状のスライド溝6が形成されている。前記ガイド溝5は、断面H字状の骨格Hの両側壁部5aと、これらの両側壁部5aの上下端部からそれぞれ側部方向に延びる上下延出壁部5bと、この上下延出壁部5bからそれぞれ互いに開口部が狭まる上下方向(対向方向)に延びる両側壁部5cとにより形成され、縦方向の中央部で側部方向に開放(又は開口)した縦長の断面四角形状の空間として形成され、ガイド溝5の開口部の幅が狭まっている。また、開口部の幅が狭まったスライド溝6は、前記上下延出壁部(断面H字状の骨格Hの両側壁部の上下端部からそれぞれ側部方向に延びる前記上下延出壁部)5bの側方端部から斜め方向に傾斜した傾斜壁6aと、この傾斜壁6aからそれぞれ互いに開口部が狭まる左右方向(対向方向)に延びる上下壁部6bとにより形成され、横方向の中央部で上下方向に開放(又は開口)した空間として形成されている。また、スライド溝6を形成する上下壁部6bの開口部側の端部内面には、ランナー10のローラ部材が転動又は走行可能な肉厚部6cが形成されている。
【0031】
前記ガイド溝5は前記支柱1に対して前記架設レール部材2を固定又は連結するための連結部材3をスライド式に案内する。すなわち、前記連結部材3は、前記ガイド溝5にスライド式に装着可能なスライド部材(プレート)7と、このスライド部材(プレート)をガイド溝5に収容した状態で位置決め固定するための位置決め部材(挟持部材)8と、この位置決め部材(挟持部材)8に取り付けられ、かつ架設レール部材2を支柱1に固定するためのクランプ部材9とで構成されている。より詳細には、前記スライド部材(プレート)7には、ガイド溝5から突出可能な棒状ネジ部7aがその側壁から側面に対して略垂直方向に延出して形成され、前記位置決め部材8には、この棒状ネジ部7aの軸部を収容(貫通)可能な凹部8aが位置決め部材の長手方向に延びる端面をU字状に切り込んで形成され、位置決め部材の凹部8aから突出した棒状ネジ部7aにはナット7bが螺合可能である。そのため、スライド部材7をガイド溝5に収容した状態で、さらに棒状ネジ部7aの軸部を位置決め部材8の凹部8aに収容して、位置決め部材の凹部8aから突出した棒状ネジ部7aにナット7bを螺合することにより、位置決め部材(挟持部材)8をガイド溝5の側壁5cに強圧し、ガイド溝5においてスライド部材(プレート)7を位置決めして固定できる。すなわち、この例では、位置決め手段は、スライド部材(プレート)7に形成された棒状ネジ部(ネジ棒)7aの軸部を収容するための凹部8aを有する位置決め部材8と、棒状ネジ部7aを凹部8aに収容した状態で、スライド部材(プレート)7と位置決め部材8とを締結するための締結部材とで構成されている。また、締結部材は、スライド部材(プレート)7の側壁から延出する棒状ネジ部7aと、この棒状ネジ部7aに螺合可能なナット7bとで構成されている。さらに、スライド部材7は、架設レール部材2をスライドさせるための部材であるとともに、位置決め部材8と組み合わせてガイドの側壁を挟持して固定するためのクランプ部材でもある。なお、棒状ネジ部7aの先端部のネジ溝は潰されており、ナット7bがネジ部7aから脱落することを防止している。
【0032】
位置決め部材の凹部8aの両側の上端部のうち、両側部側の上端部は、位置決め部材の板面に対して所定の角度(例えば、30〜50°程度の角度)で屈曲して屈曲部8bを形成し、スライド部材7を装着した架設レール部材2が上方向にスライドするのを防止している。すなわち、このような構造とすることにより、架設レール部材2に上方向への力が作用しても、ナット7bの上昇に対して屈曲部8bが障害となるため、架設レール部材2がずれることなく強固に固定される。
【0033】
前記位置決め部材8の側壁には、ブラケット部材として、架設レール部材2を支柱1に固定するためのクランプ部材9が取り付けられている。すなわち、クランプ部材9は、前記位置決め部材8の側壁に溶接して固定され、かつ前記支柱1に対応した湾曲部を有する湾曲部材9aと、この湾曲部材の一方の端部にピン9bにより回動(揺動)可能に枢着され、かつ内面が湾曲し、かつ先端部に凹部(切り欠き部)9dを有する可動部材9cと、前記湾曲部材9aの他方の端部にピン9eにより回動(揺動)可能に枢着され、前記可動部材9cの凹部(切り欠き部)9dに対して収容可能なネジ棒(棒状ネジ部材)9fと、このネジ棒9fのネジ部に対して螺合可能であり、かつネジ棒9fを前記凹部(切り欠き部)9dに収容した状態で可動部材9cを湾曲部材9aに対して締結するためのナット9gとを備えている。
【0034】
本発明では、連結部材3は、スライド部材7とクランプ部材9が固定された位置決め部材8とが分離した構造であるため、支柱1に対するクランプ部材9の装着と、架設レール部材2に対するスライド部材7の装着とを独立して行うことができる。さらに、位置決め部材8の凹部8aに、架設レール部材2を装着したスライド部材7の棒状ネジ部7aを掛止してナット7bで締結する簡便な操作で組み立てができる。さらに、これらの装着を仮固定とし、遮蔽シート(カーテン)の装着後に、遮蔽シートの張り具合に合わせて、ナット7b及びナット9gを締結して本固定することにより、開閉可能な遮蔽シートを簡便な方法で強固に取り付けることができる。
【0035】
