説明

除草剤耐性植物

本発明は、サフルフェナシル耐性植物を提供する。本発明はまた、本発明のサフルフェナシル耐性植物が耐性であるサフルフェナシルを適用することにより、雑草の成長を制御する方法も提供する。本発明の植物はシトクロムP450ポリペプチドを発現し、その発現は前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2010年1月7日に出願された米国仮出願第61/293,165号(その全体が参照により本明細書に組入れられるものとする)の利益を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、除草剤耐性植物に関する。
【背景技術】
【0003】
P450は、シロイヌナズナ(Arabidoopsis)においては約246種のアイソフォーム、およびイネにおいて同定された372種のアイソフォームを有する大きい多様な遺伝子ファミリーを形成する。P450は、広範囲の基質を多かれ少なかれ生物活性産物に変換するヘムタンパク質である。P450は、リグニンおよび色素生合成、有害化合物の解毒などのいくつかの代謝経路において重要であり、陸生植物の進化において重要であると考えられる。P450活性の阻害剤としては、1-アミノベンゾ-トリアゾール、テトシクラシス、ピペロニルブトキシド、およびトリジファンが挙げられる。
【0004】
サフルフェナシルは、ピリミジンジオン化合物クラスの除草活性成分(A.I.)である。サフルフェナシルは、フルミオキサジンおよびスルフェントラゾンと類似する活性成分であり、植物の葉、根、および新芽組織により容易に吸収される。サフルフェナシルは、細胞膜を急速に損傷し、細胞死をもたらす光力学的毒性化合物の蓄積を引き起こす、プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)で色素生合成経路を阻害すると考えられる。唯一のA.I.としてサフルフェナシルを有するか、またはグリホサートで補った除草剤組成物を用いて、幅広い双子葉植物の雑草を管理することができる。サフルフェナシルを含む除草剤組成物は、トウモロコシ、ソルガム、コムギ、オオムギ、オートムギ、ライムギ、ライコムギ、大豆、および樹木/堅果/蔓植物の作付体系における植付け前または出芽前処理のために標識されてきた。サフルフェナシルを含有する除草剤組成物は、不耕起および耕起作付体系の両方において広葉雑草に対する良好な葉面活性および残留活性を有する。しかしながら、出芽後のサフルフェナシルの適用は、急速かつ著しい作物損傷をもたらし得る。
【0005】
サフルフェナシルを含む除草剤組成物に対して耐性を示す植物または植物部分が当業界において依然として必要である。
【発明の概要】
【0006】
一態様において、本発明は、CYP81AまたはCYP73Aポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドを含む植物または植物部分であって、その発現が前記植物または植物部分にサフルフェナシルへの耐性を付与する前記植物または植物部分を提供する。いくつかの実施形態においては、前記組換えポリヌクレオチドは、CYP72A15ポリペプチドをコードし、その発現は植物または植物部分にサフルフェナシルへの耐性を付与する。
【0007】
いくつかの態様において、本発明は、植物の細胞の少なくともいくつかに、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含む前記植物に発芽することができる種子であって、該プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるCYP81AまたはCYP73Aポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与する、前記種子を提供する。いくつかの実施形態においては、前記組換えポリヌクレオチドは、CYP72A15ポリペプチドをコードし、その発現は前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与する。
【0008】
一態様において、本発明は、植物の細胞の少なくともいくつかに、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含む前記植物の植物細胞または該植物を再生することができる植物細胞であって、該プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるCYP81AまたはCYP73Aポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与し、該植物細胞がプロモーターに機能し得る形で連結された前記組換えポリヌクレオチドを含む、前記植物細胞を提供する。いくつかの実施形態においては、前記組換えポリヌクレオチドは、CYP72A15ポリペプチドをコードし、その発現は、前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与する。
【0009】
別の態様において、本発明は、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含む植物細胞であって、該プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるCYP81AまたはCYP73Aポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記細胞にサフルフェナシルへの耐性を付与する、前記植物細胞を提供する。いくつかの実施形態においては、前記組換えポリヌクレオチドは、CYP72A15ポリペプチドをコードし、その発現は、前記細胞にサフルフェナシルへの耐性を付与する。
【0010】
他の態様において、本発明は、植物または植物部分の細胞の少なくともいくつかに、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含む前記植物または植物部分から調製された植物産物であって、該プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるCYP81AまたはCYP73Aポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記植物または植物部分にサフルフェナシルへの耐性を付与する、前記植物産物を提供する。いくつかの実施形態においては、前記組換えポリヌクレオチドは、CYP72A15ポリペプチドをコードし、その発現は、前記植物または植物部分にサフルフェナシルへの耐性を付与する。
【0011】
いくつかの態様において、本発明は、植物の細胞の少なくともいくつかに、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含む前記植物から誘導される後代または子孫植物であって、該プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるCYP81AまたはCYP73Aポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与し、前記後代または子孫植物がその細胞の少なくともいくつかに、前記プロモーターに機能し得る形で連結された前記組換えポリヌクレオチドを含み、該後代または子孫植物中での前記ポリペプチドの発現が該後代または子孫植物にサフルフェナシルへの耐性を付与する、前記後代または子孫植物を提供する。いくつかの実施形態においては、前記組換えポリヌクレオチドは、CYP72A15ポリペプチドをコードし、その発現は、前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与する。
【0012】
他の態様において、本発明は、植物の成長のための場所の雑草を制御する方法であって、(a)サフルフェナシルを含む除草剤組成物を前記場所に適用すること;および(b)植物の細胞の少なくともいくつかに、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含む植物を生産することができる種子であって、該プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるCYP81AまたはCYP73Aポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与する、前記種子を前記場所に植えることを含む、前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、前記組換えポリヌクレオチドは、CYP72A15ポリペプチドをコードし、その発現は、前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与する。
【0013】
いくつかの態様において、本発明は、植物の成長のための場所の雑草を制御する方法であって、サフルフェナシルを含む除草剤組成物を前記場所に適用することを含み、該場所が、(a)植物もしくは該植物を生産することができる種子を含む場所;または(b)前記適用を行った後に、前記植物または種子を含む場所であり、前記植物または種子が、その細胞の少なくともいくつかに、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含み、該プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるシトクロムP450ポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与する、前記方法を提供する。一実施形態においては、前記ポリペプチドは、CYP72A15ポリペプチドまたはCYP81AもしくはCYP73Aのアイソフォームである。
【0014】
他の態様において、本発明は、サフルフェナシルに対する耐性を有する植物を作製する方法であって、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドであって、該プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるCYP81AまたはCYP73Aポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与する、前記ポリヌクレオチドで形質転換された前記植物細胞から植物を再生させることを含む、前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、前記組換えポリヌクレオチドは、CYP72A15ポリペプチドをコードし、その発現は前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与する。
【0015】
一態様において、本発明は、サフルフェナシルに対する耐性を有する後代植物を作製する方法であって、第1のサフルフェナシル耐性植物と、第2の植物とを交配させて、サフルフェナシル耐性後代植物を作製することを含み、第1の植物および後代植物が、その細胞の少なくともいくつかに、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含み、該プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるCYP81AまたはCYP73Aポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現がサフルフェナシルに対する耐性を付与する、前記方法を提供する。いくつかの実施形態においては、前記組換えポリヌクレオチドは、CYP72A15ポリペプチドをコードし、その発現はサフルフェナシルに対する耐性を付与する。
【0016】
さらなる態様において、本発明は、植物または植物部分の細胞の少なくともいくつかに、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含む前記植物または植物部分であって、該プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるCYP81AまたはCYP73Aポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記植物または植物部分にサフルフェナシルへの耐性を付与し、前記植物または植物部分が第2の除草剤耐性形質をさらに示す、前記植物または植物部分を提供する。いくつかの実施形態においては、前記組換えポリヌクレオチドは、CYP72A15ポリペプチドをコードし、その発現は前記植物または植物部分にサフルフェナシルへの耐性を付与する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】イネおよびトウモロコシのP450遺伝子の毒性緩和剤およびサフルフェナシル誘導発現を提示するグラフである。イネ、コムギ、およびトウモロコシのP450遺伝子の発現を、噴霧していないチェック対照の発現に対する倍数変化(log2変換)として示す。
【図2】ガイドツリー図である。トウモロコシ、イネ、および大豆トランスジェニック系において試験するために同定された配列を整列させ、ガイドツリーを用意した。OsCYP72A1、OsCYP72A15、NSF1と命名された遺伝子は、本明細書に開示される1種以上のトランスジェニック植物系においてサフルフェナシルへの耐性を付与した。このガイドツリーは、配列の全ペア間の距離のマトリックスに対して作用し、これらの距離を配列間の分岐レベルと関連させる近隣結合法(NJ)を用いるAlign xプログラムを用いて作製したものである。各分子に関する計算上の距離の値を括弧内に示す。
【図3】200 g ai/haのサフルフェナシル+1%MSOで処理した独立T0トウモロコシ事象に関する除草剤損傷スコアを示す図である。数字は、特定の損傷スコア内にある事象の数を示す。損傷スコアは0〜9であり、0は損傷なし、9は死である。形質転換されていないJ553は対照である。
【図4】240 g ai/haのKixor+1%MSOで処理した独立T1トウモロコシ事象を分離するための除草剤損傷スコアを示す図である。数字は、特定の損傷スコア内にある植物の数を示す。損傷スコアは0〜9であり、0は損傷なし、9は死である。形質転換されていないJ553は対照である。
【図5】25 g ai/haのサフルフェナシル+1%MSOで処理した独立T0トランスジェニックおよび野生型(Williams82栽培品種)大豆事象の切断物に関する除草剤損傷スコアを示す図である。数字は、特定の損傷スコア内にある事象の数を示す。損傷スコアは0〜9であり、0は損傷なし、9は死である。
【図6】示されるように処理したT0大豆事象に由来する切断物の除草剤損傷を示す図である。サフルフェナシルの適用率を示す。
【図7】RTP3173(ZmNSF1)形質転換体に由来するT0大豆切断物のサフルフェナシル耐性噴霧試験を示す図である。サフルフェナシルの噴霧率をg ai/haとして植物の下に示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
定義
本明細書で用いられる「耐性」または「除草剤耐性」は、非耐性(例えば、野生型)植物またはその一部において通常は成長阻害を引き起こす量の除草剤の存在下で成長することができる植物またはその植物部分を示す。通常は非耐性植物の成長を阻害する除草剤のレベルは公知であり、当業者であれば容易に決定することができる。例としては、適用のために製造業者により推奨される量が挙げられる。最大速度は、通常は非耐性植物の成長を阻害するであろう除草剤の量の一例である。
【0019】
本発明に関して、用語「除草剤耐性(herbicide-tolerant)」および「除草剤抵抗性(herbicide-resistant)」は互換的に用いられ、等価な意味および等価な範囲を有すると意図される。同様に、用語「除草剤耐性(herbicide-tolerance)」および「除草剤抵抗性(herbicide-resistance)」は互換的に用いられ、等価な意味および等価な範囲を有すると意図される。同様に、用語「耐性(tolerant)」および「抵抗性(resistant)」は互換的に用いられ、等価な意味および等価な範囲を有すると意図される。
【0020】
本明細書で用いられる通り、本明細書に記載の様々な実施形態において有用な除草剤組成物に関して、PPO阻害剤(例えば、サフルフェナシル)、アセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)阻害剤、アセチル-コエンザイムAカルボキシラーゼ(ACCase)阻害剤、5-エノールピルビルシキミ酸3-リン酸シンターゼ(EPSPS)阻害剤、イミダゾリノン、スルホニルウレアなどの用語は、当業界で認識されるその農学上許容し得る除草活性成分(A.I.)を指す。同様に、防かび剤、殺線虫剤、殺虫剤などの用語は、当業界で認識される他の農学上許容し得る活性成分を指す。
【0021】
特定の突然変異酵素またはポリペプチドを参照して用いられる場合、除草剤耐性(herbicide-tolerant)および除草剤耐性(herbicide-tolerance)とは、そのような酵素またはポリペプチドが、通常は野生型(非突然変異体)の前記酵素またはポリペプチドの活性を不活化または阻害するであろう量の除草活性成分の存在下でその生理活性を実行する能力を指す。例えば、特にAHAS酵素、またはAHASLポリペプチドに関して用いられる場合、それは特に、AHAS-阻害剤を許容する能力を指す。AHAS阻害剤のクラスとしては、スルホニルウレア、イミダゾリノン、トリアゾロピリミジン、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン、およびピリミジニルオキシ[チオ]安息香酸が挙げられる。イミダゾリノン除草剤を用いるいくつかの実施形態においては、アミノ酸残基位置122、205、574、または653(シロイヌナズナ(Alabidopsis thaliana)のAHASL番号付け)に位置する少なくとも1個の除草剤耐性突然変異を含むAHASLが好ましいものであり;ならびにスルホニルウレア除草剤を用いるいくつかの実施形態においては、アミノ酸残基位置197または574(シロイヌナズナのAHASL番号付け)に位置する少なくとも1個の除草剤耐性突然変異を含むAHASLが好ましいものである。
【0022】
本明細書で用いられる「組換え」は、核酸またはポリペプチドを参照する場合、そのような材料が、ポリヌクレオチド制限および連結、ポリヌクレオチド重複伸長、または遺伝子挿入もしくは形質転換などによる組換え技術のヒトによる適用の結果として変化していることを示す。遺伝子配列のオープンリーディングフレームは、そのヌクレオチド配列がその天然の文字列から除去され、任意の型の人工核酸ベクター中にクローニングされた場合、組換えである。用語「組換え」はまた、組換え材料を有する生物、例えば、組換え植物と考えることができる組換え核酸を含む植物を指してもよい。
【0023】
用語「トランスジェニック植物」は、異種ポリヌクレオチドを含む植物を指す。好ましくは、異種ポリヌクレオチドは、該ポリヌクレオチドが次に続く世代に伝えられるようにゲノム内に安定に組込まれる。異種ポリヌクレオチドを、単独で、または組換え発現カセットの一部としてゲノム中に組込むことができる。本明細書では、「トランスジェニック」は、その遺伝子型が、最初にそのように変化したトランスジェニック生物もしくは細胞ならびに最初のトランスジェニック生物もしくは細胞からの交配もしくは無性繁殖により作製されたものなどの異種核酸の存在によってそのように変化した任意の細胞、細胞系、カルス、組織、植物部分または植物を指すように用いられる。いくつかの実施形態においては、「組換え」生物は、「トランスジェニック」生物である。本明細書で用いられる用語「トランスジェニック」は、従来の植物育種方法(例えば、交配)または、例えば、自家受粉、無作為他家受粉、非組換えウイルス感染、非組換え細菌形質転換、非組換え転位、もしくは自然発生突然変異などの天然の事象によるゲノムの変化(染色体もしくは染色体外)を包含しないと意図される。
【0024】
本明細書で用いられる「突然変異した」とは、対応する野生型生物またはDNAの遺伝物質の配列と比較して、その天然の遺伝物質の生物分子配列中に変化(複数も可)を有する生物またはそのDNAであって、遺伝物質中の変化(複数も可)が人の行動により誘導および/または選択された、前記生物またはそのDNAを指す。突然変異した生物またはDNAを作製するのに用いることができる人の行動の例としては、限定されるものではないが、除草剤耐性に関して例示されるもの:植物細胞の組織培養物(例えば、カルス)および除草剤(例えば、サフルフェナシル)を用いるその選択、植物細胞の化学的変異原を用いる処理および除草剤(複数も可)を用いるその後の選択;または植物細胞のx線を用いる処理および除草剤(複数も可)を用いるその後の選択が挙げられる。当業界で公知の任意の方法を用いて、突然変異を誘導することができる。突然変異を誘導する方法は、遺伝子形成技術の使用などにより、遺伝物質中の無作為な位置に突然変異を誘導するか、または遺伝物質中の特定の位置に突然変異を誘導する(すなわち、部位特異的突然変異誘発技術であってよい)ことができる。
【0025】
本明細書で用いられる「遺伝的に改変された生物」(GMO)は、遺伝的特徴が、別の生物もしくは「起源」生物に由来する遺伝物質、または合成もしくは改変された天然の遺伝物質による標的生物の形質転換をもたらすトランスフェクションを引き起こす人の努力によって作製された変化(複数も可)を含む生物、あるいは挿入された遺伝物質を保持するその子孫である生物である。起源生物は、異なる型の生物のものであってよく(例えば、GMO植物は細菌の遺伝物質を含んでもよい)、または同じ型の生物に由来するものであってもよい(例えば、GMO植物は別の植物に由来する遺伝物質を含んでもよい)。植物および他の生物に関して本明細書で用いられる「組換え」、「トランスジェニック」および「GMO」は同義語であると考えられ、異なる起源に由来する遺伝物質の存在を示唆する;対照的に、「突然変異誘発された」は、そのようなトランスジェニック材料は存在しないが、天然の遺伝物質が突然変異して、対応する野生型生物またはDNAとは異なるようになった、植物もしくは他の生物、またはそのDNAを指すように用いられる。
【0026】
本明細書で用いられる「野生型」または「対応する野生型植物」は、例えば、突然変異形態および/または組換え形態とは区別されるように、それが通常に発生する典型的な形態の生物またはその遺伝物質を意味する。
【0027】
本明細書で用いられる「子孫」とは、任意の世代の植物を指す。いくつかの実施形態においては、子孫は第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、または第10世代の植物である。
【0028】
本明細書で用いられる「後代」とは、第1世代の植物を指す。
【0029】
用語「種子」は、例えば、樹木種子、殻果、痩果、果実、塊茎、苗および類似する形態などのあらゆる型の種子を含む。アブラナ(Brassica)種およびシナピス(Sinapis)種との関連では、「種子」は別途特定しない限り、樹木種子(複数も可)を指す。例えば、種子は、トランスジェニック植物または伝統的な育種方法により得られた植物の種子であってよい。伝統的な育種方法の例としては、交雑育種、自殖、戻し交配、胚救出、近交系交配、異系交配、同系交配、選択、無性繁殖、および当業界で公知である他の伝統的技術が挙げられる。
【0030】
特定の植物または植物種およびそのハイブリッドを参照して例示したが、様々な実施形態においては、サフルフェナシルを用いる本明細書に記載の方法を、様々な商業的に価値のある植物と共に用いることができる。本明細書で有用なものとして記載されるサフルフェナシル耐性植物系を、伝統的な植物育種などにより、直接的または間接的に、すなわち、除草剤処理のための作物として、または開発のためのサフルフェナシル耐性形質ドナー系として、雑草制御方法において用いて、そのような形質または複数の形質を含む他の変種および/またはハイブリッド作物を作製することができる。先祖のサフルフェナシル耐性形質または複数の形質を含むそのような得られる変種またはハイブリッド作物は全て、本明細書では先祖のサフルフェナシル耐性系(複数も可)の後代または子孫と呼ぶことができる。そのような得られる植物を、先祖植物の「除草剤耐性特性(複数も可)」を保持すると言うことができる、すなわち、それらは前記形質の原因となる先祖の遺伝分子成分を有し、発現することを意味している。
【0031】
一態様において、本発明は、シトクロムP450ポリペプチドの発現が植物または植物部分にサフルフェナシルへの耐性を付与する前記ポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドを含む前記植物または植物部分を提供する。
【0032】
いくつかの実施形態においては、シトクロムP450ポリペプチドは、CYP81AアイソフォームまたはCY73Aアイソフォームポリペプチドである。他の実施形態においては、シトクロムP450ポリペプチドは、CYP81A6、NSF1、CYP73A38、またはCYP72A15である。一実施形態においては、CYP81AアイソフォームはCYP81A6またはNSF1である。
【0033】
他の実施形態においては、本発明は、P450ポリペプチドがNSF1以外のシトクロムP450であるという条件で、シトクロムP450ポリペプチドの発現が植物または植物部分にサフルフェナシルへの耐性を付与する前記ポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドを含む前記植物または植物部分を提供する。別の実施形態においては、NSF1はトウモロコシNSF1以外のものである。
【0034】
CYP81A6アミノ酸配列は、例えば、GenBank受託番号AAK63920.1(その全体が参照により本明細書に組入れられるものとする)により開示されている。
【0035】
一実施形態においては、本発明の植物または植物部分は、CYP81A6ポリペプチドの発現が植物または植物部分にサフルフェナシルへの耐性を付与する前記ポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。別の実施形態においては、CYP81A6ポリペプチドは、イネポリペプチドである。他の実施形態においては、CYP81A6ポリペプチドは、配列番号1(表1)に記載のアミノ酸配列を有する。
【0036】
表1:配列番号1
【表1】

