説明

陽子発生用のターゲット物質、及びこれを含む治療装置

【課題】陽子発生用のターゲット物質を含む、陽子を利用した治療装置が提供される。
【解決手段】陽子発生用のターゲット物質を含む、陽子を利用した治療装置は、患者が入ることができる内部空間を有する円筒形のボア部材と、ボア部材の内側面に形成された陽子発生用のターゲット物質と、陽子発生用のターゲット物質から陽子を発生させて患者の腫瘍部位に投射するため、陽子発生用のターゲット物質にレーザービームを供給するレーザーとを具備する。陽子発生用のターゲット物質は、支持薄膜と、支持薄膜上に形成された、水素化されたアモルファスシリコン(a−Si:H)薄膜から成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療装置に関し、より詳細には、陽子(proton)発生用のターゲット物質(target material)を含む治療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複雑化した社会に住む人々が、高いストレスと不規則な生活、食事等から自分の健康を守るのは、容易ではない。特に、現代の人々が、悪性腫瘍、即ち、癌によって亡くなる確率は一層高くなっている。癌の発病率も社会的に年々増える一方であり、迅速な社会的な対応が求められている。これにより、癌等に対する治療方法、治療装置も主な関心の対象になっている。
【0003】
効果的な癌の治療は、悪性腫瘍の早期発見に左右される。癌の治療に利用される化学療法その他のほとんどの治療技術は、脳、乳房、卵巣、大腸などの臓器内の明確な腫瘍部位に対して行なわれる。
【0004】
正常でない細胞等が固まりになって大きさが十分に大きくなると、目標物を認識すること、及び局部に集中することが容易になる。これによって、腫瘍の固まりは、外科手術によって除去されたり、又は加熱、冷却、放射線照射、化学療法等によって除去される。しかし、一般に癌は、元の発生部位から非正常細胞の拡散によって隣接する臓器に転移しやすい。従って、腫瘍の固まりを効率よく治療することができる方法が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許公開第2009/0230318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、治療を受ける腫瘍部位に対して必要な特定量だけ陽子を発生させるターゲット物質を提供することである。
【0007】
本発明が解決しようとする他の課題は、治療を受ける腫瘍部位に対して必要な特定量だけ陽子を発生させるターゲット物質の製造方法を提供することである。
【0008】
本発明が解決しようとするその他の課題は、治療を受ける腫瘍部位に対して必要な特定量だけ陽子を発生させるターゲット物質を含む、陽子を利用した治療装置を提供することである。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、前記言及した内容に限られるものではなく、言及していないその他の課題は、当業者であれば後の説明から明確に理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明は、陽子発生用のターゲット物質を提供する。該陽子発生用のターゲット物質は、支持薄膜(supporting film)と、支持薄膜上に形成された、水素化されたアモルファス(amorphous:非晶質)シリコン薄膜とを含む。
【0011】
水素化されたアモルファスシリコン薄膜は、定量化された水素原子含有量(quantitative hydrogen atom content)を有する。
【0012】
水素化されたアモルファスシリコン薄膜は、化学気相蒸着法によって支持薄膜上に形成される。
【0013】
支持薄膜は、導電性を有する物質を含む。導電性を有する物質は、金又はアルミニウムを含む。
【0014】
前記他の課題を解決するために、本発明は、陽子発生用のターゲット物質の製造方法を提供する。該方法は、支持薄膜を用意(prepare)する段階と、支持薄膜上に、水素化されたアモルファスシリコン薄膜を形成する段階とを含む。
【0015】
水素化されたアモルファスシリコン薄膜を形成する段階は、化学気相蒸着法を利用する。水素化されたアモルファスシリコン薄膜を形成する段階は、プラズマ強化化学気相蒸着法を利用する。
【0016】
化学気相蒸着法の蒸着条件によって、水素化されたアモルファスシリコン薄膜の水素原子含有量が調整(adjust)される。蒸着条件は、ガスの組成、圧力、蒸着温度、及び工程時間を含む。
【0017】
支持薄膜は、導電性を有する物質を含む。導電性を有する物質は、金又はアルミニウムを含む。
