除雪プラウ装置
【課題】除雪作業の安定性を図れる除雪プラウ装置を提供する。
【解決手段】プラウ本体15の裏面にピン17によりスキー取付部18を回動自在に軸支する。このスキー取付部18のスキー軸嵌着筒部22に、スキー23上に取付けたスキー軸24を昇降可能に嵌着する。スキー23は、スキー軸24に対して回動軸28によりスキープレート25を回動自在に連結する。スキー取付部18とスキー23との間に、緩衝用のサスペンション機構31を設ける。
【解決手段】プラウ本体15の裏面にピン17によりスキー取付部18を回動自在に軸支する。このスキー取付部18のスキー軸嵌着筒部22に、スキー23上に取付けたスキー軸24を昇降可能に嵌着する。スキー23は、スキー軸24に対して回動軸28によりスキープレート25を回動自在に連結する。スキー取付部18とスキー23との間に、緩衝用のサスペンション機構31を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキーを備えた除雪プラウ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ホイールローダなどの作業機械に取付けられた作業装置の1つである除雪プラウ装置には、除雪時の安定性、雪塊等障害物走破性を良好にするために、プラウ本体の両脇接地面にスキーを備えている構造のものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−159111号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
実作業では、路面状況によりスキーが突上げられるため、安定した除雪を行なうには、未だに熟練オペレータの経験に頼る面も残っている。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、除雪作業の安定性を図れる除雪プラウ装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、プラウ本体と、プラウ本体の裏面に回動自在に軸支されたスキー取付部と、スキー取付部に昇降可能に設けられたスキーと、スキー取付部とスキーとの間に設けられた緩衝用のサスペンション機構とを具備した除雪プラウ装置である。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の除雪プラウ装置において、スキー取付部に対してスキーを機能解除した状態で固定する固定手段を具備したものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、スキー取付部とスキーとの間に設けられたサスペンション機構により、路面状況によりスキーが突上げられると、サスペンション機構が機能して、突上衝撃を吸収するので、プラウ本体まで突上衝撃が及ぶことなく、プラウ本体は安定した除雪作業を行なえる。
【0008】
請求項2記載の発明によれば、固定手段により、スキー取付部に対してスキーを機能解除した状態で固定することで、プラウ本体を自在に操作できる熟練オペレータにも対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を、図1および図2に示された一実施の形態を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図2に示されるように、ホイールローダなどの作業機械11に用いられる機体12から突出された作業腕13に、除雪プラウ装置14が装着されている。
【0011】
図1に示されるように、この除雪プラウ装置14は、プラウ本体15の裏面に上下1対の軸受ブラケット16が取付けられ、これらの軸受ブラケット16に挿着されたピン17によりスキー取付部18が回動自在に軸支されている。
【0012】
このスキー取付部18は、ピン17に回動自在に嵌着されるピン嵌着筒部21と、スキー軸嵌着筒部22とを備え、スキー軸嵌着筒部22には、スキー23上に取付けられたスキー軸24が昇降可能に嵌着されている。
【0013】
スキー23は、スキープレート25の下面にスキー本体26が装着され、スキープレート25の上面に1対の取付板27が一体に設けられ、これらの取付板27とスキー軸24とが回動軸28により回動自在に連結されている。
【0014】
スキー取付部18とスキー23との間には、緩衝用のサスペンション機構31が設けられている。このサスペンション機構31は、スキー軸嵌着筒部22の内部で、上側の軸32に対してスキー軸24が昇降自在に嵌合され、上側の軸32に設けられたフランジ33と、スキー軸24に設けられたフランジ34との間にコイルスプリング35が嵌着されたものである。
【0015】
スキー軸嵌着筒部22およびスキー軸24には、スキー取付部18に対してスキー23を機能解除した状態で固定する固定手段としてのピン36が挿着されている。このピン36の一端には、摘み37が取付けられている。
【0016】
次に、この実施の形態の作用効果を説明する。
【0017】
ピン36を引抜くと、スキー取付部18とスキー23との間に設けられたサスペンション機構31が機能し、そのコイルスプリング35によりスキー23が下方へ押出され、接地状態となる。
【0018】
この接地状態で、除雪作業中に路面の凹凸などによりスキー23が突上げられると、コイルスプリング35が圧縮されながら、突上衝撃を吸収するので、プラウ本体15まで突上衝撃が及ぶことなく、プラウ本体15は安定した除雪作業を行なえる。
【0019】
一方、図1に示されるようにスキー23を上昇させた状態でピン36を挿着して、スキー取付部18に対してスキー23を機能解除した状態で固定すると、プラウ本体15を自在に操作できる熟練オペレータにも対応できる。
【0020】
なお、スキー取付部18に対してスキー23を固定する固定手段は、ピン36を例示しているが、このピン36に限定されるものではなく、スペーサやカラーなどによりスキー軸24の昇降動作を固定するようにしても良い。
【0021】
さらに、スキー23を固定する固定手段は、例えばスキー軸24に複数段のピン挿入孔を穿設しておくことにより、スキー23の設置高さを選択できるようにしても良い。
【0022】
また、サスペンション機構31は、コイルスプリング35を用いているが、流体を利用したダンパすなわちショックアブソーバを替わりに、または併用して用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る除雪プラウ装置の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】同上プラウ装置を装着した作業機械の斜視図である。
【符号の説明】
【0024】
14 除雪プラウ装置
15 プラウ本体
18 スキー取付部
23 スキー
31 サスペンション機構
36 固定手段としてのピン
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキーを備えた除雪プラウ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ホイールローダなどの作業機械に取付けられた作業装置の1つである除雪プラウ装置には、除雪時の安定性、雪塊等障害物走破性を良好にするために、プラウ本体の両脇接地面にスキーを備えている構造のものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−159111号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