さらに、前記架設レール部材2のスライド溝6では、遮蔽シート14の上端部及び下端部にそれぞれ接続可能な複数のランナー10が走行可能である。すなわち、前記ランナー10は、前記架設レール部材2のスライド溝6内で転動して走行可能なローラ部(ランナー部)11と、遮蔽シートの上端部及び下端部に形成された孔部(被連結部)に対してそれぞれ接続するための孔部を有するリング部材13と、前記ローラ部(ランナー部)11とリング部材13とを連結するための円柱状連結部12とを備えている。前記ローラ部(ランナー部)11は、転動して走行可能な一対のローラ部材11aと、これらのローラ部材11aを回動可能に枢支する支持ピン11bと、この支持ピン11bを揺動可能に支持するアーチ状(又は断面逆U字状)の支持部11cとを備えている。このローラ部11は、スライド溝6内において転動可能な隙間のみ残して収容されており、遮蔽シートの揺れによる騒音の発生が抑制されている。また、円柱状連結部12の一方の端部は前記ローラ部(ランナー部)11の支持部11cの上部壁を貫通して、前記ローラ部(ランナー部)11に対して水平方向に360°に亘って回転可能に取り付けられており、円柱状連結部12の他方の端部には孔部が形成され、この孔部にフック部材13が揺動可能に装着されている。なお、前記ランナー10の一対のローラ部材11a及び支持部11cはプラスチックで形成されている。
【0036】
遮蔽シート14は、上下端部に前記リング部材13を装着するための連結孔部が形成されており(図示せず)、前記連結孔部及びリング部材13の孔部に固定(ホック)部材15の貫通部材15aを貫通させて保持部材15bを貫通部材15aに嵌合させることにより架設レール部材2に固定される。詳しくは、貫通部材15aは、プラスチックで形成された頭部付き棒状体であり、頭部の径は、連結孔部及びリング部材の孔径よりも大きく形成され、棒状部の径は、連結孔部及びリング部材の孔径よりも小さく形成されている。さらに、棒状部は、先端部に形成された径大部15a1と、径小部15a2とで構成されている。一方、保持部材15bはリング状体(止め輪)であり、その孔部は径大孔部15b1と径小孔部15b2とで構成されている。本発明では、前記棒状部の先端部(径大部15a1の先端部)を先端方向に向かって径小となる形状とし、かつ前記径小孔部15b2を棒状部の径大部15a1よりも小さく径小部15a2よりも大きいサイズとすることにより、軽い力で保持部材15bを押すことにより容易に両者を嵌合できる。固定部材15は、プラスチックの可塑性を利用して容易に嵌合(係合)でき、嵌合後はプラスチックの復元力により保持部材15bの脱落(抜け)が防止される。さらに、本発明では、このような固定部材15で遮蔽シートをランナーに装着するため、遮蔽シートの連結孔部の位置を調整することにより、簡便に架設レール部材2と遮蔽シート14との隙間をなくすことができ、外部からの風雨や塵埃の侵入を抑制できる。
【0037】
このようなランナー10を備えた架設レール部材2及び連結部材3を備えたユニットや架設構造(前記複数の支柱と、複数の架設レール部材と、連結部材と、ガイド溝と、スライド溝と、ランナーと、遮蔽シートとを備えた開閉式遮蔽構造)を利用すると、前記固定部材15を用いて、遮蔽シートの上端部及び下端部に形成された被連結部にランナー10のリング部材13を連結し、前記架設レール部材2のスライド溝6に装着されたランナー10を走行させることにより、前記支柱1と架設レール部材2とで形成される区画17を遮蔽シート14で開閉できる。そのため、外壁などの補修工事の間であっても、窓16を開けても景色を見ることができ、新鮮な空気を取り込むこともできる。また、遮蔽シート14の上下端部をそれぞれランナー10に連結できるため、風により遮蔽シート14が舞い上がったり、大きくなびくことがない。さらに、走行に伴って架設レール部材2と接触するランナー10の接触部がプラスチックで形成されているため、風などにより遮蔽シート14が揺れてランナー10がスライド溝6に衝突しても、ランナー10のプラスチックにより消音され、騒音の発生を抑制できる。なお、前記構造の連結部材3を利用するため、支柱1と架設レール部材2との連結及び連結解除(すなわち、組立及び解体)も容易であるとともに、開閉式遮蔽シート14を備えた骨組み(開閉式遮蔽構造)を容易に形成できる。また、複数の支柱と複数の架設レール部材とで建造物の外壁に対して縦横方向に足場を有する骨組みを構築できる。さらに、架設レール部材2が上下左右対称構造であるため、架設レール部材2の向きを間違って骨組みを形成することがなく、組立効率を向上できる。
【0038】
なお、支柱1の形状は、特に制限されず、断面円筒状に限らず断面多角形状であってもよい。支柱は建造物や構造物の種類に応じて所定の間隔で立設すればよい。支柱は軽量化のため、中空状であってもよく、鉄やステンレススチール製などであってもよいが、通常、アルミニウム又はアルミニウム合金製である場合が多い。
【0039】
レール部材(架設レール部材)2の断面形状は、円形状、楕円形状などであってもよいが、上下部(又は上下面)及び両側部(又は両側面)が平面形状に形成された断面多角形状(溝部が形成される上下両側面を有する多角形状、例えば、断面四角形状、断面六角形状、断面八角形状など)、特に上下方向及び左右方向が対称な対称構造であるのが好ましい。特に、軽量化するためには、中空状、例えば、断面中空多面体状(断面中空多角形状)であるのが好ましい。さらに、断面H字状の骨格を有する断面中空多面体状(断面中空多角形状)は、中空状であっても強度が大きく、骨組み(建造物の外壁に対する補修又はリフォームの足場など)を形成するのに有用である。レール部材(架設レール部材)は鉄やステンレススチール製などであってもよいが、通常、アルミニウム又はアルミニウム合金製である場合が多い。特に、中空状のレール部材(架設レール部材)は、アルミニウムのダイカストにより形成されている場合が多い。なお、中空円筒状のレール部材(架設レール部材)に比べて、断面中空多角形状(断面H字状の骨格を有する断面八角形状などの多角形状)のレール部材(架設レール部材)は、曲げ強度などの強度が大きく、前記骨組み又は区画を形成するのに有利である。
