間引き剤
オーキシン、オーキシン前駆体、オーキシン代謝産物又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体又はそれらの混合物及びアセトアミノフェン若しくはその誘導体から選択される化合物を含む、化学的間引き剤としての使用のための組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、場合によって、アセトアミノフェン、又はアセトアミノフェンと組み合わせたオーキシンと組み合わせた、限定されないが、特にアントラニル酸で植物を処理することによって植物の果実及び/又は花の数を減少させるための方法及び組成物に関する。
【0002】
発明の背景
多くの植物は、高品質の果実の生産に望まれるよりも多くの果実を生成する。果実、又は果実をもたらし得る花の間引きは、この過剰生産を防止し、連年結果を増進し得る。間引きは同様に、果実のサイズを増加し、果実の色を改善し、植物の活力を増加する。
【0003】
手作業による間引きは、非常に高価であり、大きな労働力を要する。したがって、有効な化学的間引き剤に対する強いニーズが存在する。これまで利用可能な化学的間引き剤は、間引き不足又は間引き過ぎのために有効でないことがあり、有害な場合もある。
【0004】
ナフタレン酢酸(NAA)は、一般的に使用されている果実間引き剤である。しかし、この薬剤には活性の不安定性のリスクが存在し、高用量において葉の損傷をもたらし得る。NAA及び別の市販の間引き剤であるナフタレンアセトアミド(NAD)の両方とも、それらの効率を増加させるために殺虫剤のCarbarylと組み合わせて使用されている。しかし、殺虫剤としてのCarbarylは、ミツバチ及び他の益虫に毒性がある。
【0005】
別の市販の間引き剤は、ベンジルアデニン(BA)である。NAAの使用と同様に、NAA又はNADとのその施用後にピグミー果実(pygmy fruit)が報告されている。
【0006】
したがって、改善された特性を提供するさらなる化学的間引き剤に対するニーズが残存している。
【0007】
発明の概要
本発明は、アントラニル酸又はその誘導体の間引きのための新規な使用に関する。
【0008】
アントラニル酸は、染料、顔料及びサッカリンの製造用の中間体として使用される。アントラニル酸及びそのエステルは、ジャスミン及びオレンジを模倣した香料、医薬品(フロセミドなどのループ利尿薬)及び紫外線吸収剤、並びに金属の腐食防止剤及び醤油のかび防止剤の調製においても使用される。化学的間引き剤としてのその有用性は驚くべきものである。
【0009】
本発明は、オーキシン、アントラニル酸又は他のオーキシン関連化合物と組み合わせたアセトアミノフェン又はその誘導体の間引きのための使用に関する。
【0010】
アセトアミノフェンは、市販鎮痛薬及び解熱薬として広く使用されている。化学的間引き剤パッケージの一部としてのその効果が驚くべきものであることは理解されよう。
【0011】
発明の説明
本発明は、植物が実を結ばせ成熟期まで生長させる果実の最終数量を減少させるための、開花又は小果実段階における、オーキシン、オーキシン前駆体、オーキシン代謝産物又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体又はそれらの混合物及びアセトアミノフェン又はその誘導体から選択される化合物を含む有効量の組成物による植物の処理を対象としている。
【0012】
本発明は、植物が実を結ばせ成熟期まで生長させる果実の最終数量を減少させるための、開花又は小果実段階における、AN並びにその有効な塩、エステル及びアミドの類似体を包含するアントラニル酸(「AN」とも称される)又はその有効な塩、エステル、又はアミドの有効量による植物の処理も対象としている。
【0013】
類似体によって、本発明者らは、例えばANと、類似の構造、即ち、同じ又は類似の活性部分、及び類似の化学特性を有し、化学的間引きを生じ得る化合物を包含する。
【0014】
本発明の一態様によれば、オーキシン、オーキシン前駆体、オーキシン代謝産物又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体又はそれらの混合物及びアセトアミノフェン又はその類似体若しくは誘導体から選択される化合物を含む、化学的間引き剤としての使用のための組成物が提供される。
【0015】
本発明の別の態様によれば、化学的間引き剤としての使用のためのアントラニル酸又はその類似体若しくは誘導体が提供される。言葉を換えれば、本発明は、顕花植物又は実をつける植物を化学的に間引きするための、1種又は2種以上のAN又はその類似体若しくは誘導体を含む、又は本質的にそれらからなる、又はそれらからなる組成物である。
【0016】
一態様において、AN又はその類似体の誘導体は、この酸の塩、エステル、若しくはアミド、又は前述のもののいずれかのコンジュゲートである。
【0017】
一態様において、本発明において使用される誘導化合物はコンジュゲートの形態にある、例えば、糖、アルコール、アミノ酸、ペプチド又はタンパク質にコンジュゲートされている。
【0018】
一態様において、ANの類似体は、図1に示された構造を有する化合物である。
【0019】
参照を容易にするために、本発明者らは、上述されたAN、その類似体及び誘導体の全てを、「AN関連化合物」と呼ぶ。
【0020】
本発明は、オーキシン、オーキシン前駆体、オーキシン代謝産物又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体又はそれらの混合物及びアセトアミノフェン又はその類似体若しくは誘導体から選択される化合物を含む組成物を提供し、ここで、オーキシン前駆体はANではない。
【0021】
参照を容易にするために、本発明者らは、オーキシン、オーキシン前駆体、オーキシン代謝産物又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体も「オーキシン関連化合物」と呼ぶ。
【0022】
別の態様において、オーキシン、オーキシン前駆体、オーキシン代謝産物又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体又はそれらの混合物、及びさらなる農業化学的に許容される化学的間引き剤としての使用のための構成成分及び場合によってアセトアミノフェン又はその類似体若しくは誘導体から選択される化合物を含む組成物が提供される。
【0023】
「農業化学的に許容される構成成分」によって、本発明者らは、植物が耐性を有する、理想的には植物に有益な構成成分を包含する。
【0024】
一態様において、オーキシン関連化合物は、インドール環に基づく。別の態様において、オーキシン関連化合物は、フェノール環に基づく。
【0025】
一態様において、誘導体は、オーキシン、オーキシン前駆体、又はオーキシン代謝産物の酸、コンジュゲート、塩、エステル、又はアミドである。
【0026】
一態様において、誘導体は、コンジュゲートの形態にあり、例えば、糖、アルコール、アミノ酸、ペプチド又はタンパク質にコンジュゲートされている。
【0027】
一態様において、オーキシン前駆体は、コリスメート、アントラニル酸、ホスホリボシルアントラニレート、1−(O−カルボキシフェニルアミノ)−1−デオキシリブロース−5−ホスフェート、インドール−3−グリセロール−ホスフェート、インドール、インドール−3−酢酸、トリプトファン、トリプタミン、N−ヒドロキシトリプタミン、インドール−3−アセトアルドキシム、1−アシ−ニトロ−2−インドリルエタン、インドールグルコシノレート、インドール−3−アセトニトリル(IAN)、インドール−3−アセトアルデヒド、インドール−3−乳酸、インドール−3−ピルビン酸、又はインドール−3−エタノールである。
【0028】
特に好ましい一態様において、オーキシン前駆体は、上記に示されたアントラニル酸又はその誘導体である。
【0029】
オーキシン関連化合物は、海草又は藻類から得られるもののように天然、又は合成オーキシンであってよい。
【0030】
一態様において、天然オーキシンは、インドール−3−酢酸(IAA)、4−クロロ−インドール−3−酢酸(4−Cl−IAA)、フェニル酢酸(PAA)、インドール−3−酪酸(IBA)、インドール−3−アセチル−1−O−β−D−グルコース(IAAglc)である。
【0031】
一態様において、天然オーキシンのコンジュゲートは、IAA−イノシトール、IAA−イノシトール−アラビノース、IAP1、IAA−ペプチド、IAA−糖タンパク質、IAA−グルカン、IAA−アスパルテート、IAA−グルコース、IAA−1−O−グルコース、IAA−ミオ−イノシトール、IAA−4−O−グルコース、IAA−6−O−グルコース、IAA−イノシトール−ガラクトース、IAAアミドコンジュゲート、又はIAA−アミノ酸コンジュゲートである。
【0032】
一態様において、合成オーキシンは、1−ナフタレン酢酸(NAA)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)、2−メトキシ−3,6−ジクロロ安息香酸(ジカンバ)、4−アミノ−3,5,6−トリクロロピコリン酸(トルドン)、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5−T)、2,3,6−トリクロロ安息香酸、4−クロロ−2メチルフェノキシ酢酸(MCPA)又はN,N−ジメチルエチルチオカルバメートである。
【0033】
一態様において、オーキシン代謝産物は、インドール−3−乳酸又はインドール−3−エタノールである。
【0034】
一態様において、アセトアミノフェン誘導体は、図3に示されたような化合物である。
【0035】
本発明の別の態様において、さらなる化学的間引き剤と組み合わせた、上述された化合物又は組成物を含む、化学的間引き剤としての使用のための組成物が提供される。
【0036】
このようなさらなる化学的間引き剤の例には、ベンジルアデニン、1−ナフチル酢酸、カルバリル、(2−クロロフェノキシ)プロピオン酸、エテホン、ナフタレンアセトアミド、チジアズロン、アンモニウムチオスルフェート、DNOC、エンドタール酸、ジベレリン酸、石灰硫黄合剤、スルホカルバミド及びペラルゴン酸が包含される。
【0037】
一態様において、さらなる農業化学的に許容される構成成分は、a)D−リボース、D−キシロース、L−アラビノース、D−グルコース、D−マンノース及びD−ガラクトースなどの、グルコース、加水分解デンプン、スクロース、フルクトース、グリセロール、グリセルアルデヒド、エリスロース、リブロース、キシルロース又はアラビノース、アルドースを包含する単糖類;D−リブロース及びD−フルクトースなどのケトース;2−デオキシ−D−リボース、L−フコースなどのデオキシアルドース;N−アセチル−D−グルコサミン及びN−アセチル−D−ガラクトサミンなどのアセチル化アミノ糖;D−グルクロン酸、L−イズロン酸及びN−アセチルノイラミン酸などの酸性単糖類、D−ソルビトール及びD−マンニトールなどの糖アルコール、マルトース、ラクトース及びスクロースを包含する二糖類、又はこのような炭水化物のエステル若しくはグリコシド若しくは代謝等価物;b)Krebsトリカルボン酸サイクルの有機酸又はその代謝前駆体;c)ビタミン又は補酵素、又はその前駆体;d)プリン又はピリミジンヌクレオシド、ヌクレオチド又はその代謝前駆体;e)自然発生の脂肪又は油;或いはf)アミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物を含む。
【0038】
好ましくは、さらなる農業化学的に許容される構成成分は、c)ビタミン若しくは補酵素、若しくはそれらの前駆体;d)プリン若しくはピリミジンヌクレオシド、そのヌクレオチド若しくは代謝前駆体;又はf)アミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物を含む。
【0039】
一態様において、本発明のAN関連化合物又は組成物は、果実の間引き剤としての使用のためである。
【0040】
別の態様において、本発明のAN関連化合物又は組成物は、花の間引き剤としての使用のためである。
【0041】
本発明の別の態様において、本発明のAN関連化合物又は組成物の化学的間引き有効量を、植物、又はその部位に施用するステップを含む化学的間引きの方法が提供される。
【0042】
したがって、本発明は、花の数を減少させ且つ/又は植物に実を結び成熟する果実の数を減少させるために、有効量のAN関連化合物を単独で、又はアセトアミノフェン若しくはその誘導体及び/若しくは別の好適な成分の同時若しくは逐次施用と組み合わせて顕花植物又は実をつける植物に施用する方法に関する。
【0043】
本発明は、花の数を減少させ且つ/又は植物に実を結び成熟する果実の数を減少させるために、アセトアミノフェン又はその誘導体及び/又は別の好適な成分の同時又は逐次的施用と組み合わせた有効量のオーキシン関連化合物を、顕花植物又は実をつける植物に施用する方法にも関する。
【0044】
このような植物の限定されない例には、高木、潅木、つる、野菜又は他の作物、又は鑑賞植物が含まれる。
【0045】
このような果実の限定されない例には、仁果、核果、柑橘類果実又はキーウィフルーツが包含される。一態様において、このような限定されない例には、リンゴ、ナシ、スモモ、サクランボ、アンズ、モモ又はネクタリン又はブドウが包含される。
【0046】
より詳しく下記に記載されるように、本発明の構成成分は、同時又は異なる時間に施用し得る。したがって、本発明者らは、その少なくとも1つが別々の容器にある本発明の構成成分を含むキットを記載した。
【0047】
本発明による構成成分の組合せは、その間引き効果に関して相乗効果も生じ得る。
【0048】
利点
本発明者らは、AN関連化合物、特にANは、単独で又は他の農業化学的に許容される化合物と混合して施用される場合、これが有用であると考えられる限り、(果実及び花におけるいくつかある利益の中で特に)有効な植物生体制御剤であることを見出した。
【0049】
本発明者らは、オーキシン関連化合物、より詳しくはAN関連化合物、さらにより詳しくはANは、他の農業化学的に許容される化合物との組合せとして又はそれらと混合してアセトアミノフェンと共に施用される場合、これが有用であると考えられる限り、(果実及び花におけるいくつかある利益の中で特に)有効な化学的間引き剤であることを見出した。
【0050】
本発明者らは、オーキシン関連化合物、より詳しくはAN関連化合物、さらにより詳しくはANは、a)D−リボース、D−キシロース、L−アラビノース、D−グルコース、D−マンノース及びD−ガラクトースなどの、グルコース、加水分解デンプン、スクロース、フルクトース、グリセロール、グリセルアルデヒド、エリスロース、リブロース、キシルロース又はアラビノース、アルドースを包含する単糖類;D−リブロース及びD−フルクトースなどのケトース;2−デオキシ−D−リボース、L−フコースなどのデオキシアルドース;N−アセチル−D−グルコサミン及びN−アセチル−D−ガラクトサミンなどのアセチル化アミノ糖;D−グルクロン酸、L−イズロン酸及びN−アセチルノイラミン酸などの酸性単糖類、D−ソルビトール及びD−マンニトールなどの糖アルコール、マルトース、ラクトース及びスクロースを包含する二糖類、又はこのような炭水化物のエステル若しくはグリコシド若しくは代謝等価物;b)Krebsトリカルボン酸サイクルの有機酸又はその代謝前駆体;c)ビタミン又は補酵素、又はその前駆体;d)プリン又はピリミジンヌクレオシド、ヌクレオチド又はその代謝前駆体;e)自然発生の脂肪又は油;或いはf)アミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物などの添加剤と混合したアセトアミノフェンと共に施用される場合、これが有用であると考えられる限り、(果実におけるいくつかある利益の中で特に)有効な化学的間引き剤であることを見出した。
【0051】
本発明者らは、上記の化合物及び組成物は、一連の種に添加された場合、化学的間引き剤として作用し、作物の安全性を改善することを見出した。このような化合物又は組成物は、それら単独で又は他の市販の化学的間引き剤と組み合わせて使用された場合、例えば、それらの安全性、効果又は経済的な魅力を改善するために役立つ。
【0052】
