説明

除草用組成物

乳化剤及び水不溶性溶媒に加え、2,2−ジメチル−プロピオン酸8−(2,6−ジエチル−4−メチル−フェニル)−9−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−9H−ピラゾロ[1,2−d][1,4,5]オキサジアゼピン−7−イルエステル及びアルコールを含んで成る乳剤の形態の除草用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除草剤として活性な化合物として2,2-ジメチル-プロピオン酸8-(2,6-ジエチル-4-メチル-フェニル)-9-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-9H-ピラゾロ[1,2-d][1,4,5]オキサジアゼピン-7-イルエステルを含んで成る、乳剤の形態の除草用組成物、及び一群の有用植物中の雑草の制御におけるかかる組成物の使用、に関する。
【背景技術】
【0002】
2,2-ジメチル-プロピオン酸8-(2,6-ジエチル-4-メチル-フェニル)-9-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-9H-ピラゾロ[1,2-d][1,4,5]オキサジアゼピン-7-イルエステルは、穀物中の雑草、特にコムギ、オオムギ及びライムギ作物中の雑草に対する除草作用を示す。当該化合物は、ピノキサデンの名前でも知られており、例えば、EP-A-1 062 217に記載されている。
【0003】
2,2-ジメチル-プロピオン酸8-(2,6-ジエチル-4-メチル-フェニル)-9-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-9H-ピラゾロ[1,2-d][1,4,5]オキサジアゼピン-7-イルエステルの乳剤(EC)は、EP-A-1 062 217の実施例F1により公知である。しかしながら、これらのEC剤は、適当な安定性を有しておらず、例えば加水分解又はエステル交換反応により、時間と共に分解されるか、又は修飾されることが知られていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、向上した保存安定性によって区別される、2,2-ジメチル-プロピオン酸8-(2,6-ジエチル-4-メチル-フェニル)-9-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-9H-ピラゾロ[1,2-d][1,4,5]オキサジアゼピン-7-イルエステルの乳剤(EC)を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
驚くべきことに、かかる課題は、EP-A-1 062 217の実施例F1で公知のECに対し、溶媒としてアルコールを添加することで、又はその中に存在しうるケトンを当該アルコールに置き換えることで解決することが明らかとなった。
【0006】
従って、本発明は、乳化剤及び水不溶性溶媒に加え、
a) 2,2-ジメチル-プロピオン酸8-(2,6-ジエチル-4-メチル-フェニル)-9-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-9H-ピラゾロ[1,2-d][1,4,5]オキサジアゼピン-7-イルエステル及び
b) アルコール、
を含んで成る乳剤の形態の除草用組成物に関する。
【0007】
本発明の組成物中の前記アルコールの存在は、驚くべきことに、ECの著しい安定化をもたらす。予想に反して、除草剤のエステル交換反応は観察されない。
【0008】
考慮の対象となるアルコールは、好ましくはC1-C12アルカノール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ヘキサノール、オクタノール及びドデカノールである。これらのアルコールは、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、例えば2-エチルヘキサノール及びイソトリデカノールであってもよく、ジオール又はトリオール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール及び2-メチル-2,4-ペンタンジオールの形態で存在していてもよく、グリコールモノエーテル、例えばブチルグリコール及びブチルジグリコールの形態で存在していてもよく、そしてそれらは置換されていてもよく、例えば、フルフリルアルコール及びテトラヒドロフルフリルアルコール、ベンジルアルコール、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンであってもよく、そしてエステル、例えば乳酸アルキルエステル、例えば乳酸エチル及び乳酸ブチルの形態で存在していてもよい。環式アルコール、好ましくはシクロペンタノール及びシクロヘキサノールも同様に本発明に従い使用することができる。
【0009】
言及可能な好ましいアルコールは、2−エチルヘキサノール、n−オクタノール、ベンジルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン及びシクロヘキサノール並びに乳酸エチル及び乳酸ブチルがある。
