間仕切パネル
【課題】
ハニカム芯材を表裏のパネル板で挟んで一体化した軽量且つ簡易な構造であり、強度を維持しつつコスト低減化を図ることが可能な間仕切パネルを提供する。
【解決手段】
ハニカム芯材2をスチール製の表裏のパネル板3,3で挟んで一体化した間仕切パネルであって、表裏のパネル板の端部同士が互いに接触することがなく、ハニカム芯材と表裏のパネル板とを接着するとともに、少なくとも左右一側において表裏のパネル板の端部同士を補強金具4,4Aで連結した。パネル板は、表面板9の周囲の縁板10の内縁から側方内側へ凹陥部12を折曲形成し、表裏パネル板の凹陥部内に係合孔20を形成し、補強金具は表裏パネル板の凹陥部で形成される嵌合凹部14内の底面部に接合可能な連結板21と、連結板の両端部に形成した爪片22を備え、両爪片を両パネル板の対応する係合孔にそれぞれ係合する。
ハニカム芯材を表裏のパネル板で挟んで一体化した軽量且つ簡易な構造であり、強度を維持しつつコスト低減化を図ることが可能な間仕切パネルを提供する。
【解決手段】
ハニカム芯材2をスチール製の表裏のパネル板3,3で挟んで一体化した間仕切パネルであって、表裏のパネル板の端部同士が互いに接触することがなく、ハニカム芯材と表裏のパネル板とを接着するとともに、少なくとも左右一側において表裏のパネル板の端部同士を補強金具4,4Aで連結した。パネル板は、表面板9の周囲の縁板10の内縁から側方内側へ凹陥部12を折曲形成し、表裏パネル板の凹陥部内に係合孔20を形成し、補強金具は表裏パネル板の凹陥部で形成される嵌合凹部14内の底面部に接合可能な連結板21と、連結板の両端部に形成した爪片22を備え、両爪片を両パネル板の対応する係合孔にそれぞれ係合する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間仕切パネルに係わり、更に詳しくは端部同士を直接連結することが可能な間仕切パネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ペーパーハニカムや不燃処理を施したペーパーハニカムを芯材として、表裏にスチール製のパネル板を接合した構造の間仕切パネルは公知である。そして、間仕切パネルを連結する場合、天レールと地レールとの間に立設した支柱を介して複数の間仕切パネルを連結する構造が一般的である。それに対して、支柱を介在させずに間仕切パネルの端部同士を直接連結する構造も公知である。
【0003】
特許文献1には、フレームと該フレームの表裏両面に取付けた表面板とからなるパネルの端部同士を相互に接合する接合構造であって、一方のパネルの接合部分における縦方向のフレーム部材をウェブと該ウェブに連設するフランジとを備えた断面溝形とし、更にその両フランジを外向きとして表面板の端部より外方へ突出させ、このフランジ突出部を他方のパネルにおけるフレームと表面板間の隙間へ挿入して接合する構造が記載されている。
【0004】
特許文献2には、ハニカムコアの上下面に、表面板を接着してハニカムサンドイッチパネルを形成し、このパネル本体の端末部同士を、接続金具を介して接続するハニカムサンドイッチパネルの端末接続部の構造において、前記パネル本体の端末部に、それぞれ接続金具を埋設固定し、この接続金具の相対向する一方の面に係合凹部を形成すると共に、他方の面に前記係合凹部と係脱可能な係合凸部を設けた連結構造が開示されている。
【0005】
このように、従来の間仕切パネルは、表裏のパネル板の両側縁間に縦フレームを配置し、パネル板を縦フレームに固定して強度を高め、そして前記縦フレームに連結の機能を持たせていたのである。尚、縦フレームを用いない間仕切パネルの場合、表裏パネル板の両側端部に折曲形成した連結片を互いに接合して連結し、強度の高いシェル構造としたものが多い。そして、支柱を介在させて間仕切パネルを連結する場合には、支柱の側面の凹溝内に間仕切パネルの端部を嵌合するか、又は間仕切パネルの端部に形成した凹溝部に支柱を受け入れて連結する構造を採用している。
【0006】
しかし、ハニカム芯材をスチール製の表裏のパネル板で挟んだ軽量且つ簡易な構造で、支柱を介在させずに直接端部同士を連結する安価な間仕切パネルであるにも係わらす、特許文献1,2に記載のように、両側縁に縦フレームを設けることは、コスト低減化の妨げになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭61−257554号公報
【特許文献2】特開平07−217064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、ハニカム芯材を表裏のパネル板で挟んで一体化した軽量且つ簡易な構造であり、強度を維持しつつコスト低減化を図ることが可能な間仕切パネルを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前述の課題解決のために、ハニカム芯材をスチール製の表裏のパネル板で挟んで一体化した間仕切パネルであって、表裏のパネル板の端部同士が互いに接触することがなく、前記ハニカム芯材と表裏のパネル板とを接着するとともに、少なくとも左右一側において表裏のパネル板の端部同士を補強金具で連結したことを特徴とする間仕切パネルを構成した(請求項1)。
【0010】
ここで、前記表裏のパネル板の側端部にそれぞれ係合孔を形成し、前記補強金具は連結板の両端部に爪片を折曲形成したものであり、該補強金具の両爪片を対応する表裏のパネル板の係合孔に係合し、両パネル板の間隔を規定してなることが好ましい(請求項2)。
【0011】
具体的には、前記パネル板は、表面板の周囲を裏側へ折曲して縁板を形成し、左右の少なくとも一側に前記縁板の内縁から側方内側へ凹陥部を折曲形成するとともに、表裏パネル板の前記凹陥部内に係合孔を形成し、前記補強金具は表裏パネル板の凹陥部で形成される嵌合凹部内の底面部に接合可能な連結板と、該連結板の両端部に形成した爪片を備え、両爪片を両パネル板の対応する前記係合孔にそれぞれ係合してなることがより好ましい(請求項3)。
