除電器
【課題】 小型でありながら、効率良く広範囲にイオンを供給することが可能なファン型除電器を提供することである。
【解決手段】 本発明では、軸流ファンを用いているため、吸気口と放出口とを連通する送風路を直線上に配置でき、送風路をコンパクトに構成することが可能となる。また、軸流ファンの径方向の風速が高い部分にイオン発生用電極を配置しているため、イオン発生用電極、ファンも大型化することなく、イオン放出量を増やすことができ、結果として除電器を小型化することを可能となる。そして、そのイオン発生用電極で生成したイオンを、送風路を一旦縮径して拡径したことにより、イオン発生用電極の下流側に集中することなく、広範囲に均一に分散させ放出することを可能となる。
【解決手段】 本発明では、軸流ファンを用いているため、吸気口と放出口とを連通する送風路を直線上に配置でき、送風路をコンパクトに構成することが可能となる。また、軸流ファンの径方向の風速が高い部分にイオン発生用電極を配置しているため、イオン発生用電極、ファンも大型化することなく、イオン放出量を増やすことができ、結果として除電器を小型化することを可能となる。そして、そのイオン発生用電極で生成したイオンを、送風路を一旦縮径して拡径したことにより、イオン発生用電極の下流側に集中することなく、広範囲に均一に分散させ放出することを可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオンを発生して対象物の静電気を除去する除電器の内、特にファン等の送風手段を使ってイオンを拡散するファン型除電器に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
近年、部品の小型化、低電圧化などに伴い、製造工程での静電気が問題になっており、その対策として、正負イオンによって静電気を除去する製品「除電器」が最も活用されている。そして、静電気対策の必要な分野、場所は様々なため、用途に合わせて除電器の種類も多く、除電したい対象または範囲に合わせて、お客様が選定し、購入されている。その中で、近年、お客様は「除電できる範囲が広いこと」を強く求められていることもあり、広範囲を除電できる製品も多く存在する。
【0003】
一般的に、広範囲の静電気を除去するための除電器として、複数のイオン発生部を有し、個々のイオン発生部から放出されたイオンをそれぞれの放出口から放出するバー型除電器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、イオン発生部から放出されたイオンをファンによって拡散して吹き付けるファン型除電器においては、高出力のイオン発生部と高出力のファンを用いる、もしくは、複数のイオン発生部と複数のファンを用いることで、広範囲の除電を実現しているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−70707号公報(第24頁、第8図)
【特許文献2】特開2000−331792号公報(第2−6頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、先行文献1に記載されているようなバー型除電器においては、複数のイオン発生部に対して空気を分配して供給する必要があり、そのため空気の供給経路が複雑になるという問題があった。
また、先行文献2に記載されているようなファン型除電器においては、イオン発生部とファンとが大型化し、結果として除電器が大型化してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の従来の除電器における課題を解決することを目的としたものであり、小型でありながら、効率良く広範囲にイオンを供給することが可能なファン型除電器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1記載の除電器は、高電圧発生器と、該高電圧発生器により電圧が印加されることによりイオンを生成するイオン発生用電極と、吸気口から吸引した空気を前記イオン発生用電極に向けて送風し、生成されたイオンを含むイオン含有空気を放出口から放出する軸流ファンと、前記吸気口と前記放出口とを連通する送風路とを備えた除電器であって、前記イオン発生用電極の下流側の送風路は、前記軸流ファンの軸線と直交する径方向に縮径された縮径部と、この縮径経路から前記放出口へ向けて前記径方向に拡径した拡径部とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、軸流ファンを用いているため、吸気口と放出口とを連通する送風路を直線上に配置でき、送風路をコンパクトに構成することが可能となる。また、送風路を一旦縮径することにより、イオン発生用電極の下流側に集中するイオンを送風路内で均一に分布させ、その後に、送風路を拡径してイオンを放出しているので、広範囲に均一にイオンを拡散することが可能となる。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、前記拡径部には、前記縮径部から前記放出口に向けて放射状に延在する複数の整流板を有することを特徴とする。
