説明

防湿処理の施された通信機器

【目的】 通信機器内の結露による回路の絶縁特性の劣化を防ぐことができ、部品性能の安定化を図ることができ、商品の寿命を長くすることができる防湿処理の施された通信機器を提供する。
【構成】 通気孔2aを形成した機器本体2Aの裏内面には吸水性シート3を貼付するとともに、通気孔2aには、水分の浸入を防止し、空気のみを流通させる防水シート4を取り付け、機器本体2Aの下部適所には、機器本体2A内の含湿空気を接触させて結露を生じさせる金属板5を設け、機器本体2Aの内部には、駆動時に発熱するヒータ6からなる電子部品などを内蔵しており、このヒータ6を熱源として放熱板7を付設し、この放熱板7からの放熱によって吸水性シート4に吸水された水分を除去する構造としたものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防湿処理の施された通信機器に関し、特に、通信機器の内部における結露の発生や結露によるトラブルを防止できる防湿処理の施された通信機器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、通信機器内に生ずる水分を外部に排出する構造としては、図8,図9に示すように、通信機器aの機器本体bの下部に水抜き穴cを形成して、通信機器a内の水分をこの水抜き穴cから外部に排出していた。ところが、この水抜き穴cを形成しているために、この水抜き穴から逆に外部の水分が通信機器a内に侵入し、図8に示すように、通信機器a内に配設されたプリント基板dにこの水分eが付着したり、図9に示すように、通信機器aの下面に水分eが溜まり、更にこの水分eがプリント基板dに付着して、プリント基板dに形成された回路の絶縁特性が劣化してしまうといった問題があった。 この問題を解決するために、このプリント基板dの回路の絶縁特性の劣化を防止するために、プリント配線面に防湿剤を塗布して、防湿処理を行っていた。
【0003】一方、プリント配線面に防湿剤を塗布する方法としては、従来よりディスペンサー法、スプレー法、ディッピング法などがある。ところが、ディスペンサー法においては、防湿剤の塗布厚のコントロールが困難であり、リード先端部にピンホールが発生して水分が付着し易くなって材料の絶縁特性が劣化する場合があり、しかも、塗布作業時間が長く、且つ低粘土材料には不向きであるという問題があった。
【0004】また、スプレー法においては、高粘土材料に対応できず、且つ塗布作業時間が長いという問題があった。更に、ディッピング法においては、高粘土材料には不向きであり、部分塗布が不可能であり、塗布装置の開口部を大きく形成する必要があるために、貯蔵材料の経時変化が大きく、しかも塗布装置が大型化するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、通信機器内の結露による回路の絶縁特性の劣化を防ぐことができ、部品性能の安定化を図って、商品の寿命を長くすることができ、防湿剤を塗布する場合には、防湿剤の劣化を防げ、ピンホールの発生がなく、しかも、防湿剤の再生を図ることができる防湿処理の施された通信機器を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであって、請求項1の防湿処理の施された通信機器は、通気孔を形成した機器本体の裏内面には吸水性シートを貼付するとともに、上記通気孔には、水分の浸入を防止し、空気のみを流通させる防水シートを取り付けた構造となっている。
【0007】請求項2の防湿処理の施された通信機器は、請求項1に記載の防湿処理の施された通信機器において、上記機器本体の下部適所には、機器本体内の含湿空気を接触させて結露を生じさせる金属板を設けているものである。請求項3の防湿処理の施された通信機器は、請求項1に記載の防湿通信機器において、機器本体の内部には、駆動時に発熱する電子部品などを内蔵しており、この電子部品を熱源として放熱板を付設し、この放熱板からの放熱によって上記吸水性シートに吸水された水分を除去する構造となっている。
