説明

除草剤

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な除草剤及び畑の雑草の防除のためのその用途に関する。特に本発明は小麦、大麦、オート麦、ライ麦などの有用な麦類に優れた選択的除草活用を示す除草剤に関する。本発明の化合物を含有する除草剤は、例えば禾本科雑草、特に、ブラックグラスやウマノチャヒキのような雑草の除草に有用である。本発明の有効成分として用いられるスルホニル尿素類は小麦、大麦、オート麦、ライ麦などの麦畑の雑草に対して卓越した殺草作用を示し、しかも小麦、大麦、オート麦、ライ麦などの麦類に対して薬害がなく、麦畑の優れた選択的除草剤として用いられる。
【0002】
【従来の技術】これ迄除草作用を有する数多くのスルホニル尿素類が報告され(特開昭58−219179,特開昭58−162587,特開昭60−45572,特開昭60−208978,特開平1−38091)、麦畑で用いる除草剤も市販されている(GleanTTM,AllyTM,HarmonyTM,AmberTMなど)。しかし、これら麦畑で用いられるスルホニル尿素系除草剤は、広葉雑草に対しては非常に低濃度で優れた殺草作用を示すが、禾本科雑草に対しては麦類に対して選択性のある濃度では全く効かぬか、ごく弱い除草作用を示すにすぎないという欠点があった。したがって、禾本科雑草に対して満足しうる除草活性を有すると共に麦類に対して薬害等の障害作用のない除草剤を提供することが求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】麦類に対して薬害がなく、広葉雑草のみならず禾本科雑草に対しても優れた除草効果を有する除草剤の開発が本発明の目的である。また、禾本科雑草のうちでも、特にブラックグラスおよびウマノチャヒキに対して優れた除草効果を有すると共に、小麦、大麦、オート麦、ライ麦などの有用な麦類に対して薬害のない広い除草スペクトルを持つ除草剤の開発も本発明の目的の一つである。この除草剤は、小麦、大麦、オート麦、ライ麦等、特には小麦などの麦類の耕地における雑草防除のために有用である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは広い殺草スペクトラムを有し、しかも薬害のない優れた麦用除草剤の開発をめざし研究を重ねてきたところ、下記一般式(I)で表わされる化合物またはその塩が広範囲の麦畑の重要雑草、すなわちヤエムグラ、カミツレ、スミレ、ハコベ、ノハラガラシ、ソバカズラなどの広葉雑草はもとより、ブラックグラス、カラスムギ、ウマノチャヒキ、エノコログサなどの禾本科雑草に対しても卓越した殺草効果を示し、しかも作物に対し薬害のないことを見い出した。この化合物またはその塩は、禾本科雑草等(例えば、ブラックグラス、ウマノチャヒキ、カミツレ、ノハラガラシ及びハコベ、特にはブラックグラスやウマノチャヒキ)に対して特に強い除草活性を有している。本発明はかかる知見を基に、さらに種々検討を重ねた結果完成したものである。すなわち、本発明は式
【0005】
【化10】


【0006】[式中、Qは−CH=CH−または−S−を、RはC1−3のアルキル基を、XはOCHまたはCHを示す]で表わされる化合物またはその塩を含有することを特徴とする除草剤に関する。また、本発明は、禾本科雑草、特にはブラックグラスやウマノチャヒキなどを防除するための除草剤であって、上記化合物(I)またはその農薬として許容される塩を含有するものに関する。更に、本発明は、除草有効量の式(I)の化合物またはその塩、あるいはそれを含有する組成物を麦畑の雑草に適用してそれを防除する方法にも関する。
【0007】上記一般式においてRで表わされるC〜Cのアルキル基は直鎖または分枝状のアルキル基を意味し、メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピルが挙げられる。このうち好ましくはメチル,エチル,さらに好ましくはエチルである。Xはメトキシ基またはメチル基であり、好ましくはメトキシ基である。Qは−CH=CH−または−S−であり、好ましくは−CH=CH−である。化合物(I)は分子中に酸性基
【0008】
【化11】


