説明

除草性組成物

【課題】 薬剤の施用地域又はその周辺の環境負荷を、これまで以上に軽減するために、除草有効成分の効力を向上させ、その施用量をできるだけ削減することが希求されている。
【解決手段】 (1)式(I):
【化1】


(式中、T及びZは明細書で記載した意味を有する)で表される化合物又はその塩及び(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を含有する除草組成物を提供する。また、その除草組成物を用い、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を用い、後記式(I)で表される化合物又はその塩の除草効力を向上させた除草組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、農耕地における作物の栽培においては、作物の生育や収穫を妨げる雑草の防除が求められてきた。また、非農耕地においても、雑草を効率的に防除することは、その土地の利用に有益である。このように、農耕地、非農耕地のいずれにおいても、雑草の防除が必要であり、これまで各種の除草剤が使用されているが、最近では、薬剤の施用地域又はその周辺の環境負荷をより軽減するべく、除草有効成分の施用量をできるだけ削減する動きがみられる。例えば、ノニオン系界面活性剤を散布液に配合することにより、除草効果を向上させ、薬剤の施用量を低減することが知られており、汎用品として、アルキルアリールポリグリコールエーテル系界面活性剤(商品名:シトウェット(citowett)、BASF France製)、シリコン系界面活性剤(商品名:シルウェット(SILWETT L-77)、polyalkyleneoxide modified heptamethyl-trisiloxan、Helena Chemical Campany製)などがある。
後記式(I)で表される化合物又はその塩は、特許文献1乃至4に開示されているが、その除草効力がポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩により顕著に向上することは知られていない。
特許文献5には、3−複素環置換ベンゾイル誘導体又はその塩と、C5-C22アルカン酸のC1-C5アルキルエステル、C10-C20カルボン酸、モノヒドロキシ官能性ポリアルキルエーテルの部分的リン酸エステル又は部分的硫酸エステル及び場合によりアルキルポリオキシアルキレンポリエーテルを含む補助剤とを含有する除草剤混合物が開示されている。
【0003】
【特許文献1】国際公開公報 WO2007/069771明細書
【特許文献2】米国特許第6376429号明細書
【特許文献3】国際公開公報 WO2008/068907明細書
【特許文献4】国際公開公報 WO2001/094339明細書
【特許文献5】国際公開公報 WO2000/53014明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
薬剤の施用地域又はその周辺の環境負荷を、これまで以上に軽減するために、除草有効成分の効力を向上させ、その施用量をできるだけ削減することが希求されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するべく種々の検討を行なった結果、特定の化合物を用いることにより、後記式(I)で表される化合物又はその塩の除草効力を顕著に向上できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、(1)式(I):
【0006】
【化1】

【0007】
{式中、Tは、
【0008】
【化2】

【0009】
であり、Zは、
【0010】
【化3】

【0011】
であり、Qは−C(O)SR、水素原子又は−A−O−C(O)OR10であり、Rはアルキル又はシクロアルキルであり、Rは水素原子又はアルキルであり、Rはアルキル;シクロアルキル;ハロアルキル;アルコキシアルキル;アルコキシカルボニルアルキル;アルケニル;又はRで置換されてもよいアリールアルキルであり、Rはアルキル;ハロアルキル;アルコキシ;ハロゲン;ニトロ;シアノ;アルキルチオ;アルキルスルフィニル;又はアルキルスルホニルであり、Rは水素原子;アルキル;アルケニル;アルキニル;ハロゲン;シアノ;シアノアルキル;シアノアルケニル;ハロアルキル;アルコキシアルキル;ハロアルコキシアルキル;アルキル、シアノ、シアノアルキル、(アルキルチオ)カルボニルアルキル、アルキル(チオカルボニル)アルキル、−C(O)OR及び−C(O)SRから選ばれる少なくとも1つの置換基で置換されてもよいアミノ(チオカルボニル)アルキル;チオシアナトアルキル;アルコキシ;アルケニルオキシ;アルキニルオキシ;ハロアルコキシ;アルコキシアルコキシ;ハロアルコキシアルコキシ;アルコキシハロアルコキシ;ハロアルコキシハロアルコキシ;アルコキシアルコキシアルキル;アルキルチオ;アルコキシアルキルチオ;ハロアルコキシアルキルチオ;アルコキシハロアルキルチオ;ハロアルコキシハロアルキルチオ;アルキルチオアルキルチオ;ハロアルキルチオアルキルチオ;アルキルチオハロアルキルチオ;ハロアルキルチオハロアルキルチオ;アルキルチオアルコキシ;アルキルスルホニル;アルキルスルホニルアルキル;アルコキシカルボニルアルキル;アルコキシカルボニルアルコキシ;ヘテロシクリルアルキル;ヘテロシクリルオキシ;ヘテロシクリルアルコキシ;ヘテロシクリルアルコキシアルキル;ヘテロシクリルオキシアルキル;シクロアルキルオキシ;−OC(O)SR;−OC(O)OR;−C(O)OR;−C(O)SR;−C(S)OR;−C(S)SR;又はアルキル、シアノ、シアノアルキル、(アルキルチオ)カルボニルアルキル、アルキル(チオカルボニル)アルキル、−C(O)OR及び−C(O)SRから選ばれる少なくとも1つの置換基で置換されてもよいアミノアルキルであり、Rはハロアルキル;ハロゲン;ニトロ;シアノ;アルキルチオ;アルキルスルフィニル;又はアルキルスルホニルであり、Rはアルキル;ハロアルキル;アルコキシアルキル;アルケニル;ハロアルケニル;アルキニル;又はRで置換されてもよいアリールアルキルであり、R及びRはそれぞれ独立にハロゲン;アルキル;又はアルコキシであり、R10はアルキルであり、Aは1又は2以上のアルキルで置換されたアルキレンであり、R11はアルコキシアルコキシアルキルであり、R12はハロアルキルであり、但し、TがT又はTのとき、ZはZであり、TがTのとき、ZはZであり、TがTであり、Rが水素原子であるとき、Qは水素原子ではなく、TがTであるとき、Rは水素原子ではない}で表される化合物又はその塩及び(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を含有する除草組成物などに関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、前記式(I)で表される化合物(以下、式(I)の化合物と言う)又はその塩の除草効力が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル(以下、POAアルキルエーテルリン酸エステルと言う)又はその塩により効果的に引き出され、向上する。また、それにより薬剤の施用量を低減できるので、施用地域又はその周辺に対する環境負荷を著しく軽減することができ、さらに、薬剤の施用量が低減されたことにより、その保管や運搬に要するコストを著しく軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の除草組成物は、式(I)の化合物又はその塩と、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とを含有するものである。例えば本発明は、(1)式(I)の化合物又はその塩を、各種補助剤を用いて製剤調製し、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とともに水等で希釈して、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用したり、又、(2)式(I)の化合物又はその塩と、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とを、各種補助剤とともに製剤調製し、水等で希釈して、或いは希釈することなく、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用したりするなどして実施される。
【0014】
式(I)の化合物の塩としては、農業上許容されるものであればあらゆるものが含まれるが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;ジメチルアミン塩、トリエチルアミン塩のようなアミン塩;塩酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、硝酸塩のような無機酸塩;酢酸塩、メタンスルホン酸塩のような有機酸塩などが挙げられる。
【0015】
式(I)の化合物に光学異性体、幾何異性体、ケト=エノール互変異性体のような各種構造異性体などが存在する場合は、当然それらも含まれる。
【0016】
本発明におけるPOAアルキルエーテルリン酸エステルとしては、POAアルキルエーテル部分がリン原子に1個〜3個結合した、モノPOAアルキルエーテルリン酸エステル、ジPOAアルキルエーテルリン酸エステル、トリPOAアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられ、複数のPOAアルキルエーテル部分がリン原子に結合する場合、それらは同一でも、異なっていてもよい。本発明においては、前述のものを任意に組み合わせて使用してもよい。
【0017】
本発明におけるPOAアルキルエーテルリン酸エステルの末端或いはPOA部分に挟まれた部分に位置する長鎖アルキル部分としては、直鎖状のものでも、分枝状のものでもよく、その炭素数は、例えば8〜20程度のものが好ましい。その具体例としては、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシルなどが挙げられる。
【0018】
本発明におけるPOAアルキルエーテルリン酸エステルのPOA部分の付加数は、1〜50程度、望ましくは1〜20程度である。また、POAアルキルエーテルリン酸エステルのアルキレンオキサイド部分は、直鎖状のものでも、分枝状のものでもよく、その炭素数は、例えば2〜3程度のものが好ましい。その具体例としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド或いは-CH(CH3)CH2O-などが挙げられる。それらの共重合体やブロック共重合体であってもよい。また、アルキレンオキサイド部分の置換位置は、特に限定されない。
【0019】
本発明におけるPOAアルキルエーテルリン酸エステルの塩としては、種々のものが挙げられるが、例えば、ナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属との塩;マグネシウム、カルシウムのようなアルカリ土類金属との塩;NH4+、モノエタノールアミンとの塩、ジエタノールアミンとの塩、トリエタノールアミンとの塩、トリメチルアミンとの塩、トリエチルアミンとの塩、トリブチルアミンとの塩、ジイソプロピルエチルアミンとの塩、モルフォリンとの塩のようなアミン塩などが挙げられる。
【0020】
本発明におけるPOAアルキルエーテルリン酸エステルを塩として使用する際には、POAアルキルエーテルリン酸エステルを散布液又は製剤調製されたものに添加した後、散布用タンク中或いは製剤品調製時に塩基類で中和して塩としてもよい。若しくはPOAアルキルエーテルリン酸エステルを、そのままの状態で或いは水溶液などの溶液状態にして、予め塩基類で中和して塩とした後、散布液又は製剤品に添加してもよい。いずれの場合も、使用する塩基類はそのままの状態で或いは水溶液などの溶液状態で添加してもよい。
【0021】
上記中和に使用する塩基類としては、無機塩基でも有機塩基でもいずれでもよい。無機塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸水素塩;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムのようなアルカリ土類金属炭酸塩;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムのようなアルカリ土類金属水酸化物などが挙げられる。有機塩基としては、例えば、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、モルフォリンのようなアミン類などが挙げられる。塩基類としては、これらの1種又は2種以上を適宜選択、混合して使用することができる。
【0022】
本発明におけるPOAアルキルエーテルリン酸エステルの化学構造の一例としては、以下の式(II)、(III)又は(IV)で表されるものが挙げられる。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
【化4】

