説明

関節炎のための電子刺激及び関節安定化

【課題】 例えば、関節炎の関節を治療する矯正器具デバイスであって、電子刺激を与え、着用者の解剖学的構造に合致するように適応する矯正器具デバイスを提供すること。
【解決手段】 本発明の各種実施形態による、矯正器具デバイス・システムまたは他の関節安定化アセンブリであって、少なくとも一つの離散的なライナーセグメントと、着用者の解剖学的組織と接触するように構成されるこのライナーセグメントに配置される少なくとも一つの電極または他の信号伝送素子、電気物理的療法を提供するように構成され、関節炎関節の全体的機能を向上させるための電子刺激ユニットとを含む、前記矯正器具デバイス・システムまたは他の関節安定化アセンブリ。電極は、矯正器具デバイスに取付けのための外面を有する支持体層と、電気信号を伝送するように構成される導電層と、着用者の解剖学的組織に合致し、信号を伝えるように構成されるインタフェース層と矯正器具デバイスに配置された接触に電気的に結合するように構成される接続部材とを含む。関節安定化アセンブリに関連して使用される電子刺激ユニットは、この関節安定化アセンブリ又は電子刺激ユニットのいずれかのみを使用することに対して、最適化された関節療法となり、相乗効果をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、2004年3月10日出願のニュージーランド出願第531705号からの優先権を主張する2005年3月10日出願の国際特許出願第PCT/US05/08010号の371であって、この国際特許出願からの優先権を主張する2006年9月7日出願の米国特許出願第10/591966号の一部継続出願であって、この米国特許出願からの優先権を主張する2009年5月19日出願の米国特許出願第12/468794号の一部継続出願であって、この米国特許出願からの優先権を主張する2009年7月27日出願の米国特許出願第12/510102号の一部継続出願であって、この米国特許出願からの優先権を主張するものである。
米国特許出願第12/510102号;
米国特許出願第12/468794号;
米国特許出願第10/591966号;
国際特許出願第PCT/US05/08010号;及び
ニュージーランド出願第531705号は、それぞれ全体として本願に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、広くは、矯正器具デバイスに関し、更に詳しくは関節炎の関節を治療する電子刺激及び支え(ブレーシング)に関するものである。幾つかの実施例は、電子刺激を提供し、着用者の解剖学的構造に合致するように適応する膝支え(膝ブレース)及び電極に関するものである。
【背景技術】
【0003】
矯正器具デバイスは、一般的に、ブレース、支持体及び副木を含む大部分のデバイスに必要とされる骨格のサポートのベースを形成する十分に剛性の生体力学的素子を含む。
【0004】
人間の膝は、一般に、立ったり、歩いたり、走ったりしている間体重を支える大腿と脹ら脛の間の分節された関節を備えている。この膝関節は、主に4つの靭帯、即ち、前と後ろの十字形の靭帯と中央と横方向の副行靭帯によって一緒に保持される。この膝関節は、怪我によって弱められたり、損傷を受けたりして、軟骨損傷並びに靭帯挫傷となる。それらは、外傷、反復スポーツ活動、又は、過度の意欲的な運動又は骨関節炎のような生理的課題の結果であったりする。特に、人間の膝は、特に走ったり、跳んだりの運動中に、様々な損傷を与えるストレスとストレイン(挫傷)にさらされる。スポーツマンは、特に、膝への又は膝の捩れへの打撃の結果として、膝の損傷を受け易い。この膝の損傷は、フットボール又はスキーのような様々なコンタクト・スポーツや高いストレス・スポーツにおいて共通に発生する。
【0005】
様々な膝ブレースがあり、市場や健康管理プロバイダを介して入手できる。これらの膝ブレースは、完全に膝を固定しようとするブレースから、膝を支える靭帯の横方向の動きをなくしつつ、幾分柔軟性を持たせようとする可撓性の弾性の包帯と同じ位シンプルである機能的なブレースまである。
これらの製品の中には、長期の着用のための比較的永久的なデバイスとして着用されることを意図したものと、他方、激しい活動の間、弱った膝を支えるため短期間の着用を意図したものとがある。これらの機能的なブレースは、膝靭帯を悪化させるあらゆる不自然な運動を妨げつつ、それらの第1の目的として、膝を旋回することができるものでなければならない。幾つかのブレースは、骨関節炎によって生じる痛みのような痛みを軽減するために、膝関節上に一定の又は可変の「アンローディング」力を与えるためのものである。機能的なブレースは、人が歩いたり、走ったり、跳んだり、スケートをしたり、様々な他の体育活動をしている最中に、膝関節の自然な動きができるようになっているが、一方の側又は他方の側への上腿と下腿の突然の移動を妨げるようにもなっており、また、上腿に対する下腿の垂直軸の周りの捩れや回転を妨げたり、及び/又はこの関節に痛み−軽減力を与えるようにもなっている。
【0006】
通常は、この膝ブレースは可撓性帯状板によって適所に保持され、膝の上下のユーザの大腿と脹ら脛をそれぞれくるむ。このようにして、膝ブレースの剛性のヒンジは、膝のヒンジされた関節を模倣するようにユーザの膝に対して適所に留まる。しかしながら、ユーザの身体の動作が脚に対して可撓性帯状板を動かすのはまれでなく、それによって、膝に対する膝ブレースの位置ずれが起こる。このブレース・ストラップの移動によって、ずれ、従ってこの矯正器具デバイスの不正使用が生じるだけでなく、予想外の擦れによってユーザの皮膚の炎症も引き起こす。
【0007】
矯正器具デバイスは、所望のサポートを提供するために軟組織と効果的に係合しなければならない。人体の多くの部分において、軟組織は、例えば、筋肉運動の結果として伸縮によって動く。軟組織が形を変えると、皮膚の部分は、この矯正器具デバイスのライナーとの接触を失うことがある。このライナーとの接触の減少により、矯正器具デバイスはその位置を変え、即ちユーザに対して移動し、従って効果がなくなる。典型的なデバイスは、接触を維持するためにこのブレースを締める策を提供しているが、これによって、不快が生じ、皮膚呼吸が妨げられ、このデバイスとライナーのエッジ(端)周りで、皮膚をヒリヒリさせたりする。
【0008】
あらゆる剛性の膝ブレースの目的は、予測可能な力をユーザの骨格に及ぼすことにある。特に、この目的は、膝より上のユーザの体重における大腿骨に関して脛骨に力を及ぼすことにある。定義上、膝ブレースは、このブレースとユーザの骨格の間に位置している軟組織に適用される。あらゆる剛性の要素は、ユーザの身体と接触するある形状のライナーを含むことができる。このライナーは、ユーザの皮膚と直接接触するように、又は、代わりに、矯正器具デバイスが取り付けられることになっている解剖学的組織の部分にユーザが着用している衣類と係合するように設計された外部の構造(ファブリック)を有することができる。軟組織は、可動性で、ユーザの歩行−その動きが、走ったり、歩いたり、又は膝に共通な他の身体的な動きによってであろうとも−に対応するサイクルで動く。大抵の可動軟組織は、前方大腿領域の大腿骨の前に位置している大腿四頭筋機構である。膝ブレースの中央(主要な)基準点は、この膝関節線である。構成上、膝ブレースのような矯正器具デバイスは、正しく単純なヒンジではない膝のような、支えられるべき関節の動きを模倣した関節機構を使用する。各ユーザの体形はユニークなので、ユーザの脚と矯正器具間のインターフェースは、この種のデバイスの製造において予め決めておくことができない。
【0009】
変形性関節症、骨関節炎及び他の関節疾患又は損傷は、電気刺激の様々な方法によって治療することができる。電子刺激の方法は、
神経筋電気刺激(Neuromuscular Electrical Stimulation)、
干渉刺激(Interferential Stimulation)、
高圧電気刺激(High Volt Galvanic Stimulation)、
電磁パルス化電磁界刺激(Electromagnetic and Pulsed Electromagnetic Field Stimulation)、
トランス皮膚電気神経刺激(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation)、
関節炎のためのトランス皮膚電気刺激(Transcutaneous Electrical Stimulation for Arthritis (TESA))、
そして、マイクロ電流電気刺激(Micro Current Electrical Stimulation)を含む。
【0010】
骨関節炎は、今日進行中の高齢化で増大している問題であり続ける。人はより長生きし、よりダイナミックに生きるので、関節悪化に対する解決策が必要なのは明らかである。特定の要因の1つは、関節の関節接合軟骨の進行性の退化である。療法の従来の手段は、NSAIDSを含み、それは、ただ疾患と関連した痛みと炎症を治療するだけであり、消化管、肝臓及び腎臓に副作用がある。(Zizic 商標、パルス化された電気刺激による膝の骨関節炎の療法。J Rheumatol. 1995; 22:1757−1761。)他の療法は総膝関節形成(TKA)を含み、それは部分的に、又は、完全に膝関節を交換する。この方法は、単に関節部分を取り払って、置き換えることによって痛みと身体的な退化に対処するものであるが、大変侵襲性である。TKAは、また、長い、痛みを伴う回復時間を要し、極めて高価で、ある年齢以下の患者には複雑で危険な修正手術の潜在性を有する。
【0011】
電気刺激の使用は、多くの臨床で学術的なレポートにおいて研究報告されてきており、痛みを減らし、運動の範囲(ROM)を増大させ、そして、最も重要なことに、TKAの必要を遅らせることを示した。(電気刺激は、膝置換手術を遅延させるのを助ける。Mont MA、ハンガーフォードDS、コールドウェルJR、ホフマンKC、Zizic 商標。BioMechanics Volume CII、ナンバー5 2005年5月)
【0012】
同様に、骨関節炎を治療するためにサポート及びアンローディング・ブレース/支持帯(orthoses)の使用は、かなり文書化されていて、医学分野において受け入れられてきた。ブレース/支持帯は、硬いフレームのような十分な剛性の構成、
剛性の挿入物を有する柔らかいラップ/スリーブ/ストラップ(wrap/sleeve/strap)のような半剛性の構成、又は剛性の挿入物のないラップ/スリーブ/ストラップ(wrap/sleeve/strap)のような非剛性の構成を有するデザインを含むが、これらに限定されるものではない。
【0013】
他の療法は、時には、前記解剖学的組織の周りを完全にくるまないで、筋肉及び関節の運動及びサポートの範囲を助長するように設計されるテーピング方法を含む。その代わりに、弾性のテープがストレッチされて関節や構造を覆い、患部を囲む軟組織用のサポートを作る。この技術は運動科学からその名前を引き、「Kinesio Taping」として普通に知られる。このテープは、皮膚のための接着剤で結合された弾性の支持体(バッキング)の積層アッセンブリである。これの物理的な形状は、ロール、シート又は解剖学的組織の領域に固有な形状に予めカットされているものでよい。このテープ自体内に電極を組み込むと、相乗効果を果たす。このテープは、この内蔵型電極信号が関節又は構造の変形性又は痛み処置態様を処理すると共に関節の機械的な治療と運動の範囲を助長するのに役立つ。この新規な統合は、機能的でユーザに都合がいい。
【発明の実施例の簡単な概要】
【0014】
広い態様において、本発明は、関節炎を治療するシステムとして実現される。このシステムは、関節炎の軽減を提供するための少なくとも1つの関節安定化アセンブリを含む。少なくとも1つの信号伝送素子係合部材は、信号伝送素子を接続するため関節安定化アセンブリに、作用的に接続している。少なくとも1つの信号伝送素子は、この信号伝送素子係合部材によってサポートされる。関節炎の関節の全体的機能を良くするための少なくとも1つの信号を発生するために、電子刺激ユニットは、この信号伝送素子に電気的に接続している。この電子刺激ユニットは、相乗効果を提供するために、この関節安定化アセンブリと共に用いられ、その結果、この関節安定化アセンブリ又は電子刺激ユニットのいずれかのみを使用することに対して、最適化された関節療法となる。
【0015】
本発明の各種実施形態によれば、矯正器具デバイス用の電極(又は他の信号伝送手段)は、電極を矯正器具デバイスに取り付け可能とする外表面を有する支持体層と、電気物理的療法(Electrophysical Modality)による電流を受け、かつ分配するように構成される導電層と、着用者の解剖学的組織に合致し、この導電層から着用者の解剖学的組織に電流を通すように構成されるインターフェース層と、この導電層に取り付けられ、矯正器具デバイスに配置される電気的接点に電気的に結合するように構成される接続部材を含む。
【0016】
本発明の一実施例によれば、矯正器具デバイス・システムは、
関節の第1の側部の一部に固定されるように適応する第1の支持部材と、関節の第2の側部に固定されるように適応する第2の支持部材と、前記第1の支持部材を前記第2の支持部材に接続する手段と、前記第1又は第2の支持部材に取り付けられ、第1の電極の取付け位置を提供するように構成された整合的な個別のライナーセグメントと、関節の近くにある第1の領域と接触するように構成された前記ライナーセグメントに配置される第1の電極と、関節の近くにある第2の領域と接触するように構成された第2の電極と、前記第1及び第2の電極と電気的に接触していて、電気物理的療法を脚に提供するように構成された電子刺激ユニットと、を含み、