【0009】を有し、無機または有機の塩基類と塩を形成することができる。該化合物(I)は、無機塩基または有機塩基との塩として用いることができる。化合物(I)の塩としては農薬として許容される塩があげられ、たとえばアルカリ金属(たとえばナトリウム、カリウムなど),アルカリ土類金属(たとえばマグネシウム、カルシウムなど),アンモニアなどとの無機塩基との塩が、さらにたとえばジメチルアミン,トリエチルアミン,ピロリジン,ピペリジン,ピペラジン,モルホリン,ベンジルアミン,エタノールアミン,ジエタノールアミンなどとの有機塩基との塩が用いられる。
【0010】化合物(I)またはその塩は除草剤として通常の農薬として一般の農薬のとりうる形態で用いることができる。この目的のためには、化合物(I)またはその塩の除草剤有効量と農薬として許容される液体担体または固体担体とを含む除草用組成物は、その化合物またはその塩と、固体担体または液状担体を混合することにより製造することができる。例えば、この化合物(I)またはその塩の1種又は2種以上を使用目的によって適当な液体担体に溶解するか分散させるか、または適当な固体担体と混合するか吸着させ、乳剤,油剤,噴霧剤,水和剤,粉剤,DL(ドリフトレス)型粉剤,懸濁剤,粒剤,微粒剤,微粒剤F,フロアブル,錠剤,液剤,スプレー剤,エアロゾール剤などの製剤として使用する。これらのうち、水和剤,懸濁剤,乳剤,及び粒剤が好ましい。
【0011】これらの製剤は自体公知の方法で調製することができる。例えば、それらには必要に応じ、乳化剤,分散剤,展着剤,浸透剤,湿潤剤,粘漿剤,安定剤などを添加してもよい。使用する液体担体(溶剤)としては、例えば水、アルコール類(例、メタノール,エタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,エチレングリコール等)、ケトン類(例、アセトン,メチルエチルケトン等)、エーテル類(例、ジオキサン,テトラヒドロフラン,エチレングリコールモノメチルエーテル,ジエチレングリコールモノメチルエーテル,プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、脂肪族炭化水素類(例、ケロシン、灯油,燃料油,機械油等)、芳香族炭化水素類(例、ベンゼン,トルエン,キシレン,ソルベントナフサ,メチルナフタレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジクロロメタン,クロロホルム,四塩化炭素等)、酸アミド類(例、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド等)、エステル類(例、酢酸エチルエステル、酢酸ブチルエステル、脂肪酸グリセリンエステル等)、ニトリル類(例、アセトニトリル、プロピオニトリル等)などの溶媒が適当であり、これらは1種または2種以上を適当な割合で混合して使用する。
【0012】固体担体(希釈・増量剤)としては、植物性粉末(例、大豆粉,タバコ粉,小麦粉,木粉等)、鉱物性粉末(例、カオリン,ベントナイト,酸性白土,クレイ等のクレイ類,滑石粉,ロウ石粉等のタルク類、珪藻土,雲母粉などのシリカ類等)、アルミナ、硫黄粉末、活性炭などが適当であり、これらは1種又は2種以上を適当な割合で混合して使用する。上記液体または固体担体は、それぞれ単独にあるいはそれぞれ配合して使用することができる。その担体の量としては全組成物に対して100重量%までの範囲であることができる。
【0013】乳化剤,展着剤,浸透剤,分散剤などとして使用される界面活性剤としては、必要に応じて石けん類,ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類(例、ノイゲン,イー・エー142(E,A142)TM第一工業製薬(株)製)、ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルホルムアルデヒド縮合物類(例、ニューカルゲンE−300TM),ポリオキシエチレンフェニルフェノールエーテル硫酸塩(アグリゾールFL−2017TM),ポリオール系特殊高分子類(例、アグリゾールFL−104FATM),ポリオキシエチレンアリールエステル類(例、ノナールTM,東邦化学(株)製),アルキル硫酸塩類(例、エマール10TM,エマール40TM,花王石鹸(株)製),アルキルスルホン酸塩類(例、ネオゲンTM,ネオゲンTTM,第一工業製薬(株)製:ネオペレックスTM花王石鹸(株)製),ポリオキシエチレングリコールエーテル類(例、ノニポール85TM,ノニポ−ル100TM,ノニポール160TM,三洋化成(株)製),多価アルコールエステル類(例、トウイーン20TM,トウイーン80TM,花王石鹸(株)製)などの非イオン系及びアニオン系界面活性剤が用いられる。界面活性剤の量としては、全組成物量に対して、0から50重量%程度、より好ましくは1から25重量%程度の範囲である。
【0014】除草剤中の活性成分の割合はその目的に応じて変えることができる。例えば化合物(I)またはその塩の除草剤中の含有割合は乳剤,水和剤,懸濁剤,水分散化用粒剤などは1から90重量%程度が適当であり、油剤,粉剤,DL(ドリフトレス)型粉剤などとしては0.01から10重量%程度が適当であり、微粒剤F,粒剤としては0.05から10重量%程度が適当であるが、使用目的によっては、これらの濃度を適宜変更してもよい。乳剤,水和剤,懸濁剤などは使用に際して、水などで適宜希釈増量(たとえば100〜100000倍)して散布する。
【0015】化合物(I)またはその塩を含有する除草剤の使用量は、適用場面,適用時期,施用方法,対象草種,栽培作物,例えば麦類等により差異はあるが一般に有効成分(化合物(I)またはその塩)として畑地1アール当り0.05から20g程度、好ましくは0.1から5g程度である。化合物(I)またはその塩あるいはそれらを含有する除草用組成物は、畑地、特に麦畑の植付前土壌混和処理剤,発芽前土壌処理剤あるいは茎葉処理剤として使用するのが適用である。