【0024】
(式中、R及びRはアルキルであり、R、A、A及びAはアルキレンであり、Mは水素イオン、金属イオン、アンモニウム又は有機アンモニウムであり、n、s、tは1以上の整数であり、x及びyはx+y=3且つxは1、2又は3の整数を表し、yは0、1又は2の整数を表す。xが2以上の場合、各々の[RO(A1O)n]、[Rb(A1O)nRaO]、[Rb(A2O)RaO(A3O)]に含まれるRどうし、Rどうし、Rどうし、Aどうし、Aどうし、Aどうし及びnどうしは互いに同一であっても異なっていてもよい。yが2の場合、Mどうしは同一であっても異なっていてもよい。式(IV)におけるA及びAは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
【0025】
本発明におけるPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩(polyoxyalkylene alkyl ether phosphate or its salt)の別名としては、例えば、アルコキシル化アルコールのリン酸エステル又はその塩(phosphate ester of alkoxylated alcohol or its salt)、リン酸処理アルコールアルコキシレート又はその塩(phosphated alcohol alkoxylate or its salt)、(ポリオキシアルキレンアルコール)リン酸エステル又はその塩((polyoxyalkylene alcohol)phosphate or its salt)などが挙げられる。これらは全て本発明で使用されるPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩に含まれるものであるし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
本発明においては、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を含有する界面活性剤を使用することができるが、その具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。
・日光ケミカルズ(株)製の商品名:NIKKOL DLP-10、NIKKOL DOP-8NV、NIKKOL DDP-2、NIKKOL DDP-4、NIKKOL DDP-6、NIKKOL DDP-8、NIKKOL DDP-10、NIKKOL TLP-4、NIKKOL TCP-5、NIKKOL TDP-2、NIKKOL TDP-6、NIKKOL TDP-8、NIKKOL TDP-10など
・第一工業製薬(株)製の商品名:プライサーフ(PLYSURF) A212C、PLYSURF A215C、PLYSURF A208B、PLYSURF A219Bなど
【0027】
・東邦化学工業(株)製の商品名:フォスファノール(PHOSPHANOL) ED-200、PHOSPHANOL RA-600、PHOSPHANOL ML-220、PHOSPHANOL ML-240、PHOSPHANOL RD-510Y、PHOSPHANOL RS-410、PHOSPHANOL RS-610、PHOSPHANOL RS-710、PHOSPHANOL RL-210、PHOSPHANOL RL-310、PHOSPHANOL RB-410、PHOSPHANOL RS-610NA、PHOSPHANOL SC-6103、PHOSPHANOL RS-710M、PHOSPHANOL GB-520、PHOSPHANOL RD-720など
【0028】
・(株)ADEKA製の商品名:アデカコール(ADEKA COL) PS-440E、ADEKA COL PS-509E、ADEKA COL PS-807、ADEKA COL PS-810、ADEKA COL PS-984など
・AKZO NOVEL製の商品名:PHOSPHOLAN 5AP、PHOSPHOLAN PS-131、PHOSPHOLAN PS-220、PHOSPHOLAN PS-222、PHOSPHOLAN PS-236、PHOSPHOLAN PS-331、PHOSPHOLAN PS-810、PHOSPHOLAN PS-900など
・Cognis Deutschland GmbH Co. & KG製の商品名:AGNIQUE PE 23-5、AGNIQUE PE 25-5、AGNIQUE PE 25-5K、AGNIQUE PE 28-5N、Crafol AP 67など
【0029】
本発明においては、式(I)の化合物又はその塩の除草効力をより顕著に向上させたり、除草効力を発揮する対象植物の種類を増やしたり、施用する時期を拡張したりするなどのために、必要に応じ効力向上補助剤として、植物油、脂肪酸エステル、炭化水素系溶剤のような油類を使用することができる。油類は、1種又は2種以上を適宜使用できる。
【0030】
前記植物油としては、例えば、オリーブ油、カポック油、ひまし油、シュロ油、椿油、ヤシ油、ごま油、トウモロコシ油、米ぬか油、落花生油、綿実油、大豆油、菜種油、亜麻仁油、きり油などが挙げられる。
【0031】
前記脂肪酸エステルとしては、植物油又は動物油を原料としたものでも、石油類から化学合成されたものでもよい。又、当該脂肪酸のアルキル部分は、飽和であっても不飽和であっても良く、直鎖状であっても分枝状であってもよい。前記植物油を原料とした汎用品としては、例えば、メチル化種子油(methylated seed oil又はMSO)などが挙げられる。
【0032】
前記炭化水素系溶剤としては、例えば、キシレン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、その他の高沸点の芳香族炭化水素、ノルマルパラフィン(飽和直鎖状炭化水素)、イソパラフィン(飽和分枝状炭化水素)、ナフテン(飽和シクロアルカン)、それらの混合物などが挙げられる。
芳香族系炭化水素類を含有する製品の具体例としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
・Exxon Mobil Chemical Company製の商品名:Solvesso 100、Solvesso 150、Solvesso 200など
・新日本石油(株)製の商品名:Nisseki Hisol(日石ハイゾール) SAS 296、Nisseki Hisol SAS LHなど
・シェルケミカルズジャパン(株)製の商品名:Shellsol(シェルゾール)A100、Shellsol A150など
【0033】
ノルマルパラフィン、イソパラフィンを含有する製品の具体例としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
・新日本石油(株)製の商品名:Normal Paraffin SL、Normal Paraffin L、Normal Paraffin M、Normal Paraffin H、Sunsol(サンソル)IP600など
・シェルケミカルズジャパン(株)製の商品名:Shellsol S、Shellsol TG、Shellsol TK、Shellsol TMなど
【0034】
ナフテンを含有する製品の具体例としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
・新日本石油(株)製の商品名:Naphtesol(ナフテゾール)160、Naphtesol 200、Naphtesol 220、Naphtesol MS-20Pなど
・シェルケミカルズジャパン(株)製の商品名:Shellsol D40、Shellsol D70など
【0035】
本発明において前記油類を使用する場合、必要に応じて乳化剤、即ち、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩以外の乳化作用を持つ界面活性剤を使用することができる。当該乳化剤を含有することにより、前記油類の水分散性を良好にすることができるので、式(I)の化合物又はその塩を含有する除草組成物を水で希釈して散布する場合に有利である。このことは、本発明における望ましい態様の1つである。なお、乳化剤は、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩や、前記油類と予め混合しておいた形態で使用したり、散布液を調製する際に混合させて使用したりする。
【0036】
前記した乳化剤としては、例えば、以下のようなノニオン性界面活性剤やアニオン性界面活性剤などが挙げられ、これらを単独で、或いは任意に混合して使用しても良い。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエ−テル、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンソルビトールアルキルエステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンフェニルエーテルポリマー、ポリオキシアルキレンアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキレングリコール、ポリオキシアルキレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンヒマシ油などが挙げられる。
【0037】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリカルボン酸型界面活性剤、リグニンスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホサクシネート、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルサルフェート、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテルリン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど)、アルキル硫酸塩(ラウリル硫酸ナトリウム塩など)などが挙げられる。
【0038】
本発明の除草組成物は、式(I)の化合物又はその塩を含有する除草組成物と、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とを、例えば施用時に混合したものであっても、それらを予め製剤調製したものであってもよい。また、効力向上補助剤としての油類や乳化剤を使用する場合においても同様である。式(I)の化合物又はその塩と、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とを製剤調製する際、或いは、両者に更に前記油類を加え製剤調製する際、所望により各種補助剤を用いることができる。ここで用いることができる各種補助剤としては、当該技術分野で用いられるものであれば、いずれのものでもよいが、例えば、POAアルキルエーテルリン酸エステル以外の界面活性剤、担体、結合剤、植物油、鉱物油、沈降防止剤、増粘剤、消泡剤、凍結防止剤などが挙げられる。尚、製剤調製は、当該技術分野における通常の方法に準じて行うことができる。
【0039】
本発明においては、所望により、式(I)の化合物又はその塩以外の他の除草性化合物を混用或は併用することができ、この場合に一層優れた効果、作用性を示すことがある。例えば、適用草種の範囲、薬剤処理の時期、除草活性等を好ましい方向へ改良できる場合がある。尚、式(I)の化合物又はその塩と他の除草性化合物は、各々別々に製剤したものを散布時に混合して使用しても、両者を一緒に製剤したものを使用してもよい。当該他の除草性化合物としては、例えば下記(1)〜(11)の化合物群(一般名;一部ISO申請中を含む)から適宜選択することが出来る。特に記載がない場合であっても、これら化合物に、塩、アルキルエステル、光学異性体のような各種構造異性体などが存在する場合は、当然それらも含まれる。
【0040】
