説明

隔壁モニタ用インタフェースおよびその使用方法

機内娯楽システムにおける隔壁モニタ用のインタフェースおよびそれを使用する方法である。より詳細には、機内娯楽システムにおいてタッピングユニットとその関連するモニタとを電気的に結合する1ワイヤインタフェース使用である。ワイヤは、タッピングユニットをモニタに結合するために、タッピングユニットの比較器の入力に結合する第1端と、モニタの比較器の入力に結合する第2端と、を有する。インタフェースは、ワイヤを、少なくともビデオモニタのオンまたはオフ状態を示すインジケータ等の負荷に結合する第2ワイヤをさらに有する。インタフェースのワイヤはまた、モニタのマイクロコントローラの送信状態および受信状態のうちの少なくとも一方を示す信号もまた搬送することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の相互参照
本出願は、2006年10月30日に出願された米国仮特許出願第60/855,323号明細書の利益を主張し、その開示内容はすべて参照により本明細書に援用される。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は、隔壁モニタ用インタフェースに関する。より詳細には、本発明は、機内娯楽システムにおいてタッピングユニットとその関連するモニタとの間で通信する1ワイヤインタフェースに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
航空機に配備されるもの等の機内娯楽システムは、ビデオモニタとタッピングユニットとを備える場合がある。当業者が理解することができるように、タッピングユニットは、たとえば管理端末のような通信ユニットから信号を受け取り、それら信号をビデオモニタに提供する。機内娯楽システムにおいて特別な配線を避けるように効率的に、タッピングユニットをビデオモニタに結合することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のいくつかの目的および利点は、添付図面を参照してその好ましい実施形態を詳細に説明することによってより明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図面の簡単な説明
【図1】本発明の一実施形態による機内娯楽システムのタッピングユニットとビデオモニタとの間のインタフェースの一例を示す配線略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
好ましい実施形態の詳細な説明
図1は、本発明の一実施形態による機内娯楽システムにおけるタッピングユニット200とビデオモニタ300との間のインタフェース100の一例を示す。図示するように、また、当業者には理解することができるように、この例におけるタッピングユニット200は、タッピングユニット200内の回路に信号を送信しかつそれらから信号を受信するマイクロコントローラ202を有している。たとえば、マイクロコントローラの送信ポート204はインバータ206の入力に結合されており、インバータ206の出力はオプトカプラ208に結合されている。この例では、インバータ206の出力は、オプトカプラ208の発光ダイオード210のカソードに結合されている。発光ダイオード210のアノードは抵抗器212に結合されており、抵抗器212はさらに、+5ボルトDC電源等のDC電圧電源に結合されている。オプトカプラ208は、図示するようにトランジスタ214をさらに有している。トランジスタ214のコレクタは、トランジスタ216のベースに結合されており、トランジスタ214のエミッタは、電源232(後述する)の負端子に結合されており、電源232はまた比較器218にも結合されている。
【0007】
マイクロコントローラ202の受信端子220は、オプトカプラ222及び抵抗器224に結合されている。抵抗器224はさらに、電源、たとえば+5ボルトDC電源に結合されている。図示するように、オプトカプラ222のトランジスタ226のコレクタは、マイクロコントローラ202の受信端子220に結合されており、トランジスタ226のエミッタは接地されている。オプトカプラ222の発光ダイオード228のアノードは抵抗器230に結合されており、カソードは比較器218の出力に結合されている。抵抗器230はさらに電源232に結合されており、この例では、電源232は+28ボルトDC電源である。
【0008】
電源232とコンデンサ236との間に抵抗器234が結合されており、コンデンサ236はさらに、DC電源232の負端子に結合されている(+28V電源に対する戻り+28V_RTNとして識別されている)。抵抗器234はまた、ツェナーダイオード238のカソードにも結合されており、ツェナーダイオード238のアノードは、DC電源232の負端子に結合されている。さらに図示するように、電源232は、電力比較器218に結合されており、コンデンサ236およびツェナーダイオード218のカソードは、比較器218の入力に結合されている。