本発明者らは、本発明は、いくつかの市販の標準の化学的間引き剤と比較して、薬害が少なく、且つ/又はピグミー果実をもたらすことがまったく又は殆どないことを見出した。
【0053】
本発明者らは、本発明は、市販の標準の化学的間引き剤よりも広い施用ウィンドウを可能にすることも見出した。
【0054】
本発明者らは、本発明は、より少ない果実数、果実の割合及びサイズ、低品質サイズ果実及び/又は表皮品質(低い褐斑評点)における減少の少なくとも1つ又は2つ以上における改善をもたらすことも見出した。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1(1)】アントラニル酸の類似体の例の構造を示した図である。
【図1(2)】アントラニル酸の類似体の例の構造を示した図である。
【図1(3)】アントラニル酸の類似体の例の構造を示した図である。
【図1(4)】アントラニル酸の類似体の例の構造を示した図である。
【図1(5)】アントラニル酸の類似体の例の構造を示した図である。
【図1(6)】アントラニル酸の類似体の例の構造を示した図である。
【図2】自然発生のオーキシン及びコンジュゲートの例の構造を示した図である。
【図3(1)】アセトアミノフェンの誘導体の例の構造を示した図である。
【図3(2)】アセトアミノフェンの誘導体の例の構造を示した図である。
【図3(3)】アセトアミノフェンの誘導体の例の構造を示した図である。
【図3(4)】アセトアミノフェンの誘導体の例の構造を示した図である。
【図3(5)】アセトアミノフェンの誘導体の例の構造を示した図である。
【図3(6)】アセトアミノフェンの誘導体の例の構造を示した図である。
【図3(7)】アセトアミノフェンの誘導体の例の構造を示した図である。
【図4】コリスメートからIAA及びトリプトファンを導く反応の概要を示した図である。
【図5】いくつかの合成オーキシンの構造を示した図である。
【図6】以下に説明するトライアルの結果を示した図である(TAMPF製剤)。
【図7】以下に説明するトライアルの結果を示した図である(未処理)。
【0056】
発明の詳細な説明
ここで、本発明の様々な好ましい特徴及び態様を、限定されない例を用いて記載する。
【0057】
本発明は、果樹の果実の花及び小果実を間引くための方法及び化合物又は組成物を提供する。本発明の方法は、有効量の間引き化合物又は組成物を、実をつける植物の花及び/又は小果実に施用するステップを含む。
【0058】
「有効量」によって、本発明者らは、所望の「間引きレスポンス」を達成するために十分な本発明の化合物又は組成物の量を含む。一般的に、「間引きレスポンス」によって、本発明者らは、対照と比較した植物に存在する果実及び/又は花の量における減少を意味する。
【0059】
本発明は、アントラニル酸(AN):
【化1】
の使用に関する。
【0060】
ANは、アントラニレートとしても知られており、CAS番号118−92−3を有する。
【0061】
本発明者らは、上記にANの有用な誘導体を記載した。好ましくは、このような誘導体は水溶性である。代表的な塩には、アンモニウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウム塩などの無機塩並びにトリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン及びエタノールアミン塩などの有機アミン塩が包含される。
【0062】
本発明は、オーキシンの使用を含んでよい。
【0063】
いくつかの報告は、オーキシンは開花の開始に役割を果たすことを示しているので、オーキシンが化学的間引き剤として使用し得るという事実は、驚くべきことであると見られることもある。オーキシンは、均一な開花を促進し、結実性を促進し、未熟な実の落下を防ぐためにも使用されている。オーキシンは実の生長に必要であることも報告されている。
【0064】
オーキシンは、あるクラスの植物生長ホルモンである。オーキシンは、生物検定において植物組織部分に低濃度で施用された場合、細胞の伸長生長を促進する有機物質である。オーキシンファミリーの最も研究されているメンバーは、インドール−3−酢酸(IAA)である。IAAに加えて、これまで記載されているいくつかの自然発生のオーキシン:即ち、IAA、IBA、PAA及び4−Cl−IAAがある。自然発生のオーキシンは、遊離酸として及びコンジュゲート形態で植物中に見出される。
【0065】
オーキシンは、草の子葉鞘湾曲(又は生長)試験において湾曲を生じさせる化合物として定義されている。このような検定は、1926年及び1928年にFritz Wentによって記載されている。この生物検定において、草の苗の子葉鞘の先を、検定する物質を含有する寒天プレート上に置く。オーキシン応答が存在する場合、子葉鞘が暗闇で曲がり、湾曲の角度を測定することができる。Wentの結果は、茎の湾曲は寒天中の生長物質の量に比例することを示した。この試験は、アベナ湾曲試験とも称される。オーキシン活性を決定するために使用し得る他の機能試験は、茎挿しで発根を生じさせる能力及び組織又は細胞培養において細胞分裂を促進する能力を包含する。
【0066】
オーキシンの概要、それらの合成及び代謝は、例えば、Normanly、Slovin及びCohen「Plant Hormones,Biosynthesis,Signal Transduction and Action!」、Peter J.Davies編、[2004年]章「B1.オーキシン生合成及び代謝(B1.Auxin Biosynthesis and Metabolism)」36〜62頁に見出すことができる。
【0067】
インドールオーキシンに加えて、様々なフェノールオーキシンがオーキシン活性を有する。
【0068】
本発明で使用し得る自然発生のオーキシンのいくつかの例及び低分子量コンジュゲートのいくつかの例が図2に示されている。
【0069】
本発明は、コンジュゲートも使用することができる。植物は、貯蔵目的及び/又は植物中で利用可能な遊離オーキシンの量を調節するためにコンジュゲートを使用すると考えられる。IAAは、主としてアミノ酸アスパルテートにコンジュゲートされている。
【0070】
IAA−Inos、IAA−Inos−アラビノース及び他のアミノ酸とのコンジュゲートなどの関連の低分子量コンジュゲート、並びにIAAタンパクIAP1、IAA−ペプチド、IAA糖タンパク質及びIAA−グルカンなどの高分子量コンジュゲートも植物から単離されている。
【0071】
IAA及びその前駆体は、インドール−3−乳酸、インドール−3−エタノール及びIBAへの代謝変換を受ける。いくつかの参考文献は、それを合成オーキシンと称するが、IBAは植物中に自然発生することが見出されている。いくらかの解説者は、それ自体オーキシンと称するが、他はIAAの前駆体と称する。
【0072】
コンジュゲート形態の1つの一般的なクラスは、炭素−酸素−炭素架橋を介して連結されたものから構成される。1−O−IAA−Glucなどのいくつかの1−O糖コンジュゲートは、アシルアルキルアセタール結合で実際に連結されているが、これらの化合物は、一般的に「エステル連結された」と称されている。一般的なエステル連結された部分には、6−O−IAGluc、IAA−Inos、IAA−糖タンパク質、IAA−グルカン及び単純なメチル及びエチルエステルが包含される。植物に存在する他のタイプのコンジュゲートは、IAA−アミノ酸及びタンパク質及びペプチドコンジュゲート(図2参照)におけるように、炭素−窒素−炭素アミド結合(「アミド連結された」と称される)を介して連結されている。
【0073】
植物組織内のIAA生成をもたらす生化学経路には、(A)トリプトファン[Trp依存性(Trp−D)IAA合成と称される]からの、又はTrpのインドール前駆体[これらの経路はTrpを回避するので、Trp非依存性(Trp−I)IAA合成と称される]からのデノボ合成;(B)アミド結合IAAコンジュゲート及びエステル連結IAAコンジュゲートの両方の加水分解;(C)植物のある部位から別の部位への移動;並びに(D)IBAのIAAへの変換が包含される。IAA代謝回転の機構には、(E)酸化的代謝、(F)コンジュゲート合成、(G)所与の部位からの移動、及び(H)IAAのIBAへの変換が包含される。本発明は、この経路に沿ってこのような前駆体及び代謝物を使用する。本発明は、オーキシンの異化から生じるもののような不活性代謝物を使用しない。
【0074】
通常、本発明は、トリプトファン依存性経路を使用する。コリスメートからIAA及びトリプトファンを導く反応−インドール代謝の最初に明らかにされたステップ−の概要は、図4に示されている。
【0075】
本発明は、合成オーキシンの使用も包含している。合成オーキシンのいくつかの例は、図5に示されている。
【0076】
オーキシン活性を有する化合物の比較は、中性pHにおいて、それらは全て、環構造上のより弱い正電荷から約0.5nmの距離で隔てられている側鎖のカルボキシル基に強い負電荷を有することを明らかにしている。インドールは活性に必須ではないが、類似の大きさの芳香族又は縮合芳香族環であってよいことが提案されている。平面の芳香族環結合プラットフォーム、カルボン酸結合部位及び2つの結合部位を隔てる疎水性移行領域であるモデルが提案されている。
【0077】
本発明は、いくつかの態様においてアセトアミノフェンの使用を含んでよい。
【0078】
アセトアミノフェンは、IUPAC名称、N−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミドを有し、パラセタモールと一般的に称される。それはCAS番号103−90−2を有する。
【0079】
その化学式は
【化2】
である。
【0080】
上に記載の通り、アセトアミノフェンの誘導体も本発明において有用である。
【0081】
本発明の化合物又は組成物は、必要に応じて、他の成分と一緒に使用することができる。
【0082】
好ましい一態様では、このような成分の1つは、同じ又は異なるクラスの2種又は3種以上のこのような添加剤が使用され得るが、以下のクラス(a)から(f)の1種又は2種以上に属するとして定義された添加剤であってよい:
(a)通常、10から10,000g/ha(ヘクタール当たりのグラム)で施用される、D−リボース、D−キシロース、L−アラビノース、D−グルコース、D−マンノース及びD−ガラクトースなどの、グルコース、加水分解デンプン、フルクトース、グリセロール、グリセルアルデヒド、エリトロース、キシルロース又はアラビノース、アルドースを含有する単糖類;D−リブロース及びD−フルクトースなどのケトース;2−デオキシ−D−リボース、L−フコースなどのデオキシアルドース;N−アセチル−D−グルコサミン及びN−アセチル−D−ガラクトサミンなどのアセチル化アミノ糖;D−グルクロン酸、L−イズロン酸及びN−アセチルノイラミン酸などの酸性単糖類、D−ソルビトール及びD−マンニトールなどの糖アルコール、マルトース、ラクトース及びスクロースを含有する二糖類、又はこのような炭水化物のエステル若しくはグリコシド若しくは代謝等価物。いかなる理論によっても拘束されることを望まないが、上記構成成分は、
(1)アデノシン三リン酸(ATP)生成におけるような高エネルギー結合の生成の供給源、
(2)還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)及び還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADPH)の形成のため及び
(3)アミノ酸及びヌクレオチドの前駆体として;
(b)通常、炭水化物源と同様の施用量で施用され炭水化物源と類似した機能のために使用される、Krebsトリカルボン酸サイクルの有機酸又はその代謝前駆体(クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、ピルビン酸、酢酸及びフマル酸を包含する);
(c)酵素作用に依存する代謝プロセスを刺激するために、通常、0.01から500g/haで施用される、ビタミン又は補酵素、例えば、チアミン、リボフラビン、ピリドジン(pyridozine)、ピリドキサミン、ピリドキサール、ニコチンアミド、葉酸、又はニコチン酸を包含するそれらの前駆体;
(d)通常、核酸合成のための構造前駆体として作用するために1から500g/haで施用される、プリン又はピリミジンヌクレオシド、そのヌクレオチド又は代謝前駆体、例えば、アデニン、アデノシン、チミン、チミジン、シトシン、グアニン、グアノシン、ヒポキサンチン、ウラシル、ウリジン又はイノシン;
(e)生きている微生物によって脂肪酸に分解され得る、通常、10から10,000g/haで施用される、オリーブ油、大豆油、ヤシ油及びトウモロコシ油を包含する自然発生の脂肪又は油;
(f)通常、新しく形成されたタンパク質のための構造単位として作用するために、又はその分解によって脂肪酸及び炭水化物と同様に機能するために1から500g/haで施用される、植物タンパク質に自然発生するタイプのアミノ酸、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、リシン、ヒドロキシリシン、アルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン又はヒドロキシプロリン
として機能し得る。
【0083】
アジュバントなどの他の成分を、希釈溶液に添加してよい。アジュバントは、展着及び効果を促進し、組成物の接着性を改善する場合があり、一般的に油、消泡剤及び界面活性剤を包含する。本発明において有用であるこのような構成成分には、それだけには限らないが、テルペン、Uniqema(Castle、DE)製のBrijファミリー(ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル);Uniqema(Castle、DE)製のTweenファミリー(ポリオキシエチレンソルビタンエステル)の界面活性剤;Union Carbide(Lisle、IL)製のSilwetファミリー(オルガノシリコーン);The Dow Chemical Company(Midland、MI)製のTritonファミリー(オクチルフェノールエトキシレート);Tomah3 Products,Inc.(Milton、WI)製のTomadolファミリー(エトキシル化直鎖アルコール);Uniqema(Castle、DE)製のMyrjファミリー(ポリオキシエチレン(POE)脂肪酸エステル);Uniqema(Castle、DE)製のSpanファミリー(ソルビタンエステル);及びCognis Corporation(Cincinnati、OH)製のTryloxファミリー(エトキシル化ソルビトール及びエトキシル化ソルビトールエステル)及びRohm & Haas(Philadelphia、PA)製の市販の界面活性剤Latron B−1956(77.0%変性フタル酸/グリセロールアルキル樹脂及び23.0%ブチルアルコール);Aquatrols(Paulsboro、NJ)製のCaspil(ポリエーテル−ポリメチルシロキサン共重合体及び非イオン性界面活性剤のブレンド);Norac Concept,Inc.(Orleans、Ontario、Canada)製のAgral 90(ノニルフェノールエトキシレート);Setre Chemical Company(Memphis、TN)製のKinetic(99.00%ポリアルキレンオキシドで改変されたポリジメチルシロキサン及び非イオン性界面活性剤の独自ブレンド);及びKALO,Inc.(Overland Park、KS)製のRegulaid(90.6% 2−ブトキシエタノール、ポロキサレン、モノプロピレングリコール)が包含される。
【0084】
最終溶液が、それらの毛で覆われた又は蝋の多い表面のために、濡らすのが難しいことがある植物に施用される場合、界面活性剤、湿潤剤、展着剤及び粘着剤などの、農業化学産業で一般的に知られている他の添加剤を包含することが特に有利であり得る。(湿潤剤の例には、シリコーン界面活性剤、アルキルエトキシレートなどの非イオン性界面活性剤、リン酸エステル塩などの陰イオン界面活性剤及び脂肪酸アミドアルキルベタインなどの両性又は陽イオン界面活性剤が包含される。)
【0085】
本発明の化合物(単数又は複数)は、組成物の単独の活性成分であってもよく、又はそれらを、適切な場合に、殺線虫剤、殺虫剤、共力剤、除草剤、殺菌剤、肥料又は植物生長調節剤などの1種又は2種以上の追加の活性成分と混合することもできる。
【0086】
