説明

集光シート

【課題】
高精度の表面加工および過度の表面洗浄を必要とせずに高い集光効率を実現する。
【解決手段】
本発明は、透光性材料から成るシートの厚さ方向の切断面において、透光性材料から成る透光層2と、光を反射させる反射層3とを、切断面における厚さ方向と直角方向に交互に積層して成り、複数の反射層3を、厚さ方向に対して鋭角に傾斜して形成し、シートの内部に入射する光を、複数の反射層3にて屈折させて、シートの外部にて集光する集光シート1に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に入射する光を外部にて集光する集光シートに関する。
【背景技術】
【0002】
集光は、従来から、虫眼鏡のような凸レンズを使って行われていた。近年、エレクトロニクスの著しい発展に伴い、レンズの薄型化が要求され、フレネルレンズと称するレンズ表面に鋸歯型の凹凸を形成し、凸レンズの凸面と同じ屈折作用をより薄厚のレンズにて実現するものが使用されている。フレネルレンズは、灯台用レンズに始まり、現在では、カメラ、投影用レンズ、液晶ディスプレイ用のバックライトユニット、太陽光発電ユニットなど様々な機器若しくは技術分野にて用いられている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2007−520723
【特許文献2】特開2002−289898
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図10は、従来から用いられているフレネルレンズの一例の断面図を示す。従来から用いられているフレネルレンズ100は、図10に示すように、その表面に鋸歯型の凹凸101を備える。例えば、フレネルレンズ100の中心を貫通する法線上に集光させる場合、凹凸101は、フレネルレンズ100の中心から端部に向かって、水平面に対する傾斜角を徐々に大きくするように形成されている。このため、凹凸101を有する面から照光すると、その光は凹凸101を有する面内の中心から径方向までの間で異なる屈折角にて屈折し、フレネルレンズ100を透過した外部にて集光する。
【0005】
しかし、正確な位置に集光させるためには、上記凹凸101に対して極めてシャープな有溝形状であることが要求される。溝部分が湾曲すると集光効率が低下してしまうため、フレネルレンズ100に対して、極めて高度な表面加工が要求される。また、溝内に汚れ等が貯留すると、同じく集光率が低下する。常に汚れを洗浄して凹凸101を清浄に保持することは、煩わしさを増大させ、機器内部にフレネルレンズ100を搭載する場合には、不可能に近い。また、汚れの貯留を防止するために、フレネルレンズ100の外側にカバーを設けることも考えられるが、その場合には、広いスペースの確保の他、カバーを別途配置することによる透光性の低下を免れない。
【0006】
本発明は、上記のような問題に鑑みて、従来のフレネルレンズと異なる構成によって集光する観点にてなされたものであって、高精度の表面加工および過度の表面洗浄を必要とせずに高い集光効率を実現する集光シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の一形態は、透光性材料から成るシートの厚さ方向の切断面において、透光性材料から成る透光層と、光を反射させる反射層とを、切断面における厚さ方向と直角方向に交互に積層して成り、複数の反射層を、厚さ方向に対して鋭角に傾斜して形成し、シートの内部に入射する光を、複数の反射層にて屈折させて、シートの外部にて集光する集光シートである。
【0008】
本発明の別の形態は、反射層が、透光性材料の屈折率よりも低い屈折率を有する材料から構成される集光シートである。
【0009】
本発明の別の形態は、反射層が金属にて形成される集光シートである。
【0010】
本発明の別の形態は、複数の反射層が、切断面内において、シートをその厚さ方向に貫き集光部に結ぶ基準線に近い側から遠い側に向かって、鋭角の傾斜角を大きくし、かつ隣り合う反射層間のピッチを大きくするように形成される集光シートである。
【0011】
本発明の別の形態は、複数の反射層が、切断面内において、シートをその厚さ方向に貫き集光部に結ぶ基準線に近い側から遠い側に向かって、鋭角の傾斜角を同一とし、かつ隣り合う反射層間のピッチを同一とするように形成される集光シートである。
【0012】
本発明の別の形態は、透光層と反射層とを隣接させて、それら両層をシートの径方向に同心状に巻回させて成る集光シートである。
【0013】
