説明

防風防鳥獣ごみ袋集積函

【課題】
ごみ袋集積場で使用する、ごみ袋を風や鳥獣から守り、またごみ袋を出すごみ出し作業とごみ収集作業の、わずらわしさと無駄を最小限にするごみ袋集積用具で、広い場所も大掛かりな設置作業も要らない、防風防鳥獣ごみ袋集積函を提供する。
【解決手段】
ごみ袋を収容する円筒形容器1内のごみ袋受け皿3が、ドーム蓋2より投入れたごみ袋の重量で下方に移動し、ごみ袋は円筒形容器1に立体的に集積され、外部と完全に遮断、ごみ収集作業は、ドーム蓋2を開放しごみ袋を上段から順に積み込む、このためごみ袋受け皿3はごみ袋と伴にせりあがりごみ袋の取り出しを容易にして機能するので、大変楽にできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般家庭ごみの収集の際、ごみ袋集積場で使うごみ袋集積用具である。前記ごみ袋集積用具は、戸建の多い住宅街では、ごみ袋を数軒単位ごとに集積して路肩で使用し、またマンションのような集合住宅では、ごみ袋集積場で必要個数並べて使用する、ごみ袋集積用具に関する。
それに加えて収集作業をいかに楽にするかと云う分野に視点を置いたものは過去にはなかった。
【背景技術】
【0002】
従来ごみ袋集積場では、集積したごみ袋の上からネットやブルーシートといったもので覆いかぶせ、周りを重石で押さえてと、ごみを出すのに大変な手間であったし、風や鳥獣からの飛散に対応していたが、しかしこれらは完全なものではなく、ごみは鳥獣などから食い散らかされ、またごみはごみ収集車への積み残しもあり散乱していた。このためごみ収集作業後の住民の片付けもまた大変な手間であった。
【0003】
このため従来のごみ袋集積用具は、その役目を最大限に発揮しているとは、いえなかた。
下記の特許文献1,2、3,には、風や鳥獣からの飛散を防ぐ、ごみ袋集積用具の技術が開示される。
また、下記の特許文献4,5には、同じく飛散を防ぐが、しかし大掛かりな設置作業の伴うごみ袋集積箱、ごみ袋集積シェルター、といったものの技術が開示される。
【特許文献1】特開 2003−252401号公報
【特許文献2】特開 2003−327302号公報
【特許文献3】実用新案登録 第3027454号公報
【特許文献4】特開 2004−315222号公報
【特許文献5】特開 2006−213514号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1,2,3,の技術は、風や鳥獣からの飛散を防ぐだけで、ごみ袋をごみ袋集積場に出すときの手間、またごみ袋をごみ収集車に積み込むときのごみ収集作業の手間、との両方を満足させるものではなく利便性にかけていた。また特許文献4,5の技術は、ごみ袋集積場の広い場所の確保や、設置にも大掛かりな作業が必要
であった。
【0005】
そこでこの発明は、ごみ袋をごみ袋集積場に出す場合、ごみ袋を容易に出せて、風や鳥獣にも害されず、ごみ袋のごみ収集車への積み込み作業も楽にできるので、ごみ収集作業の時間と労力の削減にもつながり、また広い場所も大掛かりな設置作業も必要ないのでコスト面でも低減でき、過去の技術では考慮されていなかったごみ収集作業に関しても有効な防風防鳥獣ごみ袋集積函を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、第一発明は、円筒形に加工されたごみ袋を入れる円筒形容器と、上部にドーム蓋と、前記円筒形容器の内部には投入されるごみ袋の量によって可動するごみ袋受け皿と、前記ごみ袋受け皿を支える複数種類のスプリングと、を有することを特徴とする防風防鳥獣ごみ袋集積函である。
【0007】
第二発明は、複数種類のスプリングと、前記複数種類のスプリング中必要なスプリングだけを機能させる構造と、を有することを特徴とする請求項1に記載の防風防鳥獣ごみ袋集積函である。
【0008】
また複数種類のスプリング中、強スプリングと弱スプリングはスプリング固定板を介して直列的配置と、弱スプリングは並列的配置と、で支持されるごみ袋受け皿と、前記ごみ袋受け皿が問題なく摺動するためのローラと、必要以上上昇しないようにするストッパーと、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の防風防鳥獣ごみ袋集積函である。
そしてこのごみ袋集積函の上部には、円筒形容器の開口部に合わせた一体型であるドーム蓋と、前記円筒形容器底部には排水口と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の防風防鳥獣ごみ袋集積函である。
【発明の効果】
【0009】
