説明

防蚊水及びその製造方法並びに防蚊方法

【課題】動物や環境に対して無負荷で、当該動物が蚊に刺されるのを防ぐことができる防蚊水及びその製造方法並びに防蚊方法を提供する。
【解決手段】磁力によって活性化された水によって、動物が蚊に刺されるのを防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防蚊水及びその製造方法並びに防蚊方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蚊は、動物から吸血し、日本脳炎、マラリア、フィラリア等の伝染性疾病を媒介する衛生害虫の1つである。蚊による吸血から動物を守る手段として、例えば、蚊に対する殺虫化合物、忌避化合物等を動物の生育環境に散布する方法等が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】国際公開第99/35914号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、近年、動物や環境に対する大きな負荷を抑制する観点から、殺虫化合物、忌避化合物等の使用を避けることが要望されている。
【0004】
本発明は、前記要望に鑑みてなされたものであり、動物や環境に対して無負荷で、動物が蚊に刺されるのを防ぐことができる防蚊水及び防蚊方法を提供することを目的とする。また、本発明は、防蚊効果の高い防蚊水を簡便に製造することができる防蚊水の製造方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明者は、上記課題を達成すべく、鋭意研究を重ねた結果、磁力によって活性化された水により、動物が蚊に刺されるのを防ぐことができるという知見を得、かかる知見に基づいて本願発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明の防蚊水は、磁力によって活性化させた水からなることを特徴とする。本発明の防蚊水は、磁力によって活性化された水であるため、蚊に対する殺虫化合物や忌避化合物が含まれていなくとも、動物や環境に対して無負荷で、動物が蚊に刺されるのを防ぐことができる。
【0007】
また、本発明の防蚊水の製造方法は、水に磁力を作用させて、当該水を磁力によって活性化させることを特徴とする。本発明の製造方法は、水に磁力を作用させるため、防蚊効果が高い防蚊水を簡便に製造することができる。
【0008】
本発明の防蚊水の製造方法は、ケーシングの内部に設けられた通水路と永久磁石との間に設けられ、前記通水路を包囲する非磁性体からなる導電性金属層と、前記永久磁石を全体的かつ隙間なく包囲して当該永久磁石の磁力がケーシングの外部に漏洩するのを防止する筒状の磁性体層とを備え、互いに対をなす前記永久磁石を、一方の永久磁石のN極と他方の永久磁石のS極を前記通水路側に臨ませ、かつ一方の永久磁石の端部のN極と他方の永久磁石の端部のS極との間にギャップを設けた状態で所定の角度でもって近接配置して、当該ギャップ付近の表面磁束密度を前記永久磁石の表面磁束密度よりも高めている水の活性化装置の通水路に、水を流すことにより、磁力によって前記水を活性化させるのが好ましい。本発明の防蚊水の製造方法は、水に磁力を作用させるに際して、前記水の活性化装置を用いることにより、効率よく、高い表面磁束密度の磁力を水に作用させることができるので、より防蚊効果が高い防蚊水を簡便に製造することができる。
【0009】
さらに、本発明の防蚊方法は、前記防蚊水を動物に飲用させることを特徴とする。本発明の防蚊方法は、前記防蚊水を動物に飲用させるため、当該動物が蚊に刺されるのをを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の防蚊水及び防蚊方法は、動物や環境に対して無負荷で、当該動物が蚊に刺されるのを防ぐことができるという優れた効果を奏する。また、本発明の防蚊水の製造方法は、防蚊効果の高い防蚊水を簡便に製造することができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の防蚊水は、磁力によって活性化させた水からなることを特徴とする。本発明の防蚊水によれば、例えば、当該防蚊水を動物に飲用させることによって、当該動物を刺して吸血する蚊の数を、通常の飲用水を与えた動物を刺して吸血する蚊の数に比べて大幅に低減させることができる。