実作業では、路面状況によりスキーが突上げられるため、安定した除雪を行なうには、未だに熟練オペレータの経験に頼る面も残っている。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、除雪作業の安定性を図れる除雪プラウ装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、プラウ本体と、プラウ本体の裏面に回動自在に軸支されたスキー取付部と、スキー取付部に昇降可能に設けられたスキーと、スキー取付部とスキーとの間に設けられた緩衝用のサスペンション機構とを具備した除雪プラウ装置である。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の除雪プラウ装置において、スキー取付部に対してスキーを機能解除した状態で固定する固定手段を具備したものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、スキー取付部とスキーとの間に設けられたサスペンション機構により、路面状況によりスキーが突上げられると、サスペンション機構が機能して、突上衝撃を吸収するので、プラウ本体まで突上衝撃が及ぶことなく、プラウ本体は安定した除雪作業を行なえる。
【0008】
請求項2記載の発明によれば、固定手段により、スキー取付部に対してスキーを機能解除した状態で固定することで、プラウ本体を自在に操作できる熟練オペレータにも対応できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を、図1および図2に示された一実施の形態を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図2に示されるように、ホイールローダなどの作業機械11に用いられる機体12から突出された作業腕13に、除雪プラウ装置14が装着されている。
【0011】
図1に示されるように、この除雪プラウ装置14は、プラウ本体15の裏面に上下1対の軸受ブラケット16が取付けられ、これらの軸受ブラケット16に挿着されたピン17によりスキー取付部18が回動自在に軸支されている。
【0012】
このスキー取付部18は、ピン17に回動自在に嵌着されるピン嵌着筒部21と、スキー軸嵌着筒部22とを備え、スキー軸嵌着筒部22には、スキー23上に取付けられたスキー軸24が昇降可能に嵌着されている。
【0013】
スキー23は、スキープレート25の下面にスキー本体26が装着され、スキープレート25の上面に1対の取付板27が一体に設けられ、これらの取付板27とスキー軸24とが回動軸28により回動自在に連結されている。
【0014】
スキー取付部18とスキー23との間には、緩衝用のサスペンション機構31が設けられている。このサスペンション機構31は、スキー軸嵌着筒部22の内部で、上側の軸32に対してスキー軸24が昇降自在に嵌合され、上側の軸32に設けられたフランジ33と、スキー軸24に設けられたフランジ34との間にコイルスプリング35が嵌着されたものである。
【0015】
スキー軸嵌着筒部22およびスキー軸24には、スキー取付部18に対してスキー23を機能解除した状態で固定する固定手段としてのピン36が挿着されている。このピン36の一端には、摘み37が取付けられている。
【0016】
次に、この実施の形態の作用効果を説明する。
【0017】
ピン36を引抜くと、スキー取付部18とスキー23との間に設けられたサスペンション機構31が機能し、そのコイルスプリング35によりスキー23が下方へ押出され、接地状態となる。
【0018】
この接地状態で、除雪作業中に路面の凹凸などによりスキー23が突上げられると、コイルスプリング35が圧縮されながら、突上衝撃を吸収するので、プラウ本体15まで突上衝撃が及ぶことなく、プラウ本体15は安定した除雪作業を行なえる。
【0019】
一方、図1に示されるようにスキー23を上昇させた状態でピン36を挿着して、スキー取付部18に対してスキー23を機能解除した状態で固定すると、プラウ本体15を自在に操作できる熟練オペレータにも対応できる。
【0020】
なお、スキー取付部18に対してスキー23を固定する固定手段は、ピン36を例示しているが、このピン36に限定されるものではなく、スペーサやカラーなどによりスキー軸24の昇降動作を固定するようにしても良い。
【0021】
さらに、スキー23を固定する固定手段は、例えばスキー軸24に複数段のピン挿入孔を穿設しておくことにより、スキー23の設置高さを選択できるようにしても良い。
【0022】
また、サスペンション機構31は、コイルスプリング35を用いているが、流体を利用したダンパすなわちショックアブソーバを替わりに、または併用して用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る除雪プラウ装置の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】同上プラウ装置を装着した作業機械の斜視図である。
【符号の説明】
【0024】
14 除雪プラウ装置
15 プラウ本体
18 スキー取付部
23 スキー
31 サスペンション機構
36 固定手段としてのピン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラウ本体と、
プラウ本体の裏面に回動自在に軸支されたスキー取付部と、
スキー取付部に昇降可能に設けられたスキーと、
スキー取付部とスキーとの間に設けられた緩衝用のサスペンション機構と
を具備したことを特徴とする除雪プラウ装置。
【請求項2】
スキー取付部に対してスキーを機能解除した状態で固定する固定手段
を具備したことを特徴とする請求項1記載の除雪プラウ装置。
【請求項1】
プラウ本体と、
プラウ本体の裏面に回動自在に軸支されたスキー取付部と、
スキー取付部に昇降可能に設けられたスキーと、
スキー取付部とスキーとの間に設けられた緩衝用のサスペンション機構と
を具備したことを特徴とする除雪プラウ装置。
【請求項2】
スキー取付部に対してスキーを機能解除した状態で固定する固定手段
を具備したことを特徴とする請求項1記載の除雪プラウ装置。
【図1】
【図2】
【図2】
【公開番号】特開2007−270530(P2007−270530A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−97959(P2006−97959)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000190297)新キャタピラー三菱株式会社 (1,189)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000190297)新キャタピラー三菱株式会社 (1,189)
【Fターム(参考)】
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