前記第1又は第2の電極は、
該電極を矯正器具デバイスに取り付けできるようにする外表面を有する支持体層と、電気物理的療法による電流を受け、かつ分配するように構成された導電層と、着用者の解剖学的組織に合致して、前記導電層から着用者の解剖学的組織に電流を通すように構成されるインターフェース層と、前記導電層に取り付けられ、前記矯正器具デバイスに配置された電気的接点に電気的に結合するように構成された接続部材と、を含む。
【0017】
本発明の様々な実施例によれば、矯正器具デバイス・システムは、
大腿に固定されるように適応する上部支持部材と、下腿に固定されるように適応する下部支持部材であって、剛性の、半剛性の、圧縮的な(即ち、sleeve/wrap)又はこれらの組合せである、該下部支持部材と、前記上部支持部材を前記下部支持部材に接続する手段と、前記上部支持部材又は下部支持部材に取り付けられ、大腿又は下腿と整合したインターフェースを提供するように構成された整合的な個別のライナーセグメントと、前記下腿と接触するように構成された前記ライナーセグメント上に配置される第1の電極と、前記下腿と接触するように構成された第2の電極と、前記第1及び第2の電極と電気的に接触し、電気物理的療法を前記下腿に提供するように構成された電子刺激ユニットと、を含む。
【0018】
本発明の一実施例によれば、矯正器具ライナーは、
矯正器具デバイスの支持部材に取り付け可能な第1の面と、解剖学的組織の一部に合致するように構成された導電体と、前記解剖学的組織の一部とインターフェースするように構成された第2の面と、を含み、前記導電体及び第2の面は、前記解剖学的組織の一部に電子刺激信号を伝送するように構成される。
【0019】
本発明の他の実施例によれば、電子刺激ユニットは、矯正器具ブレースの支持部材に取り付けられるように構成され、電気物理的療法を、複数の電極と一部の解剖学的組織を含む回路に提供するように構成された電子刺激信号発生器を含み、電極は、この矯正器具ブレースの支持部材に取り付け可能な、整合的な個別のライナーに配置される。
【0020】
本発明の他の特徴及び態様は、以下の詳細な説明と本発明の実施例による特徴を例示する図面を参照すれば、明らかになる。この概要は本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明は請求項によってのみ規定される。
【0021】
本発明は、1つ以上の各種実施形態に従って、以下の図を参照して詳述する。これらの図は、説明の目的のみのものであって、単に本発明の典型的又は例示的な実施例を示す。これらの図は、読者が本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明の幅、範囲又は適用性を制限するものではない。説明の明快さと容易さのために、これらの図が一定のサイズ比で必ずしも作られているというわけではない点に留意する必要がある。
【0022】
本願に含まれる幾つかの図は、異なる視点から本発明の各種実施形態を例示する。「上面図」や「底面図」又は「側面図」と呼んでいるが、それは、単に説明上のもので、明記の断り書きがない限り、本発明が特有の空間的方位において実施又は使用されることを示唆したり、要求するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明による膝ブレースの正面図である。
【図2】図1のブレースの背面図である。
【図3】図1のブレースの部分的な平面図である。
【図4】図4Aと4Bからなり、それぞれ本発明のライナー素子の平面図と側面図である。
【図5】図5Aと5Bからなり、それぞれライナー素子の別の実施例の平面図と側面図である。
【図6】図6Aと6Bからなり、それぞれ本発明による電気物理的療法を有するライナーセグメントの正面図と背面図である。
【図7】セグメント化された(以下、分割型という)脛骨ライナー素子を受けるのに適合する矯正器具デバイスの斜視図である。
【図8】セグメントと脛骨ライナー素子の取付けを示す図7の矯正器具デバイスの部分図である。
【図9】図7の線IX〜IXについての横断面図である。
【図10】図9に類似し、更に、分割型脛骨ライナーの取付けを示す横断面図である。
【図11】動作中の分割型脛骨ライナーの好ましい実施例を示す。
【図12】図7の矯正器具デバイスの詳細図であって、分割型脛骨ライナーの別の実施例を示す。
【図13】動作中の分割型脛骨ライナーの実施例を示す。
【図14】図13の分割型脛骨ライナー素子の平面図である。
【図15】図13の動作中の分割型脛骨ライナー素子の側平面図である。
【図16】分割型脛骨ライナーの正面平面図である。
【図17】図16の分割型脛骨ライナーの平面図である。
【図18】図7に示すような矯正器具デバイス上の、分割型脛骨ライナーレセプタクルプレートの正面平面図である。
【図19】図16と図17に示すような分割型脛骨ライナーの可変的な取付け位置を示す。
【図20】図7の矯正器具デバイスに類似の矯正器具デバイスの断面図であって、分割型脛骨ライナーの更なる実施例を示す。
【図21】図20の分割型脛骨ライナーと共に用いられる輪止め(チョック)の実施例を示す。
【図22】分割型脛骨ライナーを別の仕方で取り付けた分割型脛骨ライナーレセプタクルプレートを示す横断面図である。
【図23】図22に類似の横断面図であって、分割型脛骨ライナーの取り付けの仕方の更なる実施例を示す。
【図24A】本発明の一実施例による、電気物理的療法コンポーネントを含む矯正器具デバイス・システムの側面斜視図を示す。
【図24B】本発明の一実施例による、電気物理的療法コンポーネントを含む矯正器具デバイス・システムの側面斜視図で、電子刺激ユニットは関節安定化アセンブリに一体的に作られている例を示す。
【図25A】本発明の一実施例による、矯正器具デバイス・システムの横方向の平面図である。
【図25B】本発明の一実施例による、矯正器具デバイス・システムの横方向の平面図で、動的な信号変調システムが利用され、そして、電子刺激ユニットは関節安定化アセンブリに一体的に作られている例を示す。
【図25C】動的な信号変調システムを見せるために内部のヒンジプレートが取り払われている、図25Bの実施例の内側の図を示す。
【図26】本発明の一実施例による、ユーザの脚に着用された膝ブレース・アセンブリの横方向の斜視図である。
【図27A】本発明の実施例による、電子刺激ユニットを含む大腿カフの実施例を示す。
【図27B】本発明の実施例による、電子刺激ユニットを含む大腿カフの他の実施例を示す。
【図28】本発明の一実施例による、電子刺激パッド電極の平面図と横方向の側面図を示す。
【図29】本発明の一実施例による、矯正器具デバイスに配置された電極の側面図を示す。
【図30】本発明の一実施例による、分割型ライナーに配置された電極の平面図である。
【図31】本発明の一実施例による、複数の接続部を有する電極を示す。
【図32】本発明の一実施例による、電極の断面図を示す。
【図33】本発明の一実施例による、更なる電極の平面図を示す。
【図34】本発明の一実施例による、電極の断面図を示す。
【図35】本発明の一実施例による、入れ子電極の平面図を示す。
【図36A】本発明の一実施例による、調節可能な電極とライナーの側面図を示す。
【図36B】本発明の一実施例による、調節可能な電極とライナーの側面図を示す。
【図36C】本発明の一実施例による、調節可能な電極とライナーの側面図を示す。
【図37】本発明の一実施例による、接点素子を含む調節可能な電極とライナーの側面図を示す。
【図38】関節安定化アセンブリが信号伝送素子と一体的に構成される粘着テープを含む、本発明の実施例を示す。
【0024】
これらの図は、本発明を余すところのなく示すものではないし、また、開示された正確な形状に本発明を限定するものでもない。本発明は変更及び改変して実施することができること並びに請求項及びその等価物によってのみ制限されることを理解すべきである。
【好ましい実施例の詳細な説明】
【0025】
図において、同様な参照符号は同様な要素を指す。図1は本発明よる膝ブレース10を示す。本発明は、膝ブレースに関して記載されている。しかしながら、本発明は、例えば、足首、背中、腕、肩又は手首固定器等の他の矯正器具デバイス並びにユーザのあらゆる身体部分における痛みを軽減するための他のデバイスに適用できることが理解されよう。本発明は、例として、好ましい実施例を参照して説明するが、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、変更又は改良ができることを理解すべきである。本願に記載の好ましい実施例に対する様々な改変と変更は当業者にとって明らかである点に留意する必要がある。この種の改変と変更は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、また付随する効果を減弱することなくなし得る。従って、この種の改変と変更は本発明に含まれる。
【0026】
図1を参照すると、ヒンジアッセンブリ19で連結された2つの十分に剛性なアーム13、16を含む生体力学的サポートを有する膝ブレース10が示されている。これらの剛性なアームに接続されているのは、上部と下部の構造22、25で、それぞれは、ストラップ28、31と共にユーザの膝34の上と下の脚との主たる係合を形成するのに用いられる。この係合は、更なるストラップ37、40によって強化することができる。このヒンジアッセンブリ19は、ユーザの膝の屈曲/伸張の所望の範囲に対応する予め定められた可動範囲を有する。上部と下部の支持構造22、25は、カフと一般に呼ばれる。
【0027】
この上部のカフ22はユーザの大腿(大腿骨)に固定されるように適応され、この下部のカフ25は下腿又は脹ら脛(脛骨)に固定されるように適応される。
このような方法で、このヒンジアッセンブリ19はユーザの膝関節の軸に隣接して配置され、これにより、ユーザが普段の活動をするにつれて、この膝ブレース10は、ユーザの膝の屈曲をほぼ模倣することができるのである。
好ましい実施例において、上部と下部のカフ22、25は、熱可塑性エラストマ又は熱可塑性ゴム等の半剛性材料から構成される適応支持構造から成る。
【0028】
更にまた、この好ましい実施例は、上部と下部の構造22、25に一体的に成形されるか、それに代わってこの構造に固定的に取り付けられる剛性材料43を含んでもよい。剛性材料43は、半剛性材料より大きな剛性を有し、半剛性材料から上部と下部の構造22、25が成形され、好ましくは可鍛性がある。好ましい実施例において、剛性材料43は、適切な厚み(例えば、厚さ約1−2ミリメートルのオーダー)を有する薄板アルミニウム材又は他の変形可能な金属を含み、この結果、ユーザが手で容易に形を変えることができ、構造22、25が、このデバイスが取り付けられる解剖学的組織の部分に合致するように作れるのである。
【0029】
直接、又は、間接的にこの上部と下部のカフ22、25に取り付けられているのは、ライナー配列46であり、様々な異なる形をとることができる。これらの図に示される最も好ましい実施例においては、このライナー配列46は、複数の個別のセグメント49の形をとる。好ましくは、各セグメント49は、ある弾性材料片を含み、例えば、適切な材料を成形したり、カットしたり、又は、整形することによって形成することができる。代わりに、最も好ましい実施例において、各セグメント49は、柔らかい弾力性発泡材と人間の皮膚と接触することが意図された、例えば、商品名DRYTEX(以下、ドライテックスと呼ぶ)(登録商標)で市販の材料等の外部層のような材料から成る。この材料は、非常に耐久性のあるナイロン材料と微小孔構造防水で空気を通すコーティングとを組み合わせた特性を持ち、ブレース10のユーザに快適な感触を与えるように、水分がブレースに入るのを塞ぐと共に、ユーザの汗が、このファブリックを通して発散できるものが好まれる。
【0030】
各セグメント49は、空気又は水又は他の物質(例えばゲル類))等の流体によって与えられる弾性の特性を有することもできる。このセグメント49は、暖めたり、冷やしたりできる流体又はゲルであって、更になお、弾力的で、追加的の治療上の利点をユーザに提供するように合致しているものを含むことができる。それらの弾性のため、このセグメント49は、このユーザの特有の脚の形状及び筋肉組織に適応させる。これにより、カフ22、25はユーザの脚について固定されているので、この弾性のセグメント49が容易にユーザの大腿と脹ら脛に合致するように、膝ブレース10は様々な筋肉の形状及びサイズに適応することが可能になる。このブレース10は、ストラップ28、31、37、40を過度に締めることなく、ユーザの脚に心地よく作ることができる。更に、このドライテックス(登録商標)材料又は他の空気を通す構造は、皮膚とブレース間でのユーザの脚の過剰な水分又は発汗を妨げる。
【0031】
