説明

除菌インレット

【課題】圧力損失を抑え、かつ除菌効果の高い鶏舎に設置される除菌インレットを提供することを課題とする。
【解決手段】除菌インレット1は、内部に空気通路6が形成され、一端に吸気口9及び他端に排気口13を有する四角筒形状のハウジング7と、空気通路6に配設され、処理空気5から菌類Vを除去し、清浄空気8を生成するためのフィルタ部2と、吸気口9に処理空気5を送出し、空気通路6内に気流Wを生じさせる送風ブロア10と、フィルタ処理済空気11に紫外線UVを照射する紫外線照射機構部12とを主に具備する。ここで、フィルタ部2は断面波型形状に形成された複数のシート部材3から構成され、シート部材3の傾斜シート面には、殺菌剤成分を含む除菌シートが貼着され、さらに傾斜シート面から突設された複数の突起部が縦一列に並設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除菌インレットに関するものであり、特に、多数羽の鶏を飼育する鶏舎内に設置され、鶏舎内の空気を除菌し、環境制御を行うための除菌インレットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、多数羽の鶏を鶏舎内に収容した状態で飼育し、鶏卵や鶏肉を安定的に生産し、消費者に供給することが行われている。ここで、鶏を飼育するために使用される鶏舎は、その壁体構造の違いにより、開放型鶏舎及び閉鎖型鶏舎の二種類の鶏舎に一般的に大別することができる。特に、後者の閉鎖型鶏舎の中でも、開口部(または、窓部)を全く有さず、人工的に制御された環境の中で鶏を飼育する鶏舎をウインドレス鶏舎と呼ぶこともある。
【0003】
これらの鶏舎は、鶏舎内に設置されたケージと呼ばれる略直方体形状の収容設備に、数千から数万羽の鶏を、前後・左右・上下方向の動きを規制した状態で収容し、給餌・給水・除糞処理、及び鶏舎内の温湿度等の環境制御を全てコンピュータで管理して飼育している。これにより、安定した鶏卵または鶏肉の生産を行うことができ、消費者に安定した価格で係る鶏卵等を供給することができる。
【0004】
ここで、上述したウインドレス鶏舎の場合、開放部がほとんど存在しないため、何ら対策を講じないと、鶏舎内の空気が滞留し、新鮮な空気が外部からほとんど導入されないことがある。そのような換気の行われない二酸化炭素の濃度が上昇した環境は、鶏の飼育にとっては好ましくなく、産卵率が低下したり、鶏の発育状況が劣るなどの問題があった。そのため、ウインドレス鶏舎の場合、換気ファン等の大型の換気設備を設置し、鶏舎内に強制的に空気の流れ(気流)を発生させ、鶏舎内空気の循環及び新鮮な空気を外部から取り入れる環境制御を行っている。その結果、鶏舎内の環境状態を良好なものに保持し、また、病原性の病気等による感染を抑え、安定した鶏の飼育及び鶏卵等の生産効率を維持することができる。
【0005】
以上の従来技術は、本技術分野における当業者においては周知のものであり、本願出願時には、本発明に関する従来技術が記載された文献を本願出願時において特に知見するものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年において、所謂「トリインフルエンザウイルス」等のウイルス性や細菌性の病原体に起因する鶏の病気の発生が問題となっている。特に、前述したトリインフルエンザウイルス等の伝染性の強い病原性ウイルスの場合、さらなる拡大感染を防ぐために飼育されている鶏を処分する措置や安全性が確認されるまでは出荷等の鶏の他地域への移動が規制されることがあった。
【0007】
上述の鶏舎のように、多数羽の鶏が一カ所に集められ、さらに強制的に空気を循環して環境制御を行っている場合、一羽の鶏が当該ウイルスに感染すると、瞬く間に鶏舎全体に拡がってしまうため、鶏舎を管理する養鶏業者は大きな被害を被ることになった。そのため、上記養鶏業者らは、鶏を飼育する上で大きなリスクを負っていることになる。係る状況を予防するために、ワクチン等の予防接種を予め行ったりする等、鶏舎内の環境に細心の注意を払っている。
【0008】
ところで、上述したトリインフルエンザウイルス等のような鶏に対する病気の多くは、空気感染によって伝搬されるものが多く、上記のようなウインドレス鶏舎の場合、特に鶏舎内の換気に注意し、ウイルス等が蔓延しないようにする必要が多かった。しかしながら、従来の係る鶏舎に設置される換気システムは、基本的には新鮮な空気を鶏舎内に導入し、循環させるものにすぎず、病原性ウイルス等に対する十分な対策が講じられているところは少なかった。
【0009】
