説明

防護パネル

【課題】優れた防護性能を有し、必要に応じ柔軟性を持たせることができてなおかつ快適性を向上させた防護パネルとその製造方法を提供する。
【解決手段】防護パネル1は、波型防護板2を短冊状に並べて人体の胸部、背中、わき腹などを防護できるように構成されている。波型防護板2は、バネ材をスポット溶接4することにより接続する事を特徴としている。波型に加工した波型防護板2を防護パネル1として利用することにより、刃物やアイスピックなど鋭利な物を波型防護板の谷部で受け止めて、刃物の滑りを止めることができる。さらに、身体と防護板の間に空間をつくり、空気の循環を可能にさせることにより快適性を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刃物やアイスピックなどに対し、防護特性を有する軽量で柔軟な性能を持った安価な防護パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
先端の鋭利なアイスピックや刃物などに対して防護をするための防護材料として、幅広い素材がある。そのような防護材料として多用されているものにアラミド繊維、高強度ポリエチレン繊維、チタン板、バネ板、ステンレス板、セラミック板、ポリカーボネート樹脂などがある。
【0003】
アラミド繊維、高強度ポリエチレン繊維などは柔軟で軽量であるが、高価であることと数年で経年劣化する欠点がある。また高温多湿状態での劣化が早まることから防護パネル保護のためのカバーなどが求められる。
【0004】
一方チタン板、ステンレス板、セラミック板は大きな比重を有し、十分な防刃性能を得るためにはある程度の厚みが必要であり重く硬い。すなわち、着用者は重くて固い防護衣を保持して行動しなければならず、着用者の運動を著しく阻害し、負担が極めて大きくなるところに問題がある。
【0005】
着用者の運動性を向上させるために、チタン板、ステンレス板、セラミック板などを小さいピース状にして組み合わせて着用者への柔軟性を高めることもできるが、各ピース部の接合部分での防護力の低下は避けられない問題がある。
【0006】
チタン板、ステンレス板、セラミック板などの各ピース部の間の接合部の防護力を高めるために、防護パネルの各ピース部をウロコ状に構成することが一般的であるが、安全確保のために各ピースが重なる部分や補強を設けることによる重量アップの問題がある。
【0007】
金属でできているタイプの防護パネルを構成するピース状の防護板の多くは平面で構成されており、鋭利な刃物やアイスピックの貫通を防いだ後に、勢いが止まらず滑る傾向にあり首や他の防護されてない部位への脅威が残る問題がある。
【0008】
防護パネルの各ピース板は、リベット止めまたは接着剤による貼り付けなどにより防護パネルとして構成しているが使用頻度が高くなるとリベットや接着剤などの剥離による問題が起こりやすい。
【0009】
防護板として利用できる、アラミド繊維、超高度ポリエチレン、チタン、セラミック、ステンレスでできた防護パネルは通気性が悪く、着用者は、夏場などの高温多湿な環境では多くの汗をかき作業力の低下や熱中症などの健康被害をこうむる問題がある。
【0010】
軽量でなおかつ強固である冷間圧延のステンレスを防護パネルとして利用することも提案されている。
【0011】
【先行技術文献】
【特許文献1】出願2009−195998
【特許文献2】出願2009−209781
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記の従来技術の背景のもとになされたもので、優れた防護性能を有し、必要に応じ柔軟性を持たせることができてなおかつ快適性を向上させた防護パネルとその製造方法を提供することをその目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記の課題を解決するために、本発明の実施形態を示す図1、図2、図3に基づいて説明すると、次のように構成したものである。
すなわち、防護パネル(1)は、波型防護板(2)を短冊状に並べて人体の胸部、背中、わき腹などを防護できるように構成されている。波型防護板(2)は、バネ材(3)をスポット溶接(4)することにより接続する事を特徴としている。
【0014】
本発明は上記課題を解決するために、波型に加工した波型防護板(2)を防護パネル(1)として利用することにより、刃物やアイスピックなど鋭利な物を波型防護板の谷部で受け止めて、刃物の滑りを止めることを特徴とする。
【0015】