【0008】請求項4の防湿処理の施された通信機器は、上記吸水性シートは、水分を吸収して膨張したときには、上記放熱板に接触する程度の間隔を保持して、通信機器の内面に貼付されているものである。請求項5の防湿処理の施された通信機器は、上記機器本体の底部適所には、水抜孔を形成したものである。
【0009】請求項6の防湿処理の施された通信機器は、機器本体の内部には回路基板を配設し、その機器本体の回路基板の下方に位置する底面には、水抜孔を形成するとともに、この水抜孔を通気性の吸水性シートを貼付して塞いだ構造となっている。請求項7の防湿処理の施された通信機器は、機器本体の外面適所に設けられた接続端子には、浸水防水のための端子カバーを設けた構造となっている。
【0010】請求項8の防湿処理の施された通信機器は、上記接続端子は、通信機器の裏面に設けられており、ヒンジ部を設けた端子カバーで保護される構造となっている。請求項9の防湿処理の施された通信機器は、上記接続端子は、通信機器の裏面に設けられており、取り外し可能な端子カバーを着脱可能に取付け出来る構造となっている。
【0011】請求項10の防湿処理の施された通信機器は、機器本体に内蔵された回路基板には、防湿剤槽に浸した回転ローラの回転によって、防湿剤を塗布した構造となっている。請求項11の防湿処理の施された通信機器は、通信機器がドアホン子器などの室外に設置される通信機器である。
【0012】
【作用】請求項1の防湿処理の施された通信機器によれば、機器本体の裏内面に貼付された吸水性シートによって、機器本体内の水分が吸収され、機器本体に形成された通気孔に取付けられた防水シートによって通気は可能となるが、外部からの水分の侵入が防止される。
【0013】従って、機器本体内の結露による回路基板の不良化や、機器本体内の回路や部品の絶縁特性の劣化を防ぐことができ、商品寿命を長くすることができる。請求項2の防湿処理の施された通信機器によれば、機器本体の下部適所に設けられた金属板の表面に、機器本体内の含湿空気が接触して結露が生じるので、機器本体内の湿度が低下して、回路や部品の湿度による絶縁特性の劣化を防ぐことができる。
【0014】請求項3の防湿処理の施された通信機器によれば、機器本体内に付設され、駆動時に発熱する電子部品を熱源とする放熱板からの放熱によって、上記吸水性シートに吸水された水分が除去されるので、機器本体内の結露による回路基板の不良化や、機器本体内の回路や部品の絶縁特性の劣化を防ぐことができる。請求項4の防湿処理の施された通信機器によれば、上記吸水性シートが水分を吸収して膨張したときに、上記放熱板に接触するので、この放熱板からの放熱が直接吸水性シートに伝わるので、効率良く吸水性シートに吸引された水分が除去されるので、機器本体内の結露による回路基板の不良化や、機器本体内の回路や部品の絶縁特性の劣化を防ぐことができる。 請求項5の防湿処理の施された通信機器によれば、機器本体の底部適所に水抜孔が形成されているので、機器本体内で結露した水分がこの水抜孔から外部に排出されるので、機器本体内の結露による回路基板の不良化や、機器本体内の回路や部品の絶縁特性の劣化を防ぐことができる。
【0015】請求項6の防湿処理の施された通信機器によれば、機器本体の内部に配設された回路基板の下方に位置する底面に形成された水抜孔を通気性の吸水性シートで塞いであるので、外部からの水分は、この吸水性シートに吸引されて機器本体内に侵入することが防止される。従って、機器本体内の湿度が高くならず、機器本体内の結露による回路基板の不良化や、機器本体内の回路や部品の絶縁特性の劣化を防ぐことができる。
【0016】請求項7の防湿処理の施された通信機器によれば、機器本体の外面適所に設けられた接続端子に、浸水防水のための端子カバーが設けられており、この端子カバーによって、接続端子に水分が浸水することが防止されるので、絶縁特性の劣化を防ぐことができる。請求項8の防湿処理の施された通信機器によれば、通信機器の裏面に設けられた接続端子が、ヒンジ部を設けた端子カバーで保護されていることにより、この接続端子に水分が浸水することが防止されるので、接続端子の絶縁特性の劣化を防ぐことができ、商品の寿命を長くすることができる。