従って、整流板により、風の乱れを抑えることができるため、イオン到達距離を長くすることができ、より広範囲の除電が可能となる。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、前記複数の整流板の前記軸流ファン側端部は、前記縮径部側から前記軸流ファンの軸線に向かって前記軸流ファン寄りに位置することを特徴とする。
従って、縮径部によりファンの軸線上に向かうような流れが各整流板の軸流ファン側端部に当たって放出口へ向かう流れとなり、しかも、ファンの軸線(中央)側ほど長く整流して放出することができ、均一なイオンの放出が可能となる。
【0012】
また、請求項4記載の発明は、前記複数の整流板の内、前記軸流ファンの軸線上に配置された整流板は、その両隣に位置する整流板よりも前記軸流ファン側に向かって長く延在していることを特徴とする。
従って、縮径部によりファンの軸線上に向かうような流れが反対側にまで回り込んで気流を乱すことがなく、安定した広範囲へのイオン放出が可能となる。
【0013】
また、請求項5記載の発明は、前記複数の整流板の縮径部側端部は、その隣同士の間隔が前記縮径部側から前記軸流ファンの軸線に向かって広くなっていることを特徴とする。
従って、縮径部側に比べてファン軸線側では流路抵抗が小さくなるため、ファンの軸線上(中央)の流れが弱くなってしまうことが防止でき、均一なイオン放出が可能となる。
【0014】
また、請求項6記載の発明は、前記送風路において、前記縮径部は前記イオン生成用電極側から前記放出口へ向けて徐々に縮径しており、前記拡径部は前記縮径部から前記放出口へ向けて徐々に拡径していることを特徴とする。
従って、縮径部と拡径部に沿った流れの方向変化がスムーズであるため、流れが乱されること無く広範囲へのイオン放出が可能となる。
【0015】
また、請求項7記載の発明は、前記送風路において、前記イオン生成用電極から前記縮径部に向かって前記軸流ファンの軸線と平行に配置された第二整流板を有することを特徴とする。
従って、軸流ファンから縮径部に向かう空気の乱れを抑えることができ、結果として、縮径部、そして、拡径部を経て放出口から放出されるイオン含有空気の流れの乱れが少なく、広範囲へのイオン放出が可能となる。
【0016】
また、請求項8記載の発明は、前記イオン発生用電極は、前記軸流ファンの軸線から外側に隔たった位置であって前記軸流ファンの軸周りに複数個配置されていることを特徴とする。
従って、イオン発生用電極が風速の高い位置に複数個配置されることにより、イオン発生用電極やファンを大型化することなく均一にイオンを拡散することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ファン型除電器において、本体が小型でありながら、広範囲にイオンを供給できるため、広範囲の静電気を効率良く除去できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態1の除電器の概略外観図である。
【図2】図1のX−X線における断面の斜視図である。
【図3】図1のY−Y線における断面図である。
【図4】図2の整流板の詳細を示す図である。
【図5】図1の除電器における空気の流れを示す断面図である。
【図6】従来例の除電器の断面の斜視図である。
【図7】除電時間の計測位置を示す図である。
【図8】実施形態2の除電器の断面の斜視図である。
【図9】図8の整流板の詳細を示す図である。
【図10】実施形態3の除電器の断面の斜視図である。
【図11】図10の整流板の詳細を示す図である。
【図12】実施形態4の除電器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を用いて本発明に係る除電器の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る除電器の外観図である。この図1に示すように、除電器1は、図面の後方の吸気口Mから吸い込んだ空気を前方の放出口Nに向かって吹出すものであり、縦170mm×横170mm×前後方向長さ140mmの箱型の形状をしている。放出口には複数の整流板5が設けられている。
【0020】
次に、本発明の実施形態に係る除電器の詳細構造について、図2〜図4に基いて説明する。図2は、図1のX−X線における断面の斜視図であり、図3は図1のY−Y線における断面図であり、図4は、図2の整流板の詳細を示す図である。除電器1は、吸気口Mから放出口Nに向けてストレート状の送風路4を備えており、その送風路4内の吸気口M側に軸流ファン2が配置され、その下流側であって、軸流ファン2の軸線(回転中心軸)よりも外側に隔たった位置にイオン発生用電極3が配置されており、放出口N側には複数の整流板5a、5b、5c、5dが左右対称に配置されている。イオン発生用電極3から発生した正負のイオンは、軸流ファン2により吸気、送風された風によって、整流板5a、5b、5c、5d間を通って、除電器外部に運ばれ、対象物の静電気を低減する。
【0021】
なお、除電器1に使用している軸流ファン2は、大きさは150mm角で、風量は8.6m3/分程度の大型のファンである。
【0022】