【0009】
さらに図示するように、電源232の負端子とトランジスタ216のベースとの間に抵抗器240が結合されており、トランジスタ216のベースはさらに、抵抗器242に結合されている。したがって、抵抗器242は、トランジスタ216のベースと電源232の正端子との間に結合されている。トランジスタ216のコレクタは比較器218の入力に結合されており、トランジスタ216のエミッタは電源232の負端子に結合されている。
【0010】
さらに、電源232の正端子と負端子との間に、コンデンサ244が結合されている。ダイオード246のカソードは、電源232の正端子に結合されており、ダイオード244のアノードは抵抗器248に結合されている。抵抗器248の他端は、電源232の負端子に結合されている。
【0011】
さらに図示するように、かつ後により詳細に説明するように、インタフェース100のワイヤは、比較器218の入力端子と抵抗器216のコレクタとに結合されている。
【0012】
ここでビデオモニタ300の詳細を参照すると、ビデオモニタ300はマイクロコントローラ302を有している。マイクロコントローラ302の送信端子304は、インバータ306の入力に結合されている。インバータ306の出力は、オプトカプラ308に結合されている。特に、インバータ306の出力はオプトカプラ308の発光ダイオード310のカソードに結合されており、発光ダイオード310のアノードは抵抗器312に結合されている。抵抗器312はさらに電源に結合されており、電源はこの例では+5ボルトDC電源である。オプトカプラ308はさらにトランジスタ314を有しており、そのコレクタはトランジスタ316のベースに結合されており、トランジスタ314のエミッタは、比較器318と電源332(後述する)の負端子とに結合されている。
【0013】
さらに図示するように、マイクロコントローラ302の受信端子320はオプトカプラ322に結合されている。特に、受信端子320は抵抗器324に結合されており、それはさらに電源に結合されており、電源は、この例では+5ボルトDC電源である。受信端子320はまた、オプトカプラ322のトランジスタ326のコレクタにも結合されており、トランジスタ326のエミッタは接地されている。オプトカプラ322の発光ダイオード328のカソードは比較器318の出力に結合されており、発光328のアノードは抵抗器330に結合されている。抵抗器330はさらに電源332に結合されており、電源332は、この例では28ボルトDC電源であり、上述した電源232と同じ電源であってもよい。しかしながら、この説明の目的で、ビデオモニタ300に関連する電源を電源332と呼ぶことにする。
【0014】
比較器318の入力端子と電源332との間に、抵抗器334が結合されている。比較器318の別の入力端子と電源332の負端子との間に、コンデンサ336が結合されている。さらに、比較器318のその入力端子には、ツェナーダイオード338のカソードが結合されており、ツェナーダイオード338のカソードは電源332の負端子に結合されている。電源332の正端子とツェナーダイオード338のカソードとの間に、抵抗器340が結合されている。さらに、電源332の正端子とトランジスタ316のベースとの間に、抵抗器342が結合されている。トランジスタ316のベースと電源332の負端子との間に、抵抗器344が結合されている。トランジスタ316のエミッタもまた、電源332の負端子に結合されている。さらに、電源332の正端子と負端子との間に、コンデンサ346が結合されている。
【0015】
さらに、トランジスタ316のコレクタは、比較器348の入力に結合されている。比較器348はさらに、電源332の正端子と負端子との間に結合されており、比較器348の入力は、図示するように比較器318の入力に結合されている。比較器348の出力はオプトカプラ350に結合されている。特に、比較器348の出力は、オプトカプラ350の発光ダイオード352のカソードに結合されており、発光ダイオード352のアノードは抵抗器354に結合されており、抵抗器354はさらに、電源332の正端子に結合されている。オプトカプラ350のトランジスタ356のコレクタは、電源332の正端子に結合されており、エミッタは、トランジスタ316のコレクタに並列に結合されている抵抗器360および362に結合されている。電源332の正端子と負端子との間にはまた、コンデンサ358も結合されている。
【0016】
さらに、インタフェース100のワイヤがトランジスタ316のコレクタに結合されており、したがって、比較器348の入力にも結合されている。