【0016】本発明の除草剤は必要に応じ他種の除草剤,植物成長調整剤,殺菌剤(例、有機塩素系殺菌剤,有機イオウ系殺菌剤,アゾール系殺菌剤,抗生物質など),殺虫剤(例、ピレスロイド系殺虫剤,有機リン系殺虫剤,カルバメート系殺虫剤など),その他殺ダニ剤,殺線虫剤,共力剤,誘引剤,忌避剤,色素,肥料などを配合し、混合使用することができる。これらのものとしては、ファーム ケミカルズ ハンドブック(マイスターパブリッシング カンパニー)(Farm Chemicals Handbook(Meister Publishing Company)),1991年版のカタログに記載されたものがあげられる。
【0017】本発明化合物と混合して使用できる殺虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤の代表例を以下に示す。プロポクスル(propoxur),イソプロカルブ(isoprocarb),BPMC、キシリルカルブ(xylylcarb)、メトルカルブ(metolcarb)、XMC、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、カルバリル(carbaryl)、ピリミカーブ(pirimicarb)、ベンジオカルブ(bendiocarb)、カルボフラン(carbofuran)、フラチオカルブ(furathiocarb)、カルボスルファン(carbosulfan)、アミノスルフラン(aminosulfulan)、メソミル(methomyl)、フェンチオン(fenthion)、フェニトロチオン(fenitrothion)、プロパホス(propaphos)、シアノホス(cyanophos)、プロチオホス(prothiofos)、スルプロホス(sulprofos)、プロフェノホス(profenofos)、EPN、シアノフェンホス(cyanofenphos)、アセフェート(acephate)、オキシデプロホス(oxydeprofos)、ジスルホトン(disulfoton)、チオメトン(thiometon)、フェントエート(phenthoate)、マラソン(malathion)、ジメトエート(dimethoate)、バミドチオン(vamidothion)、メカルバム(mecarbam)、トリクロルホン(trichlorphon)、ネイルド(naled)、ジクロルホス(dichlorvos)、クロロフェンビンホス(chlorofenvinphos)、テトラクロルビンホス(tetrachlorvinphos)、モノクロトホス(monocrotophos)、ホサロン(phosalone)、ジアリホス(dialifos)、クロルピリホス−メチル(chlorpyrifos−methyl)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、ピリミホス−メチル(pirimiphos−methyl)、ダイアジノン(diazinon)、エトリムホス(etrimfos)、ピリダフェンチオン(pyridaphenthion)、キナルホス(quinalphos)、イソキサチオン(isoxathion)、メチダチオン(methidathion)、サリチオン(salithion)、シフルスリン(cyfluthrin)、パーメスリン(permethrin)、サイパーメスリン(cypermethrin)、デルタメスリン(deltamethrin)、シハロスリン(cyhalothrin)、フェンプロパスリン(fenpropathrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フルシスリネート(flucythrinate)、フルバリネート(flubalinate)、カルタップ(cartap)、チオシクラム(thiocyclam)、ブプロフェジン(buprofezin)、ジフルベンズロン(difulbenzuron)、エトフェンプロックス(ethofenprox)、フサライド(fthalide)、バリダマイシンA(validamycinA)、メプロニル(mepronil)、フルトラニル(flutolanil)、モンガード(商品名monguard)、ペンシクロン(pencycuron)、エジフェンホス(edifenphos)、イソプロチオラン(isoprothiolane)、トリシクラゾール(tricyclazole)、プロベナゾール(probenazole)、カスガマイシン(kasugamycin)、IBP、ベンスルタップ(bensultap)、ピラクロホス(pyraclophos)、フェリムゾン(ferimzon)、イミダクロプリド(imidacloprid)、ナイテンピラム(nitenpyram)、シグマ−サイパーメスリン(sigma−cypermethrin)、フィプロニル(fipronil)、シラノファン(silanophane)、ノバリュロン(novaluron)、ハイドロプレン(hydroprene)、フルフェンプロックス(flufenprox)、フェンピラド又はテブフェンピラド(fenpyrad or