【0012】
更に、前記パネル板に縦長の係合孔を形成し、前記補強金具は連結板の両側中央部に直角に前記爪片を折曲形成し、前記連結板の中央部には両側の爪片の基部に渡ってスリットを形成するとともに、該スリットは各爪片の先端部に沿って形成した切欠穴に連通し、更に前記爪片の基部の両側端部に前記係合孔の孔縁に係合する段部を形成していることがより好ましい(請求項4)。
【0013】
そして、前記補強金具の連結板に形成したスリットの中央部に、該スリットの幅よりも直径が大きな連結孔を形成してなることも好ましい(請求項5)。
【発明の効果】
【0014】
以上にしてなる請求項1に係る発明の間仕切パネルは、ハニカム芯材をスチール製の表裏のパネル板で挟んで一体化した間仕切パネルであって、表裏のパネル板の端部同士が互いに接触することがなく、前記ハニカム芯材と表裏のパネル板とを接着するとともに、少なくとも左右一側において表裏のパネル板の端部同士を補強金具で連結したので、パネル板の材料使用量を最小にするとともに、構造を単純にしてコスト低減化と軽量化を図ることができるにも係わらず、表裏のパネル板がハニカム芯材に接着した状態で、表裏のパネル板の端部同士を補強金具で機械的に連結したので、間仕切パネルとしての必要な強度も備えている。
【0015】
請求項2によれば、前記表裏のパネル板の側端部にそれぞれ係合孔を形成し、前記補強金具は連結板の両端部に爪片を折曲形成したものであり、該補強金具の両爪片を対応する表裏のパネル板の係合孔に係合し、両パネル板の間隔を規定してなるので、補強金具で表裏のパネル板を簡単且つ強固に連結することができる。
【0016】
請求項3によれば、前記パネル板は、表面板の周囲を裏側へ折曲して縁板を形成し、左右の少なくとも一側に前記縁板の内縁から側方内側へ凹陥部を折曲形成するとともに、表裏パネル板の前記凹陥部内に係合孔を形成し、前記補強金具は表裏パネル板の凹陥部で形成される嵌合凹部内の底面部に接合可能な連結板と、該連結板の両端部に形成した爪片を備え、両爪片を両パネル板の対応する前記係合孔にそれぞれ係合してなるので、補強金具の両爪片を表裏のパネル板の係合孔に係合すると、連結板が嵌合凹部内の底面部に接合するので、嵌合凹部を支柱や縦枠に係合して連結するために使用することができ、その場合には補強金具で間隔が規定されるので表裏のパネル板がハニカム芯材から剥がれることを防止でき、また補強金具も隠蔽され外観性を損なうことがない。
【0017】
請求項4によれば、前記パネル板に縦長の係合孔を形成し、前記補強金具は連結板の両側中央部に直角に前記爪片を折曲形成し、前記連結板の中央部には両側の爪片の基部に渡ってスリットを形成するとともに、該スリットは各爪片の先端部に沿って形成した切欠穴に連通し、更に前記爪片の基部の両側端部に前記係合孔の孔縁に係合する段部を形成しているので、前記爪片の基端部に弾力性が付与され、係合孔に爪片を係合する際に弾性変形して段部が係合孔の上下孔縁を越えて挿入でき、そして挿入後は段部が係合孔の上下孔縁に係止するので確実に抜止め状態となる。
【0018】
請求項5によれば、前記補強金具の連結板に形成したスリットの中央部に、該スリットの幅よりも直径が大きな連結孔を形成してなるので、連結孔にネジを螺入した際に、スリットの幅が拡大する方向に外力が加わり、それにより爪片の段部が係合孔の上下孔縁により強く係合するようになり、爪片と係合孔の係合状態が更に安定的になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る間仕切パネルの使用状態を示す簡略正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の間仕切パネルの拡大横断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態の間仕切パネルの拡大縦断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態の間仕切パネルの分解斜視図である。
【図5】補強金具を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は平面図、(d)は斜視図である。
【図6】本発明の間仕切パネルを地レールと天レール間に支持した状態の縦断面図であり、(a)は図1のX−X線断面図、(b)は間仕切パネルの端面位置での断面図である。
【図7】図1のY−Y線断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態の間仕切パネルの分解斜視図である。
【図9】本発明の第2実施形態の間仕切パネルの全体斜視図である。
【図10】本発明の第2実施形態の間仕切パネルの部分縦断面図である。
【図11】本発明の第2実施形態の間仕切パネルの部分側面図である。
【図12】補強金具の変形例を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は平面図、(d)は斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1は本発明の間仕切パネルを床面Fと天井Sとの間に施工した使用状態を示し、図2〜図7は本発明の間仕切パネルの第1実施形態を示し、図8〜図12は本発明の間仕切パネルの第2実施形態を示し、図中符号1,1Aは間仕切パネル、2は芯材、3はパネル板、4,4Aは補強金具をそれぞれ示している。
【0021】
本発明の第1実施形態に係る間仕切パネル1は、図1及び図6に示すように、床面Fに固定した地レール5と天井Sに固定した天レール6との間に支持し、複数の間仕切パネル1,…を側方に凹凸嵌合によって連結し、空間を区画するのである。詳しくは、前記地レール5にアジャスター7を介して高さ調節可能に外嵌した巾木8に、間仕切パネル1の下端を嵌合し、間仕切パネル1の上端部は下方開放した断面略コ字形の前記天レール6の凹溝部内に嵌合して支持するのである。
【0022】