(1)2,4−D、2,4−Dブトチル(2,4-D-butotyl)、2,4−Dブチル(2,4-D-butyl)、2,4−Dジメチルアンモニウム(2,4-D-dimethylammonimum)、2,4−Dジオールアミン(2,4-D-diolamine)、2,4−Dエチル(2,4-D-ethyl)、2,4−D−2−エチルヘキシル(2,4-D-2-ethylhexyl)、2,4−Dイソブチル(2,4-D-isobutyl)、2,4−Dイソオクチル(2,4-D-isoctyl)、2,4−Dイソプロピル(2,4-D-isopropyl)、2,4−Dイソプロピルアンモニウム(2,4-D-isopropylammonium)、2,4−Dナトリウム(2,4-D-sodium)、2,4−Dイソプロパノールアンモニウム(2,4-D-isopropanolammonium)、2,4−Dトロールアミン(2,4-D-trolamine)、2,4−DB、2,4−DBブチル(2,4-DB-butyl)、2,4−DBジメチルアンモニウム(2,4-DB-dimethylammonium)、2,4−DBイソオクチル(2,4-DB-isoctyl)、2,4−DBカリウム(2,4-DB-potassium)、2,4−DBナトリウム(2,4-DB-sodium)、ジクロロプロップ(dichlorprop)、ジクロロプロップブトチル(dichlorprop-butotyl)、ジクロロプロップジメチルアンモニウム(dichlorprop-dimethylammonium)、ジクロロプロップイソオクチル(dichlorprop-isoctyl)、ジクロロプロップカリウム(dichlorprop-potassium)、ジクロロプロップ−P(dichlorprop-P)、ジクロロプロップ−Pジメチルアンモニウム(dichlorprop-P-dimethylammonium)、ジクロロプロップ−Pカリウム(dichlorprop-P-potassium)、ジクロロプロップ−Pナトリウム(dichlorprop-P-sodium)、MCPA、MCPAブトチル(MCPA-butotyl)、MCPAジメチルアンモニウム(MCPA-dimethylammonium)、MCPA−2−エチルヘキシル(MCPA-2-ethylhexyl)、MCPAカリウム(MCPA-potassium)、MCPAナトリウム(MCPA-sodium)、MCPAチオエチル(MCPA-thioethyl)、MCPB、MCPBエチル(MCPB-ethyl)、MCPBナトリウム(MCPB-sodium)、メコプロップ(mecoprop)、メコプロップブトチル(mecoprop-butotyl)、メコプロップナトリウム(mecoprop-sodium)、メコプロップ−P(mecoprop-P)、メコプロップ−Pブトチル(mecoprop-P-butotyl)、メコプロップ−Pジメチルアンモニウム(mecoprop-P-dimethylammonium)、メコプロップ−P−2−エチルヘキシル(mecoprop-P-2-ethylhexyl)、メコプロップ−Pカリウム(mecoprop-P-potassium)、ナプロアニリド(naproanilide)、クロメプロップ(clomeprop)のようなフェノキシ系;2,3,6−TBA、ジカンバ(dicamba)、ジカンバブトチル(dicamba-butotyl)、ジカンバジグリコールアミン(dicamba-diglycolamine)、ジカンバジメチルアンモニウム(dicamba-dimethylammonium)、ジカンバジオールアミン(dicamba-diolamine)、ジカンバイソプロピルアンモニウム(dicamba-isopropylammonium)、ジカンバカリウム(dicamba-potassium)、ジカンバナトリウム(dicamba-sodium)、ジクロベニル(dichlobenil)、ピクロラム(picloram)、ピクロラムジメチルアンモニウム(picloram-dimethylammonium)、ピクロラムイソオクチル(picloram-isoctyl)、ピクロラムカリウム(picloram-potassium)、ピクロラムトリイソプロパノールアンモニウム(picloram-triisopropanolammonium)、ピクロラムトリイソプロピルアンモニウム(picloram-triisopropylammonium)、ピクロラムトロールアミン(picloram-trolamine)、トリクロピル(triclopyr)、トリクロピルブトチル(triclopyr-butotyl)、トリクロピルトリエチルアンモニウム(triclopyr-triethylammonium)、クロピラリド(clopyralid)、クロピラリドオールアミン(clopyralid-olamine)、クロピラリドカリウム(clopyralid-potassium)、クロピラリドトリイソプロパノールアンモニウム(clopyralid-triisopropanolammonium)、アミノピラリド(aminopyralid)のような芳香族カルボン酸系;その他ナプタラム(naptalam)、ナプタラムナトリウム(naptalam-sodium)、ベナゾリン(benazolin)、ベナゾリンエチル(benazolin-ethyl)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)、ダイフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、ダイフルフェンゾピルナトリウム(diflufenzopyr-sodium)、フルオキシピル(fluroxypyr)、フルオキシピル−2−ブトキシ−1−メチルエチル(fluroxypyr-2-butoxy-1-methylethyl)、フルオキシピルメプチル(fluroxypyr-meptyl)、クロロフルレノール(chlorflurenol)、クロロフルレノールメチル(chlorflurenol-methyl)などのように植物のホルモン作用を攪乱することで除草効力を示すとされているもの。
【0041】
(2)クロロトルロン(chlorotoluron)、ジウロン(diuron)、フルオメツロン(fluometuron)、リニュロン(linuron)、イソプロチュロン(isoproturon)、メトベンズロン(metobenzuron)、テブチウロン(tebuthiuron)、ジメフロン(dimefuron)、イソウロン(isouron)、カルブチレート(karbutilate)、メタベンズチアズロン(methabenzthiazuron)、メトクスロン(metoxuron)、モノリニュロン(monolinuron)、ネブロン(neburon)、シデュロン(siduron)、ターブメトン(terbumeton)、トリエタジン(trietazine)のような尿素系;シマジン(simazine)、アトラジン(atrazine)、アトラトン(atratone)、シメトリン(simetryn)、プロメトリン(prometryn)、ジメタメトリン(dimethametryn)、ヘキサジノン(hexazinone)、メトリブジン(metribuzin)、ターブチラジン(terbuthylazine)、シアナジン(cyanazine)、アメトリン(ametryn)、シブトリン(cybutryne)、トリアジフラム(triaziflam)、ターブトリン(terbutryn)、プロパジン(propazine)、メタミトロン(metamitron)、プロメトン(prometon)のようなトリアジン系;ブロマシル(bromacil)、ブロマシルリチウム(bromacyl-lithium)、レナシル(lenacil)、ターバシル(terbacil)のようなウラシル系;プロパニル(propanil)、シプロミッド(cypromid)のようなアニリド系;スエップ(swep)、デスメディファム(desmedipham)、フェンメディファム(phenmedipham)のようなカーバメート系;ブロモキシニル(bromoxynil)、ブロモキシニルオクタノエート(bromoxynil-octanoate)、ブロモキシニルヘプタノエート(bromoxynil-heptanoate)、アイオキシニル(ioxynil)、アイオキシニルオクタノエート(ioxynil-octanoate)、アイオキシニルカリウム(ioxynil-potassium)、アイオキシニルナトリウム(ioxynil-sodium)のようなヒドロキシベンゾニトリル系;その他ピリデート(pyridate)、ベンタゾン(bentazone)、ベンタゾンナトリウム(bentazone-sodium)、アミカルバゾン(amicarbazone)、メタゾール(methazole)、ペンタノクロール(pentanochlor)などのように植物の光合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0042】
(3)それ自身が植物体中でフリーラジカルとなり、活性酸素を生成させて速効的な除草効力を示すとされているパラコート(paraquat)、ジクワット(diquat)のような4級アンモニウム塩系。
【0043】
(4)ニトロフェン(nitrofen)、クロメトキシフェン(chlomethoxyfen)、ビフェノックス(bifenox)、アシフルオルフェン(acifluorfen)、アシフルオルフェンナトリウム(acifluorfen-sodium)、ホメサフェン(fomesafen)、ホメサフェンナトリウム(fomesafen-sodium)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、ラクトフェン(lactofen)、アクロニフェン(aclonifen)、エトキシフェンエチル(ethoxyfen-ethyl、HC−252)、フルオログリコフェンエチル(fluoroglycofen-ethyl)、フルオログリコフェン(fluoroglycofen)のようなジフェニルエーテル系;クロルフタリム(chlorphthalim)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルミクロラック(flumiclorac)、フルミクロラックペンチル(flumiclorac-pentyl)、シニドンエチル(cinidon-ethyl)、フルチアセットメチル(fluthiacet-methyl)のような環状イミド系;その他オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジアゾン(oxadiazon)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、カルフェントラゾンエチル(carfentrazone-ethyl)、チジアジミン(thidiazimin)、ペントキサゾン(pentoxazone)、アザフェニジン(azafenidin)、イソプロパゾール(isopropazole)、ピラフルフェンエチル(pyraflufen-ethyl)、ベンズフェンジゾン(benzfendizone)、ブタフェナシル(butafenacil)、サフルフェナシル(saflufenacil)、フルポキサム(flupoxam)、フルアゾレート(fluazolate)、プロフルアゾール(profluazol)、ピラクロニル(pyraclonil)、フルフェンピルエチル(flufenpyr-ethyl)、ベンカルバゾン(bencarbazone)などのように植物のクロロフィル生合成を阻害し、光増感過酸化物質を植物体中に異常蓄積させることで除草効力を示すとされているもの。
【0044】
(5)ノルフルラゾン(norflurazon)、クロリダゾン(chloridazon)、メトフルラゾン(metflurazon)のようなピリダジノン系;ピラゾリネート(pyrazolynate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、トプラメゾン(topramezone, BAS−670H)、ピラスルフォトール(pyrasulfotole)のようなピラゾール系;その他アミトロール(amitrole)、フルリドン(fluridone)、フルルタモン(flurtamone)、ジフルフェニカン(diflufenican)、メトキシフェノン(methoxyphenone)、クロマゾン(clomazone)、スルコトリオン(sulcotrione)、メソトリオン(mesotrione)、テンボトリオン(tembotrione)、テフリルトリオン(tefuryltrione, AVH−301)、イソキサフルトール(isoxaflutole)、ジフェンゾコート(difenzoquat)、ジフェンゾコートメチルサルフェート(difenzoquat-metilsulfate)、イソキサクロロトール(isoxachlortole)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ピコリナフェン(picolinafen)、ビフルブタミド(beflubutamid)などのようにカロチノイドなどの植物の色素生合成を阻害し、白化作用を特徴とする除草効力を示すとされているもの。
【0045】
(6)ジクロホップメチル(diclofop-methyl)、ジクロホップ(diclofop)、ピリフェノップナトリウム(pyriphenop-sodium)、フルアジホップブチル(fluazifop-butyl)、フルアジホップ(fluazifop)、フルアジホップ-P(fluazifop-P)、フルアジホップ−P−ブチル(fluazifop-P-butyl)、ハロキシホップメチル(haloxyfop-methyl)、ハロキシホップ(haloxyfop)、ハロキシホップエトチル(haloxyfop-etotyl)、ハロキシホップ−P(haloxyfop-P)、ハロキシホップ−P−メチル(haloxyfop-P-methyl)、キザロホップエチル(quizalofop-ethyl)、キザロホップ−P(quizalofop-P)、キザロホップ−P−エチル(quizalofop-P-ethyl)、キザロホップ−P−テフリル(quizalofop-P-tefuryl)、シハロホップブチル(cyhalofop-butyl)、フェノキサプロップエチル(fenoxaprop-ethyl)、フェノキサプロップ−P(fenoxaprop-P)、フェノキサプロップ−P−エチル(fenoxaprop-P-ethyl)、メタミホッププロピル(metamifop-propyl)、メタミホップ(metamifop)、クロジナホッププロパルギル(clodinafop-propargyl)、クロジナホップ(clodinafop)、プロパキザホップ(propaquizafop)のようなアリールオキシフェノキシプロピオン酸系;アロキシジムナトリウム(alloxydim-sodium)、アロキシジウム(alloxydim)、クレソジム(clethodim)、セトキシジム(sethoxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、ブトロキシジム(butroxydim)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、プロホキシジム(profoxydim)、シクロキシジム(cycloxydim)のようなシクロヘキサンジオン系;その他、フラムプロップ−M−メチル(flamprop-M-methyl)、フラムプロップ−M(flamprop-M)、フラムプロップ−M−イソプロピル(flamprop-M-isopropyl)などのようにイネ科植物に特異的に除草効力が強く認められるもの。
【0046】