tebufenpyrad)、フェノキシカーブ(fenoxycarb)、フェナザキン(fenazaquin)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、ノーモルト(nomolt)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、アラニカルブ(alanycarb)、ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、クロフェンテジン(clofentezine)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、トラロメトリン(tralomethrin)、メトキサジアゾン(methoxadiazone)、フルアジナム(fluazinam)、オキメラノルア(okimeranolure)、クロルチオホス(chlorthiophos)、フォートレス(fortress)、レバミゾール(levamisol)、ジェノクロル(dienochlor)、クロエトカルブ(cloethocarb)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、イソフェンホス(isofenphos)、アベルメクチン(avermectin)、ミルベマイシン(milbemycin)、フェノチオカルブ(fenothiocarb)、シロマジン(cyromazine)、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、ブタチオホス(butathiofos)、フェンピロキシメート(fenpyroximate)、アクリナスリン(acrinathrin)、ベンフルスリン(benfluthrin)、ピリダベン(pyridaben)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、チェリトルア(cherrytlure)、スルフラミド(sulfluramid)、ダイアモルアー(diamolure)、チオジカルブ(thiodicarb)、フェンプロパスリン(fenpropathrin)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、ディアフェンチウロン(diafenthiuron)、フェナリモール(fenarimol)、フルピリミドール(flurprimidol)、フルオトリマゾール(fluotrimazole)、トリアジメホン(triadimafon)、トリアジメノール(triadimenol)、ジクロブタゾール(diclobutazol)、パクロブタゾール(paclobutazol)、ジニコナゾール(diniconazole)、ウニコナゾール(uniconazole)、トリフルミゾール(triflumizole)、プロピコナゾール(propiconazole)、フルトリアホル(flutriafol)、フルシラゾール(flusilazole)、ペンコナゾール(penconazole)、ブチオベート(butiobate)、プロクロラズ(prochloraz)、トリアペンセノール(teiapenthenol)、EDDP、ピロキュロン(pyroquilon)、クロベンチアゾン(chlobenchiazone)、ジネブ(zineb)、マネブ(maneb)、TPN、キャプタン(captan)、キャプタフォル(captafol)、ホルペット(folpet)、ジクロルフルアニド(dichlorfluanid)、カルボキシン(carboxin)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、ピラカルボリド(pyracarbolid)、メベニル(mebenil)、フルカルバニル(furcarbanil)、シクラフラミド(cyclafuramid)、ベノダニル(benodanil)、グラノバックス(granovax)、チアベンダゾール(thiabendazole)、フベリダゾール(fuberidazole)、ベノミル(benomyl)、チオファネート−メチル(thiophanate−methyl)、サイペンダゾール(cypendazole)、カーベンダジン(carbendazin)、ジクロゾリン(dichlozoline)、イプロジオン(iprodione)、ビンクロゾリン(vinclozolin)、プロシミドン(procymidone)、ミクロゾリン(myclozolin)、フタラキシル(ftalaxyl)、メタラキシル(metalaxyl)、オフレース(ofrace)、ベナラキシル(benalaxyl)、オキサデキシル(oxadixyl)、シプロフラム(cyprofuram)、トリデモルフ(tridemorph)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、トリフォリン(triforine)、トリアリモル(triarimol)、フェナリモル(fenarimol)、ビイテタノール(bitetanol)、イマザリル(imazalil)、エタコナゾール(etaconazole)、パクロブトラゾール(paclobutrazol)、フェナプロニル(phenapronil)、トリフルミゾール(triflumizole)、ビニコナゾール(viniconazole)、エチリモル(ethirimol)、ジメチルモル(dimethirimol)、フルオロイミド(fluoroimide)、ヒメキサゾール(hymexazol)、エタゾール(ethazol)、プロキシクロル(proxychlor)、ピラゾホス(pyrazophos)、プロチオカーブ(prothiocarb)、アリエッティ(aliette)、フェンプロピディン(fenpropidin)、フラペナゾール(flapenazole)、ピリフェノックス(pyrifenox)、ジエトフェンカルブ(diethofencarb)、ピパニピリム(pipanipirim)、クロジラコン(clozylacon)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、ジメトモルフ(dimethomorph