このセグメント49は、一般に「VELCRO(以下、ベルクロと呼ぶ)」と呼ばれているフック・ループ・ファスナ配列のような選択されたライニングをそれらの構造に具備させることによって、上部と下部のカフ22、25と係合することができる。このベルクロ(登録商標)材料の片側半分は、各セグメント49の後側部分上に設けられ、ベルクロ(登録商標)材料の他の半分は、上部と下部のカフ22、25上に設けられ、それらは互いに係合し、それによりセグメント49は、所望の位置に固定できる。この構成は、セグメント49がユーザの要求に応じて位置を動かせるという更なる効果を有する。更に、異なる特性(例えば弾性又は硬度の様々な特性)を有し、多くの異なる形状とサイズからなるセグメント49が、設けられてもよく、ユーザは、快適で効果的適合が達成されるように、これらのセグメントを置換したり、セグメントの配置を換えたりしてもよい。
【0032】
他の方法として、これらのセグメントは、有利には一緒にリンクしてもよい。例えば、図4と図5には、ほぼ平らな基板55上に配置することによって相互接続されたセグメント52が示されている。見て分かるように、基板55の背面が例えば支持構造22、25につけられたとき、このセグメント52がユーザの身体と接触するように、各セグメント52は突き出ている。上述したように、このセグメント52は、様々な特性、例えば、様々なサイズ(突出の様々な高さを含む)や弾性又はサポートの様々な特性及び様々な位置を備えてもよい。
【0033】
これらのセグメントの設計は、例えば、ユーザの快適さのため、グリップから柔らかい肉又は純粋なアレンジまでの距離を十分に離して骨格のグリップを容易にすることでもある。従って、例えば、図4と図5に示す相互に連結したセグメントは、強化された骨格のグリップ、例えば、脛骨の握持を提供するために、膝ブレース10に設けてもよい。
【0034】
図6を見すると、本発明の更にもう1つの応用例は、セグメント58について記すことができる。このセグメント58は、上述したように、矯正器具デバイス10の支持構造22、25に接続できるようにベルクロ(登録商標)アタッチメント61を反対側に含むことができる。しかしながら、セグメント58のユーザの身体と接触する側に、このセグメントは1つ以上の導体67によって電気エネルギーが供給される1つ以上の電極(又は、他の信号伝送素子)64を含む。この導体67は、ユーザの体に容易に担持することができる携帯型で軽量のバッテリーパック等の電源(図示せず)に接続される。所望の形で電気エネルギーを供給することによって、このセグメント58は、筋肉刺激(例えばユーザの膝の大腿四頭筋を刺激すること)のような電気物理的療法を提供することができ、一般に、TENSとして知られているような鎮痛を提供することができる。各セグメント(又は選択された複数のセグメント)は、1本の電極64を含み、別の電極(又は複数の電極)を有する回路を他のセグメント58上に形成してもよい。
【0035】
TENSは、通常は、神経の高周波電気刺激で作り出され、痛みがもはや感じられないように、痛み信号を途絶する。この正確なメカニズムはまだ知られていないが、TENSが2つの異なる仕方によって働くと考えられる。
第1に、この神経繊維の電気刺激は、痛み信号が脳へ伝達されるのを遮断することができる。信号が遮断されると、痛みはユーザによって認められない。
第2に、人体は、痛みを抑制するためのそれ自身のメカニズムを有する。それは、鎮痛薬の働きをするエンドルフィンと呼ばれる生来の化学薬品を脳内に放出することによってなされる。
TENSは、このメカニズムを活性化させることができる。痛みの部位で又は近くで、末端神経を刺激するこれらの電気的パルスを使用することによって、ユーザは、うずいている又はマッサージのような感覚と置き換えられる減弱した痛みを感じる。このTENS刺激を提供するための電力と回路は、小さくて比較的軽量なパッケージ(図示せず)内に設けることができ、その複雑さとサイズに応じて、ユーザの腰に、又は、直接、矯正器具デバイスにつけることができる。従って、本発明の矯正器具デバイス10は、ユーザの特に弱った膝のための所望のサポートを提供するだけではなく、治療的な利便をユーザの脚の筋肉と内部支持構造に提供する。
【0036】
分割(セグメント化)の目的の1つは機能を高めることである。より優れたグリップと適合を達成するために、分割により、矯正器具デバイスの個人の解剖学的組織とのインターフェースをある程度カスタム化することができる。分割の更なる機能は、電極コンポーネントを含むコンポーネントのより優れた制御を提供する。ライナーの各セグメントは、個々のコンポーネントと見ることができ、この表面解剖学的組織と組織インターフェースの特性を考えた後に、セグメントのカスタム化は、様々な形状、組織膨張(トルゴール)、軟組織可動性等への解決策を提供する。
追加的の解決策は、電気物理的療法のための編入電極(例えばTENS)である。
【0037】
図7〜図23に関して以下に更に詳述するように、調節可能なライナー又は調節可能な部分(例えば、セグメント)は、異なる解剖学的組織の輪郭(プロフィール)の問題に複数の解決法を提供することができる。一般に、調節可能なライナーのセグメントは適合を強化するように構成することができ、特有の個人用に効果的にカスタマイズすることができる。この調節可能なライナーの実施例は、個々人の解剖学的組織における特定の活動レベルに合うように、個別に調節可能なセグメントを含むことができ、この解剖学的組織の部分の回転運動の最適制御の保証となる。
【0038】
図7〜図23は、本発明による調節可能なライナーへのアプリケーションの実用的な例により、本発明のこの種の幾つかの実施例を示す。詳しくは、この調節可能なライナーの実施例は、膝ブレースの脛支持部材(又はカフ)のコンポーネントとして示す。この膝ブレースは、脛骨の前縁(即ち向こう脛)とインターフェースする。この種のブレースの目的は、この脛骨を適所に保持することにあり、脛骨がサブラックスする(subluxing)(即ち、前後に、又は、左右に滑るとか回転する)のを妨げることにある。この目的を果たすために、最大のグリップが望ましい。あらゆる人口グループには様々な解剖学的形状があり、かつ脛骨の前縁領域には男女間のプロフィルの違いが、多々ある。例えば、これらの違いの調整に提供するためにこの脛骨領域において利用される調節可能なライナー(又は調節可能なセグメント)は、以下で時々Active Tibial Management(ATM)システムと呼ぶ。
【0039】
以下の図面は、ユーザの脛骨に隣接する矯正器具デバイス内における位置決めに特に適合する、この種の調節可能なライナー又はライナーの調節可能なセグメントを示すが、本発明による調節可能なライナーのための適用は、この脛骨だけに関しての使用に限定されず、この解剖学的組織の様々な他の部分と共に使用されるよう納得のいく設計ができ、また、この脛骨のような骨格の構造に隣接して使われるだけでなく、軟組織にも隣接して使われるように設計することができる。この調節可能なライナー及び特にその調節可能なセグメントは、個々のコンポーネントとみなすことができ、この表面解剖学的組織と特定の組織インターフェースの特性を考慮して、様々な形状、組織トルゴール、軟組織可動性等に解決策を提供すべく個別に設計することができる。上記したように、生理的電気物理的療法のための電極も、組み込むことができる。
【0040】
次に、図7を参照すると、矯正器具デバイス70が示されており、この矯正器具デバイスの下部72は、人の脚の脛骨に隣接して位置するように適合されている。図8を参照すると、このデバイスの下部は、調節可能なライナー80の背面のリブ81を介して調整可能な脛骨ライナーパッド80を受け入れるレセプタクル又は溝78を含んだATMバックプレート75を有するものが示されている。図7で分かるように、この矯正器具デバイス70の上部83は、他の調節可能な及び/又はセグメント化された(以下、分割型という)ライナー又は適応素子取付用のアタッチメント・ポイント87を含むことができる。
加えて、大腿骨の近位ストラップ(図示せず)のための上部アタッチメント・ポイント87及び腓腹筋ストラップ(図示せず)のための下部アタッチメント・ポイント90をも、設けることができる。この調節可能なライナー80は、一対のアームセグメント又はカム93、96(カム間の脛骨クレスト整列溝99を規定する)を好ましくは含むことができる。各カムセグメント93、96は、様々な方法で個別に調節可能である。このようにして、カムセグメント93、96は、調節可能なライナー80の形状を調整するために操作することができる。
【0041】
図8、図9、図10に示すように、この脛骨ライナー80の調節可能なカム93、96により、特定の活動レベル及び個々人の解剖学的組織タイプのための個々の調節可能な適合は、この脛骨の最適な動き及び回転を確実にすることができる。この個別に調節可能なカム93、96は、この脛骨クレスト99の両側の調整を可能にし、最適な適合及び個々人の解剖学的組織との整合を確実にする。
【0042】
図9はこのATMバックプレート75のレセプタクル(例えば溝78)を示す横断面図であり、図10はこの溝78においてリブ81と係合してATMバックプレート75に固定された調節可能な脛骨ライナー80を示す。
【0043】
次に、図11を参照すると、この3つの図は、この調節可能なカム93、96がどのようにして複数の異なる仕方で調節可能かを示す。最も上の図は、脛骨クレスト99の両側にある各カム93、96が、適合を調整するために、前方へ、又は、後方に回転することができることを示す。また、真ん中の図に示すように、カム93、96の両方とも、所望に応じて、脛骨に対して圧力を増減して、相互の方へ、又は、相互から離れるように調整できる。最後に、最も下の図は、このカム93、96がどのように脛骨の一方の側だけに増加した圧力を印加して、個々人の解剖学的組織に適合し、回転に反作用するように調整できるかを示す。
【0044】
図12〜図15は、調節可能な脛骨ライナー100の更なる実施例を示す。この調節可能なライナー100は、先に述べた調節可能な脛骨ライナー80の実施例のカムセグメント93、96と同様に調整できる一対のパッドセグメント103、106を含む。この実施例において、この調節可能な脛骨ライナー100は、前に説明した調節可能な脛骨ライナー80と同じ仕方で、例えば、ATMバックプレート75のレセプタクル(即ち溝78)で受容されるリブ108を介する等の仕方でこのATMバックプレート75に固定することができる。
各パッドセグメント103、106は、図13〜図15に示す仕方で調整することができる。図13に示すように、各パッドセグメント103、106は、相互の方へ、又は、相互から離れるように個別に(時計回りに、又は、反時計回りに)回転することができる。代わりに、単一のパッドが、他のパッドの調整なしに、この種のいずれの方向にも回転できるようにしてもよい。図14は、脛骨の方へ、又は、脛骨から離れるような第2のタイプの調整を示す。この調整は、図11に示した調整可能なライナー80の調整可能なアームセグメント93、96と共通である。
【0045】
図15を参照すると、各パッドセグメント103、106が空気の嚢を組み込み、それによって膨らんだり縮んだりできるように、この調節可能な脛骨ライナー100を、追加的に設計することができる。これにより、各パッドセグメント103、106の個々の圧力の増加した制御が脛骨回転に反作用し、また、個々人の解剖学的組織に対してよりよくカスタマイズされた適合を提供し得る。図15に示すように、各パッド103、106は、いくらかの厚みを有し、そして、個々のパッド103、106を膨らましたり及び/又は萎ませたりするための空気制御システムを提供することによって、各パッド103、106の幅「W」を増減して各パッド103、106が脛骨に及ぼす個々の圧力を制御する。
【0046】
次に、図16、図17、図18を参照すると、図7〜図11の調節可能な脛骨ライナー80に類似した調節可能な脛骨ライナー120の更なる実施例が示されている。この脛骨ライナー120は、カムセグメント123、126を含み、それらは個別に調節可能で、カムセグメント123、126間の脛骨クレスト溝129を規定することができる。違いは、図18に示すように、フック・ループ・ファスナ・システム、例えば、ベルクロ(商標)を介して、図16の調整可能な脛骨ライナー120はATMバックプレート132に取り付け可能であるということである。図17に示すように、ベルクロ(商標)材料の層135は、この調節可能なライナー120の裏面に設けることができ、図18に示すATM バックプレート132に設けられているベルクロ(商標)の協働部138と嵌合することができる。
【0047】
図19を参照すると、この3つの図は、このベルクロ(商標)取付システムによって使用可能にされると、この調節可能な脛骨ライナー120がこのATMバックプレート132上の多くの異なる位置に容易に取り付けることができるということを示す。例えば、この調節可能なライナー120は、最も上の図に示すようにこのATMプレート132の中央に置くことができ、又は真ん中の図に示すように横に(左から右に)ずらす(オフセットする)ことができ、又は最も下の図に示すように垂直に(上下に)ずらすことができる。加えて、横方向及び縦方向のオフセットのあらゆる組合せも、可能である。
【0048】
次に、図20と図21を参照すると、調節可能な脛骨ライナー150の更なる実施例が示され、ATMバックプレート162に対するこのライナー150の取り付け(アタッチメント)は、上述したように、べルクロ(商標)タイプのファスナ(締着具)システムを使用して同じように達成することができる。この調節可能な脛骨ライナー150は、好ましくは、個別に調節可能なカムセグメント153、156を含み、カムセグメント153、156間の脛骨クレスト溝159を規定することができる。図20は、ATMバックプレート162を含む矯正器具デバイスの横断面図で、図18に示される矯正器具デバイスの脛骨カフ部に類似していてもよい。前の実施例と同様に、ベルクロ(商標)材料の層(図示せず)の1つがバックプレート162に取り付けられ、ベルクロ(商標)材料の協働層165は調節可能な脛骨ライナー150の嵌合側に取り付けられる。