(7)クロリムロンエチル(chlorimuron-ethyl)、クロリムロン(chlorimuron)、スルホメツロンメチル(sulfometuron-methyl)、スルホメツロン(sulfometuron)、プリミスルフロンメチル(primisulfuron-methyl)、プリミスルフロン(primisulfuron)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron-methyl)、ベンスルフロン(bensulfuron)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、メトスルフロンメチル(metsulfuron-methyl)、メトスルフロン(metsulfuron)、シノスルフロン(cinosulfuron)、ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron-ethyl)、ピラゾスルフロン(pyrazosulfuron)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、リムスルフロン(rimsulfuron)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、プロスルフロン(prosulfuron)、フルピルスルフロンメチルナトリウム(flupyrsulfuron-methyl-sodium)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、トリフルスルフロンメチル(triflusulfuron-methyl)、トリフルスルフロン(triflusulfuron)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron-methyl)、ハロスルフロン(halosulfuron)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron-methyl)、チフェンスルフロン(thifensulfuron)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、エタメトスルフロン(ethametsulfuron)、エタメトスルフロンメチル(ethametsulfuron-methyl)、イオドスルフロン(iodosulfuron)、イオドスルフロンメチルナトリウム(iodosulfuron-methyl-sodium)、スルフォスルフロン(sulfosulfuron)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリベヌロンメチル(tribenuron-methyl)、トリベヌロン(tribenuron)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、フォーラムスルフロン(foramsulfuron)、トリフルオキシスルフロン(trifloxysulfuron)、トリフルオキシスルフロンナトリウム(trifloxysulfuron-sodium)、メソスルフロンメチル(mesosulfuron-methyl)、メソスルフロン(mesosulfuron)、オルソスルファムロン(orthosulfamuron)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、TH−547、国際公開公報WO2005092104に記載されている化合物のようなスルホニルウレア系;フルメツラム(flumetsulam)、メトスラム(metosulam)、ジクロスラム(diclosulam)、クロランスラムメチル(cloransulam-methyl)、フロラスラム(florasulam)、ペノクススラム(penoxsulam)のようなトリアゾロピリミジンスルホンアミド系;イマザピル(imazapyr)、イマザピルイソプロピルアンモニウム(imazapyr-isopropylammonium)、イマゼタピル(imazethapyr)、イマゼタピルアンモニウム(imazethapyr-ammonium)、イマザキン(imazaquin)、イマザキンアンモニウム(imazaquin-ammonium)、イマザモックス(imazamox)、イマザモックスアンモニウム(imazamox-ammonium)、イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザメタベンズメチル(imazamethabenz-methyl)、イマザピック(imazapic)のようなイミダゾリノン系;ピリチオバックナトリウム(pyrithiobac-sodium)、ビスピリバックナトリウム(bispyribac-sodium)、ピリミノバックメチル(pyriminobac-methyl)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリミスルファン(pyrimisulfan, KUH−021)のようなピリミジニルサリチル酸系;フルカーバゾン(flucarbazone)、フルカーバゾンナトリウム(flucarbazone-sodium)、プロポキシカーバゾンナトリウム(propoxycarbazone-sodium)、プロポキシカーバゾン(propoxycarbazone)のようなスルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系;その他グリホサート(glyphosate)、グリホサートナトリウム(glyphosate-sodium)、グリホサートカリウム(glyphosate-potassium)、グリホサートアンモニウム(glyphosate-ammonium)、グリホサートジアンモニウム(glyphosate-diammonium)、グリホサートイソプロピルアンモニウム(glyphosate-isopropylammonium)、グリホサートトリメシウム(glyphosate-trimesium)、グリホサートセスキナトリウム(glyphosate-sesquisodium)、グルホシネート(glufosinate)、グルホシネートアンモニウム(glufosinate-ammonium)、ビラナホス(bilanafos)、ビラナホスナトリウム(bilanafos-sodium)、シンメチリン(cinmethylin)などのように植物のアミノ酸生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0047】
(8)トリフルラリン(trifluralin)、オリザリン(oryzalin)、ニトラリン(nitralin)、ペンディメタリン(pendimethalin)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、ベンフルラリン(benfluralin)、プロジアミン(prodiamine)、ブトラリン(butralin)、ジニトラミン(dinitramine)のようなジニトロアニリン系;ベンスリド(bensulide)、ナプロパミド(napropamide)、プロピザミド(propyzamide、プロナミド(pronamide))のようなアミド系;アミプロホスメチル(amiprofos-methyl)、ブタミホス(butamifos)、アニロホス(anilofos)、ピペロホス(piperophos)のような有機リン系;プロファム(propham)、クロルプロファム(chlorpropham)、バーバン(barban)、カルベタミド(carbetamide)のようなフェニルカーバメート系;ダイムロン(daimuron)、クミルロン(cumyluron)、ブロモブチド(bromobutide)、メチルダイムロン(methyldymron)のようなクミルアミン系;その他アシュラム(asulam)、アシュラムナトリウム(asulam-sodium)、ジチオピル(dithiopyr)、チアゾピル(thiazopyr)、クロルタールジメチル(chlorthal-dimethyl)、クロルタール(chlorthal)、ジフェナミド(diphenamid)などのように植物の細胞有糸分裂を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0048】
(9)アラクロール(alachlor)、メタザクロール(metazachlor)、ブタクロール(butachlor)、プレチラクロール(pretilachlor)、メトラクロール(metolachlor)、S−メトラクロール(S-metolachlor)、テニルクロール(thenylchlor)、ペトキサマイド(pethoxamid)、アセトクロール(acetochlor)、プロパクロール(propachlor)、ジメテナミド(dimethenamid)、ジメテナミド−P(dimethenamid−P)、プロピソクロール(propisochlor)、ジメタクロール(dimethachlor)のようなクロロアセトアミド系;モリネート(molinate)、ジメピペレート(dimepiperate)、ピリブチカルブ(pyributicarb)、EPTC、ブチレート(butylate)、ベルノレート(vernolate)、ペブレート(pebulate)、シクロエート(cycloate)、プロスルホカルブ(prosulfocarb)、エスプロカルブ(esprocarb)、チオベンカルブ(thiobencarb)、ジアレート(diallate)、トリアレート(tri-allate)、オルベンカルブ(orbencarb)のようなチオカーバメート系;その他エトベンザニド(etobenzanid)、メフェナセット(mefenacet)、フルフェナセット(flufenacet)、トリディファン(tridiphane)、カフェンストロール(cafenstrole)、フェントラザミド(fentrazamide)、オキサジクロメフォン(oxaziclomefone)、インダノファン(indanofan)、ベンフレセート(benfuresate)、ピロキサスルフォン(pyroxasulfone、KIH−485)、ダラポン(dalapon)、ダラポンナトリウム(dalapon-sodium)、TCAナトリウム(TCA-sodium)、トリクロロ酢酸(trichloroacetic acid)などのように植物のタンパク質生合成あるいは脂質生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0049】
(10)MSMA、DSMA、CMA、エンドタール(endothall)、エンドタールジカリウム(endothall-dipotassium)、エンドタールナトリウム(endothall-sodium)、エンドタールモノ(N,N−ジメチルアルキルアンモニウム)(endothall-mono(N,N-dimethylalkylammonium))、エトフメセート(ethofumesate)、ソディウムクロレート(sodium chlorate)、ペラルゴン酸(pelargonic acid、ノナン酸(nonanoic acid))、ホスアミン(fosamine)、ホスアミンアンモニウム(fosamine-ammonium)、ピノキサデン(pinoxaden)、HOK−201、アクロレイン(aclolein)、スルファミン酸アンモニウム(ammonium sulfamate)、ボラックス(borax)、クロロ酢酸(chloroacetic acid)、クロロ酢酸ナトリウム(sodium chloroacete)、シアナミド(cyanamide)、メチルアルソン酸(methylarsonic acid)、ジメチルアルソン酸(dimethylarsinic acid)、ジメチルアルソン酸ナトリウム(sodium dimethylarsinate)、ジノターブ(dinoterb)、ジノターブアンモニウム(dinoterb-ammonium)、ジノターブジオールアミン(dinoterb-diolamine)、ジノターブアセテート(dinoterb-acetate)、DNOC、硫酸第一鉄(ferrous sulfate)、フルプロパネート(flupropanate)、フルプロパネートナトリウム(flupropanate-sodium)、イソキサベン(isoxaben)、メフルイジド(mefluidide)、メフルイジドジオールアミン(mefluidide-diolamine)、メタム(metam)、メタムアンモニウム(metam-ammonium)、メタムカリウム(metam-potassium)、メタムナトリウム(metam-sodium)、イソチオシアン酸メチル(methyl isothiocyanate)、ペンタクロロフェノール(pentachlorophenol)、ペンタクロロフェノールナトリウム(sodium pentachlorophenoxide)、ペンタクロロフェノールラウレート(pentachlorophenol laurate)、キノクラミン(quinoclamine)、硫酸(sulfuric acid)、ウレアサルフェート(urea sulfate)など。
【0050】
(11)ザントモナス キャンペストリス(Xanthomonas campestris)、エピココロシルス ネマトソルス(Epicoccosirus nematosorus)、エピココロシルス ネマトスペラス(Epicoccosirus nematosperus)、エキセロヒラム モノセラス(Exserohilum monoseras)、ドレクスレラ モノセラス(Drechsrela monoceras)などのように植物に寄生することで除草効力を示すとされているもの。
【0051】