)、フェンピクロニル(fenpiclonil)、チシオフェン(thicyofen)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、オプス(商品名,opus)、イプコナゾール(ipconazole)、ジメトコナゾール(dimetconazole)、ミクロブタニル(myclobutanil)、ミソチアゾール(myxothiazol)、チオイミコナゾール(thioimiconazole)、ザリラミド(zarilamid)、メトスルホバックス(metsulfovax)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、クインコナゾール(quinconazole)、テクロフタラム(tecloftalam)、トルクロホスメチル(tolclofos−methyl)、フェンプロピディン(fenpropidin)、トリクラミド(triclamide)、フルスルファミド(flusulfamide)、ベフラン(befran)、シプロコナゾール(cyproconazole)、テクロフタラム(tecloftalam)、フルコナゾール−シス(furconazole−cis)、フェネサニル(fenethanil)、ジメフルアゾール(dimefluazole)、エチルトリアノール(ethyltrianol)、テブコナゾール(tebuconazole)、オキソリニック酸(oxolinic acid)等。
【0018】本発明化合物と混合して使用できる除草剤の代表例を以下に示す。アトラジン(Atarazine)、シアナジン(Cyanazine)、アメトリン(Ametryne)、アラクロール(Alachlor)、ブタクロール(Butachlor)、メトラクロール(Metolachlor)、IPC、CIPC、チオベンカルブ(Thiobencarb)、ブチレート(Butylate)、EPTC、ジカンバ(Dicamba)、モニュロン(Monuron)、ジウロン(Diuron)、フルオメツロン(Fluometuron)、クロロクスロン(Chloroxuron)、ベンズチアズロン(Benzthiazuron)、カルブチレイト(Karbutilate)、メトキスロン(Metoxuron)、メタベンズチアズロン(Methabenzthiazuron)、クロロトルロン(Chlortoluron)、イソプロツロン(Isoproturon)、トリフルラリン(Trifluralin)、ペンディメタリン(Pendimethalin)、2,4−D、MCPA、MCPP、モリネート(Molinate)、エプロナズ(Epronaz)、セトキシジム(Sethoxydim)、アロキシジム(Alloxydim)、トラルコキシジム(Tralkoxydim)、フルアジホップ−ブチル(Fluazifop−butyl)、キザロホップ−エチル(Quizalofop−ethyl)、フェノキサプロップ−エチル(Fenoxaprop−ethyl)、ハロキシホップ−エトキシエチル(Haloxyfop ethoxyethyl)、フルアジホップ−P−ブチル(Fluazifop−P−butyl)、フラムプロフ−M−イソプロピル(Framprof−M−isopropyl)、トリジファン(Tridiphane)、メサゾール(Methazole)、オキサジアゾン(Oxadiazon)、ベンタゾン(Bentazone)、ピラゾレイト(Pyrazolate)、クロルメトキシニル(Chlormethoxynil)、クロルニトロフェン(Chlornitrofen)、ジクロホップ−メチル(Dichlofop−methyl)、オキシフルオルフェン(Oxyfluorfen)、ラクトフェン(Lactofen)、アクロニフェン(Achonifen)、プロパニル(Propanil)、メトリブジン(Metribuzin)、アシフルオルフェン(Acifluorfen)、ホメサフェン(Fomesafen)、ベンスルフロン−メチル(Bensulfurom methyl)、クロルスルフロン(Chlorsulfuron)、クロリムロン−エチル(Chlorimuronmethyl)、プリミスルフロン(Primisulfuron−methyl)、トリアスルフロン(Triasulfuron)、イマザキン(Imazaquin)、イマザメタベンズ(Imazamethabenz)、イマザピル(Imazethapyr)、トリベニュロン(Tribenuron Methyl)、ベンゾイルプロプ−エチル(Benzoylprop−ethyl)、ジフェンゾクォート(Difenzoquat)、アイオキシニル(Iexynil)、ビフェノックス(Bifenox)、クロピラリド(Clopyralid)、メコプロプ(Mecoprop)、メツルフロン−メチル(Metsulfuron−methyl)、フルロキシピル(Fluroxypyr)、イソキサベン(Isoxaben)、チアメトウロン−メチル(Tiameturon−methyl)、フルオログリコフエン−エチル(Fluoroglycofen−ethyl)、ブロモキシニル(Bromoxynil)、ペンジメタリン(Pendimethalin)、プロメトリン(Prometryn)。
【0019】上記したように、畑の雑草を防除する方法であって、有効量の化合物(I)またはその塩を施用する方法が提供される。この畑地としては、特に小麦、大麦、オート麦、ライ麦等の麦類のためのものがあげられ、より特別には小麦のための畑があげられる。雑草としては前記したものと同様のものがあげられる。また化合物(I)またはその塩の量としては、前記したのと同様の量があげられる。化合物(I)またはその塩は自体公知の方法、たとえば特開平1−38091号公報に記載された次式の反応により製造できる。
【0020】
【化12】


