説明

防護管装置

【課題】 重機等が防護管に接触することを防止できる防護管装置を提供する。
【解決手段】 架線Yを保護するための筒状の防護管1の外側に配置され、防護管1に対して変位可能となるように防護管1に支持される可動体2と、可動体2が付勢されて防護管1に対して変位するのを検知する検知手段3と、検知手段3が可動体2の変位を検知することにより、可動体2が付勢されたことを通知する通知手段5とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架線を保護するための防護管に、重機等が接触するのを防止する防護管装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、削岩機、掘削機、クレーン、レッカーといった重機等から架線を保護するものとして、図10に示すように、筒状に形成され、内部に架線(電線)を挿通させる防護管Xが知られている(例えば、特許文献1)。そして、斯かる防護管Xによれば、防護管Xが架線の周囲を覆うため、重機が防護管に接触しても、架線の損傷や切断等を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−36718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、重機が勢いよく防護管Xに接触した場合においては、架線の損傷や切断等を防止できない場合もあり得る。したがって、重機等が防護管Xに接触すること自体を防止できることが好ましい。
【0005】
よって、本発明は、斯かる事情に鑑み、重機等が防護管に接触することを防止できる防護管装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る防護管装置は、架線を保護するための筒状の防護管の外側に配置され、防護管に対して変位可能となるように防護管に支持される可動体と、可動体が付勢されて防護管に対して変位するのを検知する検知手段と、検知手段が可動体の変位を検知することにより、可動体が付勢されたことを通知する通知手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る防護管装置によれば、架線を保護するための筒状の防護管の外側に配置される可動体が、防護管に対して変位可能となるように防護管に支持されている。そこで、可動体が付勢されて防護管に対して変位すると、検知手段が可動体の変位を検知する。そして、検知手段が可動体の変位を検知することにより、通知手段は、可動体が付勢されたことを通知する。
【0008】
また、本発明に係る防護管装置においては、検知手段は、可動体に固定される第1検知体と、防護管に固定され、可動体が防護管に支持される状態で第1検知体と離れるように配置される第2検知体と、第1検知体と第2検知体とが接することで、可動体が防護管に対して変位したことを検知する検知部とを備えてもよい。
【0009】
斯かる構成の防護管装置によれば、可動体が防護管に支持される状態において、可動体に固定される第1検知体と、防護管に固定される第2検知体とが離れている。そして、斯かる状態から、可動体が防護管に対して変位すると、第1検知体と第2検知体とが接する。したがって、検知部は、第1検知体と第2検知体とが接することで、可動体が防護管に対して変位したことを検知する。
【0010】
また、本発明に係る防護管装置においては、検知手段は、可動体に固定される第1検知体と、防護管に固定され、可動体が防護管に支持される状態で第1検知体に接するように配置される第2検知体と、第1検知体と第2検知体とが離れることで、可動体が防護管に対して変位したことを検知する検知部とを備えてもよい。
【0011】
斯かる構成の防護管装置によれば、可動体が防護管に支持される状態において、可動体に固定される第1検知体と、防護管に固定される第2検知体とが接している。そして、斯かる状態から、可動体が防護管に対して変位すると、第1検知体と第2検知体とが離れる。したがって、検知部は、第1検知体と第2検知体とが離れることで、可動体が防護管に対して変位したことを検知できる。
【0012】
また、本発明に係る防護管装置においては、径方向で内外を連通させる貫通孔を有する防護管と、貫通孔を介して防護管に挿され、防護管の内側に配置される第1検知体と防護管の下方側に配置される可動体とを連結する連結体とを備え、第1検知体は、可動体が防護管に支持されるべく、防護管に係止されてもよい。
【0013】
斯かる構成の防護管装置によれば、径方向で内外を連通させる貫通孔を介して、防護管に挿されている連結体が、防護管の内側に配置される第1検知体と、防護管の下方側に配置される可動体とを連結する。そして、第1検知体が防護管に係止されるため、可動体が連結体及び第1検知体を介して防護管に支持される。
【0014】