本発明の化合物又は組成物は、ベンジルアデニン、1−ナフチル酢酸、カルバリル、(2−クロロフェノキシ)プロピオン酸、エテホン、ナフタレンアセトアミド、チジアズロン、アンモニウムチオスルフェート、DNOC、エンドタール酸、エテホン、ジベレリン酸、石灰硫黄合剤、スルホカルバミド、ペラルゴン酸、6−ベンジルアミノプリン、N−(2−クロロ−4−ピリジル)−N−フェニル尿素、及びチジアズロンなどの他の化学的間引き剤と一緒に使用することもできる。
【0087】
1つの特に好ましい態様において、本発明の1種又は2種以上の化合物は、場合によって1種又は2種以上の活性剤と一緒に投与される。このような場合、本発明の化合物は、互いに又は1種若しくは2種以上の活性剤と共に、連続的に、同時に又は逐次的に投与することができる。化合物を組み合わせることの主要な利点は、それが、例えば生化学的相互作用によって付加的な又は可能な相乗効果を促進し得ることである。有益な組合せは、試験化合物の活性を研究することによって提案することができる。この手法は、薬剤の投与の順序、即ち、投与前、投与と同時又は投与後を決定するためにも使用することができる。
【0088】
化学的間引きは、生長した果樹において開花及び作物荷重(crop load)を減少させる化合物の添加による作物荷重の調整である。本発明の化学的間引き剤は、2つの主な効果:即ち、(1)増加した果実サイズ及び品質並びに(2)連年結果、即ち、高められた翌年着花(return bloom)の維持を有し得る。
【0089】
仁果において、化学的間引き剤は、満開及び満開後約1カ月に起こる細胞分裂の停止の間に一般的に施用される。間引き剤施用の正確なタイミングは、選択される材料、栽培品種、及び場所の条件によって決まり、例えば、石果において、施用は開花前に行い得る。
【0090】
化学的間引きは、一般的に、シーズン毎に果実栽培者によって行われる。間引きの程度及び翌シーズンの翌年着花への影響は、いくつかの要因:品種及び系統、木の状態、結実性、授粉用昆虫への近さ、気候、薬品、及び施用方法によって決まる。
【0091】
植物又は植物の周囲に上記組成物を施用するために、上記組成物を、濃厚物として使用することもでき、又はより一般的には、好適な不活性希釈剤、担体物質及び/又は界面活性剤と一緒に、本発明の組成物の有効量を包含する組成物に配合する。好ましくは、上記組成物は、濃厚物から調製され得る水溶液の形態にある。有効量によって、本発明者らは、上記組成物(及び/又はその個別の構成成分)が化学的間引き効果を提供することを意味する。1ha当たり使用される水の量は、通常は高く、植物はあふれ出すまで処理される。1ha当たりの大量の水は、葉及び花及び小果実による化合物の最適な摂取に通常は必要である。
【0092】
果樹の花への施用について、化学的間引き剤は、好ましくは実質的に水溶液である製剤で施用される。化学的間引き剤溶液は、散布タンク中において現場で混合するか又は水溶液中に送り貯蔵して、必要に応じて適切な混合及び希釈を確実にすることができる。
【0093】
化学的間引き剤の施用量は、植物に施用される水の体積並びに植物齢及びサイズなどの他の要因、及び化学的間引き剤に対する植物の感受性に応じて広く変わり得る。AN関連化合物の一般的な施用量は、1〜100g/haであり(好ましくは、及びこれらのトライアルでは、(標準的な果樹園)1ヘクタール当たり1gの活性成分(が施用された))、アセトアミノフェン又はその誘導体の一般的な施用量は、3〜300g/haである(好ましくは、及びこれらのトライアルでは、1ヘクタール当たり3gの活性成分が施用された)。本発明の農業化学的に許容される添加剤の一般的な施用量は、1〜10g/haである(好ましくは、及びこれらのトライアルでは、1ヘクタール当たり3g未満の活性成分が施用された)。展着剤及び粘着剤などの他の構成成分の施用量は、1ha当たり50〜200mlであり得る。
【0094】
施用の用量及びタイミングは、種のタイプなどの当業者に知られている多数の要因によって決まる。必要に応じて、第2の又はさらなる施用(単数又は複数)を行うことができる。各施用の間のタイミングは、5日以上の近辺であってよい。
【0095】
本発明は、植物又はその部位に本発明の化合物/組成物の制御有効量を施用するステップを含む果実及び/又は花の生成を制御する方法に関する。
【0096】
本発明の組成物は、保護すべき土壌、植物、種子、又は他の区域に施用することができる。好ましくは、本発明は、植物の茎葉に施用される。上記組成物は、散布剤、水和剤、粒剤(持続放出又は急速放出)、水分散性粒剤、乳濁又は懸濁濃厚物、溶液、乳濁液、種子粉衣、又はマイクロカプセル化された粒剤又は懸濁液などの制御放出製剤、土壌潅注、潅水構成成分、又は好ましくは葉面散布の形態で施用することができる。
【0097】
散布剤は、活性成分を、1種又は2種以上の微粉砕された固体担体及び/又は希釈剤、例えば、自然粘土、カオリン、パイロフィライト、ベントナイト、アルミナ、モンモリロナイト、多孔質珪藻土、チョーク、珪藻土、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム、硫黄、石灰、小麦粉、タルク並びに他の有機及び無機固体担体と混合することによって製剤化される。
【0098】
粒剤は、多孔質の粒状物質、例えば、軽石、アタパルジャイトクレイ、フラー土、多孔質珪藻土、珪藻土、トウモロコシ穂軸粉などに、又は砂、ケイ酸塩、鉱物炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの硬い心材に活性成分を吸収するステップによって形成される。活性成分で固体担体を含浸、結合又は被覆するのを助けるために一般的に使用される薬剤には、脂肪族及び芳香族石油系溶剤、アルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、エーテル、ケトン、エステル、デキストリン、砂糖及び植物油が包含される。乳化剤、湿潤剤又は分散剤などの他の添加剤も包含され得る。
【0099】
マイクロカプセル化された製剤(マイクロカプセル懸濁液 CS)又は他の制御放出製剤を、特にある期間にわたる持続放出のために、及び種子処理のために使用することもできる。
【0100】
別法として好ましくは、上記組成物は、一般的に1種又は2種以上の既知の湿潤剤、分散剤又は乳化剤(界面活性剤)の存在下の活性成分の水性分散液又は乳濁液である、浸液、潅水添加剤又は散布液として使用される液体配合剤の形態であり得る。水性分散液又は乳濁液の形態で使用される組成物は、一般的に、高い割合の活性成分(単数又は複数)を含有する乳濁濃厚物(EC)又は懸濁濃厚物(SC)の形態で供給される。ECは、一般的に、実質的に不揮発性の有機溶媒に溶解された活性成分を含有する均一な液体組成物である。SCは、水中の固体活性成分の微細な粒径の分散液である。上記濃厚物を施用するためには、それらは、水に希釈され、一般的に、処理すべき区域に散布を用いて施用される。
【0101】
ECに適した液体溶媒には、メチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、キシレン、トルエン、クロロベンゼン、パラフィン、ケロセン、ホワイトオイル、アルコール(例えば、ブタノール)、メチルナフタレン、トリメチルベンゼン、トリクロロエチレン、N−メチル−2−ピロリドン及びテトラヒドロフルフリルアルコール(THFA)が包含される。
【0102】
これらの濃厚物は、長期間の貯蔵に耐えること、及びこのような貯蔵後に、それらが通常の散布機器によって施用されるようにするために十分な時間、均一なままでいる水性配合物を形成するための水による希釈が可能であることがしばしば求められる。上記濃厚物は、1〜85重量%の活性成分(単数又は複数)を含有し得る。水性配合物を形成するために希釈された場合、このような配合物は、それらが使用される目的に応じて様々な量の活性成分を含有し得る。
【0103】
上記組成物は、種子処理における使用のために、粉末(乾燥種子処理DS若しくは水和剤WS)又は液体(流動性濃厚剤FS、液体種子処理LS)、又はマイクロカプセル懸濁液CSとしても製剤化し得る。上記製剤は、標準の技術で、従来の種子処理装置によって種子に施用することができる。使用に際して、上記組成物は、肥料組成物の施用の既知の手段、例えば、散粉、散布、又は粒剤の混和のいずれかで、植物に、植物の部位に施用される。
【0104】
上に示されたように、本発明により製造された肥料を、通常、植物の茎葉に施用するが、土壌に施用し、又は潅漑用水に添加することもできる。
【0105】
本発明は、果実作物に関して有用である。作物は高木、低木、潅木、つる植物、野菜又は他の作物、又は鑑賞植物を含み得る。
【0106】
本発明は、以下の限定されない例のような植物に使用することができる:
アーモンド(プルヌス・デュルキス(Prunus dulcis))、リンゴ(マルス・ドメスチカ(Malus domestica))、アンズ(プルヌス・アルメニアカ(Prunus armeniaca))、アボカド(ペルセア・アメリカナ(Persea americana))、バナナ、料理用バナナ(ムサ属種(Musa spp.))、セイヨウヤブイチゴ(ルブス属種(Rubus spp))、ブルーベリー(ワッキニウム属種(Vaccinium spp))、カカオ又はココア(テオブロマ・カカオ(Theobroma cacao))、カシュー(アナカルディウム・オッキデンタレ(Anacardium occidentale))、サクランボ(プルヌス・ケラスス(Prunus cerasus)、P.アウィウム(P.avium))、クリ(カスタネア属種(Castanea spp.))、ココナツ(ココス・ヌキフェラ(Cocos nucifera))、コーヒー(コッフェア・アラビカ(Coffea arabica)、C.カネポラ(C.canephora))、ツルコケモモ(ワッキニウム・マクロカルポン(Vaccinium macrocarpon))、スグリ(リベス属種(Ribes spp))、ナツメヤシ(ポエニクス・ダクチュリフェラ(Phoenix dactylifera))、イチジク(フィクス・カリカ(Ficus carica))、グズベリー(リベス・グロッスラリア(Ribes grossularia);R.ヒルテッルム(R.hirtellum))、グレープフルーツ(キトルス・パラディシ(Citrus paradisi))、ブドウ(ウィチス・ウィニフェラ(Vitis vinifera)、他のウィチス属種(Vitis spp))、グアバ(プシディウム・グアヤワ(Psidium guajava)及び関連の属種)、ヘーゼルナッツ又はハシバミ(コリュルス・アウェッラナ(Corylus avellana))、ジューンベリー(アメランキエル・アルニフォリア(Amelanchier alnifolia))、キーウィフルーツ(アクチニディア・デリキオサ(Actinidia deliciosa))、キンカン(フォルツネッラ属種(Fortunella spp))、レモン(キトルス・リモン(Citrus limon))、ライム(キトルス・アウランチフォリア(Citrus aurantifolia))、ビワ(エリオボトリュア・ヤポニカ(Eriobotrya japonica))、マカダミア(マカダミア・インテグリフォリア(Macadamia integrifolia))、マンゴー(マンギフェラ・インディカ(Mangifera indica))、サンザシ(クラタエグス属種(Crataegus spp.))、アブラヤシ(エラエイス・グイネエンシス(Elaeis guineensis))、オリーブ(オレア・エウロパエア(Olea europaea))、オレンジ(キトルス・シネンシス(Citrus sinensis))、パパイヤ(カリカ・パパヤ(Carica papaya))、モモ(プルヌス・ペルシカ(Prunus persica))、セイヨウナシ(ピュルス・コッムニス(Pyrus communis)、P.ピュリフォリア(P.pyrifolia))、ペカン(カリュア・イッリノエンシス(Carya illinoensis))、パイナップル(アナナス・コモスス(Ananas comosus))、ピスタチオ(ピスタキア・ウェラ(Pistacia vera))、スモモ(プルヌス・ドメスチカ(Prunus domestica)、P.サリキナ(P.salicina))、ザクロ(プニカ・グラナツム(Punica granatum))、マルメロ(キュドニア・オブロンガ(Cydonia oblonga))、ラズベリー(ルブス・イダエウス(Rubus idaeus)、R.オッキデンタリス(R.occidentalis))、イチゴ(フラガリア・クサナナッサ(Fragaria Xananassa))、タンジェリン(キトルス・レチクラタ(Citrus reticulata))、クルミ(ユグランス・レギア(Juglans regia))、キク、及びアザレア属腫(例えばアザレアストルム(Azaleastrum))を含むシャクナゲ、カランコエ、球根作物、クロッカス、チューリップ、スイセン、ヒアシンス、ポインセチヤ及びバラ。
【0107】
本発明の化合物又は組成物の次の混合物に特に言及される:
1.アントラニル酸(AN)の添加。
2.アセトアミノフェン(AC)のアントラニル酸(AN)への添加。
3.添加剤(ADD)のアントラニル酸への添加。
4.ADDのAN+ACへの添加。
5.ADDのNAA/他のオーキシン、又はオーキシンミックス(例えば、NAA/BA)への添加。
6.ADDのAC+AN/NAA/他のオーキシン、又はオーキシンミックス(例えば、NAA/BA)への添加。
7.ACのNAA/他のオーキシン又はオーキシンミックスへの添加。
【0108】
本発明によるこれら及び他の組合せは、付加的な又は相乗効果を生じ得る。
【0109】
添加剤は、上記のクラス(a)から(f)として記載されたものであってよい。
【0110】
添加剤が、クラス(a)から選択される場合、それは、好ましくは、1種又は2種以上のグルコース、スクロース、フルクトース又はグリセロールである。
【0111】
添加剤が、クラス(b)から選択される場合、それは、好ましくは、1種又は2種以上のクエン酸又はコハク酸である。
【0112】
添加剤が、クラス(c)から選択される場合、それは、好ましくは、1種又は2種以上のチアミン、リボフラビン、ピリドキシン、ニコチンアミド、葉酸、アスコルビン酸、ビオチン又はビタミンB12である。
【0113】
添加剤が、クラス(d)から選択される場合、それは、好ましくは、アデニン、チミジン、シトシン又はウラシルである。
【0114】
添加剤が、クラス(e)から選択される場合、それは、好ましくは、トウモロコシ油である。
【0115】
添加剤が、アミノ酸から選択される場合、それは、好ましくは、1種又は2種以上のグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、トレオニン、システイン、メチオニン、グルタミン、アスパラギン又はリシンである。
【0116】
以下の例は、本発明をさらに明らかにするが、本発明を制限するものではない。
【0117】
実験結果:
(例1)
リンゴ−cv Elstar
これらの実験におけるTAMPF製剤の例には、1ヘクタール当たり1リットルの施用量で施用されたAN+AC+ADDが包含された。ADD=それぞれ<3g/lにおけるクラス(f)からの少なくとも1つの添加剤、加えてクラス(c)からの少なくとも1つの添加剤。
【表1】
【0118】
TAMPF製剤からの結果は、有効な果実の間引きを示している。
【表2】
【0119】
TAMPF製剤は、未処理に比べて、1本の枝当たりのより少ない着果、改善された表皮品質(減少した褐斑)、収穫時の1本の木当たりのより少ない果実及び収穫時のより大きな個々の平均果実重量(g)を示した。1果実当たりの改善された重量をもたらした良好な間引きが行われた。
【表3】
【0120】
TAMPF製剤は、低品質カテゴリーの果実のより低いパーセンテージ、及び高品質カテゴリーの果実の増加したパーセンテージを生成した。したがって、高められた市場価値のより大きなリンゴのより大きな割合が生成された。
【表4】
【0121】
TAMPF製剤は、組み合わさった低品質カテゴリーのより少ない果実、及びより高いカテゴリーの類似の果実数(即ち>70mm)を生成した。
【表5】
【0122】
TAMPF製剤は、有効な果実間引き剤から予想されたように、それぞれのサイズカテゴリーのより大きな個別の果実重量(g)を生成した。