本発明の第1実施形態の間仕切パネル1は、図2〜図4に示すように、ハニカム芯材2をスチール製の表裏のパネル板3,3で挟んで一体化して構成する。前記芯材2としては、不燃ハニカム芯材を用いることが好ましい。前記パネル板3は、表面板9の周囲を裏側へ折曲して縁板10を形成し、左右一側の前記縁板10の内縁から側方外側へ突出部11を折曲形成するとともに、左右他側の前記縁板10の内縁から側方内側へ凹陥部12を折曲形成したものである。そして、前記芯材2の表裏両側にそれぞれ前記パネル板3,3の表面板9の裏面を接着して一体化することにより、表裏のパネル板3,3の両突出部11,11で嵌合凸部13を形成するとともに、両凹陥部12,12で嵌合凹部14を形成する。
【0023】
このように構成した隣接する二つの間仕切パネル1,1は、図7に示すように、一方の間仕切パネル1の嵌合凸部13と他方の間仕切パネル1の嵌合凹部14を嵌合して連結する。前記地レール5及び天レール6に沿った方向の移動は、端部に位置する間仕切パネル1の移動を規制することにより、例えば壁面に端部部材を介して当止し、あるいはドア枠やコーナーボストに当止して規制する。隣接する間仕切パネル1,1同士は、前記嵌合凸部13と嵌合凹部14の嵌合によって連結することにより、面外方向の互いの変位は規制される。
【0024】
具体的には、前記パネル板3の突出部11は、前記縁板10の内縁から側方外側へ折曲形成した挿入板15と該挿入板15の端縁から前記縁板10と同じ折曲方向に折曲形成した補強板16とからなり、前記凹陥部12は、前記縁板10の内縁から側方内側へ折曲形成した受板17と該受板17の端縁から前記縁板10と同じ折曲方向に折曲形成した当止板18とからなっている。尚、前記突出部11は、強度の問題が許せば、前記補強板16を省略して前記挿入板15のみで構成しても良い。
【0025】
本実施形態では、前記パネル板3は、図3及び図4に示すように、上下反転させると元の形状に対して鏡像関係になるように構成し、表裏に使用するパネル板3,3を同一部材とし、製造コストと管理コストを低減している。つまり、前記パネル板3の上下縁の構造は、前記縁板10の内縁から上下方向内側へ断面略L字形の凹陥部19,19を折曲形成している。即ち、上方の縁板10の内縁から下方へ凹陥部19を形成し、下方の縁板10の内縁から上方へ凹陥部19を形成し、上下対称形となっている。
【0026】
また、本実施形態では、表裏の前記パネル板3,3の両突出部11,11同士及び両凹陥部12,12同士は、互いに接触することがないように設定し、両パネル板3の前記凹陥部12の上下対称位置に係合孔20,20を形成するとともに、前記嵌合凹部14内の底面部に接合可能な補強金具4の連結板21の両端部に形成した爪片22,22を、両パネル板3,3の対応する前記係合孔20,20にそれぞれ係合し、両パネル板3,3の間隔を規定している。更に詳しくは、図4及び図5に示すように、前記パネル板3の前記当止板18の上下部で、前記受板17に接近した位置に、縦長スリット状の前記係合孔20,20を形成している。そして、前記補強金具4は、略正方形の連結板21の両側中央部に直角に前記爪片22,22を折曲形成し、該爪片22には前記係合孔20に嵌入後に抜止め規制するための突起23を切り起こして形成している。
【0027】
そして、図7に示すように、一方の間仕切パネル1の前記嵌合凸部13を他方の間仕切パネル1の嵌合凹部14に嵌合して連結した状態で、両間仕切パネル1,1の縁板10,10間に所定幅の目地部24が形成されるように、前記突出部11の突出長さを前記凹陥部12の深さより大きく設定している。
【0028】
図6に示すように、前記間仕切パネル1の下端には、表裏の前記パネル板3,3の凹陥部19,19により凹溝部25が形成されており、この凹溝部25に下方開放した断面略コ字形の前記巾木8の上端部が嵌合し、該巾木8の下部は、上方開放した断面略コ字形の前記地レール5に外嵌している。そして、前記地レール5の溝内にアジャスター受け26を嵌合して設置し、該アジャスター受け26に螺合した鉛直方向のアジャスターボルト27の頭部で、前記巾木8の溝内の上面板を載支している。尚、前記間仕切パネル1は、前記天レール6の内部で上方へ持ち上がらないように、図示しない天固定金具によって固定されている。
【0029】
前記間仕切パネル1の表裏のパネル板3,3は、直接接触することなく、前記芯材2の表裏両面にそれぞれ表面板9,9の裏面がホットメルト接着剤によって接着され、そして前記嵌合凹部14側においては、両パネル板3,3の凹陥部12,12を構成する当止板18,18に形成した係合孔20,20に補強金具4の爪片22,22が嵌入し、連結板21が両当止板18,18に接合しているので、表裏のパネル板3,3が引き離される方向の力が加わってもその間隔は強固に規制されるのである。それにより、他の間仕切パネル1の嵌合凸部13の側を補強金具で連結しなくても、前記嵌合凸部13が嵌合凹部14に嵌合することにより、嵌合凹部14を構成する両受板17,17に嵌合凸部13を構成する挿入板15,15が当止して、該嵌合凸部13の側からも両パネル板3,3が芯材2から引き剥がされることもないのである。
【0030】
本発明の第2実施形態に係る間仕切パネル1Aは、床面Fに固定した地レール5と天井Sに固定した天レール6との間に所定間隔で立設した支柱(図示せず)間に支持し、空間を区画するのである。詳しくは、前記地レール5にアジャスター7を介して高さ調節可能に外嵌した巾木8に、間仕切パネル1Aの下端を嵌合し、間仕切パネル1Aの上端部は下方開放した断面略コ字形の前記天レール6の凹溝部内に嵌合し、支柱に間仕切パネル1Aの側端部を嵌合するとともに、適宜支柱にネジ止め等で連結して支持するのである。従って、本実施形態の間仕切パネル1Aは、両端部に凹陥部12,12を対称に形成したものになる。本実施形態の間仕切パネル1Aを地レール5と天レール6との間に保持し、室内空間を区画する構造は、基本的には前記同様であるので、その詳細は省略する。
【0031】