【0049】
各カムセグメント153、156は、図7〜図11に示す脛骨ライナー80のカムセグメント83、86と同じ仕方で調整可能である。加えて、しかしながら、図20の調節可能な脛骨ライナーの2つの下方の図で分かるように、このカムセグメント153、156の位置決めは、輪止め170(即ち図21に示す楔形の部材)を使用して更に調整することができる。この輪止め170は、カム153、156とATMバックプレートとの間に嵌入されて、更に調整され、カムセグメント153、156の位置を維持する。
【0050】
図21に最もよく示すように、この輪止め170は、異なるサイズで、かつ、図21の輪止め171、172、173の3つの上方の側面図で示す異なる角度を持つ。これにより、多様な脛骨プロフィールの適応がこの調節可能な脛骨ライナー150の個々人の解剖学的組織に適合するようにカスタマイズすることができる。この輪止め170は、脛骨ライナー150の一方又は両方のカム153、156とATMバックプレート間に前述したようにベルクロ(商標)タイプ締着具アレンジを介して取り付けることができる。図示するように、この輪止め170の一方の側は取付用のベルクロ(商標)材料の層175を有し、調節可能な脛骨ライナー150の裏面にあるベルクロ(商標)材料の嵌合層165と協働する。加えて、この輪止め170の反対側は、このATMバックプレートに設けられているベルクロ(商標)材料の層(図示せず)と協働するベルクロ(商標)材料の別の層178を有する。
【0051】
次に、図22と23を参照すると、調節可能な脛骨ライナー180と190の更なる実施例が、ATMバックプレート188(横断面で示される)に取り付けられて示されている。図22と図23に示すように、例えば、締着具189(例えばネジ又は鋲)によって、調節可能な脛骨ライナー180と190は、このATMバックプレート188に堅く取り付けることができる。各調節可能な脛骨ライナー180、190は、個別に調節可能なカムセグメント(182、184、192、194)を含み、カムセグメントの間の脛骨クレスト溝(186、196)を規定する。
【0052】
図22は,この調節可能な脛骨ライナー180の各カムセグメント182、184とこのATMバックプレート188との中間に設けられた一対のスペーサ187を示す。これらのスペーサ187は、初期の調整の後、位置とサイズに関して個別に調整されることができ、特有の位置又は構成においてこの調節可能な脛骨ライナー180を維持する。
【0053】
図23に示すように、空気素子197を、スペーサの代わりに、又は、スペーサと組合せて設けてもよい。この空気素子197は、調節可能な脛骨ライナー190の各カムセグメント192、194とATMバックプレート188の中間に配置される。この空気素子197は、この調節可能な脛骨ライナーの他の実施例に関して前述したように、ライナー190の形状及び/又は各カムセグメント192、194の位置決めを調整し、個別的適合及び脛骨制御の活動−特性レベルを提供するために、個別に膨らませたり、萎ませたりすることができる。
【0054】
図24Aは本発明の関節炎を治療する矯正器具デバイス・システム200の側面斜視図を示す。このシステム200は、本発明の一実施例による矯正器具デバイス201(即ち関節安定化アセンブリ)を含む電気物理的療法コンポーネントを有する。この図示の矯正器具デバイスは、2つの電子刺激パッド204、205を有する膝ブレース201を具備している。電子刺激パッド204、205は、電気物理的療法を提供するために、電子刺激コントローラ208(即ち電子刺激ユニット)と共に使用される。この種の電気物理的療法は、例えば、
Surface Electrical Stimulation(SES)、
Neuromuscular Electrical Stimulation(NES/NMES)、
Interferential Stimulation(IS/IF)、
High Volt Galvanic Stimulation(HVGS)、
High Volt Pulsed Current(HVPC)、
Electromagnetic and Pulsed Electromagnetic Field Stimulation(EFS・PEFS/PEMF)、
Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation(TENS)、
Transcutaneous Electrical Joint Stimulation(TEJS)、
Transcutaneous Electrical Stimulator for Arthritis(TESA)又は
Micro Current Electrical Stimulation(MCES)を含む。
電子刺激モジュール208は、この電子刺激パッドを介して脚に電子刺激電圧及び電流を印加するように構成される。
【0055】
図24Bは、関節安定化アセンブリ201’に一体的に製造された電子刺激ユニット208’を備える矯正器具デバイス・システム200’(即ち関節炎を治療するシステム)を示す。前述の実施例のように、関節炎を治療するためのこのシステム200’は、関節炎の軽減を提供する関節安定化アセンブリ201’を含む。信号伝送素子係合部材202’は、信号伝送素子204’を接続するためこの関節安定化アセンブリに、作用的に接続している。この信号伝送素子係合部材202’は、例えば、セグメント化された(以下、分割型という)ライナー、発泡材又はネオプレンソフトグッド(softgood)又は非分割型ライナーでよい。この信号伝送素子204’は、例えば、電極、導電性ゲル、導電性ガーメント又は他の適切な導電材料でよい。電子刺激ユニット208’は、関節炎関節の全体的機能を良くするための信号を発生するため信号伝送素子204’に、電気的に接続している。この電子刺激ユニット208’は、後述するように、関節安定化アセンブリか電子刺激ユニットのいずれかを単独使用することに対して、最適化された関節療法となる相乗効果を提供するためにこの関節安定化アセンブリ201’と共に使われる。
【最適化された支持帯素子の説明】
【0056】
この説明は、支持帯の一実施例として骨関節炎膝ブレースを用いて行う。当業者は、これらの記述を解剖学的組織及び支持帯/ブレーシング・アプリケーションの他の領域に適用することが可能である。
【0057】
1.解剖的な調整及び適合
このブレースは、個々の患者の解剖学的組織に合致することが可能でなければならない。これは、代替のコンポーネントを用いたり、圧縮を調整したり又は類似の手段を用いてこのブレースの機械的な調整を介して達成することができる。
【0058】
2.サポート
この支持帯は、この解剖学的組織に対する剛性の部品を介して、又は、軟組織の圧縮を介してサポートを提供する。この圧縮は、また、患者が関節運動を制御して、更なる外傷の機会を最小化することのできる、関節からの固有受容性フィードバックを提供する。この固有受容性利便は、関節炎の生来の老化現象を遅らせる効果を有する。
【0059】
3.鎮痛
これは、幾つかの仕方で達成することができる。1つの方法は、関節内部の圧力を変えるか又は軽減する調節可能なメカニズムによってである。別の方法は、圧縮を介して内部解剖的な構造と組織とを適所に保つものである。更に別の方法は、絶縁を介してこの関節領域の内部で熱を保ち続けるものである。更に別の方法は、この軟組織に対して支持帯からの増加された循環である。あらゆる損傷と同様に、この循環は、直接この外傷部位での、或いは、間接的にこの部位のまわりの構造に対する、治療プロセスを補助する。
【0060】
4.遊走に対する抵抗
膝支持帯の場合、末梢部の遊走は、除けないならば、最小化されなければならない。これは、この支持帯と解剖学的組織間の摩擦剪断力を最大にするために、このライナーとストラップのための高摩擦材料を用いて達成することができる。遊走を制限する別の手段は、使用する材料の量ではなくて、軽量材料を使用するか又はこの材料の形状を介して強さを得るように支持帯を設計することによって達成することができる。更に、遊走を制限する更に別の手段は、あらゆる調整又はカスタム化なしで、この解剖学的組織のこの全般的な輪郭に従うようにこの支持帯を設計することである。これは、この解剖学的組織との接触を最大にして、遊走を最小化する。
【最適化された刺激素子の説明】
【0061】
この説明は、例として膝関節を例にとって行う。当業者は、この説明を解剖学的組織の他の領域に適用することが可能である。
【0062】
1.非製薬設計
NSAIDのような抗炎症剤は、肝臓や胃等の身体構造に、被害を生じさせる。
【0063】
2.非侵襲性の設計
膝の総入れ替えのような侵襲性の方法は、高価で、痛みを伴い、長い回復期間を要する。植込み型刺激デバイスのような他のより少ない侵襲性の方法は、依然として高いコスト、複雑化及び保守を有する。例えば、電力源が交換されるときに、患者は、日程を予定して、別の外科的手順に耐えねばならない。製薬と外科的方法に代わる現実的で魅力的な方法を達成するために、この発明は、設計上単純かつロバストで、維持費(電極/電池)は低く、治療期間中、ユーザは日常生活の活動を続けることができなければならない。
【0064】
3.状態の取扱い又は症状の最小化
このデバイスは、痛み、凝りを最小化し、運動の範囲を最大にしなければならない。これは、歩行の間、自然な電気変更を模倣する信号を介して、更に、患部から痛み信号を遮断することによって達成することができる。
【0065】
4.使いやすさ
この方法は、初期の訓練/適合セッションを受けた後は、殆ど外部からの介入なしで、ユーザが適用し、使用するのが容易でなければならない。
【0066】
この矯正器具デバイスはサポート及び固有受容性入力を提供する。それによって、自然な変形性プロセスを遅らせる。これにより、電子刺激プロセスは、本願並びに前記文献研究で概説したように、強化された利便を提供することができる。支持帯・電子刺激デバイスからの上記の素子を組み合わせ、そして一緒に統合する(一体化する)ことによって、単独での療法よりももっと有益である相乗効果を達成する。
【0067】
骨関節炎は、体重を支える関節の軟骨に影響を及ぼす幾分刺激的な、退行性の疾患である。軟骨は動的な組織で、体重を支える関節の損耗及び運動によって絶えまなく壊されている。これは外傷によって作り出されるように、炎症を起こす減数分裂(cytokines)によって増大される。健康な人においては、この軟骨細胞又は軟骨は、プロテオグリカンやタイプIIコラーゲン等のマトリックス高分子の適切な量を作り出し、その結果、新しい軟骨の成長は、摺り減った軟骨を補償する。
【0068】
従って、特定の電気信号がより多くの軟骨細胞の発育を刺激することが可能ならば、これは骨関節炎の療法のために有益である。これが起こっているという証は、以下によって測定することができる。
1−原種細胞の加速した分化又は成熟した軟骨細胞への原始的間葉細胞の実証(デモンストレーション)、
2−軟骨細胞の増加した分裂増殖の実証、
3−この信号が軟骨細胞のDNA合成を増加させる(軟骨細胞の分裂増殖の間接的な測定である)という実証、
4−この信号がヒアリン軟骨生産を生成することができるという実証。
【0069】
更により多くの軟骨細胞の生成がなくても、ある特定の信号が、軟骨生産のためより多くのマトリックス高分子を作り出すために利用できるどんな軟骨細胞をも刺激することができるならば、これは、骨関節炎の療法に有益でもある。これが起こっているという証は、以下によって測定することができる。
1−この信号が軟骨保守及び修理を提供することができるという実証(デモンストレーション)、
2−この信号が軟骨欠損を治療することができるという実証、
3−この信号がマトリックス高分子生産(例えばプロテオグリカン及びタイプIlコラーゲン)を強化することができるという実証、
4−この信号がマトリックス高分子(例えばグリコサミノグリカン)のための建築用ブロックのこの生産を増加させることができるという実証。
【0070】
上記の合成と増殖的なプロセスは、トランスフォーミング増殖因子β(TGFB)を増加させることができる信号によって強化される。
【0071】
退行性のプロセスは、軟骨の低下を増大させる刺激的で炎症誘発性減数分裂(cytokines)によって強化される。これは、有害で、この関節炎のプロセスを強化する。電気信号がこれらの酵素を阻害することができるという証は、以下によって測定することができる。
1−ある信号がIL−1(インターロイキン1)Tumor Necrosis Factor(TNF)プロスタグランジン(PGE2)及びMMP1、MMP3、MMP 13を含む(但し、MMP1、MMP3、MMP 13に限定するものではない)Matrix MetalloProteinasesの生産を抑制することが可能であるという実証(デモンストレーション)、
2−ある信号が有糸分裂促進物質活性化プロテインキナーゼ(MAPKs)を阻害することが可能であるという実証、
3−ある信号がIL−6及びIL−9を含む(但し、IL−6及びIL−9に限定するものではない)インターフェロンを阻害することが可能であるという実証、