第一発明によれば、このごみ袋集積函は、ごみ袋を入れる円筒形容器上部のドーム蓋を開けるだけで容易にごみ袋を円筒形容器内に投入でき、前記ドーム蓋を閉めれば完全に外部と遮断されるので、風やカラス、犬、猫といった鳥獣から完全に守ることができる。このためごみ袋をシートやネットで覆い周りに重石などで抑えることも無くなるため、老人と子供にも前記ドーム蓋の開閉だけで楽にごみ出し作業をできるようにした。
【0010】
第二発明によれば、このごみ袋集積函は、円筒形容器内のごみ袋受け皿が投入するごみ袋の量によって下方へ移動しごみ袋を立体的に収容するため、広い設置面積を必要とせず、設置場所を選ばず、大掛かりな設置作業も不要としたため、コスト低減に寄与できる。またごみ収集時には、ごみ袋は上部のドーム蓋を開放すれば難なく取り出せ、上段からごみ袋をごみ収集車に積み込めば、ごみ袋受け皿を支えるスプリングの効果のため収集しやすい位置に競りあがってくるので、ごみ収集作業の労力と時間の削減に寄与できる。
【0011】
またごみの収集時には、上部のドーム蓋を開放すればごみ袋は難なく取り出せ,上段から順次ごみ袋を収集車に積み込めばごみ袋受け皿を支えるスプリング効果のため常に収集し易い位置に競りあがってくるので、ごみ収集作業の労力と時間の削減に寄与できる。
そして生ごみ等の液体分や清掃時の水分などは、容器底の排水口にホースで溝などに誘導すれば道路の汚れは解消できる。また形状的に街の美観にも大いに貢献できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明の実施形態を、図1に示す。この図は屋外に設置される防風防鳥獣ごみ袋集積函の斜視図を示す。
このように設置された防風防鳥獣ごみ袋集積函は、通常のごみ袋が無理なく投入できる直径サイズに加工された、上部にドーム蓋2を、下部に排水口8を設けた底部4を、持った円筒形容器1である。このためごみ袋は外部と完全に遮断されて風、鳥獣から守られる。前記円筒形容器1内には、ごみ袋を乗せるごみ袋受け皿3を、前記ごみ袋受け皿3を支持
する異径で強さも違う強スプリングaと弱スプリングbで下側より支えられた構造とする。またこの円筒形容器1の高さは、ごみ袋が必要個数収容できるのに十分で最小限の寸法とし、老人や子供といった非力な人たちのごみ袋投入時にも考慮すべきである。
【0013】
また円筒形容器1内の異径で強さも違う強スプリングaと弱スプリングbで支えられたごみ袋受け皿3のため、ごみ袋は、立体的に集積され下方に移動する。ごみ収集の際ごみ袋は、上部ドーム蓋2を開放することにより難なく外に取り出し可能になり上段から順に取り出していくことでごみ袋受け皿3と伴に上方にせりあがる。このようにごみ袋はごみ収集しやすい位置になり収集作業も大変楽である。
【0014】
この実施形態では、ごみの種類により投入するごみ袋には相当の重量差が有り、ごみ袋受け皿3を支える強スプリングa,は軽いごみ袋の場合はこのままでは機能しない。そのために受け皿を支える二種類のスプリングを組合せ、強スプリングaを解除する機能を持たせることによりそれを解消する。解除レバーの固定方法などは、図中省略する。 ここで使用する部材は、すべて屋外で使用するので、耐候性のあるものを考慮し選択する必要がある。
【0015】
この発明の実施形態を、図4に示す。この図は防風防鳥獣ごみ袋集積函の縦断面図を示す。
この様に設置された防風防鳥獣ごみ袋集積函は、通常のごみ袋が無理なく投入できる直径サイズに加工された、上部にドーム蓋2を、下部に俳水口8を設けた底部4を、持った円筒容器1である。このためごみ袋を投入後蓋を閉めれば、外部と完全に遮断されて風、鳥獣から守られる。前記円筒形容器1内には,ごみ袋を載せるごみ袋受け皿3を、前記ごみ袋受け皿3を支持する弱スプリングbと強スプリングaとで並列的と直列的に下側より支えられた構造とする。またこの円筒形容器1の高さは,ごみ袋が必要個数収容できるのに十分で最小限の寸法としたこと,ドーム蓋としたことも、老人や子供といった非力な人達のごみ袋投入時に考慮したためである。
【0016】
また円筒形容器1内のごみ袋は、前記のごみ袋受け皿上に立体的に集積され下方に移動する。そしてごみ収集の際ごみ袋は、上部ドーム蓋2を開放することにより難無く外に取り出し可能になり上段から順に取り出し収集車に積み込めば、ごみ袋受け皿3と伴に上方に競りあがり、常にごみ袋は収集し易い位置になり収集作業も大変楽である。
【0017】
この実施形態では、ごみの種類により投入するごみ袋には相当の重量差があり、ごみ袋受け皿3を支える弱スプリングbは比較的軽い不燃ごみに対応し、強スプリングa,は重い生ごみに対応する。しかし軽い不燃ごみの容量が異常に多い場合には、強スプリングaの解除機能を持たせることによりそれを解消する。