【0037】
CYP81A6ポリペプチドをコードする核酸配列を表2に示す。
【0038】
表2:配列番号2
【表2】

【0039】
別の実施形態においては、CYP81A6ポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドは、配列番号2に記載の核酸配列を有する。
【0040】
NSF1アミノ酸配列は、例えば、GenBankアクセッション番号ACG28028.1(その全体が参照により本明細書に組入れられるものとする)により開示されている。
【0041】
一実施形態においては、本発明の植物または植物部分は、NSF1ポリペプチドの発現が植物または植物部分にサフルフェナシルへの耐性を付与する前記ポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。別の実施形態においては、NSF1ポリペプチドは、トウモロコシポリペプチドである。他の実施形態においては、NSF1ポリペプチドは、配列番号3(表3)に記載のアミノ酸配列を有する。
【0042】
表3:配列番号3
【表3】

【0043】
NSF1ポリペプチドをコードする核酸配列を表4に示す。
【0044】
表4:配列番号4
【表4】

【0045】
一実施形態においては、NSF1ポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドは、配列番号4に記載の核酸配列を有する。
【0046】
CYP73A38アミノ酸配列は、例えば、GenBankアクセッション番号NP_001055190.1(その全体が参照により本明細書に組入れられるものとする)により開示されている。
【0047】
一実施形態においては、本発明の植物または植物部分は、CYP73A38ポリペプチドの発現が植物または植物部分にサフルフェナシルへの耐性を付与する前記ポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。別の実施形態においては、CYP73A38ポリペプチドは、イネポリペプチドである。他の実施形態においては、CYP73A38ポリペプチドは、配列番号5(表5)に記載のアミノ酸配列を有する。
【0048】
表5:配列番号5
【表5】

【0049】
CYP73A38ポリペプチドをコードする核酸配列を表6に示す。
【0050】
表6:配列番号6
【表6】


【0051】
別の実施形態においては、CYP73A38ポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドは、配列番号7に記載の核酸配列を有する。
【0052】
CYP72A15アミノ酸配列は、例えば、GenBankアクセッション番号NP_001043632.1(その全体が参照により本明細書に組入れられるものとする)に開示されている。一実施形態においては、本発明の植物または植物部分は、CYP72A15ポリペプチドの発現が植物または植物部分にサフルフェナシルへの耐性を付与する前記ポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドを含む。別の実施形態においては、CYP72A15ポリペプチドはイネポリペプチドである。他の実施形態においては、CYP72A15ポリペプチドは配列番号7(表7)に記載のアミノ酸配列を有する。
【0053】
表7:配列番号7
【表7】

【0054】
CYP72A15ポリペプチドをコードする核酸配列を表8に示す。
【0055】
表8:配列番号8
【表8】


【0056】
別の実施形態においては、CYP72A15ポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドは、配列番号8に記載の核酸配列を有する。
【0057】
限定されるものではないが、シトクロムP450アミノ酸および核酸配列のさらなる例を、それぞれ表9および10に示す。
【0058】
表9:CYP450ポリペプチドアミノ酸配列の例
【表9】