また、本発明に係る防護管装置においては、径方向で内外を連通させる貫通孔を有する防護管と、貫通孔を介して防護管に挿され、防護管の内側に配置される第1検知体と防護管の下方側に配置される可動体とを連結する連結体とを備え、第1検知体は、可動体が防護管に支持されるべく、第2検知体に係止されてもよい。
【0015】
斯かる構成の防護管装置によれば、径方向で内外を連通させる貫通孔を介して、防護管に挿されている連結体が、防護管の内側に配置される第1検知体と、防護管の下方側に配置される可動体とを連結する。そして、第1検知体が第2検知体に係止されるため、可動体が連結体及び第1検知体並びに第2検知体を介して防護管に支持される。
【0016】
また、本発明に係る防護管装置においては、第2検知体に固定されると共に、第2検知体を防護管に接続すべく、防護管に着脱自在な接続体を備えてもよい。
【0017】
斯かる構成の防護管装置によれば、第2検知体に固定される接続体が防護管に着脱自在であるため、接続体が防護管に取り付けられることで、第2検知体を防護管に接続して固定することができる。これにより、従来の防護管に防護管装置を装着することができる。
【0018】
また、本発明に係る防護管装置においては、第1検知体及び第2検知体は、それぞれ導電性を有して構成され、検知部は、第1検知体と第2検知体とが接することで通電する検知回路を備えてもよい。
【0019】
斯かる構成の防護管装置によれば、それぞれ導電性を有して構成される第1検知体と第2検知体とが接することで、検知回路が通電する。したがって、検知回路が通電することにより、検知部は、第1検知体と第2検知体とが接していることを検知できる。
【発明の効果】
【0020】
以上の如く、本発明に係る防護管装置によれば、重機等が防護管に接触することを防止できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る防護管装置の全体斜視図を示す。
【図2】同実施形態に係る防護管装置の全体正面図を示す。
【図3】同実施形態に係る防護管装置の断面図であって、(a)は図2のA−A線における全体断面図、(b)はB−B線における要部断面図を示す。
【図4】同実施形態に係る防護管装置の部品図であって、(a)は防護管の要部底面図、(b)は可動体の要部底面図を示す。
【図5】同実施形態に係る防護管装置の動作説明図であって、(a)及び(b)はそれぞれ回路図を示す。
【図6】本発明の他の実施形態に係る防護管装置の全体正面図を示す。
【図7】同実施形態に係る防護管装置の全体図であって、図6のC−C線における断面図を示す。
【図8】同実施形態に係る防護管装置の要部図であって、図7のD−D線における断面図を示す。
【図9】同実施形態に係る防護管装置の動作説明図であって、(a)及び(b)はそれぞれ回路図を示す。
【図10】従来における防護管の全体図であって、(a)は正面図、(b)はE−E線における断面図、(c)は開状態の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る防護管装置における第1の実施形態について、図1〜図5を参酌して説明する。
【0023】
本実施形態に係る防護管装置は、図1〜図5に示すように、架線(電線)Yを保護するための防護管1と、防護管1の外側に配置され、防護管1に対して変位可能となるように防護管1に支持される可動体2と、可動体2が付勢されて防護管1に対して変位するのを検知する検知手段3,3と、可動体2と各検知手段3とを連結する連結体4とを備える。さらに、防護管装置は、各検知手段3が可動体2の変位を検知することにより、可動体2が付勢されたことを通知する通知手段5,5を備える。
【0024】
防護管1は、長手方向に亘ってスリット状の割れ目部111が形成される筒状の防護管本体11と、割れ目部111により切断された防護管本体11の周方向の各端部から径方向外方に突出するフランジ部12,12とを備える。そして、防護管1は、割れ目部111の隙間を内側から覆うべく、防護管本体11の周方向の一端部から周方向に沿って突出するカバー部13を備える。
【0025】
また、防護管1は、弾性及び可撓性を有するポリエチレン等の絶縁材料から構成されており、弾性変形されることで、割れ目部111を介して開閉可能に構成されている。そして、防護管1は、弾性変形により開放された割れ目部111を介して、架線Yが内部に挿通されることで、架線Yに装着される。なお、防護管1は、直接的に又は連結部材等(図示していない)を介して間接的に、長手方向の端部が別の防護管1の長手方向の端部に連結可能に構成されている。
【0026】
防護管本体11は、長手方向の各端部に、径方向で内外を連通させる貫通孔112,112をそれぞれ備える。そして、一対の貫通孔112,112は、周方向において、防護管本体11の同じ位置にそれぞれ配置されている。また、各貫通孔112は、防護管本体11の端縁から長手方向に沿って設けられ、所定長さを有する長穴状に形成されている。なお、各貫通孔112は、径方向の内方に向けて開口が次第に小さくなるように、即ち、テーパ状に形成されている。