本発明化合物は、例えばイヌビエ又はタイヌビエ(barnyardgrass (Echinochloa crus-galli L.、Echinochloa oryzicola vasing.))、メヒシバ(crabgrass (Digitaria sanguinalis L.、Digitaria ischaemum Muhl. 、Digitaria adscendens Henr. 、Digitaria microbachne Henr. 、Digitaria horizontalis Willd.))、エノコログサ(green foxtail (Setaria viridis L.))、アキノエノコログサ(giant foxtail (Setaria faberi Herrm.))、キンエノコロ (yellow foxtail (Setaria lutescens Hubb.))、オヒシバ(goosegrass (Eleusine indica L.))、カラスムギ(wild oat (Avena fatua L.))、セイバンモロコシ(johnsongrass (Sorghum halepense L.))、シバムギ(quackgrass (Agropyron repens L.))、ビロードキビ(alexandergrass (Brachiaria plantaginea))、ギネアキビ(guineagrass(Panicum maximum Jacq.))、パラグラス(paragrass (Panicum purpurascens))、アゼガヤ(sprangletop (Leptochloa chinensis))、イトアゼガヤ(red sprangletop (Leptochloa panicea))、スズメノカタビラ(annual bluegrass (Poa annua L.))、スズメノテッポウ(black grass (Alopecurus myosuroides Huds.))、カモジグサ(cholorado bluestem (Agropyron tsukushiense (Honda) Ohwi)) 、メリケンニクキビ(broadleaf signalgrass (Brachiaria platyphylla Nash)) 、シンクリノイガ(southern sandbur (Cenchrus echinatus L.)) 、ネズミムギ(italian ryegrass (Lolium multiflorum Lam.)) 、ギョウギシバ(bermudagrass (Cynodon dactylon Pers.))のようなイネ科雑草(gramineae);コゴメガヤツリ(rice flatsedge (Cyperus iria L.))、ハマスゲ(purple nutsedge (Cyperus rotundus L.))、キハマスゲ(yellow nutsedge (Cyperus esculentus L.))、ホタルイ(Japanese bulrush (Scirpus juncoides))、ミズガヤツリ(flatsedge (Cyperus serotinus))、タマガヤツリ(small-flower umbrellaplant (Cyperus difformis))、マツバイ(slender spikerush (Eleocharis acicularis))、クログワイ(water chestnut (Eleocharis kuroguwai))のようなカヤツリグサ科雑草(cyperaceae);ウリカワ(Japanese ribbon waparo (Sagittaria pygmaea))、オモダカ(arrow-head (Sagittaria trifolia))、ヘラオモダカ(narrowleaf waterplantain (Alisma canaliculatum))のようなオモダカ科雑草(alismataceae);コナギ(monochoria (Monochoria vaginalis))、ミズアオイ(monochoria species (Monochoria korsakowii))のようなミズアオイ科雑草(pontederiaceae);アゼナ(false pimpernel (Lindernia pyxidaria))、アブノメ(abunome (Dopatrium junceum))のようなゴマノハグサ科雑草(scrophulariaceae);キカシグサ(toothcup (Rotala india))、ヒメミソハギ(red stem (Ammannia multiflora))のようなミソハギ科雑草(lythraceae);ミゾハコベ(long stem waterwort(Elatine triandra SCHK.))のようなミゾハコベ科雑草(elatinaceae);イチビ(velvetleaf (Abutilon theophrasti MEDIC.))、アメリカキンゴジカ(prickly sida (Sida spinosa L.))のようなアオイ科雑草(malvaceae);オナモミ(common cocklebur (Xanthium strumarium L.))、ブタクサ(common ragweed (Ambrosia elatior L.))、エゾノキツネアザミ(thistle (Breea setosa (BIEB.) KITAM.))、ハキダメギク(hairy galinsoga(Galinsoga ciliata Blake)) 、カミツレ(wild chamomile(Matricaria chamomilla L.))のようなキク科雑草(compositae);イヌホウズキ(black nightshade (Solanum nigrum L.))、シロバナチョウセンアサガオ(jimsonweed (Datura stramonium))のようなナス科雑草(solanaceae);アオビユ(slender amaranth (Amaranthus viridis L.))、アオゲイトウ(redroot pigweed (Amaranthus retroflexus L.))のようなヒユ科雑草(amaranthaceae);サナエタデ(pale smartweed (Polygonum lapathifolium L.))、ハルタデ(ladysthumb(Polygonum persicaria L.))、ソバカズラ(wild buckwheat(Polygonum convolvulus L.)) 、ミチヤナギ(knotweed(Polygonum aviculare L.))のようなタデ科雑草(polygonaceeae);タネツケバナ(flexuous bittercress (Cardamine flexuosa WITH.))、ナズナ(shepherd's-purse(Capsella bursa-pastoris Medik.))、セイヨウカラシナ(indian mustard(Brassica juncea Czern.))のようなアブラナ科雑草(cruciferae);マルバアサガオ(tall morningglory (Ipomoea purpurea L.))、セイヨウヒルガオ(field bindweed (Calystegia arvensis L.))、アメリカアサガオ(ivyleaf morningglory (Ipomoea hederacea Jacq.))のようなヒルガオ科雑草(convolvulaceae);シロザ(common lambsquarters (Chenopodium album L.)) 、ホウキギ(mexican burningbush(Kochia scoparia Schrad.))のようなアカザ科雑草(Chenopodiaceae);スベリヒユ(common purslane (Portulaca oleracea L.))のようなスベリヒユ科雑草(Portulacaceae);エビスグサ(sicklepod (Cassia obtusifolia L.))のようなマメ科雑草(leguminosae);ハコベ(common chickweed (Stellaria media L.))のようなナデシコ科雑草(caryophyllaceae);ホトケノザ(henbit (Lamium amplexicaule L.))のようなシソ科雑草(labiatae);ヤエムグラ(catchweed (Galium spurium L.))のようなアカネ科雑草(rubiaceae);エノキグサ(threeseeded copperleaf (Acalypha australis L.))のようなトウダイグサ科雑草(euphorbiaceae);ツユクサ(common dayflower (Commelina communis L.))のようなツユクサ科雑草(Commelinaceae)などの各種有害雑草を防除することができる。よって、有用作物、例えばトウモロコシ(corn (Zea mays L.))、ダイズ(soybean (Glycine max Merr.))、ワタ (cotton (Gossypium spp.))、コムギ(wheat (Triticum spp.))、イネ(rice (Oryza sativa L.))、オオムギ(barley (Hordeum Vulgare L.))、ライムギ(rye(Secale cereale L.))、エンバク(oat (Avena sativa L.))、ソルガム(sorgo (Sorghum bicolor Moench))、アブラナ(rape (Brassica napus L.))、ヒマワリ(sunflower (Helianthus annuus L.))、テンサイ(suger beet (Beta Vulgaris L.))、サトウキビ(suger cane (Saccharum officinarum L.))、芝(japanese lawngrass (Zoysia japonica stend))、ピーナッツ(peanut (Arachis hypogaea L.))、アマ(flax (Linum usitatissimum L.))、タバコ(tobacco (Nicotiana tabacum L.))、コーヒー(coffee (Coffea spp.))などの栽培において選択的に有害雑草を防除する場合或は非選択的に有害雑草を防除する場合において有効に使用される。本発明化合物は、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、コムギ、イネ、アブラナ、ヒマワリ、テンサイ、サトウキビ、芝、ピーナッツ、アマ、タバコ、コーヒーなどの栽培、その中でもトウモロコシ、コムギ、イネ、芝などの栽培において選択的に有害雑草を防除する場合において有効に使用される。その適用範囲は畑地は勿論畑地以外に果樹園、桑畑などの農耕地、山林、農道、グランド、工場敷地、芝地などの非農耕地と多岐にわたることができる。
【0052】
次に、式(I)の化合物中、TがTでありQが−C(O)SRでありZがZである化合物の代表例を第a1表に、TがTでありQが水素原子であり、ZがZである化合物の代表例を第a2表に、TがTでありZがZである化合物の代表例を第a3表に、TがTでありQが−A−O−C(O)OR10であり、ZがZである化合物の代表例を第a4に、TがTであり、ZがZである化合物の代表例を第a5に各々挙げるが、本発明における式(I)の化合物はこれらに限定されない。これらの化合物は、国際公開公報WO2007/069771明細書、米国特許第6376429号明細書、WO2008/068907明細書や国際公開公報WO2001/094339明細書などに記載された種々の製造方法に基づいて合成することができる。また、後記化合物No.4-320は、以下の参考合成例に基づいて合成することができる。
【0053】
(参考合成例)
1-(1-エチル-4-(3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)ベンゾイル)−1H−ピラゾール−5−イルオキシ)エチル メチル カーボネート(後記化合物No.4-320)の合成
5-ヒドロキシ-1-エチルピラゾール-4-イル 3-(2-メトキシエトキシ)-2-メチル-4-(メチルスルホニル)フェニル ケトン (300 mg)を2-ブタノン(10 mL)に溶解し、炭酸カリウム(130 mg)及びテトラブチルアンモニウムブロマイド(15 mg)を加えた。室温で10分間攪拌した後、1-クロロエチル メチルカーボネート (85 %純度、270 mg)を室温で加え、3時間加熱還流した。反応終了後室温まで冷却し、反応液を水中投入後、酢酸エチルで抽出し、有機層を1N-塩酸、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をn-ヘキサン:酢酸エチル1:1のカラムクロマトグラフィーで精製し、目的物 (180 mg) を淡黄色固体として得た。このもののNMR スペクトルデータは以下の通りである。
H-NMR δppm(測定機器:JEOL-GSX(400MHz)、溶媒:CDCl
1.40(3H, t, J=7.2Hz), 1.77(3H, d, J=5.2Hz), 2.35(3H, s), 2.94(3H, s), 3.46(3H, s), 3.71(3H, s), 3.80(2H, t, J=4.4Hz), 4.05(2H, m), 4.24(2H, t, J=4.4Hz), 6.78(1H, q, J=5.2Hz), 7.26(1H, d, J=7.6Hz), 7.28(1H, s), 7.88(1H, d, J=7.6Hz).
【0054】
尚、第a1〜a5表中、No.は化合物番号を示す。又、第a1〜a5表中、Meはメチル基を、Etはエチル基を、n-Pr基はノルマルプロピル基を、i-Prはイソプロピル基を、c-Prはシクロプロピル基を、s-Buは第二級ブチル基を、t-Buは第三級ブチル基を、Bnはベンジル基を各々示す。なお、-A-の左側はピラゾール側に結合し、-A-の右側はカーボネート側に結合する。
【0055】
【表1】