【0059】
表10:CYP450ポリペプチドをコードする核酸配列の例
【表10】





【0060】
他の実施形態においては、本発明による使用のためのシトクロムP450ポリペプチドは、変異体の完全長にわたって、配列番号1、3、5、7、または29に対して少なくとも約80%、例えば、少なくとも約80%、90%、95%、98%、99%以上のアミノ酸配列同一性を有する機能的変異体である。
【0061】
別の実施形態においては、本発明による使用のためのシトクロムP450ポリペプチドは、配列番号1、3、5、7、または29に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドの機能的断片である。
【0062】
ポリヌクレオチドについては、シトクロムP450ポリペプチドをコードする縮重配列およびコドン最適化配列も、本発明の範囲内にある。
【0063】
かくして、シトクロムポリペプチドの機能的変異体および断片、ならびにそれらをコードする核酸分子も、本明細書で別途具体的に記載されない限り、P450ポリペプチドの起源およびそれが天然に存在するかどうかとは無関係に、本発明の範囲内にある。
【0064】
P450ポリペプチドの機能性に関する様々なアッセイを用いることができる。例えば、P450ポリペプチドの機能的変異体または断片をアッセイして、サフルフェナシル解毒を付与するその能力を決定することができる。例として、サフルフェナシル解毒速度を、P450ポリペプチドの変異体または断片をコードする組換えポリヌクレオチドを含む植物または植物部分であって、該変異体または断片を発現しない同様に処理された対照植物と比較して、全細胞タンパク質の最大で約0.5%、例えば、約0.05〜約0.5%、約0.1〜約0.4%、および約0.2〜約0.3%の該変異体または断片を発現する前記植物または植物部分におけるサフルフェナシルへの耐性の決定可能な増加を提供するのに十分な触媒速度と定義することができる。
【0065】
いくつかの実施形態においては、P450ポリペプチドは、配列番号1、3、5、7または29に記載のアミノ酸配列を有するシトクロムの機能的変異体または断片であって、配列番号1、3、5、7または29に対して少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有する、前記機能的変異体または断片である。他の実施形態においては、前記機能的変異体または断片はさらに、該変異体または断片をコードする組換えポリヌクレオチドを含む植物または植物部分であって、該変異体または断片を発現しない同様に処理された対照植物と比較して全細胞タンパク質の最大で約0.5%の該変異体または断片を発現する前記植物または植物部分において、サフルフェナシルへの耐性の決定可能な増加を提供するのに十分な触媒速度と定義されるサフルフェナシル解毒速度を有する。
【0066】
さらに、当業者であれば、本発明のヌクレオチド配列中に突然変異により変化を導入することによって、タンパク質の生物活性を変化させることなく、コードされたタンパク質のアミノ酸配列の変化をもたらすことができることをさらに理解するであろう。かくして、例えば、配列番号1、3、5、7または29のものと異なるアミノ酸配列を有するP450ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド分子を、1個以上のアミノ酸置換、付加または欠失がコードされたタンパク質中に導入されるように、対応するヌクレオチド配列中に1個以上のヌクレオチド置換、付加または欠失を導入することにより作製することができる。部位特異的突然変異誘発およびPCR媒介性突然変異誘発などの標準的な技術により、突然変異を導入することができる。そのような変異ヌクレオチド配列も本発明により包含される。例えば、好ましくは、1個以上の予測される、好ましくは非必須アミノ酸残基で保存的アミノ酸置換を行うことができる。「非必須」アミノ酸残基は、生物活性を変化させることなく、タンパク質の野生型配列から変化させてもよい残基であるが、「必須」アミノ酸残基は、生物活性にとって必要である。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似する側鎖を有するアミノ酸残基で置換されたものである。類似する側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当業界で定義されている。これらのファミリーとしては、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β-分枝側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸が挙げられる。そのような置換は、保存されたアミノ酸残基または保存されたモチーフ内にあるアミノ酸残基について行うことはできない。
【0067】
本発明のタンパク質を、アミノ酸置換、欠失、トランケーション、および挿入などの様々な方法で変化させることができる。そのような操作の方法は、当業界で一般的に公知である。例えば、DNA中での突然変異によりアミノ酸配列変異体を調製することができる。突然変異誘発およびヌクレオチド配列変化のための方法は、当業界でよく知られている。例えば、Kunkel (1985) PNAS, 82:488-492; Kunkelら(1987) Methods in Enzymol. 154:367-382; 米国特許第4,873,192号; WalkerおよびGaastra(編)、(1983) Techniques in Molecular Biology (MacMillan Publishing Company, New York)ならびにそこに引用された参考文献を参照されたい。目的のタンパク質の生物活性に影響しない好適なアミノ酸置換に関する指針を、参照により本明細書に組入れられるものとするDayhoffら(1978) Atlas of Protein Sequence and Structure (Natl. Biomed. Res. Found., Washington, D. C)のモデルに見出すことができる。あるアミノ酸を類似する特性を有する別のアミノ酸と交換することなどの保存的置換が好ましい。
【0068】
あるいは、飽和突然変異誘発などにより、コード配列の全部または一部に沿って無作為に突然変異を導入することによって変異ヌクレオチド配列を作製し、得られた突然変異体をスクリーニングして、活性を保持するタンパク質をコードする突然変異体を同定することができる。例えば、突然変異誘発の後、コードされたタンパク質を組換え的に発現させ、該タンパク質の活性を標準的なアッセイ技術を用いて決定することができる。
【0069】
他の態様において、本発明は、本発明のサフルフェナシル耐性植物の後代または子孫ならびに本発明のサフルフェナシル耐性植物から誘導された種子および本発明のサフルフェナシル耐性植物から誘導された細胞を包含する。
【0070】
いくつかの実施形態においては、本発明は、植物の細胞の少なくともいくつかに、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含む植物から誘導される後代または子孫植物であって、該プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるCYP81AまたはCYP73Aポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与する前記後代または子孫植物であって、その細胞の少なくともいくつかに、調節配列に機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含み、該後代または子孫植物中での前記ポリペプチドの発現が該後代または子孫植物にサフルフェナシルへの耐性を付与する、前記後代または子孫植物を提供する。他の実施形態においては、前記組換えポリヌクレオチドはCYP72A15ポリペプチドをコードし、該ポリペプチドの発現は前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与する。
【0071】
一実施形態においては、本発明の種子は、好ましくは、サフルフェナシル耐性植物のサフルフェナシル耐性特性を含む。他の実施形態においては、種子は、植物の細胞の少なくともいくつかに、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含む植物であって、該プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるCYP81AまたはCYP73Aポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与する、前記植物に発芽することができる。他の実施形態においては、前記組換えポリヌクレオチドはCYP72A15ポリペプチドをコードし、該ポリペプチドの発現は前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与する。
【0072】
いくつかの実施形態においては、本発明の植物細胞は、植物または植物部分を再生することができる。他の実施形態においては、植物細胞は、植物または植物細胞を再生することができない。植物を再生することができない細胞の例としては、限定されるものではないが、内胚乳、種子外皮(種皮および果皮)、ならびに根冠が挙げられる。
【0073】
別の実施形態においては、本発明は、植物の細胞の少なくともいくつかに、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含む植物の植物細胞または該植物を再生することができる植物細胞であって、該プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるCYP81AまたはCYP73Aポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与し、前記植物細胞がプロモーターに機能し得る形で連結された前記組換えポリヌクレオチドを含む、前記植物細胞を提供する。他の実施形態においては、前記組換えポリヌクレオチドはCYP72A15ポリペプチドをコードし、該ポリペプチドの発現は前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与する。
【0074】
他の実施形態においては、本発明は、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含む植物細胞であって、該組換えポリヌクレオチドが、該ポリヌクレオチドによりコードされるCYP81AまたはCYP73Aポリペプチドを発現するために前記細胞中で有効であり、該ポリペプチドの発現が該細胞にサフルフェナシルへの耐性を付与する、前記植物細胞を提供する。他の実施形態においては、前記組換えポリヌクレオチドはCYP72A15ポリペプチドをコードし、該ポリペプチドの発現は前記細胞にサフルフェナシルへの耐性を付与する。
【0075】
いくつかの態様において、本発明は、本明細書に記載のサフルフェナシル耐性植物から調製された植物産物を提供する。いくつかの実施形態においては、植物産物の例としては、限定されるものではないが、穀物、油、および粉末が挙げられる。一実施形態においては、植物産物は、植物穀物(例えば、食品としての使用にとって、もしくは加工にとって好適な穀物)、植物油(例えば、食品もしくはバイオディーゼルとしての使用にとって好適な油)、または植物粉末(例えば、飼料としての使用にとって好適な粉末)である。
【0076】
一実施形態においては、植物または植物部分が、その細胞の少なくともいくつかに、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含み、該組換えポリヌクレオチドが該ポリヌクレオチドによりコードされるCYP81AまたはCYP73Aポリペプチドを発現するために該植物または植物部分の細胞中で有効であり、該ポリペプチドの発現が該植物または植物部分にサフルフェナシルへの耐性を付与する、前記植物または植物部分から調製された植物産物を提供する。他の実施形態においては、前記組換えポリヌクレオチドはCYP72A15ポリペプチドをコードし、該ポリペプチドの発現は前記植物または植物部分にサフルフェナシルへの耐性を付与する。
【0077】
いくつかの態様において、本発明は、サフルフェナシル耐性植物の作製方法を提供する。一実施形態においては、前記方法は、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドで形質転換された前記植物細胞であって、該組換えポリヌクレオチドが該ポリヌクレオチドによりコードされるCYP81AまたはCYP73Aポリペプチドを発現するために前記細胞中で有効であり、該ポリペプチドの発現が前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与する前記植物細胞から植物を再生させることを含む。他の実施形態においては、前記組換えポリヌクレオチドはCYP72A15ポリペプチドをコードし、該ポリペプチドの発現は前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与する。
【0078】
必要に応じて、形質転換植物中での発現の増加のために、核酸配列を最適化することができる。例えば、植物中での発現の改善のための植物にとって好ましいコドンを含むコード配列を提供することができる。宿主にとって好ましいコドン使用の考察については、例えば、CampbellおよびGowri (1990) Plant Physiol., 92:1-11を参照されたい。植物にとって好ましい遺伝子を調製するための方法も当業界で公知である。例えば、米国特許第5,380,831号および第5,436,391号、ならびにMurrayら(1989) Nucleic Acids Res. 17:477-498(参照により本明細書に組入れられるものとする)を参照されたい。さらに、細胞宿主中での遺伝子発現を増強するさらなる配列改変が公知である。これらのものとしては、疑似ポリアデニル化シグナル、エクソン-イントロンスプライス部位シグナル、トランスポゾン様反復、および遺伝子発現にとって有害であり得る他のそのようなよく特性評価された配列をコードする配列の排除が挙げられる。前記配列のG-C含量を、宿主細胞中で発現される既知の遺伝子を参照して算出される、所与の細胞宿主の平均レベルに調整することができる。また、必要に応じて、予測されるヘアピン二次mRNA構造を回避するために、配列を容易に改変することができる。遺伝子発現を増強するためのヌクレオチド配列を、植物発現ベクター中で用いることもできる。これらのものとしては、例えば、トウモロコシAdhlのイントロン、intronl遺伝子(Callisら、Genes and Development 1:1183-1200, 1987)、ならびにタバコモザイクウイルス(TMV)、トウモロコシ退緑斑紋ウイルスおよびアルファルファモザイクウイルス(Gallieら、Nucleic Acid Res. 15:8693-8711, 1987およびSkuzeskiら、Plant MoI. Biol. 15:65-79, 1990)に由来するリーダー配列(W-配列)が挙げられる。トウモロコシのshrunken-1遺伝子座に由来する第1イントロンは、キメラ遺伝子構築物中での遺伝子の発現を増加させることが示されている。米国特許第5,424,412号および第5,593,874号は、遺伝子発現構築物中での特異的イントロンの使用を開示し、Gallieら(Plant Physiol. 106:929-939, 1994)も、組織特異的な遺伝子発現を調節するのにイントロンが有用であることを示している。遺伝子発現をさらに増強するか、または最適化するために、本発明の植物発現ベクターはまた、マトリックス結合領域(MAR)を含むDNA配列を含んでもよい。次いで、そのような改変された発現系で形質転換された植物細胞は、本発明のヌクレオチド配列の過剰発現または構成的発現を示してもよい。
【0079】
発現ベクターは、発現構築物中に5'リーダー配列をさらに含んでもよい。そのようなリーダー配列は、翻訳を増強するように作用することができる。翻訳リーダーは当業界で公知であり、ピコルナウイルスリーダー、例えば、EMCVリーダー(脳心筋炎5'非コード領域)(Elroy-Steinら(1989) PNAS, 86:6126-6130); ポチウイルスリーダー、例えば、TEVリーダー(タバコエッチ病ウイルス) (Gallieら(1995) Gene 165(2):233-238)、MDMVリーダー(トウモロコシドワーフモザイクウイルス) (Virology 154:9-20)、およびヒト免疫グロブリン重鎖結合タンパク質 (BiP) (Macejakら(1991) Nature 353:90-94); アルファルファモザイクウイルスの外被タンパク質mNRAに由来する非翻訳リーダー (AMV RNA 4) (Joblingら(1987) Nature 325:622-625); タバコモザイクウイルスリーダー (TMV) (Gallieら(1989) Molecular Biology of RNA、Cech(編)(Liss, New York), pp. 237-256); ならびにトウモロコシ退緑斑紋ウイルスリーダー (MCMV) (Lommelら(1991) Virology 81:382-385)が挙げられる。また、Della-Cioppaら(1987) Plant Physiol. 84:965-968も参照されたい。
【0080】
翻訳を増強することが知られる他の方法、例えば、イントロンなどを用いることもできる。発現ベクターを調製する際に、様々な核酸断片を操作して、適切な向きに、および必要に応じて、適切な読み枠で核酸配列を提供することができる。このような目的で、アダプターまたはリンカーを用いて核酸断片を連結するか、または他の操作を含有させて、都合の良い制限部位、余分な核酸の除去、制限部位の除去などを提供することができる。この目的のために、in vitro突然変異誘発、プライマー修復、制限酵素処理、アニーリング、再置換、例えば、転移およびトランスバージョンを含有させることができる。
【0081】
多数のプロモーターを、本発明の実施において用いることができる。所望の結果に基づいて、プロモーターを選択することができる。植物中での発現のために構成的、組織にとって好ましい、または他のプロモーターと前記核酸を組合わせることができる。
【0082】
構成的プロモーターとしては、例えば、Rsyn7プロモーターのコアプロモーターならびにWO 99/43838および米国特許第6,072,050号に開示された他の構成的プロモーター; コアCaMV 35Sプロモーター (Odellら(1985) Nature 313:810-812); イネアクチン (McElroyら(1990) Plant Cell 2:163-171); ユビキチン (Christensenら(1989) Plant MoI. Biol. 12:619-632およびChristensenら(1992) Plant MoI. Biol. 18:675-689); pEMU (Lastら(1991) Theor. Appl. Genet. 81:581- 588); MAS (Veltenら(1984) EMBO J. 3:2723-2730); ALSプロモーター(米国特許第5,659,026号)などが挙げられる。他の構成的プロモーターとしては、例えば、米国特許第5,608,149号; 第5,608,144号; 第5,604,121号; 第5,569,597号; 第5,466,785号; 第5,399,680号; 第5,268,463号; 第5,608,142号; および第6,177,611号が挙げられる。
【0083】
組織にとって好ましいプロモーターを用いて、特定の植物組織内での発現の増強を標的化することができる。そのような組織にとって好ましいプロモーターとしては、限定されるものではないが、葉にとって好ましいプロモーター、根にとって好ましいプロモーター、種子にとって好ましいプロモーター、および茎にとって好ましいプロモーターが挙げられる。組織にとって好ましいプロモーターのいくつかの例は、例えば、Yamamotoら(1997) Plant J. 12(2):255-265; Kawamataら(1997) Plant Cell Physiol. 38(7):792-803; Hansenら(1997) MoI. Gen Genet. 254(3):337-343; Russellら(1997) Transgenic Res. 6(2): 157-168; Rinehartら(1996) Plant Physiol. 112(3): 1331-1341; Van Campら(1996) Plant Physiol. 112(2):525-535; Canevasciniら(1996) Plant Physiol. 112(2):513-524; Yamamotoら(1994) Plant Cell Physiol. 35(5):773-778; Lam (1994) Results Probl. Cell Differ. 20:181- 196; Orozco ef α/. (1993) Plant MoI Biol. 23(6): 1129-1138; Matsuokaら(1993) Voc Natl. Acad. ScL USA 90(20):9586-9590; およびGuevara-Garciaら(1993) Plant J 4(3):495-505により記載されている。必要に応じて、弱い発現のためにプロモーターを改変してもよい。
【0084】
いくつかの実施形態においては、目的の核酸を、発現のために葉緑体に対して標的化することができる。このように、目的の核酸を葉緑体中に直接挿入しない場合、発現ベクターは、目的の遺伝子産物を葉緑体に指向させる葉緑体輸送ペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む葉緑体標的化配列をさらに含むであろう。そのような輸送ペプチドは当業界で公知である。葉緑体標的化配列に関して、「機能し得る形で連結された」とは、輸送ペプチドをコードする核酸配列(すなわち、葉緑体標的化配列)が、本発明の望ましいコード配列に、その2個の配列が連続的であり、同じ読み枠にあるように連結されていることを意味する。例えば、Von Heijneら(1991) Plant MoI. Biol. Rep. 9:104-126; Clarkら(1989) J Biol. Chem. 264:17544-17550; Della-Cioppaら(1987) Plant Physiol. 84:965-968; Romerら(1993) Biochem. Biophys. Res. Commun. 196:1414-1421; およびShahら(1986) Science 233:478-481を参照されたい。例えば、当業界で公知の葉緑体輸送ペプチドを、P450をコードするヌクレオチド配列の5'末端に葉緑体標的化配列を機能し得る形で連結することにより、本発明のP450ポリペプチドのアミノ酸配列に融合させることができる。
【0085】
葉緑体標的化配列は当業界で公知であり、リブロース-1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ(Rubisco)の葉緑体小サブユニット(de Castro Silva Filhoら(1996) Plant MoI. Biol. 30:769-780; Schnellら(1991) J Biol. Chem. 266(5):3335-3342); EPSPS (Archerら(1990) J Bioenerg. Biomemb. 22(6):789-810); トリプトファンシンターゼ (Zhaoら(1995) J Biol. Chem. 270(11):6081-6087); プラストシアニン (Lawrenceら(1997) J Biol. Chem. 272(33):20357-20363); コリスミ酸シンターゼ (Schmidtら(1993) J Biol. Chem. 268(36):27447-27457); および集光性葉緑素a/b結合タンパク質(LHBP) (Lamppaら(1988) J Biol. Chem. 263:14996-14999)が挙げられる。また、Von Heijneら(1991) Plant MoI. Biol. Rep. 9:104-126; Clarkら(1989) J Biol. Chem. 264:17544-17550; Della-Cioppaら(1987) Plant Physiol. 84:965-968; Romerら(1993) Biochem. Biophys. Res. Commun. 196:1414-1421; およびShahら(1986) Science 233:478-481も参照されたい。
【0086】
葉緑体の形質転換のための方法は、当業界で公知である。例えば、Svabら(1990) Proc. Natl. Acad. ScL USA 87:8526-8530; SvabおよびMaliga (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:913-917; SvabおよびMaliga (1993) EMBO J. 12:601-606を参照されたい。この方法は、選択マーカーを含むDNAの粒子銃送達および相同組換えによるプラスチドゲノムへのDNAの標的化に依存する。さらに、プラスチド形質転換を、核にコードされ、プラスチドを指向するRNAポリメラーゼの組織にとって好ましい発現によるサイレントプラスチド媒介性トランスジーンのトランス活性化によって達成することができる。そのような系は、McBrideら(1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:7301-7305に報告されている。
【0087】
葉緑体に対して標的化される目的の核酸を、植物の核とこの器官との間のコドン使用の差異の原因となる葉緑体中での発現のために最適化することができる。このように、目的の核酸を、葉緑体にとって好ましいコドンを用いて合成することができる。例えば、参照により本明細書に組入れられるものとする米国特許第5,380,831号を参照されたい。
【0088】
多数の植物形質転換ベクターおよび植物を形質転換するための方法が利用可能である。例えば、An, G.ら(1986) Plant PysioL, 81:301-305; Fry, J.ら(1987) Plant Cell Rep. 6:321-325; Block, M. (1988) Theor. Appl. Genet .16:161-11 A; Hincheeら(1990) Stadler. Genet. Symp.2032/2.203-2/2; Cousinsら(1991) Aust. J. Plant Physiol. 18:481-494; Chee, P. P.およびSlightom, J. L. (1992) Gene.118:255-260; Christouら(1992) Trends. Biotechnol. 10:239-246; Ηalluinら(1992) Bio/Technol. 10:309-314; Dhirら(1992) Plant Physiol. 99:81-88; Casasら(1993) Proc. Nat. Acad Sd. USA 90:11212-11216; Christou, P. (1993) In Vitro Cell. Dev. Biol.-Plant; 29P:119-124; Daviesら(1993) Plant Cell Rep. 12:180-183; Dong, J. A.およびMchughen, A. (1993) Plant ScL 91:139-148; Franklin, C. I.およびTrieu, T. N. (1993) Plant. Physiol. 102:167; Golovkinら(1993) Plant ScL 90:41-52; Guo Chin ScL Bull. 38:2072-2078; Asanoら(1994) Plant Cell Rep. 13; Ayeres N. M.およびPark, W. D. (1994) Crit. Rev. Plant. Sci. 13:219-239; Barceloら(1994) Plant. J. 5:583-592; Beckerら(1994) Plant. J. 5:299-307; Borkowskaら(1994) Acta. Physiol Plant. 16:225-230; Christou, P. (1994) Agro. Food. Ind. Hi Tech. 5: 17-27; Eapenら(1994) Plant Cell Rep. 13:582-586; Hartmanら(1994) Bio-Technology 12: 919923; Ritalaら(1994) Plant. Mol. Biol. 24:317-325; ならびにWan, Y. C.およびLemaux, P. G. (1994) Plant Physiol. 104:3748を参照されたい。
【0089】
いくつかの実施形態においては、本発明の方法は、ポリヌクレオチド構築物を植物中に導入することを含む。「導入すること」は、構築物が植物の細胞の内部に進入するような様式で植物にポリヌクレオチド構築物を提供することを意図する。本発明の方法は、ポリヌクレオチド構築物が植物の少なくとも1個の細胞の内部に進入するというだけで、ポリヌクレオチド構築物を植物に導入するための特定の方法に依らない。ポリヌクレオチド構築物を植物に導入する方法は当業界で公知であり、限定されるものではないが、安定な形質転換法、一過的形質転換法、およびウイルスを媒介する方法が挙げられる。
【0090】
「安定な形質転換」とは、植物に導入されるポリヌクレオチド構築物が該植物のゲノム中に組込まれ、その子孫によって受け継がれ得ることを意図する。「一過的形質転換」とは、植物に導入されるポリヌクレオチド構築物が該植物のゲノム中に組込まれないことを意図する。
【0091】
植物および植物細胞の形質転換のために、本発明のヌクレオチド配列を、植物または植物細胞中でのヌクレオチド配列の発現にとって好適である当業界で公知の任意のベクター中に、標準的な技術を用いて挿入する。ベクターの選択は、好ましい形質転換技術および形質転換される標的植物種に依存する。本発明の一実施形態においては、コードヌクレオチド配列を、植物プロモーター、例えば、植物細胞中での高レベルの発現のための当業界で公知のプロモーターに機能し得る形で連結した後、この構築物を、サフルフェナシルに対する感受性の高い植物細胞中に導入する;および形質転換植物を再生させる。いくつかの実施形態においては、形質転換植物は、非形質転換細胞から再生された植物を殺傷するか、または著しく損傷するであろうレベルのサフルフェナシルへの曝露に対して耐性である。この方法を、任意の植物種または作物に適用することができる。
【0092】
植物発現ベクターを構築し、外来核酸を植物に導入する方法は、当業界で一般的に公知である。例えば、腫瘍誘導性(Ti)プラスミドベクターを用いて、外来DNAを植物に導入することができる。外来DNAの送達に用いられる他の方法は、PEG媒介性プロトプラスト形質転換、エレクトロポレーション、マイクロインジェクションウィスカー、直接DNA取込みのための遺伝子銃または微粒子銃の使用を含む。そのような方法は、当業界で公知である(Vasilらの米国特許第5,405,765号; Bilangら(1991) Gene 100: 247-250; Scheidら(1991) MoL Gen. Genet., 228: 104-112; Guercheら(1987) Plant Science 52: 111-116; Neuhauseら(1987) Theor. Appl Genet. 75: 30-36; Kleinら(1987) Nature 327: 70-73; Howellら(1980) Science 208:1265; Horschら(1985) Science 227: 1229-1231; DeBlockら(1989) Plant Physiology 91: 694-701; Methods for Plant Molecular Biology (WeissbachおよびWeissbach(編)) Academic Press, Inc. (1988)ならびにMethods in Plant Molecular Biology (SchulerおよびZielinski(編)) Academic Press, Inc. (1989))。
【0093】
植物細胞にヌクレオチド配列を導入する他の好適な方法としては、例えば、Crosswayら(1986) Biotechniques 4:320-334により記載されたマイクロインジェクション、例えば、Riggsら(1986) Proc. Natl. Acad. ScL USA 83:5602-5606により記載されたエレクトロポレーション、例えば、Townsendら、米国特許第5,563,055号、Zhaoら、米国特許第5,981,840号により記載されたアグロバクテリウム媒介性形質転換、例えば、Paszkowskiら(1984) EMBO J. 3:2717-2722により記載された直接遺伝子導入、ならびに例えば、米国特許第4,945,050号; 第5,879,918号; 第5,886,244号; および第5,932,782号; Tomesら(1995) "Direct DNA Transfer into Intact Plant Cells via Microprojectile Bombardment," Plant Cell, Tissue, and Organ Culture: Fundamental Methods, GamborgおよびPhillips(編) (Springer- Verlag, Berlin); McCabeら(1988) Biotechnology 6:923-926)により記載された弾道粒子加速法; およびLecl形質転換 (WO 00/28058)が挙げられる。また、Weissingerら(1988) Ann. Rev. Genet. 22:421-477; Sanfordら(1987) Particulate Science and Technology 5:27-37 (タマネギ); Christouら(1988) Plant Physiol. 87:671-674 (大豆); McCabeら(1988) Bio/Technology 6:923-926 (大豆); FinerおよびMcMullen (1991) In Vitro Cell Dev. Biol. 27P:175-182 (大豆); Singhら(1998) Theor. Appl. Genet. 96:319-324 (大豆); Dattaら(1990) Biotechnology 8:736-740 (イネ); Kleinら(1988) PNAS, 85:4305-4309 (トウモロコシ); Kleinら(1988) Biotechnology 6:559-563 (トウモロコシ); 米国特許第5,240,855号; 第5,322,783号; および第5,324,646号; Tomesら(1995) "Direct DNA Transfer into Intact Plant Cells via Microprojectile Bombardment," Plant Cell, Tissue, and Organ Culture: Fundamental Methods, Gamborg(編) (Springer- Verlag, Berlin) (トウモロコシ); Kleinら(1988) Plant Physiol. 91:440-444 (トウモロコシ); Frommら(1990) Biotechnology 8:833-839 (トウモロコシ); Hooykaas-Van Slogterenら(1984) Nature (London) 311:763-764; Bowenら、米国特許第5,736,369号 (穀類); Bytebierら(1987) PNAS 84:5345-5349 (ユリ科); De Wetら(1985) The Experimental Manipulation of Ovule Tissues, Chapmanら(編)(Longman, New York), pp. 197-209 (花粉); Kaepplerら(1990) Plant Cell Reports 9:415-418およびKaepplerら(1992) Theor. Apph Genet. 84:560-566 (ウィスカー媒介性形質転換); D'Halluinら(1992) Plant Cell 4:1495-1505 (エレクトロポレーション); Liら(1993) Plant Cell Reports 12:250- 255ならびにChristouおよびFord (1995) Annals of Botany 75:407-413 (イネ); Osjodaら(1996) Nature Biotechnology 14:745-750 (アグロバクテリウム・ツメファシエンス (Agrobacterium tumefaciens)を介するトウモロコシ)(それぞれ参照により本明細書に組入れられるものとする)も参照されたい。
【0094】
いくつかの実施形態においては、本発明のポリヌクレオチドを、植物とウイルスまたはウイルス核酸とを接触させることにより植物に導入することができる。一般的には、そのような方法は、ウイルスDNAまたはRNA分子内に本発明のポリヌクレオチド構築物を組込むことを含む。本発明のポリペプチドをウイルスポリタンパク質の一部として最初に合成した後、in vivoまたはin vitroでのタンパク質溶解により処理して、所望の組換えポリペプチドを産生することができることが認識される。さらに、本発明のプロモーターはまた、ウイルスRNAポリメラーゼによる転写に用いられるプロモーターも包含することが認識される。ポリヌクレオチド構築物を植物に導入し、ウイルスDNAまたはRNA分子を含む、その中でコードされるタンパク質を発現させる方法は、当業界で公知である。例えば、米国特許第5,889,191号、第5,889,190号、第5,866,785号、第5,589,367号および第5,316,931号(参照により本明細書に組入れられるものとする)を参照されたい。形質転換された細胞を、従来の方法に従って植物に成長させることができる。例えば、McCormickら(1986) Plant Cell Reports 5:81-84を参照されたい。次いで、これらの植物を成長させ、同じ形質転換株または異なる株に受粉させ、所望の表現型特性を構成的に発現する得られたハイブリッドを同定することができる。2以上の世代を成長させて、所望の表現型特性の発現が安定に維持、遺伝されることを確保した後、種子を収穫して所望の表現型特性の発現が達成されたことを確保することができる。
【0095】
本発明を、限定されるものではないが、単子葉植物および双子葉植物などの任意の植物種の形質転換に用いることができる。目的の植物種の例としては、限定されるものではないが、コーンもしくはトウモロコシ(Zea mays)、アブラナ種(例えば、ブラシカ・ナプス(B. napus)、ブラシカ・ラパ(B. rapa)、ブラシカ・ジュンセア(B. juncea))、特に、種油の起源として有用なアブラナ種、アルファルファ(メジカゴ・サティバ(Medicago sativa))、イネ(オリザ・サティバ(Oryza sativa))、ライムギ(セカレ・セレアレ(Secale cereale))、ソルガム(ソルガム・バイカラー(Sorghum bicolor)、ソルガム・ブルガレ(Sorghum vulgare))、キビ(例えば、トウジンビエ(ペニセタム・グラウカム(Pennisetum glaucum))、キビ(パニカム・ミリアセウム(Panicum miliaceum))、アワ(セタリア・イタリカ(Setaria italica))、シコクビエ(エレウシン・コラカナ(Eleusine coracana)))、ヒマワリ(ヘリアンタス・アンヌス(Helianthus annuus))、ベニバナ(カルタムス・チンクトリウス(Carthamus tinctorius))、コムギ(トリチカム・エスチバム(Triticum aestivum)、トリチカム・ツルギダム亜種デュラム(T. Turgidum ssp. durum))、大豆(グリシン・マックス(Glycine max))、タバコ(ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum))、ジャガイモ(ソラリウム・ツベロサム(Solarium tuberosum))、ピーナッツ(アラキス・ヒポゲア(Arachis hypogaea))、ワタ(ゴシピウム・バルバデンス(Gossypium barbadense)、ゴシピウム・ヒルスタム(Gossypium hirsutum))、サツマイモ(イポメア・バタタス(Ipomoea batatus))、キャッサバ(マニホット・エスクレンタ(Manihot esculenta))、コーヒー(コフィア種(Coffea spp.))、ココナッツ(ココス・ヌシフェラ(Cocos nucifera))、パインアップル(アナナス・コモサス(Ananas comosus))、シトラスの木(シトラス種(Citrus spp.))、ココア(テオブロマ・カカオ(Theobroma cacao))、茶(カメリア・シネンシス(Camellia sinensis))、バナナ(ムサ種(Musa spp.))、アボカド(ペルセア・アメリカーナ(Persea americana))、イチジク(フィクス・カシカ(Ficus casica))、グアバ(プシジウム・グアジャバ(Psidium guajava))、マンゴー(マンギフェラ・インディカ(Mangifera indica))、オリーブ(オレア・ユーロペア(Olea europaea))、パパイヤ(カリカ・パパヤ(Carica papaya))、カシュー(アナカルジウム・オクシデンタレ(Anacardium occidentale))、マカダミア(マカダミア・インテグリフォリア(Macadamia integrifolia))、アーモンド(プルヌス・アミグダルス(Prunus amygdalus))、サトウダイコン(ベタ・ブルガリス(Beta vulgaris))、サトウキビ(サッカラム種(Saccharum spp.))、オートムギ、オオムギ、野菜、観賞植物、および針葉樹が挙げられる。好ましくは、本発明の植物は、作物植物(例えば、ヒマワリ、アブラナ種、ワタ、サトウダイコン、大豆、ピーナッツ、アルファルファ、ベニバナ、タバコ、コーン、イネ、コムギ、ライムギ、オオムギ、ライコムギ、ソルガム、キビなど)である。
【0096】
他の態様において、本発明のサフルフェナシル耐性植物を、伝統的な植物育種などによる開発のためのサフルフェナシル耐性形質供与系として用いて、そのような形質(複数も可)を含む他の品種および/またはハイブリッド作物を作製することができる。先祖のサフルフェナシル耐性形質(複数も可)を含む、そのような得られた品種またはハイブリッド作物は全て、本明細書では先祖サフルフェナシル耐性系(複数も可)の後代または子孫と呼ぶことができる。
【0097】
他の実施形態においては、本発明は、サフルフェナシル耐性植物を作製する方法を提供する。前記方法は、第1のサフルフェナシル耐性植物と第2の植物とを交配させて、サフルフェナシル耐性後代植物を作製することを含み、第1の植物および後代植物はその細胞の少なくともいくつかに、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドであって、該ポリヌクレオチドによりコードされるCYP81AまたはCYP73Aポリペプチドを発現するのに第1の植物の細胞中で有効であり、該ポリペプチドの発現がサフルフェナシルへの耐性を付与する、前記組換えポリヌクレオチドを含む。他の実施形態においては、前記組換えポリヌクレオチドは、CYP72A15ポリペプチドをコードし、該ポリペプチドの発現はサフルフェナシルへの耐性を付与する。
【0098】
例えば、アブラナのA-、B-、およびC-ゲノムのサフルフェナシル形質(複数も可)の場合、これらを、対応するゲノムを有するアブラナ種、例えば、ブラシカ・ナプス(AACC)、ブラシカ・ジュンセア(AABB)、ブラシカ・オレラセア(B. oleracea)(CC)、ブラシカ・ラパ(AA)、ブラシカ・ニグラ(B. nigra)(BB)、ブラシカ・カリナタ(B. carinata)(BBCC)、ならびに上記のいずれかと、ダイコン種(Raphanus spp.)との交雑種の後代であるラファノブラシカ(Raphanobrassica)品種、例えば、ブラシカ・オレラセアxラファヌス・サチバス(Raphanus sativus)に由来するラファノブラシカ・バル・「ラベッジ」(Raphanobrassica var. 'rabbage')(RRCC)またはブラシカ・ラパxラファヌス・サチバスに由来するラファノブラシカ・バル・「ラパラディッシュ」(Raphanobrassica var. 'raparadish') (RRAA)に育種することができる。特に、ブラシカ・ナプス、ブラシカ・ラパ、およびブラシカ・ジュンセアは特に興味深く、いくつかの実施形態においては、ブラシカ・ナプスが好ましい。
【0099】
いくつかの実施形態においては、伝統的な植物育種を用いることによって、それから得られる後代植物にサフルフェナシル耐性形質を導入する。一実施形態においては、本発明は、サフルフェナシル耐性後代植物を作製する方法であって、親植物と、サフルフェナシル耐性植物とを交配させて、サフルフェナシル耐性植物のサフルフェナシル耐性特性を後代植物の生殖細胞質に導入することを含み、後代植物が親植物と比較して増加したサフルフェナシルへの耐性を有する、前記方法を提供する。
【0100】
他の実施形態においては、前記方法は、伝統的な植物育種技術によりサフルフェナシル耐性特性を遺伝子移入して、サフルフェナシル耐性特性を有する子孫植物を取得する工程をさらに含む。
【0101】
他の実施形態においては、本発明のサフルフェナシル耐性特性/形質を、目的の植物特性(複数も可)/形質(複数も可)の任意の組合せと共に積み重ねて、所望の複数の特性/形質の組合せを有する植物を提供することができる。
【0102】
他の態様において、本発明の植物として、サフルフェナシル耐性であることに加えて、育種、突然変異誘発または遺伝子操作によってさらに遺伝子改変にかけられた植物、例えば、AHAS阻害剤;オーキシン除草剤;ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤もしくはフィトエンデサチュラーゼ(PDS)阻害剤などの漂白除草剤;グリホサートなどのEPSPS阻害剤;グルホシナートなどのグルタミンシンテターゼ(GS)阻害剤;サフルフェナシル以外のプロトポルフィリノーゲン-IXオキシダーゼ(PPO)阻害剤(例えば、アシフルオルフェン、ブタフェナシル、カルフェントラゾン、フルフェンピル-エチル、ホメサフェン、フルミクロラック、フルミオキサジン、ラクトフェン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキシフルオルフェン、スルフェントラゾン);アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACCase)阻害剤などの脂質生合成阻害剤;または育種もしくは遺伝子操作の従来方法の結果としてのオキシニル(すなわち、ブロモキシニルもしくはイオキシニル)除草剤などの特定の他のクラスの除草剤の適用に対して耐性にされた植物が挙げられる。かくして、本発明のサフルフェナシル耐性植物を、グリホサートとグルホシナートの両方またはグリホサートと、HPPD阻害剤、AHAS阻害剤、もしくはACCase阻害剤などの別のクラスに由来する除草剤の両方に対する抵抗性などの、複数の遺伝子改変を介して複数のクラスの除草剤に対して抵抗性にすることができる。これらの除草剤抵抗性技術は、例えば、Pest Management Science (巻、年、頁の順に): 61, 2005, 246; 61, 2005, 258; 61, 2005, 277; 61, 2005, 269; 61, 2005, 286; 64, 2008, 326; 64, 2008, 332; Weed Science 57, 2009, 108; Australian Journal of Agricultural Research 58, 2007, 708; Science 316, 2007, 1185;およびそこに引用された参考文献に記載されている。
【0103】
例えば、本発明のサフルフェナシル耐性植物は、いくつかの実施形態においては、「ジム」(例えば、シクロキシジム、セトキシジム、クレトジム、またはテプラロキシジム)、「ホップ」(例えば、クロジナホップ、ジクロホップ、フルアジホップ、ハロキシホップ、またはキザロホップ)、および「デン」(ピノキサデンなど)などのACCase阻害剤;ジカンバなどのオーキシン除草剤;グリホサートなどのEPSPS阻害剤;他のPPO阻害剤;ならびにグルホシナートなどのGS阻害剤に対して耐性であってよい。
【0104】
これらのクラスの阻害剤に加えて、本発明のサフルフェナシル耐性植物はまた、他の作用様式を有する除草剤、例えば、クロロフィル/カロテノイド色素阻害剤、細胞膜破壊剤、光合成阻害剤、細胞分裂阻害剤、根阻害剤、シュート阻害剤、およびその組合せに対しても耐性であってもよい。
【0105】
そのような耐性形質を、例えば、突然変異AHASLタンパク質、突然変異ACCaseタンパク質、突然変異EPSPSタンパク質、もしくは突然変異グルタミンシンテターゼタンパク質として;または突然変異体の天然、近交系、もしくはトランスジェニックのアリールオキシアルカノエートジオキシゲナーゼ(AADもしくはDHT)、ハロアリールニトリラーゼ(BXN)、2,2-ジクロロプロピオン酸デハロゲナーゼ(DEH)、グリホサート-N-アセチルトランスフェラーゼ(GAT)、グリホサートデカルボキシラーゼ(GDC)、グリホサートオキシドリダクターゼ(GOX)、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(PATもしくはバー)、または除草剤分解活性を有するシトクロムP450(CYP450)タンパク質として発現させることができる。また、本明細書に記載のサフルフェナシル耐性植物に、限定されるものではないが、Bt Cryおよび鞘翅目昆虫、鱗翅目昆虫、線虫、もしくは他の害虫に対する殺虫活性を有する他のタンパク質などの殺虫形質;改変油含量もしくは油プロフィール形質、高いタンパク質もしくは高いアミノ酸濃度形質などの栄養もしくは栄養補助形質、ならびに当業界で公知の他の形質型などの他の形質を積み重ねることもできる。
【0106】
さらに、他の実施形態においては、組換えDNA技術の使用により、および/または育種により、1種以上の殺虫タンパク質、特に、バチルス属細菌、特に、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)に由来する公知のもの、例えば、δ-エンドトキシン、例えば、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIF、CryIF(a2)、CryIIA(b)、CryIIIA、CryIIIB(b1)もしくはCry9c;植物性殺虫タンパク質(VIP)、例えば、VIP1、VIP2、VIP3もしくはVIP3A;細菌定着性線虫、例えば、フォトラブダス(Photorhabdus)種もしくはゼノラブダス(Xenorhabdus)種の殺虫タンパク質;サソリ毒、クモ毒、ハチ毒、もしくは他の昆虫特異的神経毒などの動物により産生される毒素;ストレプトミセス毒素などの菌類により産生される毒素、エンドウ豆レクチンもしくはオオムギレクチンなどの植物レクチン;アグルチニン;トリプシン阻害剤、セリンプロテアーゼ阻害剤、パラチン、シスタチンもしくはパパイン阻害剤などのプロテイナーゼ阻害剤;リシン、トウモロコシRIP、アブリン、ルフィン、サポリンもしくはブリオジンなどのリボソーム不活化タンパク質(RIP);3-ヒドロキシ-ステロイドオキシダーゼ、エクジステロイド-IDP-グリコシル-トランスフェラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、エクジソン阻害剤もしくはHMG-CoAリダクターゼなどのステロイド代謝酵素;ナトリウムもしくはカルシウムチャンネルの遮断剤などのイオンチャンネル遮断剤;幼若ホルモンエステラーゼ;利尿ホルモン受容体(ヘリコキニン受容体);スチルベンシンターゼ、ビベンジルシンターゼ、キチナーゼもしくはグルカナーゼを合成することができるようにされた、および/またはさもなければそのような特性について選択された、サフルフェナシル耐性植物も包含される。本発明の文脈において、これらの殺虫タンパク質または毒素は、プレ毒素、ハイブリッドタンパク質、トランケート型またはさもなければ改変型タンパク質としても明確に理解されるべきである。ハイブリッドタンパク質は、タンパク質ドメインの新しい組合せを特徴とする(例えば、WO 02/015701を参照されたい)。そのような毒素またはそのような毒素を合成することができる遺伝的に改変された植物のさらなる例は、例えば、EP-A 374 753、WO 93/007278、WO 95/34656、EP-A 427 529、EP-A 451 878、WO 03/18810およびWO 03/52073に開示されている。そのような遺伝的に改変された植物を作製する方法は、当業者には一般的に公知であり、例えば、上記の刊行物に記載されている。遺伝的に改変された植物に含まれるこれらの殺虫タンパク質は、これらのタンパク質を産生する植物に、節足動物の全ての分類群に由来する害虫、特に、甲虫(鞘翅目)、双翅目昆虫(双翅目)、および蛾(鱗翅目)ならびに線虫(線形動物門)に対する耐性を付与する。
【0107】
いくつかの実施形態においては、サフルフェナシル耐性植物中での1種以上のタンパク質毒素(例えば、殺虫タンパク質)の発現は、生物、例えば、以下の網および目のメンバー:鞘翅目、例えば、アメリカマメゾウムシ(アカントセリデス・オブテクタス(Acanthoscelides obtectus));ハムシ(アゲラスティカ・アルニ(Agelastica alni)); コメツキムシ(アグリオテス・リネアタス(Agriotes lineatus)、アグリオテス・オブスクラス(Agriotes obscurus)、アグリオテス・バイカラー(Agriotes bicolor)); グレインビートル(アハスベルス・アドベナ(Ahasverus advena)); サマーシェーファー(アンフィマロン・ソルスティティアリス(Amphimallon solstitialis)); 家具食い虫(アノビウム・パンクタタム(Anobium punctatum)); アントノマス種(Anthonomus spp.)(ゾウムシ); ピグミーマンゴールドビートル(アトマリア・リネアリス(Atomaria linearis)); カーペットビートル(アントレナス種(Anthrenus spp.)、アタゲナス種(Attagenus spp.)); ヨツモンマメゾウムシ(カロソブラクス・マクラテス(Callosobruchus maculates)); クリヤケシキスイ(カルポフィルス・ヘミプテルス(Carpophilus hemipterus)); キャベツサヤゾウムシ(セウトリンクス・アシミリス(Ceutorhynchus assimilis)); ナタネ冬茎ゾウムシ(セウトリンクス・ピシタルシス(Ceutorhynchus picitarsis)); ハリガネムシ(コノデルス・ベスペルチヌス(Conoderus vespertinus)およびコノデルス・ファリ(Conoderus falli)); バショウオサゾウムシ(コスモポリテス・ソルディダス(Cosmopolites sordidus)); ニュージーランド草地虫(コステリトラ・ジーランディカ(Costelytra zealandica)); コフキコガネ(コチニス・ニチダ(Cotinis nitida)); ヒマワリ茎ゾウムシ(シリンドロコプツラス・アドスペルサス(Cylindrocopturus adspersus)); オビカツオブシムシ(デルメステス・ラルダリウス(Dermestes lardarius)); ネクイハムシ(ディアブロティカ・ビルギフェラ(Diabrotica virgifera)、ディアブロティカ・ビルギフェラ・ビルギフェラ(Diabrotica virgifera virgifera)、およびディアブロティカ・バルベリ(Diabrotica barberi)); インゲンテントウ(エピラクナ・バリベスティス(Epilachna varivestis)); イエカミキリ(ヒロトロペス・バジュラス(Hylotropes bajulus)); アルファルファタコゾウムシ(ハイペラ・ポスティカ(Hypera postica)); セマルヒョウホンムシ(ギビウム・サイロイデス(Gibbium psylloides)); タバコシバンムシ(ラシオデルマ・セリコルネ(Lasioderma serricorne)); コロラドハムシ(レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)); ヒラタキクイムシ(リクタス種(Lyctus spp.)); 花粉ビートル(メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)); ヨーロッパコフキコガネ(メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)); アメリカヒョウホンムシ(メジウム・アメリカナム(Mezium americanum)); キンイロヒョウホンムシ(ニプタス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)); グレインビートル(オリザエフィルス・スリナメンシス(Oryzaephilus surinamensis)およびオリザエフィルス・メルカトール(Oryzaephilus Mercator)); キンケクチブトゾウムシ(オチオリンクス・スルカタス(Otiorhynchus sulcatus)); マスタードビートル(ファエドン・コクレアリア(Phaedon cochleariae))、アブラナノミハムシ(フィロトレタ・クルシフェラ(Phyllotreta cruciferae)); キスジノミハムシ(フィロトレタ・ストリオラタ(Phyllotreta striolata)); キャベツ茎ノミハムシ(サイリオデス・クリソセファラ(Psylliodes chrysocephala)); プチナス種(Ptinus spp.)(ヒョウホンムシ); コナナガシンクイムシ(リゾペルタ・ドミニカ(Rhizopertha dominica)); アカアシチビコフキゾウムシ(シトナ・リネアタス(Sitona lineatus)); ココクゾウ(シトフィルス・オリザエ(Sitophilus oryzae)およびシトフィルス・グラナリエス(Sitophilus granaries)); 赤ヒマワリ種子ゾウムシ(スミクロニクス・フルバス(Smicronyx fulvus)); ジンサンシバンムシ(ステゴビウム・パニセウム(Stegobium paniceum)); チャイロコメノゴミムシダマシ(テネブリオ・モリトル(Tenebrio molitor)); フラワービートル(トリボリウム・カスタネウム(Tribolium castaneum)およびトリボリウム・コンフサム(Tribolium confusum)); キマダラカツオブシムシおよびキャビネットビートル(トロゴデルマ種(Trogoderma spp.)); サンフラワービートル(ザイゴグラマ・エクスクラマチオニス(Zygogramma exclamationis)); 革翅目(ハサミムシ類)、例えば、ヨーロッパクギヌキハサミムシ(フォルフィクラ・アウリクラリア(Forficula auricularia))およびオオハサミムシ(ラビデュラ・リパリア(Labidura riparia)); 網翅目、例えば、コバネゴキブリ(ブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)); ヤケヤスデ(オキシダス・グラシリス(Oxidus gracilis)); テンサイモグリハナバエ(ペゴミア・ベタエ(Pegomyia betae)); キモグリバエ(オシネラ・フリット(Oscinella frit)); ミバエ(ダクス種(Dacus spp.)およびドロソフィラ種(Drosophila spp.)); 等翅目(シロアリ類)、例えば、シュウカクシロアリ科(Hodotermitidae)、レイビシロアリ科(Kalotermitidae)、ムカシシロアリ科(Mastotermitidae)、ミゾガシラシロアリ科(Rhinotermitidae)、セリテルメス科(Serritermitidae)、シロアリ科(Termitidae)、オオシロアリ科(Termopsidae)の種; ミドリメクラガメ(ライグス・リネオラリス(Lygus lineolaris)); マメクロアブラムシ(アフィス・ファバエ(Aphis fabae); ワタアブラムシ(アフィス・ゴシピ(Aphis gossypii)); リンゴアブラムシ(アフィス・ポミ(Aphis pomi)); ミカントゲコナジラミ(アレウロカンタス・スピニフェルス(Aleurocanthus spiniferus)); タバココナジラミ(ベメシア・タバシ(Bemesia tabaci)); ダイコンアブラムシ(ブレビコリネ・ブラシカエ(Brevicoryne brassicae)); ヨーロッパナシキジラミ(カコプシラ・ピリコラ(Cacopsylla pyricola)); カランツアブラムシ(クリプトミザス・リビス(Cryptomyzus ribis)); ブドウネアブラムシ(ダクツロスファイラ・ビチフォリア(Daktulosphaira vitifoliae)); ミカンキジラミ(ジアフォリナ・シトリ(Diaphorina citri)); ジャガイモヒメヨコバイ(エンポアスカ・ファバエ(Empoasca fabae)); マメヨコバイ(エンポアスカ・ソラナ(Empoasca Solana)); ブドウ葉ヨコバイ(エンポアスカ・ビティス(Empoasca vitis)); リンゴワタムシ(エリオソマ・ラニゲルム(Eriosoma lanigerum)); セイヨウカジツカイガラムシ(エウレカニウム・コルニ(Eulecanium corni)); モモコフキアブラムシ(ヒアロプテルス・アルンジニス(Hyalopterus arundinis)); ヒメトビウンカ(ラオデルファクス・ストリアテルス(Laodelphax striatellus)); チューリップヒゲナガアブラムシ(マクロシファム・ユーフォビア(Macrosiphum euphorbiae)); モモアカアブラムシ(ミズス・ペルシカエ(Myzus persicae)); ツマグロヨコバイ(ネフォテチクス・シンチセプス(Nephotettix cinticeps)); トビイロウンカ(ニラパルバタ・ルーゲンス(Nilaparvata lugens)); ホップイボアブラムシ(フォロドン・ヒュムリ(Phorodon humuli)); ムギクビレアブラムシ(ロパロシファム・パジ(Rhopalosiphum padi)); ムギヒゲナガアブラムシ(シトビオン・アベナエ(Sitobion avenae)); 鱗翅目、例えば、アドキソフィエス・オラナ(Adoxophyes orana)(リンゴコカクモンハマキ); アルチプス・ポダナ(Archips podana) (果樹ハマキガ); ブクラトリックス・ピリボレラ(Bucculatrix pyrivorella)(ナシチビガ); ブクラトリックス・サルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)(コットンリーフパーフォレーター); ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)(マツシャクトリムシ); カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)(コドリンガ); チロ・スプレサリス(Chilo suppressalis)(ニカメイガ); コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)(東部トウヒノムシ); コキリス・ホスペス(Cochylis hospes)(バンデッドサンフラワーモス); ディアトラエア・グランジオセラ(Diatraea grandiosella)(サウスウェスタンコーンボーラー); ユーポエシリア・アンビグエラ(Eupoecilia ambiguella)(ブドウホソハマキ); ヘリコベルパ・アルミゲラ(Helicoverpa armigera)(オオタバコガ); ヘリコベルパ・ジー(Helicoverpa zea)(オオタバコガ); ヘリオシス・ビレセンス(Heliothis virescens)(オオタバコガ)、ホメオソマ・エレクテラム(Homeosoma electellum)(サンフラワーモス); ホモナ・マグナニマ(Homona magnanima)(チャハマキガ); リトコレティス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)(リンゴカバホソガ); リマントリア・ディスパル(Lymantria dispar)(マイマイガ); マラコソマ・ネウストリア(Malacosoma neustria)(テンマクケムシ); マメストラ・ブラシカエ(Mamestra brassicae)(ヨトウガ); マメストラ・コンフィグラタ(Mamestra configurata)(バーサアーミーワーム); オペロフテラ・ブルマタ(Operophtera brumata)(ナミスジフユナミシャク); オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)(アワノメイガ)、パノリス・フラメア(Panolis flammea)(マツキリガ)、フィロクニスティス・シトレラ(Phyllocnistis citrella)(ミカンハモグリガ); ピエリス・ブラシカエ(Pieris brassicae)(モンシロチョウ); ラチプルシア・ニ(Rachiplusia ni)(ソイビーンルーパー); スポドプテラ・エキシグア(Spodoptera exigua)(シロイチモンジヨトウガ); スポドプテラ・リトラリス(Spodoptera littoralis)(コットンリーフワーム); シレプタ・デロガタ(Sylepta derogata)(ワタノメイガ); トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)(イラクサキンウワバ); 直翅目、例えば、イエコオロギ(アチェタ・ドメスティカス(Acheta domesticus))、樹木イナゴ(アナクリジウム種(Anacridium spp.))、ワタリバッタ(ロカスタ・ミグラトリア(Locusta migratoria))、ツーストライプグラスホッパー(メラノプルス・ビビタタス(Melanoplus bivittatus))、ディファレンシャルグラスホッパー(メラノプルス・ディフェレンチアリス(Melanoplus differentialis)、アカアシバッタ(メラノプルス・フェムルブルム(Melanoplus femurrubrum))、トビバッタ(メラノプルス・サンギニペス(Melanoplus sanguinipes))、キタモグラコオロギ(Neocurtilla hexadectyla)、アカトビバッタ(Nomadacris septemfasciata)、ショートウィングドモールクリケット(スカプテリスクス・アブレビアタス(Scapteriscus abbreviatus))、ミナミモグラコオロギ(スカプテリスクス・ボレリ(Scapteriscus borellii)、トーニーモールクリケット(スカプテリスクス・ビシヌス(Scapteriscus vicinus)、およびエジプトツチイナゴ(シストセルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria)); 結合類、例えば、ガーデンシンフィラン(スクチゲレラ・イマクラタ(Scutigerella immaculata); 総翅目、例えば、タバコアザミウマ(フランクリニエラ・フスカ(Frankliniella fusca)、ヒラズハナアザミウマ(フランクリニエラ・イントンサ(Frankliniella intonsa))、ミカンキイロアザミウマ(フランクリニエラ・オクシデンタリス(Frankliniella occidentalis))、
コットンバッドスリップス(フランクリニエラ・シュルツェイ(Frankliniella schultzei))、バンデッドグリーンハウススリップス(ヘルシノスリプス・フェモラリス(Hercinothrips femoralis))、ダイズアザミウマ(ネオヒダトスリプス・バリアビリス(Neohydatothrips variabilis))、ケリーズシトラススリップス(ペゾスリプス・ケリアヌス(Pezothrips kellyanus))、アボカドアザミウマ(シルトスリプス・ペルセア(Scirtothrips perseae))、ミナミキイロアザミウマ(スリプス・パルミ(Thrips palmi))、およびネギアザミウマ(スリプス・タバシ(Thrips tabaci)); など、ならびに上記の生物のうちの1種以上を含む組合せを制御するのに有効である。
【0108】
いくつかの実施形態においては、サフルフェナシル耐性植物中での1種以上のタンパク質毒素(例えば、殺虫タンパク質)の発現は、ハムシ、すなわち、ハムシ科(Chrysomelidae)のハムシ族のメンバー、好ましくは、フィロトレタ種(Phyllotreta spp.)、例えば、フィロトレタ・クルシフェラ(Phyllotreta cruciferae)および/またはフィロトレタ・トリオラータ(Phyllotreta triolata)を制御するのに有効である。他の実施形態においては、サフルフェナシル耐性植物中での1種以上のタンパク質毒素(例えば、殺虫タンパク質)の発現は、キャベツサヤゾウムシ、バーサアーミーワーム、カメムシ(Lygus)、またはコナガを制御するのに有効である。
【0109】
さらに、一実施形態においては、例えば、組換えDNA技術の使用により、および/もしくは育種により、細菌、ウイルスまたは菌類病原体に対するサフルフェナシル耐性植物の抵抗性または耐性を増加させる1種以上のタンパク質を合成することができるようにされた、ならびに/またはさもなければそのような形質について選択された、サフルフェナシル耐性植物も包含される。そのような遺伝的に改変された植物を作製する方法は、当業者には一般的に知られている。
【0110】
さらに、別の実施形態においては、例えば、組換えDNA技術の使用により、および/もしくは育種により、サフルフェナシル耐性植物の生産性(例えば、油含量)、乾燥、塩分もしくは他の成長を制限する環境因子に対する耐性または害虫および菌類、細菌もしくはウイルス病原体に対する耐性を増加させる1種以上のタンパク質を合成することができるようにされた、ならびに/またはさもなければそのような形質について選択された、サフルフェナシル耐性植物も包含される。
【0111】
さらに、他の実施形態においては、例えば、組換えDNA技術の使用により、および/もしくは育種により、例えば、ヒトもしくは動物の栄養を改善する1種以上の物質または新規物質の改変された量を含むように変化させた、ならびに/またはさもなければそのような形質について選択されたサフルフェナシル耐性植物、例えば、健康を増進する長鎖ω-3脂肪酸または不飽和ω-9脂肪酸を産生する油作物(例えば、Nexera(登録商標)アブラナ、Dow Agro Sciences, Canada)も包含される。
【0112】
さらに、いくつかの実施形態においては、例えば、組換えDNA技術の使用により、および/もしくは育種により、ビタミンおよび/もしくはミネラルの増加した量、および/または栄養補助化合物の改善されたプロフィールを含むように変化させた、ならびに/またはさもなければそのような形質について選択された、サフルフェナシル耐性植物も包含される。
【0113】
一実施形態においては、本発明のサフルフェナシル耐性植物は、野生型植物と比較して、グルコシノレート(例えば、グルコラファニン(4-メチルスルフィニルブチル-グルコシノレート)、スルホラファン、3-インドリルメチル-グルコシノレート(グルコブラシシン)、1-メトキシ-3-インドリルメチル-グルコシノレート(ネオグルコブラシシン));フェノール類(例えば、フラボノイド(例えば、ケルセチン、ケンペロール)、ヒドロキシシンナモイル誘導体(例えば、1,2,2'-トリシナポイルゲンチオビオース、1,2-ジフェルロイルゲンチオビオース、1,2'-ジシナポイル-2-フェルロイルゲンチオビオース、3-O-カフェオイル-キニック(ネオクロロゲン酸);ならびにビタミンおよびミネラル(例えば、ビタミンC、ビタミンE、カロテン、葉酸、ナイアシン、リボフラビン、チアミン、カルシウム、鉄、マグネシウム、カリウム、セレン、および亜鉛)からなる群より選択される化合物の増加した量、または改善されたプロフィールを含む。
【0114】
別の実施形態においては、本発明のサフルフェナシル耐性植物は、野生型植物と比較して、プロゴイトリン;イソチオシアネート;インドール(グルコシノレート加水分解の産物);グルタチオン;β-カロテン、リコペンなどのカロテノイド、ならびにルテインおよびゼアキサンチンなどのキサントフィルカロテノイド;フラボノール(例えば、ケルセチン、ルチン)、フラバン/タンニン(クマリン、プロアントシアニジン、カテキン、およびアントシアニンを含むプロシアニジンなど)などのフラボノイドを含むフェノール類;フラボン;フィトエストロゲン、例えば、クメスタン、リグナン、レスベラトロール、イソフラボン、例えば、ゲニステイン、ダイドゼイン、およびグリシテイン;レソルシル酸ラクトン;有機硫黄化合物;フィトステロール;カルノソール、ロスマリン酸、グリチルリチンおよびサポニンなどのテルペノイド;クロロフィル;クロルフィリン、糖類、アントシアニン、ならびにバニラからなる群より選択される化合物の増加した量、または改善されたプロフィールを含む。
【0115】
他の実施形態においては、本発明のサフルフェナシル耐性植物は、野生型植物と比較して、ビンクリスチン、ビンブラスチン、タキサン(例えば、タキソール(パクリタキセル)、バッカチンIII、10-デスアセチルバッカチンIII、10-デスアセチルタキソール、キシロシルタキソール、7-エピタキソール、7-エピバッカチンIII、10-デスアセチルセファロマンニン、7-エピセファロマンニン、タキソテール、セファロマンニン、キシロシルセファロマンニン、タキサジフィン、8-ベンキソイルオキシタキサジフィン、9-アセチルオキシタクスシン、9-ヒドロキシタクスシン、タイワンキサム、タキサンIa、タキサンIb、タキサンIc、タキサンId、GMPパクリタキセル、9-ジヒドロ13-アセチルバッカチンIII、10-デスアセチル-7-エピタキソール、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール(CBD)、ゲニステイン、ダイドゼイン、コデイン、モルヒネ、キニーネ、シコニン、アジマリシン、セルペンチンなどからなる群より選択される化合物の増加した量、または改善されたプロフィールを含む。
【0116】
一実施形態においては、本発明のサフルフェナシル耐性植物はまた、アセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)を阻害する除草剤に対して耐性であってもよい。本明細書で用いられる「除草剤耐性AHASL」とは、植物細胞中のAHASL遺伝子の1つのAHASL対立遺伝子突然変異体から、および/または同じAHASL遺伝子突然変異体の、すなわち、植物細胞の同じゲノム中の2個の相同な対立遺伝子の一方もしくは両方から発現され、それによって、AHASL突然変異体が植物細胞のAHAS酵素に対する除草剤耐性を提供することができる、AHASラージサブユニットポリペプチドを指す。AHASL遺伝子突然変異体は、組換えであっても、または突然変異誘発プロセス、育種プロセス、もしくは当業界で公知の他のプロセスの適用により取得することができる。そのような遺伝子は、半接合性、ヘテロ接合性、またはホモ接合性であってよい。
【0117】
本明細書で用いられる「AHAS」および「AHASL」はそれぞれ、機能的な、プラスチドAHAS酵素およびそのAHASLポリペプチド、すなわち、本明細書に記載の植物の細胞中で機能的であるものを指す。同様に、「遺伝子」および「ポリヌクレオチド」などの用語は、そのような「AHAS」および「AHASL」をコードするものを参照して用いる場合、その機能的遺伝子、すなわち、そのような細胞中で発現可能である遺伝子を指す。
【0118】
本明細書で用いられる場合、アミノ酸に関する標準的な1文字の省略形を用いることができる、例えば、Aはアラニンを示し、Pはプロリンを示し、Wはトリプトファンを示し、Xは任意のアミノ酸を示す、などである。野生型配列と比較した突然変異を、野生型アミノ酸と位置、次いで、突然変異体中に存在するアミノ酸を特定することにより示すことができる。例えば、P197Xは、位置197のプロリンを任意のアミノ酸で置換することができることを示すように用いることができる。
【0119】
理解を容易にするために、AHASL中のアミノ酸位置に言及する場合、本明細書で用いられるアミノ酸番号付け系は、シロイヌナズナ(At)AHASL配列について用いられる業界標準番号付けであってよく、(At)と共に示すことができる。例えば、P197(At)は、シロイヌナズナAHASLの位置197のプロリンに対応する植物AHASL中の位置のプロリン残基を指してもよい。
【0120】
本明細書で用いられる場合、AHAS除草剤耐性誘導突然変異は、1種以上の除草剤(すなわち、スルホニルウレア除草剤、イミダゾリノン除草剤など)に対する耐性を付与するAHASL酵素のアミノ酸配列中の変化である。
【0121】
以下の表11は、AHASL突然変異の可能な部位、許容し得る置換、好ましい置換、およびより好ましい置換の非限定的一覧を提供する。Xは任意のアミノ酸を示す。
【0122】
表11:AHASL突然変異
【表11】