【0018】
前記その他の課題を解決するために、本発明は、陽子を利用した治療装置を提供する。該治療装置は、患者が入ることができる内部空間を有する円筒形のボア部材(bore member)と、ボア部材の内側面に形成された陽子発生用のターゲット物質と、陽子発生用のターゲット物質から陽子を発生させて患者の腫瘍部位に投射(project)するため、陽子発生用のターゲット物質にレーザービームを供給するレーザーとを含む。陽子発生用のターゲット物質は、支持薄膜と、支持薄膜上に形成された、水素化されたアモルファスシリコン薄膜とを含むことを特徴とする。
【0019】
水素化されたアモルファスシリコン薄膜は、患者の腫瘍部位の治療に必要な特定比率の水素原子含有量を有する。
【0020】
水素化されたアモルファスシリコン薄膜は、化学気相蒸着法によって支持薄膜上に形成される。
【0021】
支持薄膜は、導電性を有する物質を含む。導電性を有する物質は、金又はアルミニウムを含む。
【0022】
ボア部材の内部空間は、真空状態に維持される。
【0023】
レーザーは、高出力レーザーである。レーザービームは、マイクロ波(microwave:極超短波)の高出力レーザービームであっても良い。
【発明の効果】
【0024】
上述のように、本発明の課題解決手段によれば、陽子発生用のターゲット物質が、治療を受ける腫瘍部位に対して必要な特定量だけ陽子を発生させることができるよう定量的に調整された水素含有量を有することで、患者の腫瘍部位に適切な量の陽子を投射することができる。これにより、腫瘍部位の腫瘍細胞の成長を阻止させるか、或いは腫瘍細胞を壊死させる陽子の発生を効率良く増やすことができる。その結果、腫瘍部位をより効果的に治療できる、陽子を利用した治療装置が提供される。
【0025】
また、本発明の課題解決手段によれば、陽子発生用のターゲット物質に含まれ、治療を受ける腫瘍部位に対して必要な特定量だけ陽子等を発生させることができるよう定量的に調整された水素含有量を有する薄膜が、簡単な蒸着工程で形成されることによって、製造費用がかからない陽子発生用のターゲット物質が提供される。これによって、腫瘍部位の治療にかかる費用を減らすことができる陽子発生用のターゲット物質が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態による、陽子を利用した治療装置を説明するための断面図である。
【図2】本発明の実施形態による、陽子を利用した治療装置を説明するための図1のA部分を拡大して示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態による陽子発生用のターゲット物質及びその製造方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付された図面等を参考にして、本発明の好ましい実施形態を詳しく説明する。本発明の長所及び特徴、そして、課題を解決する方法は、添付された図面と共に後述する実施形態によって明確になる。しかし、本発明は、ここに説明される実施形態に限定されるものではなく、異なる形態で具体化することもできる。むしろ、ここに紹介される実施形態は、開示された内容が徹底したもの又は完全なものになるように、そして、当業者らに本発明の思想が十分に伝えられるように提供されるものであり、本発明は、請求項の範囲によって定義されるべきである。また、本発明において同じ符号は、同じ構成要素を示す。
【0028】
本発明で使われる用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。本発明において、単数形は、説明の内容から特別に言及されない限り複数形も含む。明細書で使われる‘含む’は、言及された構成要素、段階、動作、及び/又は素子が、一つ以上の異なる構成要素、段階、動作、及び/又は素子の存在又は追加を排除するものではない。また、好ましい実施形態であるので、説明の順番によって、表記される参照符号は、その順番に限定されない。これに加えて、本発明で、ある膜が異なる膜又は基板上にあるものと言及される場合、これは、異なる膜又は基板上に、直接に形成されている場合と、それらの間に第3の膜が介在している場合とがあることを意味する。
【0029】
また、本発明の実施形態等は、本発明の理想的な例示図である断面図及び/又は平面図を参考にして説明する。図において、膜及び領域の厚さは、説明の便宜のために誇張して示した。従って、製造技術及び/又は許容誤差等によって、例示図の形態が変形されることもできる。従って、本発明の実施形態は、図示された特定の形に制限されるものではなく、製造工程によって生成される形態の変化も含まれる。例えば、直角に図示されたエッチング領域は、弧状、又は所定の曲率を有する形態であっても良い。従って、図面に例示された領域等は、概略的であり、図面に例示された領域等の模様は、素子領域の特定な形態を例示するためのものであり、本発明の範囲を制限すべきものではない。