一方、通常使用される除菌フィルタ等を用いた除菌対策を行う場合、一般的に使用されるサイズの除菌フィルタ等では、圧力損失が大きくなる傾向が強く、鶏舎内の大規模(大容量)の場所に対する除菌処理は、当該処理に多大な時間がかかり、効率的な処理が困難となり、さらに多大なコストがかかる可能性が高かった。そのため、広範囲の対象に対してであっても圧力損失が小さく、かつ効率的な除菌処理を行うことが可能な技術の開発が試みられていた。
【0010】
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、圧力損失を抑え、かつ除菌効果の高い鶏舎に設置される除菌インレットの提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明の除菌インレットは、「鶏舎内に設置され、鶏に対する病原性のウイルス、または細菌を含む菌類の混在した処理空気を除菌処理する除菌インレットであって、前記処理空気を吸気する吸気口、及び前記処理空気から前記菌類の除去された清浄空気を排気する排気口を備え、前記吸気口及び前記排気口の間を連通する空気通路が内部に形成されたハウジングと、前記空気通路内に設けられ、前記気流発生手段によって吸気された前記処理空気による前記気流と少なくとも一部が当接し、前記菌類を除去する機能を有する除菌フィルタ部とを具備し、前記除菌フィルタ部は、前記処理空気による前記気流の流通方向に対して傾斜した傾斜シート面を有し、前記傾斜シート面で捕集する複数のシート部材を備え、互いの前記シート部材の前記傾斜シート面を離間した状態でそれぞれ相対させ、前記傾斜シート面の間に間隙を設けた状態で保持され、前記処理空気を前記間隙に流通させる」ものから主に構成されている。
【0012】
ここで、処理空気に混在した病原性のウイルス、細菌類を含む菌類とは、例えば、上述したトリインフルエンザ、ニューカッスル病、及びマレック病等の鶏に発症する周知の病気を引き起こす要因として知られている病原体(ウイルス等)を示すことができる。
【0013】
また、処理空気の吸気及び清浄空気の排気が行われるハウジングとは、内部に処理空気の流通可能な空気通路が形成されたものであり、例えば、四角筒状に形成し、その端部をそれぞれ開口し、一端を吸気口及び他端を排気口として構成した樹脂製素材あるいは金属製素材等のものが挙げられる。係る構成により、吸気口及び排気口が空気通路によって連通され、処理空気(または、清浄空気)は、当該空気通路間を自由に流通することができる。なお、ハウジングの形状は、上述した四角筒状のように、直線的に形成されるものに限らず、鶏舎内の設置スペースを考慮し、例えば、L字形状のように中央付近で鋭角に曲折して構築されるものであっても構わない。
【0014】
なお、除菌インレットには、当該空気通路を処理空気が流通するように、気流を発生させるための気流発生手段がその他構成として設けられている。具体的に説明すると、吸気口側に設置され、処理空気を吸気口に向かって吹付けるように送出するブロア、或いは排気口側に設けられ、排気口側近傍の空気を吸引し、空気通路を介して上流の吸気口側の処理空気を吸気する吸引ファン等の構成を示すことができる。なお、これらのブロア等の構成の他に、ブロアや吸引ファンに利用されるモータ(駆動機)を回転させ、かつ回転数を制御するための制御機器及び電源類、及びモータの回転数等を調整するための操作機器等の各種構成を含むものである。
【0015】
一方、除菌フィルタ部は、空気通路内に設置され、処理空気に含まれる菌類を除去するものであり、複数のシート部材によって構成されている。ここで、シート部材の素材は特に限定されないが、樹脂や紙等の加工が容易な素材を使用することができる。その表面に、吸着等の物理的作用によって捕集可能なものであれば構わない。さらに、銀イオンや銅イオン等の金属イオンを含む殺菌剤成分を含む傾斜シート面を有するものであれば特に好適である。ここで、殺菌剤成分は、上記の金属イオン等によるものに限らず、その他化学的に合成され、ウイルス等の菌類を死滅させることができるものであれば特に限定されるものではない。また、除菌フィルタ部の構成は、フィルタの外観形状をなすシート基部(シート部材)と、殺菌剤成分を含有する傾斜シート面を構成する除菌シート等の二つの構成からなり、該シート基部に除菌シートを貼着して形成するものであっても、或いは殺菌剤成分を含んで除菌フィルタ部を一体的に構成するものであっても構わない。
【0016】
したがって、本発明の除菌インレットによれば、ブロア等の気流発生手段によって発生した気流に従って菌類を含む処理空気が吸気口から吸い込まれる。このとき、吸気口と連結した空気通路の中央付近には、除菌フィルタ部が設けられており、空気通路を流れる処理空気の気流は、当該除菌フィルタ部まで到達し、必然的に少なくともその一部と接触することとなる。さらに、具体的に説明すると、除菌フィルタ部を構成する複数のシート部材は、処理空気の流通方向に対して傾斜する傾斜シート面を有している。そのため、除菌フィルタ部に到達した処理空気は、当該傾斜シート面に沿って流れることとなり、安定した流れが阻害されることがなく、流動損失を低く抑えることができる。