本発明の第2実施形態の間仕切パネル1Aも、図8〜図11に示すように、ハニカム芯材2をスチール製の表裏のパネル板3,3で挟んで一体化して構成する基本構成は前述の第1実施形態と同じである。前記芯材2として、不燃処理したペーパーハニカムを用いている。前記パネル板3は、表面板9の周囲を裏側へ折曲して縁板10を形成し、左右両側の前記縁板10の内縁から側方内側へ凹陥部12を折曲形成したものである。そして、前記芯材2の表裏両側にそれぞれ前記パネル板3,3の表面板9の裏面を接着して一体化することにより、表裏のパネル板3,3の両凹陥部12,12で嵌合凹部14を形成する。具体的には、前記パネル板3の凹陥部12は、前記縁板10の内縁から側方内側へ折曲形成した受板17と該受板17の端縁から前記縁板10と同じ折曲方向に折曲形成した当止板18とからなっている。このように構成した隣接する二つの間仕切パネル1A,1Aは、立設した支柱の両側部に両間仕切パネル1A,1Aの嵌合凹部14を嵌合して連結する。
【0032】
本実施形態の前記パネル板3は、図8及び図9に示すように、表裏反転させると元の形状と同一になるように構成し、表裏に使用するパネル板3,3を同一部材とし、製造コストと管理コストを低減している。つまり、本実施形態の前記パネル板3は下縁に断面略L字形の凹陥部19を折曲形成し、図6と同様に下部の凹陥部19,19を用いて前記巾木8に嵌合できるようになっており、また上縁は縁板10の内縁を直角に下方へ折曲して凹陥部19を形成し、表裏のパネル板3,3に形成した上部の凹陥部19,19を用いて他の欄間パネルあるいはガラスパネルを装着できるようになっている。
【0033】
また、本実施形態でも、表裏の前記パネル板3,3の両凹陥部12,12同士、つまり当止板18,18同士は、互いに接触することがないように設定し、両パネル板3の前記凹陥部12の上下対称位置に係合孔20,20を形成するとともに、前記嵌合凹部14内の底面部に接合可能な補強金具4Aの連結板21の両端部に形成した爪片22,22を、両パネル板3,3の対応する前記係合孔20,20にそれぞれ係合し、両パネル板3,3の間隔を規定している。更に詳しくは、図8〜図12に示すように、前記パネル板3の前記当止板18の上下部で、前記受板17に接近した位置に、縦長スリット状の前記係合孔20,20を形成している。
【0034】
そして、前記補強金具4Aは、略正方形の連結板21の両側中央部に直角に前記爪片22,22を折曲形成し、前記連結板21の中央部には両側の爪片22,22の基部に渡ってスリット28を形成するとともに、該スリット28は各爪片22の先端部に沿って形成した切欠穴29に連通している。更に詳しくは、前記爪片22は、先端が丸くなった側面視略D字形を有し、前記切欠穴29も側面視略D字形で、該切欠穴29を形成することにより、爪片22の先端部がアーチ状部分で繋がった形状となり、前記スリット28で分割された連結板21A,21Aは離れたり、接近したりする方向に弾性的に変位可能となっている。更に、前記爪片22の基部の両側端部に前記係合孔20の孔縁に係合する段部30,30を形成している。更に、前記連結板21のスリット28の中央部に、該スリット28の幅よりも直径が大きな連結孔31を形成している。
【0035】
前記ハニカム芯材2をスチール製の表裏のパネル板3,3で挟んで接着するとともに、両側において前記表裏のパネル板3,3に形成した係合孔20,20に、前記補強金具4Aの両爪片22,22を弾性変形させながら押し込み、前記段部30,30を係合孔20の上下孔縁に係合させて連結し、間仕切パネル1Aを製造する。ここで、前記間仕切パネル1Aの側部の嵌合凹部14に支柱を係合させ、該支柱側から貫通させたネジ2を前記補強金具4Aの連結孔31に螺入すると、前記両連結板21A,21Aは離れ、つまりスリット28の幅が広がる方向に変位して、それにより前記爪片22の段部30,30と係合孔20の係合がより高まるようになる。また、前記支柱の代わりに、前記間仕切パネル1Aの嵌合凹部14に縦枠を同様に連結することも可能であり、この縦枠を利用して隣接する他の間仕切パネル1Aと連結するようにすることも可能である。その場合も、前記補強金具4Aの連結孔31を用いて縦枠を連結する。
【符号の説明】
【0036】
1,1A 間仕切パネル、 2 芯材、
3 パネル板、 4,4A 補強金具、
5 地レール、 6 天レール、
7 アジャスター、 8 巾木、
9 表面板、 10 縁板、
11 突出部、 12 凹陥部、
13 嵌合凸部、 14 嵌合凹部、
15 挿入板、 16 補強板、
17 受板、 18 当止板、
19 凹陥部、 20 係合孔、
21 連結板、 22 爪片、
23 突起、 24 目地部、
25 凹溝部、 26 アジャスター受け、
27 アジャスターボルト、28 スリット、
29 切欠穴、 30 段部、
31 連結孔31、
F 床面、 S 天井。
【技術分野】
【0001】
本発明は、間仕切パネルに係わり、更に詳しくは端部同士を直接連結することが可能な間仕切パネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ペーパーハニカムや不燃処理を施したペーパーハニカムを芯材として、表裏にスチール製のパネル板を接合した構造の間仕切パネルは公知である。そして、間仕切パネルを連結する場合、天レールと地レールとの間に立設した支柱を介して複数の間仕切パネルを連結する構造が一般的である。それに対して、支柱を介在させずに間仕切パネルの端部同士を直接連結する構造も公知である。
【0003】
特許文献1には、フレームと該フレームの表裏両面に取付けた表面板とからなるパネルの端部同士を相互に接合する接合構造であって、一方のパネルの接合部分における縦方向のフレーム部材をウェブと該ウェブに連設するフランジとを備えた断面溝形とし、更にその両フランジを外向きとして表面板の端部より外方へ突出させ、このフランジ突出部を他方のパネルにおけるフレームと表面板間の隙間へ挿入して接合する構造が記載されている。