前記動物としては、特に限定されるものではなく、例えば、ウシ、ブタ、ニワトリ、イヌ、ヒト等が挙げられる。
【0012】
本発明の防蚊水は、水に磁力を作用させて、当該水を磁力によって活性化させることにより製造することができる。
以下、本発明の防蚊水の製造方法を説明する。
【0013】
前記製造方法に用いる水としては、特に限定されるものではなく、例えば、水道水、井戸水、湧水等が挙げられる。前記水は、例えば、フィルター等で濾過した濾過水であってもよい。
【0014】
水に磁力を作用させるに際しては、磁場中に水を流してもよく、磁場中に水を静置してもよい。磁場中に水を流す場合、水の流速は、磁力によって水を活性化させるに十分な時間を確保できるのであれば、特に限定されるものではない。また、磁場中に水を静置する場合、水の静置時間は、磁力によって水を活性化させるに十分な時間を確保できるのであれば、特に限定されるものではない。
【0015】
図1は、本発明の防蚊水を製造する際に用いられる流体の活性化装置の一実施の形態を示す斜視図である。また、図2は、図1に示される流体の活性化装置の軸方向断面図である。
図1に示される流体の活性化装置Aは、ケーシング10の内部に、水を通過させる通水路1と、この通水路1を包囲する内側導電性金属層5と、この内側導電性金属層5の外周面に沿って配置された第1の永久磁石M1、第2の永久磁石M2、第3の永久磁石M3及び第4の永久磁石M4と、これら各永久磁石M1〜M4を全体的に包囲する外側導電性金属層6と、この外側導電性金属層6の外周を包囲する磁性体層7とを備えている。かかる流体の活性化装置Aによれば、水に対して、効率よく、前記表面磁束密度の磁場を作用させることができる。
【0016】
前記ケーシング10は、その全体が白銅、ステンレス、合成樹脂等で形成されている。このケーシング10は、断面が正方形又は円形である短筒状の周壁部10aと、気密性を有して周壁部10aの両端部を閉塞するテーパ状の端壁部10bとを有している。
【0017】
前記通水路1は、ステンレス、銅等の金属又は合成樹脂からなる管体1aによって構成されており、その断面形状は四角形(正方形)を呈している。この通水路1は、ケーシング10の中心部に設けられている。また、前記管体1aの両端部はケーシング10の端壁部10bから突出しており、その両端部に対して通水路1に水を通すための水道管等の配管がそれぞれ接続される。
【0018】
前記内側導電性金属層5は、銅、銀等の非磁性体であって導電性を有する金属で形成されている。図1に示される流体の活性化装置Aの場合、前記内側導電性金属層5は、前記金属で形成された断面四角形(正方形)の角パイプで構成されている。前記内側導電性金属層5は、通水路1を構成する管体1aに接触した状態で、当該管体1aの全周を隙間なく包囲している。
【0019】
前記した各永久磁石M1〜M4のうち、第1の永久磁石M1と第2の永久磁石M2とが互いに対をなしており、第3の永久磁石M3と第4の永久磁石M4とが互いに対をなしている。これら永久磁石M1〜M4は、例えばネオジム、アルニコ、フェライト等から形成された平板状のものであり、その幅寸法(第1の永久磁石M1において左右方向の寸法)は、前記内側導電性金属層5の各辺の長さより若干短くなっている。永久磁石M1〜M4の表面磁束密度は、水を活性化させるに十分な磁場を発生させる観点から、好ましくは100mT以上である。
【0020】
前記第1の永久磁石M1と第2の永久磁石M2とは、内側導電性金属層5の隣り合う辺部の外周面に沿って、ギャップG(狭い隙間)を設けた状態で、かつそれぞれの一端部の内側角部どうしを近接させた状態で配置されている。また、第3の永久磁石M3及び第4の永久磁石M4は、内側導電性金属層5の他の隣り合う辺部の外周面に沿って、ギャップGを設けた状態でかつそれぞれの一端部の内側角部どうしを近接させた状態で配置されている。さらに、前記第1の永久磁石M1とこれに隣設された第4の永久磁石M4との間、及び第2の永久磁石M2と第3の永久磁石M3との間にもギャップGが設けられている。すなわち、これら二対の永久磁石M1〜M4は、内側導電性金属層5に面する側の相互間にギャップGを設けた状態で、四角形の空間を構成するように90度の角度でもって枠状に配置されている。
前記各ギャップGの大きさはほぼ等しくなっており、その寸法gは、例えば、0.2〜2mmの範囲で設定されている。
