防音壁および同防音壁の防音パネル取り付け方法およびレール付きパネル取付用部材
【課題】支柱であれコンクリート壁の壁面でも防音パネルを取り付ける構造が同じであり、同防音パネルの取付作業が容易で、事後のメンテナンス性に優れた防音壁および同防音壁の防音パネル取り付け方法およびレール付きパネル取付用部材を提供する。
【解決手段】レール付きパネル取付用部材6は、防音パネル3の取付側へ突き出るレール部61、61を備え、レール部61、61の前面部に、パネル取付用ボルト4の頭部4aを、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝63を有する。防音パネル3の左右の側部30、30にはパネル取付用ボルト4のねじ軸部4bを通すボルト孔32が設けられている。レール部61の縦溝63へパネル取付用ボルト4の頭部4aが通され、ねじ軸部4bはボルト止め用部材30のボルト孔32へ通され、ねじ軸部4bへナット5を締結して防音パネル3が取り付けられている。
【解決手段】レール付きパネル取付用部材6は、防音パネル3の取付側へ突き出るレール部61、61を備え、レール部61、61の前面部に、パネル取付用ボルト4の頭部4aを、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝63を有する。防音パネル3の左右の側部30、30にはパネル取付用ボルト4のねじ軸部4bを通すボルト孔32が設けられている。レール部61の縦溝63へパネル取付用ボルト4の頭部4aが通され、ねじ軸部4bはボルト止め用部材30のボルト孔32へ通され、ねじ軸部4bへナット5を締結して防音パネル3が取り付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、支柱、又はコンクリート壁面に沿ってレール付きパネル取付用部材を設置し、該レール付きパネル取付用部材へ防音パネル、遮音パネル、又は吸音パネル(以下、防音パネルと総称する。)を取り付けて、車両による騒音公害を防止する防音壁、及び同防音壁に使用するレール付きパネル取付用部材の技術分野に属し、更に云えば、支柱であれコンクリート壁の壁面でも防音パネルを取り付ける構造が同じであり、同防音パネルの取付作業が容易で、事後のメンテナンス性に優れた防音壁および同防音壁の防音パネル取り付け方法およびレール付きパネル取付用部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、支柱又はコンクリート壁へ沿って防音パネルを取り付けた防音壁は、例えば下記特許文献1〜4に開示されており、既に広く一般的に実施されている。
下記特許文献1に開示された防音壁は、コンクリート壁の壁面に同壁面の高さ方向に沿ってアンカーボルトが埋め込まれ、該アンカーボルトへパネル取付用部材が取り付けられており、該パネル取付用部材へコンクリート壁の高さ方向に沿って複数枚配置された防音パネルが周辺部を止めねじで取り付けられた構成である。
下記特許文献2に開示された防音壁は、コンクリート壁の壁面に同壁面の高さ方向に沿ってアンカーボルトが埋め込まれており、該アンカーボルトへ通した2つの座金で、介装板と防音パネルの両側端部に設けられた側枠とを挟み、同座金を前記アンカーボルトにねじ込んだナットで締め付けることにより、前記防音パネルが取り付けられた構成である。
この防音壁は、中間位置の防音パネルが破損しても、同破損した防音パネルだけを取付部材から取り外して新しい防音パネルに取り替えることができるので、メンテナンス性には優れている。
また、下記特許文献3に開示された防音壁は、間隔をあけて設置したH型鋼で成る支柱間に防音パネルを設置し、同防音パネルの左右の側部を前記支柱のウェブへボルト止めした構成である。上記特許文献1及び2の防音壁と同様、一部の防音パネルが破損しても、該破損した防音パネルだけを取付部材から取り外して新しい防音パネルに取り替えることができるので、メンテナンス性に優れている。
下記特許文献4に開示された防音壁は、間隔をあけて設置したH型鋼で成る支柱間に防音パネルを設置した構成である。前記防音パネルは、縦縁部を支柱の上端から凹部内へ落とし込み、上下方向に複数枚積み重ねて設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭49−81733号公報
【特許文献2】実開昭52−143818号公報
【特許文献3】特開2006−70657号公報
【特許文献4】特開平9−151418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1及び2に開示された防音壁は、コンクリート壁の壁面に埋め込んだアンカーボルトへ取り付けたパネル取付用部材へ防音パネルの左右の側部を取り付けるため、同防音パネルの大きさや取り付け位置は、アンカーボルトの埋め込み箇所や位置によって決定される。つまり、コンクリート内部の鉄骨や鉄筋、或いは配管や扉等の存在でアンカーボルトの埋め込み位置が制限されるので、ひいては防音パネルの大きさや設置位置が制限される不都合がある。
特許文献3に開示された防音壁は、H型鋼で成る支柱に、防音パネルの左右の側部と前記支柱とに共通のボルト孔を設ける必要があり、製造に手間とコストが掛かる。また、前記ボルト孔の位置によって、設置する防音パネルの大きさが制限される不都合がある。
特許文献4に開示された防音壁は、防音パネルの縦縁部を支柱の上端面から凹部へ落とし込む構成なので、異なる高さ寸法の防音パネルであっても前記支柱へ取り付けることができる。しかし、中間位置の防音パネルが破損すると、その破損した防音パネルだけを取付部材から取り外して取り替えることができず、上位の防音パネルも順に取り外さなければならないので、メンテナンス作業に手間と時間が掛かり面倒である。
【0005】
ところで、上述したように、支柱とコンクリート壁とでは、防音パネルを取り付ける構造がそれぞれ異なる。この取付構造が同じ構成であれば、1つの作業手順に平準化して防音パネルを取り付けることができ、取付作業が容易になるし、部品点数も減らすことができるので、コストも削減ですることができる。しかし、支柱、及びコンクリート壁の壁面へ防音パネルを取り付ける構造を同じ構成、同じ作業手順とした防音壁は、未だ見聞されない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、構造体として、例えば支柱やコンクリート壁の壁面へ防音パネルを取り付ける構造が同じで、取付作業の平準化が可能であり、更に部品点数を減らして製造コストを削減することができる防音壁および同防音壁の防音パネル取り付け方法およびレール付きパネル取付用部材を提供する。
本発明の次の目的は、構造体として、例えば傾斜地に立設した支柱や、傾斜地に構築したコンクリート壁の壁面へ、平坦地(水平地面)で使用される長方形状の防音パネルをそのまま使用して、傾斜地面に沿った傾斜姿勢に取り付けることができる防音壁および同防音壁の防音パネル取り付け方法およびレール付きパネル取付用部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る防音壁は、
構造体に沿って上下方向へレール付きパネル取付用部材を設置し、左右方向に隣り合うパネル取付用部材の間に防音パネルを取り付けて成る防音壁であって、
前記レール付きパネル取付用部材は、防音パネルの取付側へ突き出るレール部を備え、該レール部の前面部に、パネル取付用ボルトの頭部を、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝を有し、
前記防音パネルの左右の側部には前記パネル取付用ボルトのねじ軸部を通すボルト孔が設けられており、
前記レール部の縦溝へパネル取付用ボルトの頭部が通され、同パネル取付用ボルトのねじ軸部は前記防音パネルのボルト孔へ通され、同ねじ軸部へナットを締結して防音パネルが取り付けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した防音壁において、
レール付きパネル取付用部材のレール部の縦溝は、パネル取付用ボルトの頭部を、回転は不能で上下方向へのスライドが可能に挿入できる形状であることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した防音壁において、
防音パネルの左右の側部に設けたパネル取付用ボルトのねじ軸部を通すボルト孔は、長孔であることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載した防音壁において、
レール付きパネル取付用部材は、構造体へ接する平板部と、同平板部の前面に防音パネルの取付側へ突き出る左右一対のレール部を設けた構成とされていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載した防音壁において、
レール付きパネル取付用部材が、構造体の表面側と裏面側に設置され、隣り合うレール付きパネル取付用部材の間に防音パネルが取り付けられて、構造体の表裏両側に配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載した発明は、請求項1〜5のいずれか一に記載した防音壁において、
防音パネルの左右の側部の表面側に、ボルト孔へ通したパネル取付用ボルトのねじ軸部にナットを回す工具を通す作業孔が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載した発明に係る防音壁の防音パネル取り付け方法は、
構造体に沿って上下方向へレール付きパネル取付用部材を設置し、左右方向に隣り合うパネル取付用部材の間に防音パネルを取り付ける防音壁の防音パネル取り付け方法であって、
前記レール付きパネル取付用部材は、防音パネルの取付側へ突き出るレール部を備え、該レール部の前面部に、パネル取付用ボルトの頭部を、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝を有し、