4−ある信号がNOS及びフリーな活性酸素の生産を禁止することができるという実証。
【0072】
上記説明につき、この信号は、以下の機能の1つ以上を実行することができる。
a) DNA合成を増加させる、
b) 軟骨細胞分裂増殖を増加させる、
c) ヒアリン軟骨を生成する、
d) 成熟した軟骨細胞への原種細胞の分化を加速する、
e) 軟骨保守と修理を提供する、
f) 軟骨欠損を修復する、
g) プロテオグリカン合成を増加させる、
h) グリコサミノグリカン(glycosaminonglycan)合成を増加させる、
i) トランスフォーミング増殖因子β(TGFB)を増加させる、
j) プロテオグリカン及びType IIコラーゲンの生産の責任を持つ遺伝子を活性化させる、
k) IL−1、腫瘍壊死因子、プロスタグランジン(PGE2)及びMMP1、MMP3、MMP13を含むマトリックス・メタロプロテイナーゼの生産を抑制する、
l) ミトゲン(Mitogen)活性化プロテインキナーゼ(MAPKs)を阻害する、
m) インターフェロン、IL−9、及びIL−6を阻害する、
n) IL−15の刺激に対する反応を抑制する。
【0073】
電子刺激ユニット208は、この治療の部分のために、デューティサイクルを変化させる異なる信号を生成したり、又は全く信号を生成しない。それは、患者の要求、状態、又は属性に基づいてカスタムメイドのプログラミングを提供することができる。例えば、このシステムは、歩行、患者の体重、特別な医学的状態等のためのあるリズムを仮定することができ、そして、患者情報の組合せのための予め定められたプロトコルに基づいて、治療の全体にわたって周波数、振幅又は波形形状を変えることができる。
【0074】
各種実施形態において、この電子刺激パッドは、電磁界を着用者の解剖学的組織に提供するために、様々な手段を含むことができる。特有の実施例において、電子刺激パッド204と205は、導電性ファブリック、ゲル類、ポリマー、液体又はコロイドから成る電極のような弾力的又は整合的な電極を含む。この種の電極により、この電子刺激パッドを着用者の解剖学的組織に合致するようにしつつ、皮膚に直接、そして、着用者の組織を通して電気刺激を与えることができる。例えば、ある特有の電極は、この膝ブレースを着用したときに、この膝ブレースの収縮によりポリマー嚢が、大きな導電表面が着用者の皮膚に形成されるように、収縮の軸に対して垂直に膨張するように構成された導電流体で満たされる等方的に導電ポリマー嚢から構成することができる。他の実施態様において、この電極は導電性と非導電性材料の薄い層から構成することができ、その結果、容易に着用者の解剖学的組織に合致する非常に扁平なコンポーネントになる。
【0075】
この種の電子刺激パッドは、本願で説明されているような、分割型ライナー、信号伝送素子係合部材又は調節可能なライナーに結合することができる。従って、これらの電子物理的なセグメントは、着用者のニーズと状態に応じて着脱可能でかつ適所及び適角度に調節可能である。例えば、この種の電子刺激パッド又はセグメントは、ユーザの解剖学的組織とこのデバイスとの係合を良くするために調節可能である。別の例として、図24Aに例示の実施例において、ユーザの膝周りをくるむように構成された第1の電子刺激セグメント205はバンド203に配置され、第2の電子刺激セグメント204は、ライナー202内の上方の剛性の部分に配置される。この実施例において、電子刺激セグメント205は、バンド203がユーザの膝の解剖学的組織に合致することが可能なように、導電性ファブリック又は可撓性導電性ポリマーからなり、電子刺激セグメント204は、構造的にこの膝ブレースの上方の剛性の部分をサポートするように半剛性の、弾性の素子からなるようにすることができる。例えば、電子刺激セグメント204は、合致している導電性パッド(例えば電気導電ゲル)に結合する剛性の金属の導電性素子からなる。本実施例におけるSESの使用は、電気信号が膝又は下腿から大腿に伝送されるように、電子刺激パッド205から電子刺激パッド204へ電流を伝送することを含むことができる。
【0076】
他の実施態様において、更なる電子刺激セグメントは、この所望の電気物理的療法に従って設けることができる。例えば、干渉性の刺激を与えるように構成される膝ブレースにおいては、第2の電子刺激セグメント(図示せず)は、電子刺激セグメント205と第2の電子刺激セグメントによって放出される電磁放射は、ユーザの膝内の予め定められた位置で積極的に干渉するように、バンド203の反対側の面に配置されることができる。
【0077】
各種実施形態において、複数の電気物理的療法を適用することができるように、この電子刺激コントローラ208を構成することができる。例えば、図24Aに例示される実施例においては、ある刺激が第1の時間間隔中に電子刺激セグメント204と205との間に与えられ、干渉性の電子刺激が第2の時間間隔中に電子刺激セグメント205と第3の電子刺激セグメントとの間に与えられるように、第3の電子刺激パッドはバンド203の後部の部分に配置することができる。他の電極又は電子刺激パッド又はセグメントを、追加的の又は代わりの位置に配置することができる。例えば、電子刺激パッド204に大いに類似した仕方で、電子刺激セグメントを、下方の部分207に配置することができる。
【0078】
図25Aは、図24Aに例示の膝ブレース・アセンブリの横方向の平面図である。膝ブレース201は、着用者の大腿に係合し、かつ固定されるように構成された上方の部分210と、半圧迫の仕方で着用者の膝に係合するように構成されたバンド203と、着用者の脹ら脛に係合し、かつ固定されるように構成された下方の部分211を含む。上方の部分210は、更に、上方の部分210又は下方の部分211上のインターフェース領域に電気的に結合される電子刺激モジュール208を含む。上方の部分210は、ブレースが快適な仕方で着用者の解剖学的組織に合致することができるように、本願に記載されているような調節可能又は分割型のライナー等のライナー202を更に含むことができる。
本願に記載されているように、ライナー202は、電子刺激モジュール208が電気物理的療法を着用者に供給することできるように、電子刺激モジュール208に電気的に結合される電極を更に含むことができる。
【0079】
膝ブレース201は、このブレースが大いに安定な位置に維持され、かつ、電極を、ユーザの膝の解剖学的組織の周りの複数の位置に配置できるように、このブレースに結合するバンド203を更に含むことができる。例えば、このブレースが、着用者に過剰な不快感を引き起こすことなく末梢部の近位の軸において、回転的に安定で、かつ並進的に安定であるように、バンド203は、膝ブレース201のヒンジ部に結合され、弾性的にユーザの膝の一部の外周に合致する。従って、調節可能に着用者の膝解剖学的組織上に電極を位置付けする面が設けられ、上方又は下方のブレース部に配置されるあらゆる電極は安定な位置に維持される。
【0080】
図25Bは、図24Bのシステムの横方向の平面図である。外部のヒンジプレート212’が示される。
【0081】
図25Cは、図25Bの実施例の内部の図を示す。内部のヒンジプレートは、動的な信号変調システム222’を見せるために取り払われている。このシステムは、関節の瞬時の位置、速度又は加速に基づいて、この関節安定化アセンブリ及び動的に信号を変化させるための電子刺激ユニット208’と動作的に関連している。一実施例は、レバー216’を有する変更された電位差計214’を含む。レバー216’は、ヒンジアーム220’に取り付けられ、ヒンジアーム220’と共に動く。
【0082】
この膝(そして、ブレース)が各ステップで撓曲するので、関節の負荷(ロード)状態と負荷(アンロード)状態はこの瞬時の歩行段階から導き出されることができる。このブレース角度が変化すると、電気ポテンシャルはこの電位差計214’を通して変化する。
【0083】
歩行中のヒンジアーム220’の角度、速度又は加速の情報は、リアルタイムで、導線218’又は無線信号で信号発生器208’に入力される。この信号発生器208’は、この情報を解釈して、関節の瞬時の位置、速度又は加速に基づいて、また、予めプログラムされたプロトコルに依って信号を変化させる(又は、暫くの間、信号をオフにする)。例えば、歩行のヒールストライク(heelstrike)相の間、この信号は、関節圧縮中、増加した電流の関節の自然なリズムにマッチするように、一時的に増幅され、又は、波形整形され、又は、周波数が変更される。
【0084】
これの利便は二重である。
(1)この動的な変調は、適応を最小化するように機能する。
(2)この動的な変調は、運動の各関節範囲のために調整することができる。
そして、関節が各範囲を通して移動するにつれて、即座に最適化された信号を与える。トッド達は、調整可能であるが、静的な機能に依存する。
【0085】
図26は、本発明の一実施例による、ユーザの脚に着用されたある膝ブレース・アセンブリのる横方向の斜視図である。例示され、本願に記載されているように、着用者の大腿の前の上方のカフ部206の配置と着用者の脹ら脛の後の下方のカフ部207の配置は、ユーザの膝関節上にリリーフする力を与えることができる剛性のブレーシングサポートシステムを提供する。本願に記載されているように、合致した面に着用者の解剖学的組織を提供するために、ライナー202は調節可能又は分割型ライナーでよい。バンド203は、位置安定性と電子刺激素子を配置することができる面を提供するために、このブレース・ヒンジ又は他のブレース成分に結合するゴム又は他のタイプの弾性材料片を含めてもよい。様々な電子刺激モジュールを、この種のブレースに組み込むことができる。例えば、図示のブレースは、ライナー202に組み込まれる電子刺激素子204及びバンド203に組み込まれる電子刺激素子205を含む。本願に記載されているように、これらの電子刺激素子は、着用者に特有でかつ状態に特有な電気物理的療法に従って構成することができ、又は交換可能にすることができる。
【0086】
図27は、本発明の実施例による、電子刺激ユニットを有する大腿カフの2つの実施例を示す。図27Aは、本発明の一実施例による一体化された電子刺激ユニットを持つ大腿カフを示す。この一体化された大腿カフ206は、電子刺激ユニット210に電気的に結合された、電池のような電力源209を有する。電子刺激ユニット210は、予め定められた電気物理的療法を提供するように構成されたプログラム可能な信号発生器等の信号発生器でもよい。電子刺激ユニット210は、図26に示した電子刺激ユニット204と205のような電極に、更に結合され、予め定められた電気物理的療法に従って電流を印加するように構成される。幾つかの実施形態では、この種の大腿カフ又は刺激ユニットは、提供される電気物理的療法に従って交換可能である。例えば、TEJS療法を提供するように構成された大腿カフは、着用者の状態が変化したらSES療法を提供するように構成された大腿カフと入れ替えすることができる。又は、別の実施例として、この電子刺激ユニット210は、カフ内で、例えば着脱可能なパネルを通して交換可能である。
【0087】
図27Bは、本発明の一実施例による着脱可能な信号発生器を有する大腿カフを示す。図示の実施例では、大腿カフ206は、着脱可能な電子刺激ユニット208を摺動可能に受けるように構成されるレセプタクル231を含む。レセプタクル231は、電子刺激208によって生成される電子刺激信号が本願に記載されている電子刺激パッド又は電極に伝送されるように、電気的接点232を更に含む。代わりに、電気的接点232は、電子刺激ユニット208を適所に係止するために、スナップフィット又はラッチ・メカニズムとして機能するように構成することもできる。表面カバー230は、電子刺激ユニット208が使用中でない、即ち配置されていないとき、レセプタクル231への挿入のために設けることができる。この種の表面カバー230は、電子刺激ユニット208が使用中でない、即ち配置されていないとき、電気的接点/ラッチ232を環境から保護することができて、スムーズな表面輪郭を大腿カフ206に提供することができる。
【0088】
図28は、本発明の一実施例による電子刺激パッド電極の平面図と横方向の側面図を示す。電極250は、インターフェース部252と接続部251からなる表面プロフィールを有する。インターフェース部252は、電極と着用者の解剖学的組織の間の導電性インターフェースを提供するように構成される。インターフェース部252は、ある特有の電気物理的療法に役立つように形づくられるプロフィールを有する。例えば、ほぼ円形のプロフィールは、大きい筋肉群とインターフェースするために用いられる。一方、より薄い又はカスタムメイドに形づくられたプロフィールは、特定の関節とインターフェースするのに使用することができる。接続部251は、電気接続が電極と電子刺激ユニット間に形成できるように構成される。
【0089】
図28のこの実施例は、下記の3枚の層を含む。
(1)導電性インターフェース層253と、
(2)導電性中間層254と、
(3)支持体層255。
導電性インターフェース層253は、導電材料からなり、これにより電子刺激信号が着用者の解剖学的組織に伝送され、普段の着用状態の下でこの種の伝送を維持することができる。例えば、導電性インターフェース層253は、電極が普段の身体運動中に、全体のインターフェース部プロフィール252に沿って接触を維持することができるように、弾力的で、可撓性で、整合的である導電性ヒドロゲル又はエラストマからなる。
【0090】