イオン発生用電極3は、厚さ0.1mmのステンレスの板を加工したものであり、先端部は電界が集中し易いように鋭利にしてある。そして、軸流ファン2の軸線(回転中心軸)よりも外側に隔たった、軸線の下流側に比べて風速が高い部分であって、軸流ファン2の軸周りに、軸線を挟んで対称となる位置に2個配置されている。なお、イオン発生用電極3は2個に限らず1個でもよいが、2個以上設けた方が個々のイオン発生用電極3を小型化することができる。2個以上設ける場合には、軸流ファン2の軸線周りに等間隔で設けることが好ましい。
【0023】
送風路4については、イオン発生用電極3よりも下流であって整流板5a、5b、5c、5dとの間に形成された縮径部4a部によって、軸流ファン2の軸線と直交する径方向に縮径しているため、この縮径部4aによってイオン発生用電極3の下流側の送風路4内の空気の流れを滞留させた状態で攪拌することとなり、イオン発生用電極3の下流側に集中したイオンを送風路4内で均一に分布させ、その後に、拡径部4bによって拡散させながら放出しているため発生したイオンを広範囲に均一に拡散することが可能となる。
特に、縮径部4aは、前記イオン生成用電極3側から前記放出口Nへ向けて徐々に縮径(断面が連続した円弧状)しており、前記拡径部4bは前記縮径部から前記放出口へ向けて徐々に拡径(断面が連続した直線状)しているため、縮径部4aと拡径部4bに沿った流れの方向変化がスムーズであるため、流れが乱されること無く広範囲へのイオン放出が可能となる。
【0024】
拡径部4bには、複数の整流板5a〜5dが設けられている。この整流板5a〜5dは軸流ファン2の軸線(回転中心軸)に対して左右対称に配置されているため、図4では片側のみを示している。なお、中央に位置する整流板5dは左右共通である。この図4に示すように、整流板5a〜5dは、空気の入口となる軸流ファン2側が縮径部4aと拡径部4bとの変曲点に位置し、空気の出口となる放出口N側が拡径部4bの終端と同じ位置となっている。軸流ファン2側において、整流板5a〜5d、及び、最も外側に位置する整流板5aと縮径部4aとの間隔は、等間隔(10mm)に配置されている。そして、中心の整流板5dは軸流ファン2の軸線と平行であるが、外側に向かう程軸流ファン2の軸線に対する傾斜角度が大きくなるように配置されており、放出口N側での間隔は外側に向かうにつれて広くなっている。
【0025】
図5は、図1の除電器における空気の流れを示す断面図である。吸気口Mから吸い込まれた空気は、軸流ファン2によって、回転しながら送風路4内を進み、縮径部4aで軸流ファン2の軸線に向かって集められながら攪拌され、その後拡径部4b及び整流板5a〜5dを通って、放出口Nから放出され、広範囲に拡がっていることが分かる。
【0026】
次に、本実施形態1の除電器及び、従来例の除電器の除電時間の測定結果を表1に示す。
なお、従来例の除電器としては図6の断面の斜視図のものを用いて除電時間を測定したものであり、この図6に示すように、従来例の除電器は実施形態1と同じ構成をしているが、実施形態1のような縮径部4aを持たず、イオン発生用電極3から発生したイオンはそのまま整流板6a、6b間を通って、除電器外部に運ばれる構成である。
【0027】
また、本測定で除電時間を測定するための帯電プレートモニタには、ヒューグルエレクトロニクス社製のMODEL700Aを使用し、正電荷除電時間(+1,000Vを+100Vまで減少させる時間)、負電荷除去時間(−1,000Vを−100Vまで減少させる時間)をそれぞれ測定した。図7に、除電時間の計測位置を示すが、計測位置は除電器から距離700mmの正面A、正面から左右30°の位置(それぞれB、C)、正面から左右45°の位置(それぞれD、E)、正面から左右60°の位置(それぞれF、G)の7箇所とした。
【0028】
【表1】
【0029】
表1から分かるように、本実施形態1の除電器は、従来例1の除電器と比較すると、正電荷及び負電荷の除電時間の平均値は共に長くなっているが、ばらつき(標準偏差)は小さく、広範囲に正負のイオンが拡散していることが分かる。一般的に、除電器の除電性能としては、「除電時間が20秒以下」ということが言われ、従来例1の除電器の計測位置Aのような除電時間が20秒を超える位置では、除電性能が不十分だと判断できる。また、実際にお客様が使用される場合にも、除電性能に位置によるムラやばらつきがあると、対象物の静電気の低減量にばらつきが生じ、不具合に繋がる可能性が高くなる。したがって、除電時間の平均値が短いということも重要であるが、位置によるばらつきが小さいということはより重要なのであって、その為、本実施形態1の除電器は従来の除電器と比べて除電性能が優れているといえる。
【0030】
次に、図8に、実施形態2の除電器の断面図を示す。図9は、図8の整流板の詳細を示す図である。本除電器は、整流板を除いて実施形態1の除電器と同じ構成をしており、実施形態1の除電器と比較して、整流板7a、7b、7c、7dの軸流ファン2側の隙間を、中央に行くほど広く設計している点が異なっている。つまり、隙間の大きい順に、7d−7c間、7c−7b間、7b−7a間、7a−拡径部4b間となっている。従って、縮径部4a側に比べて軸流ファン2の軸線側では流路抵抗が小さくなるため、ファンの軸線上(中央)からの放出量を多くするこができ、その結果、実施形態1の除電器よりも、中央から送出される正負のイオンの量を増加させることができるのである。