【0017】
インタフェース100はさらに、電源232または332の負端子に結合された、インジケータランプのような負荷に結合されていることに留意されたい。インタフェース100は、この実施形態では、タッピングユニット200およびビデオモニタ300が配備された航空機の機内娯楽システムの配線を使用する。インタフェース100は、この例では、マスタ・スレーブプロトコルに準拠するRS−232インタフェースであることに留意されたい。すなわち、ビデオモニタ300はスレーブ装置であり、通信を開始しない。むしろ、ビデオモニタ300は、マスタ装置として機能するタッピングユニット200からのメッセージに応答して送信する。ビデオモニタ300の「ON」インジケータは、ビデオモニタ300がタッピングユニット200あるいはランプまたはリレー等の別の外部装置とインタフェースするときに機能する。
【0018】
インタフェース100は、既存の個別ラインを、機内娯楽システムにおいてタッピングユニット200とその関連するビデオモニタ300との間で通信するために、半二重RS232信号に変換する。一実施形態では、インタフェース100で使用される個別ラインは、タッピングユニット200とビデオモニタ300との間の標準ケーブルにおける従来のオンインジケータ(ON INDICATOR)ワイヤである。
【0019】
初期状態の間、インタフェース100上の1ワイヤ信号のロジックはロジック「ロー」(すなわちゼロ電圧)である。初期化後、マイクロコントローラ202および302は、オプトカプラ208および308をそれぞれON状態にし、それによりトランジスタ226および314のコレクタにおける電圧はローになり、発光ダイオード222および310のカソードにおける電圧はローになり、それによってトランジスタ216および316はオフとなる。したがって、比較器348の出力はローになり、オプトカプラ350がONとなる。したがって、インタフェース100上の1ワイヤ信号は+28VDCでハイとなる。その時、ビデオモニタ300のマイクロコントローラ302は受信モードである。
【0020】
送信状態の間、マイクロコントローラ300は、RS232信号を機内娯楽システムにおける他のライン交換ユニット(line replaceable unit)(LRU)にRS232信号を送信する。以下の表1は、タッピングユニット200、ビデオモニタ300およびインタフェース100のさまざまなポイントの回路に対するローおよびハイ状態、したがって、マイクロコントローラ302の送信モードに対するハイおよびロー(オンおよびオフ)状態を示す。
【0021】
【表1】

【0022】
受信状態の間、マイクロコントローラ300は、他のLRUからRS232信号を受信する。以下の表2は、タッピングユニット200、ビデオモニタ300およびインタフェース100のさまざまなポイントの回路に対するローおよびハイ状態、したがって、マイクロコントローラ302の受信モードに対するハイおよびロー(オンおよびオフ)状態を示す。
【0023】
【表2】

【0024】
1ワイヤ信号はまた、機内娯楽システムにおいて従来のオンインジケータ機能としての役割も果たし、リレーやランプのような外部装置を駆動するために、ロジックハイレベル(>18V)で50mAまでの電流を調達することができる。
【0025】
本発明のわずかな数の例示的な実施形態のみを上に詳述したが、当業者は、本発明の新規な教示および利点から実質的に逸脱することなく、例示的な実施形態において多くの変更が可能であることを容易に理解するであろう。たとえば、プロセスに示すステップの順序および機能を、本発明の趣旨から逸脱することなくいくつかの点で変更してもよい。したがって、かかる変更はすべて、本発明の範囲内に含まれるように意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機内娯楽システムにおいてタッピングユニットをモニタに結合するインタフェースであって、
前記タッピングユニットを前記モニタに結合する、前記タッピングユニットの比較器の入力に結合する第1端と、前記モニタの比較器の入力に結合する第2端と、を有するワイヤ
を備える、インタフェース。
【請求項2】
前記ワイヤの第1端が、前記タッピングユニットの前記比較器の入力に直接結合し、前記ワイヤの第2端が、前記モニタの前記比較器の入力に直接結合する、請求項1に記載のインタフェース。
【請求項3】
前記ワイヤの第1端がさらに、前記タッピングユニットのトランジスタのコレクタに結合し、前記ワイヤの第2端がさらに、前記モニタのトランジスタのコレクタに結合する、請求項1に記載のインタフェース。
【請求項4】
前記ワイヤを負荷に結合する第2ワイヤ
をさらに備える、請求項1に記載のインタフェース。
【請求項5】
