説明

開閉装置

【課題】 開閉装置の機器構成を直線状に配置することで、装置のコンパクト化を図る。
【解決手段】 螺旋状溝6aを有し、操作装置1の出力軸2に固着された駆動パイプ軸6を、軸受7によって回動可能に支持し、楕円溝11aを有する直動軸受11を固定し、先端部に接触部9cを有するとともに、駆動パイプ軸6の螺旋状溝6aおよび直動軸受11の楕円溝11aにそれぞれ係合するロ−ラ9a,9bを有する可動軸5を、駆動パイプ軸6に回転可能で、かつ直動軸受11に摺動可能に、それぞれ挿入する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操作装置の出力軸の回転運動を直線運動に変換して、開閉器の開閉操作を行う開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の開閉装置は、図5に示す如く、操作装置1に接続された出力軸2の回転運動を、出力軸2に取り付けられたレバ−3と、レバ−3の揺動運動を吸収するために設けられたリンク4とを介して、可動軸5の直線運動に変換し、可動軸5の先端部に連結された開閉器の接点部(図示せず)を開閉するように構成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この従来の開閉装置では、レバ−3を介して運動の方向を変換しているため、レバ−3の動作のためのスペ−スが必要であり、また出力軸2と可動軸5が直角方向に配置され、なおかつレバ−3の長さ分だけ出力軸2と可動軸5の動作面がずれるので、装置全体の専有面積が大きくなり、開閉装置の小型化の妨げとなっている。
【0004】そこで本発明においては、操作装置からの出力の方向を変換する部分からレバ−をなくすことにより、装置の小型化を図ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の目的を達成するために、操作装置の出力軸の回転運動を直線運動に変換し、開閉器の固定側接触子に接触部を接離させて開閉操作を行う開閉装置において、螺旋状溝を有し、前記出力軸に固着された駆動パイプ軸を、軸受によって回動可能に支持し、楕円溝を有する直動軸受を固定し、先端部に前記接触部を有するとともに、前記駆動パイプ軸の螺旋状溝および前記直動軸受の楕円溝にそれぞれ係合するロ−ラを有する可動軸を、前記駆動パイプ軸に回転可能で、かつ前記直動軸受に摺動可能に、それぞれ挿入する。
【0006】また、軸受を密閉容器に取り付け、可動軸、直動軸受および固定側接触子を前記密閉容器内に収納するとともに、駆動パイプ軸の基端部をシ−ル部を介して、前記密閉容器の外部側に引き出すことが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図1〜図4を参照して説明する。図1〜図3において、操作装置1の出力軸2は駆動パイプ軸6に機械的に接続される。駆動パイプ軸6は軸受7とストッパ8によって回転方向にのみ動作可能となっている。
【0008】駆動パイプ軸6には螺旋状溝6aが形成されており、駆動パイプ軸6に基端部が回転可能に挿入された可動軸9に設けられたロ−ラ9aと係合している。また、可動軸9は支え10にて固定された直動軸受11に摺動可能に挿入されるとともに、ロ−ラ9bも取り付けられており、ロ−ラ9bが直動軸受11に形成された楕円溝11aと係合して、可動軸9の回転方向の動きを規制して、直線方向にのみ動作可能になっている。
【0009】可動軸9の先端には接触部9cが取り付けられており、この可動軸9と同一直線上には接触部9cと電気的接点を構成する固定側接触子12が設けられている。
【0010】上記本発明の開閉装置においては、図1に示す開閉器の開路状態で、操作装置1により出力軸2を介して、駆動パイプ軸6を回転させると、螺旋状溝6aによりロ−ラ9aが図1の紙面に対し右方向に力を受けるので、ロ−ラ9aが螺旋状溝6a内を移動するとともに、可動軸9が右方向へ移動する。なお、この時、ロ−ラ9bが直動軸受11の楕円溝11aに係合されているので、可動軸9は回転せず、右方向へ直線運動をして、接触部9cが固定側接触子12に接触する。この閉路操作完了状態を図2に示す。なお、開路操作は上記閉路操作と全く逆の動作で行われるので、その説明は省略する。
【0011】図4は本発明の開閉装置の他の実施の形態を示すものであり、軸受13は密閉容器14に取り付けられており、駆動パイプ軸6の一部、可動軸9、直動軸受11および固定側接触子12が密閉容器14内に収納さられており、駆動パイプ軸6の一端は密閉容器14の外部に露出されている。さらに、シ−ル部13aが軸受13に設けられており、密閉容器14内外の密閉を保つ構造となっている。
【0012】かかる実施の形態においては、開閉器が密閉容器14内に収納されるとともに、操作装置1が密閉容器14の外部に配置されるガス絶縁開閉装置に容易に適用でき、しかも密閉容器14の内の絶縁ガスの漏洩も防止できる。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、操作装置、駆動パイプ軸、可動軸、固定側接触部が直線上に配置されるので、専有面積が減り、装置全体のコンパクト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の開閉装置の実施の形態の一例であり、開路状態を示す図である。
【図2】その閉路状態を示す図である。
【図3】その可動軸の立体図である。
【図4】本発明の開閉装置の他の実施の形態を示す図である。
【図5】従来の開閉装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 操作装置
2 出力軸
5 可動軸
6 駆動パイプ軸
6a螺旋状溝
7,13軸受
8ストッパ
9可動軸
9a,9bロ−ラ
9c接触部
10支え
11直動軸受
11a楕円溝
12固定側接触子
14密閉容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】操作装置の出力軸の回転運動を直線運動に変換し、開閉器の固定側接触子に接触部を接離させて開閉操作を行う開閉装置において、螺旋状溝を有し、前記出力軸に固着された駆動パイプ軸を、軸受によって回動可能に支持し、楕円溝を有する直動軸受を固定し、先端部に前記接触部を有するとともに、前記駆動パイプ軸の螺旋状溝および前記直動軸受の楕円溝にそれぞれ係合するロ−ラを有する可動軸を、前記駆動パイプ軸に回転可能で、かつ前記直動軸受に摺動可能に、それぞれ挿入した、ことを特徴とする開閉装置。
【請求項2】軸受を密閉容器に取り付け、可動軸、直動軸受および固定側接触子を前記密閉容器内に収納するとともに、駆動パイプ軸の基端部をシ−ル部を介して、前記密閉容器の外部側に引き出した、ことを特徴とする請求項1記載の開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2000−243192(P2000−243192A)
【公開日】平成12年9月8日(2000.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−37084
【出願日】平成11年2月16日(1999.2.16)
【出願人】(000002842)株式会社高岳製作所 (72)