本発明の別の形態は、透光層と反射層とを隣接させて、それら両層を交互にシートの幅方向若しくは長さ方向に直列配置させて成る集光シートである。
【0014】
本発明の別の形態は、透光性材料を、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂またはガラスのいずれか1つとする集光シートである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、高精度の表面加工および過度の表面洗浄を必要とせずに高い集光効率を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の第一の実施の形態に係る集光シートの斜視図を示す。
【図2】図2は、図1に示す集光シートのA1−A1線断面図を示す。
【図3】図3は、図2に示す集光シートの一部Bの拡大断面図を示す。
【図4】図4は、第一の実施の形態に係る集光シートの例示的な製造方法(4A,4B)を説明するための図を示す。
【図5】図5は、図4の工程に続く製造工程を説明するための図を示す。
【図6】図6は、本発明の第二の実施の形態に係る集光シートの斜視図を示す。
【図7】図7は、図6に示す集光シートのA2−A2線断面図を示す。
【図8】図8は、本発明の第三の実施の形態に係る集光シートの斜視図、当該集光シートのA3−A3線断面図、および円板状の集光シートの一方を凸状に湾曲させたときの同様の断面図を、それぞれ示す。
【図9】図9は、本発明の第四の実施の形態に係る集光シートの斜視図およびその斜視図中の一部Gの拡大図を、それぞれ示す。
【図10】図10は、従来から用いられているフレネルレンズの一例の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明に係る集光シートの各実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
1.第一の実施の形態
図1は、本発明の第一の実施の形態に係る集光シートの斜視図を示す。図2は、図1に示す集光シートのA1−A1線断面図を示す。図3は、図2に示す集光シートの一部Bの拡大断面図を示す。
【0019】
第一の実施の形態に係る集光シート1は、全体的に円板形状を有するシートである。ここで、「シート」とは、その表側の面あるいは裏側の面に対して厚さ方向の切断面の小さな、いわゆる薄厚体を意味し、その硬度の如何、および平板か否かを問わない。集光シート1は、透光性材料からなるシートの厚さ方向の切断面において、透光性材料から成る透光層2と、光を反射させる反射層3とを、切断面における厚さ方向と直角方向に相当する集光シート1の径方向に、交互に積層して成る。集光シート1の表側の面および裏側の面は、平滑な面である。ここで、「平滑な面」とは、フレネルレンズに形成されているような凹凸(すなわち、入射する光を屈折させて外部に集光させるような凹凸)を有していない面であることを意味し、フラットであるか、湾曲しているか、あるいは多少のうねりのある面か否かを問わない。以後の他の実施の形態でも同様である。各反射層3は、集光シート1の表側の面から裏側の面に至ると共に、好適には、集光シート1の厚さ方向の長さよりも径方向の長さを小さくした薄厚の層である。各反射層3は、集光シート1の厚さ方向に対して鋭角の傾斜角Φ(図3を参照)にて傾斜して形成されている。
【0020】
複数の反射層3は、集光シート1の厚さ方向に切断した切断面内において、シートをその厚さ方向に貫き集光部Fに結ぶ基準線Lに近い側から遠い側に向かって、傾斜角Φを、Φ1、Φ2、・・・、Φnと順に大きくし、かつ隣り合う反射層3間のピッチPを、P1、P2、・・・、Pnと順に大きくなるように形成されている(図2を参照)。この実施の形態では、基準線Lは、集光シート1の円の中心を厚さ方向に貫く垂直線である。ただし、基準線Lは、これに限定されず、例えば、集光部Fが集光シート1の中心延長線からずれている場合、集光シート1の円の中心から所定距離だけずれた位置を貫く垂直線であっても良い。集光シート1の内部におけるこのような構成は、集光シート1の内部に入射する光を、複数の反射層3にて屈折させて、集光シート1の外部にある集光部Fに集光することを可能とする。
【0021】