【0021】
図1に示される流体の活性化装置Aでは、第1の永久磁石M1のN極と第2の永久磁石M2のS極とをそれぞれ通水路1側に臨ませており、第3の永久磁石M3のS極と第4の永久磁石M4のN極とをそれぞれ通水路1側に臨ませている。したがって、前記第1の永久磁石M1と第2の永久磁石M2との間のギャップG及び第3の永久磁石M3と第4の永久磁石M4との間のギャップGのそれぞれにおいて、S極とN極とが最も接近した状態で対向している。
【0022】
このように配置された各永久磁石M1〜M4は、第1の永久磁石M1から発生した磁力が、通水路1内を通過し、第2の永久磁石M2及び磁性体層7を経て第1の永久磁石M1に戻る第1の磁気回路J1を構成しているとともに、第4の永久磁石M4から発生した磁力が、通水路1内を通過し、第3の永久磁石M3及び磁性体層7を経て第4の永久磁石M4に戻る第2の磁気回路J2を構成している。
【0023】
前記外側導電性金属層6は、内側導電性金属層5と同じく、銅、銀等の非磁性体であって導電性を有する金属で形成されている。図1に示される流体の活性化装置Aの場合、内側導電性金属層6は当該金属で形成された断面四角形(正方形)の角パイプで構成されており、前記各永久磁石M1〜M4を全体的かつ隙間なく包囲している。前記外側導電性金属層6は、磁性体層7よりも電位が高い金属で形成されている。このため、接触電池作用によって外側導電性金属層6の内部電位をより高めることができる。
【0024】
前記磁性体層7は、磁性体からなる断面四角形の筒状体によって構成されている。この磁性体層7は、各永久磁石M1〜M4を全体的かつ隙間なく包囲して、永久磁石M1〜M4の磁力がケーシング10の外部に漏洩するのを防止している。前記磁性体は、磁力がケーシング10の外部に漏洩するのをより効果的に防止できる観点から、パーマロイや軟鉄等の強磁性体が望ましい。また、前記磁性体層7は外側導電性金属層6の外周面に密着させてある。
なお、前記内側導電性金属層5、各永久磁石M1〜M4、外側導電性金属層6及び磁性体層7の軸方向長さは、図2に示されるように、ケーシング10の周壁部10aの軸方向長さとほぼ同じ長さである。
【0025】
上記構成の流体の活性化装置Aは、水が通水路1を流れると、二つの磁気回路J1,J2(磁力線)と交差するので、その磁力により水を活性化させることができる。また、起電流が水の進行方向と直交する方向に発生し、電子が水中に放出されて水を電気化学的に活性化させることができる。
この際、一対の第1の永久磁石M1と第2の永久磁石M2との間のギャップG、及び他の一対の第3の永久磁石M3と第4の永久磁石M4との間のギャップGにおいて、S極とN極とが最も接近するので、当該ギャップG付近において表面磁束密度を非常に高めることができる。これにより、通水路1を流れる水に対して強力な磁力を作用させることができる。このギャップG付近の表面磁束密度は、例えば各永久磁石M1〜M4が本来有する表面磁束密度の2倍程度、すなわち、各永久磁石M1〜M4の能力以上の表面磁束密度になることが確認されている。このため、通水路1を流れる水をより効果的に活性化させることができる。
前記ギャップGにおける磁場の表面磁束密度は、防蚊効果の高い防蚊水を得る観点から、好ましくは450mT以上、より好ましくは500mT以上である。
【0026】
図3は、本発明の防蚊水を製造する際に用いられる流体の活性化装置の他の実施の形態を示す斜視図である。この流体の活性化装置Aの基本的構造は図1と同じである。図5に示す活性化装置Aが図1に示す活性化装置Aと相違する点は、第1の永久磁石M1と第3の永久磁石M3及び第2の永久磁石M2と第4の永久磁石M4の互いに対向する面の極性をそれぞれ同じ極性にした点である。各永久磁石M1〜M4は、第1の永久磁石M1と第2の永久磁石M2との間、第2の永久磁石M2と第3の永久磁石M3との間、第3の永久磁石M3と第4の永久磁石M4との間及び第4の永久磁石M4と第1の永久磁石M1との間で、それぞれ磁気回路J1〜J4を構成している。この活性化装置Aによれば、水に対して、より強い磁力を効果的に作用させることができる。
【0027】
本発明の防蚊水の製造方法では、通水路1に流す水の流量を多くし、かつ流速を上げて防蚊水の製造効率を上げる観点から、ケーシング10の周壁部10a、管体1a、内側導電性金属層5及び磁性体層7のそれぞれの軸方向長さが、図1又は3に示すものよりも長くされ、各永久磁石M1〜M4を1組とする永久磁石群が、流体通水路1の軸方向に沿って複数組配列されている流体の活性化装置Aを用いることができる。