【0031】
表2に、本実施形態2の除電器の除電時間の測定結果を示す。表2の結果を見ると、実施形態1の除電器よりも中央付近(計測位置A、B、C)の除電時間が短くなっていることが分かる。また、従来例1の除電器と比較しても、ばらつき(標準偏差)は小さいことが分かる。
【0032】
【表2】
【0033】
次に、図10に、実施形態3の除電器の断面図を示す。図11は、図10の整流板の詳細を示す図である。本除電器は、整流板を除いて実施形態2の除電器と同じ構成をしており、実施形態2の除電器と比較して、整流板8a、8b、8c、8dの軸流ファン2側の位置が、中央に行くほど軸流ファン2側に近くなるように設計している点が異なっている。つまり、整流板8d、8c、8b、8aの順に、整流板の軸流ファン2側の位置が、軸流ファン2側に近くなっている。また、結果として、軸流ファン2の軸線上、即ち、径方向の中央に位置する整流板8dが、その両隣に位置する整流板8c(もう一方は図示省略)よりも軸流ファン2側に長く形成されている。
【0034】
従って、縮径部4aにより軸流ファン2の軸線上(中央)に向かうような流れが各整流板8a〜8dの軸流ファン側端部に当たって放出口Nへ向かう流れとなり、しかも、ファンの軸線(中央)側ほど長く整流して放出することができ、また、軸流ファン2の軸線上に位置する整流板8dが軸流ファン2側に向けて長く形成されているため、縮径部4aにより軸流ファン2の軸線上に向かうような流れが、その軸線上を越えて反対側にまで回り込んで気流を乱すことが抑えられ、軸流ファン2の軸線上に放出されるイオン量を増やすことができ、安定した広範囲へのイオン放出が可能となる。その結果、実施形態2の除電器よりも、広範囲に均一な正負のイオンを拡散することができるのである。
【0035】
表3に、本実施形態3の除電器の除電時間の測定結果を示す。表3の結果を見ると、実施形態2の除電器よりもばらつき(標準偏差)はさらに小さくなっていることが分かる。
【0036】
【表3】
【0037】
最後に、図12に、本実施形態4の除電器の断面図を示す。本除電器は、実施形態2の除電器の送風路4内の、イオン発生用電極3と縮径部4aとの間に、第二整流板10を追加したものである。この第二整流板10は、軸流ファン2の軸線方向と平行な面を持つリング状の整流版が、同心円状に複数配置されている。従って、軸流ファン2から縮径部4aに向かう空気の乱れを抑えることができ、その結果、縮径部4a、そして、拡径部4bを経て放出口Nから放出されるイオンを含む空気の流れの乱れが少なくなり、効率良く広範囲へイオンを拡散することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の除電器によると、広範囲に効率良く発生したイオンを拡散することが可能なので、バー型除電器や複数のファンを持つファン型除電器よりも、除電器自体が小型でありながら、広範囲の静電気を効率良く除去できる。
【符号の説明】
【0039】
1…除電器、2…軸流ファン、3…イオン発生用電極、4…送風路、
4a…縮径部、4b…拡径部、N…吸気口、M…放出口
5a、5b、5c、5d…整流板、6a、6b…整流板、
7a、7b、7c、7d…整流板、8a、8b、8c、8d…整流板、
9a、9b、9c、9d…整流板、10…第二整流板、
A、B、C、D、E、F、G…除電時間の測定位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオンを発生して対象物の静電気を除去する除電器の内、特にファン等の送風手段を使ってイオンを拡散するファン型除電器に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
近年、部品の小型化、低電圧化などに伴い、製造工程での静電気が問題になっており、その対策として、正負イオンによって静電気を除去する製品「除電器」が最も活用されている。そして、静電気対策の必要な分野、場所は様々なため、用途に合わせて除電器の種類も多く、除電したい対象または範囲に合わせて、お客様が選定し、購入されている。その中で、近年、お客様は「除電できる範囲が広いこと」を強く求められていることもあり、広範囲を除電できる製品も多く存在する。
【0003】
一般的に、広範囲の静電気を除去するための除電器として、複数のイオン発生部を有し、個々のイオン発生部から放出されたイオンをそれぞれの放出口から放出するバー型除電器が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、イオン発生部から放出されたイオンをファンによって拡散して吹き付けるファン型除電器においては、高出力のイオン発生部と高出力のファンを用いる、もしくは、複数のイオン発生部と複数のファンを用いることで、広範囲の除電を実現しているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−70707号公報(第24頁、第8図)