【0010】
特に好ましくは、テトラヒドロフルフリルアルコール、ベンジルアルコール及び2−メチル−2,4−ペンタンジオールである。
【0011】
好ましくは、本発明の乳剤中に1〜97重量%のアルコールが存在している。5〜50重量%、特に10〜30重量%の含量が、特に好ましい。
【0012】
これらのアルコールは、互いに混合することもでき、あるいは市販の水不溶性溶媒と混合して使用することもできる。そのような水不溶性溶媒の例には、芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン、クメン、160〜180℃の沸点を有する芳香族炭化水素の混合物(Solvesso 100)又は180〜210℃の沸点を有する芳香族炭化水素の混合物(Solvesso150)又は230〜290℃の沸点を有する芳香族炭化水素の混合物(Solvesso200)、脂肪族又は脂環式炭化水素(Exxsol D80, Exxsol D100, Exxsol D120, Isopar H及びIsopar V)、脂肪アルコールの酢酸塩(Exxate 700, Exxate 1000)、酢酸イソボルニル、酢酸ベンジル、ジカルボン酸の低級アルキルエステル、例えば、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸及びアジピン酸(solvend DBE)、安息香酸エステル、例えば安息香酸ベンジル、安息香酸メチル及びジプロピレングリコールジベンゾアート、並びに高級脂肪酸の低級アルキルエステル、例えばC8-C10脂肪酸メチルエステル及びC16-C18脂肪酸メチルエステル、及びケトン、例えばシクロヘキサノン、アセトフェノン、メチル-n-ペンチルケトンがある。
【0013】
好ましくは、0〜95重量%の水不溶性溶媒が本発明の乳剤中に存在している。10〜70重量%、特に30〜60重量%の含量が特に好ましい。
【0014】
本発明の組成物の場合、ECと一緒に常用の乳化剤を使用することもできる。言及可能な例として、エトキシル化ヒマシ油、エトキシル化アルコール、トリスチリルフェノールエトキシラート、それらの混合物及び、陰イオン界面活性化合物、例えばドデシルベンゼンスルホン酸のカルシウム塩又はジオクチルスルホンコハク酸のナトリウム塩との混合物がある。
【0015】
好ましくは、0.5〜50重量%の乳化剤が本発明の乳剤中に存在している。2〜30重量%、特に2〜10重量%の含量が特に好ましい。
【0016】
本発明の組成物は、2,2-ジメチル-プロピオン酸8-(2,6-ジエチル-4-メチル-フェニル)-9-オキソ-1,2,4,5-テトラヒドロ-9H-ピラゾロ[1,2-d][1,4,5]オキサジアゼピン-7-イルエステルに加えて、これと適合性のある1又は複数の追加の除草剤を含んでもよい。「適合性がある」とは、本文において、その除草剤の組み合わせが、化学的に安定であり、且つ有用植物に関する限り拮抗作用も植物毒性の増大も示さないことを意味する。そのような除草剤は、好ましくは、スルホニルウレア、例えばトリアスフロン、トリベヌロン、メツルフロン、チフェンスルフロン、フルピルスルフロン、クロルスルフロン、プロスルフロン、アミドスルフロン、メソスルフロン、スルフォスルフロン及びトリトスルフロン、アリールオキシフェノキシプロピオナート及びヘテロアリールオキシフェノキシプロピオナート、例えばクロジナホッププロパルギル、フェノキサプロップ−P−エチル、ジクロホップメチル及びシハロホップブチル、トリアゾロピリミジン、例えばフロラスラム、メトスラム及びフルメツラム、アリールカルボン酸、好ましくはジカンバ及びクロピラリド、更にアリールオキシカルボン酸、好ましくは2,4−D、2,4−DP、メコプロップ、メコプロップ−P、MCPA、MCPB、ジクロルプロップ−P及びフルオキシピルのエステル、シクロヘキサンジオンオキシム、例えばトラルコキシジム、チオカルバマート、例えばトリアラート及びプロスルホカルブ、ヒドロキシベンゾニトリル、例えばブロモキシニル、ブロモキシニルオクタノアート、アイオキシニル及びアイオキシニルオクタノアート、ジニトロアニリン、例えばペンジメタリン及びトリフルラリン、そして更にピリジンカルボキサミド、例えばジフルフェニカン、から選択される。
【0017】
好ましくは、1〜50重量%の除草剤(2,2−ジメチル−プロピオン酸8−(2,6−ジエチル−4−メチル−フェニル)−9−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−9H−ピラゾロ[1,2−d][1,4,5]オキサジアゼピン−7−イルエステル)(単独あるいは1又は複数の追加の除草剤との混合物)が本発明の乳剤中に存在している。3〜30重量%、特に5〜15重量%の含有量が特に好ましい。
【0018】
本発明の組成物は、セーフナー、好ましくはクロキントセット−メキシル、メフェンピル−ジエチル又はイソキサジフェン−エチル及びそれらの誘導体、例えば相当の酸及び塩の併用も可能である。そのようなセーフナーは、例えばThe Pesticide Manual, 12th, Edition, BCPC及びDE-A-43 31 448で説明されている。
【0019】