【0021】[式中の記号は前記と同意義を示す]化合物(II)と(III)の反応は通常、塩基[たとえば1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(以下DBUと略記する),トリエチルアミンなど]の存在下、不活性溶媒(たとえばアセトニトリル,クロロホルムなど)中で行なわれる。化合物(IV)と(V)の反応も前記と同様の溶媒が用いられる。化合物(II)および(IV)はたとえば特開平1−38091号公報および特開平1−316379号公報に準じて製造できる。
【0022】
【化13】


【0023】[式中の記号は前記と同意義を示す]上記反応において中間体(VII),(VIII),(IX),(II)は単離精製せずに次反応に供していてもよい。原料化合物(VI)はたとえば特開平1−38091号公報に記載された方法か、それに準じた次に示す方法により製造できる。
【0024】
【化14】


【0025】[式中の記号は前記と同意義を示す]
【0026】
【発明の効果】本発明の除草剤は、極めて低薬量で麦畑の広範囲の雑草に対して優れた殺草力を有する。特に、本発明の除草剤は従来除草が困難であった禾本科雑草、特にブラックグラスやウマノチャヒキに対して優れた除草効果を有する。しかも、本発明の除草剤は作物(コムギ,オオムギ,オートムギ,ライムギなどの麦類)に対して高度の選択性を示す。また、哺乳動物,鳥類,魚貝類などに対しても低毒性であり、環境を汚染することなく、安全に使用可能である。
【0027】
【実施例,製造例および参考例】以下に参考例,製造例,実施例,試験例を挙げ、本発明を具体的に説明する。参考例,製造例中の記号は次のような意味を有する。
s:シングレット,d:ダブレット,t:トリプレット,q:クワルテット,d.d:ダブルダブレット,m:マルチプレット,br:幅広い,J:カップリング定数,DMSO:ジメチルスルホキシド,ph:フェニル基%は特記しない限り重量%を示す。室温とは通常約10〜30℃を示す。
【0028】[参考例1]
6−エチルチオイミダゾ[2,1−b]チアゾール(a)60%油性水素化ナトリウム34.3gをジメチルホルムアミド11に懸濁した。冷却下エチルメルカプタン44.8gを滴下し室温で30分間攪拌した。6−メシルイミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−カルボン酸エチル197.8gを少量ずつ加えて室温で3時間攪拌した。反応液を氷水3lにあけ折出する結晶をろ取、水洗、乾燥すると6−エチルチオイミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−カルボン酸エチル161.3gが得られた。
【0029】
【化15】