【0027】
可動体2は、長板状に形成される可動体本体21と、可動体本体21を連結体4に固定させる固定部材22,22とを備える。また、可動体2は、防護管1の下方側の近傍に配置されている。
【0028】
可動体本体21は、幅方向の中央部に長手方向に沿って配置され、連結体4が嵌入されるための溝211を備える。なお、可動体本体21は、長手方向の寸法(長さ)が防護管1の長手方向の寸法(長さ)よりも小さく(短く)形成されている。
【0029】
各固定手段22は、可動体本体21に枢着されている。そして、各固定手段22は、連結体4を可動体本体21に固定させるべく、溝211に嵌入された連結体4を係止する係止位置(図4(b)の実線の位置)と、当該係止を解除する係止解除位置(図4(b)の二点鎖線の位置)とに切り替え可能に構成される。
【0030】
各検知手段3は、可動体2に固定される第1検知体31と、防護管1に固定される第2検知体32とを備える。さらに、各検知手段3は、第1検知体31と第2検知体32とが接離することにより、可動体2が防護管1に対して変位したことを検知する検知部33を備える。
【0031】
第1検知体31は、半球状に形成されており、第2検知体32と当接する球面状の当接部311と、連結体4に連結される平面状の連結部312とを備える。また、第1検知体31は、導電性を有して構成される。そして、第1検知体31は、防護管1の内側に配置されると共に、可動体2が連結体4及び第1検知体31を介して防護管1に支持されるべく、防護管1に係止される。具体的には、連結部312が防護管本体11の内面に係止される。
【0032】
第2検知体32は、凹状に形成され、第1検知体31の当接部311と当接する球面状の当接部321を備える。また、第2検知体32は、導電性を有して構成される。そして、第2検知体32は、防護管1の内側に連結されると共に、可動体2が防護管1に支持される状態で第1検知体31と離れるように配置される。具体的には、第2検知体32は、可動体2が防護管1に支持される状態で、球面状の当接部321が第1検知体31の球面状の当接部311を上方側から覆うように配置される。
【0033】
検知部33は、第1検知体31と第2検知体32とが接することで通電する検知回路331を備える。斯かる検知回路331は、電源(電池)331aを備え、第1検知体31と第2検知体32とが接して通電することにより、可動体2が防護管1に対して変位したことを検知する。
【0034】
連結体4は、各貫通孔112を介して防護管1に挿通される挿通部41,41を一対備えると共に、一対の挿通部41,41を連結し、可動体2に固定される被固定部42を備える。そして、連結体4は、防護管1の内側に配置される第1検知体31と防護管1の下方側に配置される可動体2とを連結する。
【0035】
各挿通部41は、棒状に形成され、防護管1の径方向に沿って配置される。そして、各挿通部41は、先端側(一端側)で第1検知体31に連結されると共に、基端側(他端側)で被固定部42に連結される。
【0036】
被固定部42は、棒状に形成され、一端側で一方の挿通部41に連結されると共に、他端側で他方の挿通部41に連結される。そして、被固定部42は、可動体本体21の溝211に嵌入され、係止位置に位置する固定部材22,22に係止されることにより、可動体本体21に固定される。
【0037】
各通知手段5は、可動体2が防護管1に対して変位した際に外部に出力する出力部51と、出力部51を収容する筺体52とを備える。なお、本実施形態においては、出力部51は、警報を出力する警報装置(ブザー)としている。また、筺体52は、防護管1の内側で防護管1に連結(固定)されると共に、検知部33の一部(電源331a)も収容している。
【0038】
以上より、本実施形態に係る防護管装置によれば、架線Yを保護するための筒状の防護管1の外側に配置される可動体2が、防護管1に対して変位可能となるように防護管1に支持されている。そして、斯かる状態から、重機等が可動体2に接触し、可動体2が付勢されて防護管1に対して変位すると、検知手段3が可動体2の変位を検知する。そして、検知手段3が可動体2の変位を検知することにより、可動体2が付勢されたことを通知手段5が通知するため、重機等が防護管1に接触することを防止できる。
【0039】
また、本実施形態に係る防護管装置によれば、可動体2が防護管1に支持される状態において、図5(a)に示すように、可動体2に固定される第1検知体31と、防護管1に固定される第2検知体32とが離れており、斯かる状態から、図5(b)に示すように、可動体2が防護管1に対して変位すると、第1検知体31と第2検知体32とが接する。したがって、第1検知体31と第2検知体32とが接することで、可動体2が防護管1に対して変位したこと、即ち、可動体2が付勢されたことを、検知部33が検知できる。