【特許文献2】特開2000−331792号公報(第2−6頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、先行文献1に記載されているようなバー型除電器においては、複数のイオン発生部に対して空気を分配して供給する必要があり、そのため空気の供給経路が複雑になるという問題があった。
また、先行文献2に記載されているようなファン型除電器においては、イオン発生部とファンとが大型化し、結果として除電器が大型化してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の従来の除電器における課題を解決することを目的としたものであり、小型でありながら、効率良く広範囲にイオンを供給することが可能なファン型除電器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1記載の除電器は、高電圧発生器と、該高電圧発生器により電圧が印加されることによりイオンを生成するイオン発生用電極と、吸気口から吸引した空気を前記イオン発生用電極に向けて送風し、生成されたイオンを含むイオン含有空気を放出口から放出する軸流ファンと、前記吸気口と前記放出口とを連通する送風路とを備えた除電器であって、前記イオン発生用電極の下流側の送風路は、前記軸流ファンの軸線と直交する径方向に縮径された縮径部と、この縮径経路から前記放出口へ向けて前記径方向に拡径した拡径部とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、軸流ファンを用いているため、吸気口と放出口とを連通する送風路を直線上に配置でき、送風路をコンパクトに構成することが可能となる。また、送風路を一旦縮径することにより、イオン発生用電極の下流側に集中するイオンを送風路内で均一に分布させ、その後に、送風路を拡径してイオンを放出しているので、広範囲に均一にイオンを拡散することが可能となる。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、前記拡径部には、前記縮径部から前記放出口に向けて放射状に延在する複数の整流板を有することを特徴とする。
従って、整流板により、風の乱れを抑えることができるため、イオン到達距離を長くすることができ、より広範囲の除電が可能となる。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、前記複数の整流板の前記軸流ファン側端部は、前記縮径部側から前記軸流ファンの軸線に向かって前記軸流ファン寄りに位置することを特徴とする。
従って、縮径部によりファンの軸線上に向かうような流れが各整流板の軸流ファン側端部に当たって放出口へ向かう流れとなり、しかも、ファンの軸線(中央)側ほど長く整流して放出することができ、均一なイオンの放出が可能となる。
【0012】
また、請求項4記載の発明は、前記複数の整流板の内、前記軸流ファンの軸線上に配置された整流板は、その両隣に位置する整流板よりも前記軸流ファン側に向かって長く延在していることを特徴とする。
従って、縮径部によりファンの軸線上に向かうような流れが反対側にまで回り込んで気流を乱すことがなく、安定した広範囲へのイオン放出が可能となる。
【0013】
また、請求項5記載の発明は、前記複数の整流板の縮径部側端部は、その隣同士の間隔が前記縮径部側から前記軸流ファンの軸線に向かって広くなっていることを特徴とする。
従って、縮径部側に比べてファン軸線側では流路抵抗が小さくなるため、ファンの軸線上(中央)の流れが弱くなってしまうことが防止でき、均一なイオン放出が可能となる。
【0014】
また、請求項6記載の発明は、前記送風路において、前記縮径部は前記イオン生成用電極側から前記放出口へ向けて徐々に縮径しており、前記拡径部は前記縮径部から前記放出口へ向けて徐々に拡径していることを特徴とする。
従って、縮径部と拡径部に沿った流れの方向変化がスムーズであるため、流れが乱されること無く広範囲へのイオン放出が可能となる。
【0015】
また、請求項7記載の発明は、前記送風路において、前記イオン生成用電極から前記縮径部に向かって前記軸流ファンの軸線と平行に配置された第二整流板を有することを特徴とする。
従って、軸流ファンから縮径部に向かう空気の乱れを抑えることができ、結果として、縮径部、そして、拡径部を経て放出口から放出されるイオン含有空気の流れの乱れが少なく、広範囲へのイオン放出が可能となる。
【0016】
また、請求項8記載の発明は、前記イオン発生用電極は、前記軸流ファンの軸線から外側に隔たった位置であって前記軸流ファンの軸周りに複数個配置されていることを特徴とする。
従って、イオン発生用電極が風速の高い位置に複数個配置されることにより、イオン発生用電極やファンを大型化することなく均一にイオンを拡散することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ファン型除電器において、本体が小型でありながら、広範囲にイオンを供給できるため、広範囲の静電気を効率良く除去できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態1の除電器の概略外観図である。