【0030】(b)水酸化ナトリウム414gを水1.2lとエタノール800mlに溶かし、6−エチルチオイミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−カルボン酸エチル161.3gを加えて1.5時間加熱還流した。エタノールを留去し残留物に水2lを加え、塩酸で中和(pH=1)後析出した結晶をろ取、水洗した。湿結晶を150℃で30分間加熱した。加熱中に激しく発泡が起り、油状物が生成した。油状物をクロロホルム500mlに溶かし、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。クロロホルムを留去すると油状の標記化合物115.4g(収率86.8%)が得られた。
【0031】
【化16】


【0032】
【数1】


【0033】[参考例2]
6−(n−プロピルチオ)イミダゾ[2,1−b]チアゾール参考例1と同様の方法で6−メシルイミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−カルボン酸エチルとn−プロピルメルカプタンから油状の標記化合物が得られた。
【0034】
【化17】


【0035】
【数2】


【0036】[参考例3]
6−イソプロピルチオイミダゾ[2,1−b]チアゾール参考例1と同様の方法で6−メシルイミダゾ[2,1−b]チアゾール−5−カルボン酸エチルとイソプロピルメルカプタンから油状の標記化合物が得られた。
【0037】
【化18】


【0038】
【数3】


【0039】[参考例4]
6−イソプロピルチオイミダゾ[1,2−a]ピリジン参考例1と同様の方法で2−メシルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−カルボン酸エチルとイソプロピルメルカプタンから油状の標記化合物が得られた。
【0040】
【化19】


【0041】[参考例5]
2−エチルチオイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−スルホンアミド2−エチルチオイミダゾ[1,2−a]ピリジン(特開平1−38091号公報に記載された化合物)36.0gをジクロロエタン300mlに溶かし、クロロスルホン酸28.0gをジクロロエタン50mlに溶かした液を50℃以下で滴下した。滴下終了後加熱還流下7時間攪拌し、冷却後トリエチルアミン27.0gを加えて室温で30分間攪拌した。反応液を加熱し、還流下にオキシ塩化リン37.2gを滴下した後1.5時間攪拌を続けた。冷却後反応液を水洗し、ジクロロメタン層を減圧濃縮した。残留物をアセトニトリル300mlに溶かし、冷却下アンモニア水50mlを10〜20℃で加えて室温で1時間攪拌した。反応液を約半量迄減圧濃縮し、析出した結晶をろ取し、水洗、乾燥すると標記化合物29.1g(収率56.4%)が白色結晶として得られた。
【0042】
【化20】


【0043】
【数4】


【0044】参考例5と同様の方法で得られるスルホンアミド類を表1および表2に示す。
【0045】
【表1】


【0046】
【表2】


【0047】[参考例6]
2−エチルスルホニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−スルホンアミド2−エチルチオイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−スルホンアミド27.0gをジメチルホルムアミド300mlに溶解し、冷却下m−クロロ過安息香酸45.0gを5〜20℃で加え35〜40℃で3時間攪拌した。反応液を氷水1.5lにあけ、析出した結晶をろ取した。湿結晶を亜硫酸水素ナトリウム水溶液500ml(NaHSO10gを含む)に加え、30分間室温で攪拌した後ろ取、炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで水で洗って乾燥すると標記化合物20.8g(収率68.6%)が白色結晶として得られた。
【0048】
【化21】


【0049】
【数5】


【0050】参考例6と同様の方法で得られるスルホンアミド類を表3および表4に示す。
【0051】
【表3】


【0052】
【表4】


【0053】[製造例1]
N−(2−エチルスルホニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルスルホニル)−N′−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)尿素(化合物No.2)
2−エチルスルホニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−スルホンアミド20.5gとフェニルN−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)カーバメート20.0gをアセトニトリル250mlに懸濁し、氷冷下DBU11.0gを加えて室温で3時間攪拌した。反応液を水2lにあけ、塩酸で中和(pH.2〜3)した後析出した結晶をろ取、水洗、乾燥すると標記化合物28.6g(収率91.3%)が白色結晶として得られた。
【0054】
【化22】


【0055】
【数6】


【0056】製造例1と同様の方法で得られたスルホニル尿素類を表5と表6に示す。
【0057】
【表5】


【0058】
【表6】


【0059】[試験例1] コムギに対する選択性試験(出芽前処理)
直径10cmのジフィーポットに約300gの埴壌土(蒸気滅菌土壌)をつめ、雑草の種子20個(ノハラガラシの種子は10個),コムギの種子10個を、それぞれ別々のポットにまき、1cmの覆土をする。これらに、化合物(I)を含む薬剤希釈液を1アール当り、1,0.25gになるようにポットの土壌表面に散布する。尚、薬剤希釈液は化合物(I)の1または0.25gを界面活性剤(トゥイーン20:TM)2%(W/V)を含むアセトン500mlに溶解し、水で希釈して全量を5lにしたものである。薬剤処理4週間後にそれぞれの化合物の除草効果及び薬害を観察によって評価し、次の指数で表示した(試験例2でも同じ)。試験はファイロンハウス内で実施した。結果を表7に示す。
【0060】
【数7】