【0056】
【表2】

【0057】
【表3】

【0058】
【表4】

【0059】
【表5】

【0060】
【表6】

【0061】
【表7】

【0062】
【表8】

【0063】
【表9】

【0064】
【表10】

【0065】
【表11】

【0066】
【表12】

【0067】
【表13】

【0068】
【表14】

【0069】
【表15】

【0070】
【表16】

【0071】
【表17】

【0072】
【表18】

【0073】
【表19】

【0074】
【表20】

【0075】
【表21】

【0076】
【表22】

【0077】
【表23】

【0078】
【表24】

【0079】
【表25】

【0080】
【表26】

【0081】
【表27】

【0082】
本発明において、式(I)の化合物又はその塩とPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩との混合比率は、式(I)の化合物やPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩の種類、製剤形態、気象条件、防除対象となる植物の種類や大きさ等に応じ、適宜変更することがあるので一概に規定できないが、重量比で、例えば、10:1から1:10,000、望ましくは、5:1から1:3,000、更に望ましくは3:1から1:300、更に望ましくは1:1から1:30の範囲で実施することができる。
本発明において、更に、効力向上補助剤として、植物油、脂肪酸エステル、炭化水素系溶剤のような油類を使用する場合、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩と油類との混合比率は、式(I)の化合物やPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩の種類、製剤形態、気象条件、防除対象となる植物の種類や大きさ等に応じ、適宜変更することがあるので一概に規定できないが、重量比で、例えば、100:1から1:100、望ましくは、50:1から1:50、更に望ましくは10:1から1:10の範囲で実施することができる。
本発明において前記油類を使用する場合、必要に応じて乳化剤を使用することができるが、油類と乳化剤との混合比率は、式(I)の化合物やPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩、油類の種類、製剤形態、気象条件、防除対象となる植物の種類や大きさ等に応じ、適宜変更することがあるので一概に規定できないが、重量比で、例えば、100:1から1:100、望ましくは、50:1から1:50、更に望ましくは10:1から1:10の範囲で実施することができる。
【0083】
また、式(I)の化合物又はその塩を各種補助剤を用いて製剤調製し、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩とともに水等で希釈して、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用する場合、例えば、POAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を0.005〜4容量%、望ましくは0.01〜2容量%の割合で含む水30〜5,000 L/ha、望ましくは50〜2,000 L/haで式(I)の化合物又はその塩を希釈し、施用することができる。
【0084】
更に、油類又は乳化剤を使用する場合、前記割合のPOAアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩と共に、油類を0.005〜4容量%、望ましくは0.01〜2容量%の割合で、乳化剤を0.005〜4容量%、望ましくは0.01〜2容量%の割合で含む水30〜5,000 L/ha、望ましくは50〜2,000 L/haで式(I)の化合物又はその塩を希釈し、施用することができる。
【0085】
次に本発明の望ましい態様の一例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(i)(1)式(I)の化合物又はその塩、(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩及び(3)植物油、脂肪酸エステル及び炭化水素系溶剤から選ばれる少なくとも1つの油類を含有する除草組成物。
(ii)(1)式(I)の化合物又はその塩、(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩、(3)植物油、脂肪酸エステル及び炭化水素系溶剤から選ばれる少なくとも1つの油類及び(4)乳化剤を含有する除草組成物。
(iii)(1)式(I)の化合物又はその塩の除草効力を、(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を用いて向上させる方法。
(iv)(1)式(I)の化合物又はその塩の除草効力を、(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩及び(3)植物油、脂肪酸エステル及び炭化水素系溶剤から選ばれる少なくとも1つの油類を用いて向上させる方法。
(v)(1)式(I)の化合物又はその塩の除草効力を、(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩、(3)植物油、脂肪酸エステル及び炭化水素系溶剤から選ばれる少なくとも1つの油類及び(4)乳化剤を用いて向上させる方法。
(vi)前記除草組成物を、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用し、望ましくない植物を防除する方法。
(vii)(1)式(I)の化合物又はその塩及び(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用し、望ましくない植物を防除する方法。
【0086】
(viii)(1)式(I)中、TがTであり、Qが水素原子であり、Rがアルキルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがアルキルであり、Rがアルコキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ又は−C(O)ORであり、Rがアルキルスルホニルである化合物又はその塩及び(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を含有する除草組成物。
【0087】
(ix)式(I)中、TがTであり、Qが水素原子であり、Rがアルキルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがアルキルであり、Rがアルコキシアルキルであり、Rがアルキルスルホニルである、前記(viii)に記載の除草組成物。
(x)式(I)中、TがTであり、Qが水素原子であり、Rがメチルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがメチルであり、Rがエトキシメチルであり、Rがメチルスルホニルである、前記(ix)に記載の除草組成物。
(xi)式(I)中、TがTであり、Qが水素原子であり、Rがメチルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがメチルであり、Rがメトキシメチルであり、Rがメチルスルホニルである、前記(ix)に記載の除草組成物。
【0088】
(xii)式(I)中、TがTであり、Qが水素原子であり、Rがアルキルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがアルキルであり、Rがアルコキシであり、Rがアルキルスルホニルである、前記(viii)に記載の除草組成物。
(xiii)式(I)中、TがTであり、Qが水素原子であり、Rがメチルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがメチルであり、Rがエトキシであり、Rがメチルスルホニルである、前記(xii)に記載の除草組成物。
(xiv)式(I)中、TがTであり、Qが水素原子であり、Rがメチルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがメチルであり、Rがノルマルプロポキシであり、Rがメチルスルホニルである、前記(xii)に記載の除草組成物。
(xv)式(I)中、TがTであり、Qが水素原子であり、Rがメチルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがメチルであり、Rがノルマルブチルオキシであり、Rがメチルスルホニルである、前記(xii)に記載の除草組成物。
(xvi)式(I)中、TがTであり、Qが水素原子であり、Rがメチルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがメチルであり、Rがイソブチルオキシであり、Rがメチルスルホニルである、前記(xii)に記載の除草組成物。
【0089】
(xvii)式(I)中、TがTであり、Qが水素原子であり、Rがアルキルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがアルキルであり、Rがアルコキシアルコキシであり、Rがアルキルスルホニルである、前記(viii)に記載の除草組成物。
(xviii)式(I)中、TがTであり、Qが水素原子であり、Rがメチルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがメチルであり、Rが2-メトキシエトキシであり、Rがメチルスルホニルである、前記(xvii)に記載の除草組成物。
(xix)式(I)中、TがTであり、Qが水素原子であり、Rがエチルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがメチルであり、Rが2-メトキシエトキシであり、Rがメチルスルホニルである、前記(xvii)に記載の除草組成物。
【0090】
(xx)式(I)中、TがTであり、Qが水素原子であり、Rがアルキルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがアルキルであり、Rが−C(O)ORであり、Rがアルキルスルホニルである、前記(viii)に記載の除草組成物。
(xxi)式(I)中、TがTであり、Qが水素原子であり、Rがメチルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがメチルであり、Rがメトキシカルボニルであり、Rがメチルスルホニルである、前記(xx)に記載の除草組成物。
【0091】
(xxii)(1)式(I)中、TがTであり、Qが−A−O−C(O)OR10であり、Rがアルキルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがアルキルであり、Rがアルコキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ又は−C(O)ORであり、Rがアルキルスルホニルであり、Aが1又は2以上のアルキルで置換されたアルキレンであり、R10がアルキルである化合物又はその塩及び(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を含有する除草組成物。