【0123】
いくつかの実施形態においては、AHASL突然変異を、A122X、P197X、R199X、A205X、S653X、およびG654X、ならびにその組合せからなる群より選択することができる。他の実施形態においては、AHASL突然変異を、A122T、A122V、A122D、A122P、A122Y、P197S、P197L、P197T、R199A、R199E、A205V、A205C、A205D、A205E、A205R、A205T、A205W、A205Y、A205N、S653N、S653I、S653F、S653T、G654Q、G654C、W574L、W574M、W574C、W574S、W574R、W574G、W574A、W574F、W574Q、W574Y、G654E、G654Dおよびその組合せからなる群より選択することができる。いくつかの実施形態においては、AHASL突然変異を、A122T、A122V、R199A、R199E、A205V、S653N、G654E、およびその組合せからなる群より選択することができる。
【0124】
様々な実施形態において、サフルフェナシル耐性植物は、プラスチドAHASLポリペプチド中にW574(At)XおよびS563(At)Xの両方を含むAHASLをさらに含んでもよい。これらのAHASL突然変異は、異なるゲノム上などの異なる対立遺伝子中に存在してもよく、それぞれ、それぞれのAHASL遺伝子中に1個の突然変異を含むか、またはこれらの2個が1個のAHASL中に、二重突然変異体対立遺伝子として存在してもよい。様々な実施形態において、これらのものはW574(At)LおよびS653(At)Nであってよい:前者を「PM2」突然変異、後者を「PM1」突然変異と呼ぶことができる。
【0125】
いくつかの実施形態においては、本明細書に記載のサフルフェナシル耐性植物は、近交系品種、例えば、開放授粉品種、またはハイブリッド、例えば、F1ハイブリッドであってよい。
【0126】
様々な実施形態においては、AHAS形質または複数の形質を、組換えDNA技術以外の、突然変異誘発、遺伝子形成術、および/または自然発生突然変異植物の単離を含むプロセスにより取得することができる。多くの突然変異誘発技術が当業界で公知であり、これらのものは種子、植物部分、もしくは培養植物細胞への変異原性化学剤もしくは放射線の適用を含んでもよい;あるいは、またはさらに、植物細胞の培養、もしくは植物細胞を培養する条件は、自然発生突然変異の出現率もしくは蓄積率を増加させることができる。遺伝子形成技術は、不一致修復系に媒介されるヌクレオチド置換を容易にするオリゴヌクレオチドの植物細胞核への導入を含む方法などの、部位特異的突然変異誘発型戦略を含んでもよい。
【0127】
他の態様においては、本発明は、通常は野生型植物の成長を阻害するであろうレベルの少なくとも1種のACCase阻害剤除草剤に対する耐性をさらに含むサフルフェナシル耐性植物を提供する。いくつかの実施形態においては、本発明のサフルフェナシル耐性植物は、アミノ酸配列が野生型植物のACCaseのアミノ酸配列と異なるACCaseを発現する。
【0128】
理解を容易にするために、ACCase中のアミノ酸位置に言及する場合、本明細書で用いられるアミノ酸番号付け系は、ノスズメノテッポウ(アロペクルス・ミオスロイデス(Alopecurus myosuroides[Huds]))(ブラックグラスとも呼ばれる)に由来するACCaseに用いられる業界標準番号付け系であってよい。ノスズメノテッポウのACCaseをコードするmRNA(cDNA)配列はGenBankアクセッション番号AJ310767で入手可能であり、そのタンパク質配列はGenBankアクセッション番号CAC84161で入手可能であり、両方とも参照により本明細書に具体的に組入れられるものとする。言及されるアミノ酸の番号の後の(Am)は、アミノ酸が対応するノスズメノテッポウの配列中のアミノ酸を示す。
【0129】
表12は、ノスズメノテッポウのACCaseアミノ酸配列GenBankアクセッション番号CAC84161を示す。本発明のACCase酵素において変化させることができるアミノ酸を、太字の二重下線で示す。
【0130】
表12:ノスズメノテッポウのACCaseアミノ酸配列GenBankアクセッション番号CAC84161
【表12】