前記防音パネルの左右の側部には前記パネル取付用ボルトのねじ軸部を通すボルト孔を設けており、
前記防音パネルの左右の側部のボルト孔へ、パネル取付用ボルトを、その頭部を裏面側へ向け、ねじ軸部が前面側へ向く配置に通し、前記ねじ軸部にナットを仮止めして、同パネル取付用ボルトの頭部をパネル取付用部材のレール部の上端から縦溝へ挿入し、防音パネルを取り付け位置へ配置し、前記ナットを本締めして防音パネルを取り付けることを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載した発明に係る防音壁の防音パネル取り付け方法は、
構造体に沿って上下方向へレール付きパネル取付用部材を設置し、左右方向に隣り合うパネル取付用部材の間に防音パネルを取り付ける防音壁の防音パネル取り付け方法であって、
前記レール付きパネル取付用部材は、防音パネルの取付側へ突き出るレール部を備え、該レール部の前面部に、パネル取付用ボルトの頭部を、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝を有し、
前記防音パネルの左右の側部には前記パネル取付用ボルトのねじ軸部を通すボルト孔を設けており、
前記防音パネルのパネル取付用部材のレール部の縦溝へ頭部を挿入し、ねじ軸部をパネル取り付側へ向けたパネル取付用ボルトのねじ軸部へ、防音パネルの左右の側部のボルト孔を前面側から通し、ナットで締結することにより防音パネルを取り付けることを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載した発明に係るレール付きパネル取付用部材は、
構造体へ防音パネルを取り付けて成る防音壁に使用するもので、同構造体に沿って設置されるレール付きパネル取付用部材であって、
構造体へ接する平板部と、同平板部の前面に防音パネルの取付側へ突き出るレール部とを備え、該レール部の前面部に、パネル取付用ボルトの頭部を、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝を有する構成とされていることを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載した発明は、請求項9に記載したレール付きパネル取付用部材において、
平板部の前面に防音パネルの取付側へ突き出るレール部は、1個で構成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項11に記載した発明は、請求項9に記載したレール付きパネル取付用部材において、
平板部の前面に防音パネルの取付側へ突き出るレール部は、左右一対で構成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項12に記載した発明は、請求項11に記載したレール付きパネル取付用部材において、
左右一対のレール部は、縦溝の開口部を幅狭に形成するリップ部を備えており、同レール部の内側に位置する前記リップ部同士が共通部で連結されていることを特徴とする。
【0019】
請求項13に記載した発明に係るレール付きパネル取付用部材は、
構造体へ防音パネルを取り付けて成る防音壁に使用するもので、同構造体に沿って設置されるレール付きパネル取付用部材であって、
構造体へ接する平板部と、同平板部の前面に防音パネルの取付側へ突き出る1個のレール部とを備え、該レール部の前面部に、パネル取付用ボルトの頭部を、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝を有する構成とした、二つのレール付きパネル取付用部材片の平板部同士を重合状態に組み合わせて連結した構成であることを特徴とする。
【0020】
請求項14に記載した発明は、請求項13に記載したレール付きパネル取付用部材において、
レール付きパネル取付用部材片の平板部には、ボルト通し孔が形成されており、二つのレール付きパネル取付用部材片のボルト通し孔が重なるように前記平板部同士を重合状態に組み合わせ、前記ボルト通し孔へボルトを通して連結されていることを特徴とする。
【0021】
請求項15に記載した発明は、請求項9〜14のいずれか一に記載したレール付きパネル取付用部材において、
レール部の縦溝は、パネル取付用ボルトの頭部を、回転は不能で上下方向へのスライドが可能に挿入できる形状であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1〜6に係る防音壁、および請求項7及び8に係る防音壁の防音パネル取り付け方法は、レール付きパネル取付用部材6を構造体に設置し、同レール付きパネル取付用部材6へ防音パネル3を取り付ける構成で、前記防音パネル3の取付作業の平準化を可能にしたので、前記構造体が支柱8であれコンクリート壁7の壁面でも防音パネル3を取り付ける構造が同じであり、取付作業が容易であるし、更に同じ部材で構成されているから部品点数を減らして製造コストを削減することができる。
また、平坦地(水平地面)で使用される長方形状の防音パネル3の左右の側部30、30には、パネル取付用ボルト4のねじ軸部4bを通すボルト孔32を長孔として設け、前記ねじ軸部4bが傾斜方向へ自由に移動できる構成としたので、例えば傾斜地に立設した支柱8や、傾斜地に構築したコンクリート壁7の壁面へ、前記長方形状の防音パネル3をそのまま使用して、傾斜地面に沿った傾斜姿勢に取り付けることができる。
【0023】
請求項9〜15に係るレール付きパネル取付部材は、構造体へ接する平板部60と、同平板部60の前面に防音パネル3の取付側へ突き出るレール部61とを備え、該レール部61の前面部に、パネル取付用ボルト4の頭部4aを、回転は不能で上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝63を有する構成なので、高さ寸法や形状が異なる防音パネル3同士を容易に取り付けることができるし、例えば中間位置の防音パネル3が破損しても、パネル取付用部材6の縦溝63内に挿入されたパネル取付用ボルト4のねじ軸部4bのナット5を取り外せば、破損した防音パネル3だけを容易に取り外すことができ、その後は新しい防音パネル3に取り替えることができるので、事後のメンテナンス性に優れている。
また、構造体としてコンクリート壁7の壁面に防音パネル3を取り付ける場合、パネル取付用部材6をコンクリート内部の鉄骨や鉄筋、或いは配管や扉等を避けた位置に設置しても、防音パネル3は、パネル取付用部材6の縦溝63内に挿入して取り付ける構成なので、同防音パネル3の設置位置が前記鉄骨等に制限されることがない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る防音壁の側面図である。
【図2】図1のA線矢視図である。
【図3】防音パネルを示す斜視図である。
【図4】コンクリート壁の壁面へ防音パネルを取り付ける構成を分解して示す部分拡大斜視図である。
【図5】図2のV部拡大斜視図である。
【図6】図2のVI部拡大図である。
【図7】コンクリート壁の壁面へ防音パネルを取り付けた部分を示す平断面図である。
【図8】支柱へ防音パネルを取り付ける構成を分解して示す部分拡大斜視図である。
【図9】支柱へ防音パネルを取り付けた部分を示す平断面図である。
【図10】レール付きパネル取付用部材の異なる実施例を示す平断面図である。
【図11】レール付きパネル取付用部材の異なる実施例を示す平断面図である。
【図12】レール付きパネル取付用部材の異なる実施例を示す斜視図である。
【図13】傾斜地に立設した支柱間に防音パネルを取り付けて構成した防音壁を示す正面図である。
【図14】図13のXIV部拡大図である。
【図15】傾斜地に立設した支柱間に防音パネルを取り付けて構成した防音壁の異なる実施形態を示す正面図である。
【図16】傾斜地に構築したコンクリート壁の壁面へ防音パネルを取り付けて構成した防音壁を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の防音壁に用いるレール付きパネル取付用部材6は、防音パネル3の取付側へ突き出るレール部61を備え、該レール部61の前面部に、パネル取付用ボルト4の頭部4aを、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝63を有する。防音パネル3の左右の側部30、30には前記パネル取付用ボルト4のねじ軸部4bを通すボルト孔32を設ける。レール部61の縦溝63へパネル取付用ボルト4の頭部4aを通し、同パネル取付用ボルト4のねじ軸部4bを防音パネル3のボルト孔32へ通し、同ねじ軸部4bへナット5を締結して防音パネル3を取り付けた構成とする。
【0026】
本発明の防音壁の防音パネル取り付け方法は、防音パネル3の左右の側部30、30のボルト孔32へ、パネル取付用ボルト4を、その頭部4bを裏面側へ向けて突き出し、ねじ軸部4bが前面側へ突き出る配置に通し、前記ねじ軸部4bにナット5を仮止めして、同パネル取付用ボルト4の頭部4aをパネル取付用部材6のレール部61の上端から縦溝63へ挿入し、防音パネル3を取り付け位置へ配置し、ナット5を本締めして防音パネル3を取り付ける。
【0027】
本発明のレール付きパネル取付用部材6は、支柱8、又はコンクリート壁7の壁面へ接する平板部60と、防音パネル3の取付側に突き出る左右一対のレール部61、61とを備え、該レール部61の前面部に、パネル取付用ボルト4の頭部4bを上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝63を有する構成とする。
【実施例1】
【0028】
以下に、本発明に係る防音壁、及び同防音壁の防音パネル取り付け構造、及びレール付きパネル取付用部材を、図示した実施例に基づいて説明する。
図1及び2に示す防音壁1及び2は、地面に構築された高さが約2mのコンクリート壁7と、同コンクリート壁7の上端面に設けられた取付金具72によってコンクリート壁7の上端から上方へ立設された高さが約1mの支柱8とに、図3で示す防音パネル3…を取り付けた構成であり、例えば車両等による騒音公害を防止するために使用される。