【0017】
なお、除菌フィルタ部は、コットン繊維と、前記コットン繊維内部に分散してなる多孔性三次元網目状構造の結晶性含水アルミノケイ酸塩とを具備するものを使用することも可能である。
【0018】
さらに詳細に説明すると、アルミノケイ酸塩は、一般的に「ゼオライト」と呼称され、表面に微細な孔を有するものであり、この微細孔にガス等を吸着・保持する機能を有している。そのため、除菌フィルタ部に結晶性含水アルミノケイ酸塩(ゼオライト)を含有することにより、傾斜シート面に接触した処理空気に含まれる菌類が当該ゼオライトの微細孔に侵入し、捕集されることとなる。その結果、除菌インレットによる除菌効率を飛躍的に増加させることが可能となる。また、コットン繊維は、除菌フィルタ部を、例えば、シート状に構築するためのベース(基材)として使用されるものであり、ゼオライトの多孔性を損なうことがない特性を有している。
【0019】
さらに、本発明の除菌インレットは、上記構成に加え、「前記除菌フィルタ部の前記傾斜シート面を湿潤状態に保持する湿潤保持手段をさらに具備する」ものであっても構わない。
【0020】
したがって、本発明の除菌インレットによれば、傾斜シート面を湿潤状態にするための湿潤保持手段を備えている。ここで、湿潤保持手段とは、例えば、除菌フィルタ部を収容するハウジング内を一定の湿度に保持するために、霧吹き等によって一定時間毎に水分を添加するもの、或いは超音波による振動を利用して湿度を一定にする超音波加湿器等の原理を応用した装置を取り付けるもの、または除菌フィルタ部の傾斜シート面を湿潤性(保湿性)の高い素材で形成するものなどが挙げられる。一般に菌類等は、乾燥した状態より、ある程度の湿度を有する状態の方が、傾斜シート面に捕集されやすい傾向がある。そこで、ハウジング内に収容された除菌フィルタ部の傾斜シート面を湿らせることにより、傾斜シート面に接触する処理空気に含まれるウイルス等の菌類は、当該傾斜シート面に捕集されやすくなる。加えて、一度、除菌フィルタ部に捕集された菌類が、処理空気の流れによって再び傾斜シート面から離れるおそれも低くなる。
【0021】
さらに、本発明の除菌インレットは、上記構成に加え、「前記シート部材は、断面山型形状または断面波型形状に曲折加工して形成される」ものであっても構わない。
【0022】
したがって、本発明の除菌インレットによれば、シート部材の断面形状が山型或いは波型の形状に形成されている。これにより、上述した処理空気に対して傾斜した傾斜シート面が確保されるとともに、複数のシート部材を傾斜シート面を相対し、離間した状態で保持することが特に好適に行われる。ここで、山型とは、各傾斜シート面の間が所定の角度で曲折され、山部及び谷部に尖った頂点部(曲折部)を有して形成されているものである。係る形状のシート部材を採用することにより、ハウジング内に所定の間隔を保持して多重に複数のシート部材を収容することができる。ここで、頂点部が尖って形成されていることにより、すなわち、処理空気の流れる経路が山型になるため、経路の変更点で処理空気と傾斜フィルタ面とが接触しやすくなり、菌類の捕集効率が向上する。
【0023】
一方、曲線状で構成される波型に形成することにより、山型のように経路変更点での処理空気と傾斜フィルタ面との接触する機会は減少し、若干の捕集効率が低下する可能性はあるものの、処理空気の流れが滑らかとなり、処理空気の流れに剥離が生じることなく、圧力損失を抑えることが可能となる。さらに、上述した山型及び波型の双方の優れた作用を備えるように、例えば、上流側を山型形状に形成し、下流側を波型形状に形成したシート部材を構築するものであってもよい。
【0024】
さらに、本発明の除菌インレットは、上記構成に加え、「前記シート部材は、前記傾斜シート面から前記気流の流通方向に直交するように突設された複数の突起部を」具備するものであっても構わない。
【0025】
ここで、突起部とは、傾斜シート面に直交するように突設されるものであり、ネジ、鋲等の周知の部材を採用するものが例示される。さらに、前述した波型の断面形状を有するシート部材を用いた場合、波型の山部または谷部に相当する曲折部(頂点部)に設けられるものであっても、あるいは山部及び谷部を連結する中間部に取付けられるものであっても構わない。しかしながら、突起部による優れた作用効果(詳細については後述する)を享受するためには、空気通路の上流側に少なくとも縦方向に一列設けられるものが好適である。なお、この突起部は、飛行機の翼等に使用されているボルテックス・ジェネレータの原理を応用したものであり、処理空気が互いのシート部材の間の間隙に沿って流れる場合、流れ方向に軸を有する縦渦(たてうず)を発生させ、且つ当該流れが傾斜シート面から剥離することを防ぐことを可能とするものである。