【0004】
特許文献2には、ハニカムコアの上下面に、表面板を接着してハニカムサンドイッチパネルを形成し、このパネル本体の端末部同士を、接続金具を介して接続するハニカムサンドイッチパネルの端末接続部の構造において、前記パネル本体の端末部に、それぞれ接続金具を埋設固定し、この接続金具の相対向する一方の面に係合凹部を形成すると共に、他方の面に前記係合凹部と係脱可能な係合凸部を設けた連結構造が開示されている。
【0005】
このように、従来の間仕切パネルは、表裏のパネル板の両側縁間に縦フレームを配置し、パネル板を縦フレームに固定して強度を高め、そして前記縦フレームに連結の機能を持たせていたのである。尚、縦フレームを用いない間仕切パネルの場合、表裏パネル板の両側端部に折曲形成した連結片を互いに接合して連結し、強度の高いシェル構造としたものが多い。そして、支柱を介在させて間仕切パネルを連結する場合には、支柱の側面の凹溝内に間仕切パネルの端部を嵌合するか、又は間仕切パネルの端部に形成した凹溝部に支柱を受け入れて連結する構造を採用している。
【0006】
しかし、ハニカム芯材をスチール製の表裏のパネル板で挟んだ軽量且つ簡易な構造で、支柱を介在させずに直接端部同士を連結する安価な間仕切パネルであるにも係わらす、特許文献1,2に記載のように、両側縁に縦フレームを設けることは、コスト低減化の妨げになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭61−257554号公報
【特許文献2】特開平07−217064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、ハニカム芯材を表裏のパネル板で挟んで一体化した軽量且つ簡易な構造であり、強度を維持しつつコスト低減化を図ることが可能な間仕切パネルを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前述の課題解決のために、ハニカム芯材をスチール製の表裏のパネル板で挟んで一体化した間仕切パネルであって、表裏のパネル板の端部同士が互いに接触することがなく、前記ハニカム芯材と表裏のパネル板とを接着するとともに、少なくとも左右一側において表裏のパネル板の端部同士を補強金具で連結したことを特徴とする間仕切パネルを構成した(請求項1)。
【0010】
ここで、前記表裏のパネル板の側端部にそれぞれ係合孔を形成し、前記補強金具は連結板の両端部に爪片を折曲形成したものであり、該補強金具の両爪片を対応する表裏のパネル板の係合孔に係合し、両パネル板の間隔を規定してなることが好ましい(請求項2)。
【0011】
具体的には、前記パネル板は、表面板の周囲を裏側へ折曲して縁板を形成し、左右の少なくとも一側に前記縁板の内縁から側方内側へ凹陥部を折曲形成するとともに、表裏パネル板の前記凹陥部内に係合孔を形成し、前記補強金具は表裏パネル板の凹陥部で形成される嵌合凹部内の底面部に接合可能な連結板と、該連結板の両端部に形成した爪片を備え、両爪片を両パネル板の対応する前記係合孔にそれぞれ係合してなることがより好ましい(請求項3)。
【0012】
更に、前記パネル板に縦長の係合孔を形成し、前記補強金具は連結板の両側中央部に直角に前記爪片を折曲形成し、前記連結板の中央部には両側の爪片の基部に渡ってスリットを形成するとともに、該スリットは各爪片の先端部に沿って形成した切欠穴に連通し、更に前記爪片の基部の両側端部に前記係合孔の孔縁に係合する段部を形成していることがより好ましい(請求項4)。
【0013】
そして、前記補強金具の連結板に形成したスリットの中央部に、該スリットの幅よりも直径が大きな連結孔を形成してなることも好ましい(請求項5)。
【発明の効果】
【0014】
以上にしてなる請求項1に係る発明の間仕切パネルは、ハニカム芯材をスチール製の表裏のパネル板で挟んで一体化した間仕切パネルであって、表裏のパネル板の端部同士が互いに接触することがなく、前記ハニカム芯材と表裏のパネル板とを接着するとともに、少なくとも左右一側において表裏のパネル板の端部同士を補強金具で連結したので、パネル板の材料使用量を最小にするとともに、構造を単純にしてコスト低減化と軽量化を図ることができるにも係わらず、表裏のパネル板がハニカム芯材に接着した状態で、表裏のパネル板の端部同士を補強金具で機械的に連結したので、間仕切パネルとしての必要な強度も備えている。
【0015】
請求項2によれば、前記表裏のパネル板の側端部にそれぞれ係合孔を形成し、前記補強金具は連結板の両端部に爪片を折曲形成したものであり、該補強金具の両爪片を対応する表裏のパネル板の係合孔に係合し、両パネル板の間隔を規定してなるので、補強金具で表裏のパネル板を簡単且つ強固に連結することができる。
【0016】
請求項3によれば、前記パネル板は、表面板の周囲を裏側へ折曲して縁板を形成し、左右の少なくとも一側に前記縁板の内縁から側方内側へ凹陥部を折曲形成するとともに、表裏パネル板の前記凹陥部内に係合孔を形成し、前記補強金具は表裏パネル板の凹陥部で形成される嵌合凹部内の底面部に接合可能な連結板と、該連結板の両端部に形成した爪片を備え、両爪片を両パネル板の対応する前記係合孔にそれぞれ係合してなるので、補強金具の両爪片を表裏のパネル板の係合孔に係合すると、連結板が嵌合凹部内の底面部に接合するので、嵌合凹部を支柱や縦枠に係合して連結するために使用することができ、その場合には補強金具で間隔が規定されるので表裏のパネル板がハニカム芯材から剥がれることを防止でき、また補強金具も隠蔽され外観性を損なうことがない。
【0017】
請求項4によれば、前記パネル板に縦長の係合孔を形成し、前記補強金具は連結板の両側中央部に直角に前記爪片を折曲形成し、前記連結板の中央部には両側の爪片の基部に渡ってスリットを形成するとともに、該スリットは各爪片の先端部に沿って形成した切欠穴に連通し、更に前記爪片の基部の両側端部に前記係合孔の孔縁に係合する段部を形成しているので、前記爪片の基端部に弾力性が付与され、係合孔に爪片を係合する際に弾性変形して段部が係合孔の上下孔縁を越えて挿入でき、そして挿入後は段部が係合孔の上下孔縁に係止するので確実に抜止め状態となる。