【図2】図1のX−X線における断面の斜視図である。
【図3】図1のY−Y線における断面図である。
【図4】図2の整流板の詳細を示す図である。
【図5】図1の除電器における空気の流れを示す断面図である。
【図6】従来例の除電器の断面の斜視図である。
【図7】除電時間の計測位置を示す図である。
【図8】実施形態2の除電器の断面の斜視図である。
【図9】図8の整流板の詳細を示す図である。
【図10】実施形態3の除電器の断面の斜視図である。
【図11】図10の整流板の詳細を示す図である。
【図12】実施形態4の除電器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を用いて本発明に係る除電器の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係る除電器の外観図である。この図1に示すように、除電器1は、図面の後方の吸気口Mから吸い込んだ空気を前方の放出口Nに向かって吹出すものであり、縦170mm×横170mm×前後方向長さ140mmの箱型の形状をしている。放出口には複数の整流板5が設けられている。
【0020】
次に、本発明の実施形態に係る除電器の詳細構造について、図2〜図4に基いて説明する。図2は、図1のX−X線における断面の斜視図であり、図3は図1のY−Y線における断面図であり、図4は、図2の整流板の詳細を示す図である。除電器1は、吸気口Mから放出口Nに向けてストレート状の送風路4を備えており、その送風路4内の吸気口M側に軸流ファン2が配置され、その下流側であって、軸流ファン2の軸線(回転中心軸)よりも外側に隔たった位置にイオン発生用電極3が配置されており、放出口N側には複数の整流板5a、5b、5c、5dが左右対称に配置されている。イオン発生用電極3から発生した正負のイオンは、軸流ファン2により吸気、送風された風によって、整流板5a、5b、5c、5d間を通って、除電器外部に運ばれ、対象物の静電気を低減する。
【0021】
なお、除電器1に使用している軸流ファン2は、大きさは150mm角で、風量は8.6m3/分程度の大型のファンである。
【0022】
イオン発生用電極3は、厚さ0.1mmのステンレスの板を加工したものであり、先端部は電界が集中し易いように鋭利にしてある。そして、軸流ファン2の軸線(回転中心軸)よりも外側に隔たった、軸線の下流側に比べて風速が高い部分であって、軸流ファン2の軸周りに、軸線を挟んで対称となる位置に2個配置されている。なお、イオン発生用電極3は2個に限らず1個でもよいが、2個以上設けた方が個々のイオン発生用電極3を小型化することができる。2個以上設ける場合には、軸流ファン2の軸線周りに等間隔で設けることが好ましい。
【0023】
送風路4については、イオン発生用電極3よりも下流であって整流板5a、5b、5c、5dとの間に形成された縮径部4a部によって、軸流ファン2の軸線と直交する径方向に縮径しているため、この縮径部4aによってイオン発生用電極3の下流側の送風路4内の空気の流れを滞留させた状態で攪拌することとなり、イオン発生用電極3の下流側に集中したイオンを送風路4内で均一に分布させ、その後に、拡径部4bによって拡散させながら放出しているため発生したイオンを広範囲に均一に拡散することが可能となる。
特に、縮径部4aは、前記イオン生成用電極3側から前記放出口Nへ向けて徐々に縮径(断面が連続した円弧状)しており、前記拡径部4bは前記縮径部から前記放出口へ向けて徐々に拡径(断面が連続した直線状)しているため、縮径部4aと拡径部4bに沿った流れの方向変化がスムーズであるため、流れが乱されること無く広範囲へのイオン放出が可能となる。
【0024】
拡径部4bには、複数の整流板5a〜5dが設けられている。この整流板5a〜5dは軸流ファン2の軸線(回転中心軸)に対して左右対称に配置されているため、図4では片側のみを示している。なお、中央に位置する整流板5dは左右共通である。この図4に示すように、整流板5a〜5dは、空気の入口となる軸流ファン2側が縮径部4aと拡径部4bとの変曲点に位置し、空気の出口となる放出口N側が拡径部4bの終端と同じ位置となっている。軸流ファン2側において、整流板5a〜5d、及び、最も外側に位置する整流板5aと縮径部4aとの間隔は、等間隔(10mm)に配置されている。そして、中心の整流板5dは軸流ファン2の軸線と平行であるが、外側に向かう程軸流ファン2の軸線に対する傾斜角度が大きくなるように配置されており、放出口N側での間隔は外側に向かうにつれて広くなっている。
【0025】
図5は、図1の除電器における空気の流れを示す断面図である。吸気口Mから吸い込まれた空気は、軸流ファン2によって、回転しながら送風路4内を進み、縮径部4aで軸流ファン2の軸線に向かって集められながら攪拌され、その後拡径部4b及び整流板5a〜5dを通って、放出口Nから放出され、広範囲に拡がっていることが分かる。
【0026】
次に、本実施形態1の除電器及び、従来例の除電器の除電時間の測定結果を表1に示す。
なお、従来例の除電器としては図6の断面の斜視図のものを用いて除電時間を測定したものであり、この図6に示すように、従来例の除電器は実施形態1と同じ構成をしているが、実施形態1のような縮径部4aを持たず、イオン発生用電極3から発生したイオンはそのまま整流板6a、6b間を通って、除電器外部に運ばれる構成である。