具体的に説明すると、除菌フィルタ部には多数のシート部を有するために、シート面間のすきまが比較的狭く、したがってこのすきま内の流れは、乱れのない層流(そうりゅう)となる。流れが層流の場合、乱れがないためにフィルタ部を通過する空気が壁面の除菌シートに接触する機会は少ない。そこで、流路内に突起を設けることによって、乱れを生じさせ、縦渦を誘起してフィルタ部を通過する空気が除菌シート面に接触する機会を著しく増加させる。さらに、ボルテックス・ジェネレータと同様に、発生した乱れによってシート部材の曲折部における流れの剥離を抑制することも可能となる。なお、この突起部の大きさについては、境界層流れの遷移に関する流体力学的見地から、数ミリメートル程度の高さで十分であり、フィルタ部における流動損失の増大はわずかにすぎない。従来までのフィルタは、流れをフィルタに垂直に向けているために圧力損失が著しく大きく、大量の空気を短時間に処理することは不可能であったのに対し、ここで示す除菌フィルタは流れ方向に多数のフィルタを配し、そのフィルタへ接触させる構造のため、圧力損失は極めて小さくすることができる。
【0026】
したがって、本発明の除菌インレットによれば、シート部材に取付けられた複数の突起部によって、処理空気の流れ(層流)を故意に乱して縦渦を発生させ、さらに曲折部で剥離しにくい流れを作り出すことができる。さらに具体的に説明すると、互いに対向する傾斜シート面の間の間隙に進入した処理空気は、該傾斜シート面に接触し、あるいは傾斜シート面に沿って流通することとなる。そして、傾斜シート面から突出した突起部に到達し、当該突起部を越えた縦渦によって壁面近くへと運ばれ、傾斜シート面へ何度も接触することになる。
【0027】
さらに、本発明の除菌インレットは、上記構成に加え、「前記フィルタ部の下流側の前記空気通路に設けられ、前記フィルタ部を通過し、フィルタ処理済空気に対し、紫外線を照射する紫外線照射機構部を」具備するものであっても構わない。
【0028】
したがって、本発明の除菌インレットによれば、フィルタ部の下流側に紫外線照射機構部が設けられている。ここで、紫外線は、特定波長の紫外線の物体に照射することによって、当該紫外線に含まれるエネルギーの作用により、物体に付着した菌類等を除菌(殺菌)する作用を奏することが一般的に知られている。そのため、フィルタ部の下流側に所定波長の紫外線を所定の強度で照射可能な紫外線ランプを設置し、フィルタ部から流れるフィルタ処理済空気に照射する。ここで、フィルタ処理済空気は、前述したシート部材からなるフィルタ部によって、大部分の菌類が当該シート部材に捕捉されていることとなる。
【0029】
そこで、該フィルタ処理済空気にさらに紫外線を照射することにより、該紫外線の殺菌作用によって、さらに殺菌処理が進行する。その結果、排気口から排出される清浄空気には、菌類はほとんど含まれていないこととなる。すなわち、フィルタ部による物理的な菌類の捕捉とともに、紫外線照射部によって化学的に菌類を死滅させ、除菌することが可能となる。これにより、本発明の除菌インレットの除菌作用がさらに高められることとなる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の除菌インレットの効果によれば、フィルタ部を構成するシート部材の一部を処理空気の流通方向に対して傾斜させた傾斜シート面を構築し、保持することにより、圧力損失の小さい状態で除菌処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の一実施形態である除菌インレット1(以下、単に「インレット1」と称す)について、図1乃至図3に基づいて説明する。ここで、図1は本実施形態のインレット1の概略構成を示す説明図であり、図2は除菌フィルタ部2(以下、単に「フィルタ部2」と称す)の複数のシート部材3のレイアウト構成及び気流Wの流れの一例を示す説明図であり、図3はシート部材3の構成を示す側方から見た説明図である。
【0032】
本実施形態のインレット1は、図1乃至図3に示すように、内部空間に空気通路6が形成され、長手方向を略水平方向に一致させた状態で鶏舎(図示しない)に配設され、一端に吸気口9及び他端に排気口13を有し、吸気口9及び排気口13を上述した空気通路6で連通してなる金属製素材で形成された四角筒形状のハウジング7と、該ハウジングの空気通路6の略中央付近に配設され、病原性のウイルス等の菌類Vが含まれた処理空気5から、菌類Vのみを除去(除菌)し、清浄空気8を生成するためのフィルタ部2と、ハウジング7の一端に開口した吸気口9に向けて鶏舎内の処理空気5を送出し、空気通路6内に処理空気5による気流Wを生じさせるための送風ブロア10と、フィルタ部2の下流側に位置する空気通路6に設置され、フィルタ部2を通過したフィルタ処理済空気11に対し、紫外線UVを照射可能な紫外線照射機構部12とを具備して主に構成されている。ここで、送風ブロア10が本発明の気流発生手段に相当する。また、その他構成として、吸気口9の近傍には、送出された処理空気5の中に含まれる比較的大きなサイズの夾雑物(図示しない)がフィルタ部2に到達するのを防ぐためのメッシュ状素材で形成された夾雑物除去部17が取付けられている。