【0040】
架設レール部材は、連結部材により支柱に対して縦方向に間隔を置いて横方向に連結可能であればよく、連結部材がスライド可能なガイド溝5は架設レール部材の少なくとも一方の側部(又は側面)(すなわち、前記支柱側の側部又は側面)に長手方向に沿って形成すればよいが、両側部(又は両側面)にガイド溝を形成すると、架設レール部材の向きを間違って配置することがなく、骨組みの組み立て作業効率を向上できる。さらに、後述するように、開閉不能な遮蔽シート(レール及びランナーを有さない従来の遮蔽シート)のための係止部材を装着することもできる。ガイド溝は前記支柱に対する連結部材をスライド式に案内できればよく、通常、連結部材の脱落を防止するため、少なくとも開口部側の底部から上方にL字状に延びる壁部を有するガイド溝、特に開口部の対向壁(底部壁及び上部壁)が狭まったアリ溝状の形態のガイド溝であるのが好ましい。
【0041】
架設レール部材のスライド溝6は、架設状態で対向する対向部に長手方向に沿って形成すればよく、下部(又は下面)にスライド溝が形成された架設レール部材と上部(又は上面)にスライド溝が形成された架設レール部材とを対向させて対向部にスライド溝を位置させてもよいが、架設レール部材を間違って配置することを防止するとともに、骨組みの組立作業性を向上させるため、架設レール部材の上下部(又は上下面)の双方にスライド溝を形成するのが好ましい。スライド溝はランナーが走行可能であればよく、ランナーの構造に応じて種々の形態が採用できる。スライド溝の断面形状は、ランナーの脱落を防止するため、通常、アリ溝状である。
【0042】
このような複数の支柱と複数の長尺な架設レール部材とを利用することにより、連結部材により建造物や構造物の大きさに応じて縦横方向に区画17を形成できる。さらに、複数の支柱に対して単独で架設レール部材を装着してもよく、例えば、人の出入りがある建造物又は構造物の玄関(入口)に形成する場合に有効である。
【0043】
図7は、本発明の開閉式遮断構造用連結部材の他の例を示す概略斜視図である。図8は、図7の連結部材により、レール部材を壁面に連結した状態を示す概略図である。図7及び8の連結部材は、風雪地帯やイベント会場などにおいて支柱を設けることなく、一時的に(季節ごとに)壁面に直接取り付けるための連結部材として利用される。
【0044】
図7及び図8に示されるように、連結部材53は、ブラケット部材として、クランプ部材の代わりに、断面L字状のプレート(アングル状取付部材)を備えている点を除いて、前記図3の連結部材3と同様に構成されている。
【0045】
断面L字状のプレート(アングル状取付部材)59は、位置決め部材58の側壁の略中央部から、位置決め部材58の長手方向に沿って、前記側壁に対して略垂直方向に延出する下部壁59aと、この下部壁59aから略垂直方向に屈曲して延出する側壁59bとを備えている。この側壁59bには、長手方向に所定の間隔をおいて、2個の孔部59cが形成されている。側壁59bは壁面51と接触させて、孔部59cを利用してネジ止めなどにより壁面51に固定できる。なお、断面L字状のプレート(アングル状取付部材)59の下部壁59aの端部と位置決め部材58の側壁とは溶接により固定されている。
【0046】
なお、断面L字状のプレート(アングル状取付部材)の下部壁(底部壁)の配設位置、配設角度などは、壁面に対するレール部材の配設位置に応じて適宜選択できる。例えば、下部壁59aの位置は、位置決め部材58の中央部に限定されず、位置決め部材58の上部又は下部であってもよく、下部壁59aの配設角度は、位置決め部材が重力方向に設置される限り、特に限定されず、位置決め部材58の側面(又は壁面)に対して略垂直方向であってもよく、位置決め部材58から遠ざかるにつれて上方向又は下方向に傾斜させてもよい。また、断面L字状のプレート(アングル状取付部材)59の側壁59bの形状(面形状)は、壁面に対して接触可能な面を有する限り特に限定されず、四角形以外の多角形であってもよく、円形であってもよい。さらに、側壁59bに形成される孔部の数は、2個に限定されず、1個であってもよいが、アングル状取付部材と壁面とを簡便かつ強固に固定できる点から、複数(例えば、2〜4個、特に2個)が好ましい。
【0047】
アングル状取付部材は、位置決め部材及び壁面のそれぞれに取り付け可能な取付部を有する限り、その断面形状は特に限定されず、簡便性などの点から、L字状、T字状、H字状、コ字状(特に、L字状)が好ましい。
【0048】
このような連結部材でも、スライド部材57とアングル状取付部材59が固定された位置決め部材58とが分離した構造であるため、壁面に対するアングル状取付部材59の取り付けと、レール部材に対するスライド部材57の取り付けとを独立して行うことができる。さらに、位置決め部材58の凹部58aに、レール部材のガイド溝55に装着したスライド部材57の棒状ネジ部57aを掛止してナット57bで締結する簡便な操作で、位置決め部材とスライド部材とを固定でき、壁面とレール部材とを容易に連結できる。
【0049】
なお、立設支持体は、レール部材を支持可能な限り特に限定されず、前記支柱などの三次元形状を有する支持部材であってもよく、前記壁面などの三次元形状を有する支持部材の一面(一部)であってもよい。
【0050】