【0027】
また、本測定で除電時間を測定するための帯電プレートモニタには、ヒューグルエレクトロニクス社製のMODEL700Aを使用し、正電荷除電時間(+1,000Vを+100Vまで減少させる時間)、負電荷除去時間(−1,000Vを−100Vまで減少させる時間)をそれぞれ測定した。図7に、除電時間の計測位置を示すが、計測位置は除電器から距離700mmの正面A、正面から左右30°の位置(それぞれB、C)、正面から左右45°の位置(それぞれD、E)、正面から左右60°の位置(それぞれF、G)の7箇所とした。
【0028】
【表1】
【0029】
表1から分かるように、本実施形態1の除電器は、従来例1の除電器と比較すると、正電荷及び負電荷の除電時間の平均値は共に長くなっているが、ばらつき(標準偏差)は小さく、広範囲に正負のイオンが拡散していることが分かる。一般的に、除電器の除電性能としては、「除電時間が20秒以下」ということが言われ、従来例1の除電器の計測位置Aのような除電時間が20秒を超える位置では、除電性能が不十分だと判断できる。また、実際にお客様が使用される場合にも、除電性能に位置によるムラやばらつきがあると、対象物の静電気の低減量にばらつきが生じ、不具合に繋がる可能性が高くなる。したがって、除電時間の平均値が短いということも重要であるが、位置によるばらつきが小さいということはより重要なのであって、その為、本実施形態1の除電器は従来の除電器と比べて除電性能が優れているといえる。
【0030】
次に、図8に、実施形態2の除電器の断面図を示す。図9は、図8の整流板の詳細を示す図である。本除電器は、整流板を除いて実施形態1の除電器と同じ構成をしており、実施形態1の除電器と比較して、整流板7a、7b、7c、7dの軸流ファン2側の隙間を、中央に行くほど広く設計している点が異なっている。つまり、隙間の大きい順に、7d−7c間、7c−7b間、7b−7a間、7a−拡径部4b間となっている。従って、縮径部4a側に比べて軸流ファン2の軸線側では流路抵抗が小さくなるため、ファンの軸線上(中央)からの放出量を多くするこができ、その結果、実施形態1の除電器よりも、中央から送出される正負のイオンの量を増加させることができるのである。
【0031】
表2に、本実施形態2の除電器の除電時間の測定結果を示す。表2の結果を見ると、実施形態1の除電器よりも中央付近(計測位置A、B、C)の除電時間が短くなっていることが分かる。また、従来例1の除電器と比較しても、ばらつき(標準偏差)は小さいことが分かる。
【0032】
【表2】
【0033】
次に、図10に、実施形態3の除電器の断面図を示す。図11は、図10の整流板の詳細を示す図である。本除電器は、整流板を除いて実施形態2の除電器と同じ構成をしており、実施形態2の除電器と比較して、整流板8a、8b、8c、8dの軸流ファン2側の位置が、中央に行くほど軸流ファン2側に近くなるように設計している点が異なっている。つまり、整流板8d、8c、8b、8aの順に、整流板の軸流ファン2側の位置が、軸流ファン2側に近くなっている。また、結果として、軸流ファン2の軸線上、即ち、径方向の中央に位置する整流板8dが、その両隣に位置する整流板8c(もう一方は図示省略)よりも軸流ファン2側に長く形成されている。
【0034】
従って、縮径部4aにより軸流ファン2の軸線上(中央)に向かうような流れが各整流板8a〜8dの軸流ファン側端部に当たって放出口Nへ向かう流れとなり、しかも、ファンの軸線(中央)側ほど長く整流して放出することができ、また、軸流ファン2の軸線上に位置する整流板8dが軸流ファン2側に向けて長く形成されているため、縮径部4aにより軸流ファン2の軸線上に向かうような流れが、その軸線上を越えて反対側にまで回り込んで気流を乱すことが抑えられ、軸流ファン2の軸線上に放出されるイオン量を増やすことができ、安定した広範囲へのイオン放出が可能となる。その結果、実施形態2の除電器よりも、広範囲に均一な正負のイオンを拡散することができるのである。
【0035】
表3に、本実施形態3の除電器の除電時間の測定結果を示す。表3の結果を見ると、実施形態2の除電器よりもばらつき(標準偏差)はさらに小さくなっていることが分かる。
【0036】
【表3】
【0037】
最後に、図12に、本実施形態4の除電器の断面図を示す。本除電器は、実施形態2の除電器の送風路4内の、イオン発生用電極3と縮径部4aとの間に、第二整流板10を追加したものである。この第二整流板10は、軸流ファン2の軸線方向と平行な面を持つリング状の整流版が、同心円状に複数配置されている。従って、軸流ファン2から縮径部4aに向かう空気の乱れを抑えることができ、その結果、縮径部4a、そして、拡径部4bを経て放出口Nから放出されるイオンを含む空気の流れの乱れが少なくなり、効率良く広範囲へイオンを拡散することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の除電器によると、広範囲に効率良く発生したイオンを拡散することが可能なので、バー型除電器や複数のファンを持つファン型除電器よりも、除電器自体が小型でありながら、広範囲の静電気を効率良く除去できる。