【0123】
図6及び図7は、上記トライアルからの結果を示している。図6におけるリンゴの木は、TAMPF製剤で処理し、図7におけるリンゴの木は、処理しなかった。特に、TAMPF製剤で処理された木の1枝当たりの果実のより少ない数から、果実間引き剤としてのTAMPF製剤の有効性は明らかである。
【0124】
この実験におけるTAMPF製剤の例は、1ヘクタール当たり1リットルの施用量で施用された。薬害又は傷害がまったくなく、これは非常に安全であることがわかり、例えばNAAで普通である「ピグミー果実」がなかった。さらに、20mmの果実径段階における施用は、8〜12mmの果実径を超えては推奨されない他の果実間引き剤、例えばNAA、又はNAA+ベンジルアデニンと比べてはるかに遅かった。したがって、これは、単体又は混合物のNAAに比べて施用ウィンドウにおける改善を示している。平均果実サイズ及び重量(市場品質)の両方、及び表皮色品質(褐斑インデックス)は、TAMPF製剤によって大いに改善された。
【0125】
(例2)
キク−cv Herby Mixed
A.オーキシン/オーキシン前駆体又はオーキシン/オーキシン前駆体プラスアセトアミノフェンの施用の花芽間引きへの利益を実証すること。
【0126】
栽培の詳細:市販の播種用の土に植物を播種し、次いで、乱塊法デザインで並べられた9cmポット中の専門グレードの多目的の苗床用の土に「移植」した。通常の日光に加えた補充照明を1日当たり最低10時間提供した。昼間に最低華氏60度及び夜間に40度Fに加熱した。
【0127】
播種日:2009年10月5日、プラグトレイ中。施用日:2009年12月2日(最初の芽)。測定日:2010年1月12日(開花)。測定:1本の植物当たりの芽の数。
【0128】
多数のオーキシン又はオーキシン前駆体を、それぞれ10−2モル溶液で施用した。アセトアミノフェン(AC)の添加は、各試験において1ヘクタール当たり3g相当であった。
【表6】
【0129】
有効な間引き剤から予想されるように、オーキシン又はオーキシン前駆体の施用は、1本の植物当たりの芽の減少した平均数をもたらした。オーキシン又はオーキシン前駆体に加えたACの施用は、1本の植物当たりの芽の平均数におけるさらなる減少をもたらした。
【0130】
B.アントラニル酸又はアントラニル酸プラスアセトアミノフェンのいずれかとの組合せの、農業化学的に許容される添加剤の施用の花芽間引きへの利益を実証すること。
【0131】
栽培の詳細:市販の播種用の土に植物を播種し、次いで、乱塊法デザインで並べられた9cmポット中の専門グレードの多目的の苗床用の土に「移植」した。通常の日光に加えた補充照明を1日当たり最低10時間提供した。昼間に最低華氏60度及び夜間に40度に加熱した。例としての特定の農業化学的に許容される添加剤(下表に1ha当たりの施用量が提供されている)を、アントラニル酸(1ヘクタール当たり250リットルの水で施用された、1リットルの溶液当たり1グラム=1ヘクタール当たり1gの活性成分の総量)又はアントラニル酸プラスアセトアミノフェン(1ヘクタール当たり250リットルの水で施用された、それぞれ1リットル当たり1グラム及び1リットルの溶液当たり3グラム=1ヘクタール当たりそれぞれ1g及び3gの活性成分の総量)のいずれかに添加した。
【0132】
播種日:2009年10月26日、プラグトレイ中。施用日:2010年2月4日(最初の芽)。測定日:2010年3月12日(開花)。測定:1本の植物当たりの芽の数。
【表7】
【0133】
ANと組み合わせた農業化学的に許容される添加剤の施用は、AN単体に対してさらなる改善を示す。同様に、AN+ACと組み合わせた農業化学的に許容される添加剤の施用は、AN+ACのみに対してさらなる改善を示す。
【0134】
上記の明細書に記載された全ての刊行物は、本明細書に参照により組み込まれている。記載された本発明の方法及びシステムの様々な改変及び変形は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく当業者に明らかになろう。本発明が、特定の好ましい態様に関連して記載されたが、請求の範囲に記載されている本発明は、このような特定の態様に過度に限定されるべきではないことを理解されたい。実際に、当業者に明らかである、本発明を実施する記載された様式の様々な変更は、以下の特許請求の範囲に含まれるよう意図されている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、場合によって、アセトアミノフェン、又はアセトアミノフェンと組み合わせたオーキシンと組み合わせた、限定されないが、特にアントラニル酸で植物を処理することによって植物の果実及び/又は花の数を減少させるための方法及び組成物に関する。
【0002】
発明の背景
多くの植物は、高品質の果実の生産に望まれるよりも多くの果実を生成する。果実、又は果実をもたらし得る花の間引きは、この過剰生産を防止し、連年結果を増進し得る。間引きは同様に、果実のサイズを増加し、果実の色を改善し、植物の活力を増加する。
【0003】
手作業による間引きは、非常に高価であり、大きな労働力を要する。したがって、有効な化学的間引き剤に対する強いニーズが存在する。これまで利用可能な化学的間引き剤は、間引き不足又は間引き過ぎのために有効でないことがあり、有害な場合もある。
【0004】
ナフタレン酢酸(NAA)は、一般的に使用されている果実間引き剤である。しかし、この薬剤には活性の不安定性のリスクが存在し、高用量において葉の損傷をもたらし得る。NAA及び別の市販の間引き剤であるナフタレンアセトアミド(NAD)の両方とも、それらの効率を増加させるために殺虫剤のCarbarylと組み合わせて使用されている。しかし、殺虫剤としてのCarbarylは、ミツバチ及び他の益虫に毒性がある。
【0005】
別の市販の間引き剤は、ベンジルアデニン(BA)である。NAAの使用と同様に、NAA又はNADとのその施用後にピグミー果実(pygmy fruit)が報告されている。
【0006】
したがって、改善された特性を提供するさらなる化学的間引き剤に対するニーズが残存している。
【0007】
発明の概要
本発明は、アントラニル酸又はその誘導体の間引きのための新規な使用に関する。
【0008】
アントラニル酸は、染料、顔料及びサッカリンの製造用の中間体として使用される。アントラニル酸及びそのエステルは、ジャスミン及びオレンジを模倣した香料、医薬品(フロセミドなどのループ利尿薬)及び紫外線吸収剤、並びに金属の腐食防止剤及び醤油のかび防止剤の調製においても使用される。化学的間引き剤としてのその有用性は驚くべきものである。
【0009】
本発明は、オーキシン、アントラニル酸又は他のオーキシン関連化合物と組み合わせたアセトアミノフェン又はその誘導体の間引きのための使用に関する。
【0010】
アセトアミノフェンは、市販鎮痛薬及び解熱薬として広く使用されている。化学的間引き剤パッケージの一部としてのその効果が驚くべきものであることは理解されよう。
【0011】
発明の説明
本発明は、植物が実を結ばせ成熟期まで生長させる果実の最終数量を減少させるための、開花又は小果実段階における、オーキシン、オーキシン前駆体、オーキシン代謝産物又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体又はそれらの混合物及びアセトアミノフェン又はその誘導体から選択される化合物を含む有効量の組成物による植物の処理を対象としている。
【0012】
本発明は、植物が実を結ばせ成熟期まで生長させる果実の最終数量を減少させるための、開花又は小果実段階における、AN並びにその有効な塩、エステル及びアミドの類似体を包含するアントラニル酸(「AN」とも称される)又はその有効な塩、エステル、又はアミドの有効量による植物の処理も対象としている。
【0013】
類似体によって、本発明者らは、例えばANと、類似の構造、即ち、同じ又は類似の活性部分、及び類似の化学特性を有し、化学的間引きを生じ得る化合物を包含する。
【0014】
本発明の一態様によれば、オーキシン、オーキシン前駆体、オーキシン代謝産物又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体又はそれらの混合物及びアセトアミノフェン又はその類似体若しくは誘導体から選択される化合物を含む、化学的間引き剤としての使用のための組成物が提供される。
【0015】
本発明の別の態様によれば、化学的間引き剤としての使用のためのアントラニル酸又はその類似体若しくは誘導体が提供される。言葉を換えれば、本発明は、顕花植物又は実をつける植物を化学的に間引きするための、1種又は2種以上のAN又はその類似体若しくは誘導体を含む、又は本質的にそれらからなる、又はそれらからなる組成物である。
【0016】
一態様において、AN又はその類似体の誘導体は、この酸の塩、エステル、若しくはアミド、又は前述のもののいずれかのコンジュゲートである。
【0017】
一態様において、本発明において使用される誘導化合物はコンジュゲートの形態にある、例えば、糖、アルコール、アミノ酸、ペプチド又はタンパク質にコンジュゲートされている。
【0018】
一態様において、ANの類似体は、図1に示された構造を有する化合物である。
【0019】
参照を容易にするために、本発明者らは、上述されたAN、その類似体及び誘導体の全てを、「AN関連化合物」と呼ぶ。
【0020】
本発明は、オーキシン、オーキシン前駆体、オーキシン代謝産物又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体又はそれらの混合物及びアセトアミノフェン又はその類似体若しくは誘導体から選択される化合物を含む組成物を提供し、ここで、オーキシン前駆体はANではない。
【0021】
参照を容易にするために、本発明者らは、オーキシン、オーキシン前駆体、オーキシン代謝産物又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体も「オーキシン関連化合物」と呼ぶ。
【0022】
別の態様において、オーキシン、オーキシン前駆体、オーキシン代謝産物又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体又はそれらの混合物、及びさらなる農業化学的に許容される化学的間引き剤としての使用のための構成成分及び場合によってアセトアミノフェン又はその類似体若しくは誘導体から選択される化合物を含む組成物が提供される。
【0023】
「農業化学的に許容される構成成分」によって、本発明者らは、植物が耐性を有する、理想的には植物に有益な構成成分を包含する。
【0024】
一態様において、オーキシン関連化合物は、インドール環に基づく。別の態様において、オーキシン関連化合物は、フェノール環に基づく。
【0025】
一態様において、誘導体は、オーキシン、オーキシン前駆体、又はオーキシン代謝産物の酸、コンジュゲート、塩、エステル、又はアミドである。
【0026】
一態様において、誘導体は、コンジュゲートの形態にあり、例えば、糖、アルコール、アミノ酸、ペプチド又はタンパク質にコンジュゲートされている。
【0027】
一態様において、オーキシン前駆体は、コリスメート、アントラニル酸、ホスホリボシルアントラニレート、1−(O−カルボキシフェニルアミノ)−1−デオキシリブロース−5−ホスフェート、インドール−3−グリセロール−ホスフェート、インドール、インドール−3−酢酸、トリプトファン、トリプタミン、N−ヒドロキシトリプタミン、インドール−3−アセトアルドキシム、1−アシ−ニトロ−2−インドリルエタン、インドールグルコシノレート、インドール−3−アセトニトリル(IAN)、インドール−3−アセトアルデヒド、インドール−3−乳酸、インドール−3−ピルビン酸、又はインドール−3−エタノールである。
【0028】
特に好ましい一態様において、オーキシン前駆体は、上記に示されたアントラニル酸又はその誘導体である。
【0029】
オーキシン関連化合物は、海草又は藻類から得られるもののように天然、又は合成オーキシンであってよい。
【0030】
一態様において、天然オーキシンは、インドール−3−酢酸(IAA)、4−クロロ−インドール−3−酢酸(4−Cl−IAA)、フェニル酢酸(PAA)、インドール−3−酪酸(IBA)、インドール−3−アセチル−1−O−β−D−グルコース(IAAglc)である。
【0031】
一態様において、天然オーキシンのコンジュゲートは、IAA−イノシトール、IAA−イノシトール−アラビノース、IAP1、IAA−ペプチド、IAA−糖タンパク質、IAA−グルカン、IAA−アスパルテート、IAA−グルコース、IAA−1−O−グルコース、IAA−ミオ−イノシトール、IAA−4−O−グルコース、IAA−6−O−グルコース、IAA−イノシトール−ガラクトース、IAAアミドコンジュゲート、又はIAA−アミノ酸コンジュゲートである。
【0032】
一態様において、合成オーキシンは、1−ナフタレン酢酸(NAA)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)、2−メトキシ−3,6−ジクロロ安息香酸(ジカンバ)、4−アミノ−3,5,6−トリクロロピコリン酸(トルドン)、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5−T)、2,3,6−トリクロロ安息香酸、4−クロロ−2メチルフェノキシ酢酸(MCPA)又はN,N−ジメチルエチルチオカルバメートである。
【0033】
一態様において、オーキシン代謝産物は、インドール−3−乳酸又はインドール−3−エタノールである。
【0034】
一態様において、アセトアミノフェン誘導体は、図3に示されたような化合物である。
【0035】
本発明の別の態様において、さらなる化学的間引き剤と組み合わせた、上述された化合物又は組成物を含む、化学的間引き剤としての使用のための組成物が提供される。
【0036】
このようなさらなる化学的間引き剤の例には、ベンジルアデニン、1−ナフチル酢酸、カルバリル、(2−クロロフェノキシ)プロピオン酸、エテホン、ナフタレンアセトアミド、チジアズロン、アンモニウムチオスルフェート、DNOC、エンドタール酸、ジベレリン酸、石灰硫黄合剤、スルホカルバミド及びペラルゴン酸が包含される。
【0037】
一態様において、さらなる農業化学的に許容される構成成分は、a)D−リボース、D−キシロース、L−アラビノース、D−グルコース、D−マンノース及びD−ガラクトースなどの、グルコース、加水分解デンプン、スクロース、フルクトース、グリセロール、グリセルアルデヒド、エリスロース、リブロース、キシルロース又はアラビノース、アルドースを包含する単糖類;D−リブロース及びD−フルクトースなどのケトース;2−デオキシ−D−リボース、L−フコースなどのデオキシアルドース;N−アセチル−D−グルコサミン及びN−アセチル−D−ガラクトサミンなどのアセチル化アミノ糖;D−グルクロン酸、L−イズロン酸及びN−アセチルノイラミン酸などの酸性単糖類、D−ソルビトール及びD−マンニトールなどの糖アルコール、マルトース、ラクトース及びスクロースを包含する二糖類、又はこのような炭水化物のエステル若しくはグリコシド若しくは代謝等価物;b)Krebsトリカルボン酸サイクルの有機酸又はその代謝前駆体;c)ビタミン又は補酵素、又はその前駆体;d)プリン又はピリミジンヌクレオシド、ヌクレオチド又はその代謝前駆体;e)自然発生の脂肪又は油;或いはf)アミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物を含む。
【0038】
好ましくは、さらなる農業化学的に許容される構成成分は、c)ビタミン若しくは補酵素、若しくはそれらの前駆体;d)プリン若しくはピリミジンヌクレオシド、そのヌクレオチド若しくは代謝前駆体;又はf)アミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物を含む。
【0039】
一態様において、本発明のAN関連化合物又は組成物は、果実の間引き剤としての使用のためである。
【0040】
別の態様において、本発明のAN関連化合物又は組成物は、花の間引き剤としての使用のためである。
【0041】
本発明の別の態様において、本発明のAN関連化合物又は組成物の化学的間引き有効量を、植物、又はその部位に施用するステップを含む化学的間引きの方法が提供される。