導電性中央層254は、インターフェース部252のプロフィールに亘って電子刺激信号を分布させるように導電性の材料を含む。電極が、矯正器具デバイスの剛性の又は半剛性の部分に配置される実施例のような、幾つかの実施例において、この導電性中間層254は、剛性の又は半剛性の導電材料を含む。電極が、矯正器具デバイスの弾性のバンド又は他の可撓部分に配置される実施例のような、他の実施例において、この導電性中間層254は、ある可撓性又は弾性材料を含む。例えば、この導電性中間層254は、着用者の特有の解剖学的組織に合致することができて、普段の運動中、一致を維持することができるように、電極が弾性的に変形できるカーボンフィルム又は弾性カーボンフィルムを含む。更に他の実施例において、この導電性中間層254は、この導電性インターフェース層253に、又は、その内部に一体化することができる。
【0091】
支持体層255は、この電極を矯正器具デバイスに取り付けるための面を提供する。
例えば、支持体層255は、感圧接着剤やベルクロ(登録商標)接着剤システムの一方の側等の接着剤を含む。幾つかの実施形態では、支持体層255は、適当な電気の流れを確実にし、かつこの導電層との不意の接触を回避するために、絶縁材料を含む。他の実施態様において、この支持体層は、導電性であるか又は電気接続を容易にするために、導電性部分を有することができる。例えば、この支持体層は、導電性のフックとループからなるフック・ループタイプシステムの一方の面を含み、他方、この導電性のフック・ループタイプシステムの第2の面は、矯正器具デバイスに配置され、この電子刺激ユニットに電気的に結合される。この種の導電性のフック・ループタイプシステムは、導電性の材料から成るフック・ループ・システム又は導電性の材料でコーティングされた非導電性の材料から成るフック・ループ・システムを含むものでもよい。これらの実施例では、この電子刺激回路は、単にこの電子刺激パッドをこの矯正器具デバイスに取り付けることによって完了する。
【0092】
図29は、本発明の一実施例による矯正器具デバイスに配置された電極の側面図を示す。電子刺激パッド250は、電気接続が、このデバイスとパッド間に形成できるように、この矯正器具デバイス258に取り付け可能である。この種の電気接続は、絶縁材料に埋め込まれる導電性の電気的接点256からなる接続部材257を使用して形成することができる。この電子刺激パッド250が電気接続部251からなる実施例においては、接続部材257は、接続部251に接続可能である。このような実施例では、この接続部251は、このパッドが、電気接続の後、ほぼ一定の高さを有するように、インターフェース部252に関して嵌め込むことができる。例えば、これは、接続部材257が直接導電性中間層254に接続するように、接続ポイントで導電性のインターフェース層253を減らすか又は除去することによって達成することができる。他の実施態様において、係合したとき、接続部材257によってこのパッドに与えられる圧縮力によって達成することができる。
【0093】
図30は、本発明の一実施例による分割型ライナーに配置される電極の平面図である。この平面図に示すように、接続部材257は、接続部251との電気接続を形成する。本願に記載されているように、分割型ライナー258は弾力的で、着用者の解剖学的組織に合致するように順応性がある。同様に、電極250と接続部材257も、弾力的で、着用者の解剖学的組織に合致するように順応性がある。図示の実施例では、接続部材257は、図29について述べたように構成される。他の実施態様において、接続部材257は、電気的な接続の他の手段で構成することができる。例えば、電気接続部材257は、挿入的に接続部251を受けるために、嵌合手段で構成することができ、嵌合手段は、ソケット、ピン、接触面又は他の接続の形状で構成することができる。その代わりに、この嵌合手段は、簡単にこの接続部251に入るピンのアレイでもよい。
【0094】
図31は、本発明の一実施例による複数の接続部を有している電極を示す。図示するように、複数の接続部251と接続部材257は、追加的な安定性のために設けられ、安定した接続を確実にする。例えば、電極250は、本願に記載されている弾力的な膝バンドのような弾性のバンドに配置することができて、頻繁なゆがみとストレッチ力を受けることができる。加えて、複数の接続部251と接続部材257の使用は、電極の全体にわたって電気エネルギーの均一な分布を提供する手助けとなる。例えば、大きいパッドにおいて、大腿に配置されたときのように、単一の接続部材を使用すると、電気エネルギーの流れ出し(bleeding off)やパッドの一部だけに集中することとなる。従って、複数の電気接続部251は、あらゆる部分での電気接続の破壊が、この電子刺激信号の伝送を中断させないように、一体的にこの電極層から形成されることができる。
【0095】
図32は、本発明の一実施例による電極の断面図を示す。幾つかの実施形態では、これらの電極は、本願に記載の分割型ライナーと一体化することができる。例えば、分割型ライナー280は、導電層281と、この導電層281上に配置のインターフェース層282を有する電極によって取り付けられる。導電層281は、接触部284と285による電子刺激ユニットとの電気接続を形成するために接続部283を有するように形成されることができる。本願に記載するように、分割型ライナー280が調節可能で、着脱可能であるように、電気的接点284と285を構成することができる。導電性インターフェース層282は図32に示すように頭を切ることができる、又は、電極の表面全体に亘って一様に続いていてもよい。
【0096】
図33は、本発明の一実施例による更なる電極300の平面図を示す。電極300は、インターフェース部301と接続部302を含む。本願に記載されているように、この電極300は3つ以上の層から一体的に形成することができる。着用者の解剖学的組織とインターフェースするように構成されるこの最も外側のインターフェース層は、導電層が、アクセスできるように、取り払われた空間(又は空所)303を有することができる。このような実施例では、電気接続は、導電性のインターフェース層に直結することなく、中間導電層で形成することができ、着用者の解剖学的組織と中間導電層との接触を回避することができる。従って、電荷は、着用者の解剖学的組織を通して伝送される前に、このインターフェース部301の全体にわたって均一に分散される。
【0097】
図34は、本発明の一実施例による電極の側面図を示す。分割型ライナー315により、電気接続部材317は電極318とインターフェースすることができる。例えば、接続部材317は、導電層321又は322が、接続部323を通して電気的に接触するように構成されたステム319と絶縁部分320を含む。ステム319は導電性である。その一方で、電極318が取り付けられていないならば、絶縁部分320によりユーザはステム319と偶然に電気的に接触することから保護される。幾つかの実施形態では、ステム319は絶縁部分320に堆積された導電性のコーティング、又は、絶縁部分320に取り付けられた導電リングを含む。取付方法は、機械的なアセンブリ又は絶縁部分317モールド(インサートティングモールド)にリング319を挿入することを含むことができる。電子刺激デバイスへの接続のために、ステム319は、リード線−接続部316を含むことができる。例えば、接続は、ハンダ付け、スナップ、摩擦/プレス嵌め又は他の機械的手段を介して行うことができる。電極318は、分割型ライナー315と一体的に形成したり、或いは、例えば、機械的な又は接着性の接続層324によって、このライナーから着脱可能である。例えば、機械的な接続層は、ベルクロ(登録商標)フック・ループ・システムである。幾つかの実施形態では、導電層321又は322は、図示のように頭を切って短くすることができる、又はこれらの導電層の各々(又は両方)が、ステム319への電気接続を完全にするために電極の全ての表面に亘って、延在することができる。
【0098】
図35は、本発明の一実施例による入れ子電極の平面図を示す。この種の入れ子電極は、動的に変わるプロフィールを受ける矯正器具デバイスに配置することができる。図示の電極351は、円形のインターフェース部350と三日月形又は円弧形状の取付部分352を有する。この接続構成により、電極間の電気接続を折り畳んだり、破損することなく、x−y平面、y−z平面及びx−z平面においていくらか回転ができる。例えば、一連のこの種の入れ子電極は、肘の回りに配置するように構成される弾力的な矯正器具バンドの内部面に配置することができる。従って、この例では、着用者の肘の普段の動きは、着用者への電子刺激信号の伝送を妨げない。また、入れ子形状により、製造中の無駄をより少なくしてより優れた材料の歩留まりが得られる。
【0099】
図36A〜図36Cは、本発明の一実施例による調節可能な電極とライナーの側面図を示す。本願に記載されているように、主ライナー400は矯正器具カフに配置される。例えば、主ライナー400は、ブレースと一体的に形成したり、或いは、接着剤又はベルクロ(登録商標)のようなフック・ループ手段により、ブレースに取り付けることができる。ライナーセグメント404は、ループ部405、中間材料層406、実装層408から構成することができる。このライナーセグメント404は、予め定められた範囲412内だけにおいて主ライナー400に配置することができるように、主ライナー400に取り付けられる。図示の実施例では、綱402は、この取付けを提供する。綱402は、このライナーセグメント404を主ライナー400に取り付けるように構成された1つ以上の構造(例えば弾力性のある又は弾力性のない材料)を含むことができる。
【0100】
主ライナー400は、このライナーセグメント404を固定するために、更に主ライナー400とライナーセグメント404の対向面に配置されるフック・ループ・システム403と405のような手段を含む。着用者の皮膚がフック表面よりむしろループ表面と接触するように、例えば、層403は、ループ部を含み、層405は、フック部を含むようにしてもよい。
【0101】
この調節可能な電極とライナーは、着脱自在にライナーセグメント404に取り付けられる電極424を更に含む。本願に記載されているように、電極424は支持体層409、導電層410、インターフェース層411を含むことができる。支持体層409は、実装層408に配置することができる。支持体層409は、導電性であるか又は導電性のコーティングを有する。幾つかの実施形態では、この電気信号は導線(図示せず)によって伝送することができる。幾つかの実施形態では、電極424は、例えば、所定の摩耗期間後に、又は、電気物理的療法の変更に従って、取り払われて、交換されるように構成することができる。この主ライナー400は、このライナーセグメント404と電極424を受容するように構成される凹部領域401を更に含むことができる。この凹部領域401は、このライナーセグメントを固定できる領域を規定する。凹部領域401は、着用したときに、このライナーセグメント404と電極424がマッチングを形成したり、主ライナー400とほぼマッチングする表面を形成するように構成された深さを更に有することができる。幾つかの実施形態では、皮膚との優れた接触を確実にするために、この電極は、わずかに周囲のライナー領域から盛り上がっている。
【0102】
各種実施形態において、この電極又はライナーセグメントは、残りのブレースパッドとは異なる密度又は硬度を有するものでよい。例えば、導電性インターフェース部411は、主ライナー400より低い密度を有する導電性の電極ゲルを含む。従って、密度又は硬度の異なる材料を、このライナーセグメントと電極の製造に用いて、主ライナー、ライナーセグメント及び電極からなる3つの層システムが、この主ライナーのみからなる唯一の層システムと比較して、異なる弾性を有するようにすることができる。例えば、ライナーセグメント404は、この主ライナーと比較して、異なる密度又は硬度を有する中間材料層406を有するように構成して適当な形態を与えることができる。更なる実施例においては、この材料密度は、異なる所望の特性に従って構成することができる。例えば、この電極ライナー部が周囲の主ライナーより柔らかいならば、この電極は着用者とのより優れた接触を作ることができる。
【0103】
図37は、本発明の一実施例による、電気的接点を有する、綱でつながれた分割型ライナー及び電極を示す。図示の実施例では、図36A〜図36Cに例示されたのと同等の数を有し、特徴は、等価である。図37の実施例は、更に、電気的接点415と416と電気コネクタ417とを含む。分割型ライナーが主ライナー404に取り付けられると、電気的接点415と416は接合して、この分割型ライナーと電極を矯正器具デバイスに電気的に結合するように、電気的接点415と416は構成されている。幾つかの実施形態では、予め定められた範囲412内の何処に、この分割型ライナーが配置されても、電気的接点416の部分は、着用者の皮膚にさらされないように、電気的接点416を構成することができる。電気コネクタ417は、電気的接点415に電気的に結合されて、更に電極424に電気的に結合される。従って、電極424が交換されるときに、本願に記載されているように、電気コネクタ417により、新規な電極はこの矯正器具デバイスと電子刺激ユニットに電気的に結合される。他の実施形態では、ライナーセグメント404は、綱なしでこの主ライナー400内で、直接取り付けることができる。
【0104】