前記負荷が、前記タッピングユニットおよび前記モニタの外部である、請求項4に記載のインタフェース。
【請求項6】
前記第2ワイヤがさらに、前記負荷を介して前記ワイヤを電源に結合する、請求項4に記載のインタフェース。
【請求項7】
前記負荷がインジケータを含み、
前記ワイヤがさらに、少なくとも前記ビデオモニタのオンまたはオフ状態を示すように前記インジケータを制御する信号を搬送するように構成される、請求項4に記載のインタフェース。
【請求項8】
前記インジケータがランプを含む、請求項7に記載のインタフェース。
【請求項9】
前記ワイヤがさらに、前記モニタのマイクロコントローラの送信状態および受信状態のうちの少なくとも一方を示す信号を搬送するように構成される、請求項1に記載のインタフェース。
【請求項10】
前記ワイヤのみが、前記タッピングユニットを前記モニタに電気的に接続し、それにより、信号が前記タッピングユニットと前記モニタとの間で前記ワイヤを介してのみ送信される、請求項1に記載のインタフェース。
【請求項11】
機内娯楽システムにおいてタッピングユニットをモニタに結合する方法であって、
第1端および第2端を有するワイヤを備えるインタフェースを提供するステップと、
前記ワイヤの第1端を、前記タッピングユニットの比較器の入力に結合するステップと、
前記ワイヤの第2端を、前記モニタの比較器の入力に結合することにより、前記タッピングユニットを前記モニタに結合するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記ワイヤの第1端を結合するステップが、前記第1端を前記タッピングユニットの前記比較器の入力に直接結合するステップを含み、
前記ワイヤの第2端を結合するステップが、前記第2端を前記モニタの前記比較器の入力に直接結合するステップを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ワイヤの第1端を、前記タッピングユニットのトランジスタのコレクタにさらに結合するステップと、
前記ワイヤの第2端を、前記モニタのトランジスタのコレクタにさらに結合するステップと、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ワイヤに第2ワイヤの一端を結合し、前記第2ワイヤの他端を負荷に結合するステップ
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記負荷がインジケータを含み、
少なくとも前記ビデオモニタのオンまたはオフ状態を示すように前記インジケータを制御する信号を、前記ワイヤを介して提供するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
タッピングユニットと、
モニタと、
前記タッピングユニットを前記モニタに結合する、前記タッピングユニットの比較器の入力に結合する第1端と、前記モニタの比較器の入力に結合する第2端と、を有するワイヤを備えるインタフェースと、
を備える、機内娯楽システム。
【請求項17】
前記ワイヤの第1端が、前記タッピングユニットの前記比較器の入力に直接結合し、前記ワイヤの第2端が、前記モニタの前記比較器の入力に直接結合する、請求項16に記載の機内娯楽システム。
【請求項18】
前記ワイヤの第1端が、前記タッピングユニットのトランジスタのコレクタにさらに結合し、前記ワイヤの第2端が、前記モニタのトランジスタのコレクタにさらに結合する、請求項16に記載の機内娯楽システム。
【請求項19】
前記インタフェースが、前記ワイヤをインジケータに結合する第2ワイヤをさらに備え、
前記ワイヤがさらに、少なくとも前記ビデオモニタのオンまたはオフ状態を示すように前記インジケータを制御する信号を搬送するように構成される、請求項16に記載の機内娯楽システム。
【請求項20】
前記ワイヤがさらに、前記モニタのマイクロコントローラの送信状態および受信状態のうちの少なくとも一方を示す信号を搬送するように構成される、請求項16に記載の機内娯楽システム。

【図1】
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【公表番号】特表2010−508705(P2010−508705A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534681(P2009−534681)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/022764
【国際公開番号】WO2008/054684
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(503202756)タレス アビオニクス インコーポレイテッド (20)
【Fターム(参考)】