なお、支柱8の上方部分であって、上位の防音パネル3の上端部には、後述する本実施例のレール付きパネル取付用部材6を用いて音響回析9が取り付けられている。
【0029】
先ず、前記コンクリート壁7の壁面に防音パネル3を取り付けた防音壁1について説明する。
この防音壁1は、コンクリート壁7の壁面の高さ方向に沿って、上下方向のレール付きパネル取付用部材6を図1に示す実施例では正面側(図面の右側)に設置し、図2に示すように、左右方向に隣り合う同レール付きパネル取付用部材6、6の間に防音パネル3を前記コンクリート壁7の高さ方向に4枚取り付けた構成である。
【0030】
上記レール付きパネル取付用部材6は、図4〜7に拡大して示すように、前記コンクリート壁7の壁面へ接する鉛直方向に細長い平板部60と、同平板部60の前面に防音パネル3の取付側へ突き出る左右一対のレール部61、61とを備え、該レール部61の前面部に、四角ボルトで成るパネル取付用ボルト4の頭部4aを回転は不能で上下方向へのスライド可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝63を有している。なお、パネル取付用ボルト4は、図示した四角ボルトに限定されない。前記四角ボルト以外に、例えば六角ボルトや八角ボルト等であっても同様に実施できる。
このレール付きパネル取付用部材6は、アルミ押出成形により一体成形することで簡便に製造できる。その他、例えばプレス加工又はロール加工でも製造することができる。
なお、前記レール付きパネル取付用部材6は、前記平板部60とレール部61、61とをそれぞれ独立して製造した後に組み立てる構成で製造してもよい。長期間の使用等でレール部61が破損しても、同破損したレール部61だけを平板部60から取り外して、新しいレール部61に取り替えることができるので、メンテナンス性に優れている。
前記レール付きパネル取付用部材6は、コンクリート壁7の高さ方向に沿って先端部を外方へ突き出させて埋め込んだアンカーボルト70の前記先端部へ、平板部60に設けたボルト通し孔を通し、該アンカーボルト70の先端部にナット71を締め付けることにより、コンクリート壁7の壁面へ設置される。
【0031】
上記レール付きパネル取付用部材6の異なる実施形態を図10及び図11に示す。
図10に示すレール付きパネル取付用部材6は、左右一対のレール部61、61に形成された縦溝63、63のうち、開口部を幅狭にするリップ部64、64の内側に位置するもの同士を共通部65で連結された構成である。このレール付きパネル取付用部材6もアルミ押出成形、プレス加工又はロール加工により製造することができる。
【0032】
図11に示すレール付きパネル取付用部材6は、コンクリート壁7の壁面へ接する鉛直方向に細長い平板部60と、同平板部60の前面に防音パネル3の取付側に突き出る1個のレール部61とを備え、同レール部61の前面部に、パネル取付用ボルト4の頭部4bを回転は不能で上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝63を有する構成とした二つのレール付きパネル取付用部材片6a、6aの平板部60、60同士を重合状態に組み合わせて連結した構成である。具体的には、図12に示すように、各レール付きパネル取付部材片6aには平板部60にボルト通し孔65が形成されており、二つのレール付きパネル取付用部材片6a、6aのボルト通し孔65、65が重なるように前記平板部60、60同士を重合状態に組み合わせ、図11に示すように、前記ボルト通し孔65、65へコンクリート壁7に埋め込んだアンカーボルト70の先端部を通して、同先端部をナット71で締め付けて連結することにより、レール付きパネル取付用部材6がコンクリート壁7の壁面へ設置される。前記平板部60のボルト通し孔65を斜め横方向への長い切り込み形状とすれば、レール付きパネル取付用部材6の左右方向の寸法を調整することができ、防音パネル3の取付作業を容易にすることができるし、一方のレール付きパネル取付用部材片6aが破損しても、同破損したレール付きパネル取付用部材片6aだけを取り外して取り替えることができるので、メンテナンス性に優れている。
【0033】
なお、防音壁1の両端部に設置するレール付きパネル取付用部材6、6は、コンクリート壁7の壁面へ接する平板部60と、同平板部60の前面に防音パネル3の取付側に突き出る1個のレール部61を備え、該レール部61の前面部に、パネル取付用ボルト4の頭部4aを回転は不能で上下方向へのスライド可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝63を有する構成のものを使用する。
【0034】
上記防音パネル3は、図2及び図3に示すように、一例として、縦×横が50cm×200cm程度の横方向に長い長方形状を成し、厚さが55mm程度である。図2に示す正面方向から見ると多数の横長孔が規則正しく形成された鋼板と、同鋼板の裏面に設けた車両等による騒音を吸収する吸音材34とで構成されている。
前記防音パネル3の左右の側部30、30は、平面的に見ると上記吸音材34の厚さと等しい幅寸のコ字形材33を裏当てして形成され、該防音パネル3を上記レール付きパネル取付用部材6へ取付る側には、図4に示すように、前記パネル取付用ボルト4のねじ軸部4bを通すボルト孔32が設けられている。同防音パネル3の左右の側部30の表面側には、図6に示すように、前記ボルト孔32へ通したパネル取付用ボルト4のねじ軸部4bへナット5を回すレンチの如き工具を通す大きさの切り欠き形状(但し、長孔でも可)の作業孔31が、同左右の側部30、30の高さ方向に沿って複数形成されている。但し、図示した防音パネルの左右の側部30、30は、平面的に見て左右方向に開口を有するコ字形材33を用いた実施例を示すが、例えば、平面的に見てL字形材を用いた場合には、前記作業孔31を設ける必要はない。
【0035】
この防音パネル3は、同防音パネル3の左右の側部30、30のボルト孔32へ、パネル取付用ボルト4の頭部4aが裏面側へ向き、ねじ軸部4bが前方へ突き出る配置に通されナット5を仮止めした後、例えば作業員の手によって或いはクレーン等を用いてレール付きパネル取付用部材6の上端まで持ち上げられ、図5に示すように、同パネル取付用ボルト4の頭部4aをパネル取付用部材6のレール部61の上端から縦溝63へ挿入して上記作業孔31からナット5を本締めしてコンクリート壁7の壁面へ取り付けられている。前記防音パネル3のボルト孔32へねじ軸部4bを通したパネル取付用ボルト4は、防音パネル3の正面側から前記ねじ軸部4bにナット5を締めつける構成なので、施工後に前記作業孔31からナット5が緩んでいないかどうか、その締め付け具合を容易に確認することができる。
【0036】
つまり、上記のようにコンクリート壁7の壁面に防音パネル3を取り付ける場合、パネル取付用部材6をコンクリート内部の鉄骨や鉄筋、或いは配管や扉等を避けた位置に設置しても、防音パネル3は、パネル取付用部材6の縦溝63内にパネル取付用ボルト4の頭部4aを挿入して取り付ける構成なので、パネル取付用部材6のレール部61に沿って上下にスライド可能であり、同防音パネル3の設置位置が前記鉄骨等に制限されることがない。
【0037】
なお、上記防音パネル3をコンクリート壁7の壁面へ取り付ける異なる実施形態として、パネル取付用ボルト4の頭部4aをパネル取付用部材6の縦溝63内に挿入した後、前記パネル取付用ボルト4のねじ軸部4bを、防音パネル3の左右の側部30、30のボルト孔32へ通しナット5をねじ込み締結することにより防音パネル3を取り付ける構成で実施することもできる。
【0038】
次に、前記支柱8に防音パネル3取り付けた構成の防音壁2について説明する。
この防音壁2は、図1及び2に示すように、鋼管で成る支柱8であって表面側及び裏面側に沿って、上下方向へのレール付きパネル取付用部材6が設けられ、同レール付きパネル取付用部材6、6間に防音パネル3を支柱8の高さ方向に2枚ずつ取り付けた構成である。なお、図示することは省略したが、前記支柱8は鋼管に限定されず、例えばH形鋼で構成することもできる。
【0039】
上記パネル取付用部材6の具体的な構成は、図8及び9に示すように、上記コンクリート壁7の壁面に設置するパネル取付用部材6と同じ構成のものを使用する。即ち、支柱8に接する鉛直方向に細長い平板部60と、同平板部60の前面に防音パネルの取り付け側へ突き出る左右一対のレール部61とを備え、該レール部61の前面部には、パネル取付用ボルト4の頭部4aを回転は不能で上下方向へのスライド可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝63を有する構成である。但し、図10及び図11に示したパネル取付用部材6を使用することもできる。
支柱8の表面側と裏面側とに沿ってそれぞれ配置したレール付きパネル取付用部材6は、支柱8の表面側と裏面側とにそれぞれ設けたボルト通し孔80、80と、同ボルト通し孔80、80と共通に位置するように設けたレール付きパネル取付用部材6の平板部60のボルト通し孔62、62へ、同支柱8を裏面側から表面側へボルト81のねじ軸部81aを通し、該ねじ軸部81aの先端部へナット82を締め付けることにより、支柱8の表面側と裏面側へ取り付けられる。
【0040】
上記防音パネル3を支柱8に設置したパネル取付用部材6へ取り付ける構成は、上述したコンクリート壁7の壁面に設置したパネル取付用部材6へ取り付ける構成と同じである。即ち、防音パネル3の左右の側部30、30のボルト孔32へ、パネル取付用ボルト4の頭部4aが裏面側へ向き、ねじ軸部4bを前面側へ向く配置に通してナット5を仮止めした後、例えば作業員の手によって或いはクレーン等を用いてレール付きパネル取付用部材6の上端まで持ち上げられ、同パネル取付用ボルト4の頭部4aをパネル取付用部材6のレール部61の上端から縦溝63へ挿入して前記ナット5を本締めして支柱8へ取り付ける。
【0041】