透光層2を形成するための透光性材料には、透過光/入射光の光量比が0.8以上であれば、如何なる材料を用いても良く、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂などの樹脂材料の他、透明性の高いガラスを用いても良く、その中でも特に、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、PC樹脂あるいはガラスを好適に用いることができる。反射層3は、上記透光性材料の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率材料、または光の反射能に優れた金属材料から成る。ここで、「屈折率」は、JIS K7142による測定法による屈折率をいう。反射層3を低屈折率材料にて構成する場合、反射層3の屈折率(n)と透光層2の屈折率(n)の差が大きいほど、図3に示す臨界角θが小さくなる。これは、sinθ=n/nという関係式が成り立つからである。臨界角θを小さくできることは、反射層3の傾斜角Φを大きくできること、隣り合う反射層3間の幅(ピッチ)Pを大きくし、集光シート1の厚さTを薄くできることを意味する。傾斜角Φを大きくすることにより、集光シート1から集光部Fまでの焦点距離を短くできる。
【0022】
例えば、反射層3を屈折率1.40のシリコーン樹脂にて形成し、透光層2を屈折率1.55のシリコーン樹脂にて形成する場合、臨界角θは約70度となる。よって、集光シート1の最外周側に位置する反射層3の傾斜角Φを最大で20度まで傾斜できる。反射層3は、集光シート1の最外周側から中心に向かうに従い、順に傾斜角Φを小さくする、すなわち集光シート1の厚さ方向に対して平行に近づけるように設計する。反射層3の厚さを20ミクロン、集光シート1の厚さTを4mmとすると、最外周の反射層3とその内側に隣り合う反射層3とのピッチPを約1.4mmとし、集光シート1の中心に向かって、反射層3同士のピッチPを順に小さくして、集光部Fに集光可能な角度に設定する。このように、透光層2および反射層3の各材料にどのような材料を用いるかにより、ピッチPと集光シート1の厚さの最適値を設定することができる。
【0023】
集光シート1の中心から径方向外側に向かってピッチPを順に大きくするのは、反射層3の傾斜角Φを集光シート1の中心から径方向外側に向かって大きくするため、各反射層3にて反射された光を隣り合う別の反射層3にて再び反射させることなくスムーズに透光層2を通過させる必要からである。
【0024】
反射層3を金属にて形成する場合には、透光層2との屈折率の差は関係ない。したがって、集光部Fは、反射層3の傾斜角Φのみにより決定する。
【0025】
図4は、第一の実施の形態に係る集光シートの例示的な製造方法(4A,4B)を説明するための図を示す。図5は、図4の工程に続く製造工程を説明するための図を示す。
【0026】
例えば、反射層3を構成する材料が金属以外の場合には、図4の(4A)に示すように、透光性材料からなる透光性シート12と反射層3用の反射性シート13とを重ねて、同心状に巻回する。透光性シート12は、一方から他方に向かって徐々に厚さを増す形状であって、巻回方向に向かって厚くなるように巻回する。次に、巻回体をその長さ方向に切断し、各切断物を加熱しながら、その長さ方向一端を絞るように円錐台形状に成形する。この結果、一方の端面が直径D1、その反対側の端面が直径D2(<D1)の成形体20ができあがる。また、加熱によって、透光性シート12と反射性シート13とが溶着する。最後に、成形体20をCで示す点線から切断して、集光シート1を得る。
【0027】
一方、反射層3を構成する材料が金属の場合には、上記製造工程以外に、図4の(4B)に示す方法でも集光シート1を製造することができる。透光性シート12の一方の面に、コーティング等の手法によって金属膜14を形成し、金属膜14を内側にして透光性シート12を同心状に巻回する。透光性シート12は、先の例と同様、一方から他方に向かって徐々に厚さを増す形状であって、巻回方向に向かって厚くなるように巻回する。次に、巻回体をその長さ方向に切断し、各切断物を加熱しながら、その長さ方向一端を絞るように円錐台形状に成形する。この結果、一方の端面が直径D1、その反対側の端面が直径D2(<D1)の成形体20ができあがる。その後、成形体20をCで示す点線から切断して、集光シート1を得る。図4の(4B)に示す方法は、反射層3を樹脂にて構成する場合にも用いることができる。例えば、透光性シート12の一方の面に、樹脂性の接着剤から成る接着剤層15を設け、その接着剤層15を内側にして巻回することにより、透光層2および反射層3が共に樹脂層から成る集光シート1を製造することができる。透光性シート12は、樹脂以外に、ガラスからなるシートであっても良い。さらに、ガラスシートを巻回しにくい場合には、加熱してガラスシートを軟化させながら巻回することもできる。