【0028】
以上のようにして製造された防蚊水は、例えば、動物に飲用させることにより、動物が蚊に刺されるのを防ぐことができる。
前記防蚊水を飲用させるに際して、動物への防蚊水の供給量及び供給回数は、動物の体重、状態に応じて決定することができる。
なお、前記防蚊水は、動物に飲用させる代わりに、牛舎、豚舎、鶏舎等の畜舎内において、当該防蚊水を飛散又は噴霧してもよい。
【0029】
以下に実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
【実施例】
【0030】
(実施例1)
図1に示される流体の活性化装置である磁気活水器〔マグローブ株式会社製、商品名:MG20〕に、自由落下で水道水を供し、磁力によって、当該水道水を活性化させた。得られた処理水を、実施例1の処理水とした。
【0031】
(実施例2)
3週齢の雄のICRマウスに、自由給水で、実施例1の処理水を飲料水として供給するとともに、固形飼料〔オリエンタル酵母株式会社製、商品名:MF〕を給餌して、前記ICRマウスを1ヶ月間飼育した。
【0032】
(比較例1)
前記実施例2において、実施例1の処理水に代えて、水道水を用いたことを除き、前記実施例2と同様にして、3週齢の雄のICRマウスを1ヶ月間飼育した。
【0033】
(試験例1)
実施例1の処理水を所定時間静置した。つぎに、静置後の処理水と、サラダ油(オレイン酸トリグリセリド)とを、100:2の体積比で、1分間振盪撹拌しながら混合した。得られた混合物を5分間静置させた後、得られた産物に、外部標準物質として、1mmolの3−トリメチルシリルプロピオン酸ナトリウム−2,2,3,3−d4を添加し、測定試料を得た。また、実施例1の処理水に代えて、水道水を用いたことを除き、前記と同様にして、対照試料を得た。
【0034】
つぎに、フーリエ変換型核磁気共鳴装置〔日本電子株式会社製、商品名:JNM−EX400型FT−NMR〕を用いて前記測定試料及び対照試料中のオレイン酸トリグリセリドの1H−NMR(400MHz、D2O)を測定することにより、オレイン酸トリグリセリドの量を算出した。その後、下記式(1)に基づき、所定時間静置後の実施例1の処理水による界面活性力の指標(試料中の油の分散度)を算出した。
【0035】
試料中の油の分散度=測定対象の試料中のオレイン酸トリグリセリドの量/前記対照試料中のオレイン酸トリグリセリドの量 (1)
【0036】
所定時間静置後の実施例1の処理水による界面活性力を調べた結果を示すグラフを図4に示す。
図4に示される結果から、実施例1の処理水は、製造後28日経過しても、水道水よりも高い界面活性力を有することがわかる。したがって、水に磁力を作用させることにより、磁力を作用させる前の水に比べて、性質が変わっており、水が活性化されていることがわかる。
【0037】
(試験例2)
以下の試験を、財団法人 日本環境衛生センターで行った。
羽化後12〜25日令の雌のヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の成虫(財団法人 日本環境衛生センターにより累代飼育された有機リン系殺虫剤、ピレストロイド系殺虫剤感受性集団)を麻酔せずに、当該成虫にダメージを与えないように吸虫管で捕集した。捕集されたヒトスジシマカ 70匹を、ステンレス製金網籠(30cm×30cm×30cm)中に放った。
【0038】
金網(20メッシュ、大きさ:12cm×7cm)で実施例2のマウス及び比較例2のマウスそれぞれを動き回らないように固定した。その後、図5に示されるように、固定後の実施例2のマウス102及び比較例2のマウス103の両方を、ヒトスジシマカを放った1つの金網籠101の中に入れ、設置した。また、金網籠101中に、ヒトスジシマカの生育のために、砂糖水を入れた容器104を設置した。
【0039】
実施例2のマウス及び比較例1のマウスそれぞれを、ヒトスジシマカを放った金網籠の中に入れてから1時間後までに、マウスから吸血し、飽血して離れたヒトスジシマカを目視で計数した。ヒトスジシマカの計数に際しては、マウスにとまっただけでマウスから吸血していないヒトスジシマカを計数しなかった。また、前記と同様に、別の金網籠に設置したマウスから吸血し、飽血して離れたヒトスジシマカを目視で計数した。なお、計数期間中における金網籠内の気温は、24.9℃〜25.5℃であった。