もちろん、パネル取付用ボルト4の頭部4aをパネル取付用部材6の縦溝63内に挿入した後、同パネル取付用ボルト4のねじ軸部4bを、防音パネル3の左右の側部30、30のボルト孔32へ通しナット5をねじ込み締結することにより防音パネル3を取り付ける構成で実施することもできる。
【0042】
したがって、本実施例の防音壁1及び2は、前記防音パネル3の取付作業の平準化を可能にしたので、支柱8であれコンクリート壁7の壁面でも防音パネル3を取り付ける構造が同じであり、取付作業が容易であるし、同じ部材で構成されているから部品点数を減らして製造コストを削減することができる。
【0043】
本実施例のレール付きパネル取付用部材6は、高さ寸法や形状が異なる防音パネル3同士を容易に取り付けることができるし、例えば中間位置の防音パネル3が破損しても、パネル取付用部材6の縦溝63内に挿入されたパネル取付用ボルト4のねじ軸部4bのナット5を外せば、破損した防音パネル3だけを容易に取り外すことができ、その後は新しい防音パネル3に取り替えることができるので、事後のメンテナンス性に優れている。
【実施例2】
【0044】
次に、傾斜地に設置した支柱8や傾斜地に構築したコンクリート壁7の壁面へ防音パネル3を取り付けて成る防音壁について説明する。なお、レール付きパネル取付用部材6、及び防音パネル3の構成、及び防音パネル3をレール付きパネル取付用部材6へ取り付ける方法の詳細な説明において、実施例1で説明した内容と重複する内容は省略する。
図13に示す防音壁1は、傾斜角が水平方向に対して10度程度の傾斜地へ鉛直に立設した高さが約2m程度の支柱8であって表面側と裏面側に沿って鉛直方向へそれぞれレール付きパネル取付用部材6を設置し、隣り合うレール付きパネル取付用部材6、6の間に、防音パネル3を傾斜地面に沿った傾斜姿勢に取り付けた構成であり、例えば車両等による騒音公害を防止するために使用される。
【0045】
本実施例の防音パネル3は、平坦地(水平地面)で使用される長方形状の防音パネルである。即ち、図3に示すように、一例として、縦×横が50cm×200cm程度の横方向に長い長方形状で、厚さが55mm程度である。前記防音パネル3の特徴は、図14に示すように、防音パネルの左右の側部30、30に設けたパネル取付用ボルト4のねじ軸部4bを通すボルト孔32が、前記防音パネル3の長手方向に長い長孔(一例として3cm程度)とし、同防音パネル3の左右の側部30、30の中間部分に1箇所設けている。
したがって、防音パネル3の左右の側部30、30のボルト孔32へ通したパネル取付用ボルト4のねじ軸部4bは、傾斜方向へ自由に移動でき、長方形状の防音パネル3を傾斜地面に沿った傾斜姿勢に取り付けることができる。
【0046】
なお、図15に示すように、傾斜角が水平方向に対して5度程度の傾斜地では、防音パネル3の左右の側部30、30の長孔32を、上下に2箇所設け、各長孔32へパネル取付用ボルト4のねじ軸部4bを通した構成とすることにより、レール付きパネル取付用部材6へ取り付けた防音パネル3は、しっかりと安定させた状態で取り付けることができる。
【0047】
図16に示す防音壁2は、傾斜地に構築したコンクリート壁7の壁面に防音パネル3を取り付けた構成である。即ち、パネル取付用ボルト4のねじ軸部4bを通すボルト孔32を防音パネル3の長手方向に長い長孔としているので、前記ねじ軸部4bが傾斜方向へ自由に移動でき、前記長方形状の防音パネル3を傾斜地面に沿った傾斜姿勢に取り付けることができる。
【0048】
以上に実施形態を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の実施形態の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
【符号の説明】
【0049】
1 防音壁
2 防音壁
3 防音パネル
30 側部
31 作業孔
4 パネル取付用ボルト
4a ボルト頭部
4b ねじ軸部
5 ナット
6 レール付きパネル取付用部材
6a レール付きパネル取付用部材片
60 平板部
61 レール部
63 縦溝
7 コンクリート壁
8 支柱
【技術分野】
【0001】
この発明は、支柱、又はコンクリート壁面に沿ってレール付きパネル取付用部材を設置し、該レール付きパネル取付用部材へ防音パネル、遮音パネル、又は吸音パネル(以下、防音パネルと総称する。)を取り付けて、車両による騒音公害を防止する防音壁、及び同防音壁に使用するレール付きパネル取付用部材の技術分野に属し、更に云えば、支柱であれコンクリート壁の壁面でも防音パネルを取り付ける構造が同じであり、同防音パネルの取付作業が容易で、事後のメンテナンス性に優れた防音壁および同防音壁の防音パネル取り付け方法およびレール付きパネル取付用部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、支柱又はコンクリート壁へ沿って防音パネルを取り付けた防音壁は、例えば下記特許文献1〜4に開示されており、既に広く一般的に実施されている。
下記特許文献1に開示された防音壁は、コンクリート壁の壁面に同壁面の高さ方向に沿ってアンカーボルトが埋め込まれ、該アンカーボルトへパネル取付用部材が取り付けられており、該パネル取付用部材へコンクリート壁の高さ方向に沿って複数枚配置された防音パネルが周辺部を止めねじで取り付けられた構成である。
下記特許文献2に開示された防音壁は、コンクリート壁の壁面に同壁面の高さ方向に沿ってアンカーボルトが埋め込まれており、該アンカーボルトへ通した2つの座金で、介装板と防音パネルの両側端部に設けられた側枠とを挟み、同座金を前記アンカーボルトにねじ込んだナットで締め付けることにより、前記防音パネルが取り付けられた構成である。
この防音壁は、中間位置の防音パネルが破損しても、同破損した防音パネルだけを取付部材から取り外して新しい防音パネルに取り替えることができるので、メンテナンス性には優れている。
また、下記特許文献3に開示された防音壁は、間隔をあけて設置したH型鋼で成る支柱間に防音パネルを設置し、同防音パネルの左右の側部を前記支柱のウェブへボルト止めした構成である。上記特許文献1及び2の防音壁と同様、一部の防音パネルが破損しても、該破損した防音パネルだけを取付部材から取り外して新しい防音パネルに取り替えることができるので、メンテナンス性に優れている。
下記特許文献4に開示された防音壁は、間隔をあけて設置したH型鋼で成る支柱間に防音パネルを設置した構成である。前記防音パネルは、縦縁部を支柱の上端から凹部内へ落とし込み、上下方向に複数枚積み重ねて設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭49−81733号公報
【特許文献2】実開昭52−143818号公報
【特許文献3】特開2006−70657号公報
【特許文献4】特開平9−151418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1及び2に開示された防音壁は、コンクリート壁の壁面に埋め込んだアンカーボルトへ取り付けたパネル取付用部材へ防音パネルの左右の側部を取り付けるため、同防音パネルの大きさや取り付け位置は、アンカーボルトの埋め込み箇所や位置によって決定される。つまり、コンクリート内部の鉄骨や鉄筋、或いは配管や扉等の存在でアンカーボルトの埋め込み位置が制限されるので、ひいては防音パネルの大きさや設置位置が制限される不都合がある。
特許文献3に開示された防音壁は、H型鋼で成る支柱に、防音パネルの左右の側部と前記支柱とに共通のボルト孔を設ける必要があり、製造に手間とコストが掛かる。また、前記ボルト孔の位置によって、設置する防音パネルの大きさが制限される不都合がある。
特許文献4に開示された防音壁は、防音パネルの縦縁部を支柱の上端面から凹部へ落とし込む構成なので、異なる高さ寸法の防音パネルであっても前記支柱へ取り付けることができる。しかし、中間位置の防音パネルが破損すると、その破損した防音パネルだけを取付部材から取り外して取り替えることができず、上位の防音パネルも順に取り外さなければならないので、メンテナンス作業に手間と時間が掛かり面倒である。
【0005】
ところで、上述したように、支柱とコンクリート壁とでは、防音パネルを取り付ける構造がそれぞれ異なる。この取付構造が同じ構成であれば、1つの作業手順に平準化して防音パネルを取り付けることができ、取付作業が容易になるし、部品点数も減らすことができるので、コストも削減ですることができる。しかし、支柱、及びコンクリート壁の壁面へ防音パネルを取り付ける構造を同じ構成、同じ作業手順とした防音壁は、未だ見聞されない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、構造体として、例えば支柱やコンクリート壁の壁面へ防音パネルを取り付ける構造が同じで、取付作業の平準化が可能であり、更に部品点数を減らして製造コストを削減することができる防音壁および同防音壁の防音パネル取り付け方法およびレール付きパネル取付用部材を提供する。
本発明の次の目的は、構造体として、例えば傾斜地に立設した支柱や、傾斜地に構築したコンクリート壁の壁面へ、平坦地(水平地面)で使用される長方形状の防音パネルをそのまま使用して、傾斜地面に沿った傾斜姿勢に取り付けることができる防音壁および同防音壁の防音パネル取り付け方法およびレール付きパネル取付用部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る防音壁は、
構造体に沿って上下方向へレール付きパネル取付用部材を設置し、左右方向に隣り合うパネル取付用部材の間に防音パネルを取り付けて成る防音壁であって、
前記レール付きパネル取付用部材は、防音パネルの取付側へ突き出るレール部を備え、該レール部の前面部に、パネル取付用ボルトの頭部を、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝を有し、
前記防音パネルの左右の側部には前記パネル取付用ボルトのねじ軸部を通すボルト孔が設けられており、