【0131】
本発明のサフルフェナシル耐性植物のACCaseが対応する野生型のACCaseと異なるアミノ酸位置の例としては、限定されるものではないが、以下の位置:1,781(Am)、1,785(Am)、1,786(Am)、1,811(Am)、1,824(Am)、1,864(Am)、1,999(Am)、2,027(Am)、2,039(Am)、2,041(Am)、2,049(Am)、2,059(Am)、2,074(Am)、2,075(Am)、2,078(Am)、2,079(Am)、2,080(Am)、2,081(Am)、2,088(Am)、2,095(Am)、2,096(Am)、または2,098(Am)のうちの1個以上が挙げられる。
【0132】
他の態様においては、本発明の植物を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態においては、前記方法は、前記植物を農学上許容し得る組成物と接触させることを含む。一実施形態においては、農学上許容し得る組成物は、オーキシン除草剤A.I.を含む。
【0133】
別の態様においては、本発明は、子孫種子を調製する方法を提供する。前記方法は、本発明の植物の種子または本発明の植物を産生することができる種子を植えることを含む。一実施形態においては、前記方法は、前記種子から子孫植物を成長させること;および該子孫植物から子孫種子を収穫することをさらに含む。他の実施形態においては、前記方法は、子孫植物に対してサフルフェナシル除草剤組成物を適用することをさらに含む。
【0134】
さらに他の態様においては、本発明は、植物産物を製造する方法を提供する。いくつかの実施形態においては、前記方法は、本発明の植物またはその植物部分を加工することを含む。いくつかの実施形態においては、植物産物は飼料、種子粉末、油、または種子処理コーティングされた種子である。他の実施形態においては、植物部分は種子である。
【0135】
除草剤
いくつかの実施形態においては、本発明の除草剤組成物は、サフルフェナシルならびにその農学上許容し得る塩およびエステルを含む。本明細書で用いられる「サフルフェナシル」は、別途明確に記述しない限り、化合物サフルフェナシルならびにその塩およびエステルを含む。一実施形態においては、サフルフェナシルA.I.は、例えば、IUPAC:2-クロロ-5-[3,6-ジヒドロ-3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)-1(2H)-ピリミジニル]-4-フルオロ-N-[[メチル(1-メチルエチル)アミノ]スルホニル]ベンザミド(CAS: N'-{2-クロロ-4-フルオロ-5-[1,2,3,6-テトラヒドロ-3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-1-イル]ベンゾイル}-N-イソプロピル-N-メチルスルファミド;登録番号372137-35-4);BAS-H800)である。
【0136】
本明細書に記載の様々な実施形態において有用な発芽後の雑草制御方法は、約0.3倍以上のサフルフェナシル適用率を用いる;いくつかの実施形態においては、これは例えば、約0.3倍以上、0.4倍以上、0.5倍以上、0.6倍以上、0.7倍以上、0.8倍以上、0.9倍以上、または1倍以上のサフルフェナシルであってよい。
【0137】
一実施形態においては、本発明のサフルフェナシル耐性植物は、約25〜約200 g ai/hの量のサフルフェナシルの発芽後適用に対する耐性を有する。
【0138】
いくつかの実施形態においては、サフルフェナシル耐性植物が双子葉植物(例えば、大豆、綿)である場合、サフルフェナシルの発芽後適用は、約50 g i/hの量である。
【0139】
別の実施形態においては、サフルフェナシル耐性植物が単子葉植物(例えば、トウモロコシ、イネ、ソルガム)である場合、サフルフェナシルの発芽後適用は、約200 g i/hの量である。
【0140】
他の実施形態においては、サフルフェナシル耐性植物がアブラナ(例えば、キャノーラ)である場合、サフルフェナシルの発芽後適用は、約25 g i/hの量である。
【0141】
本明細書に記載の発芽後の雑草制御方法においては、いくつかの実施形態においては、前記方法は発芽後約7〜10日でサフルフェナシル適用率を用いることができる。
【0142】
別の実施形態においては、適用率は、1倍のサフルフェナシルを超えてもよい;いくつかの実施形態においては、適用率は、最大で4倍のサフルフェナシルであってよいが、より典型的には、それは約2.5倍以下、または約2倍以下、または約1倍以下であろう。
【0143】
他の実施形態においては、1種以上のサフルフェナシルA.I.に加えて、本発明の除草剤組成物は、必要に応じて、サフルフェナシル以外の1種以上の農学上許容し得るA.I.をさらに含んでもよい。本明細書で用いられる場合、農学上許容し得るA.I.は、A.I.ならびにその農学上許容し得る塩およびエステルを含む。さらなるクラスの除草剤としては、限定されるものではないが、AHAS阻害剤;ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤もしくはフィトエンデサチュラーゼ(PDS)阻害剤などの漂白除草剤;グリホサートなどのエノールピルビルシキミ酸3-リン酸シンターゼ(EPSPS)阻害剤;グルホシナートなどのグルタミンシンテターゼ(GS)阻害剤;オーキシン除草剤;ACCase阻害剤などの脂質生合成阻害剤;またはオキシニル(すなわち、ブロモキシニルもしくはイオキシニル)除草剤が挙げられる。AHAS阻害剤除草剤としては、例えば、イミダゾリノン除草剤、アミドスルフロン、フルピルスルフロン、ホラムスルフロン、イマゾスルフロン、ヨードスルフロン、メソスルフロン、ニコスルフロン、チフェンスルフロン、およびトリベヌロンからなる群より選択される1種以上のSU除草剤、ならびにその農学上許容し得る塩およびエステルが挙げられる。ACCase阻害剤除草剤としては、例えば、「ジム」(例えば、シクロキシジム、セトキシジム、クレトジム、もしくはテプラロキシジム)、「ホップ」(例えば、クロジナホップ、ジクロホップ、フルアジホップ、ハロキシホップ、もしくはキザロホップ)、および「デン」(ピノキサデンなど)が挙げられる。1種以上のサフルフェナシルに加えて、本発明の除草剤組成物は、必要に応じて、他のクラスの1種以上の農学上許容し得るA.I.、例えば、農業用防かび剤、殺菌剤、殺藻剤、殺線虫剤、殺虫剤など(例えば、ピレトリン/ピレトラム、カルバリル、スピノサド、ペルメトリン、ビフェントリン、およびエスフェンバレレート)をさらに含んでもよい。
【0144】
1種以上のサフルフェナシル、および必要に応じて、他の農学上のA.I.を含む本明細書に記載の除草剤組成物を、任意の農学上許容し得る形式で用いることができる。例えば、これらのものを即時噴霧可能な水性溶液、粉末、懸濁液として、濃縮もしくは高度濃縮された水性、油性もしくは他の溶液、懸濁液もしくは分散物として、乳濁液、油分散物、ペースト、ダスト、顆粒、もしくは他の散布可能な形式として製剤化することができる。前記除草剤組成物を、例えば、噴霧、霧化、ダスティング、拡散、散水、種子処理、または種子と混合した同時塗布などの当業界で公知の任意の方法により適用することができる。使用形態は、意図される目的に依存する;いずれの場合でも、それらは本発明によるA.I.の可能な最良の分布を確保すべきである。いくつかの実施形態においては、本明細書に記載の除草剤組成物は、例えば、サフルフェナシル;AHAS阻害剤、例えば、イミダゾリノンおよび/またはスルホニルウレア;ACCase阻害剤;EPSPS阻害剤、例えば、グリホサート;グルタミンシンテターゼ阻害剤、例えば、グルホシナート;オーキシン除草剤、例えば、ジカンバ;防かび剤、例えば、ピラクロストロビンなどのストロビルリン防かび剤などの組合せを含んでもよい。いくつかの実施形態においては、本明細書に記載の除草剤組成物は、例えば、サフルフェナシル;およびピラクロストロビンなどのストロビルリン防かび剤の組合せを含んでもよい。除草剤組成物を、本明細書に記載の植物の耐性に従って選択することができ、該植物を、積み重ねられた耐性形質を有するものから選択することができる。
【0145】
いくつかの実施形態においては、任意のA.I.がAHAS阻害剤を含む場合、これを、(1)イミダゾリノン、例えば、イマザモックス、イマゼタピル、イマザピル、イマザピック、イマザキン、およびイマザメタベンズ、好ましくは、イマザモックス、イマゼタピル、イマザピル、およびイマザピック、好ましくは、イマザモックス;(2)SU、例えば、アミドスルフロン、フルピルスルフロン、ホラムスルフロン、イマゾスルフロン、ヨードスルフロン、メソスルフロン、ニコスルフロン、チフェンスルフロン、およびトリベヌロン;(2)ピリミジニルオキシ[チオ]安息香酸、例えば、ピリミジニルオキシ安息香酸(例えば、ビスピリバック、ピリミノバック、およびピリベンゾキシム)およびピリミジニルチオ安息香酸(例えば、ピリチオバックおよびピリフタリド);ならびに(3)スルホンアミド、すなわち、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン(例えば、フルカルバゾンおよびプロポキシカルバゾン)およびトリアゾピリミジン(例えば、クロランスラム、ジクロスラム、フロラスラム、フルメツラム、メトスラム、およびペノキススラム)から選択することができる。上記のものの農学上許容し得る塩およびエステル、ならびにその組合せも包含される。
【0146】
他の実施形態においては、任意のA.I.が、本明細書に記載の植物が通常は感受性が高い異なるクラスに由来する除草剤を含む場合、用いられる植物を、そのような除草剤に対する耐性の形質をさらに含むものから選択する。そのようなさらなる耐性形質を、例えば、ハイブリダイゼーションもしくは遺伝子移入による耐性形質遺伝子を取得するための伝統的な育種、突然変異誘発、および/または形質転換の技術などの当業界で公知の任意の方法により、前記植物に対して提供することができる。そのような植物を、「積み重ねられた」形質を有するものとして記載することができる。
【0147】
他の除草剤クラスの任意のA.I.としては、ACCase阻害剤、オーキシン除草剤、EPSPS阻害剤、グルタミンシンテターゼ阻害剤、p-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(4-HPPD)阻害剤が挙げられる。他の型の任意のA.I.としては、限定されるものではないが、ストロビルリンなどの防かび剤、例えば、ピラクロストロビンのみ、またはボスカリド、エピコナゾール、メタコナゾール、テブコナゾール、クレソキシム-メチルなどと組合せたピラクロストロビン;殺線虫剤、殺鱗翅目剤、殺鞘翅目剤などの殺虫剤;殺カタツムリ剤;および当業界で公知の他のものが挙げられる。
【0148】
例えば、ACCase阻害剤である除草剤の好適な例としては、限定されるものではないが、シクロヘキサンジオン除草剤(DIM、シクロヘキセンオキシム、シクロヘキサンジオンオキシム、およびCHDとも呼ばれる)、アリールオキシフェノキシプロピオナート除草剤(アリールオキシフェノキシプロパノエート;アリールオキシフェノキシアルカノエート;オキシフェノキシ;APP;AOPP;APA;APPA;FOPとも呼ばれる、接尾辞「oic」で書かれることもあることに留意されたい)、およびフェニルピラゾール除草剤(DENとしても知られる;およびピノキサデンなどのフェニルピラゾールのより一般的なクラスの下で呼ばれることもある(例えば、商標名AxialおよびTraxosの下で販売される除草剤))が挙げられる。雑草を制御し、および/または除草剤耐性植物を成長させるいくつかの方法においては、少なくとも1種の除草剤を、セトキシジム、シクロキシジム、テプラロキシジム、ハロキシホップ、ハロキシホップ-Pまたはこれらの除草剤のいずれかの誘導体から選択する。表13は、ACCase活性を阻害する除草剤の一覧である。
【0149】
表13:ACCase阻害剤の例
【表13】