【0040】
また、本実施形態に係る防護管装置によれば、径方向で内外を連通させる貫通孔112,112を介して、防護管1に挿されている連結体4が、防護管1の内側に配置される第1検知体31と、防護管1の下方側に配置される可動体2とを連結する。そして、可動体2の自重により、第1検知体31が防護管1に係止されるため、可動体2が連結体4及び第1検知体31を介して防護管1に支持される。
【0041】
また、本実施形態に係る防護管装置によれば、それぞれ導電性を有して構成される第1検知体31と第2検知体32とが接することで、検知回路331が通電する。そして、検知回路331が通電することにより、第1検知体31と第2検知体32とが接していることを、検知部33が検知でき、それを受けて、可動体2が付勢されたことを通知手段5が通知する。
【0042】
また、本実施形態に係る防護管装置によれば、各貫通孔112が径方向外方に広がるテーパ状に形成されていると共に、第1検知体31の当接部311及び第2検知体32の当接部321が球面状に形成されている。したがって、可動体2が真下方向から付勢されたり、可動体2が斜め下方向から付勢されたりしても、付勢される方向に関わらず、第1検知体31とそれを覆う第2検知体32とが確実に接触できるため、可動体2が付勢されたことを確実に検知できる。
【0043】
次に、本発明に係る防護管装置における第2の実施形態について、図6〜図9を参酌して説明する。なお、図6〜図9において、図1〜図5の符号と同一の符号を付した部分は、第1実施形態と略同一の構成又は要素を表す。
【0044】
まず、本実施形態に係る防護管装置の各構成を説明するのに先立って、図10に示す従来の防護管Xについて説明する。
【0045】
防護管Xは、長手方向に亘ってスリット状の割れ目部X11が形成される筒状の防護管本体X1と、割れ目部X11により切断された防護管本体X1の周方向の各端部から径方向外方に突出するフランジ部X2,X2とを備える。そして、防護管Xは、割れ目部X11の隙間を内側から覆うべく、防護管本体X1の周方向の一端部から周方向に沿って突出するカバー部X3を備える。
【0046】
また、防護管Xは、長手方向の一端側に第1継手X4を備えると共に、長手方向の他端側に別の防護管Xの第1継手X4と連結可能な第2継手X5を備える。そして、防護管Xは、弾性及び可撓性を有するポリエチレン等の絶縁材料から構成されており、弾性変形されることで、割れ目部X11を介して開閉可能に構成されている。これにより、防護管Xは、図10(c)に示すように、弾性変形により開放された割れ目部X11を介して、架線Yが内部に挿通されることで、架線Yに装着される。
【0047】
本実施形態に係る防護管装置は、図6〜図9に示すように、防護管Xの外側に配置され、防護管Xに対して変位可能となるように防護管Xに支持される可動体2と、可動体2が付勢されて防護管Xに対して変位するのを検知する検知手段30,30とを備える。そして、防護管装置は、可動体2と各検知手段30とを連結する連結体4を備える。
【0048】
また、防護管装置は、各検知手段30が可動体2の変位を検知することにより、可動体2が付勢されたことを通知する通知手段5,5を備える。さらに、防護管装置は、各検知手段30を防護管Xに接続すべく、防護管Xに着脱自在な接続体6,6を備える。
【0049】
各検知手段30は、可動体2に固定される第1検知体310と、接続体6を介して防護管Xに固定される第2検知体320とを備える。そして、各検知手段30は、第1検知体310と第2検知体320とが接離することにより、可動体2が防護管Xに対して変位したことを検知する検知部330を備える。
【0050】
第1検知体310は、導電性を有して構成されると共に、平板状に形成される。また、第1検知体310は、連結体4(具体的には、挿通部41の先端部)に連結される。そして、第1検知体310は、接続体6の内側に配置されると共に、可動体2が接続体6及び連結体4並びに両検知体310,320を介して防護管Xに支持されるべく、第2検知体320に係止される。
【0051】
第2検知体320は、導電性を有して構成されると共に、平板状に形成される。そして、第2検知体320は、接続体6の内側に連結される。また、第2検知体320は、連結体4の挿通部41に挿通される貫通孔322を備える。さらに、第2検知体320は、可動体2が防護管Xに支持される状態で第1検知体310と接するように配置される。具体的には、板状の第2検知体320は、可動体2が防護管Xに支持される状態で、板状の第1検知体310と重なり合って配置される。
【0052】