本発明の開閉式遮蔽構造用ユニットには、前記レール部材及び連結部材を備える構造を有するユニットが含まれ、ランナー及び遮蔽シートを必須の構成手段として含む必要はない。好ましい態様では、開閉式遮蔽構造用ユニットは、前記レール部材、連結部材及び複数のランナーで構成でき、さらに遮蔽シートを含んでいてもよい。
【0051】
前記連結部材(支柱や壁面などの立設支持体に対する固定・連結機構又は手段)は、支柱や壁面などの立設支持体に対してレール部材を連結可能であればよく、前記スライド部材(例えば、プレート又は平板状部材)と、このスライド部材を立設支持体に対して、位置決め手段により位置決めしつつ、かつ固定可能なブラケット部材(クランプ部材又はアングル状取付部材など)とを備えている限り、連結部材の構造は特に制限されない。
【0052】
前記スライド部材は、ガイド溝にスライド式に挿入可能な形状を有していればよく、通常、板状である。さらに、スライド部材(例えば、その側壁)に締結部材を構成する棒状ネジ部(ネジ棒)が形成されていてもよく、この棒状ネジ部は、側壁から側面に対して略垂直方向に延出する態様の他、スライド部材に形成された螺旋孔に螺合された棒状ネジ部であってもよいが、レール部材と立設支持体とを強固に固定できる点などから、スライド部材を貫通して側壁から延出する態様が好ましい。棒状ネジ部の数は、2個に限定されず、1個であってもよいが、スライド部材を簡便に掛止でき、かつ強固に締結できる点から、複数(例えば、2〜4個、特に2個)が好ましい。なお、前記螺旋孔に棒状ネジ部が螺合する態様では、棒状ネジ部は、頭部付き棒状ネジ部材で構成されていてもよい。
【0053】
前記位置決め手段は、スライド部材を立設支持体に対して位置決め可能な限り、特に限定されない。例えば、前記位置決め手段は、凹凸溝などの嵌合機構であってもよく、強固に固定できる点から、凹部と凸部を嵌合した状態で、締結部材により締結可能な機構であってもよい。前記位置決め手段は、前記スライド部材に形成された棒状ネジ部(ネジ棒)を収容するための凹部を有する位置決め部材と、前記棒状ネジ部を前記凹部に収容した状態で、前記スライド部材と位置決め部材とを締結するための締結部材とで構成してもよい。
【0054】
前記位置決め部材は、レール部材のガイド溝よりも幅が大きく、凹部を形成できればよいが、スライド部材との挟持によりレール部材を位置決め固定し易い点から、通常、板状である。
【0055】
前記位置決め部材の凹部は、締結部材の棒状ネジ部の軸部を収容可能な収容部であれば特に限定されず、孔部であってもよいが、取付作業性の点から、切り欠き部(切り欠き状凹部)が好ましい。切り欠き状凹部の形状は、U字状の他、V字状、四角形状などであってもよいが、円柱状である棒状ネジ部を円滑に案内して収容できる点から、U字状が好ましい。凹部の数は、前記棒状ネジ部に対応した数で形成され、前記棒状ネジ部と同様に、1個であってもよいが、複数(例えば、2〜4個、特に2個)が好ましい。凹部の両側の上端部側壁に形成される凸部は、ナットなどの締結部材の上方へのスライドを抑制できればよく、屈曲部に限定されず、肉厚の段差部を形成してもよいが、生産性に優れる点から、屈曲部が好ましい。
【0056】
前記ブラケット部材は、立設支持体に取付可能な限り、クランプ部材、アングル状取付部材などに限定されない。前記ブラケット部材は、前記位置決め部材(例えば、その側壁)に固定されていてもよく、ネジ/ナットなどの螺合手段などにより固定されていてもよいが、簡便性などの点から、溶接により固定されているのが好ましい。架設レール部材を支柱に連結して固定するためのクランプ部材は、前記構造に限らず、種々のクランプ又は把持構造、凹凸嵌合構造(凹溝と嵌合凸条とを有する構造など)の連結固定手段を備えていてもよく、これらの構造又は固定手段を組み合わせた連結固定手段を備えていてもよい。さらに、クランプ部材は、他の固定手段、例えば、ワイヤによる固定手段などを備えていてもよい。また、レール部材を壁面に連結するためのアングル状取付部材は、前記構造に限らず、種々の角度調節機構を備えた取付部材であってもよい。
【0057】
前記締結部材は、位置決め部材に形成された凹部に収容可能な棒状ネジ部を少なくとも備え、かつスライド部材と位置決め部材とを締結できればよく、スライド部材から延出する棒状ネジ部とナットとの組み合わせに限定されず、この組み合わせとは逆の前述の組み合わせ、すなわち、スライド部材に形成された螺旋孔(又は貫通孔)と、この螺旋孔(又は貫通孔)に対して螺合(又は貫通)可能な頭部付き棒状ネジ部材との組み合わせ(すなわち、スライド部材がナットに相当する組み合わせ)であってもよい。
【0058】
スライド溝6をスライド又は走行可能なランナー10は、スライド溝内での走行部と、遮蔽シートの上端部及び下端部にそれぞれ接続又は連結可能な接続部(又は連結部)とを備えていればよい。前記ランナーは、通常、前記レール部材のスライド溝内で転動して走行可能なローラ部(ランナー部)(特に、一対のローラ部)と、このローラ部を貫通して回動可能に支持する支持ピンと、この支持ピンを回動又は揺動可能に支持する支持部[例えば、一対のローラ部の間の支持ピン又は一対のローラ部の両側部から延出する支持ピンを回動又は揺動可能に支持するアーチ状(又は断面逆U字状)の支持部]と、この支持部[例えば、アーチ状(又は断面逆U字状)支持部の上部壁]に対して一方の端部が抜き出し不能であり、かつ360°に亘って回動可能に取り付けられた軸部(又は円柱状連結部)と、この軸部の他方の端部に対して揺動可能に装着され、かつ遮蔽シートの上端部及び下端部に形成された被接続部(又は被連結部)に対してそれぞれ接続又は連結可能な接続部(フック部材など)とを備えている。なお、前記軸部とリング部材との間には、軸部の他方の端部に形成された孔部に対して揺動可能に装着されたリング部が介在していてもよく、このリング部に対して接続部(フック部材など)が揺動可能に装着されていてもよい。