【0033】
さらに詳細に説明すると、本実施形態のインレット1のフィルタ部2は、波型形状に形成された複数のシート部材3によって構成されている。ここで、シート部材3は、薄板状の樹脂製シートを熱成型加工等の処理によって成型して構築したものであり、曲線によって谷部及び山部が形成され、断面方向から観察すると、上述した波型形状に形成されているものである。そして、このシート部材3の曲線状のそれぞれの面が、吸気口9から吸引される処理空気5による気流Wの流れ方向(本実施形態の場合、略水平方向に相当)に対して下流側に向かって傾斜する傾斜シート面14として構築されている。ここで、傾斜シート面14には、不織布によって構成され、処理空気5に含まれる菌類Vに対して殺菌作用を奏する殺菌剤成分が表面及び内部に含浸された除菌シート15がそれぞれ両面に貼着されている(図2の波線丸内参照)。
【0034】
図2等に示されるように、フィルタ部2は、合計15枚の上述したシート部材3が互いの傾斜シート面14を相対させ、所定の間隔(間隙S)だけ離間した状態で多層に積重して構成され、これらがハウジング7の空気通路6を略閉塞するように設けられている。また、係るシート部材3の傾斜シート面14からは、図2及び図3に示すように、該傾斜シート面14から突出した複数の突起部16が縦方向に整列するようにして取付けられている。さらに、本実施形態の除菌インレット1は、フィルタ部2の収容されたハウジング7の空気通路6を加湿し、傾斜シート面14を一定の湿潤状態に保持するための超音波加湿器18が取付けられている。ここで、超音波加湿器18は、貯水した水に対して超音波振動を与えることにより、水分子を振動させて空気中に細かい水滴として飛散させることができるものであり、係る超音波加湿器18が本発明の湿潤保持手段に相当する。なお、空気通路6の湿度或いは傾斜シート面14の湿潤状態を一定状態に保持するための湿度センサ等(図示しない)のその他構成をさらに有するものであってもよい。
【0035】
一方、フィルタ部2の下流側に設けられる紫外線照射機構部12は、紫外線UVを対象物(ここでは、フィルタ処理済空気11に相当)に照射するための紫外線ランプ(図示しない)及び該紫外線ランプから紫外線UVを発生させるための電力等を供給し、さらに紫外線強度を制御するための電力供給制御部(図示しない)とを備え、フィルタ部2からハウジング7の排気口13の間を通過するフィルタ済処理空気11に対し、空気通路6内で紫外線UVを照射することができるものである。なお、紫外線UVを使用した殺菌処理及び係る殺菌処理のための設備等については、周知の技術であり、ここでは説明を省略する。これにより、処理対象となる菌類Vに応じて、照射する紫外線UVの波長や照度を変更することができる。
【0036】
次に、本実施形態のインレット1の使用方法、及び処理空気5の除菌効果の一例について説明を行う。はじめに、空気通路6の上流側に位置する吸気口9に連結した送風ブロア10を稼働させ、鶏舎内に滞留する菌類Vを含む処理空気5を吸気口9に向けて送出する。係る操作によって、吸気口9からは処理空気5が流れ込むこととなり、空気通路6に処理空気5による気流Wが発生することとなる。このとき、吸気口9及びフィルタ部2の間の空気通路6は、略水平方向に沿って設けられているものであり、発生した気流Wはほぼ直進してフィルタ部2まで到達することとなる。なお、その途中には、前述したメッシュ状の夾雑物除去部17が設けられているため、処理空気5に含まれる砂や埃等の比較的大きな物質は、フィルタ部2まで到達することなく、夾雑物除去部17によって捕捉され、除去されることとなる。
【0037】
そして、フィルタ部2にほぼ直進して到達した処理空気5は、互いに傾斜シート面14を離間して積重されたシート部材3の間隙Sに進入する。このとき、シート部材3は波型形状に構成されているため、直進しようとする処理空気5は、シート部材3の傾斜シート面14に接触及び反射を繰り返しながら、空気通路6の下流側に向かって流れる。すなわち、互いに対向する一対のシート部材3によって形成された曲線状の経路(間隙Sに相当)に沿って緩やかに変化しながら流れることになる。このとき、傾斜シート面14は、フィルタ部2の前方で直進しながら送出される気流Wに対し、空気通路6の下流側方向に若干傾斜するように構成されているため、上述した傾斜シート面14の接触及び反射によっても大きな圧力損失を生じることがない。ここで、本実施形態のインレット1において、シート部材3間の間隙Sの幅を約8mmに設定し、さらに送風ブロア10によって発生させる気流速度(処理空気5の風速に相当)が約1m/sになるように設定している。係る条件にセットすることにより、本実施形態のインレット1では、吸気口9及び排気口13の間での圧力損失を20Pa以下にすることができる。