図38は、関節安定化アセンブリが解剖学的組織をサポートし、関節炎を治療するために使用される粘着テープを含む、本発明の別の実施例を示す。この実施例においては、前もってカットされた大腿/膝蓋骨テープ片430は、一体化された電極又は他の信号伝送素子432を含む。同様に、膝/脹ら脛テープ片434は、一体化された電極又は製造の一部として他の信号伝送素子436を有する。これらの一体化された片は、1つの効果的なステップにおいて、それぞれ解剖学的組織の正しい領域に単一のユニットとして配置することができる。この信号伝送素子は粘着テープの一部として一体的に構成される。そうすると、ユーザに都合のいい相乗効果が達成される。この粘着テープは、機械的なサポート/療法を提供する。この信号伝送素子は、刺激療法を関節に提供する。この粘着テープは、ロール形、シート形又は少なくとも1つの前もってカットされた形状で提供することができ、弾性体で形成することができる。従って、操作方法において、この冒された解剖学的組織は、テープでくるまれる。
【0105】
本発明は、皮膚、スキンケア及び全般的な適合に関連した改良を特徴とする。各セグメントが持ち上げられると、セグメント間に隙間ができ、これにより、空気は循環できる。これらのセグメントにより、ユーザの身体の輪郭の変動が適応されるので、全般的な適合が向上する。更に、これらのセグメントが効果的に非連続面をユーザの皮膚に提供するので、1つのセグメントに隣接した軟組織(例えば筋肉)の動きは、ユーザの身体と別のセグメントとの接触に影響を及ぼしそうにない。従って、より安全な適合が、達成される。
【0106】
更にもう1つの改良は、これらのセグメントがサポート構造又はこのサポート構造の縁端をユーザの皮膚から離して保つことである。これは、比較的大きい剛性のサポート構造によってユーザの皮膚の炎症を減らす助けとなる。
【0107】
本発明の特定の実施例を図示し、詳細に説明したが、当業者には様々な変更態様及び変形例がこの開示の全体的な教示を考慮して開発されることが理解できよう。従って、本願に開示された特有の構成は、ただ説明のためであって、本発明の範囲を限定するためのものではなく、本発明の範囲は請求の範囲に記載の内容とその等価物を含む。
【0108】
本発明は膝ブレースの実施例で説明されたが、解剖学的組織の他のところで本発明のシステム及び方法を使用することができる。例えば、関節安定化アセンブリは、足、足首、膝、腰、手首、手、肘、脊椎、骨盤又は肩関節を治療するために適応させることができる。
【0109】
本発明の各種実施形態が上述されたが、それらはただ実施例として提示されたもので、限定として提示されたものではないことを理解すべきである。また、様々な図は本発明の構造上の又は他の構成例を表し、本発明に含まれる特徴及び機能の理解の手助けのためになされている。本発明は図示の例の構造又は構成に制限されず、所望の特徴は様々な代わりの構造と構成を使用して実施することができる。実際、代替の機能的な、論理的な、又は身体的な分割及び構成が本発明の所望の特徴を達成するために如何に実施できるかは、当業者にとって明らかである。また、本願に記載されたものと異なる構成モジュール名の多くは、様々なパーティションに適用することができる。加えて、工程系統図、作用的記載及び方法クレームに関して、本願に提示されているこれらのステップの順序は、前後関係の断り書きがない限り、詳述された機能を実行するために、各種実施形態が同じ順序で実施されるべきであるということを指図するものではない。
【0110】
本発明が様々な例示的実施形態及び実施態様に関して記載されているが、個々の実施例の1つ又はそれ以上において記載されている様々な特徴、態様及び機能は、それらが記載されている具体例への適用範囲を制限するものではなく、その代わりに、この種の実施例が記載されている、いないに拘わらず、また、この種の特徴が記載の実施例の一部である、ないに拘わらず、単独で、又は、様々な組合せで、本発明の他の実施例の1つ又はそれ以上に、適用することができることを理解すべきである。従って、本発明の幅及び範囲は、上記の例示的実施形態のいずれによっても制限されるべきでない。
【0111】
本願で使用の用語と字句及びそれらの変用は、特に明記されていない限り、限定とは対照的に開放的(open ended)と解釈されるべきである。上記の例として、
用語「含む」は、「記載のものに限定されるものではなく、他を含む」を意味して読みとられるべきである。用語「例えば」は、説明中の品目の例示を提供するものであって、余すところのなく列挙し、制限するリストではない。用語「ある」又は「1つの」は「少なくとも1つの」、「1つ以上」等の意味として読みとられるべきである。そして、例えば「従来の」、「これまでの」、「普段の」、「標準の」「知られた」等の形容詞、及び類似の意味の用語は、所与の期間までの品目、又は、所与の期間までに入手できる品目に制限するものとして解釈すべきでなくて、その代わりに、現在又は将来の任意の時に入手できる又は知られる、従来の、これまでの、普段の、標準の技術を含むと読みとられるべきである。また、本書が、当業者に明らかである又は知られている技術に言及している場合、その種の技術は、現在又は将来の任意の時に当業者に明らかである又は知られている技術を含む。
【0112】
「1つ又はそれ以上」、「少なくとも」、「に限定するものではない」のような広げる語句や字句や他のそのような字句の存在は、逆に、そのような広げる語句や字句がない場合、より狭いケースが意図されたり、要求されるということを意味すると読みとられるべきではない。用語「モジュール」の使用は、モジュールの一部として記載され、請求されるコンポーネントや機能が共通のパッケージに全て構成されていることを暗示しない。実際、モジュールのあらゆる、又は、全ての様々なコンポーネントは、制御ロジック、又は、他のコンポーネントであろうとなかろうと、単一のパッケージ内に組み合わせることができる又は別々に維持することができて、更に、複数のグループ又はパッケージに、又は、複数の位置に亘って分散配置することができる。
【0113】
加えて、本願に記載される各種実施形態は、例示的なブロック図、工程系統図及び他の具体例に関して記載されている。本書を読みとった後の当業者にとって明らかなように、例示の実施例及びそれらの様々な変形例は、図示の例に限定されることなく実施することができる。例えば、ブロック図とそれらに関連した説明は、特有のアーキテクチャ又は構成を指図するものとして解釈するべきでない。
【符号の説明】
【0114】
200’ 矯正器具デバイス・システム
201’ 関節安定化アセンブリ
202’ 信号伝送素子係合部材
203’バンド
204 電子刺激パッド(第2の電子刺激セグメント)
204’ 信号伝送素子
205 電子刺激パッド(第1の電子刺激セグメント)
206 上方のカフ部
207 下方のカフ部
208’ 電子刺激ユニット
210 上方の部分()
212’ 外部のヒンジプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
関節炎を治療するためのシステムであって、
a)関節炎の軽減を提供するための少なくとも1つの関節安定化アセンブリと、
b)信号伝送素子を接続するため前記関節安定化アセンブリに、作用的に接続される少なくとも1つの信号伝送素子係合部材と、
c)前記少なくとも1つの信号伝送素子係合部材によってサポートされる少なくとも1つの信号伝送素子と、
d)前記少なくとも1つの信号伝送素子に電気的に接続され、関節炎の関節の全体的機能を良くするための少なくとも1つの信号を発生する電子刺激ユニットと、を含み、
前記電子刺激ユニットは、相乗効果を提供するために、この関節安定化アセンブリと関連して用いられ、その結果、この関節安定化アセンブリ又は電子刺激ユニットのいずれかのみを使用することに対して、最適化された関節療法となる、前記システム。
【請求項2】
前記電子刺激ユニットは、下記の機能の少なくとも1つを実行する少なくとも1つの信号を発生することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
a)DNA合成を増加させる、
b)軟骨細胞分裂増殖を増加させる、
c)ヒアリン軟骨を生成する、
d)成熟した軟骨細胞への原種細胞の分化を加速する、
e)軟骨保守と修理を提供する、
f)軟骨欠損を治療する、
g)プロテオグリカン合成を増加させる、
h)グリコサミノグリカン(glycosaminonglycan)合成を増加させる、
i)トランスフォーミング増殖因子β(TGFB)を増加させる、
j)プロテオグリカン及びType IIコラーゲンの生産の責任を持つ遺伝子を活性化させる、
k)IL−1、腫瘍壊死因子、プロスタグランジン(PGE2)及びMMP1、MMP3、MMP13を含むマトリックス・メタロプロテイナーゼの生産を抑制する、
l)ミトゲン(Mitogen)活性化プロテインキナーゼ(MAPKs)を阻害する、
m)インターフェロン、IL−9、及びIL−6を阻害する、
n)IL−15の刺激に対する反応を抑制する。
【請求項3】
前記関節安定化アセンブリは、足、足首、膝、腰、手首、手、肘、脊椎、骨盤または肩関節を治療するために適応することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記関節安定化アセンブリは、関節と周囲の解剖学的組織に対する剛性支持体として構成されている骨関節炎ブレースを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記関節安定化アセンブリは、関節と周囲の解剖学的組織に対する非剛性の支持体として構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記電子刺激ユニットは、この治療の部分のために、デューティサイクルを変化させる異なる信号を発生したり、又は全く信号を発生しないことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記電子刺激ユニットは、患者の要求、状態、又は属性に基づいてカスタムメイドのプログラミングを提供することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
関節の瞬時の位置に基づいて、信号を動的に変化させるため前記関節安定化アセンブリと前記電子刺激ユニットに動作的に関連している動的な信号変調システムを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記関節安定化アセンブリは解剖学的組織をサポートし、関節炎を治療するために使用される粘着テープを含み、前記少なくとも1つの信号伝送素子は、ユーザに都合のいい相乗効果が達成されるように、粘着テープの一部として一体的に構成され、この粘着テープは、機械的なサポート/療法を提供し、この信号伝送素子は、刺激療法を関節に提供することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記粘着テープは、ロール形、シート形又は少なくとも1つの前もってカットされた形状で提供されることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記粘着テープは、弾性体で形成されることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
関節炎を治療するための方法であって、
a)電気療法を解剖学的組織に提供すると共に、運動の範囲と解剖学的組織のサポートの範囲を助長するために信号伝送素子と一体的に構成される粘着テープを含むタイプの関節安定化アセンブリを選択するステップと、
b)冒された解剖学的組織を流れる電気療法信号の最適量を容易にするために解剖学的組織上の少なくとも1つの電気的接点の最適な位置を選択するステップとステップとステップと
c)冒された解剖学的組織を、前記選択された粘着テープでくるむステップと、を含む、前記方法。
【請求項13】
膝ブレース・システムであって、
大腿に固定されるように適応する上部支持部材と、
下腿に固定されるように適応する下部支持部材と、
前記上部支持部材を前記下部支持部材に接続する手段と、
前記上部支持部材又は下部支持部材に取り付けられ、第1の電極の取付位置を提供するように構成された整合的な個別のライナーセグメントと、
前記下腿と接触するように構成された前記ライナーセグメント上に配置される第1の電極と、
前記下腿と接触するように構成された第2の電極と、
前記第1及び第2の電極と電気的に接触し、電気物理的療法を下腿脚に提供するように構成された電子刺激ユニットとを含む、前記膝ブレース・システム。
【請求項14】
前記接続手段に取り付けられ、膝をくるむように構成されるバンドを更に含み、前記第2の電極はこのバンド上に配置されることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の電極は、整合的な個別のライナーと一体であることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1の電極は、着脱可能に前記整合的な個別のライナーに取り付けられることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の電極は、導電性ゲル材料を含むことを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記整合的な個別のライナーは調整可能で、かつ着脱可能であることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記電気物理的療法は、大腿と膝に提供されることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記上部支持部材又は前記下部支持部材は、電子刺激ユニットを受け入れるためのレセプタクルを含むことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項21】