前記レール部の縦溝へパネル取付用ボルトの頭部が通され、同パネル取付用ボルトのねじ軸部は前記防音パネルのボルト孔へ通され、同ねじ軸部へナットを締結して防音パネルが取り付けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した防音壁において、
レール付きパネル取付用部材のレール部の縦溝は、パネル取付用ボルトの頭部を、回転は不能で上下方向へのスライドが可能に挿入できる形状であることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した防音壁において、
防音パネルの左右の側部に設けたパネル取付用ボルトのねじ軸部を通すボルト孔は、長孔であることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載した防音壁において、
レール付きパネル取付用部材は、構造体へ接する平板部と、同平板部の前面に防音パネルの取付側へ突き出る左右一対のレール部を設けた構成とされていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載した防音壁において、
レール付きパネル取付用部材が、構造体の表面側と裏面側に設置され、隣り合うレール付きパネル取付用部材の間に防音パネルが取り付けられて、構造体の表裏両側に配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載した発明は、請求項1〜5のいずれか一に記載した防音壁において、
防音パネルの左右の側部の表面側に、ボルト孔へ通したパネル取付用ボルトのねじ軸部にナットを回す工具を通す作業孔が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載した発明に係る防音壁の防音パネル取り付け方法は、
構造体に沿って上下方向へレール付きパネル取付用部材を設置し、左右方向に隣り合うパネル取付用部材の間に防音パネルを取り付ける防音壁の防音パネル取り付け方法であって、
前記レール付きパネル取付用部材は、防音パネルの取付側へ突き出るレール部を備え、該レール部の前面部に、パネル取付用ボルトの頭部を、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝を有し、
前記防音パネルの左右の側部には前記パネル取付用ボルトのねじ軸部を通すボルト孔を設けており、
前記防音パネルの左右の側部のボルト孔へ、パネル取付用ボルトを、その頭部を裏面側へ向け、ねじ軸部が前面側へ向く配置に通し、前記ねじ軸部にナットを仮止めして、同パネル取付用ボルトの頭部をパネル取付用部材のレール部の上端から縦溝へ挿入し、防音パネルを取り付け位置へ配置し、前記ナットを本締めして防音パネルを取り付けることを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載した発明に係る防音壁の防音パネル取り付け方法は、
構造体に沿って上下方向へレール付きパネル取付用部材を設置し、左右方向に隣り合うパネル取付用部材の間に防音パネルを取り付ける防音壁の防音パネル取り付け方法であって、
前記レール付きパネル取付用部材は、防音パネルの取付側へ突き出るレール部を備え、該レール部の前面部に、パネル取付用ボルトの頭部を、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝を有し、
前記防音パネルの左右の側部には前記パネル取付用ボルトのねじ軸部を通すボルト孔を設けており、
前記防音パネルのパネル取付用部材のレール部の縦溝へ頭部を挿入し、ねじ軸部をパネル取り付側へ向けたパネル取付用ボルトのねじ軸部へ、防音パネルの左右の側部のボルト孔を前面側から通し、ナットで締結することにより防音パネルを取り付けることを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載した発明に係るレール付きパネル取付用部材は、
構造体へ防音パネルを取り付けて成る防音壁に使用するもので、同構造体に沿って設置されるレール付きパネル取付用部材であって、
構造体へ接する平板部と、同平板部の前面に防音パネルの取付側へ突き出るレール部とを備え、該レール部の前面部に、パネル取付用ボルトの頭部を、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝を有する構成とされていることを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載した発明は、請求項9に記載したレール付きパネル取付用部材において、
平板部の前面に防音パネルの取付側へ突き出るレール部は、1個で構成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項11に記載した発明は、請求項9に記載したレール付きパネル取付用部材において、
平板部の前面に防音パネルの取付側へ突き出るレール部は、左右一対で構成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項12に記載した発明は、請求項11に記載したレール付きパネル取付用部材において、
左右一対のレール部は、縦溝の開口部を幅狭に形成するリップ部を備えており、同レール部の内側に位置する前記リップ部同士が共通部で連結されていることを特徴とする。
【0019】
請求項13に記載した発明に係るレール付きパネル取付用部材は、
構造体へ防音パネルを取り付けて成る防音壁に使用するもので、同構造体に沿って設置されるレール付きパネル取付用部材であって、
構造体へ接する平板部と、同平板部の前面に防音パネルの取付側へ突き出る1個のレール部とを備え、該レール部の前面部に、パネル取付用ボルトの頭部を、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝を有する構成とした、二つのレール付きパネル取付用部材片の平板部同士を重合状態に組み合わせて連結した構成であることを特徴とする。
【0020】
請求項14に記載した発明は、請求項13に記載したレール付きパネル取付用部材において、
レール付きパネル取付用部材片の平板部には、ボルト通し孔が形成されており、二つのレール付きパネル取付用部材片のボルト通し孔が重なるように前記平板部同士を重合状態に組み合わせ、前記ボルト通し孔へボルトを通して連結されていることを特徴とする。
【0021】
請求項15に記載した発明は、請求項9〜14のいずれか一に記載したレール付きパネル取付用部材において、
レール部の縦溝は、パネル取付用ボルトの頭部を、回転は不能で上下方向へのスライドが可能に挿入できる形状であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1〜6に係る防音壁、および請求項7及び8に係る防音壁の防音パネル取り付け方法は、レール付きパネル取付用部材6を構造体に設置し、同レール付きパネル取付用部材6へ防音パネル3を取り付ける構成で、前記防音パネル3の取付作業の平準化を可能にしたので、前記構造体が支柱8であれコンクリート壁7の壁面でも防音パネル3を取り付ける構造が同じであり、取付作業が容易であるし、更に同じ部材で構成されているから部品点数を減らして製造コストを削減することができる。
また、平坦地(水平地面)で使用される長方形状の防音パネル3の左右の側部30、30には、パネル取付用ボルト4のねじ軸部4bを通すボルト孔32を長孔として設け、前記ねじ軸部4bが傾斜方向へ自由に移動できる構成としたので、例えば傾斜地に立設した支柱8や、傾斜地に構築したコンクリート壁7の壁面へ、前記長方形状の防音パネル3をそのまま使用して、傾斜地面に沿った傾斜姿勢に取り付けることができる。
【0023】
請求項9〜15に係るレール付きパネル取付部材は、構造体へ接する平板部60と、同平板部60の前面に防音パネル3の取付側へ突き出るレール部61とを備え、該レール部61の前面部に、パネル取付用ボルト4の頭部4aを、回転は不能で上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝63を有する構成なので、高さ寸法や形状が異なる防音パネル3同士を容易に取り付けることができるし、例えば中間位置の防音パネル3が破損しても、パネル取付用部材6の縦溝63内に挿入されたパネル取付用ボルト4のねじ軸部4bのナット5を取り外せば、破損した防音パネル3だけを容易に取り外すことができ、その後は新しい防音パネル3に取り替えることができるので、事後のメンテナンス性に優れている。
また、構造体としてコンクリート壁7の壁面に防音パネル3を取り付ける場合、パネル取付用部材6をコンクリート内部の鉄骨や鉄筋、或いは配管や扉等を避けた位置に設置しても、防音パネル3は、パネル取付用部材6の縦溝63内に挿入して取り付ける構成なので、同防音パネル3の設置位置が前記鉄骨等に制限されることがない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る防音壁の側面図である。
【図2】図1のA線矢視図である。
【図3】防音パネルを示す斜視図である。
【図4】コンクリート壁の壁面へ防音パネルを取り付ける構成を分解して示す部分拡大斜視図である。
【図5】図2のV部拡大斜視図である。
【図6】図2のVI部拡大図である。
【図7】コンクリート壁の壁面へ防音パネルを取り付けた部分を示す平断面図である。
【図8】支柱へ防音パネルを取り付ける構成を分解して示す部分拡大斜視図である。
【図9】支柱へ防音パネルを取り付けた部分を示す平断面図である。
【図10】レール付きパネル取付用部材の異なる実施例を示す平断面図である。
【図11】レール付きパネル取付用部材の異なる実施例を示す平断面図である。
【図12】レール付きパネル取付用部材の異なる実施例を示す斜視図である。
【図13】傾斜地に立設した支柱間に防音パネルを取り付けて構成した防音壁を示す正面図である。
【図14】図13のXIV部拡大図である。