【0030】
図1は、本発明の実施形態による、陽子を利用した治療装置を説明するための断面図であり、図2は、図1のA部分を拡大して示す断面図である。
【0031】
図1及び図2を参考にすると、陽子を利用した治療装置は、レーザー100と、陽子発生用のターゲット物質210とを含む。
【0032】
レーザー100は、陽子発生用のターゲット物質210から陽子110を発生させて患者300の腫瘍部位305にレーザービームを投射させる。レーザー100は、陽子発生用のターゲット物質210にレーザービーム105を供給する。レーザー100は、高出力レーザーである。レーザービーム105は、マイクロ波の高出力レーザービームであっても良い。これによって、陽子110は、高エネルギーになる。
【0033】
陽子発生用のターゲット物質210は、レーザー100からレーザービーム105を供給されて陽子105を発生させる。陽子発生用のターゲット物質210は、金属薄膜212と、水素Hが含まれる薄膜214とを有する。金属薄膜212は、高い導電性を有する物質を含む。即ち、金属薄膜212は、金Au又はアルミニウムAlを含む。水素が含まれる薄膜214は、水素化されたアモルファスシリコン(hydrogenated amorphous silicon:a−Si:H)薄膜である。
【0034】
陽子を利用した治療装置は、患者300が入ることができる内部空間を有し、陽子発生用のターゲット物質210が内側面に形成された円筒形のボア部材200をさらに含む。陽子発生用のターゲット物質210は、着脱が容易な接着物質(図示せず)を介してボア部材200の内側面に固定される。ボア部材200の内部空間は、真空状態にする。また、ボア部材200の内部空間は、定温定湿(constant−temperature and constant−humidity)の状態に維持される。
【0035】
陽子110は、患者300の腫瘍部位の診断に使われる装置である磁気共鳴映像撮影装置(Magnetic Resonance Imaging:MRI)、コンピュータ断層撮影装置(computer tomography:CT)、陽電子放出断層撮影装置(Positron Emission Tomography:PET)、超音波(ultrasonics wave)機器等のような映像診断機器から得られた腫瘍部位の位置に設定されて投射される。
【0036】
陽子を利用した治療装置の治療原理は、ボア部材200の内部空間に患者300が入ると、レーザー100から提供されるレーザービーム105が陽子発生用のターゲット物質210に供給され、陽子発生用のターゲット物質210から陽子110が発生して患者300の体内に向けて投射され、患者300の体内に投射された陽子110は、患者300の体内にある腫瘍部位305と衝突することによって、陽子110が腫瘍部位305の腫瘍細胞等を攪乱させて破壊する。
【0037】
即ち、陽子110が腫瘍部位と衝突して、腫瘍部位305の腫瘍細胞等を攪乱、破壊することによって、腫瘍細胞の成長を阻止したり、または腫瘍細胞を壊死させることができる。陽子110が腫瘍部位305の腫瘍細胞等を攪乱することは、腫瘍細胞のDNA二重螺旋を攪乱したり、又は腫瘍細胞の核の中の代謝過程を攪乱することを意味する。
【0038】
図1から陽子発生用のターゲット物質210は、ボア部材200の内側面の一部に構成されるよう図示されているが、陽子発生用のターゲット物質210は、必要に応じてボア部材200の内側面の全体にわたって構成されても良い。
【0039】
また、図2を参考にして、陽子を利用した治療装置の陽子発生用のターゲット物質210からの陽子110の発生、及び投射過程をさらに詳しく説明する。
【0040】
陽子110の発生、及び投射過程は、陽子発生用のターゲット物質210の金属薄膜212にレーザービーム105が入射されると、金属薄膜212上に構成される水素が含まれる薄膜214の水素原子等がレーザービームのエネルギーによって陽子等230と電子等220に分離されるプラズマ状態に変化され、この過程で電子等220が陽子発生用のターゲット物質210から陽子等230よりさらに遠く離れていくことによって、陽子等230と電子等220との間のキャパシタ(capacitor)効果によって磁場が発生し、該磁場によって陽子等230は、電子等220の側に加速されることによって、陽子等230が患者300の体外から体内の腫瘍部位305へ投射されるほどの十分なエネルギーを得る。
【0041】