【0059】
ランナーは金属製又はプラスチック製であってもよいが、強度を保持するとともに、消音性を高めるため、ランナーのうちレール部材との接触部(例えば、ローラ部及び支持部)はプラスチック(例えば、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスルホン系樹脂などの強度の大きなプラスチック)で形成されているのが好ましい。このようなランナーにおいて、支持ピン、軸部及びフック部材(リング部を含む)は金属製である場合が多い。
【0060】
さらに、消音性を高める点から、ローラ部をレール部材のスライド溝内に転動可能な程度に隙間なく収容するのが好ましく、前記スライド溝の内壁とローラ部との隙間(曲面の場合、最短の間隔)は、例えば、3mm以下(例えば、0.1〜3mm)、好ましくは0.3〜2mm、さらに好ましくは0.5〜1.5mm程度であってもよい。
【0061】
遮蔽シート(遮蔽要素又はカーテン)は、前記支柱などの立設支持体とレール部材とで形成される区画17を遮蔽可能であればよく、例えば、ネットなどの網状体、布(織布/不織布などの布帛)、プラスチックシート又はフィルムや樹脂含浸布帛などであってもよい。また、遮蔽シートは透明性を有していてもよく不透明であってもよく、着色していてもよい。ランナーの接続部(又は連結部)が接続される遮蔽シートの被接続部である孔部の周辺部は、金属などで構成されたリング体で補強されていてもよい。遮蔽シートは横方向に折り畳み可能であってもよく、平面状のシートであってもよい。孔部は、レール部材と遮蔽シートとの隙間が生じない位置に、ランナーのサイズに応じて形成するのが好ましい。さらに、遮蔽シートの孔部は、支柱と平行な側部に形成してもよく、例えば、紐状体などを用いて支柱に密着させることにより、支柱と遮蔽シートとの隙間をなくすこともできる。
【0062】
ランナーに遮蔽シートを連結させるための固定部材は、前述の嵌合を利用したプラスチックで構成された貫通部材と保持部材とを組み合わせた固定部材に限定されず、ランナーのリング部材の孔部及び遮蔽シートの連結孔部を利用して遮蔽シートをランナーに連結できればよく、例えば、紐状体、ボルトとナットとの組み合わせなどであってもよいが、木槌や金槌で軽く叩くだけで、容易に両者を連結でき、固定力及び耐久性にも優れる点から、頭部付き棒状体で構成された貫通部材と、前記頭部付き棒状体の棒状部に嵌合可能な止め輪との組み合わせが好ましい。
【0063】
さらに、レールユニット(架設レールユニット)は、レール部材(架設レール部材)を横方向に連結するためのジョイント機構を備えていてもよい。図9はレール部材(架設レール部材)を連結するためのジョイント機構を示す概略分解斜視図である。
【0064】
この例では、互いに横方向に隣接する少なくとも一対のレール部材22を連結するジョイント機構は、これらのレール部材22の隣接する両側部に形成されたガイド溝25に対してスライド自在に装着可能なスライド部材(この例では、プレート)27と、このスライド部材(プレート)27に形成され、かつガイド溝25から突出可能なネジ部27aと、このネジ部27aが貫通可能な孔部を有し、かつ前記ガイド溝25よりも幅が大きなジョイント部材(この例では、プレート)28と、このジョイント部材28の孔部から突出したネジ部27aに螺合可能なナット28aとを備えている。なお、ネジ部27aの先端部のネジ溝は潰されており、ナット28aがネジ部27aから脱落することを防止している。前記レール部材22は前記と同様の構造を有している。このようなジョイント機構を備えていると、隣接するレール部材22のガイド溝25間にスライド部材27を挿入又は装着するスライド操作と、ジョイント部材28の締結操作とで簡便かつ効率よくレール部材22を横方向に連結できる。
【0065】
なお、少なくとも一対のレール部材22を連結するジョイント機構は、横方向に隣接する少なくとも一対のレール部材の隣接部を跨いで配設可能な配設部材と、この配設部材をレール部材に対して固定可能な固定部材(例えば、前記配設部材を貫通し、レール部材に対して螺合可能な螺合手段など)とで構成してもよい。好ましいジョイント機構は、レール部材の側部のガイド溝を利用したジョイント機構、例えば、横方向に隣接する少なくとも一対のレール部材のガイド溝に対してスライド式に装着可能なスライド部材と、前記ガイド溝の幅よりも幅が大きく、前記レール部材の側部(外側部)に配設可能なジョイント部材と、このジョイント部材を前記スライド部材に対して締結可能な締結手段とで構成できる。この締結手段はネジ/ナットで構成してもよく、例えば、前記の例とは逆に、ジョイント部材を貫通し、スライド部材(又はスライド部材及びジョイント部材の双方)に形成された螺旋孔に対して、螺合可能な頭部付きネジ部材であってもよい。
【0066】
さらに、レール部材(架設レール部材)は、ランナーの脱落防止機構又は構造を備えていてもよい。図10はランナーの脱落防止機構を示す概略分解斜視図である。
【0067】