【0038】
ここで、フィルタ部2のシート部材3には、傾斜シート面14の一部から気流Wの流通方向に対して突出するように設けられた複数の突起部16を有している。ここで、本実施形態のインレット1では、該突起部16は樹脂製のシート部材3の傾斜シート面14に金属製の鋲を打込むことによって構成されている。なお、係る突起部16は、シート部材3の厚みに合わせて打込み量が定められ、シート部材3の厚みよりも打込み量(埋設量)を小さくし、シート部材3を該突起部16で貫通しないように調整されている。
【0039】
この突起部16は、既に説明したように、ボルテックスジェネレーターの原理を応用したものであり、係る構成による作用効果について既に詳細な説明を行ったため、ここでは説明を省略するものとする。これにより、図2に示されるように、突起部16の下流側で故意に気流Wを乱れさせ、係る乱れた箇所の上方により安定した気流Wの流れを構築することができる。その結果、間隙Sを流れる処理空気5の流通がより安定したものとなり、空気通路6を流通する処理空気5によって圧力損失が生じることを最小限に抑え、安定した流れを創成することができる。
【0040】
さらに、間隙Sを流れる処理空気5は、前述したように、シート部材3の傾斜シート面14と接触及び反射を繰返しながら、空気通路6の下流側まで導かれる。このとき、既に説明したように、傾斜シート面14の両面には、それぞれ菌類Vに対する殺菌作用を奏する殺菌剤成分が塗布等された除菌シート15が貼着されている。そのため、傾斜シート面14と接触及び反射を繰返す場合、必然的に除菌シート15の殺菌剤成分と接触することとなる。その結果、処理空気5に含まれる菌類Vが当該除菌シート15と接触することにより、菌類Vが死滅または除去された清浄空気8(または、フィルタ処理済空気11)がフィルタ部2から排出されることになる。これにより、フィルタ部2による除菌効果が発揮され、処理空気5に含まれる菌類Vが除去される。さらに、超音波加湿器18によって傾斜シート面14が湿潤状態に設定されているため、乾燥時よりもフィルタ部2による除菌効果を向上させることができる。
【0041】
ここで、本実施形態のインレット1は、上記フィルタ部2による除菌効果に加え、さらにフィルタ部2から排出されたフィルタ処理済空気11に対し、空気通路6の下流側で、かつハウジング7の排気口13の上流側位置に設けられた紫外線照射機構部12によって、紫外線照射による殺菌効果を奏することができる。その結果、最終的に排気口13から排出される清浄空気8に含まれる菌類Vの菌数を除菌処理前と比較して著しく減少させることができる。以下にその一例について述べる。
【0042】
ここで、除菌効果を確認するための実験は、図1に示す本実施形態のインレット1を使用し、送風ブロア10及びフィルタ部2の間、換言すればフィルタ部2の前の空気通路6にネブライザー(図示しない)を利用して、所定濃度に調製した大腸菌液を霧状に噴霧し、その際のフィルタ部2の前後における菌数を測定することによって本実施形態のインレット1の効果を確認するものである。なお、送風ブロア10による風速、シート部材3間の間隙Sについては、前述した条件と同じになるようにセットされている。
【0043】
また、フィルタ部2の上流側(前)及び下流側(後)の二カ所において、それぞれ大腸菌の菌数を測定するための測定サンプル用の注射器をセットし、採取されたサンプルをそれぞれ規定の処理によって培養し、その菌数をカウントすることを行っている。ここで、本実施例では、
1)第一条件:フィルタ部2による除菌処理のみを実施し、紫外線UVの照射を行わない。
2)第二条件:フィルタ部2による除菌処理後に紫外線UVの照射を行う。
3)対照実験:いずれの除菌処理も行わない。
の三例について、それぞれフィルタ部2の前後の菌数をカウントしている。以下の表1にその結果を示す。
【0044】
【表1】

【0045】