【0042】
したがって、本発明は、花の数を減少させ且つ/又は植物に実を結び成熟する果実の数を減少させるために、有効量のAN関連化合物を単独で、又はアセトアミノフェン若しくはその誘導体及び/若しくは別の好適な成分の同時若しくは逐次施用と組み合わせて顕花植物又は実をつける植物に施用する方法に関する。
【0043】
本発明は、花の数を減少させ且つ/又は植物に実を結び成熟する果実の数を減少させるために、アセトアミノフェン又はその誘導体及び/又は別の好適な成分の同時又は逐次的施用と組み合わせた有効量のオーキシン関連化合物を、顕花植物又は実をつける植物に施用する方法にも関する。
【0044】
このような植物の限定されない例には、高木、潅木、つる、野菜又は他の作物、又は鑑賞植物が含まれる。
【0045】
このような果実の限定されない例には、仁果、核果、柑橘類果実又はキーウィフルーツが包含される。一態様において、このような限定されない例には、リンゴ、ナシ、スモモ、サクランボ、アンズ、モモ又はネクタリン又はブドウが包含される。
【0046】
より詳しく下記に記載されるように、本発明の構成成分は、同時又は異なる時間に施用し得る。したがって、本発明者らは、その少なくとも1つが別々の容器にある本発明の構成成分を含むキットを記載した。
【0047】
本発明による構成成分の組合せは、その間引き効果に関して相乗効果も生じ得る。
【0048】
利点
本発明者らは、AN関連化合物、特にANは、単独で又は他の農業化学的に許容される化合物と混合して施用される場合、これが有用であると考えられる限り、(果実及び花におけるいくつかある利益の中で特に)有効な植物生体制御剤であることを見出した。
【0049】
本発明者らは、オーキシン関連化合物、より詳しくはAN関連化合物、さらにより詳しくはANは、他の農業化学的に許容される化合物との組合せとして又はそれらと混合してアセトアミノフェンと共に施用される場合、これが有用であると考えられる限り、(果実及び花におけるいくつかある利益の中で特に)有効な化学的間引き剤であることを見出した。
【0050】
本発明者らは、オーキシン関連化合物、より詳しくはAN関連化合物、さらにより詳しくはANは、a)D−リボース、D−キシロース、L−アラビノース、D−グルコース、D−マンノース及びD−ガラクトースなどの、グルコース、加水分解デンプン、スクロース、フルクトース、グリセロール、グリセルアルデヒド、エリスロース、リブロース、キシルロース又はアラビノース、アルドースを包含する単糖類;D−リブロース及びD−フルクトースなどのケトース;2−デオキシ−D−リボース、L−フコースなどのデオキシアルドース;N−アセチル−D−グルコサミン及びN−アセチル−D−ガラクトサミンなどのアセチル化アミノ糖;D−グルクロン酸、L−イズロン酸及びN−アセチルノイラミン酸などの酸性単糖類、D−ソルビトール及びD−マンニトールなどの糖アルコール、マルトース、ラクトース及びスクロースを包含する二糖類、又はこのような炭水化物のエステル若しくはグリコシド若しくは代謝等価物;b)Krebsトリカルボン酸サイクルの有機酸又はその代謝前駆体;c)ビタミン又は補酵素、又はその前駆体;d)プリン又はピリミジンヌクレオシド、ヌクレオチド又はその代謝前駆体;e)自然発生の脂肪又は油;或いはf)アミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物などの添加剤と混合したアセトアミノフェンと共に施用される場合、これが有用であると考えられる限り、(果実におけるいくつかある利益の中で特に)有効な化学的間引き剤であることを見出した。
【0051】
本発明者らは、上記の化合物及び組成物は、一連の種に添加された場合、化学的間引き剤として作用し、作物の安全性を改善することを見出した。このような化合物又は組成物は、それら単独で又は他の市販の化学的間引き剤と組み合わせて使用された場合、例えば、それらの安全性、効果又は経済的な魅力を改善するために役立つ。
【0052】
本発明者らは、本発明は、いくつかの市販の標準の化学的間引き剤と比較して、薬害が少なく、且つ/又はピグミー果実をもたらすことがまったく又は殆どないことを見出した。
【0053】
本発明者らは、本発明は、市販の標準の化学的間引き剤よりも広い施用ウィンドウを可能にすることも見出した。
【0054】
本発明者らは、本発明は、より少ない果実数、果実の割合及びサイズ、低品質サイズ果実及び/又は表皮品質(低い褐斑評点)における減少の少なくとも1つ又は2つ以上における改善をもたらすことも見出した。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1(1)】アントラニル酸の類似体の例の構造を示した図である。
【図1(2)】アントラニル酸の類似体の例の構造を示した図である。
【図1(3)】アントラニル酸の類似体の例の構造を示した図である。
【図1(4)】アントラニル酸の類似体の例の構造を示した図である。
【図1(5)】アントラニル酸の類似体の例の構造を示した図である。
【図1(6)】アントラニル酸の類似体の例の構造を示した図である。
【図2】自然発生のオーキシン及びコンジュゲートの例の構造を示した図である。
【図3(1)】アセトアミノフェンの誘導体の例の構造を示した図である。
【図3(2)】アセトアミノフェンの誘導体の例の構造を示した図である。
【図3(3)】アセトアミノフェンの誘導体の例の構造を示した図である。
【図3(4)】アセトアミノフェンの誘導体の例の構造を示した図である。
【図3(5)】アセトアミノフェンの誘導体の例の構造を示した図である。
【図3(6)】アセトアミノフェンの誘導体の例の構造を示した図である。
【図3(7)】アセトアミノフェンの誘導体の例の構造を示した図である。
【図4】コリスメートからIAA及びトリプトファンを導く反応の概要を示した図である。
【図5】いくつかの合成オーキシンの構造を示した図である。
【図6】以下に説明するトライアルの結果を示した図である(TAMPF製剤)。
【図7】以下に説明するトライアルの結果を示した図である(未処理)。
【0056】
発明の詳細な説明
ここで、本発明の様々な好ましい特徴及び態様を、限定されない例を用いて記載する。
【0057】
本発明は、果樹の果実の花及び小果実を間引くための方法及び化合物又は組成物を提供する。本発明の方法は、有効量の間引き化合物又は組成物を、実をつける植物の花及び/又は小果実に施用するステップを含む。
【0058】
「有効量」によって、本発明者らは、所望の「間引きレスポンス」を達成するために十分な本発明の化合物又は組成物の量を含む。一般的に、「間引きレスポンス」によって、本発明者らは、対照と比較した植物に存在する果実及び/又は花の量における減少を意味する。
【0059】
本発明は、アントラニル酸(AN):
【化1】
の使用に関する。
【0060】
ANは、アントラニレートとしても知られており、CAS番号118−92−3を有する。
【0061】
本発明者らは、上記にANの有用な誘導体を記載した。好ましくは、このような誘導体は水溶性である。代表的な塩には、アンモニウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウム塩などの無機塩並びにトリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン及びエタノールアミン塩などの有機アミン塩が包含される。
【0062】
本発明は、オーキシンの使用を含んでよい。
【0063】
いくつかの報告は、オーキシンは開花の開始に役割を果たすことを示しているので、オーキシンが化学的間引き剤として使用し得るという事実は、驚くべきことであると見られることもある。オーキシンは、均一な開花を促進し、結実性を促進し、未熟な実の落下を防ぐためにも使用されている。オーキシンは実の生長に必要であることも報告されている。
【0064】
オーキシンは、あるクラスの植物生長ホルモンである。オーキシンは、生物検定において植物組織部分に低濃度で施用された場合、細胞の伸長生長を促進する有機物質である。オーキシンファミリーの最も研究されているメンバーは、インドール−3−酢酸(IAA)である。IAAに加えて、これまで記載されているいくつかの自然発生のオーキシン:即ち、IAA、IBA、PAA及び4−Cl−IAAがある。自然発生のオーキシンは、遊離酸として及びコンジュゲート形態で植物中に見出される。
【0065】
オーキシンは、草の子葉鞘湾曲(又は生長)試験において湾曲を生じさせる化合物として定義されている。このような検定は、1926年及び1928年にFritz Wentによって記載されている。この生物検定において、草の苗の子葉鞘の先を、検定する物質を含有する寒天プレート上に置く。オーキシン応答が存在する場合、子葉鞘が暗闇で曲がり、湾曲の角度を測定することができる。Wentの結果は、茎の湾曲は寒天中の生長物質の量に比例することを示した。この試験は、アベナ湾曲試験とも称される。オーキシン活性を決定するために使用し得る他の機能試験は、茎挿しで発根を生じさせる能力及び組織又は細胞培養において細胞分裂を促進する能力を包含する。
【0066】
オーキシンの概要、それらの合成及び代謝は、例えば、Normanly、Slovin及びCohen「Plant Hormones,Biosynthesis,Signal Transduction and Action!」、Peter J.Davies編、[2004年]章「B1.オーキシン生合成及び代謝(B1.Auxin Biosynthesis and Metabolism)」36〜62頁に見出すことができる。
【0067】
インドールオーキシンに加えて、様々なフェノールオーキシンがオーキシン活性を有する。
【0068】
本発明で使用し得る自然発生のオーキシンのいくつかの例及び低分子量コンジュゲートのいくつかの例が図2に示されている。
【0069】
本発明は、コンジュゲートも使用することができる。植物は、貯蔵目的及び/又は植物中で利用可能な遊離オーキシンの量を調節するためにコンジュゲートを使用すると考えられる。IAAは、主としてアミノ酸アスパルテートにコンジュゲートされている。
【0070】
IAA−Inos、IAA−Inos−アラビノース及び他のアミノ酸とのコンジュゲートなどの関連の低分子量コンジュゲート、並びにIAAタンパクIAP1、IAA−ペプチド、IAA糖タンパク質及びIAA−グルカンなどの高分子量コンジュゲートも植物から単離されている。
【0071】
IAA及びその前駆体は、インドール−3−乳酸、インドール−3−エタノール及びIBAへの代謝変換を受ける。いくつかの参考文献は、それを合成オーキシンと称するが、IBAは植物中に自然発生することが見出されている。いくらかの解説者は、それ自体オーキシンと称するが、他はIAAの前駆体と称する。
【0072】
コンジュゲート形態の1つの一般的なクラスは、炭素−酸素−炭素架橋を介して連結されたものから構成される。1−O−IAA−Glucなどのいくつかの1−O糖コンジュゲートは、アシルアルキルアセタール結合で実際に連結されているが、これらの化合物は、一般的に「エステル連結された」と称されている。一般的なエステル連結された部分には、6−O−IAGluc、IAA−Inos、IAA−糖タンパク質、IAA−グルカン及び単純なメチル及びエチルエステルが包含される。植物に存在する他のタイプのコンジュゲートは、IAA−アミノ酸及びタンパク質及びペプチドコンジュゲート(図2参照)におけるように、炭素−窒素−炭素アミド結合(「アミド連結された」と称される)を介して連結されている。
【0073】
植物組織内のIAA生成をもたらす生化学経路には、(A)トリプトファン[Trp依存性(Trp−D)IAA合成と称される]からの、又はTrpのインドール前駆体[これらの経路はTrpを回避するので、Trp非依存性(Trp−I)IAA合成と称される]からのデノボ合成;(B)アミド結合IAAコンジュゲート及びエステル連結IAAコンジュゲートの両方の加水分解;(C)植物のある部位から別の部位への移動;並びに(D)IBAのIAAへの変換が包含される。IAA代謝回転の機構には、(E)酸化的代謝、(F)コンジュゲート合成、(G)所与の部位からの移動、及び(H)IAAのIBAへの変換が包含される。本発明は、この経路に沿ってこのような前駆体及び代謝物を使用する。本発明は、オーキシンの異化から生じるもののような不活性代謝物を使用しない。
【0074】
通常、本発明は、トリプトファン依存性経路を使用する。コリスメートからIAA及びトリプトファンを導く反応−インドール代謝の最初に明らかにされたステップ−の概要は、図4に示されている。
【0075】
本発明は、合成オーキシンの使用も包含している。合成オーキシンのいくつかの例は、図5に示されている。
【0076】
オーキシン活性を有する化合物の比較は、中性pHにおいて、それらは全て、環構造上のより弱い正電荷から約0.5nmの距離で隔てられている側鎖のカルボキシル基に強い負電荷を有することを明らかにしている。インドールは活性に必須ではないが、類似の大きさの芳香族又は縮合芳香族環であってよいことが提案されている。平面の芳香族環結合プラットフォーム、カルボン酸結合部位及び2つの結合部位を隔てる疎水性移行領域であるモデルが提案されている。
【0077】
本発明は、いくつかの態様においてアセトアミノフェンの使用を含んでよい。
【0078】
アセトアミノフェンは、IUPAC名称、N−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミドを有し、パラセタモールと一般的に称される。それはCAS番号103−90−2を有する。
【0079】
その化学式は
【化2】
である。
【0080】
上に記載の通り、アセトアミノフェンの誘導体も本発明において有用である。
【0081】
本発明の化合物又は組成物は、必要に応じて、他の成分と一緒に使用することができる。
【0082】
好ましい一態様では、このような成分の1つは、同じ又は異なるクラスの2種又は3種以上のこのような添加剤が使用され得るが、以下のクラス(a)から(f)の1種又は2種以上に属するとして定義された添加剤であってよい:
(a)通常、10から10,000g/ha(ヘクタール当たりのグラム)で施用される、D−リボース、D−キシロース、L−アラビノース、D−グルコース、D−マンノース及びD−ガラクトースなどの、グルコース、加水分解デンプン、フルクトース、グリセロール、グリセルアルデヒド、エリトロース、キシルロース又はアラビノース、アルドースを含有する単糖類;D−リブロース及びD−フルクトースなどのケトース;2−デオキシ−D−リボース、L−フコースなどのデオキシアルドース;N−アセチル−D−グルコサミン及びN−アセチル−D−ガラクトサミンなどのアセチル化アミノ糖;D−グルクロン酸、L−イズロン酸及びN−アセチルノイラミン酸などの酸性単糖類、D−ソルビトール及びD−マンニトールなどの糖アルコール、マルトース、ラクトース及びスクロースを含有する二糖類、又はこのような炭水化物のエステル若しくはグリコシド若しくは代謝等価物。いかなる理論によっても拘束されることを望まないが、上記構成成分は、
(1)アデノシン三リン酸(ATP)生成におけるような高エネルギー結合の生成の供給源、
(2)還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)及び還元ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート(NADPH)の形成のため及び
(3)アミノ酸及びヌクレオチドの前駆体として;
(b)通常、炭水化物源と同様の施用量で施用され炭水化物源と類似した機能のために使用される、Krebsトリカルボン酸サイクルの有機酸又はその代謝前駆体(クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、ピルビン酸、酢酸及びフマル酸を包含する);
(c)酵素作用に依存する代謝プロセスを刺激するために、通常、0.01から500g/haで施用される、ビタミン又は補酵素、例えば、チアミン、リボフラビン、ピリドジン(pyridozine)、ピリドキサミン、ピリドキサール、ニコチンアミド、葉酸、又はニコチン酸を包含するそれらの前駆体;
(d)通常、核酸合成のための構造前駆体として作用するために1から500g/haで施用される、プリン又はピリミジンヌクレオシド、そのヌクレオチド又は代謝前駆体、例えば、アデニン、アデノシン、チミン、チミジン、シトシン、グアニン、グアノシン、ヒポキサンチン、ウラシル、ウリジン又はイノシン;