この脱落防止機構は、前記と同様の構造を有するレール部材(架設レール部材)32の少なくとも一方の端部において、断面H字状の骨格Hの横断壁32aの孔部32bを貫通し、スライド溝36から突出する頭部付きネジ棒37と、前記強圧部材38を貫通したネジ棒37のネジ部に螺合可能なナット39とを備えている。このような機構を利用すると、強風などが遮蔽シートに作用したり、高速度でランナーを走行させても、ネジ棒37をストッパーとして機能させることができ、ランナーの脱落を確実に防止できる。なお、前記スライド溝36を覆ってレール部材32の上下壁部36aに沿って配設可能であり、前記ネジ棒37が貫通可能な断面ほぼコ字状の強圧部材をネジ棒37の頭部とレール部材32との間、又はナット39とレール部材32との間に介在させてもよい。
【0068】
なお、ランナーの走行を規制するストッパーは、前記構造に限らず、前記スライド溝の幅を狭める手段、例えば、堰部、突起部や凸部などで構成してもよく、スライド溝を横断する横断部材、スライド溝を端部で塞ぐ閉塞部材などで構成してもよい。
【0069】
さらに、レールユニット(架設レールユニット)や遮蔽構造は、遮蔽シートの少なくとも一方の側部を補強するため、遮蔽シートの少なくとも一方の側部(又は両側部)に取り付け可能な補強支持部材と、この補強支持部材の上下端部に取り付け可能であり、かつスライド溝を走行可能又は転動可能なランナーとを備えていてもよい。このランナーは、前記と同様に、補強支持部材の上下端部に取り付け可能なランナーの支持部(ローラ部を貫通して支持する支持ピンを回動又は揺動可能に支持する支持部など)と、かつスライド溝に対して装着され、スライド溝を走行可能又は転動可能なローラ部材とを備えていてもよい。また、遮蔽シートの閉じ状態を維持するため、遮蔽シートの隣接する両側部に取り付けられた開閉可能な閉じ手段、例えば、係止又は架け止め機構、磁気的吸着手段などを備えていてもよい。
【0070】
さらに、レール部材(架設レール部材)は、開閉不能な遮蔽シートを係止するための遮蔽シート係止部材を備えていてもよい。図11は、遮蔽シート係止部材が装着されたレール部材(架設レール部材)を示す概略斜視図であり、図12は図11のレール部材の概略側面図である。
【0071】
本発明の開閉式遮蔽構造は、建造物や構造物において、窓や玄関(入口)などの部分的区画に導入してもよく、その場合には、本発明の開閉式遮蔽構造に隣接する区画は一般的な開閉不能な遮蔽シートを有する構造となる。このような構造の場合、図11及び図12に示されるように、レール部材42のガイド溝42aに遮蔽シート係止部材41を装着すると、前記遮蔽シート係止部材41のリング状係止部41a1に対して、本発明の開閉式遮蔽構造の上部区画又は下部区画に容易に開閉不能な遮蔽シートを紐状体で結束することなどにより係止して、遮蔽シートをレール部材42に容易に固定できる。さらに、この遮蔽シート係止部材41は、前記レール部材のガイド溝42aにスライド式に案内して装着可能なスライド部材(プレート又は平板状部材)41bと、このスライド部材41bに形成された螺旋孔に螺合して、スライド部材41bを位置決めするための棒状ネジ部41a2と、この棒状ネジ部41a2から延出する前記係止部41a1とを有するネジ部材41aとで構成されているため、前記ガイド溝42aにスライド部材41bをスライド式に挿入して位置決めした後、ネジ部材41aのリング状係止部41a1を把持して侵入方向に回すことにより、容易に遮蔽シート係止部材41をレール部材42に装着できる。すなわち、ネジ部材41aを侵入方向に回すと、ネジ部材41aの先端部がガイド溝42aの内壁面に接触して押圧すると同時に、板状部材41bがガイド溝42aの内壁面に圧着されて、遮蔽シート係止部材41がレール部材42に強固に固定される。ネジ部材41aの係止部の形状は、開閉不能な遮蔽シートを係止して固定可能な形状であれば、円形のリング状(又はループ状)に特に限定されず、例えば、多角形のリング状、鉤状(フック状)などであってもよい。遮蔽シート係止部材41は、プラスチック製であってもよいが、安価で強度が高い点から、金属製である場合が多い。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、コンドミニアムなどの高層住宅、ビルや一戸建て住宅などの建造物や構造物の補修、リフォームなどにおいて、開閉可能な遮蔽シートを有する骨組み(足場など)を形成するのに利用できる。また、本発明は、前記骨組みに限定されず、工場や倉庫の間仕切りシートを有する開閉ユニット、仮設テントやイベントテントなどの出入口シートを有する開閉ユニット、球技施設の防球ネットを有する開閉ユニット、風雪地帯における防雪用シート(雪よけネット)を有する開閉ユニット、イベント会場の壁面に取り付けるための懸垂幕を有する開閉ユニット、ベランダなどでの防鳩ネットを有する開閉ユニットなどの開閉ユニットを形成するのに利用できる。
【符号の説明】
【0073】
1…支柱
2,22,32,52…レール部材(架設レール部材)
3,53…連結部材
5,25,55…ガイド溝
6,36…スライド溝
7,27,57…スライド部材
7a,57a…棒状ネジ部
7b,57b…ナット
8,58…位置決め部材
8a,58a…凹部
8b,58b…屈曲部
9…クランプ部材
10…ランナー
11…ローラ部
12…円柱状連結部
13…リング部材
14…遮蔽シート
15…固定部材
17…区画
28…ジョイント部材
37…ネジ棒
41…遮蔽シート係止部材
51…壁面
59…アングル状取付部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
立設支持体に対して長尺なレール部材を連結し、このレール部材を利用して構造物の少なくとも一部を開閉式に遮蔽する構造を形成するための連結部材であって、