【0017】また、端子カバーがヒンジ部を介して開閉可能に設けられているので、端子カバーを開けることができ、接続端子に配線を接続するときには、端子カバーを開けた状態で接続でき、その接続作業が行い易い。請求項9の防湿処理の施された通信機器によれば、通信機器の裏面に設けられた接続端子が、取り外し可能な端子カバーを着脱自在に取付け出来る構造なので、端子カバーを取り付けたときには、接続端子に水分が浸水することが防止されので、接続端子の絶縁特性の劣化を防ぐことができる。
【0018】また、端子カバーを取り外した状態で接続端子に配線を接続できるので、配線の接続作業が行い易い。請求項10の防湿処理の施された通信機器によれば、機器本体に内蔵された回路基板に、防湿剤槽に浸した回転ローラの回転によって、防湿剤を塗布するので、開口を小さくすることができ、防湿剤の劣化を防げ、ピンホールの発生がなく、しかも、防湿剤の再生を図ることができる。
【0019】請求項11の防湿処理の施された通信機器によれば、通信機器がドアホン子器などの室外に設置される通信機器であり、この通信機器に上記した防湿処理が施されているので、この通信機器が室外に設置されていても、内部に水分が侵入することがなく、通信機器内の結露による不良化や、通信機器内の回路や部品の絶縁特性の劣化を防ぐことができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明に係る防湿処理の施された通信機器の実施例について、図面を参照しつつ説明する。図1R>1は、第1実施例の防湿処理の施された通信機器1Aの内部構造を示すものであって、この通信機器1Aは、通気孔2aを形成した機器本体2Aの裏内面に高分子吸水シートからなる吸水性シート3が貼付されているとともに、通気孔2aには、水分の浸入を防止し、空気のみを流通させる防水シート4が取り付けられている。
【0021】更に、機器本体2Aに貼付された吸水性シート3の下部適所には、機器本体2内の含湿空気を接触させて結露を生じさせる金属板5が設けられている。また、機器本体2Aの内部に配設されたプリント基板6Aの側方には、駆動時に発熱するヒータ5からなる電子部品が内蔵されており、このヒータ6の側方にヒータ6を熱源とする放熱板7が付設され、この放熱板7からの放熱によって吸水性シート3に吸水された水分を除去する構造となっている。
【0022】そして、吸水性シート3は、水分を吸収して膨張したときには、放熱板7に接触する程度の間隔を保持して、通信機器1Aの内面に貼付されている。次に、第1実施例の通信機器1Aの作用について説明する。機器本体2Aの裏内面に貼付された吸水性シート3によって、機器本体2A内の水分が吸収され、更に、機器本体2Aに形成された通気孔2aに取付けられた防水シート4によって、外部からの水分の侵入が防止される。
【0023】また、機器本体2に貼付された吸水性シート3の下部適所に設けられた金属板5の表面に、機器本体2A内の含湿空気が接触して結露が生じるので、機器本体2A内の湿度が低下する。更に、吸水性シート3が水分を吸収して膨張したときに、放熱板7に接触するので、この放熱板7からの放熱が直接吸水性シート3に伝わるので、効率良く吸水性シート3に吸引された水分が除去される。
【0024】従って、機器本体2A内の結露によるプリント基板6Aの不良化や、プリント基板6Aの回路や部品の湿度による絶縁特性の劣化を防ぐことができ、商品の寿命を長くすることができる。図2は、第2実施例の防湿処理の施された通信機器1Bを示すものであって、機器本体2Bの内部にはプリント基板6Bからなる回路基板が複数本の支持ピン17を介して配設され、その機器本体2Bの回路基板の下方に位置する底面には、水抜孔2bが形成されるとともに、この水抜孔2bを通気性の吸水性シート9を貼付して塞いだ構造となっている。
【0025】次に、第2実施例の防湿処理の施された通信機器1Bの作用について説明する。機器本体2Bの底部適所に水抜孔2bが形成されているので、機器本体2B内で結露した水分がこの水抜孔2bから外部に排出されるので、機器本体2B内の湿度を低下し、更に、機器本体2Bの内部に配設されたプリント基板6Bからなる回路基板の下方に位置する底面に形成された水抜孔2bを通気性の吸水性シート9で塞いであるので、外部からの水分は、この吸水性シート9に吸引されて機器本体2B内に侵入することが防止される。