【0061】
【数8】


【0062】[試験例2] コムギに対する選択性試験(出芽後処理)
直径10cmのジフィーポットに約300gの埴壌土(蒸気滅菌土壌)をつめ、雑草の種子20個(但し、ノハラガラシの種子は10個),コムギの種子10個を、それぞれ別々のポットにまき、1cmの覆土をする。イネ科雑草の1〜1.5葉期、広葉雑草の2〜6葉期に、コムギの2〜3葉期に、雑草は均一な10個体(但し、ノハラガラシは5個体),作物は5個体を残して他を除去し、これらに、化合物(I)を含む薬剤希釈液では1アール当り、1,0.25gになるように植物の茎葉に散布する。尚、薬剤希釈液は第8表に示す所定の量を界面活性剤(トゥイーン20:TM)2%(W/V)を含むアセトン500mlに溶解し、水で希釈して全量を5lにしたものである。薬剤処理4週間後にそれぞれの化合物の除草効果及び薬害を試験例1と同一方法、基準によって評価し、指数で示した。試験は温度制御温室内で実施した。結果を第8表に示す。
【0063】
【表7】


【0064】
【表8】


【0065】[実施例1] 水 和 剤 化合物No.2 5重量% ポリオキシエチレングリコールエーテル (ノニポール85TM) 3重量% リグニンスルホン酸ナトリウム 5重量% クレイ 87重量%を混合粉砕してなる水和剤。(水に適宜希釈して使用)
【0066】[実施例2] 乳 剤 化合物No.3 2重量% キシレン 75重量% ジメチルホルムアミド 18重量% ポリオキシエチレングリコールエーテル (ノニポール85TM) 5重量%を含有する乳剤。(水に適宜希釈して使用)
【0067】[実施例3] 懸濁剤 化合物No.6 2重量% ポリオキシエチレンアリルフェニルエーテルホルムアルデヒド縮合物(ニュー カルゲンE−300TM) 3重量% ポリオキシエチレンフェニルフェノール エーテル硫酸塩 (アグリゾールFL−2017TM) 2重量% ポリオール系特殊高分子(アグリゾールFL−104FATM)15重量% ホワイトカーボン 2重量% エチレングリコール 10重量% 水 66重量%を混合し、湿式粉砕して懸濁状としたフロアブル。(水に適宜希釈して使用)
【0068】[実施例4] 粒 剤 化合物No.1 0.2重量% リグニンスルホン酸ナトリウム 5重量% ベントナイト 94.8重量%の混合物に水を加えねり合せ造粒してなる粒剤。
[実施例5] 水 和 剤 化合物No.2 10重量% トウィーン20TM 20重量% ホワイトカーボン 40重量% クレイ 30重量%の混合物をよく混合し、粉砕した(この組成物は水で希釈液とした後施用する。
【0069】[実施例6] 水 和 剤 化合物No.6 80重量% ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 2重量% ナフタレンスルホン酸ナトリウム 3重量% クレイ 15重量%の混合物をよく混合し、粉砕した(この組成物は水で希釈液とした後施用する)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 式
【化4】


で表わされるN−(2−エチルスルホニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルスルホニル)−N’−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)尿素またはその塩と、界面活性剤1〜25重量%とを含有する、小麦畑のブラックグラスまたはウマノチャヒノキ防除のための除草剤。

【特許番号】特許第3209548号(P3209548)
【登録日】平成13年7月13日(2001.7.13)
【発行日】平成13年9月17日(2001.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−315628
【出願日】平成3年9月25日(1991.9.25)
【公開番号】特開平5−9102
【公開日】平成5年1月19日(1993.1.19)
【審査請求日】平成10年9月10日(1998.9.10)
【前置審査】 前置審査
【出願人】(000002934)武田薬品工業株式会社 (396)
【参考文献】
【文献】特開 平1−38091(JP,A)