【符号の説明】
【0039】
1…除電器、2…軸流ファン、3…イオン発生用電極、4…送風路、
4a…縮径部、4b…拡径部、N…吸気口、M…放出口
5a、5b、5c、5d…整流板、6a、6b…整流板、
7a、7b、7c、7d…整流板、8a、8b、8c、8d…整流板、
9a、9b、9c、9d…整流板、10…第二整流板、
A、B、C、D、E、F、G…除電時間の測定位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧発生器と、該高電圧発生器により電圧が印加されることによりイオンを生成するイオン発生用電極と、吸気口から吸引した空気を前記イオン発生用電極に向けて送風し、生成されたイオンを含むイオン含有空気を放出口から放出する軸流ファンと、前記吸気口と前記放出口とを連通する送風路とを備えた除電器であって、前記イオン発生用電極の下流側の送風路は、前記軸流ファンの軸線と直交する径方向に縮径された縮径部と、この縮径経路から前記放出口へ向けて前記径方向に拡径した拡径部とを有することを特徴とする除電器。
【請求項2】
前記拡径部には、前記縮径部から前記放出口に向けて放射状に延在する複数の整流板を有することを特徴とする請求項1記載の除電器。
【請求項3】
前記複数の整流板の前記軸流ファン側端部は、前記縮径部側から前記軸流ファンの軸線に向かって前記軸流ファン寄りに位置することを特徴とする請求項2記載の除電器。
【請求項4】
前記複数の整流板の内、前記軸流ファンの軸線上に配置された整流板は、その両隣に位置する整流板よりも前記軸流ファン側に向かって長く延在していることを特徴とする請求項2記載の除電器。
【請求項5】
前記複数の整流板の縮径部側端部は、その隣同士の間隔が前記縮径部側から前記軸流ファンの軸線に向かって広くなっていることを特徴とする請求項2〜請求項4何れか一項に記載の除電器。
【請求項6】
前記送風路において、前記縮径部は前記イオン生成用電極側から前記放出口へ向けて徐々に縮径しており、前記拡径部は前記縮径部から前記放出口へ向けて徐々に拡径していることを特徴とする請求項1記載の除電器。
【請求項7】
前記送風路において、前記イオン生成用電極から前記縮径部に向かって前記軸流ファンの軸線と平行に配置された第二整流板を有することを特徴とする請求項1記載の除電器。
【請求項8】
前記イオン発生用電極は、前記軸流ファンの軸線から外側に隔たった位置であって前記軸流ファンの軸周りに複数個配置されていることを特徴とする請求項1記載の除電器。
【請求項1】
高電圧発生器と、該高電圧発生器により電圧が印加されることによりイオンを生成するイオン発生用電極と、吸気口から吸引した空気を前記イオン発生用電極に向けて送風し、生成されたイオンを含むイオン含有空気を放出口から放出する軸流ファンと、前記吸気口と前記放出口とを連通する送風路とを備えた除電器であって、前記イオン発生用電極の下流側の送風路は、前記軸流ファンの軸線と直交する径方向に縮径された縮径部と、この縮径経路から前記放出口へ向けて前記径方向に拡径した拡径部とを有することを特徴とする除電器。
【請求項2】
前記拡径部には、前記縮径部から前記放出口に向けて放射状に延在する複数の整流板を有することを特徴とする請求項1記載の除電器。
【請求項3】
前記複数の整流板の前記軸流ファン側端部は、前記縮径部側から前記軸流ファンの軸線に向かって前記軸流ファン寄りに位置することを特徴とする請求項2記載の除電器。
【請求項4】
前記複数の整流板の内、前記軸流ファンの軸線上に配置された整流板は、その両隣に位置する整流板よりも前記軸流ファン側に向かって長く延在していることを特徴とする請求項2記載の除電器。
【請求項5】
前記複数の整流板の縮径部側端部は、その隣同士の間隔が前記縮径部側から前記軸流ファンの軸線に向かって広くなっていることを特徴とする請求項2〜請求項4何れか一項に記載の除電器。
【請求項6】
前記送風路において、前記縮径部は前記イオン生成用電極側から前記放出口へ向けて徐々に縮径しており、前記拡径部は前記縮径部から前記放出口へ向けて徐々に拡径していることを特徴とする請求項1記載の除電器。
【請求項7】
前記送風路において、前記イオン生成用電極から前記縮径部に向かって前記軸流ファンの軸線と平行に配置された第二整流板を有することを特徴とする請求項1記載の除電器。
【請求項8】
前記イオン発生用電極は、前記軸流ファンの軸線から外側に隔たった位置であって前記軸流ファンの軸周りに複数個配置されていることを特徴とする請求項1記載の除電器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図7】
【公開番号】特開2011−3283(P2011−3283A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−142971(P2009−142971)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
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