前記レール部材の側部に形成され長手方向に延びるガイド溝にスライド式に案内して装着可能なスライド部材と、このスライド部材を前記立設支持体に対して、位置決め手段により位置決めしつつ、かつ固定可能なブラケット部材とを備えている開閉式遮蔽構造用連結部材。
【請求項2】
位置決め手段が、スライド部材に形成された棒状ネジ部を収容するための凹部を有する位置決め部材と、前記棒状ネジ部を前記凹部に収容した状態で、前記スライド部材と位置決め部材とを締結するための締結部材とで構成されている請求項1記載の開閉式遮蔽構造用連結部材。
【請求項3】
位置決め手段が、レール部材のガイド溝よりも幅が大きく、かつスライド部材との挟持によりレール部材を位置決め固定するための位置決め部材と、
前記位置決め部材の長手方向に延びる端面を切り込んで形成された凹部と、
前記スライド部材の側壁に設けられた棒状ネジ部を有し、かつこの棒状ネジ部の軸部を前記位置決め部材の凹部に収容した状態で、前記スライド部材と前記位置決め部材とを締結するための締結部材とで構成されている請求項1又は2記載の開閉式遮蔽構造用連結部材。
【請求項4】
位置決め部材が、複数の凹部を有するとともに、締結部材が、スライド部材の側壁から側面に対して略垂直方向に延出する複数の棒状ネジ部と、これらの棒状ネジ部に対して螺合可能なナットとで構成されている請求項2又は3記載の開閉式遮蔽構造用連結部材。
【請求項5】
位置決め部材が板状であり、かつ位置決め部材の凹部で対峙する上端部側壁のうち、少なくとも一方の上端部側壁に凸部が形成されている請求項2〜4のいずれかに記載の開閉式遮蔽構造用連結部材。
【請求項6】
立設支持体が所定間隔をおいて立設された複数の支柱であり、ブラケット部材が前記支柱に固定するためのクランプ部材である請求項1〜5のいずれかに記載の開閉式遮蔽構造用連結部材。
【請求項7】
クランプ部材が、位置決め部材の側壁に固定された固定部材と、
この固定部材の一方の端部に回動可能に枢着された棒状ネジ部材と、
前記固定部材の他方の端部に回動可能に枢着され、かつ前記固定部材との挟持により連結部材を支柱に装着するための可動部材と、
この可動部材の先端部に形成され、かつ前記棒状ネジ部材を収容可能な凹部と、
前記棒状ネジ部材に対して螺合可能であり、かつ前記棒状ネジ部材を収容した状態で、前記固定部材と前記可動部材とを締結するための締結部材とを備えている請求項1〜6のいずれかに記載の開閉式遮蔽構造用連結部材。
【請求項8】
立設支持体が壁面であり、ブラケット部材が前記壁面に固定するための断面L字状のアングル状取付部材である請求項1〜5のいずれかに記載の開閉式遮蔽構造用連結部材。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の連結部材と、側部に長手方向に沿って形成され、かつ前記連結部材のスライド部材をスライド式に案内するためのガイド溝と、対向部に長手方向に沿って形成され、かつ遮蔽シートの上端部及び下端部にそれぞれ接続可能な複数のランナーが走行可能なスライド溝とを有する一対のレール部材とで構成された開閉式遮蔽構造用ユニット。
【請求項10】
レール部材が、断面H字状の骨格を有し、両側面及び上下面が平面状に形成された断面中空多面体状であり、両側面に形成された断面アリ溝状のガイド溝と、上下面に形成された断面アリ溝状のスライド溝とを備え、アルミニウムのダイカストにより形成されている請求項9記載の開閉式遮蔽構造用ユニット。
【請求項11】
遮蔽シートの上端部及び下端部にそれぞれ接続可能な連結部を有し、レール部材との接触部がプラスチックで形成され、かつ前記レール部材のスライド溝をそれぞれ走行可能な複数のランナーを備える請求項9又は10記載の開閉式遮蔽構造用ユニット。
【請求項12】
ランナーの連結部及び遮蔽シートに形成された孔部を貫通可能な貫通部材と、この貫通部材に取り付け可能であり、かつ前記両孔部を貫通した状態で、前記ランナーと前記遮蔽シートとが貫通部材から脱落するのを防止するための保持部材とで構成される固定部材を備える請求項9〜11のいずれかに記載の開閉式遮蔽構造用ユニット。
【請求項13】
レール部材のガイド溝にスライド式に案内して装着可能なスライド部材と、このスライド部材に形成された螺旋孔部に螺合して、スライド部材を位置決めするための棒状ネジ部と、この棒状ネジ部から延出し、かつ開閉不能な遮蔽シートを固定可能な係止部とを有するネジ部材とで構成された遮蔽シート係止部材を備える請求項9〜12のいずれかに記載の開閉式遮蔽構造用ユニット。
【請求項14】
横方向に隣接する少なくとも一対のレール部材の側部に形成されたガイド溝に対してスライド式に案内して装着可能なスライド部材と、前記ガイド溝よりも幅が大きく、レール部材の側部に配設可能なジョイント部材と、このジョイント部材を前記スライド部材に対して締結するための締結手段とを備えている請求項9〜13のいずれかに記載の開閉式遮蔽構造用ユニット。
【請求項15】
レール部材が、少なくとも一方の端部にランナーの走行を規制するストッパーを備えている請求項9〜14のいずれかに記載の開閉式遮蔽構造用ユニット。
【請求項1】
立設支持体に対して長尺なレール部材を連結し、このレール部材を利用して構造物の少なくとも一部を開閉式に遮蔽する構造を形成するための連結部材であって、
前記レール部材の側部に形成され長手方向に延びるガイド溝にスライド式に案内して装着可能なスライド部材と、このスライド部材を前記立設支持体に対して、位置決め手段により位置決めしつつ、かつ固定可能なブラケット部材とを備えている開閉式遮蔽構造用連結部材。
【請求項2】