【図15】傾斜地に立設した支柱間に防音パネルを取り付けて構成した防音壁の異なる実施形態を示す正面図である。
【図16】傾斜地に構築したコンクリート壁の壁面へ防音パネルを取り付けて構成した防音壁を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の防音壁に用いるレール付きパネル取付用部材6は、防音パネル3の取付側へ突き出るレール部61を備え、該レール部61の前面部に、パネル取付用ボルト4の頭部4aを、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝63を有する。防音パネル3の左右の側部30、30には前記パネル取付用ボルト4のねじ軸部4bを通すボルト孔32を設ける。レール部61の縦溝63へパネル取付用ボルト4の頭部4aを通し、同パネル取付用ボルト4のねじ軸部4bを防音パネル3のボルト孔32へ通し、同ねじ軸部4bへナット5を締結して防音パネル3を取り付けた構成とする。
【0026】
本発明の防音壁の防音パネル取り付け方法は、防音パネル3の左右の側部30、30のボルト孔32へ、パネル取付用ボルト4を、その頭部4bを裏面側へ向けて突き出し、ねじ軸部4bが前面側へ突き出る配置に通し、前記ねじ軸部4bにナット5を仮止めして、同パネル取付用ボルト4の頭部4aをパネル取付用部材6のレール部61の上端から縦溝63へ挿入し、防音パネル3を取り付け位置へ配置し、ナット5を本締めして防音パネル3を取り付ける。
【0027】
本発明のレール付きパネル取付用部材6は、支柱8、又はコンクリート壁7の壁面へ接する平板部60と、防音パネル3の取付側に突き出る左右一対のレール部61、61とを備え、該レール部61の前面部に、パネル取付用ボルト4の頭部4bを上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝63を有する構成とする。
【実施例1】
【0028】
以下に、本発明に係る防音壁、及び同防音壁の防音パネル取り付け構造、及びレール付きパネル取付用部材を、図示した実施例に基づいて説明する。
図1及び2に示す防音壁1及び2は、地面に構築された高さが約2mのコンクリート壁7と、同コンクリート壁7の上端面に設けられた取付金具72によってコンクリート壁7の上端から上方へ立設された高さが約1mの支柱8とに、図3で示す防音パネル3…を取り付けた構成であり、例えば車両等による騒音公害を防止するために使用される。
なお、支柱8の上方部分であって、上位の防音パネル3の上端部には、後述する本実施例のレール付きパネル取付用部材6を用いて音響回析9が取り付けられている。
【0029】
先ず、前記コンクリート壁7の壁面に防音パネル3を取り付けた防音壁1について説明する。
この防音壁1は、コンクリート壁7の壁面の高さ方向に沿って、上下方向のレール付きパネル取付用部材6を図1に示す実施例では正面側(図面の右側)に設置し、図2に示すように、左右方向に隣り合う同レール付きパネル取付用部材6、6の間に防音パネル3を前記コンクリート壁7の高さ方向に4枚取り付けた構成である。
【0030】
上記レール付きパネル取付用部材6は、図4〜7に拡大して示すように、前記コンクリート壁7の壁面へ接する鉛直方向に細長い平板部60と、同平板部60の前面に防音パネル3の取付側へ突き出る左右一対のレール部61、61とを備え、該レール部61の前面部に、四角ボルトで成るパネル取付用ボルト4の頭部4aを回転は不能で上下方向へのスライド可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝63を有している。なお、パネル取付用ボルト4は、図示した四角ボルトに限定されない。前記四角ボルト以外に、例えば六角ボルトや八角ボルト等であっても同様に実施できる。
このレール付きパネル取付用部材6は、アルミ押出成形により一体成形することで簡便に製造できる。その他、例えばプレス加工又はロール加工でも製造することができる。
なお、前記レール付きパネル取付用部材6は、前記平板部60とレール部61、61とをそれぞれ独立して製造した後に組み立てる構成で製造してもよい。長期間の使用等でレール部61が破損しても、同破損したレール部61だけを平板部60から取り外して、新しいレール部61に取り替えることができるので、メンテナンス性に優れている。
前記レール付きパネル取付用部材6は、コンクリート壁7の高さ方向に沿って先端部を外方へ突き出させて埋め込んだアンカーボルト70の前記先端部へ、平板部60に設けたボルト通し孔を通し、該アンカーボルト70の先端部にナット71を締め付けることにより、コンクリート壁7の壁面へ設置される。
【0031】
上記レール付きパネル取付用部材6の異なる実施形態を図10及び図11に示す。
図10に示すレール付きパネル取付用部材6は、左右一対のレール部61、61に形成された縦溝63、63のうち、開口部を幅狭にするリップ部64、64の内側に位置するもの同士を共通部65で連結された構成である。このレール付きパネル取付用部材6もアルミ押出成形、プレス加工又はロール加工により製造することができる。
【0032】
図11に示すレール付きパネル取付用部材6は、コンクリート壁7の壁面へ接する鉛直方向に細長い平板部60と、同平板部60の前面に防音パネル3の取付側に突き出る1個のレール部61とを備え、同レール部61の前面部に、パネル取付用ボルト4の頭部4bを回転は不能で上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝63を有する構成とした二つのレール付きパネル取付用部材片6a、6aの平板部60、60同士を重合状態に組み合わせて連結した構成である。具体的には、図12に示すように、各レール付きパネル取付部材片6aには平板部60にボルト通し孔65が形成されており、二つのレール付きパネル取付用部材片6a、6aのボルト通し孔65、65が重なるように前記平板部60、60同士を重合状態に組み合わせ、図11に示すように、前記ボルト通し孔65、65へコンクリート壁7に埋め込んだアンカーボルト70の先端部を通して、同先端部をナット71で締め付けて連結することにより、レール付きパネル取付用部材6がコンクリート壁7の壁面へ設置される。前記平板部60のボルト通し孔65を斜め横方向への長い切り込み形状とすれば、レール付きパネル取付用部材6の左右方向の寸法を調整することができ、防音パネル3の取付作業を容易にすることができるし、一方のレール付きパネル取付用部材片6aが破損しても、同破損したレール付きパネル取付用部材片6aだけを取り外して取り替えることができるので、メンテナンス性に優れている。
【0033】
なお、防音壁1の両端部に設置するレール付きパネル取付用部材6、6は、コンクリート壁7の壁面へ接する平板部60と、同平板部60の前面に防音パネル3の取付側に突き出る1個のレール部61を備え、該レール部61の前面部に、パネル取付用ボルト4の頭部4aを回転は不能で上下方向へのスライド可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝63を有する構成のものを使用する。
【0034】
上記防音パネル3は、図2及び図3に示すように、一例として、縦×横が50cm×200cm程度の横方向に長い長方形状を成し、厚さが55mm程度である。図2に示す正面方向から見ると多数の横長孔が規則正しく形成された鋼板と、同鋼板の裏面に設けた車両等による騒音を吸収する吸音材34とで構成されている。
前記防音パネル3の左右の側部30、30は、平面的に見ると上記吸音材34の厚さと等しい幅寸のコ字形材33を裏当てして形成され、該防音パネル3を上記レール付きパネル取付用部材6へ取付る側には、図4に示すように、前記パネル取付用ボルト4のねじ軸部4bを通すボルト孔32が設けられている。同防音パネル3の左右の側部30の表面側には、図6に示すように、前記ボルト孔32へ通したパネル取付用ボルト4のねじ軸部4bへナット5を回すレンチの如き工具を通す大きさの切り欠き形状(但し、長孔でも可)の作業孔31が、同左右の側部30、30の高さ方向に沿って複数形成されている。但し、図示した防音パネルの左右の側部30、30は、平面的に見て左右方向に開口を有するコ字形材33を用いた実施例を示すが、例えば、平面的に見てL字形材を用いた場合には、前記作業孔31を設ける必要はない。
【0035】
この防音パネル3は、同防音パネル3の左右の側部30、30のボルト孔32へ、パネル取付用ボルト4の頭部4aが裏面側へ向き、ねじ軸部4bが前方へ突き出る配置に通されナット5を仮止めした後、例えば作業員の手によって或いはクレーン等を用いてレール付きパネル取付用部材6の上端まで持ち上げられ、図5に示すように、同パネル取付用ボルト4の頭部4aをパネル取付用部材6のレール部61の上端から縦溝63へ挿入して上記作業孔31からナット5を本締めしてコンクリート壁7の壁面へ取り付けられている。前記防音パネル3のボルト孔32へねじ軸部4bを通したパネル取付用ボルト4は、防音パネル3の正面側から前記ねじ軸部4bにナット5を締めつける構成なので、施工後に前記作業孔31からナット5が緩んでいないかどうか、その締め付け具合を容易に確認することができる。
【0036】
つまり、上記のようにコンクリート壁7の壁面に防音パネル3を取り付ける場合、パネル取付用部材6をコンクリート内部の鉄骨や鉄筋、或いは配管や扉等を避けた位置に設置しても、防音パネル3は、パネル取付用部材6の縦溝63内にパネル取付用ボルト4の頭部4aを挿入して取り付ける構成なので、パネル取付用部材6のレール部61に沿って上下にスライド可能であり、同防音パネル3の設置位置が前記鉄骨等に制限されることがない。
【0037】
なお、上記防音パネル3をコンクリート壁7の壁面へ取り付ける異なる実施形態として、パネル取付用ボルト4の頭部4aをパネル取付用部材6の縦溝63内に挿入した後、前記パネル取付用ボルト4のねじ軸部4bを、防音パネル3の左右の側部30、30のボルト孔32へ通しナット5をねじ込み締結することにより防音パネル3を取り付ける構成で実施することもできる。