上記表1に示したように、本実施形態のインレット1を使用して除菌処理を行った場合、第一条件では、除菌処理前の処理空気5に含まれる菌数が1510であったのに対し、処理後の清浄空気8(但し、紫外線照射を不実施:フィルタ済処理空気11に相当)に含まれる菌数が327と、約1/5に減少させることができた。すなわち、紫外線照射を行わないフィルタ部2のみの除菌処理によっても十分な効果を得ることが確認された。一方、フィルタ部2による除菌処理後に紫外線照射を行った第二条件の場合、除菌処理前の処理空気5に含まれる菌数が1051であったのに対し、処理後の清浄空気8に含まれる菌数が132と、約1/9〜1/10程度に減少した。すなわち、フィルタ部2及び紫外線照射の二段階の除菌処理によって、当初の菌数の約1/10程度まで菌類Vを減らすことができることが確認され、本実施形態のインレット1は優れた除菌効果を有することが証明された。なお、対照実験として行った場合、フィルタ前後で菌数は1057及び1215でほとんど変化がなかった。
【0046】
以上説明したように、本実施形態のインレット1は、波型形状を呈し、多段に積重するように配置した複数のシート部材3から構成されるフィルタ部2を利用し、各シート部材3の間の間隙Sに処理空気5を流通させることにより、所定の条件で圧力損失を20Pa以下に抑えた状態にすることができる。さらに、処理の前後において、菌類Vの菌数を著しく減少させた清浄空気8を生成することが確認された。すなわち、除菌性能を低下させることなく、圧力損失を小さくした双方の優れた効果を奏するインレット1とすることができる。
【0047】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0048】
すなわち、本実施形態のインレット1において、ハウジング7の形状を四角筒状に構築し、吸気口9及び排気口13が一直線上に位置しているものを示したが、これに限定されるものではなく、ハウジング7の形状、換言すれば、インレット1の外観形状は、鶏舎に設置する場所やスペースに応じて適宜変化させることができる。例えば、L字形状等にすることも可能である。
【0049】
さらに、本実施形態のインレットにおいて、吸気口9の前の送風ブロア10を設置し、気流Wを発生させるものを気流発生手段の例として示したが、これに限定されるものではなく、例えば、排気口13の近傍に気流発生手段として吸引ファンを設け、処理空気5を吸引することで気流Wを発生させるものであっても構わない。
【0050】
さらに、本発明の除菌インレットは、図1の二重鎖線枠内に示されるように、フィルタ部の別例構成として、シート傾斜面14aが交互に曲折して変化するように谷部及び山部を形成し、係る谷部及び山部が尖った頂点部14bを有するフィルタ部2aを構築するものであっても構わない。これにより、本実施形態において示したように、曲線的に山型及び谷型が変化する波型のものと比較し、処理空気5の圧力損失は若干大きくなる可能性がある。しかしながら、処理空気5が流通方向を変化する場合には、シート傾斜面14aに衝突(接触)する必要があり、処理空気5との接触面積が大となる。その結果、処理空気5に含まれる菌類の捕集効率が高くなり、除菌インレット自体の清浄効率が向上する。
【0051】
或いは、図4(b)に示されるように、除菌フィルタ部23の上流側を山型形状及び下流側を波型形状で形成したものであっても構わない。
【0052】
ここで、図4(a)に模式的に示されるように、断面波型形状のシート部材3を用いて構築したフィルタ部2は、シート部材3の傾斜シート面14に沿って緩やかに気流Wの流れが変化するため、圧力損失が低下することが少なくなる。すなわち、気流Wと傾斜シート面14aとが非接触となる領域が生じることがほとんどない。
【0053】
これに対し、上流側を山型形状及び下流側を波型形状に設けたものは、図4(b)に模式的に示されるように、処理空気5の流れる経路が所定の角度で曲折するため、傾斜シート面14の曲折箇所で気流Wがほとんど接触しない領域Rが形成される。その結果、気流Wの流れが一様とならず、圧力損失が大きくなる。しかしながら、構造上、気流Wが傾斜シート面14aに対して斜め方向から当たる構成となるため、傾斜シート面14aへの処理空気5の接触量が増加すると考えられる。また、突起部16により気流Wが乱されることとの相乗効果によっても、処理空気5の傾斜シート面14,14a(特に14)への接触量が増加すると考えられる。さらに、山型形状の部分を通過した後は、図4(a)に示したものと同様に、傾斜シート面14に沿った安定した気流Wの一様な流れが保持される。これにより、山型及び波型の双方の優れた作用効果を共に有する除菌フィルタ部を構築することが可能となる。
【0054】
また、本実施形態の除菌インレット1において、除菌フィルタ部(フィルタ部2)として、シート部材3の表面に殺菌剤成分を含む除菌シート15を貼着するものを示したがこれに限定されるものではなく、除菌フィルタ部を一枚のシート状の部材で構成し、これを波型等に加工したものであってもよい。
【0055】