検知部330は、第1検知体310と第2検知体320とが接することで通電する検知回路332を備える。斯かる検知回路332は、電源(電池)332a及び継電器(リレー)332bを備える。そして、検知回路332は、第1検知体310と第2検知体320とが離れて停電することにより、可動体2が防護管Xに対して変位したことを検知し、各通知手段5の出力部51に、可動体2が防護管Xに対して変位したことを外部に出力させる。
【0053】
各接続体6は、第2検知体320に固定される接続体本体61を備える。また、各接続体6は、防護管Xに保持される被保持部62を備える。
【0054】
接続体本体61は、筒状に形成され、検知手段30及び通知手段5を収容している。そして、接続体本体61は、第2検知体320を内側で連結すると共に、通知手段5の筺体52を内側で連結(固定)する。また、接続体本体61は、第2検知体320の貫通孔322と連通し、連結体4の挿通部41に挿通される貫通孔611を備える。なお、接続体本体61の貫通孔611と第2検知体320の貫通孔322とは、内方に向けて開口が小さくなるように、即ち、テーパ状に形成されている。
【0055】
被保持部62は、割れ目部X11を介して、防護管Xのフランジ部X2,X2に挟持される被挾持部621を備える。また、被保持部62は、板状に形成される被保持部621の先端部に配置され、防護管Xのカバー部X3を掛止する鉤状の掛止部622を備える。
【0056】
以上より、本実施形態係る防護管装置によれば、防護管Xの下方側に配置される可動体2が、防護管Xに対して変位可能となるように防護管Xに支持されている。そして、斯かる状態から、重機等が可動体2に接触し、可動体2が付勢されて防護管Xに対して変位すると、検知手段30が可動体2の変位を検知する。そして、検知手段30が可動体2の変位を検知することにより、可動体2が付勢されたことを、通知手段5が通知するため、重機等が防護管Xに接触することを防止できる。
【0057】
また、本実施形態係る防護管装置によれば、可動体2が連結体4及び接続体6並びに両検知体310,320を介して防護管Xに支持されている。そして、当該状態において、図9(a)に示すように、可動体2に固定される第1検知体310と、接続体6を介して防護管Xに固定される第2検知体320とが接している。
【0058】
斯かる状態から、図9(b)に示すように、可動体2が防護管Xに対して変位すると、第1検知体310と第2検知体320とが離れる。したがって、第1検知体310と第2検知体320とが離れることで、可動体2が防護管Xに対して変位したこと、即ち、可動体2が付勢されたことを、検知部330が検知できる。
【0059】
また、本実施形態係る防護管装置によれば、第2検知体320に固定される各接続体6が防護管Xに着脱自在であるため、各接続体6が防護管Xに取り付けられることで、第2検知体320を防護管Xに接続して固定することができる。これにより、防護管装置を、従来(既存)の防護管Xにも装着することができる。
【0060】
また、本実施形態係る防護管装置によれば、接続体6及び第2検知体320の貫通孔611,322を介して、接続体6に挿通されている連結体4が、接続体6の内側に配置される第1検知体310と、接続体6の下方側に配置される可動体2とを連結する。そして、第1検知体310が第2検知体320に係止されるため、可動体2が連結体4及び接続体6並びに両検知体310,320を介して防護管Xに支持される。
【0061】
また、本実施形態係る防護管装置によれば、それぞれ導電性を有して構成される第1検知体310と第2検知体320とが接することで、検知回路332が通電する。したがって、検知回路332が停電することにより、第1検知体310と第2検知体320とが離れていることを検知でき、それを受けて、可動体2が付勢されたことを通知手段5が通知する。
【0062】
なお、本発明に係る防護管装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、上記した複数の実施形態の各構成や各方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る各構成や各方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0063】
例えば、上記第1実施形態に係る防護管装置おいては、第2検知体32が防護管1に連結され、可動体2が付勢されることにより、離れていた第1検知体31と第2検知体32とが接する場合を説明したが、斯かる場合に限られない。
【0064】
具体的には、第2検知体が防護管1に連結され、可動体2が付勢されることにより、接していた第1検知体と第2検知体とが離れる場合でもよい。斯かる構成を採用する場合には、第1検知体は、防護管1よりも下方側に配置される可動体2が連結体及び両検知体を介して防護管1に支持されるべく、第2検知体に係止されてもよい。
【0065】