(e)生きている微生物によって脂肪酸に分解され得る、通常、10から10,000g/haで施用される、オリーブ油、大豆油、ヤシ油及びトウモロコシ油を包含する自然発生の脂肪又は油;
(f)通常、新しく形成されたタンパク質のための構造単位として作用するために、又はその分解によって脂肪酸及び炭水化物と同様に機能するために1から500g/haで施用される、植物タンパク質に自然発生するタイプのアミノ酸、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、リシン、ヒドロキシリシン、アルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリン又はヒドロキシプロリン
として機能し得る。
【0083】
アジュバントなどの他の成分を、希釈溶液に添加してよい。アジュバントは、展着及び効果を促進し、組成物の接着性を改善する場合があり、一般的に油、消泡剤及び界面活性剤を包含する。本発明において有用であるこのような構成成分には、それだけには限らないが、テルペン、Uniqema(Castle、DE)製のBrijファミリー(ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル);Uniqema(Castle、DE)製のTweenファミリー(ポリオキシエチレンソルビタンエステル)の界面活性剤;Union Carbide(Lisle、IL)製のSilwetファミリー(オルガノシリコーン);The Dow Chemical Company(Midland、MI)製のTritonファミリー(オクチルフェノールエトキシレート);Tomah3 Products,Inc.(Milton、WI)製のTomadolファミリー(エトキシル化直鎖アルコール);Uniqema(Castle、DE)製のMyrjファミリー(ポリオキシエチレン(POE)脂肪酸エステル);Uniqema(Castle、DE)製のSpanファミリー(ソルビタンエステル);及びCognis Corporation(Cincinnati、OH)製のTryloxファミリー(エトキシル化ソルビトール及びエトキシル化ソルビトールエステル)及びRohm & Haas(Philadelphia、PA)製の市販の界面活性剤Latron B−1956(77.0%変性フタル酸/グリセロールアルキル樹脂及び23.0%ブチルアルコール);Aquatrols(Paulsboro、NJ)製のCaspil(ポリエーテル−ポリメチルシロキサン共重合体及び非イオン性界面活性剤のブレンド);Norac Concept,Inc.(Orleans、Ontario、Canada)製のAgral 90(ノニルフェノールエトキシレート);Setre Chemical Company(Memphis、TN)製のKinetic(99.00%ポリアルキレンオキシドで改変されたポリジメチルシロキサン及び非イオン性界面活性剤の独自ブレンド);及びKALO,Inc.(Overland Park、KS)製のRegulaid(90.6% 2−ブトキシエタノール、ポロキサレン、モノプロピレングリコール)が包含される。
【0084】
最終溶液が、それらの毛で覆われた又は蝋の多い表面のために、濡らすのが難しいことがある植物に施用される場合、界面活性剤、湿潤剤、展着剤及び粘着剤などの、農業化学産業で一般的に知られている他の添加剤を包含することが特に有利であり得る。(湿潤剤の例には、シリコーン界面活性剤、アルキルエトキシレートなどの非イオン性界面活性剤、リン酸エステル塩などの陰イオン界面活性剤及び脂肪酸アミドアルキルベタインなどの両性又は陽イオン界面活性剤が包含される。)
【0085】
本発明の化合物(単数又は複数)は、組成物の単独の活性成分であってもよく、又はそれらを、適切な場合に、殺線虫剤、殺虫剤、共力剤、除草剤、殺菌剤、肥料又は植物生長調節剤などの1種又は2種以上の追加の活性成分と混合することもできる。
【0086】
本発明の化合物又は組成物は、ベンジルアデニン、1−ナフチル酢酸、カルバリル、(2−クロロフェノキシ)プロピオン酸、エテホン、ナフタレンアセトアミド、チジアズロン、アンモニウムチオスルフェート、DNOC、エンドタール酸、エテホン、ジベレリン酸、石灰硫黄合剤、スルホカルバミド、ペラルゴン酸、6−ベンジルアミノプリン、N−(2−クロロ−4−ピリジル)−N−フェニル尿素、及びチジアズロンなどの他の化学的間引き剤と一緒に使用することもできる。
【0087】
1つの特に好ましい態様において、本発明の1種又は2種以上の化合物は、場合によって1種又は2種以上の活性剤と一緒に投与される。このような場合、本発明の化合物は、互いに又は1種若しくは2種以上の活性剤と共に、連続的に、同時に又は逐次的に投与することができる。化合物を組み合わせることの主要な利点は、それが、例えば生化学的相互作用によって付加的な又は可能な相乗効果を促進し得ることである。有益な組合せは、試験化合物の活性を研究することによって提案することができる。この手法は、薬剤の投与の順序、即ち、投与前、投与と同時又は投与後を決定するためにも使用することができる。
【0088】
化学的間引きは、生長した果樹において開花及び作物荷重(crop load)を減少させる化合物の添加による作物荷重の調整である。本発明の化学的間引き剤は、2つの主な効果:即ち、(1)増加した果実サイズ及び品質並びに(2)連年結果、即ち、高められた翌年着花(return bloom)の維持を有し得る。
【0089】
仁果において、化学的間引き剤は、満開及び満開後約1カ月に起こる細胞分裂の停止の間に一般的に施用される。間引き剤施用の正確なタイミングは、選択される材料、栽培品種、及び場所の条件によって決まり、例えば、石果において、施用は開花前に行い得る。
【0090】
化学的間引きは、一般的に、シーズン毎に果実栽培者によって行われる。間引きの程度及び翌シーズンの翌年着花への影響は、いくつかの要因:品種及び系統、木の状態、結実性、授粉用昆虫への近さ、気候、薬品、及び施用方法によって決まる。
【0091】
植物又は植物の周囲に上記組成物を施用するために、上記組成物を、濃厚物として使用することもでき、又はより一般的には、好適な不活性希釈剤、担体物質及び/又は界面活性剤と一緒に、本発明の組成物の有効量を包含する組成物に配合する。好ましくは、上記組成物は、濃厚物から調製され得る水溶液の形態にある。有効量によって、本発明者らは、上記組成物(及び/又はその個別の構成成分)が化学的間引き効果を提供することを意味する。1ha当たり使用される水の量は、通常は高く、植物はあふれ出すまで処理される。1ha当たりの大量の水は、葉及び花及び小果実による化合物の最適な摂取に通常は必要である。
【0092】
果樹の花への施用について、化学的間引き剤は、好ましくは実質的に水溶液である製剤で施用される。化学的間引き剤溶液は、散布タンク中において現場で混合するか又は水溶液中に送り貯蔵して、必要に応じて適切な混合及び希釈を確実にすることができる。
【0093】
化学的間引き剤の施用量は、植物に施用される水の体積並びに植物齢及びサイズなどの他の要因、及び化学的間引き剤に対する植物の感受性に応じて広く変わり得る。AN関連化合物の一般的な施用量は、1〜100g/haであり(好ましくは、及びこれらのトライアルでは、(標準的な果樹園)1ヘクタール当たり1gの活性成分(が施用された))、アセトアミノフェン又はその誘導体の一般的な施用量は、3〜300g/haである(好ましくは、及びこれらのトライアルでは、1ヘクタール当たり3gの活性成分が施用された)。本発明の農業化学的に許容される添加剤の一般的な施用量は、1〜10g/haである(好ましくは、及びこれらのトライアルでは、1ヘクタール当たり3g未満の活性成分が施用された)。展着剤及び粘着剤などの他の構成成分の施用量は、1ha当たり50〜200mlであり得る。
【0094】
施用の用量及びタイミングは、種のタイプなどの当業者に知られている多数の要因によって決まる。必要に応じて、第2の又はさらなる施用(単数又は複数)を行うことができる。各施用の間のタイミングは、5日以上の近辺であってよい。
【0095】
本発明は、植物又はその部位に本発明の化合物/組成物の制御有効量を施用するステップを含む果実及び/又は花の生成を制御する方法に関する。
【0096】
本発明の組成物は、保護すべき土壌、植物、種子、又は他の区域に施用することができる。好ましくは、本発明は、植物の茎葉に施用される。上記組成物は、散布剤、水和剤、粒剤(持続放出又は急速放出)、水分散性粒剤、乳濁又は懸濁濃厚物、溶液、乳濁液、種子粉衣、又はマイクロカプセル化された粒剤又は懸濁液などの制御放出製剤、土壌潅注、潅水構成成分、又は好ましくは葉面散布の形態で施用することができる。
【0097】
散布剤は、活性成分を、1種又は2種以上の微粉砕された固体担体及び/又は希釈剤、例えば、自然粘土、カオリン、パイロフィライト、ベントナイト、アルミナ、モンモリロナイト、多孔質珪藻土、チョーク、珪藻土、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム、硫黄、石灰、小麦粉、タルク並びに他の有機及び無機固体担体と混合することによって製剤化される。
【0098】
粒剤は、多孔質の粒状物質、例えば、軽石、アタパルジャイトクレイ、フラー土、多孔質珪藻土、珪藻土、トウモロコシ穂軸粉などに、又は砂、ケイ酸塩、鉱物炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの硬い心材に活性成分を吸収するステップによって形成される。活性成分で固体担体を含浸、結合又は被覆するのを助けるために一般的に使用される薬剤には、脂肪族及び芳香族石油系溶剤、アルコール、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、エーテル、ケトン、エステル、デキストリン、砂糖及び植物油が包含される。乳化剤、湿潤剤又は分散剤などの他の添加剤も包含され得る。
【0099】
マイクロカプセル化された製剤(マイクロカプセル懸濁液 CS)又は他の制御放出製剤を、特にある期間にわたる持続放出のために、及び種子処理のために使用することもできる。
【0100】
別法として好ましくは、上記組成物は、一般的に1種又は2種以上の既知の湿潤剤、分散剤又は乳化剤(界面活性剤)の存在下の活性成分の水性分散液又は乳濁液である、浸液、潅水添加剤又は散布液として使用される液体配合剤の形態であり得る。水性分散液又は乳濁液の形態で使用される組成物は、一般的に、高い割合の活性成分(単数又は複数)を含有する乳濁濃厚物(EC)又は懸濁濃厚物(SC)の形態で供給される。ECは、一般的に、実質的に不揮発性の有機溶媒に溶解された活性成分を含有する均一な液体組成物である。SCは、水中の固体活性成分の微細な粒径の分散液である。上記濃厚物を施用するためには、それらは、水に希釈され、一般的に、処理すべき区域に散布を用いて施用される。
【0101】
ECに適した液体溶媒には、メチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、キシレン、トルエン、クロロベンゼン、パラフィン、ケロセン、ホワイトオイル、アルコール(例えば、ブタノール)、メチルナフタレン、トリメチルベンゼン、トリクロロエチレン、N−メチル−2−ピロリドン及びテトラヒドロフルフリルアルコール(THFA)が包含される。
【0102】
これらの濃厚物は、長期間の貯蔵に耐えること、及びこのような貯蔵後に、それらが通常の散布機器によって施用されるようにするために十分な時間、均一なままでいる水性配合物を形成するための水による希釈が可能であることがしばしば求められる。上記濃厚物は、1〜85重量%の活性成分(単数又は複数)を含有し得る。水性配合物を形成するために希釈された場合、このような配合物は、それらが使用される目的に応じて様々な量の活性成分を含有し得る。
【0103】
上記組成物は、種子処理における使用のために、粉末(乾燥種子処理DS若しくは水和剤WS)又は液体(流動性濃厚剤FS、液体種子処理LS)、又はマイクロカプセル懸濁液CSとしても製剤化し得る。上記製剤は、標準の技術で、従来の種子処理装置によって種子に施用することができる。使用に際して、上記組成物は、肥料組成物の施用の既知の手段、例えば、散粉、散布、又は粒剤の混和のいずれかで、植物に、植物の部位に施用される。
【0104】
上に示されたように、本発明により製造された肥料を、通常、植物の茎葉に施用するが、土壌に施用し、又は潅漑用水に添加することもできる。
【0105】
本発明は、果実作物に関して有用である。作物は高木、低木、潅木、つる植物、野菜又は他の作物、又は鑑賞植物を含み得る。
【0106】
本発明は、以下の限定されない例のような植物に使用することができる:
アーモンド(プルヌス・デュルキス(Prunus dulcis))、リンゴ(マルス・ドメスチカ(Malus domestica))、アンズ(プルヌス・アルメニアカ(Prunus armeniaca))、アボカド(ペルセア・アメリカナ(Persea americana))、バナナ、料理用バナナ(ムサ属種(Musa spp.))、セイヨウヤブイチゴ(ルブス属種(Rubus spp))、ブルーベリー(ワッキニウム属種(Vaccinium spp))、カカオ又はココア(テオブロマ・カカオ(Theobroma cacao))、カシュー(アナカルディウム・オッキデンタレ(Anacardium occidentale))、サクランボ(プルヌス・ケラスス(Prunus cerasus)、P.アウィウム(P.avium))、クリ(カスタネア属種(Castanea spp.))、ココナツ(ココス・ヌキフェラ(Cocos nucifera))、コーヒー(コッフェア・アラビカ(Coffea arabica)、C.カネポラ(C.canephora))、ツルコケモモ(ワッキニウム・マクロカルポン(Vaccinium macrocarpon))、スグリ(リベス属種(Ribes spp))、ナツメヤシ(ポエニクス・ダクチュリフェラ(Phoenix dactylifera))、イチジク(フィクス・カリカ(Ficus carica))、グズベリー(リベス・グロッスラリア(Ribes grossularia);R.ヒルテッルム(R.hirtellum))、グレープフルーツ(キトルス・パラディシ(Citrus paradisi))、ブドウ(ウィチス・ウィニフェラ(Vitis vinifera)、他のウィチス属種(Vitis spp))、グアバ(プシディウム・グアヤワ(Psidium guajava)及び関連の属種)、ヘーゼルナッツ又はハシバミ(コリュルス・アウェッラナ(Corylus avellana))、ジューンベリー(アメランキエル・アルニフォリア(Amelanchier alnifolia))、キーウィフルーツ(アクチニディア・デリキオサ(Actinidia deliciosa))、キンカン(フォルツネッラ属種(Fortunella spp))、レモン(キトルス・リモン(Citrus limon))、ライム(キトルス・アウランチフォリア(Citrus aurantifolia))、ビワ(エリオボトリュア・ヤポニカ(Eriobotrya japonica))、マカダミア(マカダミア・インテグリフォリア(Macadamia integrifolia))、マンゴー(マンギフェラ・インディカ(Mangifera indica))、サンザシ(クラタエグス属種(Crataegus spp.))、アブラヤシ(エラエイス・グイネエンシス(Elaeis guineensis))、オリーブ(オレア・エウロパエア(Olea europaea))、オレンジ(キトルス・シネンシス(Citrus sinensis))、パパイヤ(カリカ・パパヤ(Carica papaya))、モモ(プルヌス・ペルシカ(Prunus persica))、セイヨウナシ(ピュルス・コッムニス(Pyrus communis)、P.ピュリフォリア(P.pyrifolia))、ペカン(カリュア・イッリノエンシス(Carya illinoensis))、パイナップル(アナナス・コモスス(Ananas comosus))、ピスタチオ(ピスタキア・ウェラ(Pistacia vera))、スモモ(プルヌス・ドメスチカ(Prunus domestica)、P.サリキナ(P.salicina))、ザクロ(プニカ・グラナツム(Punica granatum))、マルメロ(キュドニア・オブロンガ(Cydonia oblonga))、ラズベリー(ルブス・イダエウス(Rubus idaeus)、R.オッキデンタリス(R.occidentalis))、イチゴ(フラガリア・クサナナッサ(Fragaria Xananassa))、タンジェリン(キトルス・レチクラタ(Citrus reticulata))、クルミ(ユグランス・レギア(Juglans regia))、キク、及びアザレア属腫(例えばアザレアストルム(Azaleastrum))を含むシャクナゲ、カランコエ、球根作物、クロッカス、チューリップ、スイセン、ヒアシンス、ポインセチヤ及びバラ。