【0018】
請求項5によれば、前記補強金具の連結板に形成したスリットの中央部に、該スリットの幅よりも直径が大きな連結孔を形成してなるので、連結孔にネジを螺入した際に、スリットの幅が拡大する方向に外力が加わり、それにより爪片の段部が係合孔の上下孔縁により強く係合するようになり、爪片と係合孔の係合状態が更に安定的になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る間仕切パネルの使用状態を示す簡略正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の間仕切パネルの拡大横断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態の間仕切パネルの拡大縦断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態の間仕切パネルの分解斜視図である。
【図5】補強金具を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は平面図、(d)は斜視図である。
【図6】本発明の間仕切パネルを地レールと天レール間に支持した状態の縦断面図であり、(a)は図1のX−X線断面図、(b)は間仕切パネルの端面位置での断面図である。
【図7】図1のY−Y線断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態の間仕切パネルの分解斜視図である。
【図9】本発明の第2実施形態の間仕切パネルの全体斜視図である。
【図10】本発明の第2実施形態の間仕切パネルの部分縦断面図である。
【図11】本発明の第2実施形態の間仕切パネルの部分側面図である。
【図12】補強金具の変形例を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は平面図、(d)は斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1は本発明の間仕切パネルを床面Fと天井Sとの間に施工した使用状態を示し、図2〜図7は本発明の間仕切パネルの第1実施形態を示し、図8〜図12は本発明の間仕切パネルの第2実施形態を示し、図中符号1,1Aは間仕切パネル、2は芯材、3はパネル板、4,4Aは補強金具をそれぞれ示している。
【0021】
本発明の第1実施形態に係る間仕切パネル1は、図1及び図6に示すように、床面Fに固定した地レール5と天井Sに固定した天レール6との間に支持し、複数の間仕切パネル1,…を側方に凹凸嵌合によって連結し、空間を区画するのである。詳しくは、前記地レール5にアジャスター7を介して高さ調節可能に外嵌した巾木8に、間仕切パネル1の下端を嵌合し、間仕切パネル1の上端部は下方開放した断面略コ字形の前記天レール6の凹溝部内に嵌合して支持するのである。
【0022】
本発明の第1実施形態の間仕切パネル1は、図2〜図4に示すように、ハニカム芯材2をスチール製の表裏のパネル板3,3で挟んで一体化して構成する。前記芯材2としては、不燃ハニカム芯材を用いることが好ましい。前記パネル板3は、表面板9の周囲を裏側へ折曲して縁板10を形成し、左右一側の前記縁板10の内縁から側方外側へ突出部11を折曲形成するとともに、左右他側の前記縁板10の内縁から側方内側へ凹陥部12を折曲形成したものである。そして、前記芯材2の表裏両側にそれぞれ前記パネル板3,3の表面板9の裏面を接着して一体化することにより、表裏のパネル板3,3の両突出部11,11で嵌合凸部13を形成するとともに、両凹陥部12,12で嵌合凹部14を形成する。
【0023】
このように構成した隣接する二つの間仕切パネル1,1は、図7に示すように、一方の間仕切パネル1の嵌合凸部13と他方の間仕切パネル1の嵌合凹部14を嵌合して連結する。前記地レール5及び天レール6に沿った方向の移動は、端部に位置する間仕切パネル1の移動を規制することにより、例えば壁面に端部部材を介して当止し、あるいはドア枠やコーナーボストに当止して規制する。隣接する間仕切パネル1,1同士は、前記嵌合凸部13と嵌合凹部14の嵌合によって連結することにより、面外方向の互いの変位は規制される。
【0024】
具体的には、前記パネル板3の突出部11は、前記縁板10の内縁から側方外側へ折曲形成した挿入板15と該挿入板15の端縁から前記縁板10と同じ折曲方向に折曲形成した補強板16とからなり、前記凹陥部12は、前記縁板10の内縁から側方内側へ折曲形成した受板17と該受板17の端縁から前記縁板10と同じ折曲方向に折曲形成した当止板18とからなっている。尚、前記突出部11は、強度の問題が許せば、前記補強板16を省略して前記挿入板15のみで構成しても良い。
【0025】
本実施形態では、前記パネル板3は、図3及び図4に示すように、上下反転させると元の形状に対して鏡像関係になるように構成し、表裏に使用するパネル板3,3を同一部材とし、製造コストと管理コストを低減している。つまり、前記パネル板3の上下縁の構造は、前記縁板10の内縁から上下方向内側へ断面略L字形の凹陥部19,19を折曲形成している。即ち、上方の縁板10の内縁から下方へ凹陥部19を形成し、下方の縁板10の内縁から上方へ凹陥部19を形成し、上下対称形となっている。
【0026】
また、本実施形態では、表裏の前記パネル板3,3の両突出部11,11同士及び両凹陥部12,12同士は、互いに接触することがないように設定し、両パネル板3の前記凹陥部12の上下対称位置に係合孔20,20を形成するとともに、前記嵌合凹部14内の底面部に接合可能な補強金具4の連結板21の両端部に形成した爪片22,22を、両パネル板3,3の対応する前記係合孔20,20にそれぞれ係合し、両パネル板3,3の間隔を規定している。更に詳しくは、図4及び図5に示すように、前記パネル板3の前記当止板18の上下部で、前記受板17に接近した位置に、縦長スリット状の前記係合孔20,20を形成している。そして、前記補強金具4は、略正方形の連結板21の両側中央部に直角に前記爪片22,22を折曲形成し、該爪片22には前記係合孔20に嵌入後に抜止め規制するための突起23を切り起こして形成している。