【0150】
オーキシン除草剤である除草剤の例としては、限定されるものではないが、表14に示されるオーキシン除草剤が挙げられる。
【0151】
表14:オーキシン除草剤
【表14】

【0152】
サフルフェナシルと、必要に応じて、他の農学上のA.I.ならびにその農学上許容し得る好適な塩およびエステルとを含む除草剤組成物はまた、作物保護剤の製剤化にとって慣例となっている補助剤を含んでもよい。
【0153】
作物保護剤の製剤化にとって慣例となっている補助剤の例としては、不活性補助剤、固形担体、界面活性剤(分散剤、保護コロイド、乳化剤、湿潤剤および粘着付与剤など)、有機および無機増粘剤、浸透剤(浸透増強性有機シリコン界面活性剤もしくは酸性硫酸キレート剤、例えば、Cheltec, Inc.から入手可能なCT-301(商標)など)、毒性緩和剤、殺菌剤、凍結防止剤、消泡剤、着色剤、ならびに接着剤が挙げられる。本明細書で有用な除草剤組成物の製剤を、当業界で有用な公知の任意の方法に従って調製することができる。
【0154】
増粘剤(すなわち、改変された流動特性、すなわち、休止状態では高粘度および運動中では低粘度を製剤に与える化合物)の例は、多糖類、例えば、キサンタンゴム(Kelco社製のKekzan(登録商標))、Rhodopol(登録商標)23(Rhone Poulenc)またはVeegum(登録商標)(R.T. Vanderbilt社製)であり、また、Attaclay(登録商標)(Engelhardt社製)などの有機および無機層構造鉱物である。
【0155】
消泡剤の例は、シリコン乳濁液(例えば、Silikon(登録商標)SRE、WackerまたはRhodia社製のRhodorsil(登録商標))、長鎖アルコール、脂肪酸、脂肪酸の塩、有機フッ素化合物およびそれらの混合物である。
【0156】
水性除草剤製剤を安定化させるために、殺菌剤を添加することができる。殺菌剤の例は、ジクロロフェンおよびベンジルアルコールヘミホルマール(ICI社製のProxel(登録商標)またはThor Chemie社製のActicide(登録商標)およびRohn & Haas社製のKathon(登録商標)MK)、ならびにまた、アルキルイソチアゾリノンおよびベンズイソチアゾリノン(Thor Chemie社製のActicide)などのイソチアゾリン誘導体に基づく殺菌剤である。
【0157】
凍結防止剤の例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、尿素またはグリセロールである。
【0158】
着色剤の例としては、水難溶性顔料および水溶性染料などの着色剤クラスのメンバーが挙げられる。これらのうちのいくつかの特定例としては、ローダミンB、C.I.ピグメントレッド112およびC.I.ソルベントレッド1、ならびにまた、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー80、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー13、ピグメントレッド112、ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:1、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド53:1、ピグメントオレンジ43、ピグメントオレンジ34、ピグメントオレンジ5、ピグメントグリーン36、ピグメントグリーン7、ピグメントホワイト6、ピグメントブラウン25、ベーシックバイオレット10、ベーシックバイオレット49、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド14、アシッドブルー9、アシッドイエロー23、ベーシックレッド10、ベーシックレッド108の名称の下で知られる染料が挙げられる。
【0159】
接着剤の例は、ポリビニルピロリドン、ポリビニル酢酸、ポリビニルアルコールおよびチロースである。
【0160】
好適な不活性補助剤は、例えば、以下のもの:ケロセンおよびディーゼル油などの中沸点から高沸点のミネラルオイル画分、さらにコールタール油および植物もしくは動物起源の油、脂肪族、環式および芳香族炭化水素、例えば、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンおよびその誘導体、アルキル化ベンゼンおよびその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールおよびシクロヘキサノールなどのアルコール、シクロヘキサノンなどのケトンまたは強極性溶媒、例えば、N-メチルピロリドンなどのアミン、ならびに水である。
【0161】
好適な担体としては、液体および固体担体が挙げられる。
【0162】
液体担体としては、例えば、非水性溶媒、例えば、環式および芳香族炭化水素、例えば、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンおよびその誘導体、アルキル化ベンゼンおよびその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールおよびシクロヘキサノールなどのアルコール、シクロヘキサノンなどのケトン、強極性溶媒、例えば、N-メチルピロリドンなどのアミンなどの非水性溶媒、および水、ならびにその混合物が挙げられる。
【0163】
固体担体としては、例えば、シリカ、シリカゲル、ケイ酸塩、タルク、カオリン、石灰石、石灰、チョーク、赤土、黄土、粘土、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウムおよび酸化マグネシウム、地盤合成材料などの鉱物土類、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウムおよび尿素などの肥料、ならびに穀粉、樹皮粉、木粉、および堅果殻粉、セルロース粉末などの植物起源の産物、または他の固体担体が挙げられる。
【0164】
好適な界面活性剤(アジュバント、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤およびまた乳化剤)は、芳香族スルホン酸、例えば、リグノスルホン酸(例えば、Borrespersタイプ、Borregaard)、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸(Morwetタイプ、Akzo Nobel)、およびジブチルナフタレンスルホン酸(Nekalタイプ、BASF AG)の、ならびに脂肪酸の、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびアンモニウム塩、アルキルスルホネートおよびアルキルアリールスルホネート、アルキルスルフェート、ラウリルエーテルスルフェート、および脂肪アルコールスルフェート、ならびに硫酸化ヘキサ、ヘプタ、およびオクタデカノールの塩、さらには脂肪アルコールグリコールエーテルの塩、スルホン化ナフタレンおよびその誘導体とホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシル化イソオクチル、オクチル、またはノニルフェノール、アルキルフェニルまたはトリブチルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、イソトリデシルアルコール、脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセテート、ソルビトールエステル、リグノサルファイト廃液およびタンパク質、変性タンパク質、ポリサッカリド(例えば、メチルセルロース)、疎水変性デンプン、ポリビニルアルコール(Mowiolタイプ、Clariant)、ポリカルボキシレート(BASF AG、Sokalanタイプ)、ポリアルコキシレート、ポリビニルアミン(BASF AG、Lupamineタイプ)、ポリエチレンイミン(BASF AG、Lupasolタイプ)、ポリビニルピロリドンおよびそのコポリマーである。
【0165】
粉末、散布用材料、およびダストを、A.I.を固体担体と混合または同時粉砕することにより調製することができる。
【0166】
顆粒、例えば、被覆顆粒、含浸顆粒、および均質顆粒を、A.I.を固体担体に結合させることにより調製することができる。
【0167】
水性使用形態を、水を添加することにより、乳濁濃縮物、懸濁液、ペースト、湿潤性粉末または水分散性顆粒から調製することができる。
【0168】
乳濁液、ペーストまたは油分散物を調製するために、オーキシン除草剤と、必要に応じて、他の農学上のA.I.ならびに/またはその農学上好適な塩およびエステルを含む除草剤組成物をそのまま、または油もしくは溶媒に溶解した前記除草組成物を、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤または乳化剤を用いて水中で均質化することができる。あるいは、活性化合物、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤または乳化剤と、必要に応じて、水を用いる希釈にとって好適である溶媒または油とを含む濃縮物を調製することもできる。
【0169】
オーキシン除草剤と、必要に応じて、他の農学上のA.I.ならびに/またはその農学上好適な塩およびエステルを含む除草剤組成物中に存在する除草剤の濃度を、広い範囲内で変化させることができる。一般的には、前記製剤は、約0.001〜98重量%、好ましくは、0.01〜95重量%の少なくとも1種の活性成分を含む。A.I.を、90%〜100%。好ましくは、95%〜100%の純度(NMRスペクトルに従う)で用いる。
【0170】
前記製剤中に、いくつかの実施形態においては、除草剤は懸濁、乳濁、または溶解された形態で存在する。本発明による製剤は、水性溶液、粉末、懸濁液、また、高濃縮の水性、油性または他の懸濁液もしくは分散物、水性乳濁液、水性マイクロエマルジョン、水性懸濁乳濁液、油分散物、ペースト、ダスト、拡散用材料または顆粒の形態にあってもよい。
【0171】
様々な実施形態においては、前記除草剤を、例えば、以下のように製剤化することができる。
【0172】
1. 水による希釈のための生成物
A 水溶性濃縮物
10重量部の活性化合物を90重量部の水または水溶性溶媒に溶解する。代替として、湿潤剤または他のアジュバントを添加する。活性化合物は水による希釈の際に溶解する。これにより、10重量%の活性化合物含量を有する製剤が得られる。
【0173】
B 分散性濃縮物
20重量部の活性化合物を、70重量部のシクロヘキサノンに、10重量部の分散剤、例えば、ポリビニルピロリドンを添加しながら溶解する。水で希釈すれば、分散物が得られる。活性化合物含量は20重量%である。
【0174】
C 乳化性濃縮物
15重量部の活性化合物を、75重量部の有機溶媒(例えば、アルキル芳香族)に、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムおよびヒマシ油エトキシレート(それぞれ、5重量部)を添加しながら溶解する。水で希釈すれば、乳濁液が得られる。製剤は15重量%の活性化合物含量を有する。
【0175】
D 乳濁液
25重量部の活性化合物を、35重量部の有機溶媒(例えば、アルキル芳香族)に、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムおよびヒマシ油エトキシレート(それぞれ、5重量部)を添加しながら溶解する。この混合物を、乳化剤(Ultraturrax)を用いて30重量部の水に導入し、均一な乳濁液を作製する。水で希釈すれば、乳濁液が得られる。製剤は25重量%の活性化合物含量を有する。
【0176】
E 懸濁液
撹拌されたボールミル中で、20重量部の活性化合物を、10重量部の分散剤および湿潤剤ならびに70重量部の水または有機溶媒を添加しながら粉末状にすれば、微細な活性化合物の懸濁液が得られる。水で希釈すれば、活性化合物の安定な懸濁液が得られる。製剤中の活性化合物含量は20重量%である。
【0177】
F 水分散性顆粒および水溶性顆粒
50重量部の活性化合物を、50重量部の分散剤および湿潤剤を添加しながら微細に粉砕し、技術電気製品(例えば、押出装置、スプレータワー、流動床)を用いて水分散性または水溶性顆粒を作製する。水で希釈すれば、活性化合物の安定な分散物または溶液が得られる。製剤は50重量%の活性化合物含量を有する。
【0178】
G 水分散性粉末および水溶性粉末
75重量部の活性化合物を、25重量部の分散剤、湿潤剤およびシリカゲルを添加しながらローターステーターミル中で粉砕する。水で希釈すれば、活性化合物の安定な分散物または溶液が得られる。製剤の活性化合物含量は75重量%である。
【0179】
H ゲル製剤
ボールミル中で、20重量部の活性化合物、10重量部の分散剤、1重量部のゲル化剤および70重量部の水または有機溶媒を混合すれば、微細な懸濁液が得られる。水で希釈すれば、20重量%の活性化合物含量を有する安定な懸濁液が得られる。
【0180】
2. 希釈せずに適用される生成物
I ダスト
5重量部の活性化合物を微細に粉砕し、95重量部の微細に分割されたカオリンとよく混合する。これにより、5重量%の活性化合物含量を有するダスト粉末が得られる。
【0181】
J 顆粒(GR、FG、GG、MG)
0.5重量部の活性化合物を微細に粉砕し、99.5重量部の担体と結合させる。ここでの現在の方法は、押出し、噴霧乾燥または流動床である。これにより、0.5重量%の活性化合物含量を有する希釈せずに適用される顆粒が得られる。
【0182】
K ULV溶液(UL)
10重量部の活性化合物を、90重量部の有機溶媒、例えば、キシレンに溶解する。これにより、10重量%の活性化合物含量を有する希釈せずに適用される生成物が得られる。
【0183】
水性使用形態を、水を添加することにより、乳濁液濃縮物、懸濁液、ペースト、湿潤性粉末または水分散性顆粒から調製することができる。
【0184】
除草剤または除草剤を含む除草剤組成物を、発芽前、発芽後もしくは植える前に、または種子と一緒に適用することができる。また、作物植物の除草剤組成物または活性化合物で予備処理された種子を適用することにより、除草剤組成物または活性化合物を適用することもできる。
【0185】
さらなる実施形態においては、除草剤または除草剤組成物を、種子を処理することにより適用することができる。種子の処理は、本質的には当業者に知られたあらゆる手順を含む(例えば、種子ドレッシング、種子コーティング、種子ダスティング、浸種、種子フィルムコーティング、種子多層コーティング、種子エンクラスティング、種子ドリッピングおよび種子ペレッティング)。いくつかの実施形態においては、除草剤組成物を希釈して、または希釈せずに適用することができる。
【0186】
一実施形態においては、サフルフェナシルおよび、必要に応じて、他の農学上のA.I.を、多くの代表的な他の除草剤または成長調節活性成分群と混合した後、同時に適用することができる。混合物のための好適な成分は、例えば、1,2,4-チアジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、アミド、アミノリン酸およびその誘導体、アミノトリアゾール、アニリド、(het)アリールオキシアルカン酸およびその誘導体、安息香酸およびその誘導体、ベンゾチアジアジノン、2-アロイル-1,3-シクロヘキサンジオン、2-ヘタロイル-1,3-シクロヘキサン-ジオン、ヘタリルアリールケトン、ベンジルイソキサゾリジノン、メタ-CF3-フェニル誘導体、カルバメート、キノリンカルボン酸およびその誘導体、クロロアセタニリド、シクロヘキセノンオキシムエーテル誘導体、ジアジン、ジクロロプロピオン酸およびその誘導体、ジヒドロ-ベンゾフラン、ジヒドロフラン-3-オン、ジニトロアニリン、ジニトロフェノール、ジフェニルエーテル、ジピリジル、ハロカルボン酸およびその誘導体、尿素、3-フェニルウラシル、イミダゾール、イミダゾリノン、N-フェニル-3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミド、オキサジアゾール、オキシラン、フェノール、アリールオキシ-およびヘタリールオキシフェノキシプロピオン酸エステル、フェニル酢酸およびその誘導体、2-フェニルプロピオン酸およびその誘導体、ピラゾール、フェニルピラゾール、ピリダジン、ピリジンカルボン酸およびその誘導体、ピリミジルエーテル、スルホンアミド、スルホニルウレア、トリアジン、トリアジノン、トリアゾリノン、トリアゾールカルボキサミド、ウラシル、フェニルピラゾリンならびにイソキサゾリンおよびその誘導体である。本段落の目的のために、オーキシン除草剤のメンバーは、以下のクラス:安息香酸およびその誘導体、キノリンカルボン酸およびその誘導体、2-フェニルプロピオン酸およびその誘導体、ならびにピリジンカルボン酸およびその誘導体から排除される。
【0187】
さらに、除草剤を単独で、もしくは他の除草剤と組合わせて、または他に、他の作物保護剤との混合物の形態で、例えば、害虫もしくは植物病原性菌類もしくは細菌を制御するための薬剤と一緒に適用することが有益であってよい。また、栄養不足および微量元素不足を治療するのに用いられるミネラル塩溶液との混和性も興味深い。また、非植物毒性的な油および油濃縮物などの他の添加物を添加してもよい。
【0188】
さらに、毒性緩和剤と組合せた除草剤を適用することが有用であり得る。毒性緩和剤は、除草剤の除草作用に大きく影響することなく、有用植物に対する除草剤により誘導される損傷を防止するか、または減少させる化学物質である。それらを、有用植物の播種前(例えば、種子処理、シュートもしくは苗の際に)、または発芽前適用もしくは発芽後適用において適用することができる。毒性緩和剤と除草剤とを、同時に、または連続的に適用することができる。
【0189】
好適な毒性緩和剤は、例えば、(キノリン-8-オキシ)酢酸、1-フェニル-5-ハロアルキル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボン酸、1-フェニル-4,5-ジヒドロ-5-アルキル-1H-ピラゾール-3,5-ジカルボン酸、4,5-ジヒドロ-5,5-ジアリール-3-イソキサゾールカルボン酸、ジクロロアセタミド、α-オキシミノフェニルアセトニトリル、アセトフェノノキシム、4,6-ジハロ-2-フェニルピリミジン、N-[[4-(アミノカルボニル)フェニル]スルホニル]-2-安息香酸アミド、1,8-ナフタル酸無水物、2-ハロ-4-(ハロアルキル)-5-チアゾールカルボン酸、ホスホルチオレートおよびN-アルキル-O-フェニル-カルバメートならびにその農学上許容し得る塩ならびにアミド、エステル、およびチオエステルなどの農学上許容し得る誘導体(但し、それらが酸基を有するものとする)である。
【0190】
毒性緩和剤の例は、ベノキサコール、クロキントセット、シオメトリニル、シプロスルファミド、ジクロルミド、ジシクロノン、ジエトレート、フェンクロラゾール、フェンクロリム、フルラゾール、フルキソフェニム、フリラゾール、イソキサジフェン、メフェンピル、メフェナート、ナフタル酸無水物、オキサベトリニル、4-(ジクロロアセチル)-1-オキサ-4-アザスピロ[4.5]デカン(MON4660, CAS 71526-07-3)および2,2,5-トリメチル-3-(ジクロロアセチル)-1,3-オキサゾリジン(R-29148, CAS 52836-31-4)である。
【0191】
当業者であれば、上記の除草剤および/または毒性緩和剤のいくつかが、幾何異性体、例えば、E/Z異性体を形成することができることを認識するであろう。本発明による組成物中では、純粋な異性体およびその混合物の両方を用いることができる。さらに、上記の除草剤および/または毒性緩和剤のいくつかは、1個以上のキラル中心を有し、結果として、エナンチオマーまたはジアステレオマーとして存在する。本発明による組成物中では、純粋なエナンチオマーおよびジアステレオマーの両方を用いることができる。特に、いくつかのアリールオキシフェノキシプロピオナート除草剤はキラルであり、またそれらのいくつか、例えば、クロジナホップ、シハロホップ、フェノキサプロップ-P、フルアジホップ-P、ハロキシホップ-P、メタミホップ、プロパキザホップまたはキザロホップ-Pは、エナンチオ濃縮された形態またはエナンチオピュアな形態で一般的に用いられる。さらなる例として、グルホシナートはエナンチオ濃縮された形態またはエナンチオピュアな形態で用いることができ、グルホシナート-Pとしても知られる。
【0192】
当業者であれば、上記の除草剤および/または毒性緩和剤の任意の誘導体、例えば、農学上好適な塩およびエステルを、本発明の実施において用いることができることを認識するであろう。
【0193】
雑草を制御する方法
発明の除草剤耐性植物を、それらが耐性である除草剤と共に用いることができる。当業者には公知の任意の技術を用いて、本発明の植物に除草剤を適用することができる。植物の栽培プロセスにおける任意の時点で除草剤を適用することができる。例えば、除草剤を、植える前に、植える時に、発芽前に、発芽後に、またはその組合せで適用することができる。除草剤を種子に適用し、乾燥させて、種子上に層を形成させることができる。
【0194】
いくつかの実施形態においては、種子を毒性緩和剤で処理した後、サフルフェナシルを発芽後適用する。一実施形態においては、サフルフェナシルの発芽後適用は、毒性緩和剤で処理された種子を植えた後、約7〜10日間である。いくつかの実施形態においては、毒性緩和剤は、クロキントセット、ジクロルミド、フルキソフェニム、またはその組合せである。
【0195】
他の態様においては、本発明は、植物またはその植物部分の成長のための場所にある雑草を制御するための方法であって、サフルフェナシルを含む組成物を前記場所に適用することを含む前記方法を提供する。
【0196】
いくつかの態様においては、本発明は、植物の成長のための場所にある雑草を制御する方法であって、サフルフェナシルを含む除草剤組成物を前記場所に適用することを含み、前記場所が、(a)前記植物を生産することができる植物もしくは種子を含む場所;または(b)前記植物もしくは種子を含むようにされた、前記適用後である場所であり;前記植物または種子が、その細胞の少なくともいくつかに、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含み、該プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるシトクロムP450ポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与する、前記方法を提供する。
【0197】
本明細書に記載の除草剤組成物を、例えば、葉面処理、土壌処理、種子処理、または土壌水浸として適用することができる。例えば、噴霧、ダスティング、散布、または当業界で公知有用な任意の他の様式により、適用を行うことができる。
【0198】
一実施形態においては、除草剤を用いて、本発明の除草剤耐性植物のそばで成長していると認められる雑草の成長を制御することができる。この型の実施形態においては、本発明の除草剤耐性植物が雑草のそばで成長している土地に除草剤を適用することができる。次いで、本発明の除草剤耐性植物が耐性である除草剤を、雑草を殺傷するか、またはその成長を阻害するのに十分な濃度で前記土地に適用することができる。雑草を殺傷するか、またはその成長を阻害するのに十分な除草剤の濃度は、当業界で公知であり、上記に開示されている。
【0199】
他の実施形態においては、本発明は、本発明のサフルフェナシル耐性植物のそばにある雑草を制御するための方法を提供する。前記方法は、有効量のサフルフェナシルを雑草およびオーキシン除草剤耐性植物に適用することを含み、該植物は野生型植物と比較した場合、オーキシン除草剤に対する増加した耐性を有する。いくつかの実施形態においては、本発明のサフルフェナシル耐性植物は、好ましくは、作物植物、例えば、限定されるものではないが、ヒマワリ、アルファルファ、アブラナ種、大豆、綿、ベニバナ、ピーナッツ、タバコ、トマト、ジャガイモ、小麦、イネ、トウモロコシ、ソルガム、オオムギ、ライムギ、キビ、およびソルガムである。
【0200】
他の態様においては、除草剤(例えば、サフルフェナシル)を種子処理として用いることもできる。いくつかの実施形態においては、有効濃度もしくは有効量の除草剤、または有効濃度もしくは有効量の除草剤を含む組成物を、種子の播種の前、またはその間に、種子に直接適用することができる。種子処理製剤はさらに、結合剤および必要に応じて、着色剤を含んでもよい。
【0201】
結合剤を添加して、処理後の種子への活性材料の付着を改善することができる。一実施形態においては、好適な結合剤は、ブロックコポリマーEO/PO界面活性剤であるが、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリエチレンアミン、ポリエチレンアミド、ポリエチレンイミン(Lupasol(登録商標)、Polymin(登録商標))、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリビニルアセテート、チロースおよびこれらのポリマーから誘導されるコポリマーもである。必要に応じて、製剤中に着色剤を含有させてもよい。種子処理製剤のための好適な着色剤または染料は、ローダミンB、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ソルベントレッド1、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー80、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー13、ピグメントレッド112、ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:1、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド53:1、ピグメントオレンジ43、ピグメントオレンジ34、ピグメントオレンジ5、ピグメントグリーン36、ピグメントグリーン7、ピグメントホワイト6、ピグメントブラウン25、ベーシックバイオレット10、ベーシックバイオレット49、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド14、アシッドブルー9、アシッドイエロー23、ベーシックレッド10、ベーシックレッド108である。
【0202】
用語「種子処理」は、種子ドレッシング、種子コーティング、種子ダスティング、浸種、および種子ペレッティングなどの当業界で公知のあらゆる好適な種子処理技術を含む。一実施形態においては、本発明は、特に、種子ドリル中に、必要に応じて、1種以上の固体もしくは液体の農学上許容し得る担体および/または必要に応じて、1種以上の農学上許容し得る界面活性剤と共に、組成物/製剤(例えば、顆粒製剤)としてサフルフェナシルを含有する顆粒製剤の適用により、土壌を処理する方法を提供する。この方法は、例えば、穀類、トウモロコシ、綿、およびヒマワリの苗床において有利に用いられる。
【0203】
本発明はまた、サフルフェナシルと、例えば、アミドスルフロン、アジムスルフロン、ベンスルフロン、クロリムロン、クロルスルフロン、シノスルフロン、シクロスルファムロン、エタメツルフロン、エトキシスルフロン、フラザスルフロン、フルピルスルフロン、ホラムスルフロン、ハロスルフロン、イマゾスルフロン、ヨードスルフロン、メソスルフロン、メトスルフロン、ニコスルフロン、オキサスルフロン、プリミスルフロン、プロスルフロン、ピラゾスルフロン、リムスルフロン、スルホメツロン、スルホスルフロン、チフェンスルフロン、トリアスルフロン、トリベヌロン、トリフロキシスルフロン、トルフルスルフロン、トリトスルフロン、イマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、クロランスラム、ジクロスラム、フロラスラム、フルメトスラム、メトスラム、ペノキススラム、ビスピリバック、ピリミノバック、プロポキシカルバゾン、フルカルバゾン、ピリベンゾキシム、ピリフタリドおよびピリチオバックからなる群より選択されるAHAS阻害剤などの少なくとも1種の他の除草剤とを含む種子処理製剤でコーティングされた種子またはそれを含有する種子を含む。
【0204】
用語「コーティングされた、および/または含有する」は、一般的には、活性成分が多くの部分について、適用時に増殖産物の表面上にあるが、該成分の大きい方または小さい方の部分が、適用方法に応じて、増殖産物中に浸透することができることを意味する。前記増殖産物を(再度)植えた場合、それは活性成分を吸収することができる。
【0205】
いくつかの実施形態においては、サフルフェナシルまたはサフルフェナシルを含む製剤による種子処理適用を、植物の播種前に、および植物の発芽前に種子に噴霧またはダスティングすることにより実行する。
【0206】
他の実施形態においては、種子の処理において、有効量のサフルフェナシルまたはサフルフェナシルを含む製剤で種子を処理することにより、対応する製剤を適用する。
【0207】
他の態様においては、本発明は、播種前および/または発芽後に本発明のサフルフェナシル耐性植物の種子をサフルフェナシルと接触させることを含む、望ましくない植物と戦うか、または雑草を制御するための方法を提供する。前記方法は、例えば、畑の中の土壌または温室中の培養土中に種子を播種することをさらに含んでもよい。前記方法は、種子のすぐそばにある望ましくない植物と戦うか、または雑草を制御するのに特に有用である。望ましくない植物の制御は、雑草の殺傷および/またはさもなければ、雑草の通常の成長の遅延もしくは阻害と理解される。雑草は、最も広い意味で、それらが望ましくない場所で成長する全ての植物を意味すると理解される。
【0208】
本発明の雑草としては、例えば、双子葉植物および単子葉植物の雑草が挙げられる。双子葉植物の雑草としては、限定されるものではないが、属:シナピス(Sinapis)、レピジウム(Lepidium)、ガリウム(Galium)、ステラリア(Stellaria)、マトリカリア(Matricaria)、アンテミス(Anthemis)、ガリンソガ(Galinsoga)、チェノポジウム(Chenopodium)、ウルティカ(Urtica)、セネシオ(Senecio)、アマランタス(Amaranthus)、ポルツラカ(Portulaca)、キサンチウム(Xanthium)、コンボルブルス(Convolvulus)、イポメア(Ipomoea)、ポリゴナム(Polygonum)、セスバニア(Sesbania)、アンブロシア(Ambrosia)、シルシウム(Cirsium)、カルドゥウス(Carduus)、ソンクス(Sonchus)、ソラナム(Solanum)、ロリッパ(Rorippa)、ロタラ(Rotala)、リンデルニア(Lindernia)、ラミウム(Lamium)、ベロニカ(Veronica)、アブティロン(Abutilon)、エメックス(Emex)、ダツラ(Datura)、ビオラ(Viola)、ガレオプシス(Galeopsis)、パパベル(Papaver)、センタウレア(Centaurea)、トリホリウム(Trifolium)、ラヌンクルス(Ranunculus)およびタラキサカム(Taraxacum)の雑草が挙げられる。
【0209】
単子葉植物の雑草としては、限定されるものではないが、属:エチノクロア(Echinochloa)、セタリア(Setaria)、パニカム(Panicum)、デジタリア(Digitaria)、フレウム(Phleum)、ポア(Poa)、フェツカ(Festuca)、エレウシン(Eleusine)、ブラチアリア(Brachiaria)、ロリウム(Lolium)、ブロムス(Bromus)、アベナ(Avena)、シペルス(Cyperus)、ソルガム(Sorghum)、アグロピロン(Agropyron)、シノドン(Cynodon)、モノコリア(Monochoria)、フィンブリスチスリス(Fimbristyslis)、サギッタリア(Sagittaria)、エレオカリス(Eleocharis)、シルプス(Scirpus)、パスパルム(Paspalum)、イシェマム(Ischaemum)、スフェノクレア(Sphenoclea)、ダクチロクテニウム(Dactyloctenium)、アグロスティス(Agrostis)、アロペクルス(Alopecurus)およびアペラ(Apera)の雑草が挙げられる。
【0210】
さらに、本発明の雑草としては、例えば、望ましくない場所で成長している作物植物が挙げられる。例えば、トウモロコシ植物が大豆植物の畑において望ましくない場合、主に大豆植物を含む畑の中にある自生トウモロコシ植物を雑草と考えることができる。
【0211】
他の実施形態においては、種子の処理において、有効量のサフルフェナシルまたはサフルフェナシルを含む製剤で種子を処理することにより、対応する製剤を適用する。
【0212】
さらなる態様において、本発明の場所、植物、植物部分、または種子の処理は、A.I.を含まない農学上許容し得る組成物の適用を含む。一実施形態においては、前記処理は、サフルフェナシルA.I.を含まない農学上許容し得る組成物の適用を含む。いくつかの実施形態においては、前記処理は、1種以上の農学上許容し得る担体、希釈剤、賦形剤、植物成長調節剤などを含む、サフルフェナシルA.I.を含まない農学上許容し得る組成物の適用を含む。他の実施形態においては、前記処理は、アジュバントを含む、サフルフェナシルA.I.を含まない農学上許容し得る組成物の適用を含む。一実施形態においては、前記アジュバントは、界面活性剤、スプレッダー、ステッカー、浸透剤、ドリフト制御剤、作物油、乳化剤、相溶剤、またはその組合せである。
【0213】
本明細書に記載の方法および適用に対する他の好適な改変および適合が明らかであり、本発明の範囲またはその任意の実施形態を逸脱することなくそれらを行うことができることが、関連する業界の当業者には容易に明らかであろう。ここまで本発明を詳細に説明してきたが、例示目的のみで本明細書に含まれ、本発明を限定することを意図するものではない以下の実施例を参照することにより、同じ事をより明確に理解できるであろう。
【0214】
前記発明を明確性および理解の目的のためにいくらか詳細に説明してきたが、当業者であれば、本発明の真の範囲および添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更を行うことができることを、本開示の理解から理解できるであろう。本明細書に記載の全ての特許および刊行物は、その全体が参照により本明細書に組入れられるものとする。
【実施例】
【0215】
(実施例1)
毒性緩和剤およびサフルフェナシルに誘導される単子葉植物のP450遺伝子の発現分析
イネ、コムギ、およびトウモロコシにおいて実験を設計して、毒性緩和剤および/またはサフルフェナシルの適用により誘導されるP450遺伝子を同定した。10個の種子を、Midwest土壌を充填した4インチのポットに播種し、標準的な温室条件で4〜5日間発芽させた。土壌から発芽が明らかになったら、表15に示されるプロトコルに従って、苗に噴霧した。
【0216】
表15:P450発現分析に用いられるコムギ、イネ、およびトウモロコシの苗のための噴霧プロトコル
【表15】