【0026】従って、機器本体2B内の結露によるプリント基板6Bの不良化や、プリント基板6Bの回路や部品の絶縁特性の劣化を防ぐことができ、商品の寿命を長くすることができる。図3,図4は、第3実施例の防湿処理の施された通信機器1Cを示すものであって、機器本体2Cの外面適所に設けられた接続端子10は、浸水防水のための端子カバー11で保護される構造となっており、この端子カバー11は、ヒンジ部11aを介して機器本体2Cの外面適所に開閉可能に設けられ、接続端子10が端子カバー11で保護される構造となっている。
【0027】次に、第3実施例の防湿処理の施された通信機器1Cの作用について説明する。機器本体2Cの外面適所に設けられた接続端子10に、浸水防水のための端子カバー11が設けられており、この端子カバー11によって、接続端子10に水分が浸水することが防止されるので、接続端子10の絶縁特性の劣化を防ぐことができ、商品の寿命を長くすることができる。
【0028】また、端子カバー11がヒンジ部11aを介して開閉可能に設けられているので、端子カバーを開けることができ、接続端子10に配線を接続するときには、端子カバー11を開けた状態で接続でき、その接続作業が行い易い。図5,図6は、第4実施例の防湿処理の施された通信機器1Dを示すものであって、通信機器1Dの裏面に接続端子10が設けられており、取り外し可能な端子カバー12が着脱可能に取付けられている。
【0029】即ち、端子カバー12は平面視コ字形に形成され、その両側壁12a,12bの内面に、取付け用凸部12c,12dが縦向きに形成され、機器本体2Dの外面の接続端子10の両外側に突出壁2e,2fが形成され、この突出壁2e,2fの外面に、端子カバー12の取付け用凸部12c,12dが着脱自在に嵌合される取付け用凹部2g,2hが形成されている。
【0030】次に、第4実施例の防湿処理の施された通信機器1Dの作用について説明する。端子カバー12を取り付けるには、この端子カバー12を接続端子10の両外側の突出壁2e,2fに押し付けるようにして嵌め合わせ、端子カバー12の取付け用凸部12c,12dを、突出壁2e,2fの取付け用凹部2g,2hに嵌合されることによって、端子カバー12が取付けられる。
【0031】従って、通信機器1Dの裏面に設けられた接続端子10が、取り外し可能な端子カバー12を着脱自在に取付け出来る構造なので、端子カバー12を取り付けたときには、接続端子10に水分が浸水することが防止されので、接続端子10の絶縁特性の劣化を防ぐことができ、商品の寿命を長くすることができる。また、端子カバー12を取り外した状態で接続端子10に配線を接続できるので、配線の接続作業が行い易い。
【0032】図7は、第5実施例の通信機器1Eのプリント基板6Eに防湿処理を行う状態を示すものであって、機器本体(図示略)に内蔵されたプリント基板6Eからなる回路基板には、防湿剤槽13に浸した回転ローラ14の回転によって、防湿剤Fを塗布する構造となっている。防湿剤槽13の両側壁14a,14bの上端部には、回転ローラ14の表面に付着される防湿剤Fを一定厚にするためのスクレッパー15a,15bが内側に向けて突出した状態で取付けられている。
【0033】尚、図中符号16は、防湿剤槽13に防湿剤Fを供給管16aを介して供給する防湿剤供給装置である。回転ローラ14は、表面が凹凸形状やブラシ又はフェルト状に形成されており、この回転ローラ14をプリント基板6Eの搬送方向と同方向に回転させることにより、回転ローラ14の表面に防湿剤槽13内の防湿剤Fが付着される。
【0034】防湿剤Fの付着量は、回転ローラ14の回転速度及び防湿剤槽13の両側壁14a,14bに取付けられたスクレッパー15a,15bによって、任意の量にコントロールされる。そして、回転ローラ14の上面を、プリント基板6Eが搬送されて通過することにより、このプリント基板5Eに防湿剤Fが塗布される。
【0035】防湿剤槽13は、回転ローラ14の回転に必要とする最低寸法の大きさとしてあり、防湿剤Fの外気との接触による経時変化を防止するとともに、必要に応じて防湿剤Fの循環装置などによって、防湿剤Fの再生を図れる機能を備えている。プリント基板6Eが回転ローラ14部分を通過した後、プリント基板6Eに付着した防湿剤Fは、自重により自然にリード先端部に集まりコーティングが完了する。