本発明は上記課題を解決するために、波型に加工した波型防護板(2)を防護パネル(1)として利用することにより身体と防護板の間に空間をつくり、空気の循環を可能にさせることにより快適性を提供することを特徴とする。
【0016】
防護パネル(1)は、バネ材(3)により組み立てパネルを接続しやすくするように図3のような波型防護板(2)に加工することを特徴とする。波型防護板(2)の材料は特定の材料に限定されず、チタン板、アルミ合金、圧延ステンレス鋼、焼きいれ鋼などの折り曲げ加工することができる金属が利用できる。チタン、アルミ合金およびステンレス鋼などは錆などに対する耐性が強く好ましい材料である。
【0017】
空気を循環させ重量のアップを抑えるために波型防護板(2)の高さ(A)は2−10mmの間が望ましく、そのピッチ(B)は5−50mmの範囲が望ましい。またバネ材(4)のスポット溶接の加工性からもこれらの数値が望ましい。
【0018】
防護パネル(1)を構成する個々の波型防護板(2)はバネ材(3)によりスポット溶接(4)で接合されている。バネ材(3)の採用により柔軟性が増し装着にフィット感が得られる。バネ材は動きに対する柔軟性と防護財としての強固さを同時に求められることから、SUS301H,SUS301EH,SUS301SEHの材料が利用されその板厚は、0.4−1.2mmが望ましい。
【0019】
上記の防護パネル(1)は、防御の必要性に応じて上半身の胸部、背部、わき腹、二の腕、脛部など屈折を必要とする人体の全体部分または任意の部分などに設けることでも良い。
【発明の効果】
【0020】
本発明は上記のように構成され作用することから、次を奏する。
【0021】
1.波型防護板(2)が、身体と防護パネル(1)の間に空間をつくることから、空気の循環性を促し夏場などに着用する不快感を軽減させる。
【0022】
2.波型防護板(2)をバネ材(3)によりスポット溶接(4)することにより柔軟性を提供しながらフィット性などを提供してなおかつ十分な防御力を提供できる。スポット溶接(4)は横方向、もしくは縦方向または両方向に施し動きを妨げない構造とする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は本発明の実施形態を示した説明図である。防護パネル。
【図2】図2は本発明の人体への装着図である。
【図3】図3は本発明の波型防護板の形状図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の防護パネルを図面に基づき説明する。
図1で示す防護パネル(1)は、3枚以上の波型防護板(2)を短冊状にならべて、バネ材(3)をスポット溶接(4)することにより構成されたものである。
【0025】
波型防護板(2)の材料は、チタン板、アルミ合金、圧延ステンレス鋼、焼きいれ鋼などの金属を折り曲げ加工することができる金属が利用できる。
【0026】
波型防護板(2)の形状は高さ(A)は2−10mmの間が望ましく、そのピッチは5−50mmの範囲が望ましい。
【符号の説明】
【0027】
1 防護パネル
2 波型防護板
3 バネ材
4 スポット溶接
A 波高さ
B ピッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は、図1に示す防護パネル(1)の防護板として波型防護板(2)を使用したものである。
【請求項2】
本発明は、図1に示す防護パネル(1)の防護板として波型防護板(2)を使用したもので、波型防護板の波高さ(A)は2−10mmの間で、そのピッチ(B)は5−50mm。
【請求項3】
本発明は、図1に示す防護パネル(1)の防護板として波型防護板(2)を使用したもので、そのパネルの接続としてバネ材(3)を利用した防護パネルでありその取り付けにはスポット溶接(4)が使われている。バネ材としてはSUS301H,SUS301EH,SUS301SEHなどの0.4−1.2mmの板厚が望ましい。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−257118(P2011−257118A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143122(P2010−143122)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(502413256)株式会社ハマニ (1)
【出願人】(504203413)有限会社ジェイショップスドットコム (9)
【Fターム(参考)】