【0038】
次に、前記支柱8に防音パネル3取り付けた構成の防音壁2について説明する。
この防音壁2は、図1及び2に示すように、鋼管で成る支柱8であって表面側及び裏面側に沿って、上下方向へのレール付きパネル取付用部材6が設けられ、同レール付きパネル取付用部材6、6間に防音パネル3を支柱8の高さ方向に2枚ずつ取り付けた構成である。なお、図示することは省略したが、前記支柱8は鋼管に限定されず、例えばH形鋼で構成することもできる。
【0039】
上記パネル取付用部材6の具体的な構成は、図8及び9に示すように、上記コンクリート壁7の壁面に設置するパネル取付用部材6と同じ構成のものを使用する。即ち、支柱8に接する鉛直方向に細長い平板部60と、同平板部60の前面に防音パネルの取り付け側へ突き出る左右一対のレール部61とを備え、該レール部61の前面部には、パネル取付用ボルト4の頭部4aを回転は不能で上下方向へのスライド可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝63を有する構成である。但し、図10及び図11に示したパネル取付用部材6を使用することもできる。
支柱8の表面側と裏面側とに沿ってそれぞれ配置したレール付きパネル取付用部材6は、支柱8の表面側と裏面側とにそれぞれ設けたボルト通し孔80、80と、同ボルト通し孔80、80と共通に位置するように設けたレール付きパネル取付用部材6の平板部60のボルト通し孔62、62へ、同支柱8を裏面側から表面側へボルト81のねじ軸部81aを通し、該ねじ軸部81aの先端部へナット82を締め付けることにより、支柱8の表面側と裏面側へ取り付けられる。
【0040】
上記防音パネル3を支柱8に設置したパネル取付用部材6へ取り付ける構成は、上述したコンクリート壁7の壁面に設置したパネル取付用部材6へ取り付ける構成と同じである。即ち、防音パネル3の左右の側部30、30のボルト孔32へ、パネル取付用ボルト4の頭部4aが裏面側へ向き、ねじ軸部4bを前面側へ向く配置に通してナット5を仮止めした後、例えば作業員の手によって或いはクレーン等を用いてレール付きパネル取付用部材6の上端まで持ち上げられ、同パネル取付用ボルト4の頭部4aをパネル取付用部材6のレール部61の上端から縦溝63へ挿入して前記ナット5を本締めして支柱8へ取り付ける。
【0041】
もちろん、パネル取付用ボルト4の頭部4aをパネル取付用部材6の縦溝63内に挿入した後、同パネル取付用ボルト4のねじ軸部4bを、防音パネル3の左右の側部30、30のボルト孔32へ通しナット5をねじ込み締結することにより防音パネル3を取り付ける構成で実施することもできる。
【0042】
したがって、本実施例の防音壁1及び2は、前記防音パネル3の取付作業の平準化を可能にしたので、支柱8であれコンクリート壁7の壁面でも防音パネル3を取り付ける構造が同じであり、取付作業が容易であるし、同じ部材で構成されているから部品点数を減らして製造コストを削減することができる。
【0043】
本実施例のレール付きパネル取付用部材6は、高さ寸法や形状が異なる防音パネル3同士を容易に取り付けることができるし、例えば中間位置の防音パネル3が破損しても、パネル取付用部材6の縦溝63内に挿入されたパネル取付用ボルト4のねじ軸部4bのナット5を外せば、破損した防音パネル3だけを容易に取り外すことができ、その後は新しい防音パネル3に取り替えることができるので、事後のメンテナンス性に優れている。
【実施例2】
【0044】
次に、傾斜地に設置した支柱8や傾斜地に構築したコンクリート壁7の壁面へ防音パネル3を取り付けて成る防音壁について説明する。なお、レール付きパネル取付用部材6、及び防音パネル3の構成、及び防音パネル3をレール付きパネル取付用部材6へ取り付ける方法の詳細な説明において、実施例1で説明した内容と重複する内容は省略する。
図13に示す防音壁1は、傾斜角が水平方向に対して10度程度の傾斜地へ鉛直に立設した高さが約2m程度の支柱8であって表面側と裏面側に沿って鉛直方向へそれぞれレール付きパネル取付用部材6を設置し、隣り合うレール付きパネル取付用部材6、6の間に、防音パネル3を傾斜地面に沿った傾斜姿勢に取り付けた構成であり、例えば車両等による騒音公害を防止するために使用される。
【0045】
本実施例の防音パネル3は、平坦地(水平地面)で使用される長方形状の防音パネルである。即ち、図3に示すように、一例として、縦×横が50cm×200cm程度の横方向に長い長方形状で、厚さが55mm程度である。前記防音パネル3の特徴は、図14に示すように、防音パネルの左右の側部30、30に設けたパネル取付用ボルト4のねじ軸部4bを通すボルト孔32が、前記防音パネル3の長手方向に長い長孔(一例として3cm程度)とし、同防音パネル3の左右の側部30、30の中間部分に1箇所設けている。
したがって、防音パネル3の左右の側部30、30のボルト孔32へ通したパネル取付用ボルト4のねじ軸部4bは、傾斜方向へ自由に移動でき、長方形状の防音パネル3を傾斜地面に沿った傾斜姿勢に取り付けることができる。
【0046】
なお、図15に示すように、傾斜角が水平方向に対して5度程度の傾斜地では、防音パネル3の左右の側部30、30の長孔32を、上下に2箇所設け、各長孔32へパネル取付用ボルト4のねじ軸部4bを通した構成とすることにより、レール付きパネル取付用部材6へ取り付けた防音パネル3は、しっかりと安定させた状態で取り付けることができる。
【0047】
図16に示す防音壁2は、傾斜地に構築したコンクリート壁7の壁面に防音パネル3を取り付けた構成である。即ち、パネル取付用ボルト4のねじ軸部4bを通すボルト孔32を防音パネル3の長手方向に長い長孔としているので、前記ねじ軸部4bが傾斜方向へ自由に移動でき、前記長方形状の防音パネル3を傾斜地面に沿った傾斜姿勢に取り付けることができる。
【0048】
以上に実施形態を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の実施形態の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
【符号の説明】
【0049】
1 防音壁
2 防音壁
3 防音パネル
30 側部
31 作業孔
4 パネル取付用ボルト
4a ボルト頭部
4b ねじ軸部
5 ナット
6 レール付きパネル取付用部材
6a レール付きパネル取付用部材片
60 平板部
61 レール部
63 縦溝
7 コンクリート壁
8 支柱
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体に沿って上下方向へレール付きパネル取付用部材を設置し、左右方向に隣り合うパネル取付用部材の間に防音パネルを取り付けて成る防音壁であって、
前記レール付きパネル取付用部材は、防音パネルの取付側へ突き出るレール部を備え、該レール部の前面部に、パネル取付用ボルトの頭部を、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝を有し、
前記防音パネルの左右の側部には前記パネル取付用ボルトのねじ軸部を通すボルト孔が設けられており、
前記レール部の縦溝へパネル取付用ボルトの頭部が通され、同パネル取付用ボルトのねじ軸部は前記防音パネルのボルト孔へ通され、同ねじ軸部へナットを締結して防音パネルが取り付けられていることを特徴とする、防音壁。
【請求項2】
レール付きパネル取付用部材のレール部の縦溝は、パネル取付用ボルトの頭部を、回転は不能で上下方向へのスライドが可能に挿入できる形状であることを特徴とする、請求項1に記載した防音壁。
【請求項3】
防音パネルの左右の側部に設けたパネル取付用ボルトのねじ軸部を通すボルト孔は、長孔であることを特徴とする、請求項1又は2に記載した防音壁。
【請求項4】
レール付きパネル取付用部材は、構造体へ接する平板部と、同平板部の前面に防音パネルの取付側へ突き出る左右一対のレール部を設けた構成とされていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した防音壁。
【請求項5】
レール付きパネル取付用部材が、構造体の表面側と裏面側に設置され、隣り合うレール付きパネル取付用部材の間に防音パネルが取り付けられて、構造体の表裏両側に配置されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載した防音壁。
【請求項6】
防音パネルの左右の側部の表面側に、ボルト孔へ通したパネル取付用ボルトのねじ軸部にナットを回す工具を通す作業孔が設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載した防音壁。
【請求項7】
構造体に沿って上下方向へレール付きパネル取付用部材を設置し、左右方向に隣り合うパネル取付用部材の間に防音パネルを取り付ける防音壁の防音パネル取り付け方法であって、
前記レール付きパネル取付用部材は、防音パネルの取付側へ突き出るレール部を備え、該レール部の前面部に、パネル取付用ボルトの頭部を、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝を有し、
前記防音パネルの左右の側部には前記パネル取付用ボルトのねじ軸部を通すボルト孔を設けており、
前記防音パネルの左右の側部のボルト孔へ、パネル取付用ボルトを、その頭部を裏面側へ向け、ねじ軸部が前面側へ向く配置に通し、前記ねじ軸部にナットを仮止めして、同パネル取付用ボルトの頭部をパネル取付用部材のレール部の上端から縦溝へ挿入し、防音パネルを取り付け位置へ配置し、前記ナットを本締めして防音パネルを取り付けることを特徴とする、防音壁の防音パネル取り付け方法。
【請求項8】
構造体に沿って上下方向へレール付きパネル取付用部材を設置し、左右方向に隣り合うパネル取付用部材の間に防音パネルを取り付ける防音壁の防音パネル取り付け方法であって、