【0107】
本発明の化合物又は組成物の次の混合物に特に言及される:
1.アントラニル酸(AN)の添加。
2.アセトアミノフェン(AC)のアントラニル酸(AN)への添加。
3.添加剤(ADD)のアントラニル酸への添加。
4.ADDのAN+ACへの添加。
5.ADDのNAA/他のオーキシン、又はオーキシンミックス(例えば、NAA/BA)への添加。
6.ADDのAC+AN/NAA/他のオーキシン、又はオーキシンミックス(例えば、NAA/BA)への添加。
7.ACのNAA/他のオーキシン又はオーキシンミックスへの添加。
【0108】
本発明によるこれら及び他の組合せは、付加的な又は相乗効果を生じ得る。
【0109】
添加剤は、上記のクラス(a)から(f)として記載されたものであってよい。
【0110】
添加剤が、クラス(a)から選択される場合、それは、好ましくは、1種又は2種以上のグルコース、スクロース、フルクトース又はグリセロールである。
【0111】
添加剤が、クラス(b)から選択される場合、それは、好ましくは、1種又は2種以上のクエン酸又はコハク酸である。
【0112】
添加剤が、クラス(c)から選択される場合、それは、好ましくは、1種又は2種以上のチアミン、リボフラビン、ピリドキシン、ニコチンアミド、葉酸、アスコルビン酸、ビオチン又はビタミンB12である。
【0113】
添加剤が、クラス(d)から選択される場合、それは、好ましくは、アデニン、チミジン、シトシン又はウラシルである。
【0114】
添加剤が、クラス(e)から選択される場合、それは、好ましくは、トウモロコシ油である。
【0115】
添加剤が、アミノ酸から選択される場合、それは、好ましくは、1種又は2種以上のグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、トレオニン、システイン、メチオニン、グルタミン、アスパラギン又はリシンである。
【0116】
以下の例は、本発明をさらに明らかにするが、本発明を制限するものではない。
【0117】
実験結果:
(例1)
リンゴ−cv Elstar
これらの実験におけるTAMPF製剤の例には、1ヘクタール当たり1リットルの施用量で施用されたAN+AC+ADDが包含された。ADD=それぞれ<3g/lにおけるクラス(f)からの少なくとも1つの添加剤、加えてクラス(c)からの少なくとも1つの添加剤。
【表1】
【0118】
TAMPF製剤からの結果は、有効な果実の間引きを示している。
【表2】
【0119】
TAMPF製剤は、未処理に比べて、1本の枝当たりのより少ない着果、改善された表皮品質(減少した褐斑)、収穫時の1本の木当たりのより少ない果実及び収穫時のより大きな個々の平均果実重量(g)を示した。1果実当たりの改善された重量をもたらした良好な間引きが行われた。
【表3】
【0120】
TAMPF製剤は、低品質カテゴリーの果実のより低いパーセンテージ、及び高品質カテゴリーの果実の増加したパーセンテージを生成した。したがって、高められた市場価値のより大きなリンゴのより大きな割合が生成された。
【表4】
【0121】
TAMPF製剤は、組み合わさった低品質カテゴリーのより少ない果実、及びより高いカテゴリーの類似の果実数(即ち>70mm)を生成した。
【表5】
【0122】
TAMPF製剤は、有効な果実間引き剤から予想されたように、それぞれのサイズカテゴリーのより大きな個別の果実重量(g)を生成した。
【0123】
図6及び図7は、上記トライアルからの結果を示している。図6におけるリンゴの木は、TAMPF製剤で処理し、図7におけるリンゴの木は、処理しなかった。特に、TAMPF製剤で処理された木の1枝当たりの果実のより少ない数から、果実間引き剤としてのTAMPF製剤の有効性は明らかである。
【0124】
この実験におけるTAMPF製剤の例は、1ヘクタール当たり1リットルの施用量で施用された。薬害又は傷害がまったくなく、これは非常に安全であることがわかり、例えばNAAで普通である「ピグミー果実」がなかった。さらに、20mmの果実径段階における施用は、8〜12mmの果実径を超えては推奨されない他の果実間引き剤、例えばNAA、又はNAA+ベンジルアデニンと比べてはるかに遅かった。したがって、これは、単体又は混合物のNAAに比べて施用ウィンドウにおける改善を示している。平均果実サイズ及び重量(市場品質)の両方、及び表皮色品質(褐斑インデックス)は、TAMPF製剤によって大いに改善された。
【0125】
(例2)
キク−cv Herby Mixed
A.オーキシン/オーキシン前駆体又はオーキシン/オーキシン前駆体プラスアセトアミノフェンの施用の花芽間引きへの利益を実証すること。
【0126】
栽培の詳細:市販の播種用の土に植物を播種し、次いで、乱塊法デザインで並べられた9cmポット中の専門グレードの多目的の苗床用の土に「移植」した。通常の日光に加えた補充照明を1日当たり最低10時間提供した。昼間に最低華氏60度及び夜間に40度Fに加熱した。
【0127】
播種日:2009年10月5日、プラグトレイ中。施用日:2009年12月2日(最初の芽)。測定日:2010年1月12日(開花)。測定:1本の植物当たりの芽の数。
【0128】
多数のオーキシン又はオーキシン前駆体を、それぞれ10−2モル溶液で施用した。アセトアミノフェン(AC)の添加は、各試験において1ヘクタール当たり3g相当であった。
【表6】
【0129】
有効な間引き剤から予想されるように、オーキシン又はオーキシン前駆体の施用は、1本の植物当たりの芽の減少した平均数をもたらした。オーキシン又はオーキシン前駆体に加えたACの施用は、1本の植物当たりの芽の平均数におけるさらなる減少をもたらした。
【0130】
B.アントラニル酸又はアントラニル酸プラスアセトアミノフェンのいずれかとの組合せの、農業化学的に許容される添加剤の施用の花芽間引きへの利益を実証すること。
【0131】
栽培の詳細:市販の播種用の土に植物を播種し、次いで、乱塊法デザインで並べられた9cmポット中の専門グレードの多目的の苗床用の土に「移植」した。通常の日光に加えた補充照明を1日当たり最低10時間提供した。昼間に最低華氏60度及び夜間に40度に加熱した。例としての特定の農業化学的に許容される添加剤(下表に1ha当たりの施用量が提供されている)を、アントラニル酸(1ヘクタール当たり250リットルの水で施用された、1リットルの溶液当たり1グラム=1ヘクタール当たり1gの活性成分の総量)又はアントラニル酸プラスアセトアミノフェン(1ヘクタール当たり250リットルの水で施用された、それぞれ1リットル当たり1グラム及び1リットルの溶液当たり3グラム=1ヘクタール当たりそれぞれ1g及び3gの活性成分の総量)のいずれかに添加した。
【0132】
播種日:2009年10月26日、プラグトレイ中。施用日:2010年2月4日(最初の芽)。測定日:2010年3月12日(開花)。測定:1本の植物当たりの芽の数。
【表7】
【0133】
ANと組み合わせた農業化学的に許容される添加剤の施用は、AN単体に対してさらなる改善を示す。同様に、AN+ACと組み合わせた農業化学的に許容される添加剤の施用は、AN+ACのみに対してさらなる改善を示す。
【0134】
上記の明細書に記載された全ての刊行物は、本明細書に参照により組み込まれている。記載された本発明の方法及びシステムの様々な改変及び変形は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく当業者に明らかになろう。本発明が、特定の好ましい態様に関連して記載されたが、請求の範囲に記載されている本発明は、このような特定の態様に過度に限定されるべきではないことを理解されたい。実際に、当業者に明らかである、本発明を実施する記載された様式の様々な変更は、以下の特許請求の範囲に含まれるよう意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーキシン、オーキシン前駆体、オーキシン代謝産物又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体又はそれらの混合物及びアセトアミノフェン又はその誘導体から選択される化合物を含む、化学的間引き剤としての使用のための組成物。
【請求項2】
オーキシン、オーキシン前駆体、オーキシン代謝産物又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体又はそれらの混合物、アセトアミノフェン又はその誘導体及び農業化学的に許容される添加剤から選択される化合物を含む、化学的間引き剤としての使用のための組成物。
【請求項3】
農業化学的に許容される添加剤が、a)D−リボース、D−キシロース、L−アラビノース、D−グルコース、D−マンノース及びD−ガラクトースなどの、グルコース、加水分解デンプン、スクロース、フルクトース、グリセロール、グリセルアルデヒド、エリスロース、リブロース、キシルロース又はアラビノース、アルドースを包含する単糖類;D−リブロース及びD−フルクトースなどのケトース;2−デオキシ−D−リボース、L−フコースなどのデオキシアルドース;N−アセチル−D−グルコサミン及びN−アセチル−D−ガラクトサミンなどのアセチル化アミノ糖;D−グルクロン酸、L−イズロン酸及びN−アセチルノイラミン酸などの酸性単糖類、D−ソルビトール及びD−マンニトールなどの糖アルコール、マルトース、ラクトース及びスクロースを包含する二糖類、又はこのような炭水化物のエステル若しくはグリコシド若しくは代謝等価物;b)Krebsトリカルボン酸サイクルの有機酸又はその代謝前駆体;c)ビタミン又は補酵素、又はその前駆体;d)プリン又はピリミジンヌクレオシド、ヌクレオチド又はその代謝前駆体;e)自然発生の脂肪又は油;或いはf)アミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
農業化学的に許容される添加剤が、c)ビタミン若しくは補酵素、若しくはその前駆体、d)プリン若しくはピリミジンヌクレオシド、ヌクレオチド若しくはその代謝前駆体、又はf)アミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物を含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
アセトアミノフェン誘導体が、図3に示された化合物の1つである、請求項1から4までのいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
アジュバントをさらに含む、請求項1から5までのいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
オーキシンが、インドールオーキシン又はフェノールオーキシンである、請求項1から6までのいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
オーキシン誘導体が、オーキシン、又はアルキル化若しくはハロゲン化オーキシンの酸、コンジュゲート、塩、エステル、又はアミドである、請求項1から7までのいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
オーキシンが、糖、アルコール、アミノ酸、ペプチド又はタンパク質にコンジュゲートされている、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前駆体が、コリスメート、アントラニル酸、ホスホリボシルアントラニレート、1−(O−カルボキシフェニルアミノ)−1−デオキシリブロース−5−ホスフェート、インドール−3−グリセロール−ホスフェート、インドール、インドール−3−酢酸、トリプトファン、トリプタミン、N−ヒドロキシトリプタミン、インドール−3−アセトアルドキシム、1−アシ−ニトロ−2−インドリルエタン、インドールグルコシノレート、インドール−3−アセトニトリル(IAN)、インドール−3−アセトアルデヒド、インドール−3−乳酸、インドール−3−ピルビン酸、又はインドール−3−エタノールである、請求項1から9までのいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
前駆体が、アントラニル酸又はその誘導体である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
アントラニル酸の誘導体が、図1に示された化合物の1つである、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前駆体が、アントラニル酸である、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
オーキシンが、天然又は合成オーキシンである、請求項1から13までのいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
天然オーキシンが、インドール−3−酢酸(IAA)、4−クロロ−インドール−3−酢酸(4−Cl−IAA)、フェニル酢酸(PAA)、インドール−3−酪酸(IBA)、インドール−3−アセチル−1−O−β−D−グルコース(IAAglc)である、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
天然オーキシンのコンジュゲートが、IAA−イノシトール、IAA−イノシトール−アラビノース、IAP1、IAA−ペプチド、IAA−糖タンパク質、IAA−グルカン、IAA−アスパルテート、IAA−グルコース、IAA−1−O−グルコース、IAA−ミオ−イノシトール、IAA−4−O−グルコース、IAA−6−O−グルコース、IAA−イノシトール−ガラクトース、IAAアミドコンジュゲート、又はIAA−アミノ酸コンジュゲートである、請求項14又は15に記載の組成物。
【請求項17】
合成オーキシンが、1−ナフタレン酢酸(NAA)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)、2−メトキシ−3,6−ジクロロ安息香酸(ジカンバ)、4−アミノ−3,5,6−トリクロロピコリン酸(トルドン)、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5−T)、2,3,6−トリクロロ安息香酸、4−クロロ−2メチルフェノキシ酢酸(MCPA)、N,N−ジメチルエチルチオカルバメート、又はナフタレンアセトアミド(NAD)である、請求項14に記載の組成物。
【請求項18】
代謝産物が、インドール−3−乳酸又はインドール−3−エタノールである、請求項1から9までのいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
化学的間引き剤としての使用のためのアントラニル酸又はその誘導体。
【請求項20】
誘導体が、アルキル又はハロゲン基で場合によって置換されている酸のコンジュゲート、塩、エステル、又はアミドである、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
化合物が、糖、アルコール、アミノ酸、ペプチド又はタンパク質にコンジュゲートされている、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
アントラニル酸の誘導体が、図1に示された化合物の1つである、請求項19から21までのいずれかに記載の化合物。
【請求項23】
請求項19から22までのいずれかに記載の化合物の2つ又は3つ以上を含む、化学的間引き剤としての使用のための組成物。
【請求項24】