また、上記第2実施形態に係る防護管装置においては、第2検知体320が接続体6に連結され、可動体2が付勢されることにより、接していた第1検知体310と第2検知体320とが離れる場合を説明したが、斯かる場合に限られず、第2検知体が接続体6に連結され、可動体2が付勢されることにより、離れていた第1検知体と第2検知体とが接する場合でもよい。
【0066】
また、上記実施形態に係る防護管装置においては、通知手段5が防護管1の内側や接続体6の内側に配置される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、通知手段は、防護管1や接続体6の外側に配置される場合でもよく、また、可動体2や連結体4に連結される場合でよい。
【0067】
また、上記実施形態に係る防護管装置においては、通知手段5が警報を出力することで、可動体2が付勢されたことを通知する場合を説明したが、斯かる場合に限られず、例えば、通知手段が光を出力することで、可動体2が付勢されたことを通知する場合でもよい。即ち、出力手段が表示灯(ライト)である場合でもよい。
【0068】
また、上記実施形態に係る防護管装置においては、一つの防護管1,Xに対して、一つの可動体2が配置される場合を説明したが、斯かる場合に限られず、一つの防護管に対して、複数の可動体が並設される場合でもよく、複数の防護管に跨って一つの可動体が配置される場合でもよい。
【0069】
また、上記実施形態に係る防護管装置においては、導電性を有する一対の検知体31,32(310,320)の接離状態で、可動体2が変位する(付勢される)のを検知する場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、検知手段は、可動体2が防護管1(X)に対して変位するのに伴って、ON/OFFするリミットスイッチであったり、光電センサ(透過型、反射型)であったり、圧力スイッチであったりする場合でもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…防護管、2…可動体、3,30…検知手段、4…連結体、5…通知手段、6…接続体、31,310…第1検知体、32,320…第2検知体、33,330…検知部、112…貫通孔、331,332…検知回路、X…防護管、Y…架線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
架線を保護するための筒状の防護管の外側に配置され、防護管に対して変位可能となるように防護管に支持される可動体と、
可動体が付勢されて防護管に対して変位するのを検知する検知手段と、
検知手段が可動体の変位を検知することにより、可動体が付勢されたことを通知する通知手段とを備えることを特徴とする防護管装置。
【請求項2】
検知手段は、可動体に固定される第1検知体と、防護管に固定され、可動体が防護管に支持される状態で第1検知体と離れるように配置される第2検知体と、第1検知体と第2検知体とが接することで、可動体が防護管に対して変位したことを検知する検知部とを備える請求項1に記載の防護管装置。
【請求項3】
検知手段は、可動体に固定される第1検知体と、防護管に固定され、可動体が防護管に支持される状態で第1検知体に接するように配置される第2検知体と、第1検知体と第2検知体とが離れることで、可動体が防護管に対して変位したことを検知する検知部とを備える請求項1に記載の防護管装置。
【請求項4】
径方向で内外を連通させる貫通孔を有する防護管と、
貫通孔を介して防護管に挿され、防護管の内側に配置される第1検知体と防護管の下方側に配置される可動体とを連結する連結体とを備え、
第1検知体は、可動体が防護管に支持されるべく、防護管に係止される請求項2に記載の防護管装置。
【請求項5】
径方向で内外を連通させる貫通孔を有する防護管と、
貫通孔を介して防護管に挿され、防護管の内側に配置される第1検知体と防護管の下方側に配置される可動体とを連結する連結体とを備え、
第1検知体は、可動体が防護管に支持されるべく、第2検知体に係止される請求項3に記載の防護管装置。
【請求項6】
第2検知体に固定されると共に、第2検知体を防護管に接続すべく、防護管に着脱自在な接続体を備える請求項2又は3に記載の防護管装置。
【請求項7】
第1検知体及び第2検知体は、それぞれ導電性を有して構成され、
検知部は、第1検知体と第2検知体とが接することで通電する検知回路を備える請求項2〜6の何れか1項に記載の防護管装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−39751(P2012−39751A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177470(P2010−177470)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】