【0027】
そして、図7に示すように、一方の間仕切パネル1の前記嵌合凸部13を他方の間仕切パネル1の嵌合凹部14に嵌合して連結した状態で、両間仕切パネル1,1の縁板10,10間に所定幅の目地部24が形成されるように、前記突出部11の突出長さを前記凹陥部12の深さより大きく設定している。
【0028】
図6に示すように、前記間仕切パネル1の下端には、表裏の前記パネル板3,3の凹陥部19,19により凹溝部25が形成されており、この凹溝部25に下方開放した断面略コ字形の前記巾木8の上端部が嵌合し、該巾木8の下部は、上方開放した断面略コ字形の前記地レール5に外嵌している。そして、前記地レール5の溝内にアジャスター受け26を嵌合して設置し、該アジャスター受け26に螺合した鉛直方向のアジャスターボルト27の頭部で、前記巾木8の溝内の上面板を載支している。尚、前記間仕切パネル1は、前記天レール6の内部で上方へ持ち上がらないように、図示しない天固定金具によって固定されている。
【0029】
前記間仕切パネル1の表裏のパネル板3,3は、直接接触することなく、前記芯材2の表裏両面にそれぞれ表面板9,9の裏面がホットメルト接着剤によって接着され、そして前記嵌合凹部14側においては、両パネル板3,3の凹陥部12,12を構成する当止板18,18に形成した係合孔20,20に補強金具4の爪片22,22が嵌入し、連結板21が両当止板18,18に接合しているので、表裏のパネル板3,3が引き離される方向の力が加わってもその間隔は強固に規制されるのである。それにより、他の間仕切パネル1の嵌合凸部13の側を補強金具で連結しなくても、前記嵌合凸部13が嵌合凹部14に嵌合することにより、嵌合凹部14を構成する両受板17,17に嵌合凸部13を構成する挿入板15,15が当止して、該嵌合凸部13の側からも両パネル板3,3が芯材2から引き剥がされることもないのである。
【0030】
本発明の第2実施形態に係る間仕切パネル1Aは、床面Fに固定した地レール5と天井Sに固定した天レール6との間に所定間隔で立設した支柱(図示せず)間に支持し、空間を区画するのである。詳しくは、前記地レール5にアジャスター7を介して高さ調節可能に外嵌した巾木8に、間仕切パネル1Aの下端を嵌合し、間仕切パネル1Aの上端部は下方開放した断面略コ字形の前記天レール6の凹溝部内に嵌合し、支柱に間仕切パネル1Aの側端部を嵌合するとともに、適宜支柱にネジ止め等で連結して支持するのである。従って、本実施形態の間仕切パネル1Aは、両端部に凹陥部12,12を対称に形成したものになる。本実施形態の間仕切パネル1Aを地レール5と天レール6との間に保持し、室内空間を区画する構造は、基本的には前記同様であるので、その詳細は省略する。
【0031】
本発明の第2実施形態の間仕切パネル1Aも、図8〜図11に示すように、ハニカム芯材2をスチール製の表裏のパネル板3,3で挟んで一体化して構成する基本構成は前述の第1実施形態と同じである。前記芯材2として、不燃処理したペーパーハニカムを用いている。前記パネル板3は、表面板9の周囲を裏側へ折曲して縁板10を形成し、左右両側の前記縁板10の内縁から側方内側へ凹陥部12を折曲形成したものである。そして、前記芯材2の表裏両側にそれぞれ前記パネル板3,3の表面板9の裏面を接着して一体化することにより、表裏のパネル板3,3の両凹陥部12,12で嵌合凹部14を形成する。具体的には、前記パネル板3の凹陥部12は、前記縁板10の内縁から側方内側へ折曲形成した受板17と該受板17の端縁から前記縁板10と同じ折曲方向に折曲形成した当止板18とからなっている。このように構成した隣接する二つの間仕切パネル1A,1Aは、立設した支柱の両側部に両間仕切パネル1A,1Aの嵌合凹部14を嵌合して連結する。
【0032】
本実施形態の前記パネル板3は、図8及び図9に示すように、表裏反転させると元の形状と同一になるように構成し、表裏に使用するパネル板3,3を同一部材とし、製造コストと管理コストを低減している。つまり、本実施形態の前記パネル板3は下縁に断面略L字形の凹陥部19を折曲形成し、図6と同様に下部の凹陥部19,19を用いて前記巾木8に嵌合できるようになっており、また上縁は縁板10の内縁を直角に下方へ折曲して凹陥部19を形成し、表裏のパネル板3,3に形成した上部の凹陥部19,19を用いて他の欄間パネルあるいはガラスパネルを装着できるようになっている。
【0033】
また、本実施形態でも、表裏の前記パネル板3,3の両凹陥部12,12同士、つまり当止板18,18同士は、互いに接触することがないように設定し、両パネル板3の前記凹陥部12の上下対称位置に係合孔20,20を形成するとともに、前記嵌合凹部14内の底面部に接合可能な補強金具4Aの連結板21の両端部に形成した爪片22,22を、両パネル板3,3の対応する前記係合孔20,20にそれぞれ係合し、両パネル板3,3の間隔を規定している。更に詳しくは、図8〜図12に示すように、前記パネル板3の前記当止板18の上下部で、前記受板17に接近した位置に、縦長スリット状の前記係合孔20,20を形成している。
【0034】
そして、前記補強金具4Aは、略正方形の連結板21の両側中央部に直角に前記爪片22,22を折曲形成し、前記連結板21の中央部には両側の爪片22,22の基部に渡ってスリット28を形成するとともに、該スリット28は各爪片22の先端部に沿って形成した切欠穴29に連通している。更に詳しくは、前記爪片22は、先端が丸くなった側面視略D字形を有し、前記切欠穴29も側面視略D字形で、該切欠穴29を形成することにより、爪片22の先端部がアーチ状部分で繋がった形状となり、前記スリット28で分割された連結板21A,21Aは離れたり、接近したりする方向に弾性的に変位可能となっている。更に、前記爪片22の基部の両側端部に前記係合孔20の孔縁に係合する段部30,30を形成している。更に、前記連結板21のスリット28の中央部に、該スリット28の幅よりも直径が大きな連結孔31を形成している。