【0217】
実験あたり7〜10個の独立した処理があり、それぞれ、2回行った。処理の24時間後、種子コート上の全ての組織を採取し、液体窒素中で簡易凍結した。その後、組織を凍結しながら粉砕し、改変Gentra Systems Versageneプロトコルを用いてRNAを単離した。RNAを標識し、標準的なAffymetrixプロトコルに従ってコムギ、イネ、またはトウモロコシの遺伝子チップアレイにハイブリダイズさせた。データをRMA正規化し、バックグラウンドを引き、変位値を正規化した。
【0218】
潜在的なP450遺伝子に対応するプローブセットを、プローブセットの翻訳されたヌクレオチド配列と、イネおよびシロイヌナズナにおける既知のP450のアミノ酸配列とを比較する配列相同性検索(blastxプログラム)を介して同定した。基準が、少なくとも40アミノ酸長内で少なくとも50%の同一性を満たす場合、配列を潜在的なP450と考えた。合計349個のコムギおよび460個のトウモロコシのP450標的配列を同定した。Genedata Expressionistソフトウェアを用いて、遺伝子注釈を含むANOVA表を作成した。
【0219】
トウモロコシについては、510個のうちの43個のP450プローブセットが、0.05以下のレベルのFDRで示差的に発現された。有意に示差的に発現され、噴霧されていない、および/またはアジュバントのみの対照よりも処理の際に4〜10倍の誘導を示したプローブセットを同定し、その後のクローニングおよび以下に記載の様々な植物系への形質転換のために標的化した。最大の誘導倍数と共にイネおよびトウモロコシのP450遺伝子の発現を示すグラフを、図1に示す。これらのデータに基づいて、9個のイネ遺伝子および4個のトウモロコシ遺伝子を、迅速な耐性植物アッセイにおける試験のために選択した。いくつかのコムギ転写物が処理の際に誘導されたが、完全長配列を有していたのはただ1個、TaCYP709C1のみであった。イネにおけるその最も近い相同体はOsjCYP72A1である。この理由から、コムギに由来するこの1個の遺伝子のみを、その後の分析に含有させた。このスクリーニングで同定された遺伝子産物のアミノ酸配列を比較し、リレーショナルツリーを図2に示す。サフルフェナシルへの耐性を付与するものとして本明細書に開示される配列の対表も表16に提供する。
【0220】
表16は、本明細書に記載のようにサフルフェナシルに対する耐性を付与することがわかったP450遺伝子のアラインメント表である。アミノ酸配列同一性を、全体アラインメントの%として示す。
【0221】
表16:配列同一性表
【表16】

【0222】
選択された単子葉植物のP450遺伝子を、標準的なクローニング手順を用いて、単子葉植物および双子葉植物の形質転換ベクター中にクローニングした。単子葉植物の発現については、構成的トウモロコシユビキチンプロモーター、双子葉植物の発現については、構成的パセリユビキチンプロモーターにより、P450発現を誘導した。
【0223】
(実施例2)
トウモロコシ未熟胚(ies: JHAX(HiIIXA188))を、表面滅菌した穂軸から単離し(授粉の9〜10日後)、M-MS-101培地上で1週間培養した(表17)。
【0224】
表17:トウモロコシ用培地
【表17】