【0036】このように、防湿剤Fが自重により自然にリード先端部に集まることによって、ピンホールが発生しない。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の防湿処理の施された通信機器では、機器本体の裏内面に貼付された吸水性シートによって、機器本体内の水分が吸収され、機器本体に形成された通気孔に取付けられた防水シートによって、外部からの水分の侵入が防止されるので、機器本体内の結露による回路基板の不良化や、機器本体内の回路や部品の絶縁特性の劣化を防ぐことができ、商品の寿命を長くすることができる。
【0038】請求項2の防湿処理の施された通信機器では、機器本体の下部適所に設けられた金属板の表面に、機器本体内の含湿空気が接触して結露が生じるので、機器本体内の湿度が低下して、回路や部品の湿度による絶縁特性の劣化を防ぐことができる。請求項3の防湿処理の施された通信機器では、機器本体内に付設され、駆動時に発熱する電子部品を熱源とする放熱板からの放熱によって、上記吸水性シートに吸水された水分が除去されるので、機器本体内の結露による回路基板の不良化や、機器本体内の回路や部品の絶縁特性の劣化を防ぐことができる。
【0039】請求項4の防湿処理の施された通信機器では、上記吸水性シートが水分を吸収して膨張したときに、上記放熱板に接触するので、この放熱板からの放熱が直接吸水性シートに伝わるので、効率良く吸水性シートに吸引された水分が除去されるので、機器本体内の結露による回路基板の不良化や、機器本体内の回路や部品の絶縁特性の劣化を防ぐことができる。
【0040】請求項5の防湿処理の施された通信機器では、機器本体の底部適所に水抜孔が形成されているので、機器本体内で結露した水分がこの水抜孔から外部に排出されるので、機器本体内の結露による回路基板の不良化や、機器本体内の回路や部品の絶縁特性の劣化を防ぐことができる。請求項6の防湿処理の施された通信機器では、機器本体の内部に配設された回路基板の下方に位置する底面に形成された水抜孔を通気性の吸水性シートで塞いであり、外部からの水分は、この吸水性シートに吸引されて機器本体内に侵入することが防止されるので、機器本体内の湿度が高くならず、回路や部品の湿度による絶縁特性の劣化を防ぐことができる。
【0041】請求項7の防湿処理の施された通信機器では、機器本体の外面適所に設けられた接続端子に、浸水防水のための端子カバーが設けられており、この端子カバーによって、接続端子に水分が浸水することが防止されるので、接続端子の絶縁特性の劣化を防ぐことができる。請求項8の防湿処理の施された通信機器では、通信機器の裏面に設けられた接続端子が、ヒンジ部を設けた端子カバーで保護されていることにより、この接続端子に水分が浸水することが防止されので、接続端子の絶縁特性の劣化を防ぐことができる。
【0042】また、端子カバーがヒンジ部を介して開閉可能に設けられているので、端子カバーを開けることができ、接続端子に配線を接続するときには、端子カバーを開けた状態で接続でき、その接続作業が行い易い。請求項9の防湿処理の施された通信機器では、通信機器の裏面に設けられた接続端子が、取り外し可能な端子カバーを着脱自在に取付け出来る構造なので、端子カバーを取り付けたときには、接続端子に水分が浸水することが防止されので、接続端子の絶縁特性の劣化を防ぐことができる。
【0043】また、端子カバーを取り外した状態で接続端子に配線を接続できるので、配線の接続作業が行い易い。請求項10の防湿処理の施された通信機器では、機器本体に内蔵された回路基板に、防湿剤槽に浸した回転ローラの回転によって、防湿剤を塗布するので、開口を小さくすることができ、防湿剤の劣化を防げ、ピンホールの発生がなく、しかも、防湿剤の再生を図ることができる。
【0044】請求項11の防湿処理の施された通信機器では、通信機器がドアホン子器などの室外に設置される通信機器であり、この通信機器に上記した防湿処理が施されているので、この通信機器が室外に設置されていても、内部に水分が侵入することがなく、通信機器内の結露による回路基板の不良化や、この通信機器内の回路や部品の湿度による絶縁特性の劣化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防湿処理の施された通信機器の第1実施例の内部構造を示す縦断面図である。