【0035】
前記ハニカム芯材2をスチール製の表裏のパネル板3,3で挟んで接着するとともに、両側において前記表裏のパネル板3,3に形成した係合孔20,20に、前記補強金具4Aの両爪片22,22を弾性変形させながら押し込み、前記段部30,30を係合孔20の上下孔縁に係合させて連結し、間仕切パネル1Aを製造する。ここで、前記間仕切パネル1Aの側部の嵌合凹部14に支柱を係合させ、該支柱側から貫通させたネジ2を前記補強金具4Aの連結孔31に螺入すると、前記両連結板21A,21Aは離れ、つまりスリット28の幅が広がる方向に変位して、それにより前記爪片22の段部30,30と係合孔20の係合がより高まるようになる。また、前記支柱の代わりに、前記間仕切パネル1Aの嵌合凹部14に縦枠を同様に連結することも可能であり、この縦枠を利用して隣接する他の間仕切パネル1Aと連結するようにすることも可能である。その場合も、前記補強金具4Aの連結孔31を用いて縦枠を連結する。
【符号の説明】
【0036】
1,1A 間仕切パネル、 2 芯材、
3 パネル板、 4,4A 補強金具、
5 地レール、 6 天レール、
7 アジャスター、 8 巾木、
9 表面板、 10 縁板、
11 突出部、 12 凹陥部、
13 嵌合凸部、 14 嵌合凹部、
15 挿入板、 16 補強板、
17 受板、 18 当止板、
19 凹陥部、 20 係合孔、
21 連結板、 22 爪片、
23 突起、 24 目地部、
25 凹溝部、 26 アジャスター受け、
27 アジャスターボルト、28 スリット、
29 切欠穴、 30 段部、
31 連結孔31、
F 床面、 S 天井。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハニカム芯材をスチール製の表裏のパネル板で挟んで一体化した間仕切パネルであって、表裏のパネル板の端部同士が互いに接触することがなく、前記ハニカム芯材と表裏のパネル板とを接着するとともに、少なくとも左右一側において表裏のパネル板の端部同士を補強金具で連結したことを特徴とする間仕切パネル。
【請求項2】
前記表裏のパネル板の側端部にそれぞれ係合孔を形成し、前記補強金具は連結板の両端部に爪片を折曲形成したものであり、該補強金具の両爪片を対応する表裏のパネル板の係合孔に係合し、両パネル板の間隔を規定してなる請求項1記載の間仕切パネル。
【請求項3】
前記パネル板は、表面板の周囲を裏側へ折曲して縁板を形成し、左右の少なくとも一側に前記縁板の内縁から側方内側へ凹陥部を折曲形成するとともに、表裏パネル板の前記凹陥部内に係合孔を形成し、前記補強金具は表裏パネル板の凹陥部で形成される嵌合凹部内の底面部に接合可能な連結板と、該連結板の両端部に形成した爪片を備え、両爪片を両パネル板の対応する前記係合孔にそれぞれ係合してなる請求項2記載の間仕切パネル。
【請求項4】
前記パネル板に縦長の係合孔を形成し、前記補強金具は連結板の両側中央部に直角に前記爪片を折曲形成し、前記連結板の中央部には両側の爪片の基部に渡ってスリットを形成するとともに、該スリットは各爪片の先端部に沿って形成した切欠穴に連通し、更に前記爪片の基部の両側端部に前記係合孔の孔縁に係合する段部を形成している請求項2又は3記載の間仕切パネル。
【請求項5】
前記補強金具の連結板に形成したスリットの中央部に、該スリットの幅よりも直径が大きな連結孔を形成してなる請求項4記載の間仕切パネル。
【請求項1】
ハニカム芯材をスチール製の表裏のパネル板で挟んで一体化した間仕切パネルであって、表裏のパネル板の端部同士が互いに接触することがなく、前記ハニカム芯材と表裏のパネル板とを接着するとともに、少なくとも左右一側において表裏のパネル板の端部同士を補強金具で連結したことを特徴とする間仕切パネル。
【請求項2】
前記表裏のパネル板の側端部にそれぞれ係合孔を形成し、前記補強金具は連結板の両端部に爪片を折曲形成したものであり、該補強金具の両爪片を対応する表裏のパネル板の係合孔に係合し、両パネル板の間隔を規定してなる請求項1記載の間仕切パネル。
【請求項3】
前記パネル板は、表面板の周囲を裏側へ折曲して縁板を形成し、左右の少なくとも一側に前記縁板の内縁から側方内側へ凹陥部を折曲形成するとともに、表裏パネル板の前記凹陥部内に係合孔を形成し、前記補強金具は表裏パネル板の凹陥部で形成される嵌合凹部内の底面部に接合可能な連結板と、該連結板の両端部に形成した爪片を備え、両爪片を両パネル板の対応する前記係合孔にそれぞれ係合してなる請求項2記載の間仕切パネル。
【請求項4】
前記パネル板に縦長の係合孔を形成し、前記補強金具は連結板の両側中央部に直角に前記爪片を折曲形成し、前記連結板の中央部には両側の爪片の基部に渡ってスリットを形成するとともに、該スリットは各爪片の先端部に沿って形成した切欠穴に連通し、更に前記爪片の基部の両側端部に前記係合孔の孔縁に係合する段部を形成している請求項2又は3記載の間仕切パネル。
【請求項5】
前記補強金具の連結板に形成したスリットの中央部に、該スリットの幅よりも直径が大きな連結孔を形成してなる請求項4記載の間仕切パネル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−132297(P2012−132297A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192509(P2011−192509)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【Fターム(参考)】
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