加速された陽子等230は、患者300の体内にある腫瘍部位と衝突して、腫瘍部位305の腫瘍細胞等を攪乱させて、腫瘍細胞の成長を阻止させるか、或いは腫瘍細胞を壊死させる。これにより、患者300の体内にある腫瘍部位305が治療される。
【0042】
陽子発生用のターゲット物質210の水素が含まれる薄膜214は、水素化されたアモルファスシリコン薄膜であるので、水素化されたアモルファスシリコン薄膜の蒸着条件を変更することによって水素原子含有量を調整することができる。即ち、水素が含まれる薄膜214は、特定量の水素原子含有量を有するので、陽子発生用のターゲット物質210の金属薄膜212に入射されたレーザービーム105のエネルギーによって加速される陽子等230の量は、特定量に限定される。水素が含まれる薄膜214の中の水素量の比率(percentage)は、数〜数十%の範囲である
従来の金属薄膜上に水分層(water layer)が吸着された形態の陽子発生用のターゲット物質は、湿度、温度、又は圧力等のような周辺環境によって水分層の水分量が変化される。即ち、従来の陽子発生用のターゲット物質は、周辺環境によって陽子の発生源になる水分層の水分量が変化する。その結果、生成される陽子等の量が定量化(quantify)されない。しかし、本発明の実施形態による陽子発生用のターゲット物質210は、金属薄膜212上に薄膜形態の水素が含まれる薄膜214を有するので、前記周辺環境に関係なく陽子発生用のターゲット物質210は、陽子の発生源になる水素原子等が定量化される状態に維持される。
【0043】
前記本発明の実施形態による陽子を利用した治療装置は、治療を受ける腫瘍部位に対して必要な特定量だけ陽子を発生させることができるよう定量的に調整された水素含有量を有する薄膜、を含む陽子発生用のターゲット物質を具備することによって、患者の腫瘍部位に適切な量の陽子を投射することができる。これによって、腫瘍部位の腫瘍細胞の成長を阻止させるか、或いは腫瘍細胞を壊死させる陽子の発生を効率良く増やすことができる。その結果、本発明の実施形態による陽子を利用した治療装置は、腫瘍部位をより効果的に治療することができる。
【0044】
図3は、本発明の実施形態による陽子発生用のターゲット物質及びその製造方法を説明するための断面図である。
【0045】
図3を参考にすると、金属薄膜212が形成される。金属薄膜212は、高い導電性を有する物質を含む。高い導電性を有する物質は、金又はアルミニウムを含む。
【0046】
金属薄膜212の一面上には、水素が含まれる薄膜214を形成する。水素が含まれる薄膜214の形成は、化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition:CVD)法を利用する。好ましくは、本発明の実施形態による水素が含まれる薄膜214は、プラズマ強化化学気相蒸着(Plasma Enhanced CVD:PECVD)法を利用して形成する。水素が含まれる薄膜214は、水素化されたアモルファスシリコン薄膜である。水素が含まれる薄膜214は、約10〜500Åの厚さを有する。
【0047】
水素化されたアモルファスシリコン薄膜は、シランSiH、アルゴンAr、及び水素Hを含むガスを利用して、金属薄膜212の一面上に化学気相蒸着法で蒸着して得られる。化学気相蒸着の蒸着条件によって、水素化されたアモルファスシリコン薄膜の水素原子含有量が調整される。蒸着条件は、ガスの組成、圧力、蒸着温度、及び工程時間等である。例えば、ガスの中で水素含有量が高いほど、圧力が低いほど、温度が低いほど、工程時間が長いほど、水素化されたアモルファスシリコン薄膜に含まれる水素原子含有量が高くなる。即ち、水素化されたアモルファスシリコン薄膜は、蒸着条件の変更によって、シリコン原子等に対する水素原子等の量が調整される。
【0048】
本発明の実施形態による陽子発生用のターゲット物質は、治療を受ける腫瘍部位に対して必要な特定量だけ陽子を発生させることができるよう定量的に調整された水素含有量を有する薄膜を具備することにより、患者の腫瘍部位に適切な量の陽子等を投射することができる。これにより、腫瘍部位の腫瘍細胞の成長を阻止させるか、或いは腫瘍細胞を壊死させる陽子の発生を効率的に増やすことができる。その結果、本発明の実施形態による陽子発生用のターゲット物質は、腫瘍部位の治療により効果的に利用することができる。
【0049】
また、本発明の実施形態による方法で形成された陽子発生用のターゲット物質では、治療を受ける腫瘍部位に対して必要な特定量だけ陽子を発生させることができるよう定量的に調整された水素含有量を有する薄膜が、簡単な蒸着工程で形成される。これにより、腫瘍部位の治療にかかる費用を減らすことができる陽子発生用のターゲット物質が提供される。
【0050】