オーキシン、オーキシン前駆体、オーキシン代謝産物又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体又はそれらの混合物及び農業化学的に許容される添加剤から選択される化合物を含む、化学的間引き剤としての使用のための組成物。
【請求項25】
農業化学的に許容される添加剤が、a)D−リボース、D−キシロース、L−アラビノース、D−グルコース、D−マンノース及びD−ガラクトースなどの、グルコース、加水分解デンプン、スクロース、フルクトース、グリセロール、グリセルアルデヒド、エリスロース、リブロース、キシルロース又はアラビノース、アルドースを包含する単糖類;D−リブロース及びD−フルクトースなどのケトース;2−デオキシ−D−リボース、L−フコースなどのデオキシアルドース;N−アセチル−D−グルコサミン及びN−アセチル−D−ガラクトサミンなどのアセチル化アミノ糖;D−グルクロン酸、L−イズロン酸及びN−アセチルノイラミン酸などの酸性単糖類、D−ソルビトール及びD−マンニトールなどの糖アルコール、マルトース、ラクトース及びスクロースを包含する二糖類、又はこのような炭水化物のエステル若しくはグリコシド若しくは代謝等価物;b)Krebsトリカルボン酸サイクルの有機酸又はその代謝前駆体;c)ビタミン又は補酵素、又はその前駆体;d)プリン又はピリミジンヌクレオシド、ヌクレオチド又はその代謝前駆体;e)自然発生の脂肪又は油;或いはf)アミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物を含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
請求項19から23までのいずれかに記載の化合物又はそれらの混合物又は請求項1から18まで、24及び25のいずれかに記載の組成物を、さらなる化学的間引き剤と一緒に含む、化学的間引き剤としての使用のための組成物。
【請求項27】
さらなる化学的間引き剤が、ベンジルアデニン、1−ナフチル酢酸、カルバリル、(2−クロロフェノキシ)プロピオン酸、エテホン、ナフタレンアセトアミド、チジアズロン、アンモニウムチオスルフェート、DNOC、エンドタール酸、ジベレリン酸、石灰硫黄合剤、スルホカルバミド及びペラルゴン酸から選択される、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
小果実の間引き剤としての使用のための、請求項19から23までのいずれかに記載の化合物又は請求項1から18まで、24及び25のいずれかに記載の組成物。
【請求項29】
花の間引き剤としての使用のための、請求項19から23までのいずれかに記載の化合物又は請求項1から18まで、24及び25のいずれかに記載の組成物。
【請求項30】
請求項19から23までのいずれかに記載の化合物又は請求項1から18まで、24及び25のいずれかに記載の組成物を、植物又はその周囲に施用するステップを含む、化学的間引きの方法。
【請求項31】
請求項19から23までのいずれかに記載の化合物又は請求項1から18まで、24及び25のいずれかに記載の組成物を、植物又はその周囲に施用するステップを含む、小果実を間引く方法。
【請求項32】
植物が、高木、潅木、つる、野菜又は他の作物、又は鑑賞植物である、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
請求項19から23までのいずれかに記載の化合物又は請求項1から18まで、24及び25のいずれかに記載の組成物を、顕花植物に施用するステップを含む、花を間引く方法。
【請求項1】
オーキシン、オーキシン前駆体、オーキシン代謝産物又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体又はそれらの混合物及びアセトアミノフェン又はその誘導体から選択される化合物を含む、化学的間引き剤としての使用のための組成物。
【請求項2】
オーキシン、オーキシン前駆体、オーキシン代謝産物又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体又はそれらの混合物、アセトアミノフェン又はその誘導体及び農業化学的に許容される添加剤から選択される化合物を含む、化学的間引き剤としての使用のための組成物。
【請求項3】
農業化学的に許容される添加剤が、a)D−リボース、D−キシロース、L−アラビノース、D−グルコース、D−マンノース及びD−ガラクトースなどの、グルコース、加水分解デンプン、スクロース、フルクトース、グリセロール、グリセルアルデヒド、エリスロース、リブロース、キシルロース又はアラビノース、アルドースを包含する単糖類;D−リブロース及びD−フルクトースなどのケトース;2−デオキシ−D−リボース、L−フコースなどのデオキシアルドース;N−アセチル−D−グルコサミン及びN−アセチル−D−ガラクトサミンなどのアセチル化アミノ糖;D−グルクロン酸、L−イズロン酸及びN−アセチルノイラミン酸などの酸性単糖類、D−ソルビトール及びD−マンニトールなどの糖アルコール、マルトース、ラクトース及びスクロースを包含する二糖類、又はこのような炭水化物のエステル若しくはグリコシド若しくは代謝等価物;b)Krebsトリカルボン酸サイクルの有機酸又はその代謝前駆体;c)ビタミン又は補酵素、又はその前駆体;d)プリン又はピリミジンヌクレオシド、ヌクレオチド又はその代謝前駆体;e)自然発生の脂肪又は油;或いはf)アミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
農業化学的に許容される添加剤が、c)ビタミン若しくは補酵素、若しくはその前駆体、d)プリン若しくはピリミジンヌクレオシド、ヌクレオチド若しくはその代謝前駆体、又はf)アミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物を含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
アセトアミノフェン誘導体が、図3に示された化合物の1つである、請求項1から4までのいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
アジュバントをさらに含む、請求項1から5までのいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
オーキシンが、インドールオーキシン又はフェノールオーキシンである、請求項1から6までのいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
オーキシン誘導体が、オーキシン、又はアルキル化若しくはハロゲン化オーキシンの酸、コンジュゲート、塩、エステル、又はアミドである、請求項1から7までのいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
オーキシンが、糖、アルコール、アミノ酸、ペプチド又はタンパク質にコンジュゲートされている、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前駆体が、コリスメート、アントラニル酸、ホスホリボシルアントラニレート、1−(O−カルボキシフェニルアミノ)−1−デオキシリブロース−5−ホスフェート、インドール−3−グリセロール−ホスフェート、インドール、インドール−3−酢酸、トリプトファン、トリプタミン、N−ヒドロキシトリプタミン、インドール−3−アセトアルドキシム、1−アシ−ニトロ−2−インドリルエタン、インドールグルコシノレート、インドール−3−アセトニトリル(IAN)、インドール−3−アセトアルデヒド、インドール−3−乳酸、インドール−3−ピルビン酸、又はインドール−3−エタノールである、請求項1から9までのいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
前駆体が、アントラニル酸又はその誘導体である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
アントラニル酸の誘導体が、図1に示された化合物の1つである、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前駆体が、アントラニル酸である、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
オーキシンが、天然又は合成オーキシンである、請求項1から13までのいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
天然オーキシンが、インドール−3−酢酸(IAA)、4−クロロ−インドール−3−酢酸(4−Cl−IAA)、フェニル酢酸(PAA)、インドール−3−酪酸(IBA)、インドール−3−アセチル−1−O−β−D−グルコース(IAAglc)である、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
天然オーキシンのコンジュゲートが、IAA−イノシトール、IAA−イノシトール−アラビノース、IAP1、IAA−ペプチド、IAA−糖タンパク質、IAA−グルカン、IAA−アスパルテート、IAA−グルコース、IAA−1−O−グルコース、IAA−ミオ−イノシトール、IAA−4−O−グルコース、IAA−6−O−グルコース、IAA−イノシトール−ガラクトース、IAAアミドコンジュゲート、又はIAA−アミノ酸コンジュゲートである、請求項14又は15に記載の組成物。
【請求項17】
合成オーキシンが、1−ナフタレン酢酸(NAA)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)、2−メトキシ−3,6−ジクロロ安息香酸(ジカンバ)、4−アミノ−3,5,6−トリクロロピコリン酸(トルドン)、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5−T)、2,3,6−トリクロロ安息香酸、4−クロロ−2メチルフェノキシ酢酸(MCPA)、N,N−ジメチルエチルチオカルバメート、又はナフタレンアセトアミド(NAD)である、請求項14に記載の組成物。
【請求項18】
代謝産物が、インドール−3−乳酸又はインドール−3−エタノールである、請求項1から9までのいずれかに記載の組成物。
【請求項19】
化学的間引き剤としての使用のためのアントラニル酸又はその誘導体。
【請求項20】
誘導体が、アルキル又はハロゲン基で場合によって置換されている酸のコンジュゲート、塩、エステル、又はアミドである、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
化合物が、糖、アルコール、アミノ酸、ペプチド又はタンパク質にコンジュゲートされている、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
アントラニル酸の誘導体が、図1に示された化合物の1つである、請求項19から21までのいずれかに記載の化合物。
【請求項23】
請求項19から22までのいずれかに記載の化合物の2つ又は3つ以上を含む、化学的間引き剤としての使用のための組成物。
【請求項24】
オーキシン、オーキシン前駆体、オーキシン代謝産物又は前記オーキシン、オーキシン前駆体若しくはオーキシン代謝産物の誘導体又はそれらの混合物及び農業化学的に許容される添加剤から選択される化合物を含む、化学的間引き剤としての使用のための組成物。
【請求項25】
農業化学的に許容される添加剤が、a)D−リボース、D−キシロース、L−アラビノース、D−グルコース、D−マンノース及びD−ガラクトースなどの、グルコース、加水分解デンプン、スクロース、フルクトース、グリセロール、グリセルアルデヒド、エリスロース、リブロース、キシルロース又はアラビノース、アルドースを包含する単糖類;D−リブロース及びD−フルクトースなどのケトース;2−デオキシ−D−リボース、L−フコースなどのデオキシアルドース;N−アセチル−D−グルコサミン及びN−アセチル−D−ガラクトサミンなどのアセチル化アミノ糖;D−グルクロン酸、L−イズロン酸及びN−アセチルノイラミン酸などの酸性単糖類、D−ソルビトール及びD−マンニトールなどの糖アルコール、マルトース、ラクトース及びスクロースを包含する二糖類、又はこのような炭水化物のエステル若しくはグリコシド若しくは代謝等価物;b)Krebsトリカルボン酸サイクルの有機酸又はその代謝前駆体;c)ビタミン又は補酵素、又はその前駆体;d)プリン又はピリミジンヌクレオシド、ヌクレオチド又はその代謝前駆体;e)自然発生の脂肪又は油;或いはf)アミノ酸から選択される少なくとも1種の化合物を含む、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
請求項19から23までのいずれかに記載の化合物又はそれらの混合物又は請求項1から18まで、24及び25のいずれかに記載の組成物を、さらなる化学的間引き剤と一緒に含む、化学的間引き剤としての使用のための組成物。
【請求項27】
さらなる化学的間引き剤が、ベンジルアデニン、1−ナフチル酢酸、カルバリル、(2−クロロフェノキシ)プロピオン酸、エテホン、ナフタレンアセトアミド、チジアズロン、アンモニウムチオスルフェート、DNOC、エンドタール酸、ジベレリン酸、石灰硫黄合剤、スルホカルバミド及びペラルゴン酸から選択される、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
小果実の間引き剤としての使用のための、請求項19から23までのいずれかに記載の化合物又は請求項1から18まで、24及び25のいずれかに記載の組成物。
【請求項29】
花の間引き剤としての使用のための、請求項19から23までのいずれかに記載の化合物又は請求項1から18まで、24及び25のいずれかに記載の組成物。
【請求項30】
請求項19から23までのいずれかに記載の化合物又は請求項1から18まで、24及び25のいずれかに記載の組成物を、植物又はその周囲に施用するステップを含む、化学的間引きの方法。
【請求項31】
請求項19から23までのいずれかに記載の化合物又は請求項1から18まで、24及び25のいずれかに記載の組成物を、植物又はその周囲に施用するステップを含む、小果実を間引く方法。
【請求項32】
植物が、高木、潅木、つる、野菜又は他の作物、又は鑑賞植物である、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
請求項19から23までのいずれかに記載の化合物又は請求項1から18まで、24及び25のいずれかに記載の組成物を、顕花植物に施用するステップを含む、花を間引く方法。
【図1(1)】
【図1(2)】
【図1(3)】
【図1(4)】
【図1(5)】
【図1(6)】
【図2】
【図3(1)】
【図3(2)】
【図3(3)】
【図3(4)】
【図3(5)】
【図3(6)】
【図3(7)】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図1(2)】
【図1(3)】
【図1(4)】
【図1(5)】
【図1(6)】
【図2】
【図3(1)】
【図3(2)】
【図3(3)】
【図3(4)】
【図3(5)】
【図3(6)】
【図3(7)】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2012−522830(P2012−522830A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504094(P2012−504094)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【国際出願番号】PCT/IB2010/000963
【国際公開番号】WO2010/116256
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(507416850)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【国際出願番号】PCT/IB2010/000963
【国際公開番号】WO2010/116256
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(507416850)
【Fターム(参考)】
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