前記レール付きパネル取付用部材は、防音パネルの取付側へ突き出るレール部を備え、該レール部の前面部に、パネル取付用ボルトの頭部を、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝を有し、
前記防音パネルの左右の側部には前記パネル取付用ボルトのねじ軸部を通すボルト孔を設けており、
前記防音パネルのパネル取付用部材のレール部の縦溝へ頭部を挿入し、ねじ軸部をパネル取り付側へ向けたパネル取付用ボルトのねじ軸部へ、防音パネルの左右の側部のボルト孔を前面側から通し、ナットで締結することにより防音パネルを取り付けることを特徴とする、防音壁の防音パネル取り付け方法。
【請求項9】
構造体へ防音パネルを取り付けて成る防音壁に使用するもので、同構造体に沿って設置されるレール付きパネル取付用部材であって、
構造体へ接する平板部と、同平板部の前面に防音パネルの取付側へ突き出るレール部とを備え、該レール部の前面部に、パネル取付用ボルトの頭部を、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝を有する構成とされていることを特徴とする、レール付きパネル取付用部材。
【請求項10】
平板部の前面に防音パネルの取付側へ突き出るレール部は、1個で構成されていることを特徴とする、請求項9に記載したレール付きパネル取付用部材。
【請求項11】
平板部の前面に防音パネルの取付側へ突き出るレール部は、左右一対で構成されていることを特徴とする、請求項9に記載したレール付きパネル取付用部材。
【請求項12】
左右一対のレール部は、縦溝の開口部を幅狭に形成するリップ部を備えており、同レール部の内側に位置する前記リップ部同士が共通部で連結されていることを特徴とする、請求項11に記載したレール付きパネル取付用部材。
【請求項13】
構造体へ防音パネルを取り付けて成る防音壁に使用するもので、同構造体に沿って設置されるレール付きパネル取付用部材であって、
構造体へ接する平板部と、同平板部の前面に防音パネルの取付側へ突き出る1個のレール部とを備え、該レール部の前面部に、パネル取付用ボルトの頭部を、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝を有する構成とした、二つのレール付きパネル取付用部材片の平板部同士を重合状態に組み合わせて連結した構成であることを特徴とする、レール付きパネル取付用部材。
【請求項14】
レール付きパネル取付用部材片の平板部には、ボルト通し孔が形成されており、二つのレール付きパネル取付用部材片のボルト通し孔が重なるように前記平板部同士を重合状態に組み合わせ、前記ボルト通し孔へボルトを通して連結されていることを特徴とする、請求項13に記載されたレール付きパネル取付用部材。
【請求項15】
レール部の縦溝は、パネル取付用ボルトの頭部を、回転は不能で上下方向へのスライドが可能に挿入できる形状であることを特徴とする、請求項9〜14のいずれか一に記載したレール付きパネル取付用部材。
【請求項1】
構造体に沿って上下方向へレール付きパネル取付用部材を設置し、左右方向に隣り合うパネル取付用部材の間に防音パネルを取り付けて成る防音壁であって、
前記レール付きパネル取付用部材は、防音パネルの取付側へ突き出るレール部を備え、該レール部の前面部に、パネル取付用ボルトの頭部を、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝を有し、
前記防音パネルの左右の側部には前記パネル取付用ボルトのねじ軸部を通すボルト孔が設けられており、
前記レール部の縦溝へパネル取付用ボルトの頭部が通され、同パネル取付用ボルトのねじ軸部は前記防音パネルのボルト孔へ通され、同ねじ軸部へナットを締結して防音パネルが取り付けられていることを特徴とする、防音壁。
【請求項2】
レール付きパネル取付用部材のレール部の縦溝は、パネル取付用ボルトの頭部を、回転は不能で上下方向へのスライドが可能に挿入できる形状であることを特徴とする、請求項1に記載した防音壁。
【請求項3】
防音パネルの左右の側部に設けたパネル取付用ボルトのねじ軸部を通すボルト孔は、長孔であることを特徴とする、請求項1又は2に記載した防音壁。
【請求項4】
レール付きパネル取付用部材は、構造体へ接する平板部と、同平板部の前面に防音パネルの取付側へ突き出る左右一対のレール部を設けた構成とされていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した防音壁。
【請求項5】
レール付きパネル取付用部材が、構造体の表面側と裏面側に設置され、隣り合うレール付きパネル取付用部材の間に防音パネルが取り付けられて、構造体の表裏両側に配置されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載した防音壁。
【請求項6】
防音パネルの左右の側部の表面側に、ボルト孔へ通したパネル取付用ボルトのねじ軸部にナットを回す工具を通す作業孔が設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載した防音壁。
【請求項7】
構造体に沿って上下方向へレール付きパネル取付用部材を設置し、左右方向に隣り合うパネル取付用部材の間に防音パネルを取り付ける防音壁の防音パネル取り付け方法であって、
前記レール付きパネル取付用部材は、防音パネルの取付側へ突き出るレール部を備え、該レール部の前面部に、パネル取付用ボルトの頭部を、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝を有し、
前記防音パネルの左右の側部には前記パネル取付用ボルトのねじ軸部を通すボルト孔を設けており、
前記防音パネルの左右の側部のボルト孔へ、パネル取付用ボルトを、その頭部を裏面側へ向け、ねじ軸部が前面側へ向く配置に通し、前記ねじ軸部にナットを仮止めして、同パネル取付用ボルトの頭部をパネル取付用部材のレール部の上端から縦溝へ挿入し、防音パネルを取り付け位置へ配置し、前記ナットを本締めして防音パネルを取り付けることを特徴とする、防音壁の防音パネル取り付け方法。
【請求項8】
構造体に沿って上下方向へレール付きパネル取付用部材を設置し、左右方向に隣り合うパネル取付用部材の間に防音パネルを取り付ける防音壁の防音パネル取り付け方法であって、
前記レール付きパネル取付用部材は、防音パネルの取付側へ突き出るレール部を備え、該レール部の前面部に、パネル取付用ボルトの頭部を、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝を有し、
前記防音パネルの左右の側部には前記パネル取付用ボルトのねじ軸部を通すボルト孔を設けており、
前記防音パネルのパネル取付用部材のレール部の縦溝へ頭部を挿入し、ねじ軸部をパネル取り付側へ向けたパネル取付用ボルトのねじ軸部へ、防音パネルの左右の側部のボルト孔を前面側から通し、ナットで締結することにより防音パネルを取り付けることを特徴とする、防音壁の防音パネル取り付け方法。
【請求項9】
構造体へ防音パネルを取り付けて成る防音壁に使用するもので、同構造体に沿って設置されるレール付きパネル取付用部材であって、
構造体へ接する平板部と、同平板部の前面に防音パネルの取付側へ突き出るレール部とを備え、該レール部の前面部に、パネル取付用ボルトの頭部を、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝を有する構成とされていることを特徴とする、レール付きパネル取付用部材。
【請求項10】
平板部の前面に防音パネルの取付側へ突き出るレール部は、1個で構成されていることを特徴とする、請求項9に記載したレール付きパネル取付用部材。
【請求項11】
平板部の前面に防音パネルの取付側へ突き出るレール部は、左右一対で構成されていることを特徴とする、請求項9に記載したレール付きパネル取付用部材。
【請求項12】
左右一対のレール部は、縦溝の開口部を幅狭に形成するリップ部を備えており、同レール部の内側に位置する前記リップ部同士が共通部で連結されていることを特徴とする、請求項11に記載したレール付きパネル取付用部材。
【請求項13】
構造体へ防音パネルを取り付けて成る防音壁に使用するもので、同構造体に沿って設置されるレール付きパネル取付用部材であって、
構造体へ接する平板部と、同平板部の前面に防音パネルの取付側へ突き出る1個のレール部とを備え、該レール部の前面部に、パネル取付用ボルトの頭部を、上下方向へのスライドが可能に挿入できる、開口部を狭めた縦溝を有する構成とした、二つのレール付きパネル取付用部材片の平板部同士を重合状態に組み合わせて連結した構成であることを特徴とする、レール付きパネル取付用部材。
【請求項14】
レール付きパネル取付用部材片の平板部には、ボルト通し孔が形成されており、二つのレール付きパネル取付用部材片のボルト通し孔が重なるように前記平板部同士を重合状態に組み合わせ、前記ボルト通し孔へボルトを通して連結されていることを特徴とする、請求項13に記載されたレール付きパネル取付用部材。
【請求項15】
レール部の縦溝は、パネル取付用ボルトの頭部を、回転は不能で上下方向へのスライドが可能に挿入できる形状であることを特徴とする、請求項9〜14のいずれか一に記載したレール付きパネル取付用部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−26898(P2011−26898A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175802(P2009−175802)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(000006839)日鐵住金建材株式会社 (371)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(000006839)日鐵住金建材株式会社 (371)
【Fターム(参考)】
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