(xxiii)式(I)中、TがTであり、Qが−A−O−C(O)OR10であり、Rがアルキルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがアルキルであり、Rがアルコキシアルコキシであり、Rがアルキルスルホニルであり、Aが1又は2以上のアルキルで置換されたアルキレンであり、R10がアルキルである、前記(xxii)に記載の除草組成物。
(xxiv)式(I)中、TがTであり、Qが−CH(CH3)−O−C(O)OCH2CH3であり、Rがエチルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがメチルであり、Rが2-メトキシエトキシであり、Rがメチルスルホニルである、前記(xxiii)に記載の除草組成物。
(xxv)式(I)中、TがTであり、Qが−CH(CH3)−O−C(O)OCH3であり、Rがエチルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがメチルであり、Rが2-メトキシエトキシであり、Rがメチルスルホニルである、前記(xxiii)に記載の除草組成物。
(xxvi)(1)式(I)中、TがTであり、ZがZであり、Rがハロゲンであり、Rがハロアルコキシアルキルであり、Rがアルキルスルホニルである化合物又はその塩及び(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を含有する除草組成物。
(xxvii)式(I)中、TがTであり、ZがZであり、Rが塩素原子であり、Rが-CH2OCH2CF3であり、Rがメチルスルホニルである、前記(xxvi)に記載の除草組成物。
(xxviii)(1)式(I)中、TがTであり、ZがZであり、R11がアルコキシアルコキシアルキルであり、R12がハロアルキルである化合物又はその塩及び(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を含有する除草組成物。
(xxix)式(I)中、TがTであり、ZがZであり、R11が-CH2OCH2CH2OCH3であり、R12がトリフルオロメチルである、前記(xxviii)に記載の除草組成物。
【実施例】
【0092】
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
[ 1 ]
(1)ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
(商品名:Sorpol 5060、東邦化学工業(株)製)… 2.0重量部
(2)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸塩
(商品名:Sorpol 5073、東邦化学工業(株)製)… 3.0重量部
(3)ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル
(商品名:ノイゲンEA-33、第一工業製薬(株)製)…1.0重量部
(4)クレー
(商品名:OQクレー、日本耐火原料(株)製)…78.0重量部
(5)ホワイトカーボン
(商品名:カープレックス CS-7、塩野義製薬(株)製)…16.0重量部
以上の成分を混合し、配合物[A]を得た。
[ 2 ]
(1)化合物No.1 … 10.0重量部
(2)前記配合物[A] … 90.0重量部
以上の成分を混合し、水和剤を得た。これをPOAアルキルエーテルリン酸エステルを含有する界面活性剤(商品名:NIKKOL DDP-8)とともに水で希釈し、散布する。
【0093】
実施例2
(1)化合物No.53…5.1重量部
(2)ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルリン酸カリウム塩
(商品名:Soprophor FLK/70、ローディア日華(株)製)…3.0重量部
(3)アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物
(商品名:Morwet D425、ライオンアクゾ(株)製)…3.0重量部
(4)プロピレングリコール…10.0重量部
(5)マグネシウムアルミニウムシリケート
(商品名:Veegum、三洋化成工業(株)製)…1.0重量部
(6)ポリジメチルシロキサン
(商品名:Rhodorsil 432、ローディア日華(株)製)…0.1重量部
(7)キサンタンガム
(商品名:Rhodpol 23、ローディア日華(株)製)…0.1重量部
(8)1,2-ジベンジソチアゾリン-3-オン
(商品名:Proxel GXL、アビシア(株)製)…0.05重量部
(9)水…77.65重量部
以上の成分を混合し、湿式粉砕機を用い5分間粉砕して、水性懸濁剤を得た。これをNIKKOL DDP-8(商品名)とともに水で希釈し、散布する。
【0094】
実施例3
前記実施例2の化合物No.53を化合物No.238に変更する以外は実施例2と同様にして水性懸濁剤を得た。これをPOAアルキルエーテルリン酸エステルを含有する界面活性剤(商品名:ADEKA COL PS-440E)、脂肪酸エステル(商品名:Agnique Me 18RD-F:Cognis Deutschland GmbH Co. & KG製)、炭化水素系溶剤(商品名:Solvesso150:Exxon Chemical Company製)及び乳化剤(ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油及びドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムの混合物)とともに水で希釈し、散布する。
【0095】
実施例4
(1)化合物No.2-27…10.0重量部
(2)前記配合物[A]…90.0重量部
以上の成分を混合し、水和剤を得た。これをPOAアルキルエーテルリン酸エステルを含有する界面活性剤(商品名:NIKKOL TDP-8)とともに水で希釈し、散布する。
【0096】
実施例5
(1)化合物No.3-31…10.0重量部
(2)前記配合物[A]…90.0重量部
以上の成分を混合し、水和剤を得た。これをNIKKOL TDP-8(商品名)とともに水で希釈し、散布する。
【0097】
実施例6
(1)化合物No.238 …5.1重量部
(2)Soprophor FLK/70(商品名)…3.0重量部
(3)プロピレングリコール…10.0重量部
(4)Veegum(商品名)…1.0重量部
(5)Rhodorsil 432(商品名)…0.1重量部
(6)Rhodpol 23(商品名)…0.1重量部
(7)Proxel GXL(商品名)…0.05重量部
(8)水…80.65重量部
以上の成分を混合し、湿式粉砕機を用い5分間粉砕して、水性懸濁剤を得た。これをNIKKOL TDP-8(商品名)とともに水で希釈し、散布する。
【0098】
試験例1
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、そこへメヒシバ(Digitaria sanguinalis L.)及びイチビ(Abutilon theophrasti L.)の種子をそれぞれ播種し、温室内で生育させた。メヒシバが4.2-5.0葉期に、イチビが3.5-4.3葉期に各々達した時、前記実施例1に準じて調製した、化合物No.1を有効成分とする製剤品の所定量(15 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水(POAアルキルエーテルリン酸エステルを含有する界面活性剤を0.05容量%含有)で希釈し、茎葉処理した。又、比較の為に、前記界面活性剤に代えてアルキルアリールポリグリコールエーテル系界面活性剤(商品名:Citowett)を0.1容量%の濃度で用い、同様に茎葉処理した。
処理後21日目に植物の生育状態を、肉眼で観察調査(生育抑制率(%)=0:無処理区並〜100:完全枯殺)し、第b1表及び第b2表の結果を得た。
【0099】
【表28】

【0100】
【表29】

【0101】
試験例2
前記実施例2に準じて調製した、化合物No.53を有効成分とする製剤品の所定量(15 g a.i./ha)を用いること以外は前記試験例1と同様にして、第b3表及び第b4表の結果を得た。
【0102】
【表30】

【0103】
【表31】

【0104】
試験例3
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、そこへメヒシバの種子を播種し、温室内で生育させた。メヒシバが4.5-5.0葉期に達した時、前記実施例6に準じて調製した、化合物No.238を有効成分とする製剤品の所定量(30 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水(POAアルキルエーテルリン酸エステルを含有する界面活性剤を0.05容量%含有)で希釈し、茎葉処理した。又、比較の為に、前記界面活性剤に代えてCitowett(商品名)を0.3容量%の濃度で用い、同様に茎葉処理した。
処理後21日目に植物の生育状態を、試験例1と同様に評価し、第b5表の結果を得た。
【0105】
【表32】

【0106】
試験例4
前記実施例4に準じて調製した、化合物No.2-27を有効成分とする製剤品の所定量(15 g a.i./ha又は7 g a.i./ha)を用いること以外は前記試験例1と同様にして、第b6表及び第b7表の結果を得た。
【0107】
【表33】

【0108】
【表34】

【0109】
試験例5
前記実施例5に準じて調製した、化合物No.3-31を有効成分とする製剤品の所定量(60 g a.i./ha)を用いること以外は前記試験例3と同様にして、第b8表の結果を得た。
【0110】
【表35】

【0111】
試験例6
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、そこへメヒシバの種子を播種し、温室内で生育させた。メヒシバが3.8-4.1葉期に達した時、前記実施例3に準じて調製した、化合物No.238を有効成分とする製剤品の所定量(7 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水(POAアルキルエーテルリン酸エステルを含有する界面活性剤を0.03容量%含有し、適宜、脂肪酸エステル、炭化水素系溶剤又は乳化剤をそれぞれ0.03容量%ずつ添加。)で希釈し、茎葉処理した。ここで使用した脂肪酸エステルはAGNIQUE Me 18RD-F(商品名)であり、炭化水素系溶剤はSolvesso150(商品名)であり、乳化剤はポリオキシエチレンソルビトールテトラオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油及びドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムの混合物である。
処理後20日目に植物の生育状態を、試験例1と同様に評価し、第b9表の結果を得た。
【0112】
【化5】

【0113】
試験例7
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、そこへメヒシバの種子を播種し、温室内で生育させた。メヒシバが4.0-5.0葉期に達した時、前記実施例1に準じて調製した、化合物No.2-1を有効成分とする製剤品の所定量(15 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水(POAアルキルエーテルリン酸エステルを含有する界面活性剤を0.05容量%含有)で希釈し、茎葉処理した。又、比較の為に、前記界面活性剤に代えてシリコン系界面活性剤(商品名:SILWETT L-77)を0.1容量%の濃度で用い、同様に茎葉処理した。
処理後21日目に植物の生育状態を、試験例1と同様に評価し、第b10表の結果を得た。
【0114】
【表36】