【図2】第2実施例の防湿処理の施された通信機器の内部構造を示す縦断面図である。
【図3】第3実施例の防湿処理の施された通信機器とその接続端子部分の構造を示す縦断面図である。
【図4】第3実施例の防湿処理の施された通信機器における接続端子部分の構造を示す部分斜視図である。
【図5】第4実施例の防湿処理の施された通信機器における接続端子部分の構造を示す横断面図である。
【図6】第4実施例の防湿処理の施された通信機器における接続端子部分の構造を示す部分斜視図である。
【図7】第5実施例の防湿処理の施された通信機器における回転ローラによる防湿剤の塗布状態を示す説明図である。
【図8】従来の通信機器のプリント基板に水分が結露して付着した状態を示す縦断面図である。
【図9】従来の通信機器の機器本体の底面に水分が結露した状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C,1D,1E 通信機器
2A,2B,2C,2D 機器本体
2a 通気孔
2b 水抜孔
3 吸水性シート
4 防水シート
5 金属板
6A,6B,6E プリント基板(回路基板)
7 放熱板
8 ヒータ(電子部品)
9 吸水性シート
10 接続端子
11 端子カバー
11a ヒンジ部
12 端子カバー
13 防湿剤槽
14 回転ローラ
F 防湿剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】通気孔を形成した機器本体の裏内面には吸水性シートを貼付するとともに、上記通気孔には、水分の浸入を防止し、空気のみを流通させる防水シートを取り付けた構造とした防湿処理の施された通信機器。
【請求項2】請求項1に記載の防湿処理の施された通信機器において、上記機器本体の下部適所には、機器本体内の含湿空気を接触させて結露を生じさせる金属板を設けている防湿処理の施された通信機器。
【請求項3】請求項1に記載の防湿通信機器において、機器本体の内部には、駆動時に発熱する電子部品などを内蔵しており、この電子部品を熱源として放熱板を付設し、この放熱板からの放熱によって上記吸水性シートに吸水された水分を除去する構造とした防湿処理の施された通信機器。
【請求項4】上記吸水性シートは、水分を吸収して膨張したときには、上記放熱板に接触する程度の間隔を保持して、通信機器の内面に貼付されている請求項3に記載の防湿処理の施された通信機器。
【請求項5】上記機器本体の底部適所には、水抜孔を形成した請求項1から4のいずれかに記載の防湿処理の施された通信機器。
【請求項6】機器本体の内部には回路基板を配設し、その機器本体の回路基板の下方に位置する底面には、水抜孔を形成するとともに、この水抜孔を通気性の吸水性シートを貼付して塞いだ構造とした防湿処理の施された通信機器。
【請求項7】機器本体の外面適所に設けられた接続端子には、浸水防水のための端子カバーを設けた構造とした防湿処理の施された通信機器。
【請求項8】上記接続端子は、通信機器の裏面に設けられており、ヒンジ部を設けた端子カバーで保護される構造とした請求項7に記載の防湿処理の施された通信機器。
【請求項9】上記接続端子は、通信機器の裏面に設けられており、取り外し可能な端子カバーを着脱可能に取付け出来る構造とした請求項7に記載の防湿処理の施された通信機器。
【請求項10】機器本体に内蔵された回路基板には、防湿剤槽に浸した回転ローラの回転によって、防湿剤を塗布した構造とした防湿処理の施された通信機器。
【請求項11】通信機器がドアホン子器などの室外に設置される通信機器である請求項1から9のいずれかに記載の防湿処理の施された通信機器。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図5】
image rotate


【図4】
image rotate


【図6】
image rotate


【図7】
image rotate


【図8】
image rotate


【図9】
image rotate