アジュバントも本発明の組成物に添加してよく、その結果、それらの活性は増大することがある。かかるアジュバントは、例えば:非イオン性界面活性剤、非イオン界面活性剤の混合物、陰イオン性界面活性剤と非イオン界面活性剤との混合物、有機ケイ素系界面活性剤、鉱油誘導体単独又は界面活性剤との組み合わせ、植物油誘導体単独又は追加の界面活性剤との組み合わせ、魚油及び他の動物性油並びにそれらのアルキル誘導体単独又は界面活性剤との組み合わせ、より高度に飽和した脂肪酸並びに一価及び多価の不飽和脂肪酸であって、好ましくは8〜28個の炭素原子を有するもの、及びそれらのアルキルエステル誘導体、芳香環系及び1又は複数のカルボン酸遊離基を含む有機酸、並びにそれらのアルキル誘導体であってもよい。個々のアジュバントを互いに混合したもの、及び有機酸と混合したものは、更なる作用の増強をもたらすことができる。本発明に好適なアジュバントは、EP-A-1 062 217に記載されている。
【0020】
本発明のECの調製は、実質的には、除草剤をアルコール、任意に水不溶性の溶媒に溶解し、その後常用の乳化剤を添加するという既知の慣習的な方法に従い実施される。このようにして得られた混合物は、透明な溶液が形成されるまで攪拌される。
【0021】
市販の製品は好ましくは濃縮物として調製されるが、エンドユーザーは通常この製剤を水で希釈して利用するであろう。
【実施例】
【0022】
実施例1:
EC1:
2,2−ジメチル−プロピオン酸8−(2,6−ジエチル−4−メチル−フェニル)−9−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−9H−ピラゾロ[1,2−d][1,4,5]オキサジアゼピン−7−イルエステルの乳剤は、10.5gのこの除草剤と2.7gのセーフナー、クロキントセット−メキシルを、1gのソプロフォールTS/10(エチレンオキシドの付加モル数10のエトキシル化トリスチリルフェノール)、1gのAtlas G−5000(ブタノールEO/POブロックコポリマー)、1gのRhodacal60/BE(ドデシルベンゼンスルホン酸のカルシウム塩)及び86.7gのSolvesso 200 ND(芳香族炭化水素)の混合物中で溶解することにより調製される。これは、実質的に、EP−A−1 062 217の実施例F1.a)及びb)に記載のECに相当する。
【0023】
EC2:
86.7gのSolvesso 200 NDの代わりに若干56.7gのシクロヘキサンと追加的に30.7gのシクロヘキサンを使用することを除き、EC1と同じ方法で乳剤を調製する。これは、実質的に、EP−A−1 062 217の実施例F1.c)及びd)に記載のECに相当する。
【0024】
EC3:
86.7gのSolvesso 200 NDの代わりに若干56.7gのテトラヒドロフルフリルアルコールと追加的に30.7gのテトラヒドロフルフリルアルコールを使用することを除き、EC1と同じ方法で乳剤を調製する。これは、本発明のECに相当する。
【0025】
これらの乳剤を2週間室温で保存する。後に得られた結果を以下の表1に記す。
【0026】
表1
含まれている2,2−ジメチル−プロピオン酸8−(2,6−ジエチル−4−メチル−フェニル)−9−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−9H−ピラゾロ[1,2−d][1,4,5]オキサジアゼピン−7−イルエステルの安定性に関するEC1、EC2及びEC3の比較
【表1】

【0027】
当該表は、テトラヒドロフルフリルアルコール(EC3)を使用する場合、シクロヘキサン(EC2)及びSolvesso 200D単独(EC1)を場合と比較して有意により安定した製剤を得ることができることを示す。
【0028】
実施例2:
107gの2,2−ジメチル−プロピオン酸8−(2,6−ジエチル−4−メチル−フェニル)−9−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−9H−ピラゾロ[1,2−d][1,4,5]オキサジアゼピン−7−イルエステル及び26gのクロキントセット−メキシルを含む乳剤は、これらの化合物を、10gのソプロフォールTS/10(エチレンオキシドの付加モル数10のエトキシル化トリスチリルフェノール)、10gのAtlas G−5000(ブタノールEO/POブロックコポリマー)、10gのRhodacal60/BE(ドデシルベンゼンスルホン酸のカルシウム塩)、524gのSolvesso 200 ND(芳香族炭化水素)及び300gの2−メチル−2,4−ペンタンジオールの混合物中で溶解し、透明な溶液が得られるまで攪拌することで調製される。このようにして調製した乳剤を50℃の温度で4週間攪拌した後、わずかに2%の2,2−ジメチル−プロピオン酸8−(2,6−ジエチル−4−メチル−フェニル)−9−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−9H−ピラゾロ[1,2−d][1,4,5]オキサジアゼピン−7−イルエステルの損失が観察される。
【0029】
実施例3:
2−メチル−2,4−ペンタンジオールの代わりに300gのジアセトンアルコールを使用することを除き、実施例2のとおりに乳剤を調製する。このようにして調製した乳剤を50℃の温度で4週間攪拌した後、わずかに2%の2,2−ジメチル−プロピオン酸8−(2,6−ジエチル−4−メチル−フェニル)−9−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−9H−ピラゾロ[1,2−d][1,4,5]オキサジアゼピン−7−イルエステルの損失が観察される。
【0030】
実施例4:
129gの2,2−ジメチル−プロピオン酸8−(2,6−ジエチル−4−メチル−フェニル)−9−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−9H−ピラゾロ[1,2−d][1,4,5]オキサジアゼピン−7−イルエステル及び31gのクロキントセット−メキシルを含む乳剤は、これらの化合物を、10gのソプロフォールTS/10(エチレンオキシドの付加モル数10のエトキシル化トリスチリルフェノール)、50gのAtlas MBA 1307(一分枝の脂肪アルコールアルコキシラート)、1320gのSolvesso 200 ND(芳香族炭化水素)及び500gのテトラヒドロフルフリルアルコールの混合物中で溶解し、透明な溶液が得られるまで攪拌することで調製される。このようにして調製した乳剤を50℃の温度で4週間攪拌した後、わずかに2%の2,2−ジメチル−プロピオン酸8−(2,6−ジエチル−4−メチル−フェニル)−9−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−9H−ピラゾロ[1,2−d][1,4,5]オキサジアゼピン−7−イルエステルの損失が観察される。
【0031】
実施例5:
54gの2,2−ジメチル−プロピオン酸8−(2,6−ジエチル−4−メチル−フェニル)−9−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−9H−ピラゾロ[1,2−d][1,4,5]オキサジアゼピン−7−イルエステル及び13gのクロキントセット−メキシルを含む乳剤は、これらの化合物を、10gのソプロフォールTS/10(エチレンオキシドの付加モル数10のエトキシル化トリスチリルフェノール)、10gのAtlas G−5000(ブタノールEO/POブロックコポリマー)、10gのRhodacal60/BE(ドデシルベンゼンスルホン酸のカルシウム塩)、158gのSolvesso 200 ND(芳香族炭化水素)、450gのナタネ油メチルエステル及び250gのテトラヒドロフルフリルアルコールの混合物中で溶解し、透明な溶液が得られるまで攪拌することで調製される。このようにして調製した乳剤を50℃の温度で4週間攪拌した後、わずかに3%の2,2−ジメチル−プロピオン酸8−(2,6−ジエチル−4−メチル−フェニル)−9−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−9H−ピラゾロ[1,2−d][1,4,5]オキサジアゼピン−7−イルエステルの損失が観察される。
【0032】
実施例6:
60gの2,2−ジメチル−プロピオン酸8−(2,6−ジエチル−4−メチル−フェニル)−9−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−9H−ピラゾロ[1,2−d][1,4,5]オキサジアゼピン−7−イルエステル及び15gのクロキントセット−メキシルを含む乳剤は、これらの化合物を、20gのNANSA EVM63/B(ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム)、50gのSERVIROX OEG 59E(エトキシル化ヒマシ油)、675gのSolvesso 200 ND(芳香族炭化水素)及び200gのベンジルアルコールの混合物中で溶解し、透明な溶液が得られるまで攪拌することで調製される。このようにして調製した乳剤を50℃の温度で4週間攪拌した後、わずかに3%の2,2−ジメチル−プロピオン酸8−(2,6−ジエチル−4−メチル−フェニル)−9−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−9H−ピラゾロ[1,2−d][1,4,5]オキサジアゼピン−7−イルエステルの損失が観察される。
【0033】
生物学的実施例:
2,2−ジメチル−プロピオン酸8−(2,6−ジエチル−4−メチル−フェニル)−9−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−9H−ピラゾロ[1,2−d][1,4,5]オキサジアゼピン−7−イルエステルは、通常、5〜200g/ha、特に10〜80g/ha、更に特別には30〜60g/haの施与量で植物又はその場所に施与される。
【0034】
セーフナーの施与量は、通常、2〜100g/ha、特に2〜50g/ha、更に特別には7.5〜15g/haである。
【0035】
所望の効果を達成するのに必要な濃度は、実験によって決定することができる。これは、作用の性質、栽培植物や雑草の発育段階及び施与の性質(場所、時間、方法)に依存し、そしてこれらのパラメーターの関数として広範な制限のもと変化しうる。
【0036】