【0028】
2.第二の実施の形態
次に、本発明の第二の実施の形態に係る集光シートについて説明する。第二の実施の形態において、第一の実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0029】
図6は、本発明の第二の実施の形態に係る集光シートの斜視図を示す。図7は、図6に示す集光シートのA2−A2線断面図を示す。
【0030】
第二の実施の形態に係る集光シート1aは、第一の実施の形態に係る集光シート1と異なり、集光シート1aの中央部分に反射層3を設けず、かつ当該中央部分から集光シート1aの径方向外側の領域に同じ傾斜角Φおよび同じピッチPにて複数の反射層3を配置する。傾斜角Φの調整次第で、集光シート1aの面に平行に入射する光を、第一の実施の形態に示す点状の集光部Fではなく、それより面積の広い面状の集光部Fに集光させることができる。
【0031】
集光シート1aを製造する場合、巻回方向において同じ厚さの透光性シートのみを巻回して、最初に集光シート1aの直径より小さい直径を有する芯材をつくり、途中から反射性シートを介在させて、反射性シートを内側にして、透光性シートと反射性シートを一緒に巻回する。その後の工程は、図5に基づき第一の実施の形態にて説明したと同様の工程にて、集光シート1aを製造する。金属製の反射層3を有する集光シート1aを製造する場合には、透光性シートの途中から、コーティング等の手法によって金属膜を形成し、金属膜を形成していない一端側から透光性シートを巻回していき、その巻回の途中で、金属膜を内側にして巻回する。その後の工程は、図5に基づき第一の実施の形態にて説明したと同様の工程にて、集光シート1aを製造する。
【0032】
3.第三の実施の形態
次に、本発明の第三の実施の形態に係る集光シートについて説明する。第三の実施の形態において、先に説明した実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0033】
図8は、本発明の第三の実施の形態に係る集光シートの斜視図、当該集光シートのA3−A3線断面図、および円板状の集光シートの一方を凸状に湾曲させたときの同様の断面図を、それぞれ示す。
【0034】
第三の実施の形態に係る集光シート1bは、第二の実施の形態に係る集光シート1aと異なり、A3−A3断面図に示すように、平板状態において、反射層3を集光シート1bの厚さ方向と平行に配置し、傾斜角Φ=0度とする構成である。なお、複数の反射層3は、等間隔のピッチPにて、集光シート1bの基準線(この場合、中心線)Lから径方向外側の所定位置までの間に配置されず、当該所定位置から径方向外端までの間に配置されている。平板状の集光シート1bを、その中心を凸とする湾曲面形状に変形させると、反射層3が基準線Lに対して傾斜角Φをなすように二次成形する。この結果、湾曲面形状の集光シート1bの凸面側から基準線Lと平行に入射する光の方向と各反射層3とのなす角度は、傾斜角Φとなる。このような湾曲面形状の集光シート1bは、その凸面から光を入射する場合には、ある集光部に集光できる。
【0035】
4.第四の実施の形態
次に、本発明の第四の実施の形態に係る集光シートについて説明する。第四の実施の形態において、先に説明した実施の形態と同様の構成については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0036】
図9は、本発明の第四の実施の形態に係る集光シートの斜視図およびその斜視図中の一部Gの拡大図を、それぞれ示す。
【0037】
第四の実施の形態に係る集光シート1cは、第一〜第三の各実施の形態に係る集光シート1,1a,1bと異なり、薄厚の四角形状を有する。集光シート1cの一部Gの拡大図に示すように、透光層2と反射層3は、集光シート1cの幅方向(長さ方向であっても良い)に交互に積層されている。反射層3は、透光層2を構成する透光性材料の屈折率より低い屈折率を有する透光性材料、若しくは金属材料にて構成される。複数の反射層3は、集光シート1cの幅方向中央から両側に向かって傾斜角を大きくするように配置される。この実施の形態では、基準線は、集光シート1cの幅方向中央を、シートの厚さ方向に貫くように設定される。このような構造の集光シート1cを用いると、集光シート1cの面に対して平行に光を入射すると、集光シート1cの長さ方向に細長く、幅方向に狭められた集光部Fに集光させることができる。集光部Fは、反射層3の傾斜角等の調整によって、図9に示すような細長い長方形の他、集光シート1cの長さ方向に伸びる線状にすることもできる。