さらに、上記コットン繊維からなるベースに結晶性含水アルミノケイ酸塩(所謂「ゼオライト」)を分散させた除菌フィルタ部を構成するものであってもよい。これにより、多孔性を有するゼオライトと接触した菌類Vは、ゼオライトの孔部に吸着し、捕集されることとなる。その結果、除菌インレットを通して処理空気5を清浄化する効率が高くなる。ここで、一例を示すと、図5に示すように、コットン繊維19によってベース20を形成し、該ベース20に多孔質性のゼオライト21を分散させた除菌フィルタ部22を構築するものであっても構わない。また、多孔質構造を呈するゼオライト21の孔部に、例えば、銅イオン、銀イオン、或いは亜鉛イオン等の金属イオンを導入し、保持させたものであってもよい。これにより、金属イオンの有する殺菌作用により、除菌フィルタ部22に捕集された菌類Vの除菌を効率的に行える。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本実施形態のインレットの概略構成を示す説明図である。
【図2】除菌フィルタ部のシート部材のレイアウト構成及び気流の流れの一例を示す説明図である。
【図3】シート部材の構成を示す側方から見た説明図である。
【図4】(a)断面波型形状の除菌フィルタ部、及び(b)断面山型形状及び断面波型形状のシート部材を組合わせて構築した除菌フィルタ部のそれぞれの気流の流れを示す説明図である。
【図5】除菌フィルタ部の別例構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【0057】
1 インレット(除菌インレット)
2,22 フィルタ部(除菌フィルタ部)
3 シート部材
5 処理空気
6 空気通路
7 ハウジング
8 清浄空気
9 吸気口
10 送風ブロア(気流発生手段)
11 フィルタ処理済空気
12 紫外線照射機構部
13 排気口
14,14a 傾斜シート面
15 除菌シート
16 突起部
17 網部
18 超音波加湿器(湿潤保持手段)
S 間隙
UV 紫外線
V 菌類
W 気流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鶏舎内に設置され、鶏に対する病原性のウイルス、または細菌を含む菌類の混在した処理空気を除菌処理する除菌インレットであって、
前記処理空気を吸気する吸気口、及び前記処理空気から前記菌類の除去された清浄空気を排気する排気口を備え、前記吸気口及び前記排気口の間を連通する空気通路が内部に形成されたハウジングと、
前記空気通路内に設けられ、前記気流発生手段によって吸気された前記処理空気による前記気流と少なくとも一部が当接し、前記菌類を除去する機能を有する除菌フィルタ部と
を具備し、
前記除菌フィルタ部は、
前記処理空気による前記気流の流通方向に対して傾斜した傾斜シート面を有し、前記傾斜シート面と接触した前記処理空気に含まれる前記菌類を前記傾斜シート面で捕集する複数のシート部材を備え、
互いの前記シート部材の前記傾斜シート面を離間した状態でそれぞれ相対させ、前記傾斜シート面の間に間隙を設けた状態で保持され、前記処理空気を前記間隙に流通させることを特徴とする除菌インレット。
【請求項2】
前記除菌フィルタ部の前記傾斜シート面を湿潤状態に保持する湿潤保持手段をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の除菌インレット。
【請求項3】
前記シート部材は、
断面山型形状または断面波型形状に曲折加工して形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の除菌インレット。
【請求項4】
前記シート部材は、
前記傾斜シート面から前記気流の流通方向に直交するように突設された複数の突起部をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の除菌インレット。
【請求項5】
前記除菌フィルタ部の下流側の前記空気通路に設置され、
前記除菌フィルタ部を通過したフィルタ処理済空気に対し、殺菌作用を有する特定波長の紫外線を照射する紫外線照射機構部をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の除菌インレット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−142588(P2009−142588A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−325491(P2007−325491)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【出願人】(304019399)国立大学法人岐阜大学 (289)
【出願人】(390030661)株式会社ハイテム (22)
【Fターム(参考)】