【0040】
計数結果に基づき、下記式(2)にしたがって、吸血率を算出した。
【0041】
吸血率(%)=(マウスから吸血したヒトスジシマカの数/全ヒトスジシマカ数)×100 ・・・(2)
【0042】
また、マウスから吸血した全ヒトスジシマカの数(「全吸血数」という)と、実施例2のマウス又は比較例1のマウスから吸血したヒトスジシマカの数(「吸血数」という)とに基づき、マウスから吸血した全ヒトスジシマカ中における実施例2のマウス又は比較例1のマウスから吸血したヒトスジシマカの割合〔吸血数/全吸血数(%)〕を算出した。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】

【0044】
表1に示される結果から、水道水を引用させた比較例1のマウスは、吸血した全ヒトスジシマカのうちの95.2%のヒトスジシマカにより吸血されたのに対して、実施例1の処理水を引用させた実施例2のマウスは、吸血した全ヒトスジシマカのうちの4.8%のヒトスジシマカにより吸血されたにとどまっていることがわかる。かかる結果より、磁力によって活性化させた水である実施例1の処理水を動物に飲用させることにより、動物が蚊に刺されるのを防ぐことができることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の防蚊水の製造に用いられる流体の活性化装置の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示される流体の活性化装置の軸方向断面図である。
【図3】本発明の防蚊水の製造に用いられる流体の活性化装置の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図4】試験例1において、所定時間静置後の実施例1の処理水による界面活性力を調べた結果を示すグラフである。
【図5】試験例2において、実施例2のマウス及び比較例2のマウスから吸血したヒトスジシマカを計数する試験の概略を示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0046】
1 流体通水路
4 ヨーク
5 内側導電性金属層
6 外側導電性金属層
7 磁性体層
10 ケーシング
10a 周壁部
101 金網籠
102 マウス
103 マウス
104 砂糖水の入った容器
M1 第1の永久磁石
M2 第2の永久磁石
M3 第3の永久磁石
M4 第4の永久磁石
A 磁気活水器
G ギャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁力によって活性化させた水からなることを特徴とする防蚊水。
【請求項2】
請求項1に記載の防蚊水を動物に飲用させることを特徴とする防蚊方法。
【請求項3】
水に磁力を作用させて、当該水を磁力によって活性化させることを特徴とする防蚊水の製造方法。
【請求項4】
ケーシングの内部に設けられた通水路と永久磁石との間に設けられ、前記通水路を包囲する非磁性体からなる導電性金属層と、前記永久磁石を全体的かつ隙間なく包囲して当該永久磁石の磁力がケーシングの外部に漏洩するのを防止する筒状の磁性体層とを備え、互いに対をなす前記永久磁石を、一方の永久磁石のN極と他方の永久磁石のS極を前記通水路側に臨ませ、かつ一方の永久磁石の端部のN極と他方の永久磁石の端部のS極との間にギャップを設けた状態で所定の角度でもって近接配置して、当該ギャップ付近の表面磁束密度を前記永久磁石の表面磁束密度よりも高めている水の活性化装置の通水路に、水を流すことにより、磁力によって前記水を活性化させる請求項3に記載の防蚊水の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−263251(P2009−263251A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−111691(P2008−111691)
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【出願人】(399116054)
【出願人】(506320624)
【Fターム(参考)】