【0115】
試験例8
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、そこへイヌビエ(Echinochloa crus-galli L)及びメヒシバの種子をそれぞれ播種し、温室内で生育させた。イヌビエが4.0-4.5葉期に、メヒシバが4.0-5.0葉期に各々達した時、前記実施例1に準じて調製した、化合物No.2-6を有効成分とする製剤品の所定量(15 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水(POAアルキルエーテルリン酸エステルを含有する界面活性剤を0.05容量%含有)で希釈し、茎葉処理した。又、比較の為に、前記界面活性剤に代えてSILWETT L-77(商品名)を0.1容量%の濃度で用い、同様に茎葉処理した。
処理後21日目に植物の生育状態を、試験例1と同様に評価し、第b11表及び第b12表の結果を得た。
【0116】
【表37】

【0117】
【表38】

【0118】
試験例9
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、そこへメヒシバの種子を播種し、温室内で生育させた。メヒシバが4.0-4.5葉期に達した時、前記実施例1に準じて調製した、化合物No.2-39を有効成分とする製剤品の所定量(15 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水(POAアルキルエーテルリン酸エステルを含有する界面活性剤を0.05容量%含有)で希釈し、茎葉処理した。又、比較の為に、前記界面活性剤に代えてSILWETT L-77(商品名)を0.1容量%の濃度で用い、同様に茎葉処理した。
処理後21日目に植物の生育状態を、試験例1と同様に評価し、第b13表の結果を得た。
【0119】
【表39】

【0120】
試験例10
前記実施例1に準じて調製した、化合物No.2-185を有効成分とする製剤品の所定量(15 g a.i./ha)を用いること以外は前記試験例8と同様にして、第b14表及び第b15表の結果を得た。
【0121】
【表40】

【0122】
【表41】

【0123】
試験例11
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、そこへメヒシバの種子を播種し、温室内で生育させた。メヒシバが4.0-5.0葉期に達した時、前記実施例1に準じて調製した、化合物No.4-3を有効成分とする製剤品の所定量(15 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水(POAアルキルエーテルリン酸エステルを含有する界面活性剤を0.05容量%含有)で希釈し、茎葉処理した。又、比較の為に、前記界面活性剤に代えてSILWETT L-77(商品名)を0.1容量%の濃度で用い、同様に茎葉処理した。
処理後21日目に植物の生育状態を、試験例1と同様に評価し、第b16表の結果を得た。
【0124】
【表42】

【0125】
試験例12
前記実施例1に準じて調製した、化合物No.4-320を有効成分とする製剤品の所定量(15 g a.i./ha)を用いること以外は前記試験例11と同様にして、第b17表の結果を得た。
【0126】
【表43】

【0127】
試験例13
1/1,000,000 haポットに畑作土壌をつめ、そこへイヌビエの種子を播種し、温室内で生育させた。イヌビエが4.0-4.5葉期に達した時、前記実施例1に準じて調製した、化合物No.5-1を有効成分とする製剤品の所定量(31 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水(POAアルキルエーテルリン酸エステルを含有する界面活性剤を0.05容量%含有)で希釈し、茎葉処理した。又、比較の為に、前記界面活性剤に代えてSILWETT L-77(商品名)を0.1容量%の濃度で用い、同様に茎葉処理した。
処理後21日目に植物の生育状態を、試験例1と同様に評価し、第b18表の結果を得た。
【0128】
【表44】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)式(I):
【化1】

{式中、Tは、
【化2】

であり、
Zは、
【化3】

であり、Qは−C(O)SR、水素原子又は−A−O−C(O)OR10であり、Rはアルキル又はシクロアルキルであり、Rは水素原子又はアルキルであり、Rはアルキル;シクロアルキル;ハロアルキル;アルコキシアルキル;アルコキシカルボニルアルキル;アルケニル;又はRで置換されてもよいアリールアルキルであり、Rはアルキル;ハロアルキル;アルコキシ;ハロゲン;ニトロ;シアノ;アルキルチオ;アルキルスルフィニル;又はアルキルスルホニルであり、Rは水素原子;アルキル;アルケニル;アルキニル;ハロゲン;シアノ;シアノアルキル;シアノアルケニル;ハロアルキル;アルコキシアルキル;ハロアルコキシアルキル;アルキル、シアノ、シアノアルキル、(アルキルチオ)カルボニルアルキル、アルキル(チオカルボニル)アルキル、−C(O)OR及び−C(O)SRから選ばれる少なくとも1つの置換基で置換されてもよいアミノ(チオカルボニル)アルキル;チオシアナトアルキル;アルコキシ;アルケニルオキシ;アルキニルオキシ;ハロアルコキシ;アルコキシアルコキシ;ハロアルコキシアルコキシ;アルコキシハロアルコキシ;ハロアルコキシハロアルコキシ;アルコキシアルコキシアルキル;アルキルチオ;アルコキシアルキルチオ;ハロアルコキシアルキルチオ;アルコキシハロアルキルチオ;ハロアルコキシハロアルキルチオ;アルキルチオアルキルチオ;ハロアルキルチオアルキルチオ;アルキルチオハロアルキルチオ;ハロアルキルチオハロアルキルチオ;アルキルチオアルコキシ;アルキルスルホニル;アルキルスルホニルアルキル;アルコキシカルボニルアルキル;アルコキシカルボニルアルコキシ;ヘテロシクリルアルキル;ヘテロシクリルオキシ;ヘテロシクリルアルコキシ;ヘテロシクリルアルコキシアルキル;ヘテロシクリルオキシアルキル;シクロアルキルオキシ;−OC(O)SR;−OC(O)OR;−C(O)OR;−C(O)SR;−C(S)OR;−C(S)SR;又はアルキル、シアノ、シアノアルキル、(アルキルチオ)カルボニルアルキル、アルキル(チオカルボニル)アルキル、−C(O)OR及び−C(O)SRから選ばれる少なくとも1つの置換基で置換されてもよいアミノアルキルであり、Rはハロアルキル;ハロゲン;ニトロ;シアノ;アルキルチオ;アルキルスルフィニル;又はアルキルスルホニルであり、Rはアルキル;ハロアルキル;アルコキシアルキル;アルケニル;ハロアルケニル;アルキニル;又はRで置換されてもよいアリールアルキルであり、R及びRはそれぞれ独立にハロゲン;アルキル;又はアルコキシであり、R10はアルキルであり、Aは1又は2以上のアルキルで置換されたアルキレンであり、R11はアルコキシアルコキシアルキルであり、R12はハロアルキルであり、但し、TがT又はTのとき、ZはZであり、TがTのとき、ZはZであり、TがTであり、Rが水素原子であるとき、Qは水素原子ではなく、TがTであるとき、Rは水素原子ではない}で表される化合物又はその塩及び(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を含有する除草組成物。
【請求項2】
式(I)中、TがTであり、Qが水素原子であり、Rがアルキルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがアルキルであり、Rがアルコキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ又は−C(O)ORであり、Rがアルキルスルホニルである、請求項1に記載の除草組成物。
【請求項3】
式(I)中、TがTであり、Qが水素原子であり、Rがアルキルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがアルキルであり、Rがアルコキシアルコキシであり、Rがアルキルスルホニルである、請求項2に記載の除草組成物。
【請求項4】
式(I)中、TがTであり、Qが−A−O−C(O)OR10であり、Rがアルキルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがアルキルであり、Rがアルコキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ又は−C(O)ORであり、Rがアルキルスルホニルであり、Aが1又は2以上のアルキルで置換されたアルキレンであり、R10がアルキルである、請求項1に記載の除草組成物。
【請求項5】
式(I)中、TがTであり、Qが−A−O−C(O)OR10であり、Rがアルキルであり、Rが水素原子であり、ZがZであり、Rがアルキルであり、Rがアルコキシアルコキシであり、Rがアルキルスルホニルであり、Aが1又は2以上のアルキルで置換されたアルキレンであり、R10がアルキルである、請求項4に記載の除草組成物。
【請求項6】
式(I)中、TがTであり、ZがZであり、Rがハロゲンであり、Rがハロアルコキシアルキルであり、Rがアルキルスルホニルである、請求項1に記載の除草組成物。
【請求項7】
式(I)中、TがTであり、ZがZであり、R11がアルコキシアルコキシアルキルであり、R12がハロアルキルである、請求項1に記載の除草組成物。
【請求項8】
更に、(3)植物油、脂肪酸エステル及び炭化水素系溶剤から選ばれる少なくとも1つの油類を含有する請求項1に記載の除草組成物。
【請求項9】
更に、(3)植物油、脂肪酸エステル及び炭化水素系溶剤から選ばれる少なくとも1つの油類及び(4)乳化剤を含有する請求項1に記載の除草組成物。
【請求項10】
(1)請求項1に記載された式(I)で表される化合物又はその塩の除草効力を、(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を用いて向上させる方法。
【請求項11】
更に、(3)植物油、脂肪酸エステル及び炭化水素系溶剤から選ばれる少なくとも1つの油類を用いる請求項10に記載の方法。
【請求項12】
更に、(3)植物油、脂肪酸エステル及び炭化水素系溶剤から選ばれる少なくとも1つの油類及び(4)乳化剤を用いる請求項10に記載の方法。
【請求項13】
請求項1に記載された除草組成物の除草有効量を、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用し、望ましくない植物を防除する方法。
【請求項14】
(1)請求項1に記載された式(I)で表される化合物又はその塩及び(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル又はその塩を、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用し、望ましくない植物を防除する方法。

【公開番号】特開2009−40771(P2009−40771A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−180460(P2008−180460)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(000000354)石原産業株式会社 (289)
【Fターム(参考)】