除草剤に対するセーフナーの相対的な施与量は、施与の形態に大きく依存する。野外での処理が、セーフナー及び除草剤と組み合わせてタンク混合物を用いることにより、又はセーフナーと除草剤とを別々に施与することにより実施される場合、除草剤対セーフナーの比率は、通常1:1〜10:1、好ましくは4:1である。
【0037】
本発明の乳剤の除草活性を以下の実施例で証明する。
【0038】
実施例B1:植物の出芽後の除草作用(出芽後作用)
プラスチック製のポットにおいて標準的な土壌中グリーンハウスの条件下単子葉及び双子葉の雑草を生育させる。前記乳剤の施与は、試験植物の3〜6葉期に実施する。この目的のため、上述したEC3を1ha当たり400リットルに溶解する。本試験は20日後に評価する(作用率(%)、100%=植物は死滅、0%=植物毒素作用なし);試験植物:ノスズメノテッポウ(Alopecurus myosuroides)、ボウムギ(Lolium rigidum)、カラスムギ(Avena fatua)、エノコログサ(Setaria viridis)。結果を以下の表2に記す:
【0039】
表2:
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳化剤及び水不溶性溶媒に加え、
a)2,2−ジメチル−プロピオン酸8−(2,6−ジエチル−4−メチル−フェニル)−9−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−9H−ピラゾロ[1,2−d][1,4,5]オキサジアゼピン−7−イルエステル及び
b)アルコール、
を含んで成る乳剤の形態の除草用組成物。
【請求項2】
アルコールとして、2−エチルヘキサノール、n−オクタノール、ベンジルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノール、乳酸メチル又は乳酸ブチルを含んで成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
アルコールとして、ベンジルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール又は2−メチル−2,4−ペンタンジオールを含んで成る、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
1〜50重量%の2,2−ジメチル−プロピオン酸8−(2,6−ジエチル−4−メチル−フェニル)−9−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−9H−ピラゾロ[1,2−d][1,4,5]オキサジアゼピン−7−イルエステルを含んで成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
1〜97重量%のアルコールを含んで成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
2,2−ジメチル−プロピオン酸8−(2,6−ジエチル−4−メチル−フェニル)−9−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロ−9H−ピラゾロ[1,2−d][1,4,5]オキサジアゼピン−7−イルエステルと適合性のある追加の除草剤を含んで成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
追加の除草剤として、スルホニルウレア、アリールオキシフェノキシプロピオナート、トリアゾロピリミジン、アリールカルボン酸、アリールオキシカルボン酸、ヘテロアリールオキシカルボン酸、シクロヘキサンジオンオキシム、チオカルバマート、ヒドロキシベンゾニトリル、ジニトロアニリン及びピリジンカルボキサミドから成る群由来のメンバーを含んで成る、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
セーフナーを含んで成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
クロキントセット−メキシル、メフェンピル−ジエチル又はイソキサジフェン−エチルを含んで成る、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
アジュバントを含んで成る、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
不所望な植物の生長を制御する方法であって、除草剤として有効量の請求項1に記載の組成物を前記植物又はその場所に施与することを含んで成る方法。

【公表番号】特表2009−524597(P2009−524597A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547895(P2008−547895)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【国際出願番号】PCT/EP2006/012539
【国際公開番号】WO2007/073933
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】