「実施形態の効果」
【0018】
この実施形態によれば、ドーム蓋2の開閉だけでごみ袋は、ごみ袋集積函の中に大変楽に投入でき、その後重石をする必要もなく、また風やカラス、犬、猫といった鳥獣から完全に守ることができる。また、ごみ袋をごみ収集車に積み込む際は、上部ドーム蓋2を開放すればよく、これでごみ収集作業の労力と時間の削減に貢献でき、またごみの積み残しが無くなりこのことにより住民のごみ収集後の片付けも大変楽である。そしてこの防風防鳥獣ごみ袋集積函の接地部分だけの占有面積で広い場所確保も大掛かりな設置作業も必要なく,コスト低減につながる。
【0019】
そして特に生ごみ等の液体分や清掃時の水分などは、容器底4の排水口8にホースで溝などに誘導すれば道路の汚れは解消できる。また形状的に街の美観にも大いに貢献できる。
「他の実施形態」
【0020】
図1、の実施形態では、ごみ袋が多いマンションといった集合住宅のような、ごみ袋集積場での対応には不向きである。そこでごみ袋の多いごみ袋集積場では、この防風防鳥獣ごみ袋集積函を、複数個並べて使用することで解決できる。
この受け皿の機構は、容器が四角い箱型でも機能するので現行のものにも適用可能である。
【0021】
図4、の実施形態では、複数種類のスプリングを並列的と直列的に構成してごみ袋受け皿を支えている。これは重量のある生ごみに対しても、比較的軽い不燃ごみに対しても対応でき、不燃ごみの量が異常に多い場合には、強スプリング解除機構で対応できる。また
図7、の実施形態では、容器の開口部を特異な形にすることによりごみ袋の出し入れをなおいっそう容易にすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の一実施形態を示す、斜視図
【図2】ごみ袋受け皿強スプリング部材構造図
【図3】ごみ袋受け皿弱スプリング部材構造図
【図4】この発明の一実施形態を示す、縦断面図
【図5】この発明の生ごみ入り袋使用状態縦断面図
【図6】この発明の不燃ごみ入り袋使用状態縦断面図
【図7】この発明の一実施形態を示す、縦断面図
【符号の説明】
【0023】
1 円筒形容器
2 ドーム蓋
3 ごみ袋受け皿
4 円筒形容器底
5 ドーム蓋支柱
6 ドーム蓋持ち手
7 特異な開口部
8 俳水口
9 高さ調節可能足
11 生ごみ入りゴミ袋
12 不燃ごみ入りごみ袋
a 強スプリング
b 弱スプリング
c 強スプリング固定板
d 強スプリング解除レバー
e 強スプリング解除ロット
e1 強スプリング解除チェーン
e2 強スプリング解除ワイヤー
f スプリング台
g 受け皿上昇止め
h 受け皿摺動ローラ
A 内部構造フレーム
B 強スプリング解除ワイヤー巻き取り装置
C 容器受け台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形に加工されたごみ袋を入れる円筒形容器と、上部にドーム蓋と、前記円筒形容器の内部には投入されるごみ袋の量によって可動するごみ袋受け皿と、前記ごみ袋受け皿を支える複数種類のスプリングと、を有することを特徴とする防風防鳥獣ごみ袋集積函。
【請求項2】
複数種類のスプリングと、前記複数種類のスプリング中必要なスプリングだけを機能させる構造と、を有することを特徴とする請求項1に記載の防風防鳥獣ごみ袋集函。
【請求項3】
複数種類のスプリング中、強スプリングと弱スプリングはスプリング固定板を介して直列的配置と、弱スプリングは並列的配置と、で支持されるごみ袋受け皿と、前記ごみ袋受け皿が問題なく摺動する為のローラと、必要以上上昇しないようにするストッパーと、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の防風防鳥獣ごみ袋集積函。
【請求項4】
円筒形に加工されたごみ袋を入れる円筒形容器の上部には、円筒形容器の開口部に合わせた一体型であるドーム蓋と、前記円筒形容器底部には排水口と、を有することを特徴とする請求項1または2または3に記載の防風防鳥獣ごみ袋集積函。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−6600(P2010−6600A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244308(P2008−244308)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(307026684)
【Fターム(参考)】