電子刺激ユニットは、前記上部支持部材又は前記下部支持部材に永久に取り付けられることを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
電子刺激ユニットは、前記上部支持部材又は前記下部支持部材に着脱可能に取り付けられることを特徴とする請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記電子刺激ユニットは、複数の電気物理的療法を提供するようにプログラムされ、選択的にこの複数の電気物理的療法の1つを提供するように構成されることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項24】
前記ライナーセグメントは、綱を用いて前記上部支持部材又は下部支持部材に取り付けられることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項25】
綱を用いて前記第1のライナーセグメントに取り付けられる第2のライナーセグメントを更に含むことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項26】
前記綱は、弾性の綱であることを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記綱は、弾力性のない綱であることを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
矯正器具デバイスライナー装置であって、
矯正器具デバイスの支持部材に取り付け可能な第1の面と、
解剖学的組織の一部に合致するように構成される導電体と、
上記解剖学的組織の一部とインターフェースするように構成される第2の面と、を含み、
上記導電体と第2の面は、上記解剖学的組織の一部に電子刺激信号を伝送するように構成される、前記矯正器具デバイスライナー装置。
【請求項29】
複数の電気物理的療法から選択される電気刺激信号を伝送するように構成されていることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記導電体は、太腿又は膝に合致するように構成されていることを特徴とする請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記装置は、前記支持部材に調整可能な仕方で取り付け可能であることを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記装置は、膝、太腿を含む回路の一部と電子刺激ユニットを含むことを特徴とする請求項31に記載の装置。
【請求項33】
電子刺激装置であって、
矯正器具ブレースの支持部材に取り付けられ、かつ複数の電極と一部の解剖学的組織を含む回路に電気物理的療法を提供するように構成される電子刺激信号発生器を含み、ある電極は、この矯正器具ブレースの支持部材に取り付け可能な整合的な、個別のライナー上に配置される、前記電子刺激装置。
【請求項34】
前記電子刺激信号発生器は、電気的接点を含むレセプタクルに摺動可能な挿入によって支持部材に取り付けられるように構成されることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記支持部材は、更に、異なる電気物理的療法を提供するように構成される複数の電子刺激信号発生器を受け入れるように構成されていることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項36】
前記電子刺激信号発生器は、ある位置で着脱可能であり、この信号発生器が取り外されているときに、この位置を覆うために化粧カバーが設けられていることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項37】
前記電子刺激信号発生器は、前記支持部剤に一体化されていることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項38】
前記電子刺激信号発生器は、複数の電気物理的療法を提供できるようにプログラムされ、この複数の電気物理的療法の1つを選択的に提供することを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項39】
前記解剖学的組織の部分は、大腿と膝関節を含み、
前記個別のライナーは、前記大腿に取り付けられるように構成された支持部材上に配置され、
第2の電極は、前記矯正器具ブレースに取り付けられ、かつ前記膝を周辺でくるむように構成されるバンド上に配置されることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項40】
前記解剖学的組織の部分は、大腿と下腿を含み、
前記個別のライナーは、前記大腿に取り付けられるように構成された支持部材上に配置され、
第2の電極は、前記下腿に取り付けられるように構成される第2の支持部材上に配置されるライナー上に配置されることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項41】
矯正器具デバイス用の電極であって、
前記電極を前記矯正器具デバイスに取り付けることができる外表面を有する支持体層と、
電気物理的療法による電流を受け、かつ分配するように構成される導電層と、
着用者の解剖学的組織に合致し、前記導電層から着用者の解剖学的組織に前記電流を流すように構成されるインターフェース層と、
前記導電層に取り付けられて、前記矯正器具デバイス上に配置される電気的接点に電気的に結合するように構成される接続部材と、を含む、前記矯正器具デバイス用の電極。
【請求項42】
更に、予め定められた圧縮性を提供するように構成された材料層を含むことを特徴とする請求項41に記載の電極。
【請求項43】
前記予め定められた圧縮性は、前記電極の圧縮性が、前記矯正器具デバイスの隣接した部分の圧縮性にほぼマッチするように、決定されることを特徴とする請求項42に記載の電極。
【請求項44】
前記予め定められた圧縮性は、前記電極又は前記個別のライナーセグメントの圧縮性が、前記矯正器具デバイスの隣接した部分の圧縮性とは異なるように、決定されることを特徴とする請求項42に記載の電極。
【請求項45】
前記接続部材は、前記導電層の一体化された突出部を含むことを特徴とする請求項41に記載の電極。
【請求項46】
前記接続部材は、空所を有し、この空所は、前記接続部材が前記矯正器具デバイスに取り付けられる突出した電気的接点に取り付けることができるように構成されることを特徴とする請求項45に記載の電極。
【請求項47】
前記接続部材は、前記インターフェース層からなる一体化された突出部を含むことを特徴とする請求項45に記載の電極。
【請求項48】
少なくとも、前記支持体層の一部は、導電性であり、前記接続部材は前記支持体層の導電性の部分を含むことを特徴とする請求項41に記載の電極。
【請求項49】
前記接続部材は、前記支持体層を介して突出している導電体を含むことを特徴とする請求項41に記載の電極。
【請求項50】
更に、前記導電層に電気的に結合される複数の接続部材を含むことを特徴とする請求項41に記載の電極。
【請求項51】
前記複数の接続部材は、前記導電層を通して電流を分配するように構成されることを特徴とする請求項50に記載の電極。
【請求項52】
矯正器具デバイス・システムであって、
関節の第1の側部の一部に固定されるように適応する第1の支持部材と、
関節の第2の側部に固定されるように適応する第2の支持部材と、
前記第1の支持部材を前記第2の支持部材に接続する手段と、
前記第1又は第2の支持部材に取り付けられ、第1の電極の取付け位置を提供するように構成された整合的な個別のライナーセグメントと、
関節の近くにある第1の領域と接触するように構成された前記ライナーセグメントに上配置される第1の電極と、
関節の近くにある第2の領域と接触するように構成された第2の電極と、
前記第1及び第2の電極と電気的に接触していて、電気物理的療法を脚に提供するように構成された電子刺激ユニットと、を含み、
前記第1又は第2の電極は、
該電極を矯正器具デバイスに取り付けできるようにする外表面を有する支持体層と、
電気物理的療法による電流を受け、かつ分配するように構成された導電層と、
着用者の解剖学的組織に合致して、前記導電層から着用者の解剖学的組織に電流を通すように構成されるインターフェース層と、
前記導電層に取り付けられ、前記矯正器具デバイス上に配置された電気的接点に電気的に結合するように構成された接続部材と、を含む、前記システム。
【請求項53】
前記電極又は前記個別のライナーセグメントは、更に、予め定められた圧縮性を提供するように構成される材料層を含むことを特徴とする請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記予め定められた圧縮性は、前記電極の圧縮性が、前記矯正器具デバイスの隣接した部分の圧縮性にほぼマッチするように、決定されることを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記予め定められた圧縮性は、前記電極又は前記個別のライナーセグメントの圧縮性が、前記矯正器具デバイスの隣接した部分の圧縮性とは異なるように、決定されることを特徴とする請求項53に記載のシステム。
【請求項56】
前記接続部材は、前記導電層の一体化された突出部を含むことを特徴とする請求項52に記載のシステム。
【請求項57】
前記接続部材は、空所を有し、この空所は、前記接続部材が前記矯正器具デバイス又は前記個別のライナーセグメントに取り付けられる突出した電気的接点に取り付けることができるように構成されることを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記接続部材は、前記インターフェース層からなる一体化された突出部を含むことを特徴とする請求項56に記載のシステム。
【請求項59】
少なくとも、前記支持体層の一部は、導電性であり、前記接続部材は前記支持体層の導電性の部分を含むことを特徴とする請求項52に記載のシステム。
【請求項60】
前記接続部材は、前記支持体層を介して突出している導電体を含むことを特徴とする請求項52に記載のシステム。
【請求項61】
更に、前記導電層に電気的に結合される複数の接続部材を含むことを特徴とする請求項52に記載のシステム。
【請求項62】
前記複数の接続部材は、前記導電層を通して電流を分配するように構成されることを特徴とする請求項61に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25A】
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【図25B】
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【図25C】
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【図26】
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【図27A】
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【図27B】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36A】
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【図36B】
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【図36C】
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【図37】
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【図38】
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【公表番号】特表2012−527314(P2012−527314A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511949(P2012−511949)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2010/035206
【国際公開番号】WO2010/135288
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
【出願人】(511282520)ビジョン・クエスト・インダストリーズ・インコーポレイテッド・ディビイエイ・ブイキュー・オーソケア (1)
【Fターム(参考)】