前記添付された図面を参考にして本発明の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の技術思想、特徴を変更しない範囲で異なる形態で実施できることをよく理解できよう。従って本発明の実施形態は、例示的なものと理解されるべきである。
【符号の説明】
【0051】
100 レーザー
105 レーザービーム
110、230 陽子
200 ボア部材
210 ターゲット物質
212 金属薄膜
214 水素が含まれる薄膜
220 電子
300 患者
305 腫瘍部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持薄膜と、
前記支持薄膜上に形成された、水素化されたアモルファスシリコン薄膜と、
を含む陽子発生用のターゲット物質。
【請求項2】
前記水素化されたアモルファスシリコン薄膜は、定量化された水素原子含有量を有することを特徴とする請求項1に記載の陽子発生用のターゲット物質。
【請求項3】
前記水素化されたアモルファスシリコン薄膜は、化学気相蒸着法によって前記支持薄膜上に形成されることを特徴とする請求項1に記載の陽子発生用のターゲット物質。
【請求項4】
前記支持薄膜は、導電性を有する物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の陽子発生用のターゲット物質。
【請求項5】
前記導電性を有する物質は、金又はアルミニウムを含むことを特徴とする請求項4に記載の陽子発生用のターゲット物質。
【請求項6】
支持薄膜を用意する段階と、
前記支持薄膜上に、水素化されたアモルファスシリコン薄膜を形成する段階と、
を含む陽子発生用のターゲット物質の製造方法。
【請求項7】
前記水素化されたアモルファスシリコン薄膜を形成する段階は、化学気相蒸着法を利用することを特徴とする請求項6に記載の陽子発生用のターゲット物質の製造方法。
【請求項8】
前記水素化されたアモルファスシリコン薄膜を形成する段階は、プラズマ強化化学気相蒸着法を利用することを特徴とする請求項7に記載の陽子発生用のターゲット物質の製造方法。
【請求項9】
前記化学気相蒸着法の蒸着条件によって、前記水素化されたアモルファスシリコン薄膜の水素原子含有量が調整されることを特徴とする請求項7に記載の陽子発生用のターゲット物質の製造方法。
【請求項10】
前記蒸着条件は、ガスの組成、圧力、蒸着温度、及び工程時間を含むことを特徴とする請求項9に記載の陽子発生用のターゲット物質の製造方法。
【請求項11】
前記支持薄膜は、導電性を有する物質を含むことを特徴とする請求項6に記載の陽子発生用のターゲット物質の製造方法。
【請求項12】
前記導電性を有する物質は、金又はアルミニウムを含むことを特徴とする請求項11に記載の陽子発生用のターゲット物質の製造方法。
【請求項13】
患者が入ることができる内部空間を有する円筒形のボア部材と、
前記ボア部材の内側面に形成された陽子発生用のターゲット物質と、
前記陽子発生用のターゲット物質から陽子を発生させて前記患者の腫瘍部位に投射するため、前記陽子発生用のターゲット物質にレーザービームを供給するレーザーと、
を含むと共に、
前記陽子発生用のターゲット物質は、支持薄膜と、前記支持薄膜上に形成された、水素化されたアモルファスシリコン薄膜とを含むことを特徴とする陽子を利用した治療装置。
【請求項14】
前記水素化されたアモルファスシリコン薄膜は、前記患者の腫瘍部位の治療に必要な特定比率の水素原子含有量を有することを特徴とする請求項13に記載の陽子を利用した治療装置。
【請求項15】
前記水素化されたアモルファスシリコン薄膜は、化学気相蒸着法によって前記支持薄膜上に形成されることを特徴とする請求項13に記載の陽子を利用した治療装置。
【請求項16】
前記支持薄膜は、導電性を有する物質を含むことを特徴とする請求項13に記載の陽子を利用した治療装置。
【請求項17】
前記導電性を有する物質は、金又はアルミニウムを含むことを特徴とする請求項16に記載の陽子を利用した治療装置。
【請求項18】
前記ボア部材の内部空間は、真空状態に維持されることを特徴とする請求項13に記載の陽子を利用した治療装置。
【請求項19】
前記レーザーは、高出力レーザーであることを特徴とする請求項13に記載の陽子を利用した治療装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−92701(P2011−92701A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−221931(P2010−221931)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea
【Fターム(参考)】