位置決め手段が、スライド部材に形成された棒状ネジ部を収容するための凹部を有する位置決め部材と、前記棒状ネジ部を前記凹部に収容した状態で、前記スライド部材と位置決め部材とを締結するための締結部材とで構成されている請求項1記載の開閉式遮蔽構造用連結部材。
【請求項3】
位置決め手段が、レール部材のガイド溝よりも幅が大きく、かつスライド部材との挟持によりレール部材を位置決め固定するための位置決め部材と、
前記位置決め部材の長手方向に延びる端面を切り込んで形成された凹部と、
前記スライド部材の側壁に設けられた棒状ネジ部を有し、かつこの棒状ネジ部の軸部を前記位置決め部材の凹部に収容した状態で、前記スライド部材と前記位置決め部材とを締結するための締結部材とで構成されている請求項1又は2記載の開閉式遮蔽構造用連結部材。
【請求項4】
位置決め部材が、複数の凹部を有するとともに、締結部材が、スライド部材の側壁から側面に対して略垂直方向に延出する複数の棒状ネジ部と、これらの棒状ネジ部に対して螺合可能なナットとで構成されている請求項2又は3記載の開閉式遮蔽構造用連結部材。
【請求項5】
位置決め部材が板状であり、かつ位置決め部材の凹部で対峙する上端部側壁のうち、少なくとも一方の上端部側壁に凸部が形成されている請求項2〜4のいずれかに記載の開閉式遮蔽構造用連結部材。
【請求項6】
立設支持体が所定間隔をおいて立設された複数の支柱であり、ブラケット部材が前記支柱に固定するためのクランプ部材である請求項1〜5のいずれかに記載の開閉式遮蔽構造用連結部材。
【請求項7】
クランプ部材が、位置決め部材の側壁に固定された固定部材と、
この固定部材の一方の端部に回動可能に枢着された棒状ネジ部材と、
前記固定部材の他方の端部に回動可能に枢着され、かつ前記固定部材との挟持により連結部材を支柱に装着するための可動部材と、
この可動部材の先端部に形成され、かつ前記棒状ネジ部材を収容可能な凹部と、
前記棒状ネジ部材に対して螺合可能であり、かつ前記棒状ネジ部材を収容した状態で、前記固定部材と前記可動部材とを締結するための締結部材とを備えている請求項1〜6のいずれかに記載の開閉式遮蔽構造用連結部材。
【請求項8】
立設支持体が壁面であり、ブラケット部材が前記壁面に固定するための断面L字状のアングル状取付部材である請求項1〜5のいずれかに記載の開閉式遮蔽構造用連結部材。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の連結部材と、側部に長手方向に沿って形成され、かつ前記連結部材のスライド部材をスライド式に案内するためのガイド溝と、対向部に長手方向に沿って形成され、かつ遮蔽シートの上端部及び下端部にそれぞれ接続可能な複数のランナーが走行可能なスライド溝とを有する一対のレール部材とで構成された開閉式遮蔽構造用ユニット。
【請求項10】
レール部材が、断面H字状の骨格を有し、両側面及び上下面が平面状に形成された断面中空多面体状であり、両側面に形成された断面アリ溝状のガイド溝と、上下面に形成された断面アリ溝状のスライド溝とを備え、アルミニウムのダイカストにより形成されている請求項9記載の開閉式遮蔽構造用ユニット。
【請求項11】
遮蔽シートの上端部及び下端部にそれぞれ接続可能な連結部を有し、レール部材との接触部がプラスチックで形成され、かつ前記レール部材のスライド溝をそれぞれ走行可能な複数のランナーを備える請求項9又は10記載の開閉式遮蔽構造用ユニット。
【請求項12】
ランナーの連結部及び遮蔽シートに形成された孔部を貫通可能な貫通部材と、この貫通部材に取り付け可能であり、かつ前記両孔部を貫通した状態で、前記ランナーと前記遮蔽シートとが貫通部材から脱落するのを防止するための保持部材とで構成される固定部材を備える請求項9〜11のいずれかに記載の開閉式遮蔽構造用ユニット。
【請求項13】
レール部材のガイド溝にスライド式に案内して装着可能なスライド部材と、このスライド部材に形成された螺旋孔部に螺合して、スライド部材を位置決めするための棒状ネジ部と、この棒状ネジ部から延出し、かつ開閉不能な遮蔽シートを固定可能な係止部とを有するネジ部材とで構成された遮蔽シート係止部材を備える請求項9〜12のいずれかに記載の開閉式遮蔽構造用ユニット。
【請求項14】
横方向に隣接する少なくとも一対のレール部材の側部に形成されたガイド溝に対してスライド式に案内して装着可能なスライド部材と、前記ガイド溝よりも幅が大きく、レール部材の側部に配設可能なジョイント部材と、このジョイント部材を前記スライド部材に対して締結するための締結手段とを備えている請求項9〜13のいずれかに記載の開閉式遮蔽構造用ユニット。
【請求項15】
レール部材が、少なくとも一方の端部にランナーの走行を規制するストッパーを備えている請求項9〜14のいずれかに記載の開閉式遮蔽構造用ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−102525(P2011−102525A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283334(P2009−283334)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(500410846)岡田装飾金物株式会社 (12)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(500410846)岡田装飾金物株式会社 (12)
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