【0038】
5.その他の実施の形態
以上、本発明の好適な各実施の形態について説明したが、本発明は、上述の各実施の形態に限定されず、種々変形して実施できる。
【0039】
集光シート1,1a,1bは、透光性シート12を同心状に巻回して製造されたものであるが、それと異なる構成であっても良い。例えば、集光シート1,1a,1bは、同心円状に大きさの異なるリングを、集光シート1,1a,1bの径方向に重ねて配置し、リング間に反射層3を挟むようにして構成されても良い。
【0040】
上述の各実施の形態に含まれる複数の構成は、互いに任意に組み合わせることもできる。例えば、第四の実施の形態に係る集光シート1cに、第三の実施の形態に係る集光シート1bに採用される構成を利用し、集光シート1cの幅方向中心を凸にして湾曲する集光シートを形成しても良い。また、第四の実施の形態に係る集光シート1cに、第二の実施の形態に係る集光シート1aに採用される構成を利用し、集光シート1cの幅方向中央近傍領域に反射層3を配置せず、当該領域より幅方向外側に反射層3を配置しても良い。さらに、その場合、反射層3同士のピッチPを同一にし、反射層3の傾斜角Φを同一にすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、例えば、太陽光発電ユニット、液晶表示用のバックライトユニット、照明カバー等に利用することができる。
【符号の説明】
【0042】
1,1a,1b,1c 集光シート
2 透光層
3 反射層
L 基準線
Φ 傾斜角
,n 屈折率
ピッチ P
集光部 F

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性材料から成るシートの厚さ方向の切断面において、上記透光性材料から成る透光層と、光を反射させる反射層とを、上記切断面における上記厚さ方向と直角方向に交互に積層して成り、
複数の上記反射層を、上記厚さ方向に対して鋭角に傾斜して形成し、
上記シートの内部に入射する光を、複数の上記反射層にて屈折させて、上記シートの外部にて集光することを特徴とする集光シート。
【請求項2】
前記反射層は、前記透光性材料の屈折率よりも低い屈折率を有する材料から成ることを特徴とする請求項1に記載の集光シート。
【請求項3】
前記反射層は、金属にて形成されることを特徴とする請求項1に記載の集光シート。
【請求項4】
複数の前記反射層は、前記切断面内において、前記シートをその厚さ方向に貫き集光部に結ぶ基準線に近い側から遠い側に向かって、前記鋭角の傾斜角を大きくし、かつ隣り合う前記反射層間のピッチを大きくするように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の集光シート。
【請求項5】
複数の前記反射層は、前記切断面内において、前記シートをその厚さ方向に貫き集光部に結ぶ基準線に近い側から遠い側に向かって、前記鋭角の傾斜角を同一とし、かつ隣り合う前記反射層間のピッチを同一とするように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の集光シート。
【請求項6】
前記透光層と前記反射層とを隣接させて、それら両層を前記シートの径方向に同心状に巻回させて成ることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の集光シート。
【請求項7】
前記透光層と前記反射層とを隣接させて、それら両層を交互に前記シートの幅方向若しくは長さ方向に直列配置させて成ることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の集光シート。
【請求項8】
前記透光性材料は、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂またはガラスのいずれか1つであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の集光シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−109284(P2013−109284A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−256159(P2011−256159)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】