【0225】
胚発生カルスを含む胚を、0、50、100、250、500、750または1000 nMのサフルフェナシル含有培地(改変M-LS-213:表17)に無作為に分布させた。応答を上述のように評価した。2個のプレートは使用/レベル/条件であり、10個のカルス/プレートであった。さらに、成長しているカルスを、上記レベルのサフルフェナシルを含む再生培地(改変M-LS-513:表17)に移した。シュート形成の後、成長しているシュートを、上記のサフルフェナシル濃度ならびにさらに2および3μMの濃度を有するM-LS-616(表17)を含有する発根用の箱に移した。
【0226】
(実施例3)
トウモロコシ未熟胚の形質転換および除草剤に対する応答
未熟胚の形質転換:PengらのWO2006/136596に概略された手順に従って、未熟胚を形質転換した。例外は、一定割合の胚(多くの場合、25個)を、サフルフェナシル含有培地上に塗布し、直接選択のために明るいところで保持した。それぞれの実験の残りの胚を、記載のようにPursuit上で選択した。全ての構築物中に存在するnosターミネーターである標的に関して、Taqman分析を用いて植物を試験した。健康に見える植物を強健にした後、噴霧試験を行うために温室に送った。BMS細胞に関して、形質転換、サフルフェナシル選択、および噴霧試験の両方のための対照としてRCB958を用いた。
【0227】
合計82個のトランスジェニックトウモロコシ植物(2個の目的の構築物と1個の対照構築物)を、組織培養で温室に送達した。4インチのポット中のMetroMix 360土壌に植物を個別に移植した。それらが温室に入ったら(600W高圧ナトリウム光により支援された14時間の昼の長さの27℃/21℃の昼/夜サイクル)、それらを14日間成長させた。次いで、それらに[200 g ai/ha]のサフルフェナシル+1.0% v/vのMSOの処理で噴霧した。除草剤による損傷の評価を噴霧の2および7日後の両方で取得して、新しい成長点および全体的な植物の健康に対する損傷について見た。最も長く生き延びたものを、種子生産のためにMetroMix 360を充填したガロンポットに移植した。
【0228】
図3に示される独立事象を示すT0トランスジェニック植物を温室に移植し、方法の節に示されるように噴霧した。噴霧のちょうど2日後、植物はその成長点に対する重篤な損傷を示し、除草剤が接触した葉組織に対して主要なストレス損傷を示した。しかしながら、OsCYP72A15、OsjCYP81A6およびOsCYP73A38を発現するいくつかの独立トランスジェニック事象は、2および3の損傷スコアにより示されるように、耐性の増加を示した。
【0229】
(実施例4)
大豆の形質転換および除草剤に対する根の応答
これらの実験全てにおいて、大豆品種William 82を用いた。Hongら、In Vitro Cell. Dev. Biol. Plant 2007: 43: 558-568 (2007)により記載のように、種子を滅菌し、7日間、種子発芽培地中で発芽させた。苗から上胚軸を完全に除去し、子葉節の下0.5〜1 cmの胚軸を切断した。胚軸の切断表面がアグロバクテリウム感染および根再生の標的であった。RTP3137などの全てのバイナリーベクターを担持する安全なアグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)SHA17 (Mankinら、In Vitro Cell. Dev. Biol. Plant, 43: 521-535 (2007))を、50 mg/Lのカナマイシンを含有するYEP増殖培地上で2〜4日間培養した。上記のように調製された胚軸切断端部をYEPプレート上のアグロバクテリウム細胞上に浸した後、1%寒天プレート(100 x 25 mm)上に塗布した。プレートをパラフィンまたは3MMテープで密封した。胚軸外植片をアグロバクテリウムと共に7〜10日間、光の下で同時培養した。同時培養の7〜10日後、胚軸外植片を、アーセナル(イマザピル)選択を用いる根誘導培地に移した(根誘導培地は、1/2のMS塩および1/2のB5ビタミン、20 g/lのスクロース、7 g/lの精製寒天、1 mg/lのナフタレン酢酸(NAA)、400 mg/lのチメンチンおよび1μMのアーセナルを含有する)。根誘導培地の3日後、胚軸を、根の伸長のために1/5のMS塩および1/5のB5ビタミン、20 g/lのスクロース、400 mg/lのチメンチン、1μMのアーセナルおよび7 g/lのゲルライトを含有する成長調節剤を含まない根成長培地に移した。伸長した根は通常、この培地上で12〜20日後に得られた。
【0230】
様々な量のサフルフェナシル(0、25、50、75、200、400、600、800、1000 nM)を補給した培地上でアグロバクテリウムに感染した胚軸外植片を培養することにより、予備実験でサフルフェナシル殺傷曲線を決定した。この実験では、対照構築物を含むSHA17を用いた。最適濃度として400 nMのサフルフェナシルを選択して、耐性について試験した。
【0231】
根成長アッセイ:トランスジェニック根を含有する胚軸外植片(10〜12日間、根成長培地上で培養)を、サフルフェナシル含有培地(1/5のMS塩および1/5のB5ビタミン、20 g/Lのスクロース、200 mg/Lのチメンチン、7 g/Lのゲルライトおよび400 nMのサフルフェナシル)に移した。根を培地中に押し入れた。2〜3週間の培養後、根の成長を記録し、対照としてAHAS IIのみを含む構築物を用いてデータを収集した。根がさらに伸長し、第2の根を生成し、さらに根の先端が白いか、またはクリームのような黄色のままであった場合、根がサフルフェナシルに対して耐性であると考えた。
【0232】
根貫通アッセイ:トランスジェニック根を含有する胚軸外植片(20日間、根成長培地上で培養)を上記と同じ培地に移したが、根を培地の内部に入れる代わりに、培地の表面上に置いた。白い根の先端と共に培地中に貫通し、最小で長さ0.5 cm伸長した根を、サフルフェナシルに対して耐性であると考えた。
【0233】
現在まで、様々なP450 GOIを含有する18個の構築物を、上記の2つの方法を用いてアッセイしたところ、構築物RTP3173 (GOI: ZmNSF1)を含有する根は、根の成長能力と根の貫通能力の両方に基づいてサフルフェナシルに対する耐性を示した。構築物RTP 3155 (GOI: OsjCYP72A1)を含有する根は、対照と比較してわずかな耐性を示した(表18)。
【0234】
表18:大豆TRAP根を用いるサフルフェナシル耐性実験の概要
【表18】

【0235】
ベクター名と発現カセットの関係を表19に示す。
【0236】
表19:ベクター名とP450発現カセットの関係
【表19】

【0237】
他の16個の構築物はいずれも、このトランスジェニック大豆根アッセイを用いるこのバイオアッセイにおいては耐性を示さなかった。
【0238】
参考文献:
Didierjeanら、Plant Physiol. 130:179-189 (2002)、
Siminszkyら、Phytochem. Rev. 5:445-458 (2006)、
Nelsonら、Phytochem. Rev. 5:193-204 (2006)、
Williamsら、「Map-based cloning of the nsf1 gene of maize」、In: Program and Abstracts of the 48th Maize Genetic Conference, Pacific Grove, California, USA (2006)、
Damら、WO 2007/103567、
Riechersら、Personal communication: Biochemical mechanisms for tolerance to BAS-800H in corn and soybeans. BASF AP Kixor(商標)Metabolism meeting, RTP NC USA (2008)、
Bellら、Biochem. Soc. Trans. 31:558-562 (2003)、
Abecassisら、Biocatal. Biotrans. 21:55-66 (2003)、
Siminszkyら、Pestic. Biochem. Physiol. 77:35-43 (2003)、
HieiおよびKomari, Nat Protoc. 3: 824-34 (2008)、
Pengら、WO2006/136596。
【0239】
(実施例6)
CYP450のアミノ酸および核酸配列
CYP450のアミノ酸および核酸配列の例を、表20に示す。
【0240】
表20:CYP450配列
【表20】







【0241】
(実施例7)
サフルフェナシル噴霧試験
トウモロコシ全植物の形質転換およびサフルフェナシル耐性試験:Pengら、上掲に概略された手順に従って、未熟胚を形質転換した。全ての構築物中に存在するnosターミネーターである標的を用いて、Taqman分析によりT-DNAの存在について植物を試験した。健康に見える植物を、強健にした後、噴霧試験を行うために温室に送った。
【0242】
植物を、4インチのポット中のMetroMix 360土壌に個別に移植した。それらを温室に入れたら(600W高圧ナトリウム光により支援される14時間の昼の長さで27℃/21℃の昼/夜サイクル)、それらを14日間成長させた。次いで、それらに[200 g ai/ha]のサフルフェナシル+1.0% v/vのメチル化種子油(MSO)の処理と共に噴霧した。除草剤による損傷の評価を、噴霧の2および7日後の両方に取得して、新しい成長点および全体的な植物の健康に対する損傷について見た。最も長く生き延びたものを、種子生産のためにMetroMix 360を充填したガロンポットに移植した。
【0243】
大豆の形質転換およびサフルフェナシル耐性試験:大豆品種Williams 82を、Siminszkyら、Phytochem Rev. 5: 445-458 (2006)により以前に記載されたように形質転換した。再生後、形質転換体を小さいポット中の土壌に移植し、成長チャンバーに入れ(16時間の昼/8時間の夜;25℃の昼/23℃の夜;65%の相対湿度;130〜150μEm-2s-1)、次いで、Taqman分析によりT-DNAの存在について試験した。2〜3週間後、健康な、トランスジェニック陽性の単一コピーの事象をより大きいポットに移植し、成長チャンバー中で成長させた。切断のための最適なシュートは、少なくとも2個の節が存在するおよそ3〜4インチの高さのものであった。元の形質転換体(母植物)からそれぞれの切断物を取得し、発根ホルモン粉末(インドール-3-酪酸、IBA)に浸した。次いで、切断物をバイオドーム内部のオアシスウェッジに入れた。母植物を温室中で成熟させ、種子を収穫した。また、野生型切断物を同時に取得して、陰性対照として用いた。切断物をバイオドーム中で5〜7日間保持した後、3インチのポットに移植し、次いで、さらに2日間、成長チャンバー中で順応させた。続いて、切断物を温室に移し、約4日間順応させた後、0、25および50 g ai/haのサフルフェナシル+1%DMSOを含有する噴霧試験にかけた。除草剤による損傷の評価を、処理の7日後に取得した。
【0244】
酵母発現系およびサフルフェナシル代謝の分析:イネのシトクロムP450 81A6を、BamH1およびSal1を用いてpESC-His酵母発現ベクター(Stratagene)中にクローニングした。Clontech社製のYeast Maker Transformation Systemを用いて、YPH500酵母株(Stratagene)中に構築物を形質転換した。陽性クローンをSD-寒天プレート(アミノ酸を含まない0.7%酵母窒素ベース、2%グルコース、ヒスチジンを含まない0.13%アミノ酸ドロップアウト;2%寒天で固形化されたプレート)上で選択した。基質の生物変換を、それぞれのシトクロムP450遺伝子を発現する酵母細胞中で直接アッセイした。細胞を、SG-His培地(SDと同じ組成であるが、グルコースの代わりにガラクトースを含む)中で18〜24時間誘導した(Pomponら、Methods in Enzymology 272:51-64 (1996); Urbanら、Eur. J. Biochem. 222:853-850 (1994))。その後、BAS800H基質を添加し、サンプルをさらに24時間インキュベートした。サンプルをLC/MS/MSにより分析した。
【0245】
ベクター名とそれから発現される遺伝子の関係を表21に示す。
【0246】
表21:ベクター名とそれから発現される遺伝子の関係
【表21】

【0247】
トウモロコシ全植物の形質転換およびサフルフェナシル耐性試験
異なるP450遺伝子を担持する16個のベクターを、T0トウモロコシ植物においてサフルフェナシルに対する耐性を増加させる能力について試験した。図3は、200 g ai/haのサフルフェナシル+1%MSOで処理したこれらの形質転換体の損傷スコアを示す。OsCYP72A15およびOsCYP73A38は、トウモロコシにおいて最良の性能であり、いくつかの事象は3以下の損傷スコアを有していた。選択された耐性T0植物からT1種子を収穫し、再度植えて、2〜4枚の葉の段階(播種の2週間後)で240 g ai/haのサフルフェナシル+1%MSOを噴霧した。損傷率を適用の7および14日後に評価した。図4は、除草剤による損傷について評価およびスコア化されたそれぞれの分離事象に由来する植物の数を示す。OsjCYP81A6およびOsICYP81Aは両方とも、J553野生型生殖質のみと比較した場合、損傷スコアの低下により示されるように、トウモロコシ植物に対して高い耐性を付与した。
【0248】
大豆の形質転換およびサフルフェナシル耐性試験
異なる単子葉植物のP450遺伝子を担持する4個のベクターを、T0大豆切断物においてサフルフェナシルに対する耐性を付与する能力について試験した。図5〜7は、0、25、または50 g ai/haのサフルフェナシル+1%MSOで処理した植物の損傷のレベルを示す。これらのアッセイでは、ZmNSF1およびOsjCYP81A6は、最も高い耐性レベルを付与した。
【0249】
酵母発現系およびサフルフェナシル代謝の分析
OsICYP81A6およびSb01g007420.1は、BAS800Hの分解を触媒した。24時間のインキュベーション後、BAS800Hの初期含量の10%がいくつかの代謝物に変換され、その大部分(5%)が不活性のBAS800H02であることがわかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シトクロムP450ポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドを含む植物または植物部分であって、該シトクロムP450ポリペプチドの発現が該植物または植物部分にサフルフェナシルへの耐性を付与し、該ポリペプチドがCYP72A15ポリペプチドまたはCYP81AもしくはCYP73Aのアイソフォームであるが、但し、CYP81AのアイソフォームがトウモロコシNSF1ポリペプチドではない、前記植物または植物部分。
【請求項2】
CYP72A15ポリペプチドがイネポリペプチドまたはそのオルソログであり、該イネポリペプチドが配列番号7に記載のアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の植物または植物部分。
【請求項3】
CYP81AのアイソフォームがイネCYP81A6ポリペプチドまたはそのオルソログであり、該イネCYP81A6ポリペプチドが配列番号1または配列番号29に記載のアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の植物または植物部分。
【請求項4】
CYP73ポリペプチドがイネCYP73A38ポリペプチドまたはそのオルソログであり、該イネCYP73A38ポリペプチドが配列番号5に記載のアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の植物または植物部分。
【請求項5】
植物の細胞の少なくともいくつかに、該植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含む植物に発芽することができる種子であって、該プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるシトクロムP450ポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与し、該ポリペプチドがCYP72A15ポリペプチドまたはCYP81AもしくはCYP73Aのアイソフォームであるが、但し、CYP81AのアイソフォームがトウモロコシNSF1ポリペプチドではない、前記種子。
【請求項6】
植物の細胞の少なくともいくつかに、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含む植物の植物細胞または該植物を再生することができる植物細胞であって、該プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるシトクロムP450ポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与し、前記植物細胞がプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含み、前記ポリペプチドがCYP72A15ポリペプチドまたはCYP81AもしくはCYP73Aのアイソフォームであるが、但し、CYP81AのアイソフォームがトウモロコシNSF1ポリペプチドではない、前記植物細胞。
【請求項7】
植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含む植物細胞であって、該プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるシトクロムP450ポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記細胞にサフルフェナシルへの耐性を付与し、前記ポリペプチドがCYP72A15ポリペプチドまたはCYP81AもしくはCYP73Aのアイソフォームであるが、但し、CYP81AのアイソフォームがトウモロコシNSF1ポリペプチドではない、前記植物細胞。
【請求項8】
植物または植物部分の細胞の少なくともいくつかに、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含む植物または植物部分から調製された植物産物であって、該プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるシトクロムP450ポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記植物または植物部分にサフルフェナシルへの耐性を付与し、前記ポリペプチドがCYP72A15ポリペプチドまたはCYP81AもしくはCYP73Aのアイソフォームであるが、但し、CYP81AのアイソフォームがトウモロコシNSF1ポリペプチドではない、前記植物産物。
【請求項9】
植物の細胞の少なくともいくつかに、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含む植物から誘導された後代または子孫植物であって、該プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるシトクロムP450ポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与し、前記後代または子孫植物が、その細胞の少なくともいくつかに、調節配列に機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含み、該後代または子孫植物中での前記ポリペプチドの発現が、該後代または子孫植物にサフルフェナシルへの耐性を付与し、前記ポリペプチドがCYP72A15ポリペプチドまたはCYP81AもしくはCYP73Aのアイソフォームであるが、但し、CYP81AのアイソフォームがトウモロコシNSF1ポリペプチドではない、前記後代または子孫植物。
【請求項10】
植物の成長のための場所にある雑草を制御する方法であって、
サフルフェナシルを含む除草剤組成物を前記場所に適用することを含み、
前記場所が、
(a)前記植物を生産することができる植物もしくは種子を含む場所;または
(b)前記植物もしくは種子を含むようにされた、前記適用後である場所、
であり、
前記植物または種子が、その細胞の少なくともいくつかに、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含み、該プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるシトクロムP450ポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与し、前記ポリペプチドがCYP72A15ポリペプチドまたはCYP81AもしくはCYP73Aのアイソフォームであるが、但し、CYP81AのアイソフォームがトウモロコシNSF1ポリペプチドではない、
前記方法。
【請求項11】
工程(a)を工程(b)の前、後、またはそれと同時に行う、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
除草剤組成物を雑草および前記種子により産生された植物に適用する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記場所に適用される除草剤組成物が、除草上有効なイミダゾリノンをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記場所に適用される除草剤組成物が、イマゼタピルをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記場所に適用される除草剤組成物が、イマザピックをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記場所に適用される除草剤組成物が、イマザキンをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記場所に適用される除草剤組成物が、イマザモックスをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記場所に適用される除草剤組成物が、イマザピルをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記場所に適用される除草剤組成物が、除草上有効なスルホニルウレアをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
前記場所に適用される除草剤組成物が、ニコスルフロンをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項21】
前記場所に適用される除草剤組成物が、メトスルフロンメチルをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項22】
前記場所に適用される除草剤組成物が、チフェンスルフロンメチルをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項23】
前記場所に適用される除草剤組成物が、トリベヌロンメチルをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項24】
前記場所に適用される除草剤組成物が、ピリチオバックナトリウムをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項25】
サフルフェナシルに対する耐性を有する植物を作製する方法であって、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドで形質転換された植物細胞から植物を再生することを含み、前記プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるシトクロムP450ポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記植物にサフルフェナシルへの耐性を付与し、前記ポリペプチドがCYP72A15ポリペプチドまたはCYP81AもしくはCYP73Aのアイソフォームであるが、但し、CYP81AのアイソフォームがトウモロコシNSF1ポリペプチドではない、前記方法。
【請求項26】
サフルフェナシルに対する耐性を有する後代植物を作製する方法であって、第1のサフルフェナシル耐性植物と、第2の植物とを交配させて、サフルフェナシル耐性後代植物を作製することを含み、該第1の植物と後代植物が、その細胞の少なくともいくつかに、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含み、前記プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるシトクロムP450ポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現がサフルフェナシルへの耐性を付与し、前記ポリペプチドがCYP72A15ポリペプチドまたはCYP81AもしくはCYP73Aのアイソフォームであるが、但し、CYP81AのアイソフォームがトウモロコシNSF1ポリペプチドではない、前記方法。
【請求項27】
植物または植物部分の細胞の少なくともいくつかに、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含む植物または植物部分であって、前記プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるシトクロムP450ポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記植物または植物部分にサフルフェナシルへの耐性を付与し、該植物または植物部分が第2の除草剤耐性特性をさらに示し、前記ポリペプチドがCYP72A15ポリペプチドまたはCYP81AもしくはCYP73Aのアイソフォームであるが、但し、CYP81AのアイソフォームがトウモロコシNSF1ポリペプチドではない、前記植物または植物部分。
【請求項28】
第2の除草剤耐性特性が、イミダゾリノン除草剤耐性である、請求項27に記載の植物。
【請求項29】
前記種子が、その表面上で処理された、少なくとも1種の農学上許容し得る活性成分(A.I.)を含む組成物を有する、請求項5に記載の種子。
【請求項30】
前記種子が、その表面上で処理された、少なくとも1種の農学上許容し得る防かび剤、殺線虫剤、または殺虫剤A.I.またはその組合せを含む組成物を有する、請求項5に記載の種子。
【請求項31】
前記種子が、その表面上で処理された、少なくとも1種の農学上許容し得る除草剤、防かび剤、殺線虫剤、もしくは殺虫剤A.I.、またはその組合せを含む組成物であるが、但し、除草剤A.I.がサフルフェナシルA.I.ではない、前記組成物を有する、請求項5に記載の種子。
【請求項32】
請求項5に記載の種子を提供すること、およびそれに対して種子処理組成物を適用することを含む、処理された種子を調製する方法。
【請求項33】
請求項1に記載の植物を農学上許容し得る組成物で処理する方法であって、農学上許容し得る組成物を前記植物と接触させることを含み、該組成物がサフルフェナシルを含む、前記方法。
【請求項34】
請求項1に記載の植物を農学上許容し得る組成物で処理する方法であって、農学上許容し得る組成物を前記植物と接触させることを含むが、但し、該組成物がサフルフェナシルA.I.を含まない、前記方法。
【請求項35】
前記組成物が防かび剤、殺虫剤、または殺線虫剤をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
請求項1に記載の種子を農学上許容し得る組成物で処理する方法であって、農学上許容し得る組成物を前記種子と接触させることを含み、該組成物がサフルフェナシルを含む、前記方法。
【請求項37】
前記組成物が防かび剤、殺虫剤、または殺線虫剤をさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
請求項1に記載の植物の種子または該植物を産生することができる種子を植えることを含む、子孫種子を調製する方法。
【請求項39】
前記種子から子孫植物を成長させることをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記子孫植物から子孫種子を収穫することをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
オーキシン除草剤組成物を前記子孫植物に適用することをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
請求項1に記載の植物から植物産物を製造する方法であって、該植物またはその植物部分を加工して、植物産物を取得することを含む、前記方法。
【請求項43】
前記植物産物が飼料、種子粉末、油、または種子処理コーティングされた種子である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記植物部分が種子である、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
植物または植物部分が、その細胞の少なくともいくつかに、植物細胞中で機能し得るプロモーターに機能し得る形で連結された組換えポリヌクレオチドを含む植物または植物部分から得られる植物産物であって、該プロモーターが該ポリヌクレオチドによりコードされるシトクロムP450ポリペプチドを発現することができ、該ポリペプチドの発現が前記植物または植物部分にサフルフェナシルへの耐性を付与し、該植物または植物部分が第2の除草剤耐性特性をさらに示し、前記ポリペプチドがCYP72A15ポリペプチドまたはCYP81AもしくはCYP73Aのアイソフォームであるが、但し、CYP81AのアイソフォームがトウモロコシNSF1ポリペプチドではない、前記植物産物。
【請求項46】
前記産物が飼料、種子粉末、油、または種子処理コーティングされた種子である、請求項45に記載の植物産物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−516193(P2013−516193A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548172(P2012−548172)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2011/020546
【国際公開番号】WO